JPH0995641A - 電着塗料用顔料分散ペーストおよび電着塗料組成物 - Google Patents

電着塗料用顔料分散ペーストおよび電着塗料組成物

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JPH0995641A
JPH0995641A JP7276910A JP27691095A JPH0995641A JP H0995641 A JPH0995641 A JP H0995641A JP 7276910 A JP7276910 A JP 7276910A JP 27691095 A JP27691095 A JP 27691095A JP H0995641 A JPH0995641 A JP H0995641A
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pigment
kaolin
parts
electrodeposition coating
resin
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JP7276910A
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English (en)
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Hiroyuki Kageyama
洋行 景山
Toshikatsu Kobayashi
敏勝 小林
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カオリンを含む電着塗料用顔料分散ペースト
に関し、安価にかつ電着塗膜に悪影響を与えないように
しながら、顔料の分散安定性を高める。 【解決手段】 電着塗料用顔料分散ペーストは、カオリ
ンを含む顔料成分と、顔料成分を分散させるためのカチ
オン性水溶性樹脂と、水性媒体とを含んでいる。ここで
用いられるカオリンは、酸性度パラメーターが−3〜
0.8μmol/m2 であり、かつ顔料成分中に少なく
とも10重量%含まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、顔料分散ペースト
および電着塗料、特に、電着塗料用顔料分散ペーストお
よびそのような顔料分散ペーストを用いた電着塗料に関
する。
【0002】
【従来の技術とその課題】電着塗料は、一般に、電着膜
形成性カチオン性樹脂、顔料成分、水性媒体および界面
活性剤などの各種添加剤を含んでいる。このような電着
塗料に含まれる顔料成分は、通常、着色顔料、防錆顔料
および体質顔料を主に含んでいる。このうち、体質顔料
の一部には、電着膜の防錆性、耐はじき性を高めるた
め、また、電着塗料の価格の低減を目的とする増量材と
して、カオリンが用いられている。このような目的の下
で用いられるカオリンは、当該目的をよりよく達成する
ために含有量が増加する傾向にある。
【0003】ところで、電着塗料に含まれる顔料成分
は、通常、予め高濃度で水性媒体中に分散させた顔料分
散ペーストを作成した上で電着塗料中に添加して混合さ
れている。顔料分散ペーストは、一般に、上述の顔料成
分と、顔料成分を効率よく安定に分散させるための顔料
分散剤と、水性媒体とを主に含んでいる。顔料分散剤と
しては、通常、水溶性樹脂を用いる場合が多いが、この
ような顔料分散ペーストは、上述のようにカオリンの含
有量が増加すると、分散安定性が低下する。顔料分散ペ
ーストの分散安定性が低下すると、それを含む電着塗料
の安定性も低下するため、電着浴の管理が複雑になり、
また、平滑性および防錆性などの点において電着塗膜の
品質が低下する場合もある。
【0004】このため、カオリンを多量に含む顔料分散
ペーストの分散安定性を改善するための検討が種々なさ
れている。一般に、このような顔料分散ペーストの分散
安定性を高めるためには、顔料成分を分散させるための
顔料分散剤を多量に用いる必要がある。また、当該顔料
分散剤として、顔料分散性を高めることができる特殊な
ものが用いられる場合もある(例えば、特開平3−14
9269号、特開平6−9920号)。
【0005】ところが、顔料分散剤を多量に用いること
により、或いは特殊な顔料分散剤を用いることにより顔
料分散ペーストの分散安定性を高めた場合は、当該分散
剤成分が電着塗膜の防錆性などに悪影響を与える場合が
多い。また、樹脂成分の調整により分散安定性が改善さ
れた顔料分散ペーストは、一般に高価であり、実用性に
乏しい。
【0006】本発明の目的は、カオリンを含む電着塗料
用顔料分散ペーストに関し、安価にかつ電着塗膜に悪影
響を与えないようにしながら、顔料の分散安定性を高め
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】本発明に係る電着塗料用顔料分散ペースト
は、カオリンを含む顔料成分と、顔料成分を分散させる
ためのカチオン性水溶性樹脂と、水性媒体とを含んでい
る。ここで用いられるカオリンは、酸性度パラメーター
が−3〜0.8μmol/m2 であり、かつ顔料成分中
に少なくとも10重量%含まれている。
【0009】なお、この顔料分散ペーストにおいて、顔
料成分とカチオン性水溶性樹脂との重量比は、例えば、
0.05:1〜50:1に設定されている。
【0010】また、ここで用いられるカオリンは、例え
ば、PO4 3- 、SO4 2- およびCl- の溶出イオン量の
合計が50ppm以下である。
【0011】また、本発明に係る電着塗料は、電着膜形
成性カチオン性樹脂と、顔料分散ペーストと、電着膜形
成性カチオン性樹脂の硬化剤とを含んでいる。ここで、
顔料分散ペーストは、カオリンを含む顔料成分、顔料成
分を分散させるためのカチオン性水溶性樹脂および水性
媒体を含み、カオリンは、酸性度パラメーターが−3〜
0.8μmol/m2 でありかつ顔料成分中に少なくと
も10重量%含まれている。
【0012】
【発明の実施の形態】顔料成分 本発明で用いられる顔料成分は、着色顔料、体質顔料お
よび防錆顔料などを含んでいる。着色顔料は、電着塗膜
に所定の色を付与するための成分であり、例えば、カー
ボンブラック、チタン白、鉛白、弁柄などが例示でき
る。
【0013】また、体質顔料は、電着塗料に必要な特性
などを付与するための成分であり、例えば、カオリン、
酸化アンチモン、酸化亜鉛、塩基性炭酸鉛、塩基性硫酸
