JP2008274905A - 多種燃料内燃機関の燃焼制御装置 - Google Patents

多種燃料内燃機関の燃焼制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】使用燃料に適した燃焼制御をすることによって、燃費および排気ガス浄化両方を向上させることができる。
【解決手段】多種燃料内燃機関において、使用燃料の着火性および蒸発性を燃料密度から検出する。そして、着火性および蒸発性と燃圧との関係を示すマップデータに基づいて、インジェクタから噴射される燃料の燃圧を定める。このとき、着火性が高く蒸発性の低い燃料ほど、燃圧を高く設定する。そして、圧力レギュレータを制御することにより、燃料性状に応じた燃圧で燃料を噴射させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、様々な燃料を使用可能な多種燃料内燃機関に関し、特に、燃料性状に応じた燃料噴射制御に関する。
燃料性状の異なる様々な燃料を使用可能な多種燃料内燃機関の中には、拡散燃焼、予混合燃焼による運転が可能な機関もあり、運転状態に応じて燃焼モードが切り替えられる。予混合燃焼モードの場合、内燃機関は火花点火式エンジンとして動作し、拡散燃焼モードの場合、内燃機関は圧縮着火式エンジンとして動作する(例えば、特許文献1参照)。
一方、ディーゼルエンジンでは、高圧燃料を筒内噴射するコモンレール式燃料噴射装置が使用されており、噴射圧、噴射量、噴射時期を細かく制御することが可能である。燃料性状の違いによって燃料気化、燃焼性などが変化するため、燃料に応じて燃料噴射を変える必要があり、例えば、燃料のセタン価が低い(着火性が低い)場合、コモンレールによる燃料噴射制御によって噴射圧を上げ、未燃HCの増加を防ぐ(特許文献2参照)。
特開2004−245126号公報 特開2005−48703号公報
多種燃料内燃機関に使用される燃料は様々であり、セタン価(着火性)だけでなく蒸発性、発熱量、含酸素分量などそれ以外の燃料性状も異なる。これら燃料性状は、燃料気化などに影響し、燃焼性も変化する。したがって、着火性のみに着目して燃料噴射を制御しても、その燃料に対して適切な燃焼制御ができず、燃費の悪化および排気ガス排出量の増加を招く。
本発明は、燃料性状の異なる複数の燃料を用いて運転可能な多種燃料内燃機関の燃焼制御装置であり、機関運転状態に基づいて、燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段を備える。例えば、燃料噴射制御手段は、機関回転数、負荷などに基づいて、燃料噴射時期、燃料噴射量、燃料噴射圧(以下、燃圧という)、噴射率などを制御する。
本発明の燃料噴射制御手段は、使用燃料の蒸発性および着火性に応じて燃料噴射における噴射特性を調整する。ガソリンや軽油、あるいはアルコール、バイオディーゼル燃料、さらには合成ガスを液体化させたGTL(Gas To Liquid)燃料、DME(ジメチルエーテル)といった燃料は、蒸発性および着火性によって燃料性状を特徴づけることができる。ガソリン、軽油などは、着火性と蒸発性のいずれか一方が高くて他方が低い関係にあり、ガソリンは着火性が低くて蒸発性が高く、軽油は着火性が高くて蒸発性が低い。一方、GTL燃料、DMEなどの場合、着火性と蒸発性ともに良好である。
このような蒸発性および着火性で特徴づけられる燃料性状の違いによって、燃料噴射から着火するまでの間の燃料気化、さらには燃焼性に影響が生じる。本発明の燃料噴射制御手段は、燃料性状の違いに関わらず適切な燃料気化によって燃焼するように、蒸発性および着火性に応じて噴射特性を調整する。噴射特性としては、燃料噴射から着火までの期間における燃料気化状態を変えるため、燃圧、あるいは初期噴射率を調整するのが望ましい。ただし、初期噴射率は、燃料を噴射するときの噴射特性であり、噴射の立ち上がりから噴射ピーク前の期間の噴射率(単位時間当たりの噴射量)を表す。例えば、多段噴射の場合、メイン噴射の立ち上がりにおける噴射特性となる。
