JPH0921321A - 直接噴射式ディーゼルエンジンの燃料噴射方法、その方法に用いるピストン及び噴射ノズル - Google Patents

直接噴射式ディーゼルエンジンの燃料噴射方法、その方法に用いるピストン及び噴射ノズル

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JPH0921321A
JPH0921321A JP7170000A JP17000095A JPH0921321A JP H0921321 A JPH0921321 A JP H0921321A JP 7170000 A JP7170000 A JP 7170000A JP 17000095 A JP17000095 A JP 17000095A JP H0921321 A JPH0921321 A JP H0921321A
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Japan
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fuel
combustion chamber
injection
diesel engine
injected
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JP7170000A
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Toshiaki Nakamura
俊秋 中村
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Publication date
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    • F02B23/02Other engines characterised by special shape or construction of combustion chambers to improve operation with compression ignition
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    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Abstract

(57)【要約】 【課題】直接噴射式ディーゼルエンジンの低負荷時にお
ける炭化水素の低減及び白煙発生の抑制と、高負荷時に
おけるスモーク発生の抑制とを両立させる。 【解決手段】シリンダブロックに往復動可能に収容され
たピストン16は燃焼室13を有する。燃焼室13はピ
ストン16の上面において開口する小径の第2燃焼室1
5と、その下側に連続して形成され、かつ第2燃焼室1
5よりも大径の第1燃焼室14とからなる。シリンダヘ
ッド12に取付けられた噴射ノズル17は、有底円筒状
をなすノズルボディ18と、その内部に昇降可能に収容
されたニードルバルブとを備える。ノズルボディ18は
複数の第1噴孔と複数の第2噴孔とを有する。直接噴射
式ディーゼルエンジン11の低負荷時には主に第1噴孔
から第1燃焼室14へ向けて燃料を噴射させ、高負荷時
には第2噴孔から第2燃焼室15に噴射する燃料の噴射
燃料全体に対する割合を低負荷時よりも増加させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は直接噴射式ディーゼ
ルエンジンの燃料噴射方法、その方法に用いるピストン
及び噴射ノズルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等に搭載されるディーゼル
エンジンの一形態として、シリンダ内を往復動するピス
トンの上部に燃焼室を形成し、噴射ノズルから前記燃焼
室へ向けて燃料を直接噴射する、いわゆる直接噴射式デ
ィーゼルエンジンが知られている。このタイプは、燃
焼室の構造が簡単で熱効率が高く、燃料消費量が少なく
てすむ、シリンダヘッドの構造が簡単となり、熱の歪
みによる故障が少ない、等の長所を有する。このタイプ
のディーゼルエンジンでは、通常、同エンジンの運転状
態、例えばエンジン負荷にかかわらず常に燃焼室の壁面
の同一箇所へ向けて燃料が噴射される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記ディー
ゼルエンジンの低負荷時と高負荷時とでは、要求される
燃焼室の形状、燃料の噴射方向等が以下のように異な
