JP2001221448A - 温水暖房装置及びその故障診断方法並びに給湯装置の故障診断支援装置。 - Google Patents

温水暖房装置及びその故障診断方法並びに給湯装置の故障診断支援装置。

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JP2001221448A JP2000032870A JP2000032870A JP2001221448A JP 2001221448 A JP2001221448 A JP 2001221448A JP 2000032870 A JP2000032870 A JP 2000032870A JP 2000032870 A JP2000032870 A JP 2000032870A JP 2001221448 A JP2001221448 A JP 2001221448A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 通常の暖房運転時においても温水供給の異常
検出が可能な温水暖房装置を提供する。 【解決手段】 給湯装置aから暖房用熱交換器jに温水
が供給される温水暖房装置b1において、上記温水暖房
装置b1の初期暖房運転時に、熱交換器jに流入する温
水温度が所定温度まで上昇するのに要した所要時間を検
出して記憶する。一方、通常の暖房運転時には、他の温
水暖房装置b2が運転していないことを条件に、上記同
様、熱交換器jに流入する温水温度が所定温度まで上昇
するのに要した所要時間を検出する。そして、初期暖房
運転時に記憶した所要時間と通常運転時の所要時間とを
比較して熱交換器への温水供給の異常を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は温水暖房装置及び
その故障診断方法並びに給湯装置の故障診断支援装置に
関し、より詳細には、給湯装置を熱源とする温水暖房装
置における温水暖房装置と給湯装置の故障診断技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より温水エアコンやパネルヒータさ
らには床暖房パネルといった種々の温水暖房装置が提案
されており、最近では、家庭用の給湯装置を温水熱源と
して、該給湯装置に温水エアコンや床暖房パネル等の複
数の温水暖房装置が接続され、これらの各温水暖房装置
が同時に暖房運転を行えるように構成されるに至ってい
る。
【0003】ここで、かかる温水暖房装置と給湯装置と
の一般的な接続例を図8に示す。この図8に示す接続例
では、一台の給湯装置aに対して、該給湯装置aから高
温の温水の供給を受ける高温端末(温水暖房装置)b1
と、低温の温水の供給を受ける低温端末(温水暖房装
置)b2とが接続されており、この場合、給湯装置aか
ら各端末b1,b2に供給される温水は再び給湯装置a
に還流して、循環するように構成される。
【0004】具体的には、この接続例では、上記高温端
末b1には、給湯装置aの給湯用熱交換器cで加熱され
た高温の温水(高温水)が供給され、該高温端末b1を
経た温水が給水タンクd、ポンプeを経て上記熱交換器
cに還流する一方、上記低温端末B2には、上記循環経
路中の上記熱交換器cの上流側(具体的にはポンプeの
下流側)のA点で分岐された低温の温水が供給され、該
低温端末b2a経た低温水が図中B点で上記高温端末b
1の循環経路と合流して給水タンクd、ポンプeを経て
再び低温端末cに還流するものとされる。
【0005】なお、図中のC,D点を接続する配管f
は、上記低温端末b2に流れ込む湯水の温度を一定に保
つなどの目的のための混合バイパス配管であって、この
バイパス配管fは、図示の如く上記高温端末b1の上流
側と給水タンクdの上流側とを接続するように配設され
る。また、図中符号g,hで示すのは、給湯装置aの出
湯温度制御の温度センサであって、符号gは缶体の出口
側に設けられる高温温度センサであり、また符号hは缶
体の入口側に設けられる低温温度センサである。また、
上記給水タンクdは、補水弁nを介して上水道(給水
口)と接続され、さらに温水循環経路中には配管内湯水
の水抜き用の排水栓oが設けられている。
【0006】そして、上記高温・低温の各端末(温水暖
房装置)b1,b2は、それぞれ通水制御用の熱動弁i
と、暖房用の熱交換器jと、上記熱交換器jに供給され
る温水の温度を検出する温度センサkと、上記給湯装置
aおよび熱動弁iを制御する制御部(図示しない)とを
主要部として備え、暖房運転を行う際は、上記制御部か
ら給湯装置aおよび熱動弁iに対して所定の動作指令信
号を与えて暖房運転を行っていた。なお、図中の低温端
末b2は、暖房するエリアを切り替え可能なように、上
記熱交換器jが3系統(j1,2,3 )用意されている
ことに伴い、上記熱動弁iおよび温度センサkも同様に
各系統毎にそれぞれ設けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな給湯装置を熱源とする温水暖房装置においては、以
下のような問題があり、その改善が望まれていた。
【0008】(1) すなわち、上述した構成の温水暖房装
置b1,b2では、熱動弁iの閉故障(弁が閉じて開か
ない故障)や温水循環経路のゴミ詰まり等が生じると熱
交換器jに温水が供給されず暖房機能が正常に働かなく
なるが、この種の温水暖房装置b1,b2では、かかる
温水供給の異常の有無の診断は、専ら温水暖房装置を試
験用の試運転モードに切り換えて行われていた。つま
り、従来の温水暖房装置においては、通常の動作モード
下においてかかる温水供給の異常の検出は行われておら
ず、かかる異常の検出を速やかに行えないという問題が
あった。
【0009】これは、この種の温水暖房装置では、上述
した温水の循環経路中には高温の温水が流れるため耐熱
性の問題等によって流量センサを備えておらず、また、
通常モード下においては複数の温水暖房装置が同時に運
転することがあるので、特定の温水暖房装置のみの温水
供給を調べることが困難であったことに基づく。
【0010】(2) また、上述した故障の診断に関連し