燃料の蒸発性および着火性を判断するには、例えば、センサなどの検出装置を使って使用燃料の燃料性状を検出すればよく、使用燃料の蒸発性および着火性を燃料性状として検出する燃料性状検出手段を設けるのがよい。一般に、密度が小さいほど蒸発性が高く、密度が高いほど着火性(セタン価)が高い傾向があることから、燃料密度を計測することによって着火性、蒸発性を検出してもよい。あるいは、あらかじめ供給が定められた複数の燃料の中で使用している燃料の種類を特定するように構成してもよい。
蒸発性が高いと、必要以上に燃料が気化することによって過剰な混合気が形成される。一方、着火性が高いと、燃料噴射から着火するまでの期間が短く、着火点付近で燃料が空気と十分混ざり合わない。燃圧を上げることによって燃料の微粒化が促進され、また、燃圧を下げることによって過剰な混合気形成が防止される。従って、燃料噴射制御手段は、着火性が高くて蒸発性が低いほど、燃圧を上げるのが望ましい。また、密度が大きいほど煤の発生原因となるアロマ成分(芳香族炭化水素成分)含有量が多い傾向にあることから、着火性が高いほどアロマ成分(芳香族炭化水素成分)含有量が多い。したがって、着火性の高さに応じて燃圧を上げることにより、煤の発生を抑える。
ガソリン、アルコール、軽油、バイオディーゼル燃料などは、着火性、蒸発性の一方が高くて他方が低いことから、燃圧を下げる、もしくは燃圧を上げることによって適切に燃料気化する。一方、DME、GTL燃料などのように、蒸発性、着火性がともに高く、ガソリンに比べて着火性が高く軽油に比べて蒸発性が高い燃料の場合、燃料噴射制御手段は、軽油より低くてガソリンより高い燃圧に設定すればよい。
バイオディーゼル燃料などでは、酸素含有量が比較的多く、煤の発生量が少なくなる。したがって、燃料噴射制御手段が、酸素含有量が高いほど燃圧を下げることが望ましい。燃圧を下げることによってNOx排出量が削減される。また、発熱量が小さいほど必要な熱量が多くなり、噴射期間が長くならないように燃圧を上げるのがよい。
燃圧を調整する代わりに初期噴射率を調整する場合、燃料噴射制御手段は、着火性が高くて蒸発性が低いほど、初期噴射率を高めればよい。また、ガソリンに比べて着火性が高く軽油に比べて蒸発性が高い燃料の場合、軽油より低くガソリンより高い初期噴射率に設定し、さらに、酸素含有量が高いほど燃圧を下げるのが望ましい。
本発明の燃焼制御装置は、燃料性状の異なる複数の燃料を用いて運転が可能な多種燃料内燃機関の燃焼制御装置であって、機関運転状態に基づいて、燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段を備え、燃料噴射制御手段が、使用燃料の蒸発性および着火性に応じて燃圧もしくは初期噴射率を調整し、着火性が高くて蒸発性が低いほど、燃圧もしくは初期噴射率を高めることを特徴とする。
本発明によれば、使用燃料に適した燃焼制御をすることによって、燃費および排気ガス浄化両方を向上させることができる。
以下では、図面を参照して、本発明の実施形態である多種燃料内燃機関について説明する。
図1は、第1の実施形態における多種燃料内燃機関の概略的構成図である。
内燃機関10は、燃料性状の異なる様々な燃料を用いて運転可能な多気筒エンジンであり、ガソリン、アルコールなどを燃料として使用する場合、火花点火式エンジンとして動作し、軽油、バイオディーゼル燃料などを燃料として使用する場合、圧縮着火式エンジンとして動作する。
エアクリーナー12を通って吸気管16に入った空気は、吸気ポート16Aを通って内燃機関10のシリンダ13内へ吸入される。スロットルバルブ15は、吸入空気量を調整し、アクチュエータ17によって駆動される。シリンダヘッド19の頂部付近には、高圧噴射型インジェクタ20が設けられており、シリンダ13内へ流入した空気に燃料が噴射される。インジェクタ20の傍には、点火栓22が設けられている。
