JP3425203B2 - 電着塗料用顔料分散樹脂組成物およびこれを含有する顔料分散ペースト - Google Patents

電着塗料用顔料分散樹脂組成物およびこれを含有する顔料分散ペースト

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電着塗料に顔料分散剤
として好適に用いうるカチオン性樹脂組成物およびこれ
を含有する顔料分散ペーストに関する。
【0002】
【従来の技術】電着塗装は水性塗料を槽中に満たし同じ
浴中にある被塗物体に塗料成分を電気泳動させ、被塗面
に電気析出させることで塗装を行う方法である。この塗
装法は自動車車体の防食塗装を主な用途としており、産
業上重要である。
【0003】一般に、電着塗料には顔料および顔料分散
剤が含有される。顔料を塗料に導入する際には、予め、
顔料を高濃度で水性媒体に分散させた顔料分散ペースト
を中間組成物として用いる。この顔料分散ペーストに十
分な保存安定性を付与するために分散剤が用いられるの
である。この分散剤には、顔料分散ペーストの分散安定
性を増大させる特性と共に、顔料分散ペーストを水性媒
体で希釈することにより電着塗料とした場合に、この塗
料を長期間安定に保つ性能が要求される。近年では電着
塗料用顔料分散剤にはカチオン性樹脂が一般に用いられ
ている。
【0004】カチオン性樹脂の中でも、スルホニウム基
含有樹脂は他に比べて腐食抑制機能が優れていることが
知られている。しかし、カチオン性樹脂は、塩基性顔料
である酸化チタンや塩基性ケイ酸鉛を分散した場合、静
電的反発力が生じるため分散安定性が劣るという問題点
を有している。
【0005】これに対し、特開昭60-161464号には、カ
チオン化アクリル共重合体製造のためのモノマーの一部
に不飽和カルボン酸を用いたものが開示されている。ま
た、特願平4-33141号には、カルボキシル基を樹脂に導
入することにより、優れた顔料安定性が得られることが
開示されている。
【0006】しかしながら、顔料分散樹脂としてアクリ
ル樹脂を用いた場合には、電着で一般に用いられる主樹
脂のカチオン化エポキシ樹脂との相溶性に劣るため、こ
の樹脂で顔料分散したものを電着塗料に導入すると、得
られる塗膜の耐食性に不具合が生じるという問題点を有
している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の問
題を解決するものであり、その目的とするところは、種
々の顔料およびその混合系において分散安定性に優れた
顔料分散ペースト、および防食性に優れる塗膜を提供し
うる保存安定性に優れた電着塗料、を与えることができ
る電着塗料用顔料分散樹脂および顔料分散樹脂組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ビスフェノー
ルA型、ビスフェノールF型およびビスフェノールS型の
エポキシ樹脂からなる群から選択されるエポキシ当量15
0〜2000の少なくとも1種のエポキシ樹脂とハーフブロ
ック化ジイソシアネートとを反応させて得られる変性エ
ポキシ樹脂に、炭素数1〜20の一塩基酸および炭素数10
以下の水酸基含有二塩基酸の存在下で、式 R1−S−R2 [式中、R1およびR2は同一でも異なっていてもよい、炭
素数2から12のアルキル基、ヒドロキシアルキル基また
はヒドロキシアルキレン基である。]で示すスルフィド
を反応させて得られるカチオン性樹脂を含有する電着塗
料用顔料分散樹脂組成物を提供するものであり、そのこ
とにより上記目的が達成される。
【0009】本発明に用いうるエポキシ樹脂は、1分子
中に平均1個以上の1,2-エポキシ基を有するいわゆるポ
リエポキシドである。これらのエポキシ樹脂のエポキシ
当量は好ましくは150〜2000であり、さらに好ましくは4
00〜1500である。エポキシ当量が150を下回ると、電着
時に造膜できず塗膜を得ることができない。また、エポ
キシ当量が2000を上回ると1分子あたりのカチオン基の
量が不足し、十分な水溶性を得ることができない。
【0010】このようなエポキシ樹脂としては、ポリフ
ェノールのポリグリシジルエーテルが挙げられる。この
ポリフェノールのポリグリシジルエーテルは、ポリフェ
ノールとエピクロルヒドリンまたはジクロルヒドリンと
をアルカリ存在下で反応させることによって得られる。
ポリフェノールの例としては、ビスフェノールA、ビス
フェノールF、ビスフェノールSおよびその類似物が挙げ
られる。
【0011】変性エポキシ樹脂を得るために上述のエポ
キシ樹脂と反応させるハーフブロック化ジイソシアネー
トは、ポリイソシアネートと活性水素を有する化合物と
を反応させることによって得られる。この反応は、必要
に応じてスズ系触媒の存在下で、撹拌下、活性水素含有
化合物を滴下しながら40〜50℃に冷却することにより行
うことが好ましい。ポリイソシアネートと活性水素含有
化合物との反応割合は、生成したハーフブロック化ジイ
ソシアネート1分子中のイソシアネート残基が1.0〜0.5
モル当量、好ましくは、0.99〜0.88モル当量となるよう
に、化学量論計算により、活性水素化合物の割合を定め
ることができる。イソシアネート残基が1.0モル当量を