て、従来、一般的に行われている給湯装置等の故障診断
は、点検する項目毎に、作業員が整備マニュアル等に示
された故障診断手順に従って給湯装置や暖房装置の設定
(たとえば、給湯装置や暖房装置のスイッチのオン・オ
フ操作や、循環経路中の水抜きや水張り等)を手作業で
変更している。しかしながら、最近の給湯装置は温水暖
房装置が接続されるなどして構造が複雑・高度化してい
るため、給湯装置等の故障診断を一々整備マニュアルに
照らして行っていたのでは、故障診断作業に時間や手間
がかかるという問題があった。
【0011】なお、この点に関して、本願出願人は、給
湯装置等の故障診断を行う作業員の作業負担を軽減する
ため、上述した故障診断手順を故障診断シーケンスとし
て予め記憶手段に記憶させ、該故障診断シーケンスに基
づいて表示手段に故障診断手順を表示する一方で、上記
故障診断シーケンスに基づいて給湯装置に対して所定の
動作指令信号を出力するとともに、外部から入力される
情報に基づいて給湯装置の故障診断を行う故障診断支援
装置を提供するに至っている。
【0012】この装置によれば、作業員は点検項目を入
力するだけで、装置内部に記憶された故障診断手順に従
って必要な作業の殆どは故障診断支援装置から遠隔操作
で自動的に行われ、遠隔操作を行い得ない作業について
だけその都度作業員に当該作業の実施が要求される。つ
まり、この装置を使えば、作業員は表示手段に表示され
る作業内容の指示に従って必要最小限の作業を行うだけ
で、換言すれば、作業員が故障診断支援装置と対話する
ようにして作業を進めることで、給湯装置の故障診断を
容易かつ迅速に行えるようになる。
【0013】しかしながら、これまでに出願人が提案し
た当該故障診断支援装置においては、給湯装置における
故障診断のうちの一部事項についてしか上述した簡易な
操作での故障診断はが実現されておらず、今後その改良
が強く期待されていた。
【0014】本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので、通常の暖房運転時においても温水供給の
異常検出が可能な温水暖房装置を提供し、併せて新規な
故障診断を行い得る故障診断支援装置を提供することを
目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1に記載の温水暖房装置の故障診断
方法は、温水熱源機から暖房用熱交換手段に温水が供給
される温水暖房装置において、上記温水暖房装置の初期
暖房運転時に、暖房運転開始から熱交換手段に流入する
温水温度が所定温度まで上昇するのに要した初期所要時
間を検出するステップと、上記初期暖房運転以後に行わ
れる通常の暖房運転時に、暖房運転開始から上記熱交換
手段に流入する温水温度が上記所定温度まで上昇するの
に要した所要時間を検出するステップと、上記初期暖房
運転時の初期所要時間と、通常の暖房運転時の上記所要
時間とを比較して上記熱交換手段への温水供給の異常を
検出するステップとを有することを特徴とする。
【0016】つまり、この方法は、温水熱源機が正常に
動作していても熱交換手段への温水供給が阻害されてい
れば、暖房運転を開始させる操作を行っても熱交換手段
側の温水温度は予定通りに上昇しないという性質を利用
したものであって、暖房運転開始時に、熱交換手段の温
水温度が所定温度まで上昇するのに要した時間(所要時
間)を検出して、これを初期暖房運転時(つまり、温水
暖房装置設置当初の試運転時)に検出された初期所要時
間と比較することで、かかる温水供給の阻害の有無を検
出するものである。換言すれば、熱交換手段への温水供
給が完全に阻害されていれば、通常運転時には熱交換手
段の温水温度は所定温度まで上昇しないので上記所要時
間は実際には検出されないが、初期所要時間との比較で
は初期所要時間経過後一定時間が立っても上記所要時間
は計測できなければ温水供給の異常と判断することがで
きる。
【0017】そして、本発明の請求項2に記載された発
明は、上述した故障診断方法を実現するための装置であ
って、暖房用熱交換手段に供給される温水温度を検出す
る温度検出手段を備えた温水暖房装置において、暖房運
転開始から熱交換手段に流入する温水温度が所定温度ま
で上昇するのに要した所要時間を検出する計時手段と、
上記計時手段において温水暖房装置の初期暖房運転時に
検出される上記所要時間を記憶する初期所要時間記憶手
段と、上記初期所要時間記憶手段に記憶される初期所要
時間と、以後の暖房運転時に上記計時手段で検出される
上記所要時間とを比較する比較手段とを備えたことを特
徴とする。そして、この温水暖房装置は、その好適な実
施態様として、温水暖房装置の各部を制御する制御手段
が、暖房運転開始に先立って運転状態を温水熱源機に送
信するとともに、温水熱源機から他の温水暖房装置の運
転状態を受信して、他の温水熱源機の運転状況を確認す
る制御構成を備えている。
【0018】一方、本発明の請求項4乃至8に記載の給
湯装置の故障診断支援装置は、故障診断シーケンスを記
憶した記憶手段と、該故障診断シーケンスに基づいて診
断手順を表示する表示手段と、前記故障診断シーケンス
に基づいて給湯装置に対して所定の動作指令を出力する
とともに、外部から入力される情報に基づいて給湯装置
の故障診断を行う故障診断手段とを備えた故障診断支援
装置を前提として、上記故障診断シーケンスとしてそれ
ぞれ以下の構成を備える。
【0019】すなわち、請求項4の故障診断支援装置
は、上記給湯装置に対して、温水暖房装置に温水を供給
する弁装置を閉じて短経路で水を循環させることを内容
とする動作指令を出力するステップと、この状態で、上
記短経路に配された2以上の温度センサの各検出値の送
信を要求するステップと、上記各温度センサで検出され
た温度値を比較してそのずれを検出するステップとを有
する。
【0020】この請求項4の故障診断支援装置は、温水
暖房装置が接続された給湯装置において、該給湯装置が
備える出湯温度(高温)検出用の温度センサと温水暖房
装置から還流される戻り温度(低温)検出用の温度セン
サの故障を検出するためのシーケンスを含んでなるもの