鉛、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、アルミニウムシリ
カ、炭酸マグネシウム、マグネシウムシリカおよびタル
クなどが例示できる。
【0014】上述の体質顔料のうち、本発明では、酸性
度パラメーターが−3〜0.8μmol/m2 、好まし
くは−2〜0.5μmol/m2 のカオリンが必須成分
として顔料成分に含まれている。カオリンの酸性度パラ
メーターが0.8μmol/m2 を超える場合は、カオ
リンの酸性度パラメーターが大きいため、多量の樹脂が
吸着し、しかも、その吸着した樹脂は水和安定化が損な
われるため、分散安定性が低下して粘度上昇や凝固など
が生じる場合がある。逆に、−3μmol/m2 未満の
場合は、酸性度パラメーターが小さく、塩基性となるこ
とから、樹脂とカオリンとの間に反発力が働き、カオリ
ンへの樹脂の吸着が生じなくなる。このため、カオリン
の分散安定性が低下し、粘度上昇や凝集などを引き起こ
すおそれがある。
【0015】なお、カオリンの酸性度パラメーターは、
カオリンの酸量と塩基量との差(酸量−塩基量)で示さ
れる。なお、カオリンの酸量および塩基量は、下記のよ
うにして求めることができる。
【0016】(酸量)カオリン5gと、ピリジンのN/
100メチルイソブチルケトン溶液50mlとを三角フ
ラスコに加えて密栓し、20℃で撹拌分散する。これを
24時間放置し、分散液を遠心分離して上澄み液を10
ml採取する。この上澄み液をメチルイソブチルケトン
50mlで希釈し、これをN/100過塩素酸を用いて
逆滴定する。これにより消費されたピリジンの量を求
め、この値をカオリンの単位面積当たりに換算し、酸量
とする。
【0017】(塩基量)カオリン5gと、酢酸のN/1
00メチルイソブチルケトン溶液50mlとを三角フラ
スコに加えて密栓し、20℃で撹拌分散する。これを2
4時間放置し、分散液を遠心分離して上澄み液を10m
l採取する。この上澄み液をメチルイソブチルケトン/
メタノールの容量比が3/2の混合液50mlで希釈
し、これをN/100カリウムメトキシドを用いて逆滴
定する。これにより消費された酢酸の量を求め、この値
をカオリンの単位面積当たりに換算し、塩基量とする。
【0018】なお、本発明では、市販の焼成カオリンか
ら上述の要件を満たすものを選択して用いることができ
る。
【0019】さらに、防錆顔料は、電着塗膜の防錆性を
高めるための成分であり、本発明で用いられる顔料成分
には必要に応じて添加される。なお、防錆顔料として
は、例えば、クロム酸ストロンチウム、クロム酸鉛、鉛
丹、塩基性ケイ酸鉛、リン酸鉛、トリポリリン酸鉛、シ
アナミド鉛、亜酸化鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモ
リブデン酸アルミなどが挙げられる。
【0020】本発明で用いられる上述の顔料成分は、上
述のカオリンを少なくとも10重量%(10〜100重
量%)、好ましくは40〜60重量%含んでいる。カオ
リンの含有量が10重量%未満の場合は、電着膜の防錆
性の低下やはじき性の低下が生じる場合があり、また、
電着膜が高価になる。
【0021】なお、上述の顔料成分に含まれるカオリン
は、上述の酸性度パラメーターの条件を満たしかつPO
4 3- 、SO4 2- およびCl- の溶出イオン量の合計が5
0ppm以下のものがより好ましい。このようなカオリ
ンを用いると、カオリンに対する樹脂の吸着が適度にな
り、なおかつその吸着した樹脂層の水和安定化が充分保
持されるため、初期の分散性も良好で経時的な増粘、凝
集がおこりにくく、分散安定性がより良好な顔料分散ペ
ーストが得られる。なお、ここでの溶出イオン量は、例
えば次のような方法により求めたPO4 3- 、SO4 2-
よびCl- のそれぞれの溶出イオン量の合計値である。
【0022】先ず、カオリン5gに精製水100mlを
加え、50℃で1時間加温する。そして、これを遠心分
離器にかけて上澄み液を採取する。PO4 3- は、この上
澄み液にモリブデン酸アンモニウム溶液を加えて発色さ
せて定量する。また、SO4 2- は、この上澄み液に塩化
バリウム溶液を加えて比濁法により定量する。さらに、
Cl- は、この上澄み液に硫酸第2鉄アンモニウム溶液
とチオシアン酸第2水銀溶液とを加え、発色させて定量
する。なお、溶出イオン量は、他の方法により求めるこ
ともできる。
【0023】カチオン性水溶性樹脂 本発明で用いられるカチオン性水溶性樹脂は、カチオン
化された水溶性のエポキシ樹脂やアクリル樹脂である。
特に、カチオン化エポキシ樹脂が好ましい。
【0024】カチオン化エポキシ樹脂としては、例え
ば、エポキシ樹脂にカチオン化剤を用いて3級スルホニ
ウム基を導入したもの、4級アンモニウム基を導入した
ものまたは1〜3級アミノ基を導入したものが用いられ
る。
【0025】このようなカチオン化エポキシ樹脂を調製
するために用いられるエポキシ樹脂としては、1分子中
に平均1個以上の1,2−エポキシ基を有する所謂ポリ
エポキシド樹脂が挙げられる。このようなエポキシ樹脂
のエポキシ当量は、150〜2,000が好ましく、4
00〜1,500がより好ましい。エポキシ当量が15
0未満の場合は、電着時に造膜されにくく、電着塗膜を
得ることができない場合がある。逆に、2,000を超
える場合は、1分子当たりのカチオン基の量が不足し、
十分な水溶性を得ることができない場合がある。
【0026】また、このようなエポキシ樹脂の数平均分
子量は、300〜10,000が好ましく、800〜
5,000がより好ましい。数平均分子量が10,00
0を超えると、粘度が高まり過ぎて分散不良が起こる場
合がある。逆に、300未満の場合は、電着塗膜の耐食
性が低下する場合がある。
【0027】上述のエポキシ樹脂の具体例としては、ポ
リフェノールのポリグリシジルエーテルおよび1,2−
エポキシ基をペンダント基として有するアクリル重合体
が挙げられる。ここで、ポリフェノールのポリグリシジ
ルエーテルは、一般に、ポリフェノールとエピクロルヒ
ドリンまたはジクロルヒドリンとをアルカリ存在下で反
応させることにより得られる。ポリフェノールの具体例
としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2,2−
プロパン、4,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−エタンおよびそ
の類似物などが挙げられる。一方、1,2−エポキシ基
をペンダント基として有するアクリル重合体は、一般