る。
【0004】ディーゼルエンジンの低負荷時には一般に
燃焼室の壁面の温度が低いので、噴射ノズルからの噴射
燃料が同壁面に付着すると気化しにくい。この場合、付
着した燃料が燃焼されずに残り、排気ガス中の炭化水素
(HC)の量が増加したり、白煙が生じたりする。燃料
の壁面付着量を少なくするには、燃焼室を大径にする等
して、噴射ノズルから壁面までの距離(飛沫距離)を長
くすることが望ましい。
【0005】これに対し、ディーゼルエンジンの高負荷
時には燃焼室の壁面の温度が上昇するので、前述した不
具合は起こりにくい。反面、噴射ノズルからの噴射燃料
量が多くなるので、これと空気とを十分に混合させない
と燃料が燃焼されずに残り、スモークが発生しやすくな
る。燃料と空気との混合を促進するには、燃焼室を小径
にする等して、ピストンの圧縮行程時に燃焼室内に強い
渦流(スワール)を発生させることが望ましい。
【0006】従って、燃料の飛沫距離を長くするために
燃焼室を大径にすれば、低負荷時の不具合は解消できる
ものの高負荷時にスモークが発生する。反対に、強いス
ワール発生のために燃焼室を小径にすれば、低負荷時に
炭化水素が増加したり白煙が発生したりする。
【0007】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は低負荷時における炭化水素の低減
及び白煙発生の抑制と、高負荷時におけるスモーク発生
の抑制とを両立できる燃料噴射方法、その方法に用いる
ピストン及び噴射ノズルを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の第1の発明は、噴射ノズルからピス
トンの燃焼室へ向けて燃料を噴射して燃焼させるように
した直接噴射式ディーゼルエンジンに用いられる方法で
あって、大径の第1燃焼室とそれよりも小径の第2燃焼
室とにより前記燃焼室を構成し、前記ディーゼルエンジ
ンの低負荷時には前記噴射ノズルから主に前記第1燃焼
室へ燃料を噴射するとともに、同ディーゼルエンジンの
高負荷時には前記低負荷時よりも第2燃焼室に噴射する
燃料の噴射燃料全体に対する割合を増やすようにしてい
る。
【0009】請求項2に記載の第2の発明のピストン
は、直接噴射式ディーゼルエンジンの主に低負荷時に噴
射ノズルから燃料が噴射される大径の第1燃焼室と、前
記第1燃焼室よりも小径をなし、前記ディーゼルエンジ
ンの高負荷時には噴射ノズルから燃料が噴射され、かつ
その燃料の噴射燃料全体に対する割合が前記低負荷時よ
りも増やされる第2燃焼室とを備えている。
【0010】請求項3に記載の第3の発明の噴射ノズル
は、直接噴射式ディーゼルエンジンの低負荷時に主に使
用され、燃料の飛沫距離を長くするための第1噴孔と、
前記ディーゼルエンジンの高負荷時に主に使用され、燃
料の飛沫距離を短くするための第2噴孔とを備えてい
る。
【0011】第1の発明における直接噴射式ディーゼル
エンジンの低負荷時には、噴射ノズルから主にピストン
の第1燃焼室へ燃料が噴射される。第1燃焼室は大径状
をなしているので、噴射ノズルから同燃焼室の壁面まで
の距離(燃料の飛沫距離)は長くなる。このため、低負
荷時に第1燃焼室の壁面の温度が低くても、燃料はその
壁面に到達するまでに気化しやすくなる。同壁面に付着
したり、付着したまま気化せずに残る燃料の量が少なく
なる。
【0012】前記ディーゼルエンジンの高負荷時には、
噴射ノズルから燃料がピストンの燃焼室へ噴射される。
この際、第2燃焼室に噴射される燃料の噴射燃料全体に
対する割合が低負荷時よりも増やされる。第2燃焼室は
前記第1燃焼室よりも小径であるため、燃料の飛沫距離
は短くなり、第2燃焼室の壁面に付着する燃料の量が多
くなる。しかし、同高負荷時には燃焼室の壁面温度が高
くなるので、付着した燃焼は気化しやすい。
【0013】また、第2燃焼室が第1燃焼室よりも小径
であることから、高負荷時においてピストンの往復動に
ともない燃焼室内の空気が圧縮されるときには、強いス
ワールが発生する。このため、噴射ノズルからの噴射燃
料は第2燃焼室内で空気と十分に混合させられ、燃焼さ
れる。
【0014】第2の発明におけるディーゼルエンジンの
低負荷時には、噴射ノズルから燃料が主に大径の第1燃
焼室へ向けて噴射される。また、同ディーゼルエンジン
の高負荷時には燃焼室へ向けて噴射ノズルから燃料が噴
射される。この際、第1燃焼室よりも小径の第2燃焼室
に噴射される燃料の噴射燃料全体に対する割合が低負荷
時よりも増やされる。従って、このピストンは、前述し