で、上記温水循環経路中の熱動弁(弁装置)を全て閉じ
ることにより、給湯装置内(短経路)で水を循環させ、
この時における両温度センサの検出値を比較して両検出
値の一致・不一致を検出する。つまり、この場合、給湯
装置内では加熱されない水が短経路で循環されるので、
両温度センサの検出値は本来一致するはずであるので、
両検出値にずれがある場合はいずれか一方の温度センサ
が故障していると判断する。
【0021】そして、請求項5の故障診断支援装置は、
上記請求項4に記載の故障診断支援装置において、最終
ステップで温度値にずれが検出された場合に、給湯装置
に対して所定の燃焼を指示する動作指令を出力するステ
ップと、この燃焼後における上記各温度センサの検出値
の送信を要求するステップと、この要求に応じて送信さ
れた上記各温度センサの検出値と、上記所定の燃焼によ
って検出が予想される温度値とを比較してずれの生じた
温度センサを特定するステップとを有することを特徴と
する。
【0022】つまり、この請求項5の診断では、上記請
求項4の故障診断でいずれか一方の温度センサに異常が
あると判断された場合に、給湯装置に対して一定出力で
一定時間の燃焼(所定の燃焼)が指示される。この場
合、給湯装置内で循環する水の総量は一定であるので、
上記所定の燃焼によって上昇する水温は演算によって予
想可能である。そこで、この請求項5の診断では、上記
所定の燃焼後に検出される上記温度センサの検出値と、
上記演算によって求めた予想される水温とを比較するこ
とにより、故障している温度センサを特定する。
【0023】また、請求項6の故障診断支援装置は、上
記給湯装置の湯水循環経路に配された給水タンクの水抜
きを要求するステップと、上記水抜き後における水位電
極の検出結果の送信を要求するステップと、この要求に
対して送信される水位検出の有無に基づいて水位電極の
オン故障を検出するステップとを有する。
【0024】この請求項6の故障診断支援装置は、温水
暖房装置が接続された給湯装置における温水循環経路中
に配される給水タンクの水位を検出する水位電極の故障
診断を行うシーケンスを含んでなるもので、この場合、
まず、上記故障診断支援装置から給水タンクの水抜きが
要求される。この時、当該水抜きが遠隔操作可能ならそ
の旨の動作指令信号が出力され、また、遠隔操作が不可
能なら水抜きを要求する表示を行う。そして、この水抜
き後に水位電極が水位検出信号を出力していれば、当該
水位電極はオン故障(常時、水位検出信号を出力する異
常)と判断する。
【0025】そして、請求項7の故障診断支援装置は、
上記請求項6に記載の故障診断支援装置において、最終
ステップで上記水位電極が水位を検出しなかった場合
に、上記給水タンクへの給水を要求するステップと、上
記給水タンクを満水にさせた後に、上記水位電極の検出
結果の送信を要求するステップと、この要求に対して送
信される水位検出の有無に基づいて水位電極のオフ故障
を検出するステップとを有する。
【0026】つまり、この請求項7の診断では、上記請
求項6の故障診断において水位電極のオン故障が検出さ
れなかった場合に行われる故障診断であって、この場
合、上記請求項6とは反対に、故障診断支援装置からタ
ンクへの給水を要求し、満水となった後に水位電極で水
位検出信号が出力されなければ水位電極はオフ故障(水
位検出信号が出力されない異常)と判断する。
【0027】また、請求項8に記載の故障診断支援装置
は、上記給湯装置の湯水循環経路に配された温度センサ
の検出値の送信を要求するステップと、上記温度センサ
で検出された温度値と所定値とを比較するステップと、
この比較結果に基づいて上記湯水循環経路中の湯水の排
水を要求するステップと、上記湯水循環経路の排水が完
了した後に、該湯水循環経路に給水を要求するステップ
とを有することを特徴とする。
【0028】この請求項8の故障診断支援装置は、ま
ず、給湯装置の湯水循環経路に配された温度センサの検
出値の送信を要求して、この時温度センサで検出された
温度値を所定値とを比較している。これは、本願出願人
の提案にかかる故障診断支援装置は、多くの場合、給湯
装置内の湯水の温度や温度差から給湯装置各部の故障診
断を行うシーケンスを含んでいるため、故障診断を行う
際に循環経路内の温度が高過ぎると正確な故障診断を行
えなくなるおそれがあるので、まず循環経路内の温水の
温度がこのような高温であるかを判断する。そして、高
温であると判断された場合は、次のステップで循環経路
中の湯水を一旦排出して、再び給水することで、循環経
路内の湯水の温度を故障診断に適した低い温度に整備す
るものである。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る温水暖房装置
およびその故障診断方法ならびに給湯装置の故障診断支
援装置を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】A.温水暖房装置およびその故障診断方法 本発明に係る温水暖房装置は、暖房用の熱交換器(熱交
換手段)に供給される温水の供給量低下を、通常の暖房
運転時においても検出・診断し得るように構成したもの
である。
【0031】具体的には、この温水暖房装置は、その制
御中枢となる制御部(制御手段)1の制御構成が従来の
温水暖房装置とは変更されてなるものであって、温水の
供給を制御する熱動弁iと、暖房用の熱交換器jと、該
熱交換器に供給される温水の温度を検出する温度センサ
kを備える点では、先に図8を示して説明した従来の温
水暖房装置と同様であり、また、温水熱源機(給湯装
置)aとの接続態様も従来と同様である。したがって、
以下の説明では、既に説明した部分については同一の符
号を付して説明を省略する。
【0032】上記制御部1は、マイクロコンピュータで
構成され、図示しないメモリに書き込まれている制御プ
ログラムに従い後述する故障診断処理を行う。以下、こ
の故障診断処理について、仮想的な回路ブロックを図1
に示すとともに、具体的な処理手順(故障診断方法)に
ついて図2および図3にフローチャートを示して説明す