に、1,2−エポキシ基を有するアクリルモノマー、例
えば、グリシジルメタクリレートなどを単独または他の
アクリルモノマーと共重合することによって得ることが
できる。
【0028】エポキシ樹脂に3級スルホニウム基を導入
する場合、カチオン化剤としては、通常、スルフィドが
用いられる。スルフィドとしては、エポキシ基と反応
し、かつ妨害基を含まないものであれば特に限定されな
いが、好ましくは、下記の式で示されるものが用いられ
る。
【0029】R1−S−R2
【0030】なお、式中、R1 およびR2 は、炭素数が
2〜12個のアルキル基、ヒドロキシアルキル基または
ヒドロキシアルキレン基である。なお、R1 およびR2
は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよ
い。このようなスルフィドの具体例としては、ジエチル
スルフィド、ジプロピルスルフィド、ジブチルスルフィ
ド、ジヘキシルスルフィド、ジフェニルスルフィド、エ
チルフェニルスルフィド、テトラメチレンスルフィド、
ペンタメチレンスルフィド、チオジエタノール、チオジ
プロパノール、チオジブタノール、1−(2−ヒドロキ
シエチルチオ)−2,3−メタンジオール、1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−2,3−エタンジオール、1
−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−プロパンジ
オール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2,3−
ブタンジオール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−
2−プロパノール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)
−2−ブタノール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)
−3−ブトキシ−1−プロパノール、2,2’−チオビ
ス(2,3−プロパンジオール)などが挙げられる。こ
のうち、特に好ましいものは、1−(2−ヒドロキシエ
チルチオ)−2,3−プロパンジオール、1−(2−ヒ
ドロキシエチルチオ)−2−プロパノール、1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−2−ブタノール、1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−3−ブトキシ−1−プロパノ
ールである。
【0031】上述のスルフィドは、市販品の購入、また
はチオールにエポキシ化合物を反応させることにより得
ることができる。例えば、1−(2−ヒドロキシエチル
チオ)−2,3−プロパンジオールは2−メルカプトエ
タノールとグリシドールとの反応により、また、1−
(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ブタノールは、2
−メルカプトエタノールと1,2−ブチレンオキサイド
との反応により、さらに、1−(2−ヒドロキシエチル
チオ)−3−ブトキシ−1−プロパノールは、2−メル
カプトエタノールとブチルグリシジルエーテルとの反応
により、それぞれ当業者に周知の方法により得ることが
できる。
【0032】上述のスルフィドによりエポキシ樹脂に3
級スルホニウム基を導入する際には、エポキシ樹脂とス
ルフィドとを反応させる。この反応は、一般に、反応温
度を50〜80℃、好ましくは60〜75℃に設定し、
エポキシ樹脂、スルフィド、酸および脱イオン水を混合
撹拌することにより行われる。ここでは、スルフィドの
使用量をエポキシ樹脂のエポキシ基に対して1〜4当量
に設定し、酸の使用量をエポキシ樹脂のエポキシ基に対
して同当量に設定するのが好ましい。なお、この反応で
用いることができる酸は、スルホニウムの対アニオンと
なり得るものである。具体的には、蟻酸、乳酸、酢酸、
プロピオン酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸、ホウ
酸、リン酸、塩酸、硫酸、N−アセチルグリシン、N−
アセチル−β−アラニンなどが挙げられる。ただし、無
機酸を用いると、電着塗膜の耐食性低下につながるハロ
ゲン化合物が混入するおそれがあるため、蟻酸、乳酸、
酢酸、プロピオン酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸
のようなカルボン酸を用いるのが好ましい。
【0033】上述の反応により3級スルホニウム基が導
入されたエポキシ樹脂は、30〜500、特に50〜1
50の3級スルホニウム価を有するのが好ましい。3級
スルホニウム価が30未満の場合は、顔料分散ペースト
の分散性が低下する場合がある。逆に、500を超える
と、電着塗膜の耐食性が低下する場合がある。なお、3
級スルホニウム価は、樹脂100g中のスルホニウム基
のミリ当量で表される。
【0034】一方、エポキシ樹脂に4級アンモニウム
基、または1〜3級アミノ基を導入する場合、カチオン
化剤としては、1級アミン、2級アミン、3級アミンの
酸塩が用いられる。具体的には、ブチルアミン、オクチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、メチルブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、N−メチルエタノールアミン、トリエチルアミン酸
塩、N,N−ジメチルエタノールアミン酸塩、およびア
ミノ1級アミンをブロックした2級アミンなどが用いら
れる。なお、これらのアミン類は、2種以上が併用され
てもよい。
【0035】このようなアミン類を用いてエポキシ樹脂
に4級アンモニウム基または1〜3級アミノ基を導入す
る際には、アミン類をエポキシ樹脂のエポキシ基とほぼ
当量用いてエポキシ樹脂と反応させる。そして、この反
応後、生成物を酸を用いて中和する。酸としては、蟻
酸、乳酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ジメチロールプ
ロピオン酸、N−アセチルグリシン、N−アセチル−β
−アラニンなどが用いられる。
【0036】このようにして4級アンモニウム基などが
導入されたエポキシ樹脂のアミン当量は、0.3〜4.
