JP2001220219A - ガラスセラミック焼結体およびそれを用いた多層配線基板 - Google Patents
ガラスセラミック焼結体およびそれを用いた多層配線基板Info
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Abstract
同時焼成が可能であり、且つ高熱膨張率および高誘電率
を有するガラスセラミックスと、有機樹脂を絶縁材料と
するプリント基板への実装信頼性に優れ、且つコンデン
サを内蔵したセラミックス配線基板を提供する。 【解決手段】40〜400℃における熱膨張係数が6〜
18×10-6/℃のガラス成分35〜60体積%と、フ
ィラー成分40〜65体積%とからなり、該フィラー成
分として、少なくともLn2O3・xTiO2(xはモル
分率、2≦x≦5)で表されるチタン酸ランタンを含
み、40〜400℃における熱膨張係数が9×10-6/
℃以上であり、且つ1MHzにおける比誘電率が10以
上であるガラスセラミック焼結体であって、セラミック
絶縁層が多層に積層された絶縁基板の表面および/また
は内部にメタライズ配線層が配設されている多層配線基
板において、セラミック絶縁層のうちの少なくとも1層
を上記のガラスセラミック焼結体によって構成する。
Description
するガラスセラミックスと同時焼成可能な、高誘電率の
ガラスセラミック焼結体と、かかる高誘電率ガラスセラ
ミックスを具備した多層配線基板に関するものである。
層された絶縁基板の表面または内部にメタライズ配線層
が配設された構造からなり、代表的な例として、LSI
等の半導体素子収納用パッケージが挙げられる。このよ
うなパッケージとしては、絶縁層がアルミナ等のセラミ
ックスからなるものが多用され、さらに最近では、銅メ
タライズと同時焼成を可能にしたガラスセラミックスを
絶縁基板とするものも実用化されている。
ては、半導体素子の集積度が高まるに従い、プリント基
板などの外部回路基板と接続するための接続端子数も増
大する傾向にあり、より小型化を図る方法として、セラ
ミック多層配線基板の下面に、半田からなる球状の接続
端子を取り付けたボールグリッドアレイ(BGA)が、
接続端子を最も高密度化できる構造として知られてい
る。このボールグリッドアレイ(BGA)は、外部電気
回路上の配線導体上に前記接続端子を載置当設させ、2
50〜400℃の温度で加熱処理することにより、前記
接続端子を溶融させて接続する。
イトなどのセラミックスを用いたセラミックス回路基板
の熱膨張係数が約4〜7×10-6/℃であるのに対し、
該基板を半田実装するガラスーエポキシ絶縁層を用いた
プリント基板の熱膨張係数は、約11〜18×10-6で
あったため、半導体素子の作動時に発する熱により、セ
ラミック多層配線基板と外部回路基板の熱膨張差に起因
する大きな熱応力が発生するという問題があった。そし
て、この熱応力は接続端子数が増加するほど、影響が大
きくなり、半導体素子の作動と停止の繰り返しにより、
この熱応力が接続端子に印加され、接続端子が配線導体
より剥離するという問題があった。
熱膨張のガラスと高熱膨張のフィラーとを用いた高熱膨
張ガラスセラミック焼結体によって絶縁基板を形成した
配線基板を提案した。
用情報端末の急激な普及に伴い、内蔵される電子部品の
小型化が強く望まれている。一例として、携帯電話のス
イッチング回路、及びパワーアンプ回路は、複数の抵抗
体およびコンデンサにより構成され、従来、これらの素
子は個々に電気回路基板上に設置されており、小型化、
及び製造コスト削減の妨げとなっていた。
内臓される電子部品を小型化するためには、半導体素子
を収納するセラミック配線基板のみならず、該配線基板
を実装するプリント基板などの外部回路基板を小型化す
る必要がある。しかし、従来は、セラミックス配線基
