JP2001220540A - カチオン電着塗料用顔料分散樹脂の製造方法 - Google Patents

カチオン電着塗料用顔料分散樹脂の製造方法

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JP2001220540A
JP2001220540A JP2000360902A JP2000360902A JP2001220540A JP 2001220540 A JP2001220540 A JP 2001220540A JP 2000360902 A JP2000360902 A JP 2000360902A JP 2000360902 A JP2000360902 A JP 2000360902A JP 2001220540 A JP2001220540 A JP 2001220540A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料分散樹脂のオニウム化時の溶媒として、大
気中に揮散せず、電着塗膜中に残存する化合物を用い
て、電着塗膜のフロー性および外観を低下させることの
ない、カチオン電着塗料用顔料分散樹脂ワニスの製造方
法およびHAPsフリー化もしくは揮散性有機炭素物質
の低減(低VOC化)のできるカチオン電着塗料組成物
を提供すること。 【解決手段】カチオン電着塗料に用いる顔料分散用樹脂
ワニスの製造方法において、下記式で示されるポリアル
キレンオキサイド化合物を含有する溶媒を用いて、アミ
ノ基、ホスホニウム基又はスルホニウム基を有するカチ
オン性エポキシ樹脂組成物から得られた樹脂ワニスを製
造することを特徴とする顔料分散樹脂ワニスの製造方
法。 【化1】 (ここで、Rはエチレン基又はプロピレン基、Phはフ
ェニレン基、n,mはともに1以上の数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カチオン電着塗料用顔
料分散樹脂ワニスの製造法、これから得られる顔料分散
樹脂ワニス、及びこの顔料分散樹脂ワニスを用いたカチ
オン電着塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、環境に対する意識が高まるにつ
れ、先進国では、有害大気汚染物質(HAPs)の量を
規制する方向に進んでいる。カチオン電着塗料は、水を
媒体とした水性塗料であるが、顔料分散樹脂を製造する
段階において、原料であるエポキシ樹脂にアミン、ホス
フィン又はスルフィドを反応させてカチオン性エポキシ
樹脂を製造するとき、すなわち顔料分散樹脂のオニウム
化時に、溶媒としてHAPs対象である、ブチルセロソ
ルブやエチルセロソルブ等のセロソルブ系の溶剤を使用
している。このようなセロソルブ系の溶剤は、揮発しや
すいため、カチオン電着塗料がこのような物質を含有し
ていると、電着塗装時において、この物質が大気中に揮
散して、有害大気汚染物質の原因となる恐れがある。ま
た、その代替品を用いると電着塗膜のフロー性および外
観を低下させる恐れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、セロソルブ
系の溶剤を用いなくても、電着塗膜のフロー性および外
観を低下させることのない、カチオン電着塗料用顔料分
散樹脂ワニスの製造方法および揮散性有機炭素物質の低
減(低VOC化)することができるカチオン電着塗料組
成物を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のカチオン電着塗
料用顔料分散用樹脂ワニスの製造方法は、下記式で示さ
れるポリアルキレンオキサイド化合物を含有する溶媒を
用いて、アミノ基、ホスホニウム基又はスルホニウム基
を有するカチオン性エポキシ樹脂組成物から得られた樹
脂ワニスを製造することを特徴とするものである。
【0005】
【化2】 (ここで、Rはエチレン基又はプロピレン基、Phはフ
ェニレン基、n,mはともに1以上の数である。)
【0006】上記溶媒を、エポキシ樹脂にアミン、ホス
フィン又はスルフィドを反応させて得られた上記カチオ
ン性エポキシ樹脂組成物に加えることが好ましい。
【0007】もう一つの溶媒の用い方としては、エポキ
シ樹脂にアミン、ホスフィン又はスルフィドを反応させ
て、上記カチオン性エポキシ樹脂組成物を製造するとき
の反応溶媒として用いる方法がある。ここで、上記エポ
キシ樹脂がウレタン変性エポキシ樹脂である場合が好ま
しい。また、上記ポリアルキレンオキサイド化合物の式
において、Rがエチレン基、nとmとの合計が2以上2
0未満であることが好ましい。一方、上記溶媒中の、上
記ポリアルキレンオキサイド化合物の含有量が、5〜1
00重量%であることが好ましい。
【0008】本発明の顔料分散樹脂ワニスは、先のカチ
オン電着塗料用顔料分散樹脂ワニスの製造法によって得
られるものであり、その樹脂ワニス中の、上記ポリアル
キレンオキサイド化合物の含有量が、1〜50重量%で
あることが好ましい。また、本発明のカチオン電着塗料
組成物は、このようにして得られた顔料分散樹脂ワニス
を含有するものであって、上記ポリアルキレンオキサイ
ド化合物の含有量が、0.1〜2.0重量%であるもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のカチオン電着塗料用顔料
分散樹脂ワニスの製造方法は、下記式で示されるポリア
ルキレンオキサイド化合物を含有する溶媒を用いて、ア
ミノ基、ホスホニウム基又はスルホニウム基を有するカ
チオン性エポキシ樹脂組成物を含有する樹脂ワニスを製
造することを特徴とするものである。
【0010】
【化3】 (ここで、Rはエチレン基又はプロピレン基、Phはフ
ェニレン基、n,mはともに1以上の数である。)