0meq/gが好ましい。アミン当量が0.3meq/
g未満の場合は、乳化および水溶化が困難になり、4.
0meq/gを超えると、電着塗膜の耐水性が不十分に
なる場合がある。
【0037】上述のようにしてカチオン化されたエポキ
シ樹脂は、ハーフブロック化ジイソシアネートと反応さ
せることにより変性されてもよい。このような変性エポ
キシ樹脂を得るためのハーフブロック化ジイソシアネー
トは、ポリイソシアネートと活性水素含有化合物とを反
応させることにより得られる。この反応は、必要に応じ
てスズ触媒の存在下において、撹拌下で活性水素含有化
合物を滴下しながら40〜50℃に冷却することにより
行うのが好ましい。ポリイソシアネートと活性水素含有
化合物との反応では、生成したハーフブロック化ジイソ
シアネート1分子中のイソシアネート残基が1.0〜
0.5モル当量、好ましくは0.99〜0.88モル当
量となるように、化学量論計算により活性水素含有化合
物の反応割合を設定するのが好ましい。なお、ハーフブ
ロック化ジイソシアネート1分子中のイソシアネート残
基が1.0モル当量を超えると、エポキシ樹脂との反応
時にゲル化する可能性がある。逆に、0.5モル当量未
満の場合は、エポキシ樹脂と反応せずに残存する全ブロ
ック化イソシアネートが増加し、水溶性を阻害する場合
がある。
【0038】このようなハーフブロック化ジイソシアネ
ートを製造する際に用いられるポリイソシアネートは、
1分子に平均で2個以上のイソシアネート基を有するも
のであれば、特に限定されない。具体的には、トリメチ
レンジイソシアネート,テトラメチレンジイソシアネー
ト,ペンタメチレンジイソシアネート,ヘキサメチレン
ジイソシアネート,1,2−プロピレンジイソシアネー
ト,1,2−ブチレンジイソシアネート,2,3−ブチ
レンジイソシアネート,1,3−ブチレンジイソシアネ
ート,エチリジンジイソシアネートおよびブチリデンジ
イソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート、1,3
−シクロペンタンジイソシアネート,1,4−シクロジ
イソシアネート,ヘキサンジイソシアネート,1,2−
シクロヘキサンジイソシアネートのような脂環式ジイソ
シアネート、m−フェニレンジイソシアネート,p−フ
ェニレンジイソシアネート,4,4−ジフェニルジイソ
シアネート,1,5−ナフタレンジイソシアネートおよ
び1,4−ジナフタレンジイソシアネートのような芳香
族ジイソシアネート、4,4’−ジフェニレンメタンジ
イソシアネート,2,4−または2,6−トリレンジイ
ソシアネートもしくはその混合物,4,4’−トルイジ
ンジイソシアネートおよび1,4−キシリレンジイソシ
アネート化合物のような脂肪族−芳香族ジイソシアネー
ト、ジアニシジンジイソシアネート,4,4’−ジフェ
ニルエーテルジイソシアネートおよびクロロジフェニレ
ンジイソシアネートのような核置換ジイソシアネート、
トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシア
ネート,1,3,5−トリイソシアネートトルエンのよ
うなトリイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチ
ルメタン−2,2’,5,5’−テトライソシアネート
のようなテトライソシアネート、およびトリレンジイソ
シアネート二量体および三量体のような重合ポリイソシ
アネートなどが例示できる。
【0039】なお、上述のポリイソシアネートは、部分
的ブロッキング反応にとって有利となるような、1分子
中に異なる反応性を持つイソシアネート基を有するのが
好ましい。
【0040】一方、ハーフブロック化ジイソシアネート
を製造する際に用いられる活性水素含有化合物として
は、例えば、炭素数が1〜20個のアルコール、アミ
ン、カルボン酸、オキシムまたはカプロラクタムなどが
挙げられる。このうち、アルコールとしては、メタノー
ル,エタノール,プロパノール,ブタノール,アミルア
ルコール,ヘキシルアルコール,2−エチルヘキシルア
ルコール,ヘプチルアルコール,オクチルアルコール,
ノニルアルコール,3,3,5−トリメチルヘキサノー
ル,デシルアルコール,ラウリルアルコール,ステアリ
ルアルコール,エチレングリコールモノメチルエーテ
ル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレン
グリコールモノブチルエーテル,プロピレングリコール
モノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチル
エーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,
ベンジルアルコールなどの脂肪族アルコール類、シクロ
ヘキサノールなどの脂環式アルコール類、フェノール,
クレゾール,キシレノール,クロロフェノール,エチル
フェノールなどのフェノール類が挙げられる。
【0041】また、アミンとしては、キシリジン、アニ
リン、ブチルアミン、ジブチルアミンなどが例示でき
る。カルボン酸としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、
オクチル酸、ステアリン酸などが例示できる。オキシム
としては、ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、
アセトキシム、メチルエチルケトキシム、ジアセチルモ
ノオキシム、シクロヘキサンオキシムなどが例示でき
る。さらに、ラクタムとしては、ε−カプロラクタム、
δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピ
オラクタムなどが例示できる。
【0042】上述のハーフブロック化ジイソシアネート
によりエポキシ樹脂を変性する場合は、エポキシ樹脂と
ハーフブロック化ジイソシアネートとの反応割合が官能
基当量比で1:2〜1:1となるように設定して140
℃程度の温度で両者を反応させるのが好ましい。