上回るとエポキシ樹脂との反応時にゲル化する可能性が
生じる。0.5モル当量を下回るとエポキシ樹脂と反応せ
ずに残存する全ブロック化イソシアネートが増加し、水
溶性を阻害するので好ましくない。
【0012】用いうるポリイソシアネートは、1分子に
平均で2個以上のイソシアネート基を有するものであれ
ば特に限定されない。代表的な例としては、トリメチレ
ンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、
1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシ
アネート、1,3-ブチレンジイソシアネート、エチリジン
ジイソシアネートおよびブチリデンジイソシアネートの
ような脂肪族ジイソシアネート;1,3-シクロペンタンジ
イソシアネート、1,4-シクロジイソシアネート、ヘキサ
ンジイソシアネート、1,2-シクロヘキサンジイソシアネ
ートのような脂環式ジイソシアネート;m-フェニレンジ
イソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4'
-ジフェニルジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソ
シアネートおよび1,4-ジナフタレンジイソシアネートの
ような芳香族ジイソシアネート;4,4'-ジフェニレンメ
タンジイソシアネート、2,4-または2,6-トリレンジイソ
シアネート、もしくはその混合物、4,4'-トルイジンジ
イソシアネートおよび1,4-キシリレンジイソシアネート
化合物のような脂肪族-芳香族ジイソシアネート;ジア
ニシジンイソシアネート、4,4'-ジフェニルエーテルジ
イソシアネートおよびクロロジフェニレンジイソシアネ
ートのような核置換ジイソシアネート;トリフェニルメ
タン-4,4',4''-トリイソシアネート、1,3,5-トリイソシ
アネートトルエンのようなトリイソシアネート;4,4'-
ジフェニルジメチルメタン-2,2',5,5'-テトライソシア
ネートのようなテトライソシアネート;およびトリレン
ジイソシアネート二量体および三量体のような重合ポリ
イソシアネート等が挙げられる。
【0013】本発明で用いるポリイソシアネートは、部
分的ブロッキング反応にとって有利となるような、1分
子中に異なる反応性を持つイソシアネート基を有するこ
とが好ましい。
【0014】ハーフブロック化ジイソシアネートを調製
するために用いられる活性水素化合物としては、炭素数
1〜20のアルコールまたはアミンまたはカルボン酸また
はオキシムまたはカプロラクタムなどが挙げられる。
【0015】アルコールとしては脂肪族アルコール、脂
環式アルコール、フェノール類が挙げられる。具体的に
は、脂肪族アルコールとして、メタノール、エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、アミルアルコール、ヘ
キシルアルコール、2-エチルヘキシルアルコール、ヘプ
チルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコー
ル、3,3,5-トリメチルヘキサノール、デシルアルコー
ル、ラウリルアルコール、ステアリルアルコール、エチ
レングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコー
ルモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチル
エーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、
ジエチレングリコールモノメチルエーテル、、ジエチレ
ングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール
などが、脂環式アルコールとして、シクロヘキサノール
などが、フェノール類として、フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、クロロフェノール、エチルフェノー
ルなどが挙げられる。
【0016】アミンとしては、例えば、キシリジン、ア
ニリン、ブチルアミン、ジブチルアミンなどが挙げられ
る。カルボン酸としては、例えば、蟻酸、酢酸、プロピ
オン酸、オクチル酸、ステアリン酸などが挙げられる。
オキシムとしては、例えば、ホルムアミドキシム、アセ
トアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトキシ
ム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム
などが挙げられる。ラクタムとしては、例えば、ε-カ
プロラクタム、δ-バレロラクタム、γ-ブチロラクタ
ム、β-プロピオラクタムなどが挙げられる。
【0017】上述のエポキシ樹脂とハーフブロック化ジ
イソシアネートとを反応させることにより、変性エポキ
シ樹脂が得られる。反応は、通常の方法により行われる
が、140℃程度の温度で、エポキシ樹脂とハーフブロッ
ク化ジイソシアネートとの反応割合が官能基当量比で