【0011】即ち、上記顔料分散樹脂ワニスの製造方法
において、後述するエポキシ樹脂に、上記のアミン、ホ
スフィン又はスルフィドを反応させて、そのエポキシ樹
脂をオニウム化させるとき、即ちアミノ基、ホスホニウ
ム基又はスルホニウム基を導入しようとするときに、上
記エポキシ樹脂を予め、上記ポリアルキレンオキサイド
化合物を含有する溶媒に溶解させておくか、又は上記オ
ニウム化反応後に得られたカチオン性エポキシ樹脂組成
物に上記溶媒を加えて、顔料分散樹脂ワニスのを製造も
のある。上記アミン、ホスフィン又はスルフィドを加え
ることにより、上記エポキシ樹脂中に存在するエポキシ
基と反応させて、上記エポキシ樹脂にオニウム基を導入
しようとするものである。
【0012】ここで、上記エポキシ樹脂としては、一般
的にはポリエポキシドを挙げることができる。このエポ
キシドは、1分子中に平均2個以上の1,2−エポキシ
基を有する。これらのポリエポキシドは180〜100
0のエポキシ当量、特に375〜800のエポキシ当量
を有することが好ましい。エポキシ当量が180を下回
ると、電着時に造膜できず塗膜を得ることができない。
1000を上回ると、1分子当りのオニウム基量が不足
し十分な水溶性が得られない。
【0013】このようなポリエポキシドの有用な例とし
ては、ポリフェノール(たとえばビスフェノールA)の
ポリグリシジルエーテルが挙げられる。これらは、例え
ば、アルカリ存在下にて、ポリフェノールとエピクロル
ヒドリン又はジクロルヒドリンとをエーテル化すること
により調整される。このポリフェノールは、ビス(4−
ヒドロキシフェニル)−2,2−プロパン、4,4’−
ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)−1,1−エタン又はその類似物であり得る。
【0014】また、上記のエポキシ樹脂としては、後述
するメインエマルションでのエポキシ樹脂における、オ
キサゾリドン環を樹脂骨格中に含んでいるエポキシ樹脂
であっても良い。
【0015】特に水酸基を含有するエポキシ樹脂にあっ
ては、ハーフブロックイソシアネートを、その水酸基に
反応させて、ブロックイソシアネート基を導入したウレ
タン変性エポキシ樹脂であっても良い。
【0016】上述のエポキシ樹脂と反応させるために用
いられるハーフブロックイソシアネートは、有機ポリイ
ソシアネートを部分的にブロックすることにより調整さ
れる。有機ポリイソシアネートとブロック剤との反応
は、必要に応じてスズ系触媒の存在の下で、攪拌下、ブ
ロック剤を滴下しながら40〜50℃に冷却することに
より行うことが好ましい。
【0017】上記の有機ポリイソシアネートは、1分子
中に平均で2個以上のイソシアネート基を有するもので
あれば特に限定されない。具体的な例としては、トリメ
チレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ
ートのような脂肪族化合物、1,3−シクロペンタンジ
イソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネートのような脂環族化合
物、2,4−トリレンジイソシアネート、ジフェニルメ
タン−4,4’−ジイソシアネート、1,4−ナフタレ
ンジイソシアネートのような芳香族化合物、およびこれ
らの2量体や3量体のようなポリイソシアネート等が挙
げられる。
【0018】上記のハーフブロックイソシアネートを調
整するための適当なブロック化剤としては、4〜20個
の炭素原子を有する低級脂肪族アルキルモノアルコール
が挙げられる。具体的には、ブチルアルコール、アミル
アルコール、ヘキシルアルコール、2−エチルヘキシル
アルコール、ヘプチルアルコール、エイコサノール等が
ある。
【0019】上記のエポキシ樹脂とハーフブロックイソ
シアネートとの反応は、好ましくは140℃で約1時間
保つことにより行われる。
【0020】上記ポリアルキレンオキサイド化合物の式
において、Rがエチレン基、nとmの合計が2以上20
未満の数であることが好ましく、更には2〜10である
ことがより好ましい。その合計が2未満であると、大気
中に揮散しやすくなり、20を超えると、電着塗膜の外
観が悪化する恐れがある。
【0021】上記溶媒としては、上記ポリアルキレンオ
キサイド化合物を5〜100重量%含有していることが
好ましい。すなわち5重量%以上であれば、その溶媒そ
のものが上記のポリアルキレンオキサイド化合物であっ
ても良い。上記ポリアルキレンオキサイド化合物の含有
量が5重量%未満であると、低VOC化を達成すること
が難しくなる。上記溶媒に、上記のポリアルキレンオキ
サイド化合物以外の溶媒が含まれている場合、通常電着
塗料用の樹脂合成で用いられている溶剤、例えばエーテ
ル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレ
ングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール
モノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、3−メチル−3−メトキシ−ブタノール、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテルジプロピレング
リコールモノブチルエーテル等、アルコール類;ブタノ
ール等を用いることができる。
【0022】上記溶媒において、上記ポリアルキレンオ
キサイド化合物の含有量は、前述の如く5〜100重量
%であるが、エポキシ樹脂に導入されるオニウム基の種
類即ち、1級アミノ基、4級アンモニウム基、スルホニ
ウム基又はホスホニウム基の違いによって、上記ポリア
ルキレンオキサイド化合物の含有量の好ましい範囲があ
