JP2002332451A - 長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有するカチオン電着塗料組成物およびその製造方法 - Google Patents

長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有するカチオン電着塗料組成物およびその製造方法

Info

Publication number
JP2002332451A
JP2002332451A JP2001138513A JP2001138513A JP2002332451A JP 2002332451 A JP2002332451 A JP 2002332451A JP 2001138513 A JP2001138513 A JP 2001138513A JP 2001138513 A JP2001138513 A JP 2001138513A JP 2002332451 A JP2002332451 A JP 2002332451A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrodeposition coating
coating composition
cationic electrodeposition
long
copper salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001138513A
Other languages
English (en)
Inventor
Jun Tanabe
順 田邉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Paint Co Ltd filed Critical Nippon Paint Co Ltd
Priority to JP2001138513A priority Critical patent/JP2002332451A/ja
Priority to EP02291157A priority patent/EP1256605A1/en
Priority to US10/140,159 priority patent/US20020189949A1/en
Priority to CA002385437A priority patent/CA2385437A1/en
Publication of JP2002332451A publication Critical patent/JP2002332451A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/44Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes for electrophoretic applications
    • C09D5/4419Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes for electrophoretic applications with polymers obtained otherwise than by polymerisation reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C09D5/443Polyepoxides
    • C09D5/4457Polyepoxides containing special additives, e.g. pigments, polymeric particles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D163/00Coating compositions based on epoxy resins; Coating compositions based on derivatives of epoxy resins
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D5/00Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes
    • C09D5/44Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes for electrophoretic applications
    • C09D5/4419Coating compositions, e.g. paints, varnishes or lacquers, characterised by their physical nature or the effects produced; Filling pastes for electrophoretic applications with polymers obtained otherwise than by polymerisation reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C09D5/443Polyepoxides
    • C09D5/4434Polyepoxides characterised by the nature of the epoxy binder
    • C09D5/4442Binder characterised by functional groups
    • C09D5/4446Aliphatic groups, e.g. ester