【0043】水性媒体 本発明で用いられる水性媒体は、上述の顔料成分とカチ
オン性水溶性樹脂とを分散させるための成分である。水
性媒体としては、通常、水が用いられるが、ブチルセロ
ソルブ、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルな
どの有機溶媒を若干含む水を用いることもできる。
【0044】その他の添加剤 本発明の顔料分散ペーストは、上述の必須成分の他に、
顔料分散ペーストに通常用いられる各種添加剤を含んで
いてもよい。このような添加剤としては、酸化防止剤、
界面活性剤、可塑剤、抗クレーター剤などが例示でき
る。
【0045】混合割合 本発明の顔料分散ペーストでは、顔料成分(A)とカチ
オン性水溶性樹脂(B)との混合割合(A:B)を、重
量比で0.05:1〜50:1に設定するのが好まし
く、0.1:1〜20:1に設定するのがより好まし
い。顔料成分の割合が0.05未満の場合は、樹脂成分
による粘度が著しく上昇し、分散が困難になる。さら
に、通常の電着膜を形成させるためには、多量の顔料分
散ペーストを使用する必要があるため、電着膜の防錆性
が低下するなどの問題が生じることがある。逆に、顔料
成分が50を超えると、分散効率が著しく低下し、分散
が困難になる。あるいは、それを回避して分散すること
ができても、電着塗料の凝集、沈殿が生じ、実用上の問
題が生じる。
【0046】また、水性媒体の混合量は、顔料分散ペー
ストの全重量の10〜90重量%に設定するのが好まし
く、20〜60重量%に設定するのがより好ましい。水
性媒体の混合量が10重量%未満の場合は、分散ペース
トの粘度が上昇し、流動性の低下が著しく問題となる。
逆に、90重量%を超えると、不揮発分濃度(NV)が
低下し、分散効率が著しく低下したり、製造工程で顔料
の沈降が生じるなどの問題がある。さらに、顔料分散ペ
ーストが高価になり、実用的ではない。
【0047】なお、本発明の顔料分散ペーストの不揮発
分濃度(NV)は、通常、20〜70重量%、より一般
的には50〜60重量%である。このようなNV値は、
任意に設定することができる。
【0048】本発明の顔料分散ペーストは、上述の各種
成分をボールミル、サンドグラインドミル或いは連続分
散機などの通常の分散機を用いて均一に混合分散するこ
とにより製造することができる。
【0049】本発明の顔料分散ペーストは、顔料成分が
上述のようなカオリンを含んでいるため、カオリンへの
樹脂の吸着が適度になり、かつ吸着した樹脂の水和安定
性が充分保持され、粒子間の相互作用が低減するので、
カチオン性水溶性樹脂の使用量を少なく設定した場合や
カオリン含有量が高い場合でも、分散安定性が良好であ
る。
【0050】電着塗料組成物 本発明の電着塗料組成物は、電着膜形成性カチオン性樹
脂と、上述の顔料分散ペーストと、電着膜形成性カチオ
ン性樹脂の硬化剤とを主に含んでいる。
【0051】ここで用いられる電着膜形成性カチオン性
樹脂は、特に限定されるものではなく、カチオン電着塗
料に通常用いられる公知のカチオン性樹脂、例えば、ポ
リアミン樹脂を酸で中和することにより水性化したもの
である。また、この電着塗料で用いられる硬化剤は、特
に限定されるものではなく、上述の電着膜形成性カチオ
ン性樹脂の架橋剤となり得る公知のもの、例えば、ブロ
ックイソシアネート化合物である。
【0052】本発明の電着塗料組成物は、上述の電着膜
形成性カチオン性樹脂、本発明の顔料分散ペースト、上
述の硬化剤および脱イオン水を混合すると得られる。な
お、この電着塗料組成物には、他の樹脂、溶媒、酸化防
止剤、界面活性剤および電着工程で通常用いられる他の
補助剤などの当業者に周知の添加剤が必要に応じて添加
されてもよい。
【0053】本発明の電着塗料組成物は、顔料分散ペー
ストとして分散安定性が良好な上述のものを利用してい
るので、分散安定性が良好である。このため、この電着
塗料組成物は、電着塗装時の電着浴の管理が容易であ
り、かつ平滑な塗膜を容易に形成することができる。ま
た、分散安定性が良好な上述の顔料分散ペーストには、
多量のカオリンを含有させることができるので、高防錆
性の電着塗膜を形成することができる。
【0054】
【実施例】以下の実施例において、「部」は「重量部」
を示す。製造例1(3級スルホニウム基を有する顔料分散樹脂の
製造) 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器を用意
し、これにイソホロンジイソシアネート222.2部を
加えた。このイソホロンジイソシアネートをメチルイソ
ブチルケトン39.1部により希釈し、さらにジブチル
スズジラウレート0.2部を添加した。これを50℃に
昇温し、乾燥窒素雰囲気中で2−エチルヘキサノール1
31.5部を撹拌しながら2時間かけて滴下して反応さ
せた。さらに反応温度を50℃に維持したところ、2−
エチルヘキサノールハーフブロック化イソホロンジイソ
シアネート(固形分=90%)が得られた。
【0055】次に、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備え
た反応容器を用意し、これにエポン828(シェル化学
株式会社製のエポキシ樹脂:エポキシ当量=190)3
51.6部およびビスフェノールA99.2部を仕込ん
だ。これを窒素雰囲気下で130℃まで加熱し、ベンジ
ルジメチルアミン1.41部を添加して170℃で約1
時間反応させた。これにより、エポキシ当量が450の
ビスフェノール型エポキシ樹脂が得られた。
【0056】この反応系を140℃まで冷却し、これに
対して先に製造した2−エチルヘキサノールハーフブロ
ック化イソホロンジイソシアネート218.3部を加え
て反応させた。これを140℃に1時間保った後、ジプ
ロピレングリコールモノブチルエーテル172.3部を
加えて希釈した。その後、反応生成物を100℃に冷却
し、SHP−100(三洋化成株式会社製の1−(2−
ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノール)408.