る。また、説明の都合上、以下において温水暖房装置b
は上記高温端末b1とする。
【0033】まず温水暖房装置bの施工後に行われる試
運転(初期暖房運転)時に、試験用の暖房運転を開始さ
せる(図2ステップS1参照)。具体的には、この試験
用の暖房運転は、温水暖房装置bの動作モードを試運転
モードに切り替え、該試運転モード下での暖房チェック
(自己診断)機能を使って行われる。
【0034】暖房運転が開始されると、図1に示す制御
部1の計時手段11が温度センサkで検出される温度が
予め定めた所定温度(たとえば60°C)に達するまで
の時間(所要時間)の計測を開始し(図2ステップS2
参照)、熱交換器jに供給される温水の温度が上記所定
温度に達した時点で計測を終了し(図2ステップS3参
照)、その際に得られた試運転時の所要時間(初期所要
時間)T1を初期所要時間記憶手段12に記憶させてお
く(図2ステップS4参照)。そして、上記試運転での
暖房チェックが終了すると、暖房装置bを通常の動作モ
ードに復帰させ試運転を終了させる。
【0035】なお、上記初期所要時間記憶手段12は、
好ましくは不揮発性のメモリ(たとえばEEPROM)
の形態とされ、記憶された初期所要時間T1が容易に消
失しないようにされるのが好ましく、また、上記計時手
段11は、マイクロコンピュータの内部クロック等を用
いて所要時間をカウントするものとされる。
【0036】一方、試運転終了後は、暖房装置bでは通
常の暖房運転が可能となるが、本実施形態の温水暖房装
置bでは、この通常モード下で以下の処理を行う。具体
的には、まず制御部1から給湯装置aに対して運転状態
(暖房運転中か否かの情報)の送信が行われる(図3ス
テップS1参照)。この運転状態の送信は、定期的に行
うか、あるいは暖房運転の開始に先立って行われるよう
に構成される。
【0037】そして、次に給湯装置aから他の温水暖房
装置b2の運転状態の情報を受信して、自己が運転を開
始した場合に、暖房運転中の端末(熱交換器j)が一系
統になるか否かを判断する(図3ステップS2参照)。
ここで、暖房端末が一系統か否かという判断は、上述し
た低温端末b2のように、一台の暖房装置中に複数の系
統(図示例ではj1 〜j3 の3系統)をもつものにあっ
ては、各系統毎に他の系統が運転しているか判断するこ
とを意味する。なお、この図3ステップS2の判断も定
期的に行うか、あるいは暖房運転の開始に先立って行わ
れるように構成される。また、図3ステップS2および
S3の判断は、上記仮想ブロック図の運転状態確認手段
13および給湯装置aとのデータ通信を行う通信手段1
4によって行われる。
【0038】そして、続く図3ステップS3で暖房運転
が開始されると、再び計時手段11において上記所要時
間の計測が開始される(図3ステップS4参照)。そし
て、続く図3ステップS5で、温度センサkの検出温度
が上記所定温度に達したかが判断され、この判断で上記
所定温度に達したと判断された場合は、図3ステップS
9に移行して熱動弁jおよび暖房装置b1への温水供給
経路(具体的には給湯装置aから暖房装置b1への経
路)の配管は正常であると判断する。
【0039】また、一方、図3ステップS5での判断で
所定温度に達しない場合には、上記初期所要時間T1に
許容可能時間αを付加した時間が経過したかが判断され
(図3ステップS6)この時間を経過しても所定温度に
達しない場合には、熱動弁jの閉故障または上記配管の
詰まりによる温水供給異常と判断する(図3ステップS
7参照)。
【0040】そして、図ステップS7およびS9は、い
ずれも図3ステップS8において給湯装置a側に送信さ
れ、給湯装置a側において温水暖房装置bの異常情報と
して記憶される。なお、上記図3ステップS5および図
3ステップS6の判断は、上記仮想ブロック図の比較手
段15により行われ、またこれらの判断の結果は、上記
通信手段14を介して給湯装置aに送信される。
【0041】このように、本発明に係る温水暖房装置お
よびその故障診断方法によれば、温水暖房装置bに試運
転時の初期所要時間を記憶させておくことにより、通常
運転時においてもこれとの比較で温水供給の異常を検出
することが可能となる。
【0042】また、この温水暖房装置bによれば、通常
の暖房運転中に行われた故障診断の結果が給湯装置aに
送信されているので、給湯装置a側において温水暖房装
置bの故障を示す信号を受信した時点で所定の警報動作
を行わせることにより、暖房運転中においても温水暖房
装置bの故障を迅速に発見することが可能となる。
【0043】また、たとえば、図4に示すように給湯装
置aに後述する故障診断支援装置を接続して、その情報
を故障診断支援装置に取り込ませることにより(図4ス
テップS1)、故障診断支援装置の表示手段に故障が発
生した温水暖房装置bを特定して表示させることができ
(図4ステップS2参照)、温水供給に異常の発生した
温水暖房装置bを容易に特定することが可能となる。
【0044】B:給湯装置の故障診断支援装置 次に、本発明に係る故障診断支援装置の概略構成につい
て図5に基づいて説明した後、該故障診断支援装置に搭
載される故障診断シーケンスの詳細を説明する。
【0045】図1は、本発明に係る故障診断支援装置の
概略構成ならびに該故障診断支援装置と給湯装置aとの
接続状態を示している。この故障診断支援装置2は、給
湯装置aの故障診断を作業員との対話形式で行うための
装置であって、後述する所定の故障診断シーケンスを記
憶した記憶手段21と、該故障診断シーケンスに基づい
て診断手順を表示する表示手段22と、前記故障診断シ
ーケンスに基づいて給湯装置aに対して所定の動作指令
を出力するとともに、外部から入力される情報に基づい
て給湯装置aの故障診断を行う故障診断手段23とを主
要部として構成される。
【0046】具体的には、この故障診断支援装置2とし
ては、携帯可能なコンピュータ(いわゆるノート型のパ
ーソナルコンピュータ)が好適に採用される。
【0047】つまり、上記記憶手段21として、該コン
ピュータの記憶装置(たとえば内蔵型ハードディスク装