コンロッド24を介してクランクシャフト26に接続されたピストン28は、吸入〜排気のサイクルに合わせてシリンダ13内を往復運動する。吸気バルブ32、排気バルブ34は、クランクシャフト26と連動するカムシャフト(図示せず)の回転に合わせて、吸気ポート16A、排気ポート36Aをそれぞれ開閉させる。
内燃機関10は、火花点火による予混合燃焼モードによる運転、圧縮着火による拡散燃焼モードによる運転が可能であり、機関回転数、負荷などの運転状態に応じて燃焼モードが切り替えられる。第1の実施形態では、高回転・高負荷あるいは低回転・中負荷のとき拡散燃焼による運転が行われ、低回転・低負荷あるいは高回転、中負荷のとき予混合燃焼による運転が行われる。
予混合燃焼モードの場合、吸気管16を通った吸入空気がシリンダ13内へ吸入されると、吸気行程においてインジェクタ20から燃料が噴射される。シリンダ13内で渦流となった吸入空気と燃料が混合して均質な混合気が形成され、混合気が点火栓22によって点火されて燃焼が生じる。
一方、拡散燃焼モードの場合、シリンダ13内に吸入された空気がピストン28によって圧縮され、上死点付近で高圧燃料がインジェクタ20から噴射される。これにより、拡散燃焼が生じる。拡散燃焼モードでは、燃料の多段噴射が実行され、パイロット噴射、メイン噴射と段階的に燃料が噴射される。また、インジェクタ20のノズルに複数の噴孔が設けられており、噴射率などが必要に応じて調整される。
排気ポート36Aから排出された排気ガスは、排気ガス中のPM(粒子状物質)を捕集するDPF40へ送られるとともに、その一部はEGR管38を通って吸気管16へ環流される。EGRバルブ39は、排気ガスの環流量(EGR量)を調整する。DPF40を通った排気ガスは、触媒コンバータ42に送られ、排気ガスが浄化される。Oセンサ68は、目標空燃比に基づいた燃焼を行うため、排気ガスの酸素濃度を検出する。
燃料タンク50には、着火性の高い第1の燃料F1が貯留されており、例えば、軽油、バイオディーゼル燃料(以下、BDF燃料という)、あるいはGTL(Gas to Liquid)燃料、DME燃料などが補給される。一方、燃料タンク54には、蒸発性の高い第2の燃料F2が貯留されており、例えば、ガソリン、アルコール、GTL、DME燃料などが貯留される。第1、第2の燃料F1、F2は、それぞれ低圧ポンプ52、56によって吸い上げられる。
燃料混合部80は、第1の燃料F1、第2の燃料F2との混合比率を調整し、運転状態に合わせて燃料混合比率を変える。拡散燃焼モードの場合、第1の燃料F1の割合を大きくし、予混合燃焼モードの場合、第2の燃料F2の割合を大きくする。高圧ポンプ59は、吸い上げられた第1、第2の燃料F1、F2を噴射圧まで加圧し、燃料分配管21へ供給する。
ここでは、コモンレール式燃料噴射装置が構成されており、燃料分配管21には、燃圧を検出する圧力センサ25、圧力レギュレータ31が設けられ、圧力レギュレータ31によって燃料分配管21の蓄圧、すなわち燃料噴射圧(燃圧)が制御される。また、燃料分配管21には、燃料温度を検出する温度センサ29が設けられている。
CPU、ROM、RAMを含むECU60は、内燃機関10の運転動作を制御し、エアフロメータ14、クランク角センサ62、吸気温センサ64、スロットルバルブポジションセンサ66、さらに、Oセンサ68、排気ガス温度センサ69、差圧センサ70など各センサからの信号を検出する。また、ECU60は、検出されるアクセル開度、クランクシャフト20の回転数など機関運転状態に基づいて、スロットルバルブ15、インジェクタ20、点火栓22、EGRバルブ39等へ制御信号を出力し、燃料噴射時期、点火時期、燃料噴射量といった噴射特性および吸入空気量を制御する。
図2は、ECU60によって実行される燃料噴射制御処理を示したフローチャートである。燃料噴射制御処理は、ECU60のメイン処理に対し、所定時間間隔で割り込んで実行される。なお、拡散燃焼モードによる運転がここでは行われる。
