JP2001225763A - 車体用エネルギー吸収部材 - Google Patents
車体用エネルギー吸収部材Info
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Abstract
なわずに、Al合金製車体用エネルギー吸収部材を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 断面矩形の中空形材1 と、この中空形
材の衝突面側の前面に取り付けられた補強形材2 とから
なる車体用エネルギー吸収部材であって、これら中空形
材1 と補強形材2 とがアルミニウム合金製の押出形材か
らなり、補強形材2 が、中空形材1 の衝突面と略平行な
衝突壁6 と、この衝突壁6 を補強する互いに平行な複数
の横リブ7a、7b、7cと、この横リブ7a、7b、7c先端に設
けた縦フランジ8a、8b、8cとから構成される断面略ハッ
ト型の開断面を有し、縦フランジ8a、8b、8cにおいて中
空形材1 の衝突面と接続されていることである。
Description
アビーム等の車体用エネルギー吸収部材が設けられてい
る。この内、例えば、車体の前端 (フロント) および後
端 (リア) に取り付けられているバンパーの内部には、
強度補強部材としてのバンパー補強材 (バンパーリイン
フォースメント、或いはバンパーレインフォースなどと
も言う) が設けられている。
パーステイなどの車体連結用部材を介して、フロントサ
イドメンバやリヤサイドメンバ等、車体前後方向の骨格
部材の車体フレーム (車体メンバ) に連結、固定され
て、バンパーと車体間で、車体用エネルギー吸収部材を
構成している。また、前記ドアビームなどはブラケット
やフレームなどの車体連結用部材を介して、車体として
のドアフレームに連結、固定されて、車体用エネルギー
吸収部材を構成している。
車体長手方向に延在するサイドメンバの前部或いは後部
などの車体に、断面形状が略矩形の中空構造のバンパー
ステイーなどを介して、バンパー補強材を略車幅方向
(略水平方向) に固定、延在させる。そして、このよう
な構造とすることによって、車体の前方や後方からの、
あるいは前方や後方への衝突に対し、バンパー補強材が
横方向( 略水平方向) に圧壊して衝突エネルギーを吸収
する。
部材としてのバンパー補強材には、車体の衝突により加
わった外力のエネルギー (衝突エネルギー) を、自らの
曲げ変形や断面のつぶれ (圧壊) により吸収し、車体を
保護する性能が求められている。
テイ、或いはフロントサイドメンバやリヤサイドメンバ
等に、軽量化のために、従来使用されていた鋼材に代わ
って、5000系、6000系、7000系等の高強度Al合金製の押
出形材 (長手方向に同一断面形状を有する形材) が使用
され始めている。
合には前記エネルギー吸収性能に優れる。また、長手方
向に同一断面形状を有するAl合金製押出形材は、剛性に
優れた断面形状が略矩形の中空構造を、効率的に、かつ
大量に製造することが可能である。このため、車体用エ
ネルギー吸収部材として、バンパー補強材やバンパース
テイ、あるいはドアビームなどに汎用されている、。
面形状が略矩形の中空構造を有し、Al合金製押出形材か
らなる車体用エネルギー吸収部材において、例えば自動
車のリアバンパー補強材に用いた場合、車体のポール衝
突時に、車体用エネルギー吸収部材に対する略水平方向
からの荷重 (車両の衝突時の) に対し、曲げ強度が不足
する場合があるという問題を生じる。
補強材の場合を例にとって、図6 (a) の断面図 (図6(b)
のA-A 線一部断面図で、車体の側面方向から見た図) 、
図6(b)の平面図で、具体例を説明する。図6 (a) におい
て、従来のAl合金製押出形材からなるバンパー補強材10
1 は、前壁部104 と後壁部105 とを2 つの側壁 (ウエ
ブ) 103a、103bにより接続し、中リブ107を設けた断
