JP2001227188A - 機械式駐車場 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造が簡単であり、台車の横送り装置に負担
をかけないリフトと中継部の横送り装置を提供する。 【解決手段】 リフト２と台車５間で、その間に設けら
れた中継部７を介してパレット６の横移動を行う機械式
駐車場において、パレット６は縦方向下面に係合溝１４
が設けられ、さらに横方向に移動するようガイドされて
おり、中継部７には先端に係合溝１４と係合する係合部
材１３を有する旋回アーム１１が設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は機械式駐車装置のリ
フト装置に係わり、特にリフトと台車間に中継部がある
場合のパレットの横移動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常、機械式駐車場はリフトに台車が隣
接できるようになっており、台車に設けられた横送り装
置で両者間のパレットの移動を行うようになっている。
しかし、配置上の制約などによりリフトに台車が隣接で
きない場合がある。このような場合、リフトと台車の間
に中継部を設けることが多い。図６は中継部を設けた機
械式駐車装置の構造の一例を示し、図６Ａは断面図、図
６Ｂは駐車階の平面図を示す。車乗入れ階の下方には駐
車階が１または複数階設けられ、車乗入れ階とリフト２
により車１の昇降が行われる。車乗入れ階にはリフト２
への入出口があり、駐車階には、台車５が走行する台車
通路３と、この台車通路３の左右に駐車棚４が設けられ
ている。リフト２は配置上の制約等により台車通路３と
離れて配置され、その間に中継部７が配置されている。
駐車棚４にはパレット６が置かれている。 パレット６
には車１の乗った実パレット６ａと、車１の乗らない空
パレット６ｂがある。中継部７はリフト２と台車５との
間のパレット６の輸送を行い、台車５は中継部７と駐車
棚４間でパレット６の輸送を行う。台車５にはパレット
６を横方向（パレットに車を搭載した場合の車の幅方向
をいう。なお、車の前後方向を縦方向という）に移動す
る横送り装置９が設けられており、台車５と中継部７ま
たは駐車棚４との間でパレット６の横移動を行う。

【０００３】図７は図６ＡのＡ−Ａ断面図である。リフ
ト２、中継部７、台車５および駐車棚４間のパレット６
の横移動を示す。リフト２と中継部７にはパレット６を
横方向(図７で左右方向)に移動する駆動ローラコンベア
８が図６Ｂに示すように両端に設けられている。駆動ロ
ーラコンベア８は複数のローラをチェーンを用いて電動
機で駆動するようにしたものである。パレット６の下面
にはこの駆動ローラと嵌合するレールが横方向に設けら
れており、これによりパレット６は、横方向に移動す
る。台車５には旋回アームによる横送り装置９が設けら
れている。台車５と駐車棚４には自由に回転する複数の
ローラからなる送りローラ列１０が両端横方向に設けら
れ、パレット６のレールと嵌合し、パレット６が横方向
に移動するようガイドしている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】駆動ローラコンベア８
はリフト２と中継部７に２列ずつあり数が多く、構造も
複雑である。また駆動用モータと減速機は駆動ローラコ
ンベア毎に設けられているのでコンベア駆動系のGＤ
²（慣性値）が大きくなり、速度変化が難しい。一方台
車５の横送り装置９により台車５と中継部７との間でパ
レット６の横送りを行うが、GＤ²の大きい分だけ台車の
横送り装置９に負担が掛かっていた。

【０００５】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
で、構造が簡単であり、台車の横送り装置に負担をかけ
ないリフトと中継部の横送り装置を提供することを目的
とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１の発明は、リフトと台車間で、その間に設
けられた中継部を介してパレットの横移動を行う機械式
駐車場において、パレットは縦方向下面に係合溝が設け
られ、さらに横方向に移動するようガイドされており、
中継部には先端に前記係合溝と係合する係合部材を有す
る旋回アームが設けられている。

【０００７】中継部に設けられた旋回アームの係合部材
をリフト上のパレットの係合溝に係合して旋回すると、
パレットは旋回力と横方向へのガイドにより横方向に移
動して中継部に移動する。同様に旋回アームの係合部材
を中継部上のパレットの係合溝に係合して逆方向に旋回
すると、パレットは旋回力と横方向へのガイドにより横
方向に移動してリフトに移動する。これによりリフトと
中継部との間でパレットの横移動ができる。

