JP4377831B2 - 給湯システムの故障診断方法、給湯システム、その故障診断装置および故障診断プログラム - Google Patents

給湯システムの故障診断方法、給湯システム、その故障診断装置および故障診断プログラム Download PDF

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本発明は、給湯機から出湯される湯を、台所、浴室、洗面所などの複数の給湯先に対して異なる温度で同時に供給できるようにされた給湯システムの故障診断を行なうための技術に関する。
従来の給湯システムの具体例としては、給湯機と湯水混合ユニットとを組み合わせたものがある(たとえば、特許文献1,2を参照)。前記湯水混合ユニットは、前記給湯機から出湯した湯に水を混合させてその温度調整を行なう複数の湯水混合弁を有している。これら複数の湯水混合弁の下流には、給湯管が接続される複数の出湯経路が形成されており、湯水混合弁によって温度調整された湯は、それら複数の出湯経路から給湯管を経て、台所、浴室、洗面所などの所望の給湯先に送られるようになっている。また、前記給湯機および湯水混合ユニットには、リモコンが通信接続されており、このリモコンによって給湯先ごとの目標給湯温度を設定できるようになっている。前記湯水混合ユニットには、複数の湯水混合弁を好適に動作させて目標給湯温度の湯を生成するための補助機器として、この湯水混合ユニットへの入湯温度、入水温度、出湯温度などを測定するためのセンサ類などが設けられている。
このような構成の給湯システムによれば、給湯機から湯水混合ユニットに湯が供給された際に、複数の湯水混合弁を利用して異なる温度の湯を生成することが可能である。したがって、台所、浴室、洗面所などの複数の給湯先に対して、リモコンで設定されている目標出湯温度の湯を同時に供給することが可能であり、ユーザにとって便利である。
しかしながら、従来においては、次に述べるような解決すべき課題があった。
すなわち、前記したような給湯システムでは、湯水混合ユニットに多くの動作機器やセンサ類が設けられており、給湯システムを長期間使用しているような場合には、これらの機器が故障する可能性がある。ところが、従来においては、故障が発生した場合、とくに湯水混合ユニットの内部の機器に故障が発生した場合に、その故障箇所を容易かつ正確に特定するための手段は、なんら提案されていないのが実情である。このため、従来では、故障が発生した場合に、その修理を行なうのに苦慮することとなっていた。とくに、湯水混合ユニットは、複数の出湯経路を有し、その内部構造は複雑であるため、故障箇所の特定は難しい。なお、本出願人は、給湯機用の故障診断支援装置を先に提案しているが(たとえば、特許文献3,4を参照)、一般の給湯機にはみられない特有の構造をもつ湯水混合ユニットにこの診断支援装置をそのまま用いても、適正な故障診断は困難である。
特開平11−270868号公報 特開2003−83603号公報 特開2001−311548号公報 特開2004−53112号公報
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、湯水混合ユニットを備えた給湯システムの故障診断を容易かつ適切に行なうことができるようにすることを、その課題としている。
上記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
本発明の第1の側面によれば、給湯システムの故障診断方法が提供される。この給湯システムの故障診断方法は、給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記複数の出湯経路には、動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムを対象とし、その故障診断を行なうための方法であって、前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていきながら、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を進めていく検査ステップと、前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを予め準備しておき、2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後に、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なう特定項目診断ステップと、を有していることを特徴としている。
本発明の第2の側面によれば、給湯システムが提供される。この給湯システムは、給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記各出湯経路には、動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムであって、前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていく操作が行なわれるときに、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を所定の手順で進めていくことが可能な故障診断手段を備えており、この故障診断手段は、前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを保持し、2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後には、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なうように構成されていることを特徴としている。