る。例えば、1級アミノ基では5〜50重量%、4級ア
ンモニウム基では5〜100重量%、スルホニウム基で
は、5〜100重量%となる。
【0023】上記のエポキシ樹脂のオニウム化反応は、
そのエポキシ樹脂を上記溶媒に溶解させ、アミン、ホス
フィン又はスルフィドをエポキシ基と反応させることに
より行われるが、以下にその内容を詳細に説明する。
【0024】エポキシ樹脂にアミンを反応させるのに、
1級のアミノ基を導入する場合と4級のアンモニウム基
を導入する場合とがある。
【0025】前者の場合、1級アミンをエポキシ樹脂溶
液に直接添加して反応させると、その1級アミノ基その
ものがエポキシ基と反応してしまうので、1級アミノ基
と2級アミノ基とを有するポリアミンを用い、この1級
アミノ基をケチミン化することにより得られる化号物
を、上記溶媒中に溶解されたエポキシ樹脂中のエポキシ
基と反応させ、反応後、ケチミンブロックをはずして、
1級アミノ基を再生し、これを中和することにより1級
のアミンのアンモニウム塩が生成する。
【0026】その際のポリアミン化合物の例としては、
ジエチレントリアミン、アミノエチルエタノールアミ
ン、アミノエチルピペラジンなどが挙げられる。これら
のポリアミンをアセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトンのようなケトンと反応させ、ケチミン
化する。ケチミン生成反応は100℃以上で加熱して、
生成水を留出することにより容易に進行する。
【0027】この部分ケチミン化物とエポキシ樹脂との
反応は、120℃で1時間保持し、その後90℃に冷却
し、適量の純水を入れ、ケチミン化されていた1級アミ
ノ基を再生させる。ここで、用いるポリアミンとエポキ
シ樹脂の量は、その当量比で1/2〜1.2/1が好ま
しい。
【0028】一方、4級アンモニウム基を導入する場合
は、エポキシ樹脂のエポキシ基に3級アミンの中和酸塩
を反応させる。3級アミンとしては、炭素数3〜6のも
のが好ましく、水酸基を有していてもよい。3級アミン
の具体例としては、ジメチルエタノールアミン、トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミ
ン、ジエチルベンジルアミン、N,N−ジメチルシクロ
ヘキシルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジフェネチ
ルメチルアミン、ジメチルアニリン、N−メチルモルホ
リン等が挙げられる。
【0029】3級アミンの中和酸塩とエポキシ樹脂との
反応は常法により行うことができる。例えば、上記溶媒
に溶解されたエポキシ樹脂を含む溶液を60〜100℃
まで加熱し、ここへ3級アミンを添加して、2〜10時
間保持して行われる。ここで、中和酸の例としては塩
酸、硝酸、燐酸、蟻酸、酢酸、乳酸のような無機酸また
は有機酸などが挙げられる。
【0030】スルフィドを反応させてオニウム化を行う
場合、すなわちエポキシ樹脂中のエポキシ基とスルフィ
ドとを反応させることにより、スルホニウム基を導入す
る。具体的には、反応温度70〜75℃の条件のもと
で、上記溶媒中に溶解されたエポキシ樹脂、スルフィド
中和酸および水を混合攪拌することにより行われる。こ
こで、上記のスルフィドとしては、例えば、脂肪族スル
フィド、脂肪族−芳香族混合スルフィド、アラルキルス
ルフィド、又は環状スルフィドがある。具体的には、1
−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、
ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチル
スルフィド、ジフェニルスルフィド、ジヘキシルスルフ
ィド、エチルフェニルスルフィド、テトラメチレンスル
フィド、ペンタメチレンスルフィド、チオジエタノー
ル、チオジプロパノール及びチオジブタノールなどがあ
る。ここで、用いるスルフィドとエポキシ樹脂の量は、
その当量比で1/1〜5/1が好ましい。
【0031】最後に、ホスフィンを反応させてオニウム
化を行う場合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基にホスフ
ィンを反応させるが、具体的には、上記溶媒中に溶解さ
れたエポキシ樹脂に、ホスフィン、好ましくは有機ホス
フィンを反応させる。その反応条件は、上記スルフィド
の場合と同様である。
【0032】本発明のカチオン電着塗料用顔料分散樹脂
ワニスは、上記の製造法によって得られたものである。
この樹脂ワニス中には、上記ポリアルキレンオキサイド
化合物を1〜50重量%含有する。1重量%未満である
と低VOC化が困難となり、50重量%を超えると耐食
性が低下する恐れがある。ここで得られた顔料分散樹脂
ワニスと顔料を水性媒体中に分散させて顔料分散ペース
トを得る。
【0033】上記顔料は、通常用いられる顔料であれば
特に制限はなく、例えばチタンホワイト、カーボンブラ
ックおよびベンガラのような着色顔料、カオリン、タル
ク、ケイ酸アルミニウム、炭酸カルシウム、マイカ、ク
レーおよびシリカのような体質顔料、リン酸亜鉛、リン
酸鉄、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、亜リン
酸亜鉛、シアン化亜鉛、酸化亜鉛、トリポリリン酸アル
ミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸アルミニウ
ム、モリブデン酸カルシウムおよびリンモリブデン酸ア
ルミニウムのような防錆顔料等が挙げられる。
【0034】上記顔料分散用樹脂ワニスおよび顔料を、
樹脂固形分100重量部に対し10〜1000重量部混
合した後、その混合物中の顔料の粒径が所定の均一な粒
径となるまで、ボールミルやサンドグラインドミル等の