た第1の発明の噴射方法の実施に適したものとなる。
【0015】第3の発明におけるディーゼルエンジンの
低負荷時には、噴射ノズルの第1噴孔から燃料が主に噴
射される。また、同ディーゼルエンジンの高負荷時に
は、噴射ノズルの第2噴孔から主に燃料が噴射される。
このように第2噴孔から噴射された燃料の飛沫距離は、
低負荷時に第1噴孔から噴射された燃料の飛沫距離より
も短い。従って、この噴射ノズルは前述した第1の発明
の噴射方法の実施に適したものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、第1〜第3の発明を具体化
した一実施の形態について図面に従って説明する。
【0017】図1に示すように、直接噴射式ディーゼル
エンジン11はシリンダブロック(図示略)と、そのブ
ロックの上に配置されたシリンダヘッド12とを備えて
いる。シリンダブロックには、上部に燃焼室13を有す
るピストン16が上下方向に往復動可能に収容されてい
る。シリンダヘッド12には、前記燃焼室13へ向けて
燃料(軽油)を噴射するホール型の噴射ノズル17が斜
めに取付けられている。そして、吸入時にシリンダヘッ
ド12に形成されたヘリカルポート(図示略)の作用に
より回転運動を与えられた空気が、ピストン16の上方
への移動にともない燃焼室13内に押し込められること
で、同燃焼室13内に渦流(スワール)を発生しながら
圧縮されて高温となる。噴射ノズル17から噴射された
霧状の燃料は前記空気と混合して燃焼される。
【0018】燃焼室13は、ピストン16の上面におい
て開口する第2燃焼室15と、その下側に連続して形成
された第1燃焼室14とを備えている。第1燃焼室14
及び第2燃焼室15はいずれも平面円形状をなし、その
中心軸は互いに一致している。そして、第2燃焼室15
の直径α2 は第1燃焼室14の直径α1 よりも小さな値
に設定されている。第1燃焼室14の底部の中心部分
は、上方へ向けて略円錐台状に膨出している。
【0019】図2,3に示すように、噴射ノズル17は
下端を閉塞した略円筒状をなすノズルボディ18と、そ
の内部に昇降可能に収容されたニードルバルブ19とを
備えている。ノズルボディ18の内底部には、下方ほど
縮径する円環状の第1シート面20及び第2シート面2
1が連続して形成されている。ノズルボディ18の内周
面の前記第1シート面20よりも上側部分とニードルバ
ルブ19との間には環状空間22が形成され、ディーゼ
ルエンジン11に駆動連結された燃料噴射ポンプ(図示
略)からの燃料がこの環状空間22に圧送されるように
なっている。また、ノズルボディ18の内底面の前記第
2シート面21よりも下側部分とニードルバルブ19と
の間にはサック室23が形成されている。
【0020】ノズルボディ18の下端部には、前記第1
燃焼室14の壁面14aに向けて燃料を噴射するための
複数個の第1噴孔24と、第2燃焼室15の壁面15a
へ向けて燃料を噴射するための複数個の第2噴孔25と
が貫設されている。各第1噴孔24の内端部は前記第1
シート面20において開口し、各第2噴孔25の内端部
は前記サック室23において開口している。
【0021】各第1噴孔24の外端部は、ノズルボディ
18の下端部において、噴射ノズル17の軸線Lを中心
とする円C1 上に等角度毎に開口している。各第2噴孔
25の外端部は、ノズルボディ18の前記第1噴孔24
の直下において、前記軸線Lを中心とし、かつ前記円C
1 よりも小径の円C2 上に、前記第1噴孔24とは角度
をずらして等角度毎に開口している。図3では4個の第
1噴孔24の外端部が円C1 上に90°毎に開口し、4
個の第2噴孔25の外端部が第1噴孔24とは45°ず
つ角度をずらして、円C2 上に90°毎に開口してい
る。
【0022】一方、図4に示すようにニードルバルブ1
9は略円柱状をなし、その下端部には下側ほど縮径する
第1テーパ部26が形成されるとともに、さらにその下
には同じく下側ほど縮径する第2テーパ部27が形成さ
れている。第1テーパ部26及び第1シート面20間の
環状空間は燃料の第1流路31をなし、第2テーパ部2
7及び第2シート面21間の環状空間は燃料の第2流路
32をなしている。
【0023】これらの第1流路31及び第2流路32の
形状及び大きさは、ニードルバルブ19の昇降にともな
い変化する。同図4に示すように、ニードルバルブ19
が第1シート面20及び第2シート面21から上方へ離
間したときには、前記環状空間22及びサック室23が
第1流路31及び第2流路32を介して連通されて、第
1噴孔24及び第2噴孔25がともに開放される。この