本発明の第3の側面によれば、給湯システム用故障診断装置が提供される。この給湯システム用故障診断装置は、給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路と、制御手段とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記各出湯経路には、前記制御手段により駆動制御され、または前記制御手段に信号を送信する動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムを対象として使用され、かつ前記制御手段との通信機能を有するデータ処理手段および表示手段を備えている、給湯システム用故障診断装置であって、前記データ処理手段は、前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていく操作が行なわれるときに、前記制御手段にアクセスすることによって、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を所定の手順で進めていくステップと、前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを保持しており、2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後に、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なう特定項目診断ステップと、を実行可能に構成されていることを特徴としている。
本発明の第4の側面によれば、給湯システム用故障診断プログラムが提供される。この給湯システム用故障診断プログラムは、給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記各出湯経路には、動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムに具備され、またはこの給湯システムに通信接続されるデータ処理手段に格納されて使用される給湯システム用故障診断プログラムであって、前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていく操作が行なわれるときに、前記制御手段にアクセスすることによって、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を所定の手順で進めていくステップと、前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを有しており、2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後に、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なうステップと、を前記データ処理手段に実行させるデータを含んでいることを特徴としている。
本発明においては、複数の給湯先の先栓を1つずつ個別に開いていくことにより、湯水混合ユニットが備える複数の出湯経路の1つずつに対応した検査が進められていくこととなるが、本発明は、そのような出湯経路ごとの検査のみに終始するものではない。湯水混合ユニットが複雑な構造を有し、多くの機器を備えたものである場合、個々の出湯経路に対応した検査を行なうだけでは、故障の有無を判断することが困難な検査項目がある。本発明では、このような検査項目については、特定の検査項目として予め選定し、かつ2以上の出湯経路についての検査結果を利用してどのように判断すべきかを定めた特定項目診断用データを準備している。そして、2以上の出湯経路に対応した検査を実際に行なうことによって得られた結果と、前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なう。したがって、複数の出湯経路を個々に検査しただけでは判断することができない検査項目についても、適切に故障診断することが可能となる。したがって、本発明は、複雑な配管構造をもつ湯水混合ユニットを備えた給湯システムの故障診断に最適である。もちろん、本発明では、複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開く操作はメンテナンス業者が手動などで行なうものの、それ以外の処理は、適当な情報処理手段を用いるなどして行なわせることが可能であり、故障診断作業の容易化も適切に図ることができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明が適用される給湯システムの一実施形態を示している。本実施形態の給湯システムAは、給湯機1、湯水混合ユニット2、および複数のリモコン3(3A〜3C)を備えている。
給湯機1は、たとえばガス燃焼式の給湯機であり、その基本的なハード構成は、従来既知のものと同様である。具体的には、この給湯機1は、缶体11内に送風ブロア16から燃焼用空気を送り込みながら、燃焼器12により燃料ガスを燃焼させるようになっている。この燃焼器12の上方には、水管13を有する熱交換器14が設けられている。水管13の入水口13aには、水道管などの給水管40Aが接続されている。熱交換器14の熱交換により得られた湯は、水管13の出湯口13bから出湯し、配管41を介して湯水混合ユニット2の給湯口21aに供給されるようになっている。
給湯機1は、制御部10を備えている。この制御部10は、CPUやこれに付属する各種のメモリを具備して構成されており、また湯水混合ユニット2やリモコン3との通信を行なうための通信回路(図示略)も具備している。この制御部10は、出湯温度の変更制御を実行する。この制御は、燃焼器12に対する燃料ガスの供給量調整、あるいは熱交換器14を通過した湯に水を混合させるバイパス経路13cに設けられている流量調整弁15の開度を調整するなどして行なわれる。この給湯機1においては、後述する複数の先栓6A〜6Dのいずれかが開状態とされることにより水管13内に水流が生じ、かつその流量が予め定められた閾値を超えると、燃焼器12などが駆動するようになっている。また、前記流量が閾値以下に減少すると、燃焼器12などの駆動が停止されるようになっており、このような制御も制御部10が担当している。