0部(固形分量=136.0部)、ジメチロールプロピ
オン酸134.0部および脱イオン水144.0部を加
えた。これを酸価が3.0以下になるまで70〜75℃
で反応させ、3級スルホニウム化率が70.6%の樹脂
を得た。これを、さらにジプロピレングリコールモノブ
チルエーテル324.8部で希釈し、次いで脱イオン水
1208.4部で希釈し、目的とする3級スルホニウム
基を有する顔料分散用樹脂を得た(樹脂固形分=30
%)。
【0057】製造例2(4級アンモニウム基を有する顔
料分散用樹脂の製造) 撹拌機、窒素導入管、冷却管を備えた反応容器を用意
し、これにトリレンジイソシアネート174.0部を仕
込んだ。これに、メチルイソブチルケトン33.9部を
加えて希釈し、さらにジブチルスズジラウレート0.2
部を加えた。これを50℃に昇温し、乾燥窒素雰囲気下
で2−エチルヘキサノール131.5部を撹拌しながら
2時間かけて滴下し反応させた。反応温度を50℃に維
持し、2−エチルヘキサノールハーフブロック化トリレ
ンジイソシアネートを得た。
【0058】この2−エチルヘキサノールハーフブロッ
ク化トリレンジイソシアネート320.0部(固形分量
=304.0部)をジメチルエタノールアミン87.2
部に室温で加えたところ、発熱が認められた。これを8
0℃で1時間撹拌した後、75%乳酸水溶液117.6
部(固形分量=88.2部)を加え、さらにエチレング
リコールモノブチルエーテル39.2部を加えた。反応
混合物を65℃で約半時間撹拌し、4級化剤を得た。
【0059】次に、撹拌機、窒素導入管、冷却管を備え
た反応容器を用意し、これにエポン828(シェル化学
株式会社製のエポキシ樹脂:エポキシ当量=190)6
81.2部およびビスフェノールA289.6部を仕込
んだ。これを窒素雰囲気下、150〜160℃で約1時
間反応させ、その後120℃に冷却して2−エチルヘキ
サノールハーフブロック化トリレンジイソシアネート4
06.4部(固形分量=386.1部)を加えた。さら
に、85〜95℃に冷却して均一化し、これに、先に製
造した4級化剤496.3部(固形分量=421.9
部)および脱イオン水71.2部を加えた。酸価が1以
下になるまで反応混合物を80〜85℃に保持し、エチ
レングリコールモノブチルエーテル85.6部を加えて
希釈した。これにより、目的とする4級アンモニウム基
を有する顔料分散用樹脂を得た。
【0060】製造例3(ポリウレタン架橋剤の製造) 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反
応容器を用意し、これにヘキサメチレンジイソシアヌレ
ート199.1部を仕込んだ。これにメチルイソブチル
ケトン31.6部を加えて希釈し、ジブチルスズジラウ
レート0.2部を加えた。これを50℃に昇温した後、
メチルエチルケトオキシム87部を撹拌しながら乾燥窒
素雰囲気中で滴下し、反応温度を50℃に維持した。赤
外線吸収スペクトルにおけるイソシアネート基の吸収ピ
ークが消失するまで70℃に保ち、その後、メチルイソ
ブチルケトン35.8部およびn−ブタノール4.0部
を加えて希釈し、ポリウレタン架橋剤を得た。
【0061】製造例4(アミノ化エポキシ樹脂の製造) 撹拌装置、冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反
応容器を用意し、これにエピコート1001(油化シェ
ルエポキシ株式会社製のビスフェノールA型エポキシ樹
脂:エポキシ当量=475)99.8部、エピコート1
004(油化シェルエポキシ株式会社製のビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂:エポキシ当量=950)850.
2部、ノニルフェノール55部、メチルイソブチルケト
ン193.3部およびベンジルジメチルアミン4.5g
を加えた。これを140℃で4時間反応し、エポキシ当
量が1175の樹脂を得た。
【0062】この樹脂に、エチレングリコールn−ヘキ
シルエーテル69.1部、2−アミノエチルエタノール
アミンのメチルイソブチルケトンケチミン化物のメチル
イソブチルケトン溶液(固形分=78重量%)35.4
部、N−メチルエタノールアミン26.5部およびジエ
タノールアミン37.1部を加えた。これを120℃で
2時間反応させ、目的とするアミノ化エポキシ樹脂を得
た。
【0063】実施例1(顔料分散ペーストの製造) 下記の成分を卓上型サンドグラインドミルにより分散
し、粒度が5μmまで粉砕された顔料分散ペーストを製
造した。この顔料分散ペーストは、総固形分が57.0
%、樹脂固形分が9.5%、顔料固形分が47.5%、
および全顔料中におけるカオリン分が40%であった。
【0064】 製造例1の顔料分散用樹脂 66.7部 脱イオン水 43.8部 カーボンブラック 2.0部 カオリン 40.0部 二酸化チタン 58.0部
【0065】なお、カオリンとしては、平均粒径が0.