通常の分散装置を用いて分散させて、顔料分散ペースト
を得る。
【0035】このようにして製造された顔料分散ペース
トと別途調整されたアミン変性エポキシ樹脂、ブロック
ポリイソシアネート硬化剤および中和剤を、中和剤を含
む水性媒体中に分散させることによって、カチオン電着
塗料を得ることができる。
【0036】ここで、上記のアミン変性エポキシ樹脂に
ついて具体的に説明する。このアミン変性エポキシ樹脂
は、一般的なカチオン電着塗料に使用される公知の樹脂
であり、特公昭55−34238号公報、同56−34
186号公報、同59−15929号公報に、その詳細
内容が記載されている。そのアミン変性エポキシ樹脂の
分子量としては600〜8000であり、アミン価とし
ては16〜230であり、エポキシ当量としては300
〜4000であるものが、一般的に用いられている。
【0037】典型的なものとして、ビスフェノール型エ
ポキシ樹脂のエポキシ環の全部を、カチオン性基を導入
し得る活性水素化合物で開環するか、または一部のエポ
キシ環を他の活性水素で開環し、残りのエポキシ環を、
カチオン性基を導入し得る活性水素化合物で開環して製
造される。
【0038】上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の典型
例は、ビスフェノールA型またはビスフェノールF型エ
ポキシ樹脂である。前者の市販品としては、エピコート
828(油化シェルエポキシ社製 エポキシ当量180
〜190)、エピコート1001(同、エポキシ当量4
50〜500)、エピコート1010(同、エポキシ当
量3000〜4000)などがあり、後者の市販品とし
ては、エピコート807(同、エポキシ当量170)な
どがある。
【0039】上記カチオン性基を導入し得る活性水素化
合物としては、1級アミン、2級アミンがある。その例
としては、ブチルアミン、オクチルアミン、ジエチルア
ミン、ジブチルアミン、メチルブチルアミン、モノエタ
ノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノ
ールアミンなどのほか、アミノエチルエタノールアミン
のケチミン、ジエチレントリアミンのジケチミンなどの
1級アミンをブロックした2級アミンがある。このアミ
ン類は複数のものを併用してもよい。
【0040】上記エポキシ環を開環するために使用し得
る他の活性水素化合物としては、フェノール、クレゾー
ル、ノニルフェノール、ニトロフェノールなどのモノフ
ェノール類;ヘキシルアルコール、2−エチルヘキサノ
ール、ステアリルアルコール、エチレングリコールまた
はプロピレングリコールのモノブチルーまたはモノヘキ
シルエーテルなどのモノアルコール類;ステアリン酸お
よびオクチル酸などの脂肪族モノカルボン酸;グリコー
ル酸、ジメチロールプロピオン酸、ヒドロキシピバリン
酸、乳酸、クエン酸などの脂肪族ヒドロキシカルボン
酸;およびメルカプトエタノールなどのメルカプトアル
カノールが挙げられる。
【0041】また、上記アミン変性エポキシ樹脂として
は、特開平5−306327号公報、特開平6−329
755号公報、特開平7−33848号公報に開示され
ているような、オキサゾリドン環を樹脂骨格中に含んで
いるエポキシ樹脂であることが好ましい。ここで、上記
オキサゾリドン環を含有するアミン変性エポキシ樹脂に
ついて、さらに詳しく説明する。
【0042】二官能エポキシ樹脂とモノアルコールでブ
ロックしたジイソシアネート化合物すなわちビスウレタ
ンを反応させるとオキサゾリドン環を含有する鎖延長さ
れたエポキシ樹脂が得られることは公知である。このエ
ポキシ樹脂のエポキシ環をアミンによって開環して得ら
れるアミン変性エポキシ樹脂は、上記オキサゾリドン環
を含有するアミン変性エポキシ樹脂の一例である。ま
た、上記特開平7−33848号公報に開示されている
方法により、ジイソシアネート化合物の一方のイソシア
ネート基をモノアルコールで可逆的にブロックし、他方
のイソシアネート基はヒドロキシル基含有化合物で非可
逆的にブロックした非対称ビスウレタン化合物を二官能
エポキシ樹脂に反応させると、オキサゾリドン環を含有
する変性エポキシ樹脂が得られる。このようにして得ら
れる変性エポキシ樹脂のエポキシ環を、アミン等のカチ
オン性基を導入し得る活性水素化合物で開環すると、カ
チオン性の変性エポキシ樹脂が得られる。
【0043】この方法においてジイソシアネート化合物
の他方のイソシアネート基を非可逆的にブロックするヒ
ドロキシル化合物は、ブタノール、2−エチルヘキサノ
ール等の炭素数4以上の脂肪族モノアルコール、ノニル
フェノール等の長鎖アルキルフェノール、エチレングリ
コールもしくはプロピレングリコールのモノ2−エチル
ヘキシルエーテル等のグリコールモノエーテルである。
【0044】上記ブロックポリイソシアネート硬化剤
は、この分野で一般的に使用されているものであり、例
えば、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’
―ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、キシ
リレンジイソシアネート(XDI)などの芳香族ジイソ
シアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート
(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、2,5−もしくは2,6−ビス(イソシアナート
メチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン(ノボルナン
ジイソシアネートNBDI)などの脂肪族もしくは脂環