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】プロパルギル基および不飽和二重結合を含む炭
化水素基を有するスルフィド変性エポキシ樹脂を基体樹
脂として含有するカチオン電着塗料組成物において、有
害な重金属を含む金属触媒を用いなくても硬化性を高め
ることができる方法を提供する。 【解決方法】プロパルギル基および不飽和二重結合を含
む炭化水素基を有するスルフィド変性エポキシ樹脂を含
む樹脂組成物に、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩を添加
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はカチオン電着塗料組
成物およびその製造方法、特に重金属を含まない電着塗
料組成物およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境に対する負荷を小さくするた
め、様々な分野で環境に対して悪影響を及ぼす恐れのあ
るものをできるだけ使用しないようにする働きかけが行
われている。自動車の本体および部品の防食性を高める
ために下塗りとして用いられているカチオン電着塗料の
場合、有害物質とされている鉛を含まないもの、いわゆ
る鉛フリーの電着塗料組成物が開発されてきている。そ
の中でも、特開2000−38525号公報には、エポ
キシ樹脂を骨格とし、スルホニウム基、プロパルギル基
および不飽和二重結合を含有する樹脂組成物からなるカ
チオン電着塗料組成物が開示されている。このカチオン
電着塗料組成物は、アミン変性エポキシ樹脂とブロック
イソシアネート硬化剤とからなる従来の電着塗料とは異
なる発想から設計されたものであり、焼き付け時に揮散
物が発生しないなど、環境に対して優しい特徴を有する
ものである。しかし、この電着塗料の硬化性を高めよう
とする場合には、コバルトやニッケルなどの重金属が含
まれている金属触媒を用いる必要があり、環境に対して
悪影響を及ぼす恐れがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、プロ
パルギル基および不飽和二重結合を含む炭化水素基を有
するスルフィド変性エポキシ樹脂を基体樹脂として含有
するカチオン電着塗料組成物において、有害な重金属を
含む金属触媒を用いなくても硬化性を高めることができ
る方法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のカチオン電着塗
料組成物は、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分と、プ
ロパルギル基および不飽和二重結合を含む炭化水素基を
有するスルフィド変性エポキシ樹脂とを含有している。
ここで上記長鎖アルキル硫酸銅塩成分は樹脂固形分に対
して、例えば0.05〜5重量%含有されている。ま
た、上記長鎖アルキル硫酸銅塩成分が、式Cu(ROS
32(Rは、ポリオキシアルキレンユニットを含んで
いてもよい、炭素数6〜24の炭化水素基)で表わされ
るものであってもよく、長鎖アルキル硫酸エステルナト
リウム塩と銅化合物とから得られるものでああってもよ
い。さらに、上記エポキシ樹脂は、ノボラックタイプの
エポキシ樹脂であってよい。
【0005】本発明のカチオン電着塗料組成物の製造方
法は、プロパルギル基および不飽和二重結合を含む炭化
水素基を有するスルフィド変性エポキシ樹脂を含む樹脂
組成物に、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩を添加するこ
とを特徴としている。ここで上記添加が長鎖アルキル硫
酸エステル銅塩を溶液化して行われてもよい。また、上
記溶液化が、上記長鎖アルキル硫酸エステル銅塩を炭素
数4以下のアルコールに溶解させることにより行われる
ものであってもよい。さらに上記長鎖アルキル硫酸銅塩
が、式Cu(ROSO32・nL(Rは、ポリオキシア
ルキレンユニットを含んでいてもよい、炭素数6〜24
の炭化水素基、Lは配位子、nは0〜4の整数)の構造
を有するものであってもよく、ここでLがH2Oであ
り、nが4であってもよい。
【発明の実施の形態】本発明のカチオン電着塗料組成物
は、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分とプロパルギル
基および不飽和二重結合を含む炭化水素基を有するスル
フィド変性エポキシ樹脂とを含有している。この長鎖ア
ルキル硫酸エステル銅塩成分は、界面活性剤として知ら
れている長鎖アルキル硫酸エステルナトリウム塩におい
て、ナトリウム原子と銅原子とを入れ替えたものを溶解
させたものであって、式Cu(ROSO32で表わすこ
とができる。ここで、例えば、Rは炭素数6〜24の炭
化水素基である。Rの具体例として、ヘキシル基、オク
チル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル基、オク
タデシル基、イコシル基などのアルキル基、オクチルフ
ェニル基、ノニルフェニル基、ドデシルフェニル基、オ
レイルフェニル基、ヘキサデシルフェニル基などのアル
キルフェニル基を挙げることができる。また、上記Rは
ポリオキシアルキレンユニットを含んでいてもよい。こ
のとき、このポリオキシアルキレンユニットに含まれる
炭素原子はRの炭素数として数えないものとする。ポリ
オキシアルキレンユニットを含む場合のRの具体例とし
ては、ポリオキシエチレンヘキサデシル基、ポリオキシ
エチレンドデシル基などのポリオキシアルキレンアルキ
ル基、ポリオキシエチレンノニルフェニル基、ポリオキ
シエチレンオクチルフェニル基、ポリオキシエチレンド
デシルフェニル基、ポリオキシエチレンオレイルフェニ
ル基、ポリオキシエチレンヘキサデシルフェニル基など
のポリオキシアルキレンアルキルアリール基などが挙げ
られる。ここで、上記ポリオキシアルキレンユニット
は、ポリオキシプロピレンユニットであってもよい。ま
た、ポリオキシアルキレンユニットの繰り返し数は特別
なものではなく、長鎖アルキル基と組み合わせたとき
に、界面活性能を有するような、通常よく知られている
値である。これらの中で炭素数が8〜18のものが好ま
しい。
【0006】後述するように、通常、この長鎖アルキル
硫酸エステル銅塩は、配位子として4つの水分子を有し
て錯体を形成することがあるが、本発明のカチオン電着