1:2〜1:1となる量で行うことが望ましい。
【0018】このようにして得られた変性エポキシ樹脂
とスルフィドとを、脱イオン水中に入れ、一塩基酸およ
び水酸基含有二塩基酸の存在下で混合撹拌して反応させ
ることにより、本発明のカチオン性樹脂が得られる。
【0019】反応は、反応温度50〜80℃、好ましくは60
〜75℃で行うことが望ましい。好ましい反応比率は、ス
ルフィドは変性エポキシ樹脂のエポキシ基に対して1〜
5当量、水酸基含有二塩基酸はエポキシに対して0.1〜
0.2当量、一塩基酸は1〜1.1当量である。これらの範囲
以外では、目的とする顔料分散性に劣る可能性がある。
【0020】この反応において親水性基であるスルホニ
ウム基および酸基が導入されて本発明のカチオン性樹脂
に親水性が付与され、特に酸基が導入されることによ
り、本発明のカチオン性樹脂に塩基性顔料との相互作用
が発現するものと考えられる。
【0021】スルフィドとしては、エポキシ基と反応
し、かつ妨害基を含まないものであれば特に限定されな
いが、好ましくは、式 R1−S−R2 [式中、R1およびR2は上記と同意義である。]で示すス
ルフィドが挙げられる。具体的には、例えば、ジエチル
スルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルスルフィ
ド、ジヘキシルスルフィド、ジフェニルスルフィド、エ
チルフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフィド、
ペンタメチレンスルフィド、チオジエタノール、チオジ
プロパノール、チオジブタノール、1−(2−ヒドロキ
シエチルチオ)-2,3-プロパンジオール、1-(2-ヒドロキ
シエチルチオ)-2-プロパノール、1-(2-ヒドロキシエチ
ルチオ)-2-ブタノール、1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-3
-ブトキシ-1-プロパノールなどであり、さらに好ましく
は、1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3-プロパンジオー
ル、1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2-プロパノール、1-
(2-ヒドロキシエチルチオ)-2-ブタノール、1-(2-ヒドロ
キシエチルチオ)-3-ブトキシ-1-プロパノールである。
【0022】上記スルフィドは市販されているものの購
入およびチオールにエポキシ化合物を反応させることに
よって得ることができる。例えば、1-(2-ヒドロキシエ
チルチオ)-2,3-プロパンジオールは、2-メルカプトエタ
ノールとグリシドールの反応で、1-(2-ヒドロキシエチ
ルチオ)-2-ブタノールは、2-メルカプトエタノールと1,
2-ブチレンオキサイドの反応で、1-(2-ヒドロキシエチ
ルチオ)-3-ブトキシ-1-プロパノールは、2-メルカプト
エタノールとブチルグリシジルエーテルの反応で、当業
者に周知の手法により得ることができる。
【0023】本発明のカチオン性樹脂に酸基を導入する
ために用いる水酸基含有二塩基酸は、10個以下、特に4
個以下の炭素を有するものが好ましい。炭素数が10を上
回ると酸性度が低くなり十分な分散安定性が得られな
い。具体的には酒石酸、リンゴ酸などが挙げられるが、
酒石酸が好ましい。コハク酸、アジピン酸、フタル酸な
どの水酸基を持たない二塩基酸では、得られるカチオン
性樹脂に良好な顔料分散性が付与されない。
【0024】また、一塩基酸としては、スルホニウムの
対アニオンに成り得るとして当業者に知られているもの
であれば特に限定されない。具体的には、蟻酸、乳酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、ジメチロールプロピオン
酸、N-アセチルグリシン、N-アセチル-β-アラニンなど
が好ましい。
【0025】上記反応により、好ましくは、1分子中に
2〜100の酸価および500〜2000の3級スルホニウム基当
量および100〜40000のブロック化イソシアネート基当量
を有し、一塩基酸を対アニオンとする樹脂が得られる。
この場合に、副反応として一塩基酸がエポキシ基と反応
した樹脂が含まれうるが、上記範囲の官能基当量を有す
る樹脂であれば特に問題はない。
【0026】酸価が上記の範囲外の場合には良好な分散
安定性が得られない。スルホニウム基当量が2000を上回
ると耐食性が低下し、30を下回ると分散性が低下する。
ブロック化イソシアネート基当量が40000を上回ると水
分散安定性が低下し、100を下回ると顔料分散安定性が
低下する。なお、本発明における3級スルホニウム基当
量は、スルホニウム基を1g当量含む樹脂のg重量で表わ
される。
【0027】しかし、上記の副反応をできるだけ少なく
するために、水酸基含有二塩基酸の第一酸解離定数pKa
1は一塩基酸の酸解離定数pKaより小さいことが好まし
い。この条件を満たす例として、酒石酸(pKa1=2.8)と
ジメチロールプロピオン酸(pKa=4.4)との組合せ、およ
び酒石酸(pKa1=2.8)とN-アセチル-β-アラニン(pKa=4.