とき、環状空間22からの燃料はまず第1流路31を通
過し、第1噴孔24及び第2流路32へ流れる。また、
図2に示すように、ニードルバルブ19が第1シート面
20及び第2シート面21に接触したときには、第1流
路31及び第2流路32が無くなり、前記環状空間22
及びサック室23間の連通が遮断され、第1噴孔24及
び第2噴孔25がともに閉塞される。
【0024】前記ニードルバルブ19の上昇量(ニード
ルリフト量μ)はディーゼルエンジン11の負荷に対応
している。すなわち、ディーゼルエンジン11の低負荷
時には前記燃料噴射ポンプから噴射ノズル17へ圧送さ
れる燃料の圧力が低く、ニードルリフト量μがわずかで
ある。同負荷が高くなるに従い前記燃料圧力が上昇し、
ニードルリフト量μが増大する。
【0025】ここで一般に、噴孔から噴射される燃料量
(噴孔流量F)は、下記の式(1)によって表される。 F=kA …(1) 式(1)中、Aは流路面積の最小値であり、kは流路係
数である。流路係数kは正確にはニードルリフト量μに
応じて変化する値であるが、それの噴孔流量Fに及ぼす
影響が流路面積の最小値Aに比べて少ないので、ここで
は近似的に定数として扱うことにする。流路面積の最小
値Aとなり得るのは、A1 ,A2 ,Aa,Ab である。
1 は第1流路31の流路面積、A2 は第2流路32の
流路面積、Aa は全第1噴孔24の噴孔面積の和、Ab
は全第2噴孔25の噴孔面積の和である。
【0026】第1噴孔24の直径をD1 とし、第2噴孔
25の直径をD2 とする(図2参照)。第1噴孔24の
数をn1 (この場合「4」)とし、第2噴孔25の数を
2(この場合「4」)とする。すると、各噴孔面積の
和Aa ,Ab は下記式(2),(3)で表される。
【0027】 Aa =n1 (π/4)(D1 2 …(2) Ab =n2 (π/4)(D2 2 …(3) 前記ニードルリフト量μが増加すると、上記式(1)中
のA(流路面積の最小値)を決定する部位が変化する。
この場合、各噴孔面積の和Aa ,Ab 等の設定の違いに
より、ニードルリフト量μに対する噴孔流量Fが図5に
示す特性と、図6に示す特性とのいずれか一方をとる。
すなわち、図5に示すように、領域I →領域II→領域II
I の経過をとる場合と、図6に示すように、領域I →領
域II′→領域III の経過をとる場合とがある。各領域で
は以下の条件が成立する。
【0028】 領域I :A1 <Aa +A2 ,A2 <Ab 領域II :A1 ≧Aa +A2 ,A2 <Ab 領域II′:A1 <Aa +A2 ,A2 ≧Ab 領域III :A1 ≧Aa +A2 ,A2 ≧Ab 次に、前記領域毎に噴孔流量Fh1,Fh2について説明す
る。 領域I (A1 <Aa +A2 ,A2 <Ab )について この領域I では、ディーゼルエンジン11の負荷が低
く、燃料噴射ポンプから噴射ノズル17へ圧送される燃
料の圧力が低く、ニードルリフト量μがわずかである。
【0029】ここで、図2〜図4において第1テーパ部
26及び第1シート面20の軸線Lとなす角度をθ1
し、第2テーパ部27及び第2シート面21の軸線Lと
なす角度をθ2 とする。第1噴孔24の配置された円C
1 の直径をd1 とし、第2噴孔25の配置された円C2
の直径をd2 とする。第1流路31における、第1テー
パ部26と第1シート面20との間隔を流路幅x1
し、第2流路32における、第2テーパ部27と第2シ
ート面21との間隔を流路幅x2 とする。すると、流路
面積A1 ,A2 は下記式(4),(5)で表され、流路
幅x1 ,x2 は下記式(6),(7)で表される。
【0030】 A1 =πd1 1 …(4) A2 =πd2 2 …(5) x1 =μ/sinθ1 …(6) x2 =μ/sinθ2 …(7) 上記式(6)を式(4)に代入すると下記式(8)が得
られ、上記式(7)を式(5)に代入すると下記式
(9)が得られる。
【0031】 A1 =πd1 (μ/sinθ1 ) …(8) A2 =πd2 (μ/sinθ2 ) …(9) 第1噴孔24の流路係数をkh1とすると、同噴孔24の
噴孔流量Fh1は下記式(10)で表される。
【0032】Fh1=kh1x …(10) ここで、領域I では流路面積の最小値がA1 であるた
め、Ax は流路面積A1中、第1噴孔24から噴射され
る燃料が流路面積として占める面積である。Axが、流
路面積A1 を有する第1流路31下流の流路の面積の比
(Aa :A2 )に比例すると仮定すると、第1噴孔24
に関するAx は下記式(11)で表される。