塗料組成物中では、この化合物がどのような形態をとっ
ているかは明確ではない。なお、本明細書において、長
鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分と記載しているのはそ
のためであり、硬化反応に実際寄与するのは銅および硫
酸エステル部分であると考えられるので、このような表
記をすることがふさわしいと思われる。
【0007】上記長鎖アルキル硫酸エステル銅塩は、長
鎖アルキル硫酸エステル塩と銅化合物とから得ることが
できる。上記長鎖アルキル硫酸エステル塩は、ROSO
3Xで表わされるものである。ここでRは先に述べたも
のであり、XはNaまたはNH4などである。この長鎖
アルキル硫酸エステル塩は、界面活性剤としてよく知ら
れているものをそのまま用いることができる。また、上
記銅化合物としては、硝酸銅、塩化銅、臭化銅、過塩化
酸銅、水酸化銅、酢酸銅など特に限定されないが、水溶
性のものであることが好ましい。
【0008】上記長鎖アルキル硫酸エステル銅塩は、具
体的には、等しいモル量の長鎖アルキル硫酸エステル塩
と銅化合物とをそれぞれ水溶液にしておき、これらを混
合することで得ることができる。例えば、長鎖アルキル
硫酸エステル塩としてドデシル硫酸エステルナトリウム
塩、銅化合物として硝酸銅を用いた場合、塩交換が起こ
ってドデシル硫酸エステル銅塩が生じて沈殿するので、
これを濾別することにより目的物を得ることができる。
この反応により、Cu(C1225OSO32・4H2
が得られることがC. S. Bruschiniらにより、Polyhedro
n, 14, 3099-106(1995)に記載されている。
【0009】一方、本発明のカチオン電着塗料組成物に
含有されている、もう1つの必須成分であるプロパルギ
ル基および不飽和二重結合を含む炭化水素基を有するス
ルフィド変性エポキシ樹脂は、いわゆる基体樹脂であ
り、エポキシ樹脂を骨格とし、開環したエポキシ環を介
してスルホニウム基、プロパルギル基および不飽和二重
結合を含む炭化水素基が結合したものである。この樹脂
は、出発原料のエポキシ樹脂にスルフィド/酸混合物を
反応させて得られるもので、特開2000−38525
号公報に記載されている。なお、上記不飽和二重結合
は、炭素−炭素二重結合である。上記出発原料となるエ
ポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールSなどの二環式フェノール化合物
とエピクロルヒドリンとの反応生成物であるエピビスエ
ポキシ樹脂;これを2官能のポリエステルポリオール、
ポリエーテルポリオールなどのジオール、ビスフェノー
ル類、ジカルボン酸、ジアミンなどにより鎖延長したも
の;エポキシ化ポリブタジエン;ノボラックフェノール
型ポリエポキシ樹脂;ノボラッククレゾール型ポリエポ
キシ樹脂;ポリグリシジルアクリレート;トリエチレン
グリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリ
コールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテルなどの脂肪族ポリオール又はポリ
エーテルポリオールのポリグリシジルエーテル;多塩基
性カルボン酸のポリグリシジルエステルなどを挙げるこ
とができる。硬化性を高めるための多官能基化が可能で
あることから、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、
ノボラッククレゾール型エポキシ樹脂などのノボラック
タイプのエポキシ樹脂であることが好ましい。上記原料
となるエポキシ樹脂の数平均分子量は、400〜150
00であることが好ましく、650〜12000である
ことがより好ましい。
【0010】上記スルフィド変性エポキシ樹脂の数平均
分子量は、500〜20000であることが好ましい。
500未満であると、カチオン電着塗装の塗装効率が悪
くなり、20000を超えると、被塗物表面で良好な被
膜を形成することができない。樹脂骨格に応じてより好
ましい数平均分子量を設定可能であり、例えば、ノボラ
ックフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッククレゾール
型エポキシ樹脂の場合には、700〜5000であるこ
とがより好ましい。
【0011】上記スルホニウム基は、上記カチオン電着
塗料組成物の水和官能基である。スルホニウム基は、電
着塗装過程で一定以上の電圧又は電流が与えられると、
電極上で電解還元反応をうけてイオン性基が消失し、不
可逆的に不導体化すると考えられている。上記カチオン
電着塗料組成物は、このために高度のつきまわり性を発
揮することができるものと思われる。
【0012】また、この電着塗装過程においては、電極
反応が引き起こされ、生じた水酸化物イオンをスルホニ
ウム基が保持することにより電解発生塩基が電着被膜中
に発生するものと考えられる。この電解発生塩基が発生
することにより、電着被膜中に存在している、加熱によ
る反応性の低いプロパルギル基を、加熱による反応性の
高いアレン結合に変換することができると考えられる。
【0013】上記スルホニウム基の含有量は、上記スル
フィド変性エポキシ樹脂の樹脂固形分100gあたり5
〜400mmolであることが好ましい。5mmol/
100g未満であると、充分なつきまわり性や硬化性を
発揮することができず、また、水和性、浴安定性が悪く
なる。400mmol/100gを超えると、被塗物表
面への被膜の析出が悪くなる。より好ましい含有量は樹
脂骨格に応じて設定可能であり、例えば、ノボラックフ
ェノール型エポキシ樹脂、ノボラッククレゾール型エポ
キシ樹脂の場合には、樹脂固形分100gあたり5〜2
50mmolであることが好ましく、10〜150mm
olがさらに好ましい。
【0014】上記プロパルギル基は、上述のようにアレ
ン結合に変換されることにより反応性を向上させ、硬化
系を構成することができると考えられる。また、理由は
不明であるが、スルホニウム基と併存することにより、
電着塗料としてのつきまわり性を一層向上させることが
できる。
【0015】上記プロパルギル基の含有量は、上記スル
フィド変性エポキシ樹脂の樹脂固形分100gあたり1
0〜485mmolであることが好ましい。10mmo
l/100g未満であると、充分なつきまわり性や硬化