複数のリモコン3としては、たとえば台所に設置されるメインのリモコン3Aと、浴室や洗面所に設置されるサブのリモコン3B,3Cとがある。これらのリモコン3は、いずれも目標給湯温度や給湯流量(最大給湯流量)などのデータを入力設定するための複数の操作スイッチ31、液晶パネルなどを用いて構成されたデータ表示用の表示部32、および各種のデータ処理などを実行する制御部30を備えている。この制御部30は、給湯機1の制御部10との間で通信線50を介してデータ通信を行なう機能も有している。なお、給湯機1の制御部10においては通信線50と後述する通信線51とが接続されており、各リモコン3は、これら通信線50,51のいずれかに接続された装置(たとえば、湯水混合ユニット2や後述する診断装置B)との間で通信可能である。通信線50には、給湯機1から各リモコン3に対して駆動電力を供給すべく直流電圧印加がなされており、前記データ通信方式としては、AM変調波が重畳されて伝送される重畳2芯方式が用いられている。各リモコン3において目標給湯温度などのデータが入力設定されると、このデータは、湯水混合ユニット2の後述する制御部20に送信される。ただし、サブのリモコン3B,3Cは、それらが設置されている浴室または洗面所についてのデータを設定し得るに過ぎないのに対し、メインのリモコン3Aにおいては、サブのリモコン3B,3Cで設定されたデータ内容を取り込んで記憶可能であり、また台所、浴室、洗面所のいずれの給湯先についても目標給湯温度などのデータを入力設定できるようになっている。
湯水混合ユニット2は、給湯口21aを有する湯用配管21A、水道管などの給水管40Bが接続された入水口21bを有する水用配管21B、これらの配管21A,21Bに流れる湯と水を所定の比率で混合させて所望温度の湯を生成するための複数の湯水混合弁23(23A〜23C)、およびこれら複数の湯水混合弁23の駆動制御を行なう制御部20を備えている。複数の湯水混合弁23の下流側には、それと同数の配管24A〜24Cが接続されている。ただし、配管24Cは、2つに分岐しており、湯水混合弁23の個数増加を抑制しつつ、給湯先を増やしている。この構成により、3つの湯水混合弁23の下流側には、4つの出湯経路R1〜R4が形成されている。これらの出湯経路R1〜R4の終端は、給湯管60A〜60Dを接続するための接続口24a〜24dとなっている。なお、給湯管60A〜60Dは、たとえば台所、浴室、および2つの洗面所に湯を流通させるものであり、それらの終端には、先栓(給湯栓)6A〜6Dが取り付けられている。
図2を参照して湯水混合ユニット2の構造をさらに詳述する。各湯水混合弁23の入湯・入水口には、湯用配管21Aおよび水用配管21Bの終端もしくはそれらの分岐配管が接続されている。各湯水混合弁23は、たとえば電動モータMの駆動によって弁本体23aを動作させることにより湯と水の混合割合を変更自在である。湯用配管21Aおよび水用配管21Bのうち、湯水混合弁23よりも上流側には、入湯開閉弁22A、入水開閉弁22B、入湯温度センサ70A、入水温度センサ70B、および各湯水混合弁23からの逆流を防止する複数の逆止弁74が設けられている。各湯水混合弁23の下流側の配管24A〜24Cには、各湯水混合弁23から流出した湯の温度を検出するための出湯温度センサ71、各湯水混合弁23から流出する湯の最大流量を制限するための過流出防止弁72、および流量センサ73(73A〜73D)が設けられている。前記した各種センサからの信号は制御部20に送信され、また前記した各種の弁(逆止弁を除く)は、制御部20により駆動制御される。
制御部20は、給湯機1の制御部10と同様に、CPUやこれに付属する各種のメモリを具備して構成されており、また図1に示すように、給湯機1の制御部10との間で通信線51を介して通信を行なう通信回路(図示略)も具備している。この通信方式も、先に述べたのと同様な重畳2芯方式である。ただし、湯水混合ユニット2には、たとえば商用電源から電力供給が行なわれるようになっており、通信線51を利用した電力供給は行なわれない。この制御部20は、リモコン3からの指令や、この制御部20の記憶部に記憶されている制御プログラムなどに基づいて、各種のデータ処理や湯水混合ユニット2の各部の動作制御処理を行なう。そして、後述するように、所定の診断装置が通信接続され、かつこの診断装置から指示があったときには、その指示にしたがった制御を行なうようになっている。
次に、前記した給湯システムAを運転させる際の作用について簡単に説明する。
まず、リモコン3A〜3Cの操作スイッチ31が操作されて、台所、浴室、および洗面所のそれぞれにおける目標給湯温度などのデータが設定されると、これらのデータは湯水混合ユニット2の制御部20に送信され、かつこの制御部20に記憶される。次いで、先栓6A〜6Dのいずれかが開かれると、給湯機1の燃焼器12の駆動が開始されて給湯が実行されることとなるが、その際、制御部20は複数の流量センサ73A〜73Dからの流量検出信号に基づいて出湯経路R1〜R4のいずれに水流が生じているかを判断する。制御部20には、出湯経路R1〜R4と複数の給湯先との対応関係のデータが記憶されており、この対応関係に基づいて制御部20は、台所、浴室、および洗面所のいずれが給湯先であるかを判断する。その後、制御部20は、その給湯先の目標給湯温度に基づいて給湯機1の出湯温度を決定し、この出湯温度で出湯を行なう旨の指示を給湯機1の制御部10に対して行なう。この出湯温度は、たとえば目標給湯温度よりも5〜10°C程度高い温度である。給湯機1は前記指示にしたがった温度の湯を湯水混合ユニット2に向けて出湯することとなり、制御部20は、この湯が目標給湯温度となるように給湯先に対応する湯水混合弁23を制御する。この湯水混合弁23によって温度調整された湯が、所定の給湯先に供給される。