面形状が日形の矩形形状を有している。この他、断面形
状は、中リブを設けない口形、中リブを設けて補強した
目形、田形等の場合もある。
ように、サイドメンバ108a、108bの先端に、バンパース
テイ102a、102bなどを介して取り付けられる。そして、
図6(c) の車体リア部分の車体方向の断面図に示すよう
に、自動車車体A に対し略水平方向で、車幅方向に対し
平行に延在するように、バンパー106 と自動車車体Aと
の間に固定されている。この際、バンパー補強材101 と
バンパーステイ102 とは、溶接あるいはボルト等の適宜
の締結具107 等により互いに固定される。また、バンパ
ーステイ102 は、断面形状が略矩形状の中空構造のAl合
金製押出形材や鋼製などからなる。
リアに用い、自動車がポール衝突した場合の状況を、図
7 により説明する。今、図7 (a) に示す様な、車体が比
較的低速でバック走行して、消火栓、電柱、門柱などと
衝突するポール衝突時には、リアのバンパー補強材101
に対し、略水平方向から荷重が加わる。この場合、荷重
が大きいと、バンパー補強材101 の強度が不足し、図7
(b) に示す様に、バンパー補強材101 が中央部より水平
方向に折れ曲がり、車体に損傷を与えることが生じる。
この現象は、荷重の大きさによっては、バンパー補強材
の断面形状が日形だけではなく、断面形状が口形、ある
いは目形、田形等の中リブを設けてより補強したタイプ
のバンパー補強材においても生じる可能性がある。
りを防止するためには、バンパー補強材の曲げ強度を大
きくする必要がある。そして、このための手段として
は、バンパー補強材を構成するAl合金自体を高強度化す
る、或いはウエブ103a、103bや前壁部104 、後壁部105
の厚みを厚くする、更にはバンパー補強材の幅を大きく
する等の方法が考えられる。
押出等の形材製造や曲げ等の形材の成形加工が難しくな
るとともに、割れが生じやすく、却って、衝突のエネル
ギー吸収量を小さくすることにもつながる。また、単に
Al合金材の厚みを厚くしたり、バンパー補強材の幅を大
きくした場合、重量が増加して、Al合金による軽量化の
利点が損なわれる。更に、単にAl合金材の厚みを厚くし
た場合、バンパー補強材の圧壊時の最大荷重が、サイド
メンバーの許容荷重以上に高くなり、却って、フロント
サイドメンバ等の車体メンバ類に損傷を与える可能性も
高い。
ギー吸収部材の、特に、折れ曲がりやすい長手方向の中
央部分に、鋼製など別の補強材を、衝突面側の前面に取
り付けられることも実際には行われている。
ンパーリインフォースメントの前部の長手方向中央部
に、Al合金製中空形材で形成された補強体 (例えば、断
面形状は前面が半円形で後面が平面であり、内部に2 本
の支柱乃至リブを設けて補強している) を、接着剤によ
り接着固定した補強構造が開示されている。
補強効果を得るためには、補強材取り付けによる重量増
加が大きく、エネルギー吸収部材へのAl合金採用による
軽量化の利点が損なわれる。
製中空形材で形成された補強体の場合、前記鋼製の補強
材に比べて、軽量化は図れる。しかし、やはり、補強体
を設けない場合に比べて、閉断面からなる中空形材補強
体による重量増加が大きい。
り、Al合金製中空形材製バンパーリインフォースメント
本体の薄肉化による軽量化が図れるとしている。しか
し、補強体が閉断面からなる中空構造であり、また更に
内リブ( 支柱) による補強もされているために、補強体
の圧壊強度はかなり高くなる。このため、バンパーリイ
ンフォースメント本体の前記薄肉化を行った場合、前記
ポール衝突などの際に、補強体の方よりも、バンパーリ
インフォースメント本体の方が却って先に圧壊してしま
う、という可能性も生じる。
形材であるため、補強体のバンパーリインフォースメン
ト本体へのボルト等による機械的な接合や溶接による接
合が実質的に不可能である。このため、公報に記載され
ている通り、前記接着剤による固定方式とならざるを得