ステップS101では、アクセル開度、エンジン回転数などの運転状態に基づいて、目標基準燃圧とともに、燃料噴射量、噴射期間などの噴射特性が算出される。ECU60には、あらかじめ運転状態と目標基準燃圧との関係を示すマップデータが記憶されており、運転状態に従って目標基準燃圧が求められる。
ステップS102では、供給燃料の着火性、蒸発性が求められる。本実施形態では、燃料密度を計測することによって着火性、蒸発性を求める。具体的には、エアフロメータ14によって吸入空気量を検出し、目標空燃比と吸入空気量から供給燃料の重量(以下、燃料噴射供給重量という)を算出する。ステップS101で定められた燃料噴射量と燃料噴射供給重量とに基づいて比重が算出され、温度センサ29で計測される燃料温度と比重から標準比重、すなわち密度が算出される。密度と燃料温度との関係は、あらかじめデータとしてROMに記憶されている。
そして、ステップS102では、算出された密度に基づき、着火性、蒸発性が求められる。一般に、密度が高いほど、セタン価が低く(オクタン価は高く)蒸発性が低い芳香族炭化水性分の含有量が多い。言い換えれば、密度が低いほど蒸発性が高い。
図3は、蒸発性および着火性とインジェクタ20の燃圧との関係を示した図である。図3には、蒸発性および着火性と、燃圧との関係が図示されており、蒸発性および着火性によって燃料分布を表している。ガソリン、アルコールなどの燃料は、蒸発性が相対的に高く、それに比べて着火性、すなわちセタン価が低い。一方、重油、BDF(バイオディーゼル)燃料の場合、着火性、セタン価が高く、蒸発性が低い。DME(ジメチルエーテル)燃料、合成ガスを液化したGTL(Gas To Liquid)燃料の場合、着火性、蒸発性がともに高い。
本実施形態では、着火性が高くて蒸発性が低い燃料ほど、燃圧を上げる。図3には、等燃圧線が図示されており、蒸発性が高く着火性の低い位置から蒸発性が低く着火性の高い位置へ向けて燃圧が上がっていく。
蒸発性が高いと、燃料噴射してから着火するまでの間に燃料過剰な混合気が形成されやすい。そして、燃焼温度が高くなるとともに、べーパロックが生じる恐れがある。また、着火性が高いと、燃料噴射してから着火するまでの期間(着火遅れ)が短くなり、燃料が空気と十分混ざり合わない傾向となる。
そのため、蒸発性が高い燃料に対しては燃圧を低く定め、適量の燃料が気化して混合気を形成させる。また、着火性が高い燃料に対しては燃圧を上げて燃料の微粒化を促進し、短い着火までの期間に燃料を十分気化させる。
ガソリン、アルコールなどの燃料は、蒸発性が高い一方で着火性が低い。そのため、低燃圧が定められる。それに対して、軽油、BDF燃料などの燃料は、着火性が高くて蒸発性が低い。そのため、高燃圧が定められる。一方、GTL燃料、DMEなどの燃料の場合、着火性、蒸発性ともに高い。このような燃料に対しては、ガソリン、アルコール燃料の場合の低燃圧と、軽油、BDF燃料の場合の高燃圧の中間圧が設定される。
ECU60のROMには、図3に示すマップデータがあらかじめ記憶されており、また、密度と蒸発性および着火性の関係もデータとして記憶されている。具体的には、蒸発性としてオクタン価を指標とした密度との関係性から蒸発性を求め、また、着火性としてセタン価を指標とした密度との関係性から着火性を求める。蒸発性、着火性によって表される図3の座標系によって算出された密度の位置が求められ、その座標位置の燃圧が使用燃料の目標燃圧として定められる。
ステップS103では、図3に示すマップデータから求められる目標燃圧と目標基準燃圧との差が補正値として算出される。そして、ステップS104では、補正値に基づき、目標燃圧となるように圧力レギュレータ31が制御される。
このように第1の実施形態によれば、使用燃料の着火性および蒸発性が燃料密度から検出され、着火性および蒸発性と燃圧との関係を示すマップデータに基づいて、インジェクタ20から噴射される燃料の燃圧が定められる。このとき、着火性が高く蒸発性の低い燃料ほど燃圧が高く設定される。そして、圧力レギュレータ31により燃圧が制御され、燃料性状に応じた燃圧によって燃料が噴射される。