次に、本発明に係る給湯システムの故障診断方法の一例について、前記した給湯システムAを対象として実施する場合について説明する。
本実施形態の故障診断方法においては、図1に示すように、診断装置Bを用いる。この診断装置Bは、データ処理部80、文字やその他の画像を表示可能な表示部81、および操作スイッチを有する操作部82を備えている。この診断装置Bは、たとえばディスプレイを有するパーソナルコンピュータに、後述するようなステップを実行させるための故障診断プログラムをインストールすることによって実現されたものである。この診断装置Bは、給湯システムAの制御部20との間でデータ通信可能な機能を有しており、通信線51または50の適当な箇所にインタフェース89を介して接続して使用する。前述したとおり、通信線50,51は、給湯機1の制御部30において互いに接続され、これら通信線50,51のいずれかに接続された装置(たとえば、診断装置B)は、全て同一通信線上に接続されたものとなり、通信線50,51のいずれかに接続された他の全ての装置との間で相互に通信可能である。
診断装置Bを用いた故障診断方法においては、表示部81に診断者に対するメッセージを適宜表示させることにより、診断者に所定の操作を行なうことを促し、また故障診断の結果なども表示部81に表示させるようになっている。データ処理部80は、操作部82に対して所定の操作がなされたときには、適宜その操作内容に応じたデータ処理を実行するようになっている。また、データ処理部80は、湯水混合ユニット2の制御部20にアクセスし、この制御部20を介して湯水混合ユニット2の動作機器を動作させたり、あるいは各種センサから必要な情報を受け取るなどして、故障診断処理を進めていくようになっている。
また、データ処理部80による診断処理は、基本的には、給湯システムAの4つの出湯経路R1〜R4のうち、診断者によって選択された1つの出湯経路に対応した所定の項目を検査し、これを終えると、次に選択された他の1つの出湯経路に対応した項目の検査に移行し得るようになっている。そして、それら個別の出湯経路の検査では故障判定を下すことができずにその故障判定を保留していた特定の検査項目については、2以上の出湯経路の検査を終了した段階で、それらの検査結果に基づき、判断を行なうようになっている。
以下、データ処理部80の具体的な動作処理手順の一例について、図3〜図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
データ処理部80は、まず4つの出湯経路R1〜R4のうち、いずれを検査対象とするかを診断者に選択させるための画面を表示部81に表示させる(S1)。この表示は、たとえば出湯経路R1〜R4の表示が、それぞれ台所、浴室、洗面所、その他などの給湯先の名称で表示され、これらの給湯先のいずれか1つを診断者が操作部82を操作して自由に選択できるようになっている。この表示に対応して、選択操作がなされると(S2:YES)、データ処理部80は、その選択された出湯経路の先栓を開くことを促す画面を表示する(S3)。より具体的には、たとえば台所が選択された場合には、「台所の先栓を開いてください」といったメッセージ表示を行なう。これに対応して、診断者がたとえば台所の先栓6Aを開くと、これにより湯水混合ユニット2が運転オンとなる(S4)。ここで、前記「運転オン」とは、湯水混合ユニット2が実際に湯温制御などを行なうモードである。湯水混合ユニット2が自動的に運転オンにならない仕様の場合、データ処理部80の指令により運転オンとする。
次いで、データ処理部80は、給湯機1との間で一定の手順で通信を試行し、この給湯機1との間で通信が可能であるか否かを判断する(S5)。そして、通信可能であると判断した場合には、データ処理部80は、給湯機1に対して出湯温度を指示する(S5:YES,S6)。故障診断作業において余りにも高温の湯を使用することは無駄であるため、前記出湯温度はたとえば40°Cとする。給湯機1は、前述したとおり、湯水混合ユニット2やリモコン3との間で通信可能であるため、データ処理部80との間でも通信可能である。したがって、この場合には前記した処理が実行される。なお、湯水混合ユニット2には、それ専用の給湯機1に代えて、通信機能を有しない他の給湯機を組み合わせて使用することも可能である。このような給湯機が用いられている場合、データ処理部80は、その給湯機との通信が不可能であると判断した後に、たとえば「給湯機の出湯温度を40°Cに設定してください」のメッセージを表示部81に表示させる(S5:NO,S11)。通信不可能な給湯機に対しては、データ処理部80が給湯機に対して出湯温度の指示を行なうことができないため、前記表示は、そのような操作を診断者に行なわせるためのものである。
前記した処理を終えると、データ処理部80は、入湯開閉弁22Aを閉じさせるとともに、入水開閉弁22Bを開かせる指令、および先に選択された出湯経路の湯水混合弁23を水側全閉・湯側全開とする指令を行なう(S7,S8)。選択された給湯先が「台所」の場合、湯水混合弁23Aがその指令対象となる。前記指令にしたがったセッティング状態では、湯水混合弁23Aに対しては湯が供給されず、また湯水混合弁23Aは供給されてくる水を下流に通過させない。したがって、前記各部が指令通りに動作しているならば、湯水混合弁23Aの下流に水流が生じることはなく、流量センサ73Aでは流量検出はなされない。データ処理部80は、流量センサ73Aによって流量検出がなされているか否かを制御部20を介して監視し、前記のセッティング状態において流量検出がない場合には、入湯開閉弁22Aの閉じ動作は、正常であると判断する(S9:YES,S10)。