板、コンデンサ素子および抵抗素子を個々に外部回路基
板上に実装していたため、小型化が困難という問題、お
よび実装のための製造コストが高くなるという問題があ
った。
に、高誘電率のセラミック層を介装させたコンデンサ内
蔵基板が提案されている。しかしながら、高誘電率の誘
電体材料としては、従来よりBaO−TiO2系、Pb
O−TiO2系などを主とする複合ペロブスカイト系誘
電体材料が知られているが、かかる誘電体材料はガラス
セラミックスと同時焼成することができない。
スとフィラー成分として、BaTiO3、CaTiO3な
どを添加した高熱膨張、高誘電率系のガラスセラミック
焼結体を提案した。
結体では、ガラスの種類によっては上記のBaTi
O3、CaTiO3の成分によって焼結性が大きく阻害さ
れ、低温で緻密質な焼結体が得られないという問題があ
った。
ガラスセラミック焼結体と同時焼成が可能であり、且つ
高熱膨張率および高誘電率を有するガラスセラミック焼
結体と、有機樹脂を絶縁材料とするプリント基板への実
装信頼性に優れ、且つコンデンサを内蔵したセラミック
配線基板を提供することを目的とするものである。
題に対して種々検討を重ねた結果、高熱膨張のガラス成
分に、フィラー成分として、少なくともチタン酸ランタ
ンを含めることによって、焼結性を損なうことなく、高
熱膨張化ととともに高誘電率化を同時に達成でき、且つ
従来の高熱膨張ガラスセラミック焼結体と同時焼成可能
なガラスセラミック焼結体が得られることを見いだし、
本発明に至った。
は、40〜400℃における熱膨張係数が6〜18×1
0-6/℃のガラス成分35〜60体積%と、フィラー成
分40〜65体積%とからなり、該フィラー成分とし
て、少なくともチタン酸ランタンを含み、40〜400
℃における熱膨張係数が9×10-6/℃以上であり、且
つ1MHzにおける比誘電率が10以上であることを特
徴とするものであって、前記チタン酸ランタンとして
は、Ln2O3・xTiO2(xはモル分率、2≦x≦
5)からなることが望ましい。
ク絶縁層が多層に積層された絶縁基板の表面および/ま
たは内部にメタライズ配線層が配設されているものであ
って、前記セラミック絶縁層のうちの少なくとも1層を
上記の高誘電率ガラスセラミック焼結体によって形成し
たことを特徴とするものである。
記高誘電率ガラスセラミック焼結体からなる絶縁層が、
40〜400℃における熱膨張係数が6〜18×10-6
/℃のガラス成分35〜60体積%と、フィラー成分4
0〜65体積%とからなり、誘電率が10未満の低誘電
率ガラスセラミック焼結体からなる絶縁層と積層されて
なることが望ましく、さらには、前記高誘電率ガラスセ
ラミック焼結体からなる絶縁層が、一対の電極層間に配
設されており、該一対の電極によって所定の静電容量が
引き出されることが望ましい。
いるガラスセラミック焼結体が、いずれも高熱膨張特性
を具備することから、プリント基板などの有機樹脂を含
む絶縁基体からなる外部回路基板に実装した状態で、熱
サイクルが印加されても、熱膨張差に起因する熱応力の
発生を抑制することができる結果、長期にわたり安定し
た実装が可能となる。しかも、多層配線基板の内部に高
誘電率層を具備することから、コンデンサとしての静電
容量を引き出すことができるために、コンデンサ素子な
どの部品の実装が不要となり、配線基板を含めた電子機
器全体の小型化に寄与することができる。
は、ガラス成分とフィラー成分によって構成される。ま
ず、ガラス成分としては、40〜400℃における熱膨
張係数が6〜18×10-6/℃である。且つ、メッキ工
程等における耐薬品性を有することが重要である。
は、公知の高熱膨張性のガラスが使用でき、例えばリチ
ウム珪酸系ガラス、PbO系ガラス、BaO系ガラス、
ZnO系ガラス等が使用することができる。なお、上記