置や内蔵型MOディスク装置等)が用いられ、また、上
記表示手段22として、該コンピュータのディスプレイ
装置(たとえば液晶表示装置等)が用いられる。さら
に、上記故障診断手段23としては、所定の制御プログ
ラムに従って所定の演算処理を行うコンピュータの演算
部(CPU)が用いられる。
【0048】そしてさらに、この故障診断支援装置2
は、上記故障診断手段23への情報の入力手段として、
該コンピュータのキーボード装置(ないしは、いわゆる
ペンタッチ入力可能なディスプレイ装置)24を備える
とともに、上記給湯装置aに対して所定の動作指令信号
を送信し、または、給湯装置aから送信されてくるデー
タ等を受信するデータ通信装置25として、たとえば内
蔵通信モデムを備えている。
【0049】そして、給湯装置aの故障診断手順等を示
す故障診断シーケンスは、制御プログラムとして上記記
憶手段21に記憶され、この制御プログラムに基づいて
後述する動作指令信号の送信や、表示手段22の画面表
示、さらには故障診断手段23での具体的な故障診断処
理等が行われる。
【0050】なお、上述した故障診断シーケンスは、給
湯装置aの機種やシステムの構成等(たとえば、給湯装
置の形式や、端末機器接続の有無、さらには風呂落込み
回路の有無等)が異なる給湯装置aの故障診断を行い得
るように、予め同種の故障診断手順であっても機種等毎
に区別して、上記記憶手段21内に用意されるのが好ま
しい。また、その場合、給湯装置aの具体的な故障診断
に先立って、これらの故障診断シーケンスのうち診断対
象となる給湯装置aの故障診断に対応したシーケンスの
選択が、可能なように上記制御プログラムが設定され
る。
【0051】しかして、このように構成されてなる故障
診断支援装置2では、上記記憶手段21に記憶される故
障診断シーケンスの内容に従って、上記故障診断手段2
3において以下の処理が行われる。
【0052】B1:給湯装置aの温度センサ異常検出 まず、給湯装置aの温度センサg,hの故障診断につい
て説明する。温水暖房装置bを備えた給湯装置aにおい
ては、図8示すように、暖房用温水の出湯側と入水側に
高温/低温の2温度制御用にそれぞれ高温温度センサg
と低温温度センサhが設けられている。
【0053】そのため、これらの温度センサg,hの故
障診断においては、まず、上記故障診断シーケンスに従
って、故障診断支援装置2側から給湯装置aに対して、
温水暖房装置b1,b2に温水を供給する熱動弁(弁装
置)j,j1,2,3 の全てを閉じて、短経路で水を循
環させることを内容とする動作指令が出力される。
【0054】より詳細には、全ての熱動弁jを閉じるこ
とにより、給湯装置aでの湯水の循環が、熱交換器c、
高温温度センサg、バイパス配管f、低温温度センサ
h、給水タンクd、ポンプeを経て再び熱交換器cとな
るように給湯装置aに対して動作指令信号が出力され
る。なお、この時、給湯装置aのポンプeには動作を開
始させる動作指令が与えられる一方、給湯装置aの燃焼
装置(図示せず)には動作指令は与えられない(つま
り、燃焼装置での燃焼を行わせないで配管内の水を循環
させる)。
【0055】そして、次にこの状態で、故障診断支援装
置2側から給湯装置aに対して、上記高温,低温の各温
度センサg,hの各検出値データの送信が要求される。
これは、上記燃焼装置が燃焼しない状態で上述した短経
路で配管内の湯水を循環させると、配管内の湯水の温度
は短時間でほぼ均一となることに基づいており、したっ
がって、このデータの送信要求はかかる温度が均一とな
るのを待って行われる。
【0056】そして、故障診断支援装置2では、次のス
テップとして、給湯装置aから送信される上記各温度セ
ンサg,hの検出値の比較を行い、両検出値がずれてい
ればいずれか一方の温度センサg(またはh)の故障と
判断して、後述する故障した温度センサの特定処理に移
行する。なお、この処理において両検出値が許容誤差の
範囲内で一致すれば、両温度センサg,hはいずれも正
常と判断して、故障診断シーケンスを終了させる。
【0057】そして、このようにして上記温度センサ
g,hについての故障が発見されると、次に故障診断支
援装置2側から給湯装置aに対して燃焼装置を一定出力
で一定時間の燃焼させる動作指令が出力される。これ
は、給湯装置a内で循環される湯水の量(保有水量)
は、予め給湯装置aの上記短経路の距離や配管の太さ等
によって一定量に特定されるため、この一定の保有水量
に対して所定の熱量を加えることを目的として行われ
る。
【0058】そして、次のステップとして、故障診断支
援装置2側から給湯装置aに対して、上記燃焼後におけ
る各温度センサg,hの検出値の送信が要求される。な
お、この送信要求も好ましくは上記と同様に配管内の湯
水の温度が均一になるのを待って送信される。
【0059】そして、最後に、上記要求に応じて給湯装
置aから送信された各温度センサg,hの検出値と、上
記所定の燃焼によって検出が予想される予想温度値とが
故障診断支援装置2内で比較され、その結果、両者の間
にずれを生じた温度センサがあれば、その温度センサg
(またはh)が故障じていると診断する。なお、この処
理における上記予想温度値は、上述した給湯装置aの保
有水量と、そこに加えられた熱量とに基づいて故障診断
支援装置2内で演算される。また、この際に温度センサ
g,hで検出される温度と上記予想温度とのがあまりに
もかけ離れている場合には、上記保有水量が過大である
と考えられるので、その場合は上記熱動弁iのいずれか
が故障(開故障)していると判断することもできる。
【0060】このように、本実施形態に示す故障診断シ
ーケンスによれば、給湯装置a内の湯水を短経路で循環
させることにより、温度センサg,hの故障判定を容易
に行うことができる他、所定の燃焼を与えることで、両
温度センサg,hのいずれの故障であるかを容易に特定
することができる。
【0061】B2:給湯装置aの水位電極異常検出 次に、給湯装置aの給水タンクdに設けられた水位電極
の故障診断手順について説明する。ここで、水位電極と
は、給水タンクd(詳しくは気液分離のための膨張タン