一方、前記とは異なり、流量センサ73Aによって流量検出がなされている場合には(S9:NO)、いずれかの部分が故障していると考えられる。ただし、前記した動作処理だけでは、いずれの部分が故障しているのかを特定することはできない。データ処理部80は、この場合には、その判定処理を一時保留し、「台所」に対応する出湯経路R1とは別の出湯経路の検査処理を終えた段階、またはその途中で、ステップS12を実行するようになっている。このステップS12を実行するためのデータは、本発明でいう特定項目診断用データの一例に相当する。また、後述するステップS24〜S27,S42をそれぞれ実行するためのデータも、特定項目診断用データの具体例に相当する。
ステップS12では、ステップS19がNOであることを前提として、出湯経路R1〜R4のうち、出湯経路R1とは別の出湯経路についての検査においても、流量センサ73による流量検出があれば、入湯開閉弁22Aが異常であると判断される。たとえば、複数の流量センサ73の全てにおいて流量が検出されている場合には、これら複数の流量センサ73が異常であるとは考え難く、水流が発生しているのは入湯開閉弁22Aが適切に閉じていないと考えられるからである。また、前記とは異なり、別の出湯経路についての検査において、流量センサ73による流量検出がなければ、複数の流量センサ73のいずれかが異常であると判断される。複数の流量センサ73の一部で流量検出がなされ、かつ他の一部で流量検出がなされていない場合には、入湯開閉弁22Aが適切に閉じていると認定することが可能であり、この場合には一部の流量センサ73に異常があると考えられるからである。
データ処理部80は、ステップS10を終えると、出湯経路R1に対応する湯水混合弁23Aを水側全開・湯側全閉とする指令を行なう(S13)。次いで、流量センサ73Aによる流量検出があるか否かを監視する。前記指令にしたがった状態においては、入水開閉弁22Bが適切に開いているのであれば、流量センサ73Aの下流に水が流れるはずである。データ処理部80は、流量検出があると、入水開閉弁22Bの開動作は正常であると判断する(S14:YES,S15)。
前記とは異なり、流量センサ73Aによる流量検出がない場合には(S14:NO)、いずれかの部分が故障していると考えられる。ただし、前記動作処理だけでは、その異常箇所を特定することはできない。データ処理部80は、この場合にも、異常判定処理を一時保留し、出湯経路R1とは別の出湯経路の検査処理を終えた段階、またはその途中で、ステップS24を実行する。
ステップS24では、ステップS14がNOであることを前提として、出湯経路R1とは別の出湯経路についての検査においても、流量センサ73による流量検出がなければ、入水開閉弁22Bは異常であると判断される。複数の流量センサ73の全てにおいて流量検出がなされていない場合、これら複数の流量センサ73が異常であるとは考え難く、水流が発生していないのは入水開閉弁22Bが適切に開いていないと考えられるからである。また、前記とは異なり、別の出湯経路についての検査において、流量検出がなされている場合には、流量センサ73が異常であると判断される。複数の流量センサ73の一部で流量検出がなされ、かつ他の一部で流量検出がなされていない場合には、入水開閉弁22Bが適切に開いていると認定することが可能であり、一部の流量センサ73に異常があると考えられるからである。
データ処理部80は、ステップS15を終えると、入水温度センサ70Bの検出温度と出湯経路R1にある出湯温度センサ71の検出温度とが一致するか否かを判断する(S16)。この判断時においては、湯水混合弁23Aへの湯の供給は停止されており、湯水混合弁23Aには、給水管40Bの水のみが供給され、かつ通過する。データ処理部80は、前記2つの検出温度が一致する場合には、入水温度センサ70Bと出湯経路R1の出湯温度センサ71とは、正常であると判断する(S16:YES,S17)。なお、検出温度が一致するか否かの判断に際しては、2つの検出温度が相違している場合であっても、その差が予め定められた許容範囲内であれば、それらは一致するものとする。この点は、後述する他のステップの場合においても同様である。
前記とは異なり、前記2つの検出温度が一致しない場合には(S16:NO)、2つの温度センサ70B,71のいずれかが異常であると考えられる。ただし、前記条件だけでは、いずれが異常であるかを判断することはできない。データ処理部80は、この場合にも、異常判定処理を一時保留し、出湯経路R1とは別の出湯経路の検査処理を終えた段階、またはその途中で、ステップS25を実行する。
ステップS25では、ステップS16がNOであることを前提として、出湯経路R1とは別の出湯経路についての検査においても、前記2つの検出温度が一致しなければ、入水温度センサ70Bが異常であると判断される。複数の出湯温度センサ71の全てが故障している可能性はかなり低く、少なくとも1つの出湯温度センサ71は適正であると考えられる一方、入水温度センサ70Bの検出温度が、複数の出湯温度センサ71のいずれの検出温度にも一致しない状況を生じるのは、入水温度センサ70Bに異常があると考えられるからである。また、前記とは異なり、別の出湯経路についての検査において、前記2つの検出温度が一致する場合には、出湯温度センサ71が異常であると判断される。少なくとも1つの出湯経路で2つの検出温度が一致するのであれは、入水温度センサ70Bが異常であるとは考えられず、もう一方の複数の出湯温度センサ7Iのいずれかに異常があると考えられるからである。
データ処理部80は、ステップS17の後には、入湯開閉弁22Aを開かせ、かつ入水開閉弁22Bを閉じさせる指令を行ない、流量センサ73Aによる流量検出があるか否かを監視する(S18,S19)。この監視時においては、本来的には、湯水混合弁23Aに対する水の供給が停止され、また湯水混合弁23Aには湯が供給されるものの、この湯水混合弁23Aは湯側全閉であるため、流量センサ73Aの下流に水流は生じない状態にある。データ処理部80は、流量センサ73Aによる流量検出がない場合には、入水開閉弁22Bの閉じ動作が正常であると判断する(S19:YES,S20)。