ない。そして、この接着剤による固定方式は、機械的な
接合や溶接による接合に比して、車体構造材としては著
しく信頼性に欠けることとなる。
の車体用エネルギー吸収部材には、Al合金による軽量化
の利点をできるだけ損なわずに、また、車体の衝突時に
おけるエネルギー吸収量も低下させずに、曲げ強度を高
め、前記ポール衝突時にも、前記図7 (b) に示した様
な、車体用エネルギー吸収部材が中央部より水平方向に
折れ曲がったり座屈しないことが求められている。
ネルギー吸収性などの利点を損なわずに、Al合金製車体
用エネルギー吸収部材を高強度化して、前記ポール衝突
時にも、折れ曲がって車体を損傷することがない、車体
用エネルギー吸収部材を提供しようとするものである。
に、本発明の要旨は、断面矩形中空形材と、この中空形
材の衝突面側の前面に取り付けられた補強形材とからな
る車体用エネルギー吸収部材であって、これら中空形材
と補強形材とがアルミニウム合金製の押出形材からな
り、前記補強形材が、前記中空形材の衝突面と略平行な
衝突壁と、この衝突壁を補強する互いに平行な複数の横
リブと、この横リブ先端に設けられるとともに補強形材
の外側に張り出した縦フランジとから構成される断面略
ハット型の開断面を有し、前記縦フランジにおいて前記
中空形材の衝突面と接続されていることである。
は、まず、中空形材と補強形材がアルミニウム合金製
の押出形材よりなるために、全体としての軽量化が図
れ、補強形材の分の重量増加も少なくて済む。また、特
に重要なことは、補強形材が開断面を有し、4 辺を有
する閉断面の矩形中空型ではないので、補強形材による
重量の増加を最小限に抑制しつつ、高強度化することが
できる。更に、横リブ先端に設けた縦フランジにおい
て、中空形材の衝突面と接続されるために、取り付けが
容易である等々の利点を有する。
材は、前記中空形材の断面形状が、中リブを設けて補強
した日形、目形、田形等から選択される断面形状を有す
るので、口形断面に比して、中空形材の外形状( 高さや
幅) を大きくすることができる。
材は、請求項4の横リブと縦フランジとの交差部が円弧
状に接続されているように、補強形材の横リブが、略水
平方向からの荷重に対して、形材断面の内側に屈曲する
ように構成している。このため、補強形材の横リブが各
々断面外側に屈曲する場合に比して、変形に伴う荷重の
低下が抑えられ、衝突エネルギーの吸収量がより大きく
なる効果を有する。
小さい軽衝突の場合には、中空形材の方を圧壊させず
に、補強形材のみの圧壊で済ますことも可能となる。こ
れは、前記衝突後の修理を補強形材のみの取り替えで済
すことができる利点となる。
部材は、Al合金として、AA乃至JIS5000系、6000系、700
0系から選択される。これらのAl合金は成形性に優れか
つ高強度であるので、押出加工等の製造がしやすく、衝
突エネルギー吸収性能も高めることができる。
発明車体用エネルギー吸収部材は、請求項6のように、
特に、車体のリアバンパーやフロントバンパーの補強材
として用いられて好適である。
収部材の好適な実施形態について、バンパー補強部材の
場合について、図面を用いて説明する。
様を、図1 の断面図(図2のA-A 線断面図で、車体側面
方向から見た図) および図2 の平面図で示す。これら各
図の通り、バンパー補強部材は、基本的に、車体に対し
略水平方向に延在し、主たる車体用エネルギー吸収部材
であるAl合金製の断面矩形の中空形材1 と、この中空形
材の衝突面4a側の前面に取り付けられたAl合金製補強形
材2 とから構成される。
4 と後壁部5 とを、2 つの側壁 (ウエブ) 3a 、3bによ
り接続し、中空構造内に補強用の中リブ11を入れた、断
面形状が略日形の中空一体構造を有している。そして、
この中空形材1 はAl合金製押出形材からなり、中空一体
構造の断面形状は、口形、日形、目形、田形等の種類に
かかわらず、中空形材1 の長手方向に渡って同一であ