【０００８】請求項２の発明では、前記旋回アームの回
転中心は、リフト上のパレットの係合溝に旋回アームの
係合部材が係合した状態より１８０度回転したときパレ
ットが中継部上で台車への引渡し位置にくる位置に配置
されている。

【０００９】旋回アームの回転中心を上記位置とするこ
とにより、リフト上と中継部上で台車への引渡し位置の
間でパレットを横方向に移動することができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図１は本実施形態の機械式駐車場
の配置を示す。図１Ａは縦断面図、図１Ｂは地下１階ま
たは２階の平面図である。地上レベルの車乗入れ階から
地下２階にわたりリフト２が設けられている。地下の各
駐車階において、配置上の制約によりリフト２は台車通
路３と離れた位置に設けられている。台車通路３の左右
に駐車棚４が設けられ、リフト２と台車通路３との間に
は中継部７が設けられている。台車５は台車通路３を走
行し中継部７と駐車棚４間のパレット６の移動を行う。
各階の駐車棚４には１個所を除いて実パレット６aまた
は空パレット６bが載置されている。

【００１１】図２は図１ＡのＡ−Ａ断面図を示す。自由
に回転する複数のローラからなる送りローラ列１０が、
リフト２、中継部7、台車５および駐車棚４の両端に横方
向（図２で左右方向）に設けられている。パレット６の
下面の両端には送りローラ列１０と嵌合するレール6ｃ
が設けられている。これによりリフト２、中継部7、台車
５または駐車棚４に載置されたパレット６は、横方向に
力が加わると横方向にガイドされて移動する。中継部７
には旋回アーム１１とこれを正逆に回転可能な駆動装置
１２が設けられている。旋回アーム１１の先端には係合
部材１３が突起しており、パレット６の側部下面に設け
られた係合溝１４に嵌合する。嵌合した状態で旋回アー
ム１１を旋回すると横方向の力が発生し、パレット６は
送りローラ列１０にガイドされて、リフト２と中継部７
の間で横移動する。台車５には旋回アームを有する横送
り装置９が設けられており、中継部７と台車５、台車５
と駐車棚４間のパレット６の横移動を行う。

【００１２】図３はリフト２と中継部７の平面図で、リ
フト２にはパレット６を載置した状態を示す。パレット
６の下面には両端横方向にレール6ｃが設けられ、リフト
２の送りローラ列１０に嵌合し、横方向への移動を可能
としている。パレット６の両側部下面には縦方向（図３
で左右方向）中心より同じ側（図３では右側）に係合溝
１４が開口を下向きにして設けられている。旋回アーム
１１回転中心の横方向（図３で上下方向）の位置は、図
３に示すように中継部７の側面からリフト2に載置され
たパレット６の側面までの距離Ｌの中心Ｏに設定され、
係合部材１３と中心Ｏとの距離Ｒ（旋回アーム長さ）は
Ｌ／２となる。

【００１３】パレット６の横移動は旋回アーム１１を横
方向にして係合部材１３を係合溝１４に嵌合し、時計回
りに１８０度回転する。これによりパレット６は送りロ
ーラ列１０に案内されて、その側部が中継部７の側部ま
で破線で示すように横移動する。１８０度以上回転する
と係合部材１３は係合溝１４から外れる。中継部７の破
線位置にあるパレット６をリフト２の実線で示す位置に
横移動するには、上記の逆の動作をすればよい。

【００１４】次に台車の横送り装置とその横移動を説明
する。図４は台車５に装備された横送り装置９の一例を
示す平面図である。横送り装置９は、台車５の両端横方
向（図４で上下方向）にパレット６の横方向への移動を
案内する送りローラ列１０と、パレット６より下方で水
平に正逆回転可能な旋回アーム１５と、旋回アーム１５
を駆動する旋回装置１６と、旋回装置１６を横方向に移
動する直動アクチエータ１７と、旋回アーム１５の先端
に設けられた係合部材１８とを備えている。台車５の両
横方向には駐車棚４や中継部７に載置されたパレット６
の係合溝１４があり、旋回アーム１５の回転中心を台車
５の横方向中心Ｏにしたとき、旋回アーム１５先端の係
合部材１８と係合溝１４の距離がｄとなるように旋回ア
ーム１５の長さＲを定めておく。これにより直動アクチ
エータ１７で旋回装置１６を横方向左右（図４では上
下）に距離ｄ移動すると係合部材１８が係合溝１４に嵌
合し、旋回アーム１５を旋回するとパレット６は送りロ
ーラ列１０に案内されて横移動する。なお、直動アクチ
エータ１７は油圧シリンダ,空圧シリンダ、電動駆動さ
れるネジ等の直線運動を行う駆動装置である。

