JP2015147490A - アルミニウム合金押出形材からなるドアビーム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルミニウム合金押出形材の長さ方向に垂直な断面が、アウターフランジ13、インナーフランジ14、アウターフランジとインナーフランジの間に配置された中間フランジ15、アウターフランジと中間フランジを連結する複数のアウターウエブ16、及びインナーフランジと中間フランジを連結する複数のインナーウエブ17からなる。潰し加工を行った領域Aにおいてアウターウエブ16が曲げ変形して中間フランジからアウターフランジまでの高さが元の高さh2より減少し、インナーフランジから中間フランジまでの高さが元の高さh1に維持されている。
【選択図】図2
Description
しかし、アルミニウム合金押出形材からなる従来のドアビームに対し、長さ方向の一部の領域に潰し加工を行うと、同領域においてドアビームの断面性能が低下する。潰しの程度(断面高さの低減割合)が大きい場合、ドアビームの断面係数が大きく減少し、潰しの程度が小さい場合でも、屈曲させたウエブは衝突時に曲げ変形しやすく、いずれにしてもドアの補強材としての機能は大きく低下する。
前記アルミニウム合金押出形材のインナーフランジから中間フランジまでの高さをh1とし、中間フランジからアウターフランジまでの高さをh2としたとき、0.2≦h2/h1≦0.5であることが好ましい。
一方、同領域において、インナーフランジと中間フランジの間は潰されず、断面高さ(インナーフランジから中間フランジまでの高さ)は、元のアルミニウム合金押出形材の高さh1を維持し、インナーウエブは潰し加工で曲げ変形していない。このため、インナーフランジから中間フランジまでの部分は、元のアルミニウム合金押出形材と同じ断面性能を維持している。従って、前記領域においてドアビーム全体としての断面性能が低下することが抑えられる。
図1,2において、ドアビーム11はアルミニウム合金押出形材を所定長さに切断し、潰し加工を行ったものである。図2に実線で示すように、アルミニウム合金押出形材の断面(潰し加工されていない箇所)は、いずれも平板状で、互いに平行なアウターフランジ13、インナーフランジ14及び中間フランジ15と、各フランジに垂直な各一対のアウターウエブ16及びインナーウエブ17からなる。アウターフランジ13、インナーフランジ14及び中間フランジ15は、いずれも両端に、ウエブから左右に突出した突出フランジを有する。アウターウエブ16はアウターフランジ13と中間フランジ15を連結し、インナーウエブ17はインナーフランジ14と中間フランジ15を連結し、アウターウエブ16とインナーウエブ17は一列に連なっている。
ドアビーム11は、ドアのアウターパネル12の内側に、アウターフランジ13を車幅方向外側に向け、インナーフランジ14を車幅方向内側に向け、略鉛直面内に配置されている。ドアビーム11の両端は、ドアの図示しないインナーパネルに直接、又は図示しないブラケット(特許文献1の図5参照)を介して固定される。アウターパネル12は、全体として外向きに緩く湾曲し、その一部が比較的大きい曲率で内側に湾曲している(湾曲部18)。
この潰し加工により、領域Aにおいて、アウターフランジ13と中間フランジ15の間が潰され、図1の破線に示すように、ドアビーム11の内側高さが元のh2から最も高さの小さい箇所でh3へと減少している。なお、潰し加工の程度(h3の大きさ)は任意に選択できる。領域Aでは、アウターウエブ16が曲げ変形して外側に折れ曲がっている。一方、領域Aにおいて、中間フランジ15とインナーフランジ14の間は潰されず、ドアビーム11の内側高さは、元のアルミニウム合金押出形材の高さh1を維持している。また、インナーウエブ14は曲げ変形していない。
本発明に係るドアビームにおいて、アルミニウム合金押出形材の外側高さh2が大きすぎると、衝突時にドアビームがねじれ変形する可能性がある。また、上記のようにトータルの断面高さhに制限がある中で、外側高さh2が大きいと、相対的に内側高さh1が小さくなり、ドアビームの断面性能が低下し、ドア補強材としての機能が低下する。一方、外側高さh2が小さすぎると、潰し加工が困難となり、また、潰し加工後に所定の形状を出しにくい。
以上の点を総合的に判断して、本発明に係るアルミニウム合金押出形材は、断面の内側高さh1と、外側高さh2の比(h2/h1)を、0.2≦h2/h1≦0.5に設定することが好ましい。
図4(b)に示す断面形状は、アウターウエブ16が当初から外向きに湾曲している点で、図2に示す断面形状と異なる。
図4(c)に示す断面形状は、一対のアウターウエブ16,16の間隔が一対のインナーウエブ17,17の間隔より広く設定されている点で、図2に示す断面形状と異なる。
図4(d)に示す断面形状は、インナーウエブが3本であり、一対のアウターウエブ16,16の間隔が両側のインナーウエブ17,17の間隔より狭く設定されている点で、図2に示す断面形状と異なる。
図4(f)に示す断面形状は、一対のアウターウエブ16,16の間隔が一対のインナーウエブ17,17の間隔より狭く設定され、アウターフランジ13に突出フランジが形成されていない点で、図2に示す断面形状と異なる。
図4(g)に示す断面形状は、アウターウエブ16,16が共に傾斜している点で、図2に示す断面形状と異なる。
図4(h)に示す断面形状は、アウターウエブ16,16が共に傾斜し、アウターフランジ13に突出フランジが形成されていない点で、図2に示す断面形状と異なる。
図4(i)に示す断面形状は、アウターウエブ16が1本である点で、図2に示す断面形状と異なる。
12 ドアのアウターパネル
13 アウターフランジ
14 インナーフランジ
15 中間フランジ
16 アウターウエブ
17 インナーウエブ
Claims (4)
- アルミニウム合金押出形材からなり、長さ方向の一部の領域に潰し加工が施されたドアビームであり、前記アルミニウム合金押出形材の長さ方向に垂直な断面が、アウターフランジ、インナーフランジ、アウターフランジとインナーフランジの間に配置された中間フランジ、アウターフランジと中間フランジを連結するアウターウエブ、及びインナーフランジと中間フランジを連結する複数のインナーウエブからなり、前記領域においてアウターウエブが曲げ変形して中間フランジからアウターフランジまでの高さが元の高さより減少し、インナーフランジから中間フランジまでの高さが元の高さに維持されていることを特徴とするドアビーム。
- 前記アルミニウム合金押出形材のインナーフランジから中間フランジまでの高さをh1とし、中間フランジからアウターフランジまでの高さをh2としたとき、0.2≦h2/h1≦0.5であることを特徴とする請求項1に記載されたドアビーム。
- 長さ方向に垂直な断面が、アウターフランジ、インナーフランジ、アウターフランジとインナーフランジの間に配置された中間フランジ、アウターフランジと中間フランジを連結するアウターウエブ、及びインナーフランジと中間フランジを連結する複数のインナーウエブからなるドアビーム用アルミニウム合金押出形材。
- 前記アルミニウム合金押出形材のインナーフランジから中間フランジまでの高さをh1とし、中間フランジからアウターフランジまでの高さをh2としたとき、0.2≦h2/h1≦0.5であることを特徴とする請求項3に記載されたドアビーム用アルミニウム合金押出形材。
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