6)との組合せ等が挙げられる。
【0028】本発明のカチオン性樹脂は、その他のカチ
オン化エポキシ樹脂と共に使用することができる。その
他のカチオン化エポキシ樹脂としては、エポキシ当量15
0〜1000のエポキシ樹脂から誘導された、有機酸で中和
した窒素原子を含む塩基性基、またはカルボン酸イオン
を対アニオンとしたスルホニウム基を1分子に1個以上
含む、スルホニウム基当量400〜2000のカチオン化エポ
キシ樹脂が挙げられる。窒素原子を含む塩基性基として
は、1〜3級アミノ基、イミダゾール基、オキサゾリジ
ン基などが挙げられる。このカチオン化樹脂は、本発明
のカチオン性樹脂に対して重量比で2〜20倍含まれるこ
とが望ましく、混合により得られた組成物の酸価は3〜
10であることが好ましい。
【0029】このようにして得られる本発明の顔料分散
樹脂または電着塗料用顔料分散樹脂組成物と顔料を用い
て、その重量比が1:0.05〜1:10、好ましくは1:0.
1〜1:5の割合で当業者に周知の方法により、電着塗
料用顔料分散ペーストを調製することができる。
【0030】顔料としては、通常使用されるものであれ
ば特に限定されず、例えば酸化鉄、クロム酸ストロンチ
ウム、カーボンブラック、二酸化チタン、タルク、硫酸
バリウム、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、ク
ロミックイエロー、リンモリブデン酸アルミ、リンモリ
ブデン酸亜鉛、塩基性ケイ酸鉛およびこれらの組み合わ
せなどが挙げられる。
【0031】また、得られた顔料ペーストを脱イオン水
およびカチオン性樹脂と混合し、さらに補助剤として、
樹脂、溶媒、酸化防止剤、界面活性剤および電着工程に
用いられる他の補助剤のような当業者に周知の添加剤を
加えることによって電着塗料が得られる。
【0032】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限定されない。尚、特に断ら
ない限り「部」は重量基準である。
【0033】調製例1 ポリウレタン架橋剤の調製 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備え付け
た反応容器に、ヘキサメチレンジイソシアヌレート199.
1部を入れ、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略
す)31.6部で希釈した後、ジブチルスズジラウレート0.2
部を加えた。50℃に昇温後、メチルエチルケトオキシム
87部を撹拌しながら乾燥窒素雰囲気中で滴下し、反応温
度を50℃に維持した。赤外吸収スペクトルによりイソシ
アネート基が消失するまで70℃に保ち、その後MIBK35.8
部、n-ブタノール4.0部で希釈してポリウレタン架橋剤
を得た。
【0034】調製例2 アミノ化エポキシ樹脂の調製 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備え付け
た反応容器に、エピコート1001(油化シェルエポキシ社
製、エポキシ当量475のビスフェノールA型エポキシ樹
脂)99.8部、エピコート1004(油化シェルエポキシ社製、
エポキシ当量950のビスフェノールA型エポキシ樹脂)85
0.2部、ノニルフェノール55部、MIBK193.3部およびベン
ジルジメチルアミン4.5gを加え、140℃で4時間反応
し、エポキシ当量1175を有する樹脂を得た。ここにエチ
レングリコールn-ヘキシルエーテル69.1部、2-アミノエ
チルエタノールアミンのMIBKケチミン化物のMIBK溶液
(固形分78重量%)35.4部、N-メチルエタノールアミン2
6.5部およびジエタノールアミン37.1部を加えた。これ
を120℃で2時間反応させ、目的とする樹脂を得た。
【0035】調製例3 1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3-プロパンジオールの
調製 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備え付け
た反応容器に2-メルカプトエタノール78.1部を入れ、MI
BK159.6部で希釈した後、ジメチルベンジルアミン0.41
部を加え、50℃に昇温後、グリシドール81.5部を撹拌下
乾燥窒素雰囲気中、3時間かけて滴下した。反応容器は
冷却し、50℃に維持した。滴下終了2時間後、赤外吸収
スペクトルでで-SHのピーク(2540cm-1)とグリシジル基
のピーク(910cm-1)が消失しているのを確認した。ま
た、反応物は、メルカプト臭はしなかった。その後、MI
BKを減圧除去した後、粘稠な液体である1-(2-ヒドロキ
シエチルチオ)-2,3-プロパンジオールを得た。収量は、
仕込量の90%であった。