なお、前記ステップS18〜S20は、入水開閉弁22Bの閉じ動作が正常であることを確認する動作処理であるが、先に説明したステップS7〜S10は、入湯開閉弁22Aの閉じ動作が正常であることを確認する動作処理である。これら2つの動作処理は、湯水混合弁23Aに向けて水を供給するか湯を供給するかの相違はあるものの、それらの検査の仕方は本質的には同じである。
前記とは異なり、流量センサ73Aによる流量検出がある場合には(S19:NO)、やはりなんらかの異常があると考えられる。ただし、前記条件だけでは、その異常箇所を特定することは、やはりできない。データ処理部80は、この場合にも、異常判定処理を一時保留し、出湯経路R1とは別の出湯経路の検査処理を終えた段階、またはその途中で、ステップS26を実行する。
ステップS26では、ステップS19がNOであることを前提として、出湯経路R1とは別の出湯経路についての検査においても、流量センサ73による流量検出があれば、入水開閉弁22Bが異常であると判断される。また、これとは異なり、別の出湯経路についての検査において、流量センサ73による流量検出がなければ、流量センサ73が異常であると判断される。このステップ26は、入水開閉弁22Bの故障診断が可能であり、入湯開閉弁22Aの故障診断が可能なステップS12とはその対象が相違するものの、このステップ26における異常判断の考え方は、ステップS12の場合と同様である。
データ処理部80は、ステップS20の後には、湯水混合弁23Aを水側全閉・湯側全開とする指令を行なってから、流量センサ73Aによる流量検出があるか否かを監視する(S21,S22)。この監視時は、本来的には、湯水混合弁23Aに対して水が供給されること、および通過することが阻止され、湯水混合弁23Aの下流には、湯のみが流れる状態である。データ処理部80は、流量センサ73Aによる流量検出があると、入湯開閉弁22Aの開動作は正常であると判断する(S22:YES,S23)。これらステップS21〜S23は、入湯開閉弁22Aの開動作確認処理であり、これは先に述べたステップS13〜S15の入水開閉弁22Bの開動作確認処理と比較して、湯水混合弁23Aに向けて水を供給するか湯を供給するかの相違はあるものの、それらの検査の仕方は本質的に同じである。
前記とは異なり、流量センサ73Aによる流量検出がない場合には(S22:NO)、やはり異常があると考えられるが、これまでの動作処理だけでは、その異常箇所を特定することはできない。データ処理部80は、この場合にも、その判定処理を保留し、出湯経路R1とは別の出湯経路の検査処理を終えた段階、またはその途中段階で、ステップS27を実行する。
ステップS27では、ステップS22がNOであることを前提として、出湯経路R1とは別の出湯経路についての検査においても、流量センサ73による流量検出がなければ、入湯開閉弁22Aが異常であると判断される。また、これとは異なり、他の出湯経路において流量検出がある場合には、流量センサ73が異状であると判断される。この判断は、ステップS24で述べたのと同様な考え方に基づいている。
データ処理部80は、ステップS23の後には、入湯温度センサ70Aの検出温度と出湯経路R1の出湯温度センサ71の検出温度とが一致するか否かを判断する(S28)。この判断時においては、湯水混合弁23Aへの水の供給は停止されており、湯水混合弁23Aには、湯のみが供給され、かつ通過する。したがって、本来であれば、入湯温度センサ70Aと出湯温度センサ71との検出温度は一致するはずであり、これらの温度が一致しない場合には(S28:NO)、センサ70A,71のいずれかが異常であると考えられる。ただし、出湯経路R1についての検査だけでは、いずれが異常であるかを判断することはできない。この場合、データ処理部80は、その判断を一時保留し、出湯経路R1とは別の出湯経路の検査処理を終えた段階、またはその途中段階で、ステップS42を実行する。
このステップ42では、ステップS28がNOであることを前提として、出湯経路R1とは別の出湯経路についての検査においても、前記2つの検出温度が一致しないのであれば、入湯温度センサ70Aが異常であると判断される。また、これとは異なり、別の出湯経路についての検査において、前記2つの検出温度が一致する場合には、出湯温度センサ71が異常であると判断される。このステップ42における判断は、ステップS25で述べたのと同様な考え方に基づいている。
ステップS28において、入湯温度センサ70Aと出湯温度センサ71との検出温度が一致した場合には、データ処理部80は、その後入湯温度センサ70Aの検出温度が、給湯機1に対して先に指示した出湯温度と一致するか否かを判断する(S29)。そして、それらの温度が不一致であれば、給湯機1が異常であると判断して検査処理を終了する(S29:NO,S43)。これに対し、前記温度が一致すれば、データ処理部80は、入湯温度センサ70Aは正常であると判断する(S29:YES,S30)。次いで、データ処理部80は、出湯温度センサ71の検出温度は、給湯機1の出湯温度と一致するか否かを判断し、不一致であれば、給湯機1が異常であると判断する(S31:NO,S43)。これに対し、前記温度が一致すれば、出湯温度センサ71は、正常であると判断される(S31:YES,S32)。