族ジイソシアネート化合物;またはこれらジイソシアネ
ート化合物の二量体、三量体およびトリメチロールプロ
パン付加物などのポリイソシアネート化合物をブロック
したものが挙げられる。
【0045】上記ブロックポリイソシアネート硬化剤に
用いられるブロック剤としては、イソシアネート基に付
加し、常温では安定であるが解離温度以上に加熱すると
遊離のイソシアネート基を再生し得るものである。
【0046】具体的には、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、クロロフェノールおよびエチルフェノール
などのフェノール系ブロック剤;ε―カプロラクタム、
δ―バレロラクタム、γ―ブチロラクタムおよびβ―プ
ロピオラクタムなどのラクタム系ブロック剤;アセト酢
酸エチルおよびアセチルアセトンなどの活性メチレン系
ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコー
ル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセ
トンアルコール、乳酸メチルおよび乳酸エチルなどのア
ルコール系ブロック剤;ホルムアルドキシム、アセトア
ルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシ
ム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム
などのオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘ
キシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフ
ェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノー
ルなどのメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベン
ズアミドなどの酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド
およびマレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤;イ
ミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾー
ル系ブロック剤;などを挙げることができる。このう
ち、160℃以下の低温硬化を望む場合には、ラクタム
系およびオキシム系ブロック剤を使用するのが好まし
い。
【0047】上記中和剤としては、特に制限はなく、前
述した顔料分散用樹脂ワニスの製造時に用いたものと同
じものであってよく、具体的には、塩酸、硝酸、燐酸、
蟻酸、酢酸、乳酸のような無機酸または有機酸などであ
る。
【0048】本発明のカチオン電着塗料組成物は、次の
ようにして製造される。即ち、あらかじめ上記アミン変
性エポキシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤と
を、所定量配合して均一に混合した後、その混合物を、
中和剤を含む水性媒体中に分散させて、アミン変性エポ
キシ樹脂とブロックポリイソシアネート硬化剤との混合
物のエマルション(以下メインエマルションという)を
得る。次に、上記メインエマルション、上記顔料分散ペ
ーストおよびイオン交換水を所定量配合して混合し、本
発明のカチオン電着塗料を得る。
【0049】上記ブロックポリイソシアネート硬化剤の
量は、加熱硬化時において、上記アミン変性エポキシ樹
脂中のアミノ基や水酸基等の活性水素含有官能基と反応
して良好な硬化塗膜を与えるのに十分な量であればよ
く、一般的には上記アミン変性エポキシ樹脂の上記ブロ
ックポリイソシアネート硬化剤に対する固形分重量比で
表して90/10〜50/50、好ましくは80/20
〜65/35の範囲である。
【0050】上記顔料分散ペーストは、上記顔料がカチ
オン電着塗料中の全樹脂固形分重量に対し1〜35%と
なるように配合される。このようにして製造されたカチ
オン電着塗料中には、上記ポリアルキレンオキサイド化
合物が、0.1〜2重量%含有されていることが好まし
い。0.1重量%未満であると低VOC化が困難とな
り、2重量%を超えると耐食性が低下する恐れがある。
【0051】本発明のカチオン電着塗料は、ジラウリン
酸ジブチルスズ、ジブチルスズオキサイドのようなスズ
化合物や、通常のウレタン開裂触媒を含むことができ
る。その添加量は、上記ブロックポリイソシアネート硬
化剤の0.1〜5.0重量%とすることが好ましい。
【0052】また、本発明のカチオン電着塗料は、水混
和性有機溶剤、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤
等の常用の塗料用添加剤を含むことができる。
【0053】
【実施例】以下の実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。実施例中、
「部」および「%」は、ことわりのない限り、重量基準
による。「エポキシ当量」「アミン当量」は固形分当り
の数値を示す。
【0054】製造例1(アミン変性エポキシ樹脂の製
造) 攪拌機、冷却管、窒素導入管、温度計および滴下漏斗を
装備したフラスコに、2,4−/2,6−トリレンジイ
ソシアネート(重量比=8/2)92部、メチルイソブ
チルケトン(以下、MIBKという)95部およびジブ
チルスズジラウレート0.5部を仕込んだ。その混合物
を攪拌しながら、メタノール21部を添加した。その反
応は、室温から始め、発熱により60℃まで昇温し、そ
の後30分間反応を継続した後、エチレングリコールモ
ノ−2−エチルヘキシルエーテル57部を滴下漏斗によ