【0036】実施例1 ハーフブロック化ジイソシアネートの調製 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器にイソホ
ロンジイソシアネート(以下、IPDIと略す)222.2部を入
れ、メチルイソブチルケトン(以下、MIBKと略す)39.1部
で希釈した後にジブチルスズジラウレート0.2部を加え
た。50℃に昇温後、2-エチルヘキサノール131.5部を撹
拌しながら乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて滴下反応さ
せた。反応温度を50℃に維持し、2-エチルヘキサノール
ハーフブロック化IPDI(固形分90%)を得た。
【0037】変性エポキシ樹脂および顔料分散樹脂の調
製 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器にエポン
828(シェル化学社製エポキシ樹脂、エポキシ当量:190)
376.0部およびビスフェノールA96.9部を仕込み、窒素雰
囲気下130℃まで加熱し、ベンジルジメチルアミン0.75
部を添加し、170℃で約1時間反応させることにより、
エポキシ当量411のビスフェノール型エポキシ樹脂を得
た。次いで、140℃まで冷却した後、上で調製した2-エ
チルヘキサノールハーフブロック化IPDI228.3部(固形分
量205.5部)を加え反応させた。
【0038】これを140℃に1時間保った後、ジプロピ
レングリコールモノブチルエーテル255.6部を加えて希
釈した後に、反応混合物を100℃に冷却し、調製例3で
得られた1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3-プロパンジ
オール568.2部(固形分量189.4部)、酒石酸15.0部、ジメ
チロールプロピオン酸140.7部および脱イオン水144.0部
を加えた。これを70〜75℃で酸価8.0になるまで反応さ
せ、3級スルホニウム化率82%の樹脂を得た。これをジ
プロピレングリコールモノブチルエーテル221.5部で希
釈し、顔料分散樹脂を得た(樹脂固形分50%)。
【0039】実施例2 実施例1で1-(2-ヒドロキシエチルチオ)-2,3-プロパン
ジオールに代えてSHP-100(1-(2-ヒドロキシエチルチオ)
-2-プロパノール、三洋化成製)408.0部(固形分量136.0
部)を用い、また、ジプロピレングリコールモノブチル
エーテルを207.2部と323.4部用いるほかは、同様の操作
を行い、顔料分散樹脂を得た。
【0040】実施例3 実施例1で酒石酸に代えてリンゴ酸13.4部を用い、ま
た、最後に加えるジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルを220.0部用いるほかは、同様の操作を行い、顔
料分散樹脂を得た。
【0041】比較例1 水酸基を持たない二塩基酸を用いた顔料分散樹脂の調製
1 実施例1で酒石酸に代えてテレフタル酸16.6部を用い、
また、最後に加えるジプロピレングリコールモノブチル
エーテルを223.2部用いるほかは、同様の操作を行い、
顔料分散樹脂を得た。
【0042】比較例2 水酸基を持たない二塩基酸を用いた顔料分散樹脂の調製
2 実施例1で酒石酸に代えてアジピン酸14.6部を用い、ま
た、最後に加えるジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルを221.2部用いるほかは、同様の操作を行い、顔
料分散樹脂を得た。
【0043】比較例3 水酸基を持たない二塩基酸を用いた顔料分散樹脂の調製
3 実施例1で酒石酸に代えてコハク酸11.8部を用い、ま
た、最後に加えるジプロピレングリコールモノブチルエ
ーテルを218.4部用いるほかは、同様の操作を行い、顔
料分散樹脂を得た。
【0044】比較例4 二塩基酸を用いない顔料分散樹脂の合成1 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器にエポン
828の376.0部、ビスフェノールA114.0部を仕込み、窒素
雰囲気下130℃まで加熱した。ここに、ベンジルジメチ
ルアミン0.75部を添加し、170℃で約1時間反応させる
ことによりエポキシ当量490のビスフェノールA型エポキ
シ樹脂を得た。次いで140℃まで冷却した後、2-エチル
ヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソシアネ
ート198.4部(固形分量178.6部)を加え、140℃で1時間
保った。
【0045】こうして得られたエポキシ樹脂にジプロピ
レングリコールモノブチルエーテル161.8部を加えて希
釈後、100℃に冷却し、2,2'-チオビス(エタノール)366.