【0033】 Ax =A1 a /(Aa +A2 ) …(11) 式(11)を式(10)に代入すると、下記式(12)
が得られる。 Fh1=kh11 a /(Aa +A2 ) …(12) 式(12)に式(8),(9)を代入すると、式(1
3)が得られる。
【0034】 Fh1={kh1πd1 (μ/sinθ1 )Aa } /{Aa +πd2 (μ/sinθ2 )} =(kh1πd1 μAa sinθ2 ) /(Aa sinθ1 sinθ2 +πd2 sinθ1 μ) ={Aa sinθ1 sinθ2 /(Aa sinθ1 sinθ2 +πd2 sinθ1 μ)}(kh1πd1 /sinθ1 )μ …(13) Ca =Aa sinθ1 sinθ2 ,C2 =πd2 sin
θ1 ,C1 =kh1πd 1 /sinθ1 とすると、式(1
3)は下記式(14)に書換えることができる。
【0035】 Fh1={Ca /(Ca +C2 μ)}C1 μ …(14) 同様に、第2噴孔25の流路係数をkh2とすると、同噴
孔25の噴孔流量Fh2は下記式(15)で表される。
【0036】Fh2=kh2x …(15) 流路面積の最小値がA1 であるため、Ax は流路面積A
1 中、第2噴孔25から噴射される燃料が流路面積とし
て占める面積である。Ax が、流路面積A1 を有する第
1流路31下流の流路の面積の比(Aa :A2 )に比例
すると仮定すると、第2噴孔25に関するAx は下記式
(16)で表される。
【0037】 Ax =A1 2 /(Aa +A2 ) …(16) 式(16)を式(15)に代入すると、下記式(17)
が得られる。 Fh2=kh21 2 /(Aa +A2 ) …(17) 式(17)に式(8),(9)を代入すると、下記式
(18)が得られる。
【0038】 Fh2={kh2πd1 (μ/sinθ1 )πd2 (μ/sinθ2 )}/ {Aa +πd2 (μ/sinθ2 )} =(kh21 2 π2 μ2 )/ (Aa sinθ1 sinθ2 +πd2 sinθ1 μ) ={πd2 sinθ1 μ/(Aa sinθ1 sinθ2 + πd2 sinθ1 μ)}(kh2πd1 /sinθ1 )μ …(18) Ca =Aa sinθ1 sinθ2 ,C2 =πd2 sin
θ1 , C1 ′=kh2πd1 /sinθ1 とすると、式(18)
は下記式(19)で表される。
【0039】 Fh2={C2 μ/(Ca +C2 μ)}C1 ′μ …(19) 領域II′(A1 <Aa +A2 ,A2 ≧Ab )について この領域II′では、流路面積の最小値がA1 であるた
め、AX は流路面積A1中、第1噴孔24及び第2噴孔
25から噴射される燃料がそれぞれ流路面積として占め
る面積である。Ax が、流路面積A1 を有する第1流路
31下流の流路の面積の比(Aa :A2 )に比例すると
仮定すると、第1噴孔24に関するAx は下記式(2
0)で表される。なお、A2 >Ab であることから、こ
こではA2 に代えてAb を用いている。
【0040】 Ax =A1 a /(Aa +Ab ) …(20) 式(20)を式(10)に代入すると、下記式(21)
が得られる。 Fh1=kh11 a /(Aa +Ab ) …(21) 式(21)に式(8)を代入すると、式(22)が得ら
れる。
【0041】 Fh1={kh1πd1 (μ/sinθ1 )Aa }/(Aa +Ab ) =kh1πd1 μAa /(Aa sinθ1 +Ab sinθ1 ) …(22) C1 ″=kh1πd1 a /(Aa sinθ1 +Ab si
nθ1 )とすると、式(22)は下記式(23)に書換
えることができる。
【0042】Fh1=C1 ″μ …(23) 同様に、第2噴孔25に関するAx は下記式(24)で
表される。 Ax =A1 b /(Aa +Ab ) …(24) 式(24)を式(15)に代入すると、下記式(25)
が得られる。
【0043】 Fh2=kh21 b /(Aa +Ab ) …(25) 式(25)に式(8)を代入すると、下記式(26)が
得られる。 Fh2={kh2πd1 (μ/sinθ1 )Ab }/(Aa +Ab ) =kh2πd1 μAb /(Aa sinθ1 +Ab sinθ1 ) …(26) C2 ′=kh2πd1 b /(Aa sinθ1 +Ab si
nθ1 )とすると、式(26)は下記式(27)に書換
えることができる。
【0044】Fh2=C2 ′μ …(27) 領域II(A1 ≧Aa +A2 ,A2 <Ab )について 流路面積の最小値は第1噴孔24に関してはAa であ