り滴下した。更にビスフェノールA−プロピレンオキシ
ド5モル付加体(商品名ニューポールBP−5P、三洋
化成社製)42部を添加した。反応は主に60〜65℃
の範囲で行い、IRスペクトルの測定において、イソシ
アネート基に基づく吸収が消失するまで継続した。
【0055】次に、エポキシ当量188のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(商品名DER−331J、ダウケ
ミカル社製)365部を、上記の反応混合物に加えて1
25℃まで昇温した。その後、ベンジルジメチルアミン
1.0部を添加し、エポキシ当量410になるまで13
0℃で反応させた。
【0056】続いて、ビスフェノールA87部を加えて
120℃で反応させ、エポキシ当量1190とした。そ
の後、上記反応混合物を冷却し、ジエタノールアミン1
1部、N−エチルエタノールアミン24部およびアミノ
エチルエタノールアミンのケチミン化物の79%MIB
K溶液25部を加え、110℃で2時間反応させた。そ
の後、MIBKで不揮発分80%となるまで希釈し、ア
ミン変性エポキシ樹脂(樹脂固形分80%)を得た。
【0057】製造例2(ブロックポリイソシアネート硬化剤の合成) 製造例1と同様のフラスコに、2,5−および2,6−
ビス(イソシアナトメチル)−ビシクロ[2.2.1]
ヘプタン(三井東圧社製、イソシアネート当量103)
723部、MIBK333部およびジブチルスズジラウ
レート0.01部を仕込んだ。得られた反応混合物を7
0℃まで昇温し、その反応混合物が均一に溶解した後、
メチルエチルケトオキシム610部を2時間かけて滴下
した。滴下終了後、反応温度を70℃に保持したまま、
IRスペクトルの測定において、イソシアネート基に基
づく吸収が消失するまで反応を継続させて、メチルエチ
ルケトオキシムブロックポリイソシアネート硬化剤を得
た。(樹脂固形分80%)
【0058】製造例3(4級アンモニウム基を有する顔
料分散樹脂ワニスの製造) 適当な反応容器に、ジメチルエタノールアミン87.2
部、75%乳酸水溶液117.6部及びエチレングリコ
ールモノブチルエーテル39.2部を順次加え、65℃
で約半時間攪拌して、4級化剤を調製した。
【0059】一方、エポン829(シェル・ケミカル・
カンパニー社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂;エポ
キシ当量193〜203)710.0部とビスフェノー
ルA289.6部を適当な反応容器に仕込み、窒素雰囲
気下、150〜160℃に加熱した。その反応混合物を
150〜160℃で約1時間反応させ、次いで120℃
に冷却した後、製造例3の中で調整された2−エチルヘ
キサノールハーフブロック化IPDI(MIBK溶液)
498.8部を加えた。
【0060】反応混合物を110〜120℃に約1時間
保ち、次いでエチレングリコールモノブチルエーテル6
95.1部とポリアルキレンオキサイド化合物(三洋化
成社製、商品名BPE−60,Rがエチレン基でm+n
が約6)695.1部とからなる溶媒1390.2部を
加え、混合物を85〜95℃に冷却し、均一化した後、
上記で調整した4級化剤196.7部を添加した。酸価
が1となるまで反応混合物を85〜95℃に保持した
後、脱イオン水37.0部を加えて、4級アンモニウム
基を有する顔料分散樹脂ワニスを得た。(樹脂固形分5
0%)また、ポリアルキレンオキサイド化合物は、上記
顔料分散樹脂ワニスを得る際に使用した全溶媒量中の4
6重量%を占めた。これは、その樹脂ワニス中に、その
ポリアルキレンオキサイド化合物を22重量%含有して
いることになる。
【0061】製造例4(1級アミノ基を有する顔料分散
用樹脂ワニスの製造) 攪拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した
反応容器に、イソホロンジイソシアネート(以下、IP
DIという)222.0部を入れ、MIBK39.1部
で希釈した後、ジブチルスズラウレート0.2部を加え
た。その後、50℃に昇温した後、2−エチルヘキサノ
ール131.5部を攪拌しながら、乾燥窒素雰囲気中で
2時間かけて滴下した。適宜、冷却することにより、反
応温度を50℃に維持した。その結果、2−エチルヘキ
サノールハーフブロック化IPDIが得られた。
【0062】次いで、エピコート828(油化シェルエ
ポキシ社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ
当量182〜194)376.0部、ビスフェノールA
114.0部およびオクチル酸28.8部を、攪拌装
置、冷却管、窒素導入管および温度計を装備した反応容
器に仕込んだ。反応混合物を窒素雰囲気中で130℃に
加熱し、ジメチルベンジルアミン0.15部を添加し
て、発熱反応のもと170℃で1時間反応させることに
より、エポキシ当量649のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂を得た。次いで、140℃に冷却した後、上記で
調製した2−エチルヘキサノールハーフブロック化IP
DI396.8部を加え、140℃に1時間保持して反
応させた。次に、エチレングリコールモノブチルエーテ
ル323.2部を加えて希釈した後、その反応混合物を
100℃に冷却した。次いで、アミノエチルエタノール
アミンのメチルイソブチルモノケチミン化物の78.8
%MIBK溶液188.8部を加えた。この混合物を1
10℃で1時間保温した後、90℃まで冷却し、イオン
交換水360.0部を加えて、更に30分間攪拌を継続
することにより、エポキシ樹脂中のケチミン化部分を1
級アミノ基に転化した。この混合物から過剰の水とMI
BKを減圧下で除去した後、ブチルセロソルブ252.