性を発揮することができず、485mmol/100g
を超えると、カチオン電着塗料として使用した場合の水
和安定性に悪影響を及ぼすおそれがある。より好ましい
含有量は樹脂骨格に応じて設定することが可能であり、
例えば、ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ノボラ
ッククレゾール型エポキシ樹脂の場合には、樹脂固形分
100gあたり20〜375mmolであることが好ま
しい。
【0016】一方、上記不飽和二重結合の含有量は、上
記スルフィド変性エポキシ樹脂の樹脂固形分100gあ
たり10〜485mmolであることが好ましい。10
mmol/100g未満であると、充分な硬化性を発揮
することができず、485mmol/100gを超える
と、カチオン電着塗料として使用した場合の水和安定性
に悪影響を及ぼすおそれがある。より好ましい含有量は
樹脂骨格に応じて設定することが可能であり、例えば、
ノボラックフェノール型エポキシ樹脂、ノボラッククレ
ゾール型エポキシ樹脂の場合には、樹脂組成物固形分1
00gあたり20〜375mmolであることが好まし
い。
【0017】なお、本明細書における不飽和二重結合の
含有量は、不飽和二重結合が導入されたエポキシ基の量
によって表す。すなわち、例えば、長鎖不飽和脂肪酸な
どの分子内に複数個の不飽和二重結合をもつ分子がエポ
キシ基に導入された場合であっても、不飽和二重結合の
含有量は、上記複数個の不飽和二重結合をもつ分子が導
入されたエポキシ基の量をもって表すものとする。これ
は、一つのエポキシ基に複数個の不飽和二重結合を分子
内にもつ分子が導入されても、硬化反応に関与するの
は、実質的にそのうちの一つの不飽和二重結合のみであ
ると考えられるからである。
【0018】上記スルホニウム基とプロパルギル基およ
び不飽和二重結合を含む炭化水素基との合計含有量は、
樹脂固形分100gあたり500mmol以下であるこ
とが好ましい。500mmolを超えると、樹脂が実際
には得られなかったり、目的とする性能が得られないこ
とがある。より好ましい含有量は樹脂骨格に応じて設定
することが可能であり、例えば、ノボラックフェノール
型エポキシ樹脂、ノボラッククレゾール型エポキシ樹脂
の場合には、400mmol以下であることが好まし
い。
【0019】さらに、プロパルギル基と不飽和二重結合
を含む炭化水素基との合計含有量は、樹脂固形分100
gあたり80〜450mmolの範囲内であることが好
ましい。80mmol未満であると硬化性が不充分とな
るおそれがあり、450mmolを超えるとスルホニウ
ム基の含有量が少なくなり、つきまわり性が不充分とな
るおそれがある。より好ましい含有量は樹脂骨格に応じ
て設定することが可能であり、例えば、ノボラックフェ
ノール型エポキシ樹脂、ノボラッククレゾール型エポキ
シ樹脂の場合には、100〜395mmolであること
がより好ましい。
【0020】上記スルフィド変性エポキシ樹脂の製造は
以下のようにして行うことができる。即ち、一分子中に
少なくとも2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂に、
プロパルギル基を有する化合物および不飽和二重結合を
含む炭化水素基を有する化合物をまず反応させ、その
後、残存するエポキシ基にスルフィドと酸との混合物を
反応させて、スルホニウム基を導入する。このようにス
ルホニウム基の導入を後で行うことにより、加熱による
スルホニウム基の分解を防止することができる。
【0021】上記プロパルギル基を有する化合物として
は、プロパルギルアルコールやプロパルギル酸などが挙
げられるが、入手の容易性及び反応の容易性から、プロ
パルギルアルコールを使用することが好ましい。また、
不飽和二重結合を含む炭化水素基を有する化合物として
は、不飽和結合を有するアルコール及び/又はカルボン
酸を用いることができる。上記不飽和結合を有するアル
コールとしては特に限定されず、例えば、アリルアルコ
ール、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキ
シブチルアクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレー
ト、メタクリルアルコールなどの不飽和二重結合を有す
るものを挙げることができる。
【0022】上記不飽和結合を有するカルボン酸として
は特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、エタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フタル
酸、イタコン酸;マレイン酸エチルエステル、フマル酸
エチルエステル、イタコン酸エチルエステル、コハク酸
モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステル、フタ
ル酸モノ(メタ)アクリロイルオキシエチルエステルな
どのハーフエステル類;オレイン酸、リノール酸、リシ
ノール酸などの合成不飽和脂肪酸;アマニ油、大豆油な
どの天然不飽和脂肪酸などを挙げることができる。これ
らの中で、得られる膜物性を向上させることができるこ
とから、合成不飽和脂肪酸や天然不飽和脂肪酸などの長
鎖のものを用いることが好ましい。
【0023】上記プロパルギル基または不飽和二重結合
を含む炭化水素基を有する化合物およびその量は、導入
する官能基の種類および量に基づき決定することができ
る。上記反応条件は、通常、室温又は80〜140℃に
て数時間である。また、必要に応じて触媒や溶媒などの
反応を進行させるために必要な公知の成分を使用するこ
とができる。反応の終了は、エポキシ基当量の測定によ
り確認することができ、得られた樹脂組成物の不揮発分
測定や機器分析により、導入された官能基を確認するこ
とができる。また、プロパルギル基を有する化合物およ
び不飽和二重結合を含む炭化水素基を有する化合物の反
応順序は問わない。また、これらの化合物を同時に反応
させてもよい。
【0024】このようにして得られたプロパルギル基お
よび不飽和二重結合を含む炭化水素基を有するエポキシ
樹脂組成物中の残存エポキシ基に、スルホニウム基を導
入する。スルホニウム基の導入は、スルフィド/酸混合
物とエポキシ基を反応させてスルフィドの導入及びスル
ホニウム化を行う方法や、スルフィドを導入した後、さ