ク)の貯水量を検出するために設けられるセンサであっ
て、通常、該タンクd内の高さ方向に複数箇所(たとえ
ば、水位高と水位低の2箇所)設けられ、給水タンクd
内の水位がこの水位電極の高さに達した場合に、水位の
検出を示す水位検出信号を出力するように構成されてい
る。
【0062】この実施形態では、故障診断支援装置2に
おいて、図6および図7に示す故障診断手順で上述した
水位電極の故障診断が行われる。
【0063】すなわち、まず、故障診断支援装置2側か
ら給湯装置aに対して、給水タンクdの水抜きが要求さ
れる(図6ステップS1参照)。なお、この水抜き作業
は、上記給水タンクdが自動排水栓を備える場合には、
給湯装置aに対して該タンクdの排水を指示する動作指
令として出力されるが、故障診断支援装置2側から遠隔
操作ができない場合には、該故障診断支援装置2の表示
手段22に給水タンクdの水抜きを作業員に指示する表
示が行われる。そして、この場合、作業員が手作業で上
記給水タンクdの水抜き作業を行った後、作業完了を上
記入力手段24から入力することで、図6ステップS1
が完了する。
【0064】そして、給水タンクdの水抜きが完了する
と、次のステップとして上記故障診断支援装置2側から
給湯装置aに対して水抜き後における水位電極の水位検
出結果の送信が要求される(図6ステップS2参照)。
つまり、この図6ステップS2では、先のステップで水
抜き作業が行われた状態で、換言すれば、給水タンクd
が空の状態での水位電極の検出結果が要求される。
【0065】そして、この要求に応じて給湯装置aから
水位電極の検出結果が送信されると、故障診断支援装置
2では、次のステップとして、上記送信された水位電極
の検出結果が水位を検出していないか(つまり、水位電
極の検出結果がオフか否か)を判断する(図6ステップ
S3参照)。そして、この判断の結果、水位電極がオフ
でない、つまり、水位を検出している場合には、図7ス
テップS4に移行して水位電極に異常がある(つまりオ
ン故障)と判断して、上記表示手段22上にその旨の表
示を行わせる。
【0066】一方、上記図6ステップS3の判断で水位
電極がオフであれば、続く図6ステップS4に移行し
て、故障診断支援装置2から給湯装置aに対して、給水
タンクdへの給水が要求される。なお、この給水要求に
ついても、上記排水の場合と同様に、給水タンクdの補
水弁nが故障診断支援装置2から遠隔操作可能であれ
ば、図6ステップS4に示すように、故障診断支援装置
2側から給湯装置aに対して補水弁nを開いて給水の開
始を指示する動作指令が出力される。また、補水弁nが
遠隔操作できない場合は、上記表示手段22に補水弁n
を開いて給水を行う要求が表示される。
【0067】このようにして補水弁nが開かれると、次
に故障診断支援装置2の表示手段22に、作業員に対し
て給水タンクdの満水を確認させる表示を行う。これ
は、上記水位電極によらずに給水タンクdの満水を確認
するためであり、作業員は、この表示に従い給水タンク
dが満水であればその旨を上記入力手段段24に入力さ
せる(図6ステップS5参照)。このようにして、給水
タンクdの満水が確認されると、故障診断支援装置2側
から給湯装置aに対して、上記補水弁nを閉じて給水を
停止する旨の動作指令が出力される(図7ステップS1
参照)。なお、この場合に上記補水弁nが遠隔操作でき
ないときは、その旨を表示させることは上記給水時と同
様である。
【0068】そして、このようにして給水タンクdの満
水が確認されると、次ぎに、故障診断支援装置2側で
は、図7ステップS2に移行して、再び給湯装置aに対
して水位電極の検出結果の送信が要求される。
【0069】そして、この要求に対して給湯装置aから
水位電極の検出結果が送信されると、故障診断支援装置
2側ではこの検出結果に基づいて水位電極のオフ故障を
診断する(図7ステップS3参照)。つまり、この時、
給水タンクdは満水であるので、水位電極は水位を検出
する(水位電極はオン)はずであるので、上記検出結果
がオフであれば、図7ステップS4に移行して、水位電
極に異常がある(つまりオフ故障)と判断して、上記表
示手段22上にその旨の表示を行わせる。一方、この図
7ステップS3の判断で、水位電極がオン、つまり水位
が検出されると、図7ステップS5に移行して、水位電
極は正常(つまり、オン故障もオフ故障もしていない)
と判断して、その旨が表示手段22に表示される。
【0070】このように、本実施形態に示す故障診断シ
ーケンスによれば、作業員は表示手段22の表示にした
がって簡単な作業(主に給水タンクdの目視確認)を行
うだけで水位電極の故障を簡単に診断でき、その結果、
熟練していない作業員においても迅速かつ正確に水位電
極の故障診断を行うことが可能となる。
【0071】B3:配管内温度の調整 次ぎに、給湯装置aの配管内温度の調整手順について説
明する。この配管内温度の調整は、上述した故障診断支
援装置2での具体的な故障診断作業の前に行われる事前
の準備作業に関するものである。
【0072】すなわち、本願出願人がこれまでに提案し
た故障診断支援装置2においては、故障診断シーケンス
の一部に、給湯装置aや各種端末装置に設けられる温度
センサの検出温度や、給湯装置a等に所定動作を行わせ
た後の温度差を検出する手順を含むものが多く提案され
ている。しかし、このように温度センサの検出結果に基
づいて故障診断を行う場合、故障診断開始時における配
管内の湯水の温度が高過ぎると故障診断に誤差を生じる
ことがある。そのため、この実施形態では、上記故障診
断支援装置2の故障診断シーケンスとして、配管内温度
の調整、つまり、故障診断処理に先立つ環境整備処理を
提案するものである。
【0073】この場合、上記故障診断支援装置2では、
まず、具体的な故障診断に先立って、給湯装置aの湯水
循環経路に配された温度センサ(たとえば、上記高温温
度センサgや低温温度センサhなど)の検出値の送信を
要求する。
【0074】そして、次のステップとして、上記故障診
断支援装置2では、上記要求に対して給湯装置aから送
信された上記温度センサg,hの検出値と予め定めた所