る。
壁部5 との両端部に、後述する補強形材2 との取り付け
部や、車体との取り付け部となるフランジ9a、9bおよび
13a、13b (中空形材1 の両側方外側への張出部分)を
有した構造となっている。このフランジ9a、9bおよび13
a 、13b を設けず、中空形材1 自体の幅( 高さ) を大き
くして、前壁部4 や後壁部5 の両端部を、補強形材2 や
車体との取り付け部としても良いが、後述する補強形材
2 の取り付けや車体との取り付けが煩雑になる。したが
って、中空形材1 のフランジ9a、9bおよび13a 、13b は
設けた方が好ましい。
断面形状は、軽量化の点からは、口形の中空構造でもよ
い。しかし、中空形材の外形状( 高さや幅) を大きくす
る場合の強度低下を防止したり、より高強度化する場合
には、中空構造内に補強用の中リブを入れて、断面形状
を日形、目形、田形等にすることが好ましい。
後壁部5と2 つの側壁3a、3bとは直線的に接続されてい
る。この結果、車両の衝突時に、中空形材に対する略水
平方向からの荷重F に対して、前記中空形材の両側壁3
a、3cの立脚方向 (水平方向)に力がかかる結果、側壁は
曲げ変形箇所を起点に、通常、中空構造断面の外側方向
に変形、座屈して、中空形材1 が横圧壊 (水平方向に変
形) 状態となり、衝突エネルギーを吸収する。
の、前壁部4 や後壁部5 との接続を工夫して、中空形材
に対する略水平方向からの荷重F に対して、前記中空形
材の両側壁3a、3cが、図3 (図2の部材圧壊時のA-A 線
断面図) のような圧壊状態のように、中空構造断面の内
側に屈曲( 屈曲部12a 、12b)した横圧壊状態となるよう
にしてもよい。このように構成した場合、前記中空形材
の両側壁3a、3cが中空構造断面の外側に屈曲する場合に
比して、更に衝突エネルギー吸収量を高めることが可能
となる。
曲部12a 、12b のように、中空構造断面の内側に屈曲さ
せるためには、側壁3a、3cの前壁部4 や後壁部5 と接続
する上部や下部のコーナー部を中空構造の内側に向いた
円弧状として、前壁部4 や後壁部5 と接続させるなどす
れば良い。
的な要件である、Al合金製補強形材2 は、基本的に、衝
突壁6 と、互いに平行な複数の横リブ7a、7b、7cと、縦
フランジ8a、8b、8cとから構成される断面略ハット型の
開断面を有する。
フランジ)6は、前記中空形材1 の衝突面4aと平行な衝突
壁面6aを、中空形材1 の衝突面4aの前面で構成する。ま
た、この衝突壁6 を後方から支持補強する横リブ( 側壁
乃至横壁) は、衝突壁6 と略直交するように接続され
た、互いに平行な複数の略水平な横リブ7a 、7b、7cか
ら構成される。
a、7b、7cの各先端部に、各横リブと直交するように設
けられている。このうち、特に両端の横リブ7a、7cは補
強形材の両側方から補強形材の外側 (図では上下方向)
に向かって、張り出して延在するように設けられてい
る。そして、この張り出した縦フランジ8a、8bにおい
て、前記中空形材の衝突面4aと接するとともに、縦フラ
ンジ8a、8bにおいて、ボルトなどの公知の締結具10a 、
10b で中空形材の衝突面4aに接続されている。また、中
空形材の内側にある (中央の) 縦フランジ8cは、設けら
れる横リブとの関係で、中空形材の衝突面4aとの接続性
の向上のために、選択的に設けられる。
からなり、断面形状は補強形材2 の長手方向に渡って同
一である。
ンパー補強材などのポール衝突時に、中空形材1 に対
し、略水平方向から大きな荷重が加わった場合、前記図
7 (b)に示した様に、中空形材1 が中央部より水平方向
に折れ曲がることの無いように、特に、中空形材1 の長
手方向の中央部の曲げ強度を補強するためのものであ
る。
ハット型の開断面を有することによって、閉断面の矩形
中空形状とする場合よりも、補強形材付加による重量の
増加を最小限に抑制することができる。