その後、データ処理部80は、湯水混合弁23Aや過流出防止弁72の検査を実行していく。湯水混合弁23Aの検査では、まず入湯開閉弁22Aおよび入水開閉弁22Bをともに開かせてから、湯水混合ユニット2の制御部20に目標給湯温度の変更指示を行なう(S33,S34)。この指示に対して、出湯温度センサ71の検出温度が変更後の目標給湯温度に一致するように変更されていれば、データ処理部80は、湯水混合弁23Aは正常であると判断する(S35:YES,S36)。そうでない場合には、湯水混合弁23Aは異常であると判断する(S35:NO,S44)。過流出防止弁72の検査では、データ処理部80が湯水混合ユニット2の制御部20に目標給湯流量の変更指示を行なう(S37)。これに対して、流量センサ73Aの検出流量がその目標給湯流量に一致するように変更されていれば、データ処理部80は、過流出防止弁72は正常であると判断する(S38:YES,S39)。そうでない場合には、過流出防止弁72は異常であると判断される。
前記した一連の検査処理において、異常箇所が判断されなかった場合には、出湯経路R1とは別の出湯経路に対応した検査処理を続行することとなる。このため、データ処理部80は、出湯経路R1の先栓を閉じることを診断者に促すメッセージを表示部81に表示させた後に、他の出湯経路R2〜R4についても検査するか否かを問いかけるメッセージを表示させる(S40,S41)。他の出湯経路R2〜R4についても検査を実行する場合には(S41:YES)、新たに選択された出湯経路について、先に述べたのと同様な検査が繰り返されることとなる。ただし、その検査過程において、ステップS12,S24〜27,S42を実行させることができる。また、たとえば出湯経路R3,R4は、湯水混合弁23Cを共用しているために、それら2つの出湯経路R3,R4に対応した検査を個々に実行する場合に、前記した一連の動作手順の全てを実行させていたのでは、重複した検査が実行され、時間などの無駄となる。さらに、診断者の立場からすると、検査が重複するか否かには関係なく、一部の検査のみを実行したい場合もある。このような観点から、診断装置Bにおいては、前記したように一連の検査工程のうち、診断者が実行したい検査を任意に選択して実行することができるように構成されている。
本実施形態の故障診断方法によれば、たとえば出湯経路R1〜R4のそれぞれに対応して実行される個々の検査のみでは判断することができない検査項目であっても、ステップS12,S24〜27,S42に示したように、適切に故障診断することが可能である。したがって、検査性能が高く、故障箇所を適切かつ早期に発見することができ、非常に便利となる。また、診断者は、1つの出湯経路に対応した検査をする都度、先栓6A〜6Dの開け閉め操作を行なう必要があるものの、それ以外については、診断装置Bの表示部81を見ながら、操作部82の簡単な操作を行なうだけでよい。したがって、その作業は容易である。
なお、本発明は、前記実施形態の内容に限定されるものではない。
本発明でいう特定の検査項目の内容は、診断対象となる湯水混合ユニットの構造、とくに湯水混合ユニット内の配管構造に加え、電磁バルブなどの動作機器、ならびに温度センサや流量センサなどの状態監視用機器の具体的な種類、配置、個数などに応じて、任意に選択して決定できる事項である。特定の検査項目は、1つのみであってもよい。また、特定の検査項目の故障判断を行なうための具体的な判断手法も限定されるものではない。
前記実施形態の診断装置は、たとえば表示部を備えたパーソナルコンピュータを用いて構成されているが、汎用のパーソナルコンピュータではなく、それ専用に特化した診断装置として構成されていてもよい。また、それらの場合とは異なり、データ表示についてはたとえばリモコン3の表示部32を利用して行なわせたり、あるいはデータ入力用などのスイッチ操作もリモコン3の操作スイッチを利用して行なわせることも可能である。診断装置は、給湯システムとは別個に構成されて、外付けで使用されるものでなくてもよい。給湯システムに診断装置が組み込まれた構成とすることもできる。さらに、診断用のプログラムを、たとえばリモコン3の制御部30に格納させたり、あるいは湯水混合ユニット2の制御部20に格納させるなどして、それらを診断装置として構成することも可能であり、そのような構成にしてもかまわない。
本発明に係る給湯システムを構成する給湯機としては、既述したとおり、湯水混合ユニットとの間でデータ通信を実行しないものを用いることができる。また、瞬間式のものに代えて、貯湯式のものを用いることもできる。瞬間式のものとしては、ガス燃焼式に代えて、それ以外のオイル燃焼式のものを用いてもよく、また貯湯式のものとしては、電気温水器などのヒータを用いた加熱方式に代えて、たとえばヒートポンプを用いた加熱方式、あるいは太陽熱を利用した加熱方式でもよい。給湯機は、要は湯を生成して湯水混合ユニットに供給する機能を備えていればよい。
湯水混合ユニットの湯水混合手段としては、前記した湯水混合弁23とは異なる構造の湯水混合手段を用いることが可能である。この湯水混合手段は、複数設けられていればよく、その具体的な数も限定されない。各湯水混合手段の下流側に形成される出湯経路も、複数あればよく、その数はやはり限定されない。湯水混合手段の数と出湯経路の数とが一致するか否かも問わない。前記実施形態の配管24Cのように、分岐した配管を用いるか否かも任意に選択できる事項である。給湯システムの構成要素間の通信方式は、重畳2芯方式に代えて、たとえばワイヤレス通信方式(赤外線通信などの光通信を含む)などの他の通信方式を採用することもできる。診断装置を通信接続する場合の通信方式についても同様である。
本発明が適用される給湯システムの一例を示す説明図である。 図1に示す給湯システムに用いられている湯水混合ユニットの説明図である。 本発明が適用された診断装置のデータ処理部の動作処理手順の一例の一部を示すフローチャートである。 本発明が適用された診断装置のデータ処理部の動作処理手順の一例の他の一部を示すフローチャートである。 本発明が適用された診断装置のデータ処理部の動作処理手順の一例の他の一部を示すフローチャートである。
符号の説明
A 給湯システム
B 診断装置
R1〜R4 出湯経路
1 給湯機
2 湯水混合ユニット
6A〜6D 先栓