0部(固形分量122.1部)、ジメチロールプロピオン酸134.
0部および脱イオン水144.0部を加えた。この混合物を70
〜75℃で酸価3.0になるまで反応させ、3級スルホニウ
ム化率72%の樹脂を得た。次いでジプロピレングリコー
ルモノブチルエーテル353.5部で希釈して顔料分散樹脂
を得た(樹脂固形分50%)。
【0046】比較例5 二塩基酸を用いない顔料分散樹脂の合成2 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器にエポン
828の533.2部、ビスフェノールA199.6部、ノニルフェノ
ール19.2部を仕込み、窒素雰囲気下107℃まで加熱し、
ビスフェノールAを溶解させた。ついで、ヨウ化エチル
トリフェニルホスホニウム0.75部を添加し、125℃で加
熱した。反応混合物を75℃に冷却し、プロピレングリコ
ールモノブチルエーテル201.6部、2,2'-チオビス(エタ
ノール)122.1部、ジメチロールプロピオン酸134.1部お
よび脱イオン水30.6部を加えた。これを70〜75℃で酸価
3.0以下になるまで反応させた。次いで固形分量が30%
になるまで水で希釈して、顔料分散樹脂を得た。
【0047】比較例6 4級化剤の調製 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器にトリレ
ンジイソシアネート(以下、TDIと略す)174.0部を入れ、
MIBK33.9部で希釈した後にジブチルスズジラウレート0.
2部を加えた。50℃に昇温後、2-エチルヘキサノール13
1.5部を撹拌しながら乾燥窒素雰囲気中で2時間かけて
滴下反応させた。反応温度を50℃に維持し、2-エチルヘ
キサノールハーフブロック化TDIを得た。この2-エチル
ヘキサノールハーフブロック化TDI320.0部(固形分量30
4.0部)をジメチルエタノールアミン87.2部に室温で加え
たところ、発熱が認められた。これを80℃で1時間撹拌
した後、75%乳酸水溶液117.6部(固形分量88.2部)を加
え、さらにエチレングリコールモノブチルエーテル39.2
部を加えた。反応混合物を65℃で約半時間撹拌し、4級
化剤を得た。
【0048】4級アンモニウム基を有する顔料分散樹脂
の調製 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器にエポン
828(油化シェル社製エポキシ当量190のビスフェノールA
型エポキシ樹脂)681.2部およびビスフェノールA289.6部
を仕込み、窒素雰囲気下150〜160℃で約1時間反応さ
せ、次いで120℃に冷却後、2-エチルヘキサノールハー
フブロック化TDI406.4部(固形分量386.1部)を加えた。
次いで85〜95℃に冷却し、均一化し、さらに上で調製し
た4級化剤496.3部(固形分量421.9部)および脱イオン水
71.2部を加えた。酸価が1以下になるまで反応混合物を
80〜85℃に保持し、エチレングリコールモノブチルエー
テル85.6部を加えて希釈し、顔料分散樹脂を得た。
【0049】以下の実施例4〜6および比較例7〜12で
は塩基性顔料を用いた場合の分散安定性を評価するた
め、カチオン電着塗料のpH領域で塩基性を示す二酸化チ
タンR-900P(デュポン社製)の分散ペーストを調製した。
【0050】実施例4 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製1 実施例1で調製した顔料分散樹脂30.0部(固形分15.0
部)、脱イオン水75.4部、二酸化チタンR-900P100.0部
を、サンドグラインドミルで分散し、粒度10μ以下まで
粉砕した顔料分散ペーストを調製した。この顔料分散ペ
ーストは、総固形分56.0%、樹脂固形分7.3%、顔料固
形分48.7%であった。
【0051】実施例5 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製2 実施例1の顔料分散樹脂に代えて実施例2の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0052】実施例6 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製3 実施例1の顔料分散樹脂に代えて実施例5の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0053】比較例7 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製4 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例1の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0054】比較例8 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製5 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例2の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0055】比較例9 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製6 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例3の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0056】比較例10 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製7 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例4の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0057】比較例11 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製8 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例5の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0058】比較例12 塩基性顔料を含む分散ペーストの調製9 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例6の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例4と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0059】実施例7 顔料分散ペーストの分散安定性の評価 実施例4〜6および比較例7〜12で調製した顔料分散ペ