り、第2噴孔25に関してはA2 である。そのため、第
1噴孔24の噴孔流量Fh1は下記式(28)によって表
され、第2噴孔25の噴孔流量Fh2は下記式(29)に
よって表される。
【0045】 Fh1=kh1a =Fa …(28) Fh2=kh22 =kh2πd2 μ/sinθ2 …(29) C2 ″=kh2πd2 /sinθ2 とすると、式(29)
は下記式(30)に書換えることができる。
【0046】 Fh2=C2 ″μ …(30) 領域III (A1 ≧Aa +A2 ,A2 ≧Ab )について 流路面積の最小値は第1噴孔24に関してはAa であ
り、第2噴孔25に関してはAb である。そのため、第
1噴孔24の噴孔流量Fh1は上記式(28)によって表
され、第2噴孔25の噴孔流量Fh2は下記式(31)に
よって表される。
【0047】Fh2=kh2b =Fb …(31) そして、前述した領域毎の噴孔流量Fh1,Fh2に関する
式の各要素を設定することにより、図5,6に示すよう
に、ディーゼルエンジン11の低負荷時(領域I 等)に
は主に第1噴孔24から燃料が噴射される。すなわち、
第1噴孔24から噴射される燃料(噴孔流量Fh1)の噴
射燃料全体(噴孔流量Fh1,Fh2の和)に対する割合が
大きくなる。ディーゼルエンジン11の高負荷時(領域
III 等)には、第2噴孔25から噴射される燃料(噴孔
流量Fh2)の噴射燃料全体(噴孔流量Fh1,Fh2の和)
に対する割合が前記低負荷時よりも大きくなる。
【0048】前記のように構成された本実施の形態にお
けるディーゼルエンジン11の作動時には、燃料噴射ポ
ンプから噴射ノズル17へ周期的に燃料が供給される。
その燃料の圧力の変化に応じてニードルバルブ19が昇
降する。図2に示すように、燃料圧力に応じてニードル
バルブ19が下降させられ、第1テーパ部26が第1シ
ート面20に接触すると、複数の第1噴孔24が全て閉
塞される。また、ニードルバルブ19の下降により第2
テーパ部27が第2シート面21に接触すると、環状空
間22及びサック室23間の連通が遮断され、同サック
室23への燃料の供給が停止される。従って、この状態
では、燃料は第1噴孔24及び第2噴孔25のどの噴孔
からも噴射されない(Fh1=Fh2=0)。
【0049】前記燃料圧力の上昇にともないニードルバ
ルブ19が上昇させられ、図4に示すように第1テーパ
部26が第1シート面20から離間すると、それまで閉
塞されていた第1噴孔24が開放される。また、ニード
ルバルブ19の上昇により第2テーパ部27が第2シー
ト面21から離間すると、環状空間22及びサック室2
3が連通され、燃料噴射ポンプからの加圧燃料が、環状
空間22を介してサック室23へ導かれる。従って、こ
の状態では燃料は全ての第1噴孔24から第1燃焼室1
4へ向けて噴射されるとともに、全ての第2噴孔25か
ら第2燃焼室15へ向けて噴射される。
【0050】この際、各第1噴孔24の外端部が円C1
上に等角度毎に開口していることから、ノズルボディ1
8を中心とする略全方向へ向けて低負荷時用の燃料を噴
射させることができる。同様に、各第2噴孔25の外端
部が円C2 上に等角度毎に開口していることから、ノズ
ルボディ18を中心とする略全方向へ向けて高負荷時用
の燃料を噴射させることができる。
【0051】ところで、ディーゼルエンジン11の低負
荷時に燃料噴射ポンプから噴射ノズル17に供給される
燃料の圧力は低く、噴射ノズル17のニードルバルブ1
9のニードルリフト量μは少ない。このときには、第1
噴孔24から主にピストン16の第1燃焼室14へ燃料
が噴射される。すなわち、噴孔流量Fh1の噴射燃料全体
に対する割合が大きい。第1燃焼室14は第2燃焼室1
5よりも大径に形成されているので、第1噴孔24から
同燃焼室14の壁面14aまでの距離(燃料の飛沫距
離)は長い。このため、低負荷時に壁面14aの温度が
低くても、多くの噴射燃料は壁面14aに到達するまで
に気化される。同壁面14aに付着したり、付着したま
ま気化せずに残る燃料の量が少なくなる。その結果、排
気ガス中の炭化水素の量が減少し、白煙の発生が抑制さ
れる。
【0052】前記ディーゼルエンジン11の高負荷時に
は、噴射ノズル17のニードルリフト量μが前記低負荷
時よりも多くなる。これにともない流路面積A1 ,A2
がともに前記低負荷時よりも大きくなり、第1噴孔24
及び第2噴孔25から燃焼室13へ燃料が噴射される。
この際、第2噴孔25から第2燃焼室15への噴射燃料
(噴孔流量Fh2)の噴射燃料全体に対する割合が前記低