次に、図4を用いて、第2の実施形態の多種燃料内燃機関について説明する。第2の実施形態では、含酸素分、アロマ成分、発熱量が考慮されて燃圧が定められる。それ以外の構成については、実質的に第1の実施形態と同じである。
図4は、第2の実施形態における燃料噴射制御処理を示したフローチャートである。ステップS201、S202の実行は、図2のステップS101、S102の実行と同じであり、検出される燃料の密度に基づいて、使用燃料の着火性、蒸発性が検出される。ステップS203では、使用燃料の酸素含有量、発熱量、アロマ成分が検出される。ただし、酸素含有量は、燃料中に含まれる酸素成分の割合を質量%で表している。酸素含有量は、例えば燃料分配管21に赤外分光方式センサを設けることによって検出される。
酸素含有量、発熱量は燃焼性に大きく影響を及ぼす燃料性状であり、酸素成分が多いとNOx排出量が増加するため、燃圧を低くする必要がある。また、発熱量が小さいと必要噴射量が多くなる。そのため、噴射期間が長くならないように燃圧を上げる必要がある。酸素含有量と発熱量には相関関係があり、酸素含有量の増加に比例して発熱量が減少していく。この関係に基づいて、酸素含有量から発熱量が検出される。
一方、アロマ成分が多いと煤などのPM(粒子状物質)発生が高くなる。そのため、アロマ成分が多いほど燃圧を高め、燃料の霧化、微粒化を促進させてPM発生量を減少させる必要がある。密度が大きいほどアロマ(芳香族炭化水素)成分の含有量が大きい傾向があることから、検出される密度に基づいてアロマ成分含有量が検出される。
ステップS204では、図3に示すマップデータから求められる燃圧に基づいて補正値が検出され、さらに、検出された酸素含有量(発熱量)、アロマ成分含有量に基づく補正係数が補正値に乗じられる。酸素含有量(発熱量)、アロマ成分含有量と補正係数との関係があらかじめデータとして記憶されており、対応する補正係数を補正値に乗じることによって、修正補正値が算出される。ステップS205では、修正補正値に基づいて圧力レギュレータ31が制御される。このような構成により、酸素含有量が大きいBDF燃料など、酸素含有量、発熱量、アロマ成分によって燃料性状が特徴づけられる燃料に対しても、適切な燃圧を設定することができる。
次に、図5、6を用いて、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、燃圧の代わりに初期噴射率が調整される。ただし、第3の実施形態においても、拡散燃焼モードによる運転が行われるものとする。
図5は、第3の実施形態における燃料噴射制御処理を示したフローチャートである。図6は、蒸発性および着火性とインジェクタ20の初期噴射率との関係を示した図である。
ステップS301では、機関運転状態に基づいて、目標基準初期噴射率が定められる。
ここで、初期噴射率は、噴射における初期段階、すなわち噴射立ち上がりから噴射ピークとなるまでの区間の噴射率(単位時間当たりの噴射量)を示す。例えば多段噴射の場合、メイン噴射の初期段階の噴射特性を示す。本実施形態では、インジェクタ20のノズルで噴孔を通して噴射する燃料を噴孔ごとに制御することにより、初期噴射率を変化させる。ステップS302では、検出される燃料密度から使用燃料の蒸発性、着火性が求められる。
図6に示すように、燃圧と同様、着火性が高くて蒸発性が低いほど初期噴射率は高く設定される。これは、初期噴射率が高いほど燃料気化、微粒化が促進されることに基づく。ステップS303では、図6のマップデータから決定される初期噴射率と目標基準初期噴射率に基づき、初期噴射率の補正値が求められる。そして、ステップS304では、補正値に基づいてインジェクタ20が制御される。