らに、酸又はアルキルハライドなどにより、導入したス
ルフィドのスルホニウム化反応を行い、必要によりアニ
オン交換を行う方法などにより行うことができる。反応
原料の入手容易性の観点からは、スルフィド/酸混合物
を使用する方法が好ましい。
【0025】上記スルフィドとしては特に限定されず、
例えば、脂肪族スルフィド、脂肪族−芳香族混合スルフ
ィド、アラルキルスルフィド、環状スルフィドなどを挙
げることができ、これらスルフィドに結合している置換
基としては、炭素数2〜8のものが好ましい。具体的に
は、例えば、ジエチルスルフィド、ジプロピルスルフィ
ド、ジブチルスルフィド、ジヘキシルスルフィド、ジフ
ェニルスルフィド、エチルフェニルスルフィド、テトラ
メチレンスルフィド、ペンタメチレンスルフィド、チオ
ジエタノール、チオジプロパノール、チオジブタノー
ル、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−プロパノ
ール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−2−ブタノ
ール、1−(2−ヒドロキシエチルチオ)−3−ブトキ
シ−1−プロパノールなどを挙げることができる。
【0026】上記酸としては、ぎ酸、酢酸、乳酸、プロ
ピオン酸、酪酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロ
ールブタン酸、N−アセチルグリシン、N−アセチル−
l−アラニン、スルファミン酸などの有機酸が通常用い
られる。ここで用いられる酸は、カチオン電着塗料にお
けるいわゆる中和酸と呼ばれるものとなる。なお、これ
らは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】上記反応における量比は、エポキシ化合物
のエポキシ基の当量を1としたときに、スルフィド及び
酸:0.8〜1.2当量、好ましくは0.9〜1.1当
量であり、水:1〜20当量である。上記スルフィドと
酸との混合比率は、通常、モル比率でスルフィドに対し
て、酸が0.8〜1.2倍程度であることが好ましい。
上記反応温度としては、分解が進行しない温度であれば
特に限定されず、例えば、室温〜90℃を挙げることが
でき、75℃程度の温度が好ましい。上記反応は、酸価
を測定して、5以下で変化しないことを確認するまで行
うことができる。
【0028】本発明のカチオン電着塗料組成物において
は、先の基体樹脂自体が硬化性を有するので、硬化剤の
使用は必ずしも必要ない。しかし、硬化性の更なる向上
のために硬化剤を使用してもよい。このような硬化剤と
しては、例えば、プロパルギル基及び不飽和二重結合の
うち少なくとも1種を複数個有する化合物、例えば、ノ
ボラックフェノールなどのポリエポキシドやペンタエリ
トリットテトラグリシジルエーテルなどに、プロパルギ
ルアルコールなどのプロパルギル基を有する化合物やア
クリル酸などの不飽和二重結合を有する化合物を付加反
応させて得た化合物などを挙げることができる。
【0029】本発明のカチオン電着塗料組成物は、さら
にアミンを含んでいてよい。上記アミンを含むことによ
り、電着過程における電解還元によるスルホニウム基の
スルフィドへの変換率が増大する。上記アミンとしては
特に限定されず、例えば、1級〜3級の単官能及び多官
能の脂肪族アミン、脂環族アミン、芳香族アミンなどの
アミン化合物を挙げることができる。これらのうち、水
溶性又は水分散性のものが好ましく、例えば、モノメチ
ルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエ
チルアミン、プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、
トリブチルアミンなどの炭素数1〜8のアルキルアミ
ン;モノエタノールアミン、ジメタノールアミン、メチ
ルエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、シク
ロヘキシルアミン、モルホリン、N−メチルモルホリ
ン、ピリジン、ピラジン、ピペリジン、イミダゾリン、
イミダゾールなどを挙げることができる。これらは単独
で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なかで
も、水分散安定性が優れているので、モノエタノールア
ミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン
などのヒドロキシアミンが好ましい。
【0030】本発明のカチオン電着塗料組成物において
は、硬化性をさらに向上させるために、先の長鎖アルキ
ル硫酸エステル銅塩以外の硬化触媒を用いてもよい。こ
のような硬化触媒としては特に限定されず、例えば、マ
ンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、パラ
ジウム、セリウムなどの遷移金属やアルミニウム、亜鉛
などの典型金属に対して、シクロペンタジエンやアセチ
ルアセトンなどの配位子や酢酸やナフテン酸などのカル
ボン酸などが結合したものなどを挙げることができる。
環境への影響を考慮すると、これらのうち、ナフテン酸
鉄、酢酸銅、銅アセチルアセタート、ナフテン酸セリウ
ム、酢酸セリウムが好ましい。上記硬化触媒を用いる場
合の配合量は、カチオン電着塗料組成物の樹脂固形分1
00gあたり0.1〜20mmolであることが好まし
い。また、上記硬化触媒として、銅などのプロパルギル
基とアセチリドを形成しうるものを使用するならば、上
記スルフィド変性樹脂のプロパルギル基の一部をアセチ
リド化して、硬化触媒を樹脂中に導入することも可能で
ある。
【0031】上記アミンの添加量は、カチオン電着塗料
組成物の樹脂固形分100gあたり、0.3〜25me
qが好ましい。0.3meq/100g未満であると、
つきまわり性に対して充分な効果を得ることができず、
25meq/100gを超えると、添加量に応じた効果
を得ることができず不経済である。より好ましくは、1
〜15meq/100gである。
【0032】本発明のカチオン電着塗料組成物は、必要
に応じて、顔料及び顔料分散樹脂や界面活性剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤などの慣用の塗料用添
加剤を含んでいてもよい。
【0033】上記顔料分散樹脂については、樹脂中にス