ーストについて、40℃で2週間静置貯安した後の沈降状
態を観察することによって、顔料分散ペーストの分散安
定性を評価した。これらの評価結果を表1に示す。
【0060】
【表1】実施例番号 分散安定性1) 粘度変化2) 実施例4 ○ 2.0 実施例5 ○ 1.0 実施例6 △ 2.5 比較例7 △ 12.0 比較例8 △ 11.5 比較例9 △ 10.8 比較例10 ○ 20.0 比較例11 × 測定不能比較例12 ○ 5.5 1)40℃で2週間静置貯安した後、ペーストの沈降状態を
以下の評価基準で目視評価した。 ○:沈降なし △:ソフト沈降 ×:ハード沈降 2)40℃で2週間静置貯安した後のペーストの粘度変化、
単位Ku
【0061】実施例8 顔料分散ペーストの調製1 実施例1で調製した顔料分散樹脂30.0部(固形分15.
0部)、脱イオン水75.4部、二酸化チタンR-900P68.9部、
カオリン14.4部、リンモリブデン酸アルミ15.0部および
カーボンブラック1.7部を、サンドグラインドミルで分
散し、粒度10μ以下まで粉砕した顔料分散ペーストを調
製した。この顔料分散ペーストは、総固形分56.0%、樹
脂固形分7.3%、顔料固形分48.7%であった。
【0062】実施例9 顔料分散ペーストの調製2 実施例1の顔料分散樹脂に代えて実施例2の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0063】実施例10 顔料分散ペーストの調製3 実施例1の顔料分散樹脂に代えて実施例5の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0064】比較例13 顔料分散ペーストの調製4 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例1の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0065】比較例14 顔料分散ペーストの調製5 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例2の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0066】比較例15 顔料分散ペーストの調製6 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例3の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0067】比較例16 顔料分散ペーストの調製7 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例4の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0068】比較例17 顔料分散ペーストの調製8 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例5の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0069】比較例18 顔料分散ペーストの調製9 実施例1の顔料分散樹脂に代えて比較例6の顔料分散樹
脂を用いること以外は実施例6と同様にして、顔料分散
ペーストを調製した。
【0070】実施例9 顔料分散ペーストの分散安定性の評価 実施例6〜8および比較例4〜6で調製した顔料分散ペ
ーストについて、40℃で2週間静置貯安した後の沈降状
態を観察することによって、顔料分散ペーストの分散安
定性を評価した。これらの評価結果を表2に示す。
【0071】
【表2】実施例番号 分散安定性1) 粘度変化
2) 実施例8 ○
2.0 実施例9 ○ 1.5 実施例10 ○〜△ 4.0 比較例13 △ 8.0 比較例14 △ 9.0 比較例15 △ 10.0 比較例16 △ 6.0 比較例17 × 測定不能比較例18 △ 8.5 1)40℃で2週間静置貯安した後、ペーストの沈降状態を
以下の評価基準で目視評価した。 ○:沈降なし △:ソフト沈降 ×:ハード沈降 2)40℃で2週間静置貯安した後のペーストの粘度変化、
単位Ku
【0072】実施例11 カチオン電着塗料の調製1 調製例1で得られたポリウレタン架橋剤331.9部および
調製例2で得られたアミノ化エポキシ樹脂576.0部をn-
ヘキシルセロソルブ30.3部と混合し、氷酢酸12.3部で中
和した後、脱イオン水1067.0部でゆっくり希釈した。次
いで、これを固形分36.0%になるまで減圧下で有機溶媒
を除去した。ここへ実施例5で調製した顔料分散ペース
ト546.8部を加えて均一に混合し、脱イオン水2598.2部
を加えて固形分20.0%のカチオン電着塗料を得た。
【0073】実施例12 カチオン電着塗料の調製2 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを実施例9
で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にして
カチオン電着塗料を得た。
【0074】実施例13 カチオン電着塗料の調製3 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを実施例1
0で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にし