数の横リブ7a、7b、7cを有するため、重量の増加を最小
限に抑制しつつ、補強形材2 自体の強度を増し、補強材
としての機能を果たすことができる。即ち、ポール衝突
時等、補強形材2 ( 中空形材1)に対する略水平方向から
の荷重F に対して、まず、補強形材2 が横圧壊 (水平方
向に変形) し、衝突エネルギーを吸収することにより、
後方の中空形材1 を保護して、補強材としての曲げ強度
を高めることが可能となる。
本設けている。横リブの本数は、3本に限らず、衝突壁6
の補強のために、両端の横リブ7a、7cを必須として、
衝突壁6 の補強の必要性、あるいは、中空形材1 の中央
部の補強の必要性に応じて、内部の方の横リブ7bの数
を、1 〜4 本等、大きな重量増加にならない範囲で、適
宜選択して設ける。即ち、図4 に補強形材の断面図を示
すように、図4(a)の両端の横リブ7a、7cのみとしてもよ
く、図4(b)の更に横リブ7d、7eを付加した形としてもよ
い。
b、7cの先端に設けた縦フランジ8a、8b、8cは、中空形
材1 の衝突面4aと接続するためのものである。中央部の
縦フランジ8cの設置は選択的であるが、特に、両端部の
縦フランジ8a、8b (補強形材の両側方から補強形材の外
側に向かって張り出している) の存在は、補強形材2
を、機械的な接合や溶接による接合で、中空形材1 に簡
便かつ確実に固定すために必須である。
ジ8a、8bの部分において、中空形材1 の側のフランジ9
a、9bと、締結具( ボルト等)10a、10b を介して、簡便
に締結固定できる。また、縦フランジ8a、8bの側と中空
形材1 のフランジ9a、9bの側との両方から電極を当てら
れるため、溶接法の中でも簡便なスポット溶接法により
締結することもできる。
形材2 の衝突壁6 と中空形材1 の前壁部4 とをつなぐ長
いボルトで接続するなど、補強形材2 と中空形材1 との
接続が難しくなる。このため、簡便に接続するために
は、前記特開平6-286536号公報の補強体と同様に、接着
剤により行う必要が生じてしまい、信頼性に欠けること
につながる。
般に渡って設けてもよい。ただ、補強形材2 の付加によ
る重量増加を抑制する観点からは、中空形材前面の長手
方向全般に渡って設ける必要はなく、曲げ強度の補強が
必要な中空形材前面部分に適宜設ければ良い。この点、
図2 に示した例では、中空形材1 の長手方向の中央部
(曲げ強度の補強が必要な部分) にのみ部分的に設けて
いる。
トバンパー補強材として、本発明の補強形材2 を設けた
中空形材1 を、車体に対し略水平方向に延在するように
配置した場合を示している。補強形材2 を設けた中空形
材1 は( 前記図1 のフランジ13a 、13b の部分で) 締結
具により、ステイ15a 、15b と締結されるとともに、こ
のステイ15a 、15b を介して、車体のサイドアーム16a
、16b と締結されている。
形材1 の中央部は直線状だが、両端部は車体形状( デザ
イン) にあわせて湾曲した構造を示している。これにつ
いて、中空形材1 全体を直線状とするか、全体乃至両端
部を湾曲した構造とするかは、車体やバンパーの形状、
構造に応じて適宜選択される。
製補強形材の別の実施態様を示しており、基本的な構成
は図1 の態様と同じである。ただ、図5(a)に示す通り、
両端の横リブ7a、7cと縦フランジ(8a 、8c) とが接続す
るコーナー部は、図1 のように直角に交差接続する形で
はなく、断面の内側に向いた円弧状の折曲げ箇所R1、R2
を設けて接続されている。
部が円弧状に接続されている場合、図5(b)に示すよう
に、略水平方向からの荷重F に対して、補強形材2 の横
リブ7a、7cが横圧壊する際、前記円弧状の折曲げ箇所R
1、R2を起点に、横リブ7a、7cが断面構造の内側に屈曲
するようにできる。
て、横リブ7a、7cが断面外側に屈曲する場合に比して、
補強形材2 のエネルギー吸収量を高めることが可能とな