ルホニウム基と不飽和結合とを含有する顔料分散樹脂を
使用することが好ましい。このようなスルホニウム基と
不飽和結合とを含有する顔料分散樹脂は、例えば、ビス
フェノール型エポキシ樹脂とハーフブロック化イソシア
ネートとを反応させて得られる疎水性エポキシ樹脂に、
スルフィド化合物を反応させるか、又は、上記樹脂に、
一塩基酸及び水酸基含有二塩基酸の存在下でスルフィド
化合物を反応させる方法などにより得ることができる。
【0034】本発明のカチオン電着塗料組成物の製造方
法は、プロパルギル基および不飽和二重結合を含む炭化
水素基を有するスルフィド変性エポキシ樹脂を含む樹脂
組成物に、先の長鎖アルキル硫酸エステル銅塩を添加す
ることを特徴とするものである。このプロパルギル基お
よび不飽和二重結合を含む炭化水素基を有するスルフィ
ド変性エポキシ樹脂は、本発明のカチオン電着塗料組成
物のところで述べたものである。よって、上記プロパル
ギル基および不飽和二重結合を含む炭化水素基を有する
スルフィド変性エポキシ樹脂を含む樹脂組成物は、先に
述べた本発明のカチオン電着塗料組成物から長鎖アルキ
ル硫酸エステル銅塩を除いたものである。
【0035】上記製造方法は、上記プロパルギル基およ
び不飽和二重結合を含む炭化水素基を有するスルフィド
変性エポキシ樹脂、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩なら
びにその他の必要とされる成分を混合することによって
行われてよい。入手容易性から、長鎖アルキル硫酸エス
テル銅塩としては、式Cu(ROSO32・nLで表わ
されるものを用いることが好ましい。ここでRは、ポリ
オキシアルキレンユニットを含んでいてもよい、炭素数
6〜24の炭化水素基であり、Lは配位子を表わし、n
は0〜4の整数である。さらに好ましいものとしては、
Rがドデシル基またはオクタデシル基であって、LがH
2O、nが4である。
【0036】さらに、この長鎖アルキル硫酸エステル銅
塩のように、上記長鎖アルキル硫酸エステル銅塩が水に
不溶なものである場合には、塗料組成物中での混合状態
をより均一にするため、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩
は溶液化して用いることが好ましい。この溶液化するた
めの溶剤は、用いる長鎖アルキル硫酸エステル銅塩に合
わせて選択するものであるが、例えば、メタノール、エ
タノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、
メトキシエタノール、ブトキシエタノール、メトキシイ
ソプロパノールなどのアルコール類、プロピルアミン、
ブチルアミン、ベンジルアミン、ピリジンなどのアミン
類、ジメチルホルムアミドなどを挙げることができる。
これらの中で、取り扱いが容易なことから炭素数4以下
のアルコールが好ましい。なお、先に述べたように、配
位子を有している長鎖アルキル硫酸エステル銅塩を、こ
のようにアルコールなどで溶液化した場合、配位子が溶
液中でどのようになっているのかは不明であるが、硬化
反応に関係するのは、配位子以外の部分と考えられるの
で特に問題はないと考えられる。
【0037】このようにして得られたカチオン電着塗料
は、基材に対しカチオン電着塗装される。カチオン電着
塗装はそれ自体既知の方法に従うものであって、一般に
は、脱イオン水で希釈することにより、固形分濃度を5
〜40重量%、好ましくは、15〜25重量%となるよ
うに調整したカチオン電着塗料組成物からなる電着浴を
通常、浴温20〜35℃に調整し、塗装電圧100〜4
50Vの条件で行うことができる。上記電着塗装の膜厚
は、乾燥膜厚で、5〜40μm、好ましくは、10〜3
0μmの範囲内が適当であり、この膜厚になるように上
記電着塗装条件を設定することが好ましい。また、塗膜
の焼き付けは、一般に120〜260℃、好ましくは1
60〜220℃で10〜30分間行うことが適してい
る。
【0038】
【実施例】製造例1 長鎖アルキル硫酸エステル銅塩の
製造 1.5gの硝酸銅3水和物を脱イオン水5gに溶解した
ものと2.2gのドデシル硫酸エステルナトリウム塩を
脱イオン水75gに溶解したものとを混合した。生じた
沈殿を吸引濾過し、脱イオン水で洗浄して風乾すること
により、ドデシル硫酸エステル銅塩の4水和物2.4g
を得た。
【0039】製造例2 プロパルギル基および不飽和二
重結合を含む炭化水素基を有するスルフィド変性エポキ
シ樹脂の製造 エポキシ当量201.8のクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂であるエポトートYDCN−703(東都化成
社製)3082.5gにプロパルギルアルコール62
1.3gと、アマニ油脂肪酸535.4g、触媒として
ジメチルベンジルアミン9.2gを、攪拌機、温度計、
窒素導入管および冷却装置を備えたセパラブルフラスコ
に加えた。110℃にまで昇温し、2時間反応させてエ
ポキシ当量が1850になったところで、1−(2−ヒ
ドロキシエチルチオ)−2−プロパノール311.6
g、氷酢酸110g、脱イオン水329.9gを加え、
75℃で6時間反応させた。残存酸価が5以下であるこ
とを確認して、脱イオン水1501.2gを加え、プロ
パルギル基および不飽和二重結合を含む炭化水素基を有
するスルフィド変性エポキシ樹脂を、固形分濃度70%
で得た。このもののスルホニウム価は23mmol/1
00gワニス、数平均分子量(ポリスチレン換算GP
C)は2400であった。
【0040】実施例1 カチオン電着塗料組成物の製造 製造例2で得たプロパルギル基および不飽和二重結合を
含む炭化水素基を有するスルフィド変性エポキシ樹脂5
71gに、製造例1で得たドデシル硫酸エステル銅塩の
4水和物4.57gをメタノール50gに溶解させたも
の、脱イオン水を500g加え、高速回転ミキサーで1
時間攪拌した。その後、さらに脱イオン水を加えて、固
形分濃度23.5%に調整した。さらに、酢酸セリウム
1.7gを脱イオン水に溶解して加えた後、N−メチル
エタノールアミンを12g加え、固形分濃度20.0%
に水溶液を調整して、カチオン電着塗料組成物とした。
得られたカチオン電着塗料を用いて、りん酸亜鉛処理鋼
板に対して乾燥膜厚が20μmとなるようにカチオン電
着を行い、所定条件で焼き付けて電着塗膜を得た。
【0041】比較例1 実施例1において、ドデシル硫酸エステル銅塩の代わり