3部、ポリアルキレンオキサイド化合物(三洋化成社
製、商品名BPE−60,Rがエチレン基でm+nが約
6)323.5部で希釈して、1級アミノ基を有する顔
料分散用樹脂ワニスを得た。(樹脂固形分50%)ま
た、ポリアルキレンオキサイド化合物は、上記顔料分散
樹脂ワニスを得る際に使用した全溶媒量中の36重量%
を占めた。これは、その樹脂ワニス中に、そのポリアル
キレンオキサイド化合物を17重量%含有していること
になる。
【0063】製造例5(スルホニウム基を有する顔料分
散樹脂ワニスの製造) 適当な反応容器に、エポキシ当量188のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂(ダウ・ケミカル・カンパニー社
製)382.2部とビスフェノールA117.8部を仕
込み、窒素雰囲気下、150〜160℃に加熱した。そ
の反応混合物を150〜160℃で約1時間反応させ、
次いで120℃に冷却した後、製造例3の中で調整され
た2−エチルヘキサノールハーフブロック化IPDI
(MIBK溶液)209.8部を加えた。140〜15
0℃で1時間反応させた後、製造例3で用いたものと同
じポリアルキレンオキサイド化合物205部を加え、6
0〜65℃に冷却した。そこへ、1−(2−ヒドロキシ
エチルチオ)−2−プロパノール408.0部、脱イオ
ン水144.0部、ジメチロールプロピオン酸134部
を加え、酸価が1となるまで65〜75℃で反応させ、
エポキシ樹脂に3級スルホニウム基を導入し、脱イオン
水1595.2部を加えて3級化を終了させることによ
り、3級スルホニウム基を含有する顔料分散樹脂ワニス
を得た。(固形分30%)また、ポリアルキレンオキサ
イド化合物は、上記顔料分散樹脂ワニスを得る際に使用
した溶媒そのものとなった。これは、その樹脂ワニス中
に、そのポリアルキレンオキサイド化合物を6.4重量
%含有していることになる。
【0064】製造例6(顔料分散樹脂の製造) 製造例3における、ポリアルキレンオキサイド化合物を
エチレングリコールモノブチルエーテルに変更した以外
は、製造例3と同様にして顔料分散樹脂ワニスを製造し
た。
【0065】製造例7(顔料分散ペーストの製造) サンドグラインドミルに、製造例3で得られた顔料分散
樹脂ワニスを固形分で60部、カーボンブラック2.0
部、カオリン100.0部、二酸化チタン80.0部、
リンモリブデン酸アルミニウム18.0部及びイオン交
換水221.7部を入れ、粒度10μm以下になるまで
分散し、製造例3を用いて得られた顔料分散ペーストを
得た。
【0066】製造例8〜10(顔料分散ペーストの製
造) 製造例4〜6で得られた顔料分散樹脂ワニスを用いて、
添加するイオン交換水を各々、152.7部(製造例
8)、33.3部(製造例9)、221.7部(製造例
10)とした以外は、製造例7と同様にして、顔料分散
ペーストを製造した。
【0067】実施例1 製造例1のアミン変性エポキシ樹脂と製造例2のブロッ
クポリイソシアネート硬化剤を固形分配合比75:25
で均一に混合した後、エチレングリコールモノ−2−エ
チルヘキシルエーテルを固形分に対して3%になるよう
に添加した。これに氷酢酸を加えて中和率43.0%と
なるように中和し、更にイオン交換水を加えてゆっくり
希釈した。固形分が36.0%となるように減圧化でM
IBKを除去することにより、メインエマルションを得
た.このメインエマルション1500.0部および製造
例3で得た顔料分散樹脂ワニスを用いて製造例7により
得た顔料分散ペースト541.7部をイオン交換水19
49.3部及びジブチルスズオキサイド9.0部と混合
して、固形分20.0%のカチオン電着塗料を調整し
た。ポリアルキレンオキサイド化合物の含有量は3.3
%であった。
【0068】実施例2、3および比較例 使用した顔料分散樹脂ワニスを表1に示したものに変更
し、実施例1と同様にして、表1で示した配合によりカ
チオン電着塗料を調整した。
【0069】
【表1】
【0070】<電着塗膜の評価>上記実施例及び比較例
で得られたカチオン電着塗料を、リン酸亜鉛処理鋼板に
対して、焼付後の膜厚が20μmになるような電圧で電
着塗装し、160℃15分間焼付をおこなった。得られ
た塗膜外観を観察すると、実施例1〜3および比較例の
いずれのカチオン電着塗料の場合も外観およびフロー性
は良好であった。
【0071】実験結果からわかるように、本発明の顔料
分散樹脂ワニスの製造方法により、エポキシ樹脂のオニ
ウム化時において又はオニウム化反応終了後において、
溶媒として従来から用いられていたエチレングリコール