る。また、この結果、略水平方向からの荷重F の大きさ
にもよるが、荷重F が小さい軽衝突の場合には、補強形
材2 のエネルギー吸収量が高いため、図5(b)に示すよう
に、中空形材1 を圧壊させずに、補強形材2 のみの圧壊
で済む。したがって、略水平方向からの荷重が比較的小
さい軽衝突の場合には、中空形材の方を圧壊させずに、
補強形材のみの圧壊で済ますことも可能となる。そし
て、前記衝突後の修理も補強形材のみの取り替えで済す
ことができる。
について説明する。本発明の断面矩形中空形材と補強形
材とに用いるAl合金自体は、通常、この種構造部材用途
に汎用される、AA乃至JIS 5000系、6000系、7000系等の
耐力の比較的高い汎用 (規格)Al 合金から選択して用い
られる。この中でも、特に、これら7000系 (Al-Zn-Mg
系) Al合金や6000系(Al-Mg-Si 系)Al 合金を、押出加工
後人工時効処理したT5や押出加工後更に溶体化処理した
後に人工時効硬化処理( 過時効処理も含む) したT6等の
調質処理材が、強度、耐食性、加工性の点で好ましい。
提案されている成分や組織を制御した特殊なAl合金であ
っても、本発明の構成をとることによって、当然、強度
やエネルギー吸収性能も優れたものとなる。したがっ
て、コスト的には、従来の汎用(規格)Al 合金材が有望
であるものの、従来の特殊なAl合金であっても、勿論、
本発明には使用可能である。
矩形中空形材と補強形材とに係るAl合金製形材の製造自
体は、鋳造、均質化熱処理、熱間押出、調質熱処理等
を、主要工程とする常法により適宜製造される。このよ
うな押出による形材を使用することにより、本発明のよ
うに、断面が複雑な形状の形材であっても、容易に、か
つ効率的に製造することが可能となる。
る。発明例として、車体のリアバンパー補強部材を想定
して、発明例1 として、図1 に示した構造で、各々JIS
6N01Al合金押出形材のT5材 (耐力240N/mm2) 製の、断面
矩形の中空形材1 と補強形材2 とを準備した。
車体用のエネルギー吸収材として汎用されており、同じ
く汎用されているJIS 7003Al合金等の7000系Al合金に比
べると、衝突荷重時に割れやすいという特性を有する。
したがって、本実施例における6N01Al合金押出形材での
良好な結果は、JIS 7003Al合金等の7000系Al合金押出形
材の結果にも反映させることが可能である。
1 の中空形材1 のみとし、補強形材2 を設けない例を、
比較例2 として準備した。また、前記図6 で示した構造
を有し、発明例1 と同じくJIS 6N01Al合金押出形材のT5
材 (耐力240N/mm2) 製のバンパー補強部材101 を比較例
3 として準備した。なお、比較例3 は前記発明例1 と同
等の曲げ強度を有するために、各部の厚みを設定した場
合を準備した。
様は以下の通りとした。中空形材1は直線状とし、全体
の長さを1200mmとした。また、前壁部と後壁部の長さを
( フランジ長さ各15mmを含めて)100mm、これらの肉厚を
3.0mm 、側壁3a、3cの長さを70mm、これらの各肉厚を中
リブを含めて2.0mm 、側壁と中リブ間の間隔を32mmとし
た。
の通りとした。補強形材2 の長さは400mm とし、中空形
材1 の中央部にセンターがくるように配置し、前記図1
に示したようにフランジ部においてボルトで中空形材1
に固定した。また、衝突壁6の厚さを3.0mm 、横リブ7
a、7c、縦フランジ8a、8b、8cの厚さを各2.0mm 、横リ
ブ7bの厚さを2.5mm 、衝突壁6 の長さを70mm、縦フラン
ジ長さを各15mm、横リブ7a、7b、7cの長さを25mm、横リ
ブの間隔を32mmとした。
や後壁部105 の長さを100 mm、これらの各肉厚を4.5mm
とした。また、側壁103 の長さを95mm、これらの各肉厚
を中リブ107 を含め2.5mm とした。