20 制御部
22A 入湯開閉弁
22B 入水開閉弁
23 湯水混合弁(湯水混合手段)
60A〜60D 給湯管
70A 入湯温度センサ
70B 入水温度センサ
71 出湯温度センサ
73 流量センサ
80 データ処理部(診断装置の)
81 表示部(診断装置の)
82 操作部(診断装置の)

Claims (4)

  1. 給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記複数の出湯経路には、動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムを対象とし、その故障診断を行なうための方法であって、
    前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていきながら、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を進めていく検査ステップと、
    前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを予め準備しておき、2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後に、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なう特定項目診断ステップと、
    を有していることを特徴とする、給湯システムの故障診断方法。
  2. 給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記各出湯経路には、動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムであって、
    前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていく操作が行なわれるときに、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を所定の手順で進めていくことが可能な故障診断手段を備えており、
    この故障診断手段は、前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを保持し、
    2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後には、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なうように構成されていることを特徴とする、給湯システム。
  3. 給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路と、制御手段とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記各出湯経路には、前記制御手段により駆動制御され、または前記制御手段に信号を送信する動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムを対象として使用され、かつ前記制御手段との通信機能を有するデータ処理手段および表示手段を備えている、給湯システム用故障診断装置であって、
    前記データ処理手段は、
    前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていく操作が行なわれるときに、前記制御手段にアクセスすることによって、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を所定の手順で進めていくステップと、
    前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを保持しており、2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後に、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なう特定項目診断ステップと、
    を実行可能に構成されていることを特徴とする、給湯システム用故障診断装置。
  4. 給湯機と湯水混合ユニットとを備え、この湯水混合ユニットは、前記給湯機から湯が供給される湯用配管と、給水管から水が供給される水用配管と、これら湯用配管および水用配管のそれぞれに接続された複数の湯水混合手段と、これら複数の湯水混合手段の下流に形成されて先栓を備えた給湯管が接続される複数の出湯経路とを有しており、かつ前記湯用配管、前記水用配管、および前記各出湯経路には、動作用または状態監視用の複数の機器が設けられている給湯システムに具備され、またはこの給湯システムに通信接続されるデータ処理手段に格納されて使用される給湯システム用故障診断プログラムであって、
    前記複数の給湯管の先栓を1つずつ個別に開いていく操作が行なわれるときに、前記制御手段にアクセスすることによって、前記複数の出湯経路の個々に対応して前記複数の機器の検査を所定の手順で進めていくステップと、
    前記複数の出湯経路のうち、1つの出湯経路のみに対応した検査では故障判断が不可能な特定の検査項目に関して、他の出湯経路に対応した検査結果を利用してどのように故障診断すべきかが定められた特定項目診断用データを有しており、2以上の出湯経路に対応する検査が行なわれているとき、またはその検査が終了した後に、その検査により得られた結果と前記特定項目診断用データとに基づいて、前記特定の検査項目についての故障診断を行なうステップと、
    を前記データ処理手段に実行させるデータを含んでいることを特徴とする、給湯システム用故障診断プログラム。
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