ガラス成分の熱膨張係数は、結晶化ガラスの場合には、
焼成温度で熱処理した後の熱膨張係数を指すものであ
り、線膨張係数を意味する。
を5〜30重量%、特に5〜20重量%の割合で含有す
るものであり、焼成後に高熱膨張係数を有するリチウム
珪酸を析出するものが好適に使用される。また、上記リ
チウム珪酸ガラスとしては、Li2O以外にSiO2を必
須の成分として含むが、SiO2はガラス全量中、60
〜85重量%の割合で存在し、SiO2とLi2Oとの合
量がガラス全量中、65〜95重量%であることがリチ
ウム珪酸結晶を析出させる上で望ましい。
gO、TiO2、B2O3、Na2O、K2O、P2O5、Z
nO、F等が配合されていてもよい。なお、このリチウ
ム珪酸ガラス中には、B2O3は1重量%以下であること
が望ましい。
とし、さらにB2O3、SiO2のうちの少なくとも1種
を含有するものであり、焼成後にPbSiO3、PbZ
nSiO4等の高熱膨張の結晶相が析出するものが好適
に使用される。とりわけPbO(65〜85重量%)−
B2O3(5〜15重量%)−ZnO(6〜20重量%)
−SiO2(0.5〜5重量%)−BaO(0〜5重量
%)から成る結晶性ガラスや、PbO(50〜60重量
%)−SiO2(35〜50重量%)−Al2O 3(1〜
9重量%)から成る結晶性ガラスが望ましい。
を10重量%以上含有するものであり、焼成後にZnO
・Al2O3、ZnO・nB2O3等の高熱膨張の結晶相が
析出するものが好適に使用される。ZnO成分以外に、
SiO2(60重量%以下)、Al2O3(60重量%以
下)、B2O3(30重量%以下)、P2O5(50重量%
以下)、アルカリ土類酸化物(20重量%以下)、Bi
2O3(30重量%以下)等が配合されていてもよい。と
りわけZnO10〜50重量%−Al2O310〜30重
量%−SiO230〜60重量%から成る結晶性ガラス
やZnO10〜50重量%−SiO25〜40重量%−
Al2O30〜15重量%−BaO0〜60重量%−Ma
O0〜35重量%から成る結晶性ガラスが望ましい。
%以上含有し、非晶質ガラス、または焼成後にBaO・
2SiO2、BaAl2Si2O8、BaB2Si2O8等の
結晶相を析出する結晶化ガラスが採用される。BaO以
外の成分としてSiO2、Al2O3、B2O3、P2O5、
アルカリ土類金属酸化物、アルカリ金属酸化物、ZrO
2等を含む場合もある。とりわけ、SiO2を25〜60
重量%、BaOを5〜60重量%、およびZr化合物を
ZrO2換算で0.1〜30%の割合で含有するものが
好適に使用される。
優れることから、上記BaO系ガラスがもっとも好適に
用いられる。
800℃、特に400〜700℃であることが望まし
い。これは、ガラスおよびフィラーからなる混合物を成
形する場合、有機樹脂等の成形用バインダーを添加する
が、このバインダーを効率的に除去するとともに、絶縁
基体と同時に焼成されるメタライズと焼成条件のマッチ
ングを図るために必要であり、屈伏点が400℃より低
いと、ガラスが低い温度で焼結を開始するため、例え
ば、Ag、Cu等の焼結温度が600〜800℃のメタ
ライズとの同時焼成ができず、また成形体の緻密化が低
温で開始するためにバインダーは分解揮発できなくな
り、バインダー成分が残留し、特性に影響を及ぼす結果
になるためである。一方、屈伏点が800℃より高い
と、ガラス量を多くしないと焼結しにくくなり、相対的
に高価なガラスの使用量が増加するため、コスト削減の
妨げとなる。
成分との焼結性が良好であり、40〜400℃における
熱膨張係数が9×10-6/℃以上、且つ、1MHzにお
ける比誘電率が13以上であることが望ましく、さらに
は20以上であることが望ましい。このフィラーの熱膨
張係数が9×10-6/℃より低い場合、焼結体の熱膨張