定値とを比較する。ここで、上記所定値は、その後の故
障診断処理において誤差が出にくい配管内温度で任意に
設定される。
【0075】そして、この比較の結果、上記温度センサ
g,hの検出値が上記所定値を上回ると判断された場
合、次ぎのステップとして、上記湯水循環経路中の湯水
の排水が要求される。この配管内の湯水の排水は、温水
循環経路中に配された排水栓oを開いくとにより行われ
る。その際、上記排水栓oが故障診断支援装置2から遠
隔操作が可能であれば、排水栓oを開く動作指令が給湯
装置aに与えられ、遠隔操作ができない場合には、その
旨が表示手段22に表示される。
【0076】そして、上記排水栓oが開かれると、次ぎ
に故障診断支援装置2から給湯装置aに対してポンプe
を駆動する動作指令が出力される。これは、ポンプeを
駆動することにより温水循環経路に圧力を加えて、排水
栓oからの排水を促進するためである。
【0077】このようにして、上記湯水循環経路内の排
水が完了すると、故障診断支援装置2から給湯装置aに
対して上記補水弁nを開いて給水を行う旨の動作指令が
出力され、温水循環経路内の水張りが行われる。
【0078】このように、本実施形態の故障診断シーケ
ンスによれば、温水循環経路内の湯水の温度が故障診断
に誤差を与えるおそれがある程高温であると判断された
場合に、該循環経路内の湯水が一旦排出されて水張りが
行われるので、循環経路内の湯水の温度を低温にするこ
とができ、その結果、この処理の後に行われる故障診断
を正確に行わせることが可能となる。
【0079】なお、上述した実施形態はあくまでも本発
明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれ
に限定されることなくその発明の範囲内で種々の設計変
更が可能である。
【0080】たとえば、上述した実施形態では、故障診
断支援装置2と給湯装置aとを通信線を介して直接接続
する構成を示したが、これらの間にたとえばデータ変換
用のインターフェース装置を設けてもよく、また、これ
は故障診断支援装置2として汎用のコンピュータでなく
専用の装置を用いることも可能である。
【0081】また、上述した実施形態では、給湯装置a
に浴槽への落とし込み回路を示していないが、本発明の
温水暖房装置bおよび故障診断支援装置2ははかかる落
とし込み回路を備えた給湯装置aにも適用可能である。
【0082】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る温水
暖房装置およびその故障診断方法によれば、熱動弁の閉
故障や温水循環経路のゴミ詰まり等によって発生する温
水供給の異常を、通常の暖房運転中においても容易かつ
迅速に診断することが可能となる。
【0083】また、本発明に係る給湯装置の故障診断支
援装置によれば、温水循環経路に配される温度センサ
や、給水タンクの水位電極の故障診断を、作業者との対
話形式で容易かつ簡単な作業で行うことができ、給湯装
置の故障診断にかかる手間や労力を大幅に低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る温水暖房装置の制御部の機能を説
明するための仮想ブロック図を示している。
【図2】同温水暖房装置における温水供給の異常を検出
するためのフローチャートであって、同温水暖房装置の
初期運転時の処理手順を示している。
【図3】同温水暖房装置における温水供給の異常を検出
するためのフローチャートであって、同温水暖房装置の
通常運転時の処理手順を示している。
【図4】同温水暖房装置に故障診断支援装置を接続して
行う故障した温水暖房装置の特定手順を示すフローチャ
ートである。
【図5】本発明に係る故障診断支援装置の概略構成を示
すブロック図である。
【図6】本発明に係る故障診断支援装置の故障診断シー
ケンスの一例を示すフローチャートである。
【図7】図6に示すフローチャートにおける処理の続き
を示すフローチャートである。
【図8】給湯装置と温水暖房装置との一般的な接続例を
示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 温水暖房装置の制御部(制御手段) 11 計時手段 12 初期所要時間記憶手段 13 運転状態確認手段 14 通信手段 2 故障診断支援装置 a 給湯装置 b 温水暖房装置 c 給湯用熱交換器 d 給水タンク g,h 温度センサ i 熱動弁(弁装置) j 暖房用熱交換器(熱交換手段) k 温度センサ(温度検出手段) m 給湯装置の制御部 n 補水弁
フロントページの続き (72)発明者 藤井 宏信 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 松村 悟 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 木村 孝次 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 森川 健志 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 桑原 宏和 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 中嶋 良秀 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 岸本 知樹 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 (72)発明者 久保谷 賢謙 兵庫県神戸市中央区江戸町93番地 株式会 社ノーリツ内 Fターム(参考) 2G024 AD34 AD50 BA21 BA27 CA17 3L070 DE09 DF08 DF15 DG10 5H223 AA11 CC08 DD03 EE02 EE05 EE06 EE11 EE30 FF08

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温水熱源機から暖房用熱交換手段に温水