6μm、比表面積が11.8m2 /g、酸量が0.85
μmol/m2 、塩基量が1.50μmol/m2 、お
よび酸性度パラメーターが−0.65μmol/m2
ものを用いた。
【0066】実施例2(顔料分散ペーストの製造) 実施例1において、カーボンブラックを1.3部、カオ
リンを60.0部、および二酸化チタンを38.7部に
変更し、かつ全顔料中におけるカオリン分を60%とし
た点を除き、実施例1と同様にして顔料分散ペーストを
製造した。
【0067】実施例3(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が65.0%、樹脂固形分が10.8%、顔料
固形分が54.2%、および全顔料中におけるカオリン
分が40%になるよう、実施例1の成分を調整して、実
施例1と同様に顔料分散ペーストを製造した。
【0068】実施例4(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が65.0%、樹脂固形分が10.8%、顔料
固形分が54.2%、および全顔料中におけるカオリン
分が60%になるよう、実施例1の成分を調整して、実
施例1と同様に顔料分散ペーストを製造した。
【0069】実施例5(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が70.0%、樹脂固形分が6.4%、顔料固
形分が63.7%、および全顔料中におけるカオリン分
が50%になるよう、実施例1の成分を調整して、実施
例1と同様に顔料分散ペーストを製造した。
【0070】実施例6(顔料分散ペーストの製造) 下記の成分を卓上型サンドグラインドミルにより分散
し、粒度が5μmまで粉砕された顔料分散ペーストを製
造した。この顔料分散ペーストは、総固形分が56.0
%、樹脂固形分が9.3%、顔料固形分が46.7%、
および全顔料中におけるカオリン分が40%であった。
【0071】 製造例2の顔料分散用樹脂 40.8部 脱イオン水 73.4部 カーボンブラック 1.5部 カオリン 40.0部 二酸化チタン 52.5部 塩基性ケイ酸塩 6.0部
【0072】なお、カオリンとしては、実施例1で用い
たものと同様のものを用いた。
【0073】実施例7(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が60.0%、樹脂固形分が10.0%、顔料
固形分が50.0%、および全顔料中におけるカオリン
分が60%になるよう、実施例6の成分を調整して、実
施例6と同様に顔料分散ペーストを製造した。
【0074】実施例8(顔料分散ペーストの製造) 下記の成分を卓上型サンドグラインドミルにより分散
し、粒度が5μmまで粉砕された顔料分散ペーストを製
造した。この顔料分散ペーストは、総固形分が59.0
%、樹脂固形分が22.4%、顔料固形分が42.0
%、および全顔料中におけるカオリン分が88.6%で
あった。
【0075】 製造例1の顔料分散用樹脂 57.2部 脱イオン水 2.0部 カーボンブラック 4.9部 カオリン 38.0部
【0076】なお、カオリンとしては、実施例1で用い
たものと同様のものを用いた。
【0077】比較例1(顔料分散ペーストの製造) 下記の成分を卓上型サンドグラインドミルにより分散
し、粒度が5μmまで粉砕された顔料分散ペーストを製
造した。この顔料分散ペーストは、総固形分が57.0
%、樹脂固形分が9.5%、顔料固形分が47.5%、
および全顔料中におけるカオリン分が40.0%であっ
た。
【0078】 製造例1の顔料分散用樹脂 66.7部 脱イオン水 43.8部 カーボンブラック 2.0部 カオリン 40.0部 二酸化チタン 58.0部
【0079】なお、カオリンとしては、平均粒径が0.
7μm、比表面積が13.8m2 /g、酸量が1.58
μmol/m2 、塩基量が0.73μmol/m2 、酸
性度パラメーターが0.85μmol/m2 、PO
4 3- ,SO4 2- およびCl- イオンの溶出量の合計が4
00ppmのものを用いた。
【0080】比較例2(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が57.0%、樹脂固形分が9.5%、顔料固
形分が47.5%、および全顔料中におけるカオリン分
が60%になるよう、比較例1の成分を調整して、比較
例1と同様に顔料分散ペーストを製造した。
【0081】比較例3(顔料分散ペーストの製造) 下記の成分を卓上型サンドグラインドミルにより分散
し、粒度が5μmまで粉砕された顔料分散ペーストを製
造した。この顔料分散ペーストは、総固形分が56.0
%、樹脂固形分が9.3%、顔料固形分が46.7%、
および全顔料中におけるカオリン分が60.0%であっ
た。
【0082】 製造例2の顔料分散用樹脂 40.8部 脱イオン水 73.4部 カーボンブラック 0.9部 カオリン 60.0部 二酸化チタン 33.1部 塩基性ケイ酸鉛 6.0部
【0083】なお、カオリンとしては、比較例1で用い
たものと同様のものを用いた。
【0084】比較例4(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が54.0%、樹脂固形分が22.4%、顔料
固形分が42.0%、および全顔料中におけるカオリン
分が88.6%になるよう、実施例8の成分を調整し
て、実施例8と同様に顔料分散ペーストを製造した。な
お、カオリンとしては、比較例1で用いたものと同様の
ものを用いた。
【0085】比較例5(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が57.0%、樹脂固形分が9.5%、顔料固
形分が47.5%、および全顔料中におけるカオリン分
が40.0%になるよう、実施例1の成分を調整して、
実施例1と同様に顔料分散ペーストを製造した。
【0086】なお、カオリンとしては、平均粒径が0.