モノブチルエーテルを、上記ポリアルキレンオキサイド
化合物に一部又は全部を置換しても、その電着塗膜の外
観が低下することはなかった。すなわち、電着塗膜の外
観を損なうことなく、カチオン電着塗料中の揮発性の溶
剤成分であるエチレングリコールモノブチルエーテルの
量を低下させることができた。
【0072】
【発明の効果】顔料分散樹脂ワニスの製造方法におい
て、溶媒として、上記ポリアルキレンオキサイド化合物
を含有するものを用いると、電着塗膜の外観を低下させ
ることなく、塗料中の揮発成分の含有量を低下させるこ
とができた。即ち上記溶媒として従来より用いられてき
た、ブチルセロソルブやエチルセロソルブ等の揮発性の
セロソルブ系の溶剤を上記ポリアルキレンオキサイド化
合物に置換することができるので、カチオン電着塗料組
成物に含まれる有害大気汚染物質の量を大幅に減少させ
ることができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 筒井 啓介 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 白川 信介 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 (72)発明者 山田 光夫 大阪府寝屋川市池田中町19番17号 日本ペ イント株式会社内 Fターム(参考) 4J038 DB061 DB391 DB401 DB481 DF022 GA09 GA13 GA14 HA026 HA216 HA246 HA286 HA416 HA446 HA456 HA526 HA536 HA546 JA28 KA06 KA08 MA10 NA01 NA27 PA04

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン電着塗料に用いる顔料分散用樹脂
    ワニスの製造方法において、下記式で示されるポリアル
    キレンオキサイド化合物を含有する溶媒を用いて、アミ
    ノ基、ホスホニウム基又はスルホニウム基を有するカチ
    オン性エポキシ樹脂組成物から得られた樹脂ワニスを製
    造することを特徴とする顔料分散樹脂ワニスの製造方
    法。 【化1】 (ここで、Rはエチレン基又はプロピレン基、Phはフ
    ェニレン基、n,mはともに1以上の数である。)
  2. 【請求項2】前記溶媒を、エポキシ樹脂にアミン、ホス
    フィン又はスルフィドを反応させて得られた前記カチオ
    ン性エポキシ樹脂組成物に加えることを特徴とする請求
    項1記載の顔料分散樹脂ワニスの製造方法。
  3. 【請求項3】前記溶媒を、エポキシ樹脂にアミン、ホス
    フィン又はスルフィドを反応させて、前記カチオン性エ
    ポキシ樹脂組成物を製造するときの反応溶媒として用い
    ることを特徴とする請求項1記載の顔料分散樹脂ワニス
    の製造方法。
  4. 【請求項4】前記エポキシ樹脂がウレタン変性エポキシ
    樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の顔料分散
    樹脂ワニスの製造方法。
  5. 【請求項5】前記ポリアルキレンオキサイド化合物の式
    において、Rがエチレン基、nとmとの合計が2以上2
    0未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の顔料分
    散樹脂ワニスの製造方法。
  6. 【請求項6】前記溶媒中の、前記ポリアルキレンオキサ
    イド化合物の含有量が、5〜100重量%である、請求
    項1〜5のいずれかに記載の顔料分散樹脂ワニスの製造
    方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載された製造
    方法によって得られたカチオン電着塗料用顔料分散樹脂
    ワニス。
  8. 【請求項8】請求項7記載の顔料分散樹脂ワニス中の前
    記ポリアルキレンオキサイド化合物の含有量が、1〜5
    0重量%であるカチオン電着塗料用顔料分散樹脂ワニ
    ス。
  9. 【請求項9】請求項7又は8記載の顔料分散樹脂ワニス
    を含有するカチオン電着塗料組成物において、前記ポリ
    アルキレンオキサイド化合物の含有量が、0.1〜2.
    0重量%である、カチオン電着塗料組成物。
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