    が供給される温水暖房装置において、前記熱交換手段へ
    の温水供給の異常を検出する方法であって、 前記温水暖房装置の初期暖房運転時に、暖房運転開始か
    ら熱交換手段に流入する温水温度が所定温度まで上昇す
    るのに要した初期所要時間を検出するステップと、 前記初期暖房運転以後に行われる通常の暖房運転時に、
    暖房運転開始から前記熱交換手段に流入する温水温度が
    前記所定温度まで上昇するのに要した所要時間を検出す
    るステップと、 前記初期暖房運転時の初期所要時間と、通常の暖房運転
    時の前記所要時間とを比較して前記熱交換手段への温水
    供給の異常を検出するステップとを有することを特徴と
    する温水暖房装置の故障診断方法。
  2. 【請求項2】 暖房用熱交換手段に供給される温水温度
    を検出する温度検出手段を備えた温水暖房装置におい
    て、 暖房運転開始から熱交換手段に流入する温水温度が所定
    温度まで上昇するのに要した所要時間を検出する計時手
    段と、 前記計時手段において温水暖房装置の初期暖房運転時に
    検出される前記所要時間を記憶する初期所要時間記憶手
    段と、 前記初期所要時間記憶手段に記憶される初期所要時間
    と、以後の暖房運転時に前記計時手段で検出される前記
    所要時間とを比較する比較手段とを備えたことを特徴と
    する温水暖房装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の温水暖房装置におい
    て、 該温水暖房装置の各部を制御する制御手段が、暖房運転
    開始に先立って運転状態を温水熱源機に送信するととも
    に、温水熱源機から他の温水暖房装置の運転状態を受信
    して、他の温水暖房装置の運転状況を確認する制御構成
    を備えたことを特徴とする温水暖房装置。
  4. 【請求項4】 故障診断シーケンスを記憶した記憶手段
    と、該故障診断シーケンスに基づいて診断手順を表示す
    る表示手段と、前記故障診断シーケンスに基づいて給湯
    装置に対して所定の動作指令を出力するとともに、外部
    から入力される情報に基づいて給湯装置の故障診断を行
    う故障診断手段とを備えた故障診断支援装置において、
    前記故障診断シーケンスとして、(1) 前記給湯装置に対
    して、温水暖房装置に温水を供給する弁装置を閉じて短
    経路で水を循環させることを内容とする動作指令を出力
    するステップと、(2) この状態で、前記短経路に配され
    た2以上の温度センサの各検出値の送信を要求するステ
    ップと、(3) 前記各温度センサで検出された温度値を比
    較してそのずれを検出するステップとを有することを特
    徴とする給湯装置の故障診断支援装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の故障診断支援装置にお
    いて、最終ステップで温度値にずれが検出された場合
    に、給湯装置に対して所定の燃焼を指示する動作指令を
    出力するステップと、この燃焼後における前記各温度セ
    ンサの検出値の送信を要求するステップと、この要求に
    応じて送信された前記各温度センサの検出値と、前記所
    定の燃焼によって検出が予想される温度値とを比較して
    ずれの生じた温度センサを特定するステップとを有する
    ことを特徴とする給湯装置の故障診断支援装置。
  6. 【請求項6】 故障診断シーケンスを記憶した記憶手段
    と、該故障診断シーケンスに基づいて診断手順を表示す
    る表示手段と、前記故障診断シーケンスに基づいて給湯
    装置に対して所定の動作指令を出力するとともに、外部
    から入力される情報に基づいて給湯装置の故障診断を行
    う故障診断手段とを備えた故障診断支援装置において、
    前記故障診断シーケンスとして、(1) 前記給湯装置の湯
    水循環経路に配された給水タンクの水抜きを要求するス
    テップと、(2) 前記水抜き後における水位電極の検出結
    果の送信を要求するステップと、(3) この要求に対して
    送信される水位検出の有無に基づいて水位電極のオン故
    障を検出するステップとを有することを特徴とする給湯
    装置の故障診断支援装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の故障診断支援装置にお
    いて、最終ステップで前記水位電極が水位を検出しなか
    った場合に、前記給水タンクへの給水を要求するステッ
    プと、前記給水タンクを満水にさせた後に、前記水位電
    極の検出結果の送信を要求するステップと、この要求に
    対して送信される水位検出の有無に基づいて水位電極の
    オフ故障を検出するステップとを有することを特徴とす
    る給湯装置の故障診断支援装置。
  8. 【請求項8】 故障診断シーケンスを記憶した記憶手段
    と、該故障診断シーケンスに基づいて診断手順を表示す
    る表示手段と、前記故障診断シーケンスに基づいて給湯
    装置に対して所定の動作指令を出力するとともに、外部
    から入力される情報に基づいて給湯装置の故障診断を行
    う故障診断手段とを備えた故障診断支援装置において、
    前記故障診断シーケンスとして、(1) 前記給湯装置の湯
    水循環経路に配された温度センサの検出値の送信を要求
    するステップと、(2) 前記温度センサで検出された温度
    値と所定値とを比較するステップと、(3) この比較結果
    に基づいて前記湯水循環経路中の湯水の排水を要求する
    ステップと、(4) 前記湯水循環経路の排水が完了した後
    に、該湯水循環経路に給水を要求するステップとを有す
    ることを特徴とする給湯装置の故障診断支援装置。
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