係数を9×10-6/℃以上に制御することが難しくな
る。また、フィラー成分の熱膨張係数が低い場合、ガラ
ス成分の熱膨張係数を高くする必要があるため、フィラ
ー成分の熱膨張係数は、12×10-6/℃以上であるこ
とがより望ましい。
て、チタン酸ランタンを含有することが重要である。こ
のフィラーの1つとしてチタン酸ランタンを用いること
によって、焼結性を阻害することなく、緻密質なガラス
セラミック焼結体を作製することができる。このチタン
酸ランタンは、一般式がLn2O3・xTiO2(xはモ
ル分率、2≦x≦5)で表され、以下の特性を有する。
が得られ、調合比率を制御することにより熱膨張係数、
誘電率を容易に制御できる。例えばガラス成分として、
40〜400℃における熱膨張係数が6.5×10-6/
℃のガラスを用いた場合、焼結体の40〜400℃にお
ける熱膨張係数α、及び比誘電率εは、10≦α≦1
2、14≦ε≦25の範囲で制御可能となる。
するためには、より高熱膨張なガラス成分を使用すれば
よく、熱膨張係数の設定は、外部回路基板の熱膨張係数
に合わせて行う。
害しない範囲で、上記のチタン酸ランタン以外に他の高
熱膨張系フィラーと組み合わせることも可能である。例
えば、クオーツ(石英)、クリストバライト、トリジマ
イト、ZrO2、MgO、ペタライト、フォルステライ
ト(2MgO・SiO2)、スピネル(MgO、Al2O
3)、ウォラストナイト(CaO・SiO2)、モンティ
セラナイト(CaO・MgO・SiO2)、ネフェリン
(Na2O・Al2O3・SiO2)、リチウムシリケート
(Li2O・SiO2)、ジオプサイド(CaO・MgO
・2SiO2)、メルビナイト(2CaO・MgO・2
SiO2)、アケルマイト(2CaO・MgO・2Si
O2)、カーネギアイト(Na2O・Al2O3・2SiO
2)、エンスタタイト(MgO・SiO2)、ホウ酸マグ
ネシウム(2MgO・B2O3)、セルシアン(BaO・
Al2O3・2SiO2)、B2O3・2MgO・2Si
O2、ガーナイト(ZnO・Al2O3)、CaTiO3、
BaTiO3、SrTiO3、TiO2等が挙げられる。
めには、フィラー量が上記の範囲から逸脱しない範囲
で、チタン酸ランタンに加えて、 BaTiO3 (α=14×10-6/℃、ε=13000) CaTiO3 (α=13×10-6/℃、ε=180) SrTiO3 (α= 9×10-6/℃、ε=300) TiO2 (α= 9×10-6/℃、ε=80) のうちの少なくとも1種との複合化が有効である。これ
らの中でも、TiO2(ルチル)は、他の高誘電率フィ
ラーと比較し誘電率は低いものの、チタン酸ランタンと
の複合化によってさらに焼結性を高める効果がある。ま
た、このTiO2は、例えばLa2O3−2TiO2に対し
て、TiO2を組み合わせることによって、Ln2O3・
xTiO2のx値を制御するための調整剤として用い、
焼結性や誘電率、熱膨張特性を制御することも可能であ
る。
率の高い上記フィラーの添加は、誘電率25以上の焼結
体を得るためのみならず、誘電率25以下の焼結体を得
る場合においては、フィラー成分量を少なく、ガラス成
分量を多くでき、ガラス成分量の制御範囲が広がるため
有効である。
ガラス成分35〜60体積%と、フィラー成分40〜6
5体積%の割合で調合する。これは、ガラス成分が35
体積%よりも少なく、フィラー成分が65体積%よりも
多いと、銅と同時焼成可能な温度域において良好な緻密
体が得られず、ガラス成分が60体積%よりも多く、フ
ィラー成分が40体積%よりも少ない場合、焼結体とし
ての誘電率を高めることが難しくなるためである。
iO2(xはモル分率、2≦x≦5)のx値によって、
所望の熱膨張係数および誘電率を達成するためには、そ
のフィラーとしての配合量も適宜調整することが必要で