衝突試験を想定した、有限要素法(FEM) 解析を行って、
中空形材中央部の変形量を計測し、リアバンパー補強部
材としての中空形材中央部の曲げ強度を評価した。この
際、発明例と比較例の重量もFEM 解析し、比較例2 を10
0%とした時の、発明例の重量増加分を% として計算し
た。表1 にこれらの結果を示す。
方向に配置した発明例と比較例のバンパー補強部材を、
前記組み立て体を鋼製ポール( 175mm 径) に、バンパー
補強部材の中央部前面を、2.2 m/sec (8km/hr)の速度で
衝突させ、バンパー補強部材の中央部前面に略水平方向
に衝撃力が加わるものと設定した。
例3 と比較して、同じ程度の曲げ強度を得るために、比
較例3 の重量増加量に比して、補強形材による重量増加
の割合が著しく少くて済む。
強形材による重量増加の割合が少なく、中空形材中央部
の変形量も著しく少なく、曲げ強度の向上効果が優れて
いる。
材として、前記ポール衝突性に優れていることが分か
る。
吸収部材は、軽量化の利点を損なわずに、バンパー補強
部材として、曲げ強度が高く、ポール衝突性に優れてい
る効果が裏付けられる。なお、これらの結果は、ドアビ
ームやブラケットやフレームなどの、他の車体エネルギ
ー吸収部材にも同様に適用可能であることを示してい
る。
ずに、高強度化でき、ポール衝突時などの長手方向の折
れ曲がりや座屈等を防止したAl合金製車体用エネルギー
吸収部材を提供することができる。このため、バンパー
補強部材やバンパーステイ、ドアビームとブラケットや
フレームなどの、車体用エネルギー吸収部材用に、Al合
金材の用途を大きく拡大するものであり、工業的な価値
が大きい。
施態様を示す断面図である。
けの態様を示す平面図である。
時の態様を示す断面図である。
の、補強形材の別の実施態様を示す断面図である。
実施態様を示す断面図である。
(a) は一部断面図、図6(b)は平面図、図6(c)は車体リア
部分の断面図である。
様を示す説明図である。
6:衝突壁、7:横リブ、8:縦フランジ、9:フランジ、10:
締結具、11: 中リブ、12: 折れ曲がり部、13:フラン
ジ、15: ステイ、16: サイドアーム
Claims (6)
- 【請求項1】 断面矩形中空形材と、この中空形材の衝
突面側の前面に取り付けられた補強形材とからなる車体
用エネルギー吸収部材であって、これら中空形材と補強
形材とがアルミニウム合金製の押出形材からなり、前記
補強形材が、前記中空形材の衝突面と略平行な衝突壁
と、この衝突壁を補強する互いに平行な複数の横リブ
と、この横リブ先端に設けられるとともに補強形材の外
側に張り出した縦フランジとから構成される断面略ハッ
ト型の開断面を有し、前記縦フランジにおいて前記中空
形材の衝突面と接続されていることを特徴とする車体用
エネルギー吸収部材。 - 【請求項2】 前記中空形材の断面形状が、中リブを設
けて補強した日形、目形、田形から選択される断面形状
を有する請求項1に記載の車体用エネルギー吸収部材。 - 【請求項3】 前記補強形材の横リブが、略水平方向か
らの荷重に対して、形材断面の内側に屈曲するように構
成した請求項1または2に記載の車体用エネルギー吸収
部材。 - 【請求項4】 前記横リブと縦フランジとの交差部が円
弧状に接続されている請求項3に記載の車体用エネルギ
ー吸収部材。 - 【請求項5】 前記アルミニウム合金として、AA乃至JI
S 5000系、6000系、7000系から選択される規格アルミニ
ウム合金を用いる請求項1乃至4のいずれか1項に記載
の車体用エネルギー吸収部材。 - 【請求項6】 前記車体用エネルギー吸収部材がバンパ
ー用である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の車体
用エネルギー吸収部材。
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