に、ニッケルアセチルアセトナートを用いたことおよび
酢酸セリウム添加時に酢酸銅0.8gをいっしょに用い
たこと以外は同様にしてカチオン電着塗料組成物を得、
電着塗膜を作製した。
【0042】比較例2 実施例1において、ドデシル硫酸エステル銅塩を用い
ず、酢酸セリウム添加時に酢酸銅0.8gをいっしょに
用いたこと以外は同様にしてカチオン電着塗料組成物を
得、電着塗膜を作製した。
【0043】<硬化性評価>得られた電着塗膜をソック
スレー抽出器に入れ、アセトン還流条件下で6時間抽出
し、塗膜のゲル分率を次式に従い算出した。結果を表1
に示した。 ゲル分率(%)=[抽出後重量(g)/抽出前重量
(g)]×100
【0044】
【表1】
【0045】本発明のカチオン電着塗料組成物は、有害
な重金属を含むものに比べて同等以上の硬化性を示すこ
とが確認された。これに対し、重金属を含まないもので
は、充分な硬化性を得ることができなかった。
【0046】
【発明の効果】本発明のカチオン電着塗料組成物は、長
鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有しているため、
有害な重金属を含まなくても優れた硬化性を示す。これ
は、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩が、基体樹脂である
プロパルギル基および不飽和二重結合を含む炭化水素基
を有するスルフィド変性エポキシ樹脂に対し硬化触媒と
して作用しているためであると考えられる。すなわち、
プロパルギル基に対して銅が、また、不飽和二重結合に
対して硫酸エステルが、それぞれ硬化触媒として働くこ
とにより、優れた硬化性が得られているものと考えられ
る。本発明のカチオン電着塗料組成物は、有害な重金属
を含まずに優れた硬化性を有しており、環境に対して優
しい塗料として利用することができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分と、プ
    ロパルギル基および不飽和二重結合を含む炭化水素基を
    有するスルフィド変性エポキシ樹脂とを含有するカチオ
    ン電着塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記長鎖アルキル硫酸銅塩成分を樹脂固形
    分に対して0.05〜5重量%含有する請求項1記載の
    カチオン電着塗料組成物。
  3. 【請求項3】前記長鎖アルキル硫酸銅塩成分が、式Cu
    (ROSO32(Rは、ポリオキシアルキレンユニット
    を含んでいてもよい、炭素数6〜24の炭化水素基)で
    表わされるものである請求項1または2記載のカチオン
    電着塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記長鎖アルキル硫酸銅塩成分が、長鎖ア
    ルキル硫酸エステルナトリウム塩と銅化合物とから得ら
    れるものである請求項1〜3の1つに記載のカチオン電
    着塗料組成物。
  5. 【請求項5】前記エポキシ樹脂は、ノボラックタイプの
    エポキシ樹脂である請求項1〜4の1つに記載のカチオ
    ン電着塗料組成物。
  6. 【請求項6】プロパルギル基および不飽和二重結合を含
    む炭化水素基を有するスルフィド変性エポキシ樹脂を含
    む樹脂組成物に、長鎖アルキル硫酸エステル銅塩を添加
    することを特徴とするカチオン電着塗料組成物の製造方
    法。
  7. 【請求項7】前記添加が長鎖アルキル硫酸エステル銅塩
    を溶液化して行われるものである請求項6記載のカチオ
    ン電着塗料組成物の製造方法。
  8. 【請求項8】前記溶液化が、前記長鎖アルキル硫酸エス
    テル銅塩を炭素数4以下のアルコールに溶解させること
    により行われるものである請求項7記載のカチオン電着
    塗料組成物の製造方法。
  9. 【請求項9】前記長鎖アルキル硫酸銅塩が、式Cu(R
    OSO32・nL(Rは、ポリオキシアルキレンユニッ
    トを含んでいてもよい、炭素数6〜24の炭化水素基、
    Lは配位子、nは0〜4の整数)の構造を有するもので
    ある請求項6〜8の1つに記載のカチオン電着塗料組成
    物。
  10. 【請求項10】前記LがH2Oであり、nが4である請
    求項9記載のカチオン電着塗料組成物の製造方法。
JP2001138513A 2001-05-09 2001-05-09 長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有するカチオン電着塗料組成物およびその製造方法 Withdrawn JP2002332451A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001138513A JP2002332451A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有するカチオン電着塗料組成物およびその製造方法
EP02291157A EP1256605A1 (en) 2001-05-09 2002-05-07 Cationic electrodeposition coating composition containing long-chain alkyl sulfate copper salt component and method of producing the same
US10/140,159 US20020189949A1 (en) 2001-05-09 2002-05-08 Cationic electrodeposition coating composition containing long-chain alkyl sulfate copper salt component and method of producing the same
CA002385437A CA2385437A1 (en) 2001-05-09 2002-05-08 Cationic electrodeposition coating composition containing long-chain alkyl sulfate copper salt component and method of producing the same