5μm、比表面積が13.3m2 /g、酸量が3.12
μmol/m2 、塩基量が1.11μmol/m2 、酸
性度パラメーターが2.01μmol/m2 、PO
4 3- ,SO4 2- およびCl- イオンの溶出量の合計が2
20ppmのものを用いた。
【0087】比較例6(顔料分散ペーストの製造) 総固形分が57.0%、樹脂固形分が9.5%、顔料固
形分が47.5%、および全顔料中におけるカオリン分
が40.0%になるよう、実施例1の成分を調整して、
実施例1と同様に顔料分散ペーストを製造した。
【0088】なお、カオリンとしては、平均粒径が0.
8μm、比表面積が15.1m2 /g、酸量が0.02
μmol/m2 、塩基量が4.12μmol/m2 、酸
性度パラメーターが−4.10μmol/m2 、PO4
3- ,SO4 2- およびCl- イオンの溶出量の合計が1
00ppmのものを用いた。
【0089】実施例9(電着塗料の製造) 製造例3で得られたポリウレタン架橋剤331.9部、
製造例4で得られたアミノ化エポキシ樹脂576.0部
およびn−ヘキシルセロソルブ30.3部を混合し、氷
酢酸12.3部で中和した。その後、脱イオン水106
7.0部をゆっくりと加えて希釈した。次に、これの固
形分が36.0%になるまで減圧下で有機溶媒を除去し
た。ここに、実施例1で得られた顔料分散ペースト54
6.8部を加えて均一に混合し、脱イオン水2598.
2部を加えて固形分が20.0%のカチオン電着塗料を
得た。
【0090】比較例7(電着塗料の製造) 顔料分散ペーストを比較例1で得られたものに変更した
点以外は実施例9と同様にしてカチオン電着塗料を得
た。
【0091】評価 (顔料分散ペーストの評価)実施例1〜8および比較例
1〜6で得られた顔料分散ペーストについて、40℃で
1週間静置貯安した後の分散状態と、その貯安前後の粘
度変化とを観察することにより、各顔料分散ペーストの
分散安定性を調べた。なお、貯安後の分散状態は、下記
の基準により評価した。
【0092】○:沈殿およびケーキ状物の発生なし。 △:わずかな沈殿、あるいはソフトなケーキ状物の発生
あり。 ×:沈殿が多い、あるいはハードなケーキ状物の発生あ
り。
【0093】結果を表1および2に示す。なお、表1お
よび表2において、粘度は、貯安前の粘度である。ま
た、粘度比は、(貯安後の粘度/貯安前の粘度)の値で
あり、この値が大きい程顔料ペーストが増粘しているこ
とを示している。
【0094】
【表1】
【0095】
【表2】
【0096】(カチオン電着塗料の評価)実施例9およ
び比較例7で得られたカチオン電着塗料の経時安定性お
よび当該塗料による塗膜の耐塩水防錆性を調べた。試験
方法は下記の通りである。結果を表3に示す。
【0097】◎経時安定性 電着塗料を、撹拌下、40℃で2週間貯安し、その後3
80メッシュの濾過性および残渣量を調べることにより
評価した。評価の基準は下記の通りである。
【0098】○:よく通る。 △:通りづらい。
【0099】◎耐塩水防錆性 りん酸亜鉛処理していない冷延鋼板に、電着塗料を10
μmの膜厚になるよう電着塗装し、160℃で10分間
焼き付けた。その後、塗膜にクロスカットを入れ、塩水
噴霧試験を120時間実施した。この試験後の試料に幅
が2.4cmの粘着テープを指で確実に貼り付け、その
後急激に剥離した。そして、鋼板からの塗膜の剥離幅を
測定することにより、塗膜の耐塩水防錆性を評価した。
評価の基準は下記の通りである。
【0100】○:剥離幅が2mm未満。 ×:剥離幅が2mm以上。
【0101】
【表3】
【0102】
【発明の効果】本発明に係る電着塗料用顔料分散ペース
トは、上述のカオリンを含んでいるため、安価でありか
つ電着塗膜に悪影響を与えにくく、しかも分散安定性が
高い。
【0103】本発明に係る電着塗料組成物は、顔料分散
ペーストとして本発明のものを利用しているので、分散
安定性が高く、高品質の電着塗膜を形成することができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カオリンを含む顔料成分と、 前記顔料成分を分散させるためのカチオン性水溶性樹脂
    と、 水性媒体とを含み、 前記カオリンは、酸性度パラメーターが−3〜0.8μ
    mol/m2 であり、かつ前記顔料成分中に少なくとも
    10重量%含まれている、電着塗料用顔料分散ペース
    ト。
  2. 【請求項2】前記顔料成分と前記カチオン性水溶性樹脂
    との重量比が0.05:1〜50:1に設定されてい
    る、請求項1に記載の電着塗料用顔料分散ペースト。
  3. 【請求項3】前記カオリンは、PO4 3- 、SO4 2- およ
    びCl- の溶出イオン量の合計が50ppm以下であ
    る、請求項1または2に記載の電着塗料用顔料分散ペー
    スト。
  4. 【請求項4】電着膜形成性カチオン性樹脂と、 カオリンを含む顔料成分、前記顔料成分を分散させるた
    めのカチオン性水溶性樹脂および水性媒体を含み、前記
    カオリンは、酸性度パラメーターが−3〜0.8μmo
    l/m2 でありかつ前記顔料成分中に少なくとも10重
    量%含まれている顔料分散ペーストと、 前記電着膜形成性カチオン性樹脂の硬化剤と、を含む電
    着塗料組成物。
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