てカチオン電着塗料を得た。
【0075】比較例19 カチオン電着塗料の調製4 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを比較例13
で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にして
カチオン電着塗料を得た。
【0076】比較例20 カチオン電着塗料の調製5 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを比較例14
で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にして
カチオン電着塗料を得た。
【0077】比較例21 カチオン電着塗料の調製6 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを比較例15
で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にして
カチオン電着塗料を得た。
【0078】比較例22 カチオン電着塗料の調製7 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを比較例16
で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にして
カチオン電着塗料を得た。
【0079】比較例23 カチオン電着塗料の調製8 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを比較例17
で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にして
カチオン電着塗料を得た。
【0080】比較例24 カチオン電着塗料の調製9 顔料分散ペーストを実施例8で調製したものを比較例18
で調製したものに代えた以外は、実施例11と同様にして
カチオン電着塗料を得た。
【0081】実施例14 カチオン電着塗料の保存安定性の評価 実施例11〜13および比較例19〜24で得られたカチオン電
着塗料を、撹拌下40℃で4週間貯安した後の380メッシ
ュ網濾過性及び残渣量を評価することにより、保存安定
性を評価した。結果を表3に示す。
【0082】カチオン電着塗料の耐塩水防食性の評価 上記各カチオン電着塗料を冷延鋼板(リン酸亜鉛処理な
し)に、10μの膜厚で電着を行い、160℃で10分焼付けた
後にクロスカットを入れ、次いで塩水噴霧試験(SST)を1
20時間行った。この試験後の試料に幅2.4cmの粘着テー
プ(ニチバン社製、商品名「セロテープ」)を指で確実に貼
りつけた後に急激に粘着テープを剥離し、鋼板からの塗
膜の剥離幅を測定することにより、電着塗料の耐塩水防
食性を評価した。結果を表3に示す。
【0083】
【表3】 実施例番号 保存安定性1) 耐塩水防食性2) 実施例11 ○(3mg) ○ 実施例12 ○(2mg) ○ 実施例13 ○(5mg) ○ 比較例19 △(48mg) ○ 比較例20 △(35mg) ○ 比較例21 △(36mg) ○ 比較例22 ○(7mg) ○ 比較例23 △(100mg以上) ○ 比較例24 ○(18mg) × 1)電着塗料を撹拌下40℃で4週間貯安した後の380メッ
シュ網濾過性及び残渣量で、以下の基準により塗料の保
存安定性を評価した。括弧内は濾過残渣量を示す。 ○:良く通る △:通りづらい ×:つまって通らない 2)耐塩水防食性の評価基準 ○:剥離幅2mm未満 △:剥離幅2〜3mm ×:剥離幅
3mm以上
【0084】
【発明の効果】本発明の顔料分散樹脂は、エポキシ樹脂
に酸基を導入することにより、顔料の分散性および主樹
脂のカチオン化エポキシ樹脂との相溶性が向上した。こ
の顔料分散樹脂を用いることにより、分散安定性に優れ
た顔料ペースト、保存安定性に優れ、防食性に優れる塗
膜を得ることができる電着塗料が得られた。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−128351(JP,A) 特開 昭49−99337(JP,A) 特開 昭53−86735(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/14 C09D 5/44,7/12,17/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビスフェノールA型、ビスフェノールF型
    およびビスフェノールS型のエポキシ樹脂からなる群か
    ら選択されるエポキシ当量150〜2000の少なくとも1種
    のエポキシ樹脂とハーフブロック化ジイソシアネートと
    を反応させて得られる変性エポキシ樹脂に、一塩基酸お
    よび水酸基含有二塩基酸の存在下で、式 R1−S−R2 [式中、R1およびR2は同一でも異なっていてもよい、炭
    素数2から12のアルキル基、ヒドロキシアルキル基また
    はヒドロキシアルキレン基である。]で示すスルフィド
    を反応させて得られるカチオン性樹脂を含有する電着塗
    料用顔料分散樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記カチオン性樹脂が2〜100の酸価お
    よび500〜2000の3級スルホニウム基当量を有する請求
    項1記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 有機酸で中和された窒素原子を含む塩基
    性基またはカルボン酸イオンを対アニオンとするスルホ
    ニウム基を1分子に1個以上有するカチオン化されたエ
    ポキシ樹脂を、請求項1記載のカチオン性樹脂に対して
    重量比で2〜20倍の量でさらに含有する請求項1記載の
    樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のカチオン性樹脂を顔料の
    重量に対して0.05〜10の割合で含有する電着塗料用顔料
    分散ペースト。
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