第1の実施形態では、拡散燃焼において燃圧制御しているが、予混合燃焼においても同様の燃圧制御処理をしてもよい。第1〜3の実施形態では、燃料性状を燃料密度から検出しているが、それ以外の方法によって燃料性状を検出してもよい。例えば、着火性については、筒内圧力センサによって筒内圧力を検出し、着火時期から着火性を算出してもよい。また、燃料の粘度、誘電率などを検出することで着火性などを検出してもよい。
第1〜第3の実施形態では、第1、第2の燃料F1、F2を混合しているが、あらかじめ用意された複数の燃料をバルブの切り替えによって選択的にインジェクタへ供給するように構成してもよい。この場合、供給されている燃料をバルブの開閉状態から検出し、使用燃料の種類、および図3に示すマップデータから燃圧、初期噴射率を求めてもよい。
第1〜第3の実施形態では、拡散燃焼モードおよび予混合燃焼モードが可能な内燃機関が適用されているが、ガソリン、アルコールを使用可能な火花点火式エンジン、軽油とBDF燃料を使用可能なディーゼルエンジンなども、多種燃料内燃機関として適用可能である。
第1の実施形態における多種燃料内燃機関の概略的構成図である。 ECUによって実行される燃料噴射制御処理を示したフローチャートである。 蒸発性および着火性とインジェクタの燃圧との関係を示した図である。 第2の実施形態における燃料噴射制御処理を示したフローチャートである。 第3の実施形態における燃料噴射制御処理を示したフローチャートである。 蒸発性および着火性とインジェクタの初期噴射率との関係を示した図である。
符号の説明
10 内燃機関
14 エアフロメータ
20 インジェクタ
21 燃料分配管
25 圧力センサ
29 温度センサ
31 圧力レギュレータ
59 高圧ポンプ
60 ECU
F1 第1の燃料
F2 第2の燃料

Claims (9)

  1. 燃料性状の異なる複数の燃料を用いて運転が可能な多種燃料内燃機関の燃焼制御装置であって、
    機関運転状態に基づいて、燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段を備え、
    前記燃料噴射制御手段が、使用燃料の蒸発性および着火性に応じて燃料噴射における噴射特性を調整することを特徴とする燃焼制御装置。
  2. 前記使用燃料の蒸発性および着火性を燃料性状として検出する燃料性状検出手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
  3. 前記燃料噴射制御手段が、着火性が高くて蒸発性が低いほど、燃圧を上げることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
  4. 前記燃料噴射制御手段が、ガソリンに比べて着火性が高く軽油に比べて蒸発性が高い燃料の場合、軽油より低くガソリンより高い燃圧に設定することを特徴とする請求項3に記載の燃焼制御装置。
  5. 前記燃料噴射制御手段が、前記使用燃料の酸素含有量が高いほど燃圧を下げることを特徴とする請求項3に記載の燃焼制御装置。
  6. 前記燃料噴射制御手段が、着火性が高くて蒸発性が低いほど、初期噴射率を高めることを特徴とする請求項1に記載の燃焼制御装置。
  7. 前記燃料噴射制御手段が、ガソリンに比べて着火性が高く軽油に比べて蒸発性が高い燃料の場合、軽油より低くガソリンより高い初期噴射率に設定することを特徴とする請求項6に記載の燃焼制御装置。
  8. 前記燃料噴射制御手段が、前記使用燃料の酸素含有量が高いほど初期噴射率を下げることを特徴とする請求項6に記載の燃焼制御装置。
  9. 燃料性状の異なる複数の燃料を用いて運転が可能な多種燃料内燃機関の燃焼制御装置であって、
    機関運転状態に基づいて、燃料噴射を制御する燃料噴射制御手段を備え、
    前記燃料噴射制御手段が、使用燃料の蒸発性および着火性に応じて燃圧もしくは初期噴射率を調整し、着火性が高くて蒸発性が低いほど、燃圧もしくは初期噴射率を高めることを特徴とする燃焼制御装置。
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