負荷時よりも増やされる。第2燃焼室15は前記第1燃
焼室14よりも小径であるため、燃料の飛沫距離が短
く、第2燃焼室15の壁面15aに付着する燃料の量が
多くなる。しかし、同高負荷時には第2燃焼室15の壁
面温度が高くなるので、付着した燃焼の多くは気化され
る。燃焼されずに残る燃料は少ない。
【0053】また、前述したように第2燃焼室15は第
1燃焼室14よりも小径に形成されているので、ピスト
ン16の往復動にともない同第2燃焼室15内の空気が
圧縮されるときには強いスワールが発生する。このた
め、噴射ノズル17からの噴射燃料は第2燃焼室15内
で空気と十分に混合させられ、燃焼される。燃焼されず
に残る燃料の量が少なくなり、スモークの発生が抑制さ
れる。さらに、小径の第2燃焼室15が大径の第1燃焼
室14の上側に位置しているので、第1燃焼室14、第
2燃焼室15内の燃焼ガスが、径が大きくスワールが減
衰するピストン16上面に出にくくなっており、一旦発
生したスワールが減衰しにくく、そのスワールを空気と
燃料の混合に有効に利用できる。
【0054】このように本実施の形態によると、ディー
ゼルエンジン11の低負荷時における炭化水素の低減及
び白煙発生の抑制と、高負荷時におけるスモーク発生の
抑制とを両立できる。
【0055】さらに、噴射ノズル17の第1噴孔24及
び第2噴孔25を一つのニードルバルブ19の昇降によ
って開閉するようにしている。このように噴射ノズル1
7を構成する部品点数が少なく構造が簡単であるので、
同噴射ノズル17を安価に製造できる。
【0056】加えて、噴射ノズル17の設計に際して
は、円C1 ,C2 の直径d1,2 、噴孔24,25の直
径D1,2 、噴孔24,25の数n1,2 、角度θ1,θ
2 等を種々変更することにより、図5,6におけるμ−
F特性を容易に設定及び変更することができる。
【0057】なお、本発明は次に示す別の実施の形態に
具体化することができる。 (1)前記実施の形態における第1燃焼室14及び第2
燃焼室15の位置関係を逆にしてもよい。すなわち、大
径の第1燃焼室14をピストン16の上面に開口させ、
その下側に小径の第2燃焼室15を連続して形成しても
よい。この場合にも、ディーゼルエンジン11の低負荷
時には噴射ノズル17から主に第1燃焼室14へ燃料を
噴射させ、高負荷時には前記低負荷時よりも第2燃焼室
15に噴射する燃料の噴射燃料全体に対する割合を増や
すようにする。
【0058】(2)第1の発明の噴射方法の実施に際し
用いられる噴射ノズル17は、ディーゼルエンジン11
の低負荷時に主に第1燃焼室14に向けて燃料を噴射
し、高負荷時に低負荷時よりも第2燃焼室15に噴射す
る燃料の噴射燃料全体に対する割合を増やすものであれ
ばよい。上記機能を有する構造として、前記実施の形態
以外のものを用いてもよい。
【0059】例えば、前記実施の形態における第2テー
パ部27を円柱状に形成するとともに、第2シート面2
1をどの部位においても同一内径を有する丸孔状に形成
する。このようにすれば、ニードルバルブ19のリフト
量が少ないとき(低負荷時)には円柱部分が丸孔部分を
摺動し第2噴孔25を実質的に閉塞するので、燃料が第
1噴孔24のみから第1燃焼室14へ向けて噴射され
る。ニードルバルブ19のリフト量が多くなり(高負荷
となり)、円柱部分が丸孔部分から抜け出ると、第1噴
孔24及び第2噴孔25から燃料が噴射される。
【0060】また、前記実施の形態におけるニードルバ
ルブ19を二重管構造とし、外管部分で第1噴孔24を
開閉し、内管部分で第2噴孔25を開閉する。そして、
ディーゼルエンジン11の低負荷時にはまず外管部分を
上昇させて第1噴孔24のみから燃料を噴射させ、高負
荷時にはさらに内管部分を上昇させて第1噴孔24及び
第2噴孔25から燃料を噴射させるようにする。
【0061】(3)第1の発明の噴射方法の実施に用い
られる噴射ノズル17は、前記実施の形態では、負荷の
状態に関わらず第1噴孔24から第1燃焼室14に向け
て噴射される燃料が、第2噴孔25から第2燃焼室15
に向けて噴射される燃料より多量となっている。しか
し、これに限らず、高負荷時に第2噴孔25から噴射さ
れる燃料を、第1噴孔24から噴射される燃料より多量
となるように設定してもよい。
【0062】以上、本発明の各実施の形態について説明
したが、各形態から把握できる請求項以外の技術的思想
について、以下にそれらの効果とともに記載する。 (イ)請求項2に記載のピストンにおいて、前記第2燃
焼室は第1燃焼室の上側に形成されている直接噴射式デ