ある。具体的には、後述する実施例から明らかなよう
に、x値が大きくなるに従い、高熱膨張性を達成できる
範囲が徐々に狭くなり、x>5では、熱膨張の大きいガ
ラスを用いないと高熱膨張化が難しくなる。
うち、50体積%以上、特に60体積%以上を構成する
ことによって、チタン酸ランタンによる効果を十分に発
揮することができる。なお、このチタン酸ランタンは、
ガラスに添加する場合には、La2O3粉末とTiO2粉
末の形態で添加することも可能であるが、低温での焼結
性を改善する上では、La2O3粉末とTiO2粉末の混
合粉末を1200〜1500℃で仮焼してLn2O3・x
TiO2を作製した後、平均粒径1〜5μmに粉砕した
ものが好適に使用できる。なお、この複合酸化物は、x
>2の場合、Ln2O3・2TiO2+TiO2からなる場
合がある。
は、適当な有機樹脂バインダーを添加した後、所望の成
形手段、例えば、金型プレス、冷間静水圧プレス、射出
成形、押し出し成形、ドクターブレード法、カレンダー
ロール法、圧延法等により任意の形状に成形する。
まず、成形のために配合したバインダー成分を除去す
る。バインダーの除去は、700℃前後の大気雰囲気中
で行われるが、配線導体として、例えばCuを用いる場
合には、100〜700℃の水蒸気を含有する窒素雰囲
気中で行われる。この時、成形体の収縮開始温度は70
0〜850℃程度であることが望ましく、かかる収縮開
始温度がこれより低いとバインダーの除去が困難となる
ため、成形体中の結晶化ガラスの特性、特に屈伏点を前
述したように制御することが必要となる。
または非酸化性雰囲気中で行われ、これにより相対密度
90%以上まで緻密化される。この時の焼成温度が85
0℃より低いと緻密化することができず、1050℃を
超えるとメタライズ配線層との同時焼成でメタライズ層
が溶融してしまう。但し、Cu等の配線導体と同時焼成
する場合には非酸化性雰囲気中で焼成される。
ック焼結体中には、ガラス成分から生成した結晶相、ガ
ラス成分とフィラー成分との反応により生成した結晶
相、あるいはフィラー成分、あるいはフィラー成分が分
解して生成した結晶相等が存在し、これらの結晶相の粒
界にはガラス相が存在する。
は、フィラー成分としてチタン酸ランタンを用いること
によって焼結体中のボイド量を低減することができ、具
体的には気孔率を0.5%以下に低減でき、さらには4
0〜400℃における熱膨張係数が9×10-6/℃以
上、特に10×10-6/℃以上、1MHzにおける誘電
率が10以上、特に14以上、さらには17以上の高熱
膨張、高誘電率のガラスセラミック焼結体を得ることが
できる。しかも、850〜1050℃の焼成温度で焼成
可能であるため、銅等の低抵抗金属との同時焼成が可能
である。
高熱膨張セラミックスを配線基板の絶縁基板材料として
用いることで配線基板の小型化を図ることができる。
層1a,1b,1cが多層に積層された絶縁基板1の表
面および/または内部にメタライズ配線層2が配設され
ている多層配線基板において、セラミック絶縁層のうち
の少なくとも1層1bを上記高熱膨張、高誘電率のガラ
スセラミック焼結体によって形成し、その上下に銅など
の導体からなる電極層3,3を形成し、スルーホール導
体4、4など経由して基板表面のメタライズ配線層2、
2と接続することにより、配線層2、2間で所定の静電
容量を取り出すことができる。
結体からなる絶縁層は、40〜400℃における熱膨張
係数が6〜18×10-6/℃のガラス成分35〜60体
積%と、フィラー成分40〜65体積%とからなり、誘
電率が10未満の低誘電率ガラスセラミック焼結体から
なる絶縁層間に積層されていることが望ましい。
前記のガラスセラミック焼結体から高誘電率のフィラー
成分を除く以外は全く同様にして容易に形成できる。
基板は、前述したガラス粉末、およびフィラー粉末から