【００１５】図５は横送り装置９によるパレット６の横
移動を説明する図で、図５Ａは台車５の一方の側（図５
Ａで上側）のパレット６を台車５の直上に移動する状態
を示し、図５Ｂは他方の側（図５Ｂで下側）のパレット
６を台車へ移動する状態を示す。図５Ａにおいて、旋回
アーム１５を直動アクチエータ１７により上側にｄ移動
し、旋回アーム１５を上方向にすると、先端の係合部材
１８とパレット６の係合溝１４が嵌合する。この状態よ
り時計回りに１８０度回転するとパレット６は送りロー
ラ列１０に案内されて台車５の直上に横移動する。ま
た、１８０度回転すると係合部材１８とパレット６の係
合溝１４の嵌合が外れる。なお、台車５上にあるパレッ
ト６を上側の駐車棚４や中継部７に横移動するのは、旋
回アーム１５を直動アクチエータ１７により上側にｄ移
動し,パレット６の下側の係合溝１４と旋回アーム１５
の係合部材１８を嵌合させ、反時計回りに１８０度回転
すればよい。

【００１６】次に、パレット６を他方の側より台車直上
に横移動する場合、図５Ｂにおいて、旋回アーム１５を
直動アクチエータ１７により下側にｄ移動し、旋回アー
ム１５を下方向にすると、先端の係合部材１８とパレッ
ト６の係合溝１４が嵌合する。この状態より反時計回り
に１８０度回転するとパレット６はローラ列１０に案内
されて台車５の直上に横移動する。また、１８０度回転
すると係合部材１８とパレット６の係合溝１４の嵌合が
外れる。なお、台車５上にあるパレット６を下側の駐車
棚４に横移動するのは、旋回アーム１５を直動アクチエ
ータ１７により下側にｄ移動し,パレット６の上側の係
合溝１４と旋回アーム１５の係合部材１８を嵌合させ、
時計回りに１８０度回転すればよい。

【００１７】上述の実施形態は、図１に示す地下階の駐
車場について説明したが、リフトと台車通路との間に中
継部を有する駐車場であれば本発明は適用できる。ま
た、台車の横送り装置は一例を示したもので、台車の両側
のパレットを横送りできるものであればよい。

【００１８】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は、リフトと中継部の駆動ローラコンベアを駆動源のな
い送りローラ列にし、中継部に旋回アームを設け横送り
するようにしたので、ローラを駆動するモータが不要と
なり、横送り機構が簡単になる。またリフトでは駆動ロ
ーラコンベアが送りローラ列になったので自重が軽減す
る。またローラ駆動系のＧＤ²が減少したので、送りロー
ラ列のローラは旋回アームの回転に応じて回転し、旋回
アームへの負荷は少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態の機械式駐車場の配置を示す
図で、（Ａ）は断面図、（Ｂ）は駐車階平面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。

【図３】中継部とパレットを載置したリフトの平面図で
ある。

【図４】台車の横送り装置の平面図である。

【図５】台車の横送り装置の動作説明図である。

【図６】従来の機械式駐車場の配置を示す図で、（Ａ）
は断面図、（Ｂ）は駐車階平面図ある。

【図７】図６のＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】 １ 車 ３ 台車通路 ４ 駐車棚 ５ 台車 ６ パレット ６ｃ レール ７ 中継部 ８ 駆動ローラコンベア ９ 横送り装置 １０ 送りローラ列 １１ 旋回アーム １２ 駆動装置 １３ 係合部材 １４ 係合溝 １５ 旋回アーム １６ 旋回装置 １７ 直動アクチエータ １８ 係合部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 リフトと台車間で、その間に設けられた
   中継部を介してパレットの横移動を行う機械式駐車場に
   おいて、パレットは縦方向下面に係合溝が設けられ、さ
   らに横方向に移動するようガイドされており、中継部に
   は先端に前記係合溝と係合する係合部材を有する旋回ア
   ームが設けられていることを特徴とする機械式駐車場。
2. 【請求項２】 前記旋回アームの回転中心は、リフト上
   のパレットの係合溝に旋回アームの係合部材が係合した
   状態より１８０度回転したときパレットが中継部上で台
   車への引渡し位置にくる位置に配置されていることを特
   徴とする請求項１記載の機械式駐車場。