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001138513A JP2002332451A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有するカチオン電着塗料組成物およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002332451A true JP2002332451A (ja) 2002-11-22

Family

ID=18985436

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001138513A Withdrawn JP2002332451A (ja) 2001-05-09 2001-05-09 長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有するカチオン電着塗料組成物およびその製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20020189949A1 (ja)
EP (1) EP1256605A1 (ja)
JP (1) JP2002332451A (ja)
CA (1) CA2385437A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081123A1 (en) * 2003-03-11 2004-09-23 Nippon Paint Co. Ltd. Cationic electrodeposition coating composition and method of stabilizing cationic electrodeposition coating compositions

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5355130B2 (ja) * 2008-03-14 2013-11-27 関西ペイント株式会社 電着塗料用顔料分散ペースト及び電着塗料組成物
JP5136573B2 (ja) * 2009-02-24 2013-02-06 日立化成工業株式会社 ワニス、プリプレグ、樹脂付きフィルム、金属箔張積層板、プリント配線板

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
BE667334A (ja) * 1964-07-23
JP3425203B2 (ja) * 1994-01-10 2003-07-14 日本ペイント株式会社 電着塗料用顔料分散樹脂組成物およびこれを含有する顔料分散ペースト
KR0168710B1 (ko) * 1994-08-11 1999-01-15 후지이 히로시 내식성 음극전착도료
EP0974623B1 (en) * 1998-07-22 2004-01-02 Nippon Paint Co., Ltd. Acetylide-form propargyl-containing resin composition for cationic electrocoating

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004081123A1 (en) * 2003-03-11 2004-09-23 Nippon Paint Co. Ltd. Cationic electrodeposition coating composition and method of stabilizing cationic electrodeposition coating compositions

Also Published As

Publication number Publication date
EP1256605A1 (en) 2002-11-13
CA2385437A1 (en) 2002-11-09
US20020189949A1 (en) 2002-12-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4081332B2 (ja) 電線の塗装方法及び絶縁電線
KR20020077829A (ko) 벤조옥사진 화합물을 포함한 코팅 성분
JP2001226640A (ja) カチオン電着塗料組成物
US6218481B1 (en) Acetylide-form propargyl-containing epoxy resin composition for cationic electrocoating
JP3310620B2 (ja) 脂肪族炭化水素基を含有するカチオン電着塗料用樹脂組成物及びカチオン電着塗料組成物
JP3213586B2 (ja) カチオン電着塗料用樹脂組成物、その製造方法及びカチオン電着塗料組成物
JP2002332451A (ja) 長鎖アルキル硫酸エステル銅塩成分を含有するカチオン電着塗料組成物およびその製造方法
JP3253284B2 (ja) 複層塗膜
JP4141791B2 (ja) カチオン電着塗料及び電着塗膜の光沢値制御方法
JP3207806B2 (ja) アセチリド化されたプロパルギル基を含有するカチオン電着塗料用樹脂組成物
JP4238051B2 (ja) カチオン電着塗料組成物及びカチオン電着塗料組成物の安定化方法
JP2002294142A (ja) ベンゾオキサジン化合物を含有するカチオン電着塗料組成物
JP2004342330A (ja) 電線の塗装方法及び絶縁電線
JP2000038524A (ja) 外因性内分泌攪乱化学物質フリーなカチオン電着塗料組成物
JP2000191959A (ja) カチオン電着塗料組成物
JP2002275688A (ja) カチオン電着塗装方法およびそれから得られる塗装物
JP2002275689A (ja) カチオン電着塗装方法およびそれから得られる塗装物
JP2004137365A (ja) カチオン電着塗料及び電着塗膜の光沢値制御方法
JP2002265857A (ja) カチオン電着塗料組成物及び塗膜を有する被塗装物
JP2004137364A (ja) カチオン電着塗料及び電着塗膜の光沢値制御方法
JP2002285074A (ja) カチオン電着塗料組成物
JP2004285273A (ja) 付きまわり性に優れたカチオン電着塗料組成物
JP2004250732A (ja) 貫通孔の内部塗装方法、電着塗膜及び製品
JP2004307526A (ja) カチオン電着塗料
JP2002285076A (ja) カチオン電着塗料組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080226

A761 Written withdrawal of application

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761

Effective date: 20101116