ィーゼルエンジンのピストン。このような構成とするこ
とにより、一旦発生したスワールの減衰を抑え、そのス
ワールを空気と燃料の混合に有効に利用できる。
【0063】(ロ)請求項3に記載の噴射ノズルにおい
て、前記第1噴孔及び第2噴孔は、各々の延出方向の噴
射ノズルの軸線となす角度が互いに異なるように、ノズ
ルボディに設けられている直接噴射式ディーゼルエンジ
ンの噴射ノズル。このような構成とすることにより、第
1噴孔からの燃料の噴射方向と、第2噴孔からの燃料の
噴射方向とを互いに異ならせ、両噴孔からの燃料の飛沫
距離を低負荷時と高負荷時とで異ならせることが可能と
なる。
【0064】(ハ)上記(ロ)に記載の噴射ノズルにお
いて、前記第1噴孔は複数個設けられ、これらの第1噴
孔は前記ノズルボディの同一円上において等角度毎に開
口している直接噴射式ディーゼルエンジンの噴射ノズ
ル。このような構成とすることにより、ノズルボディを
中心とする略全方向へ向けて低負荷時用の燃料を噴射さ
せることができる。
【0065】(ニ)上記(ロ)に記載の噴射ノズルにお
いて、前記第2噴孔は複数個設けられ、これらの第2噴
孔は前記ノズルボディの同一円上において等角度毎に開
口している直接噴射式ディーゼルエンジンの噴射ノズ
ル。このような構成とすることにより、ノズルボディを
中心とする略全方向へ向けて高負荷時用の燃料を噴射さ
せることができる。
【0066】(ホ)大径の第1燃焼室、及びそれよりも
小径の第2燃焼室を有するピストンと、ディーゼルエン
ジンの低負荷時には主に前記第1燃焼室へ向けて燃料を
噴射し、同ディーゼルエンジンの高負荷時には第2燃焼
室への噴射燃料の噴射燃料全体に対する割合が前記低負
荷時よりも増えるように燃料を噴射する噴射ノズルとを
備えた直接噴射式ディーゼルエンジン。このような構成
とすれば、第1の発明と同様の効果が得られる。
【0067】
【発明の効果】以上詳述したように第1の発明の燃料噴
射方法によれば、直接噴射式ディーゼルエンジンの低負
荷時における炭化水素の低減及び白煙発生の抑制と、同
エンジンの高負荷時におけるスモーク発生の抑制とを両
立できる。
【0068】また、第2の発明のピストン又は第3の発
明の噴射ノズルは、前記第1の発明の燃料噴射方法を実
施する際に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピストンの燃焼室及びその近傍部分の断面図。
【図2】図3のX−X線断面図。
【図3】噴射ノズルの底面図。
【図4】図2からニードルバルブが上昇した状態を示す
部分断面図。
【図5】ニードルリフト量と噴孔流量との関係を示す特
性図。
【図6】ニードルリフト量と噴孔流量との関係を示す特
性図。
【符号の説明】
11…直接噴射式ディーゼルエンジン、13…燃焼室、
14…第1燃焼室、15…第2燃焼室、16…ピスト
ン、17…噴射ノズル、24…第1噴孔、25…第2噴
孔。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 噴射ノズルからピストンの燃焼室へ向け
    て燃料を噴射して燃焼させるようにした直接噴射式ディ
    ーゼルエンジンに用いられる方法であって、 大径の第1燃焼室とそれよりも小径の第2燃焼室とによ
    り前記燃焼室を構成し、前記ディーゼルエンジンの低負
    荷時には前記噴射ノズルから主に前記第1燃焼室へ燃料
    を噴射するとともに、同ディーゼルエンジンの高負荷時
    には前記低負荷時よりも第2燃焼室に噴射する燃料の噴
    射燃料全体に対する割合を増やすようにした直接噴射式
    ディーゼルエンジンの燃料噴射方法。
  2. 【請求項2】 直接噴射式ディーゼルエンジンの主に低
    負荷時に噴射ノズルから燃料が噴射される大径の第1燃
    焼室と、 前記第1燃焼室よりも小径をなし、前記ディーゼルエン
    ジンの高負荷時には噴射ノズルから燃料が噴射され、か
    つその燃料の噴射燃料全体に対する割合が前記低負荷時
    よりも増やされる第2燃焼室とを備えた直接噴射式ディ
    ーゼルエンジンのピストン。
  3. 【請求項3】 直接噴射式ディーゼルエンジンの低負荷
    時に主に使用され、燃料の飛沫距離を長くするための第
    1噴孔と、 前記ディーゼルエンジンの高負荷時に主に使用され、燃
    料の飛沫距離を短くするための第2噴孔とを備えた直接
    噴射式ディーゼルエンジンの噴射ノズル。
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