なる低誘電率のガラスセラミック組成物に、適当な有機
バインダー、溶剤、可塑材を添加混合することによりス
ラリーを作製し、かかるスラリーを周知のドクターブレ
ード等の塗工方式によるグリーンシート成形法により、
グリーンシート状に成形する。そして、メタライズ配線
層として、適当な金属粉末に有機バインダー、溶剤、可
塑材を添加混合して得た金属ペーストを前記グリーンシ
ートに周知のスクリーン印刷法により、所定のパターン
に印刷塗布する。また、場合によっては、前記グリーン
シートに適当な打ち抜き加工を行いスルーホールを形成
し、このホール内にもメタライズペーストを充填する。
のガラスセラミック組成物を用いて成形、打ち抜き、電
極層の印刷を行なった高熱膨張、高誘電率のガラスセラ
ミックグリーンシートを作製する。
クグリーンシートと高誘電率のガラスセラミックグリー
ンシートとを積層し、グリーンシート積層体とメタライ
ズを同時焼成することにより、コンデンサを内蔵する多
層配線基板を得ることができる。
スセラミック層により構成されるコンデンサを内蔵した
高熱膨張の多層配線基板は、有機樹脂を含有するプリン
ト基板などにボール状半田端子や半田を介して実装した
場合においても温度サイクルに対する長期信頼性の実装
が可能である。しかも、コンデンサを内蔵することによ
り、該基板を実装するプリント基板などの外部回路基板
の小型化を図ることができる。
量%−B2O310重量%−Al2O37重量%−CaO5
重量%からなるガラス(屈伏点700℃、熱膨張係数
6.5×10-6/℃、Pb量50×10-6以下)に対し
て、フィラーとして、表1に示す誘電体フィラー粉末を
準備した。尚、表中の熱膨張係数は、40〜400℃に
おける値を示す。そして、上記ガラス粉末50体積%に
対し、表2のフィラーをそれぞれ50体積%を秤量調合
し、溶剤を加えてボールミルを用いて粉砕混合した後、
有機バインダー、可塑材を加えて重分混合させてスラリ
ーを作製し、ドクターブレード法により厚み500μm
のグリーンシートを作製した。得られたグリーンシート
より、50mm×50mmのサンプルをプレスし、70
0℃において水蒸気を含有する窒素雰囲気中で脱バイン
ダー後、910℃において窒素雰囲気中で焼成を行っ
た。
とLa2O3粉末とをLn2O3・xTiO2(x=2,
3,4,5)の組成比率で混合したものを1400℃で
仮焼した後、平均粒径2μmにまで粉砕したものを用い
た。
メデス法によって測定するとともに、40〜400℃に
おける熱膨張係数、誘電率をそれぞれ測定し、その結果
を表1に示した。
ランタンを用いた場合、他のフィラーを用いた場合と比
較して、より緻密な焼結体が得られるとともに、高熱膨
張化と高誘電率化が図られることがわかる。 実施例2 チタン酸ランタンとガラスとの組成比を表2〜表5のよ
うに変化させる以外は実施例1と同様にして焼結体を作
製し、特性の評価を行なった。結果は、表2〜表5に示
した。
ガラス成分が35体積%未満では良好な緻密体が得られ
ず、また、60体積%を超えると、誘電率または熱膨張
係数が所望の特性が得られなかった。また、この実施例
におけるガラス種の場合、Ln2O3・xTiO2(x=
2,3,4,5)のxが大きくなるに従い、焼結性が低
下するとともに、熱膨張係数が低下する傾向がみられ
た。
張化を図る時は、さらに高熱膨張のガラスを用いればよ
い。
ラミック焼結体は、40〜400℃における熱膨張係数
が9×10-6/℃以上、且つ、1MHzにおける比誘電
率が10以上であることを特徴とし、高熱膨張ガラスセ
ラミック絶縁層よりなる多層配線基板の内層として用い
ることにより、コンデンサを内蔵した高熱膨張配線基板
を提供できる。このコンデンサ内蔵高熱膨張セラミック
多層配線基板は、小型化に有効なボールグリッドアレイ
実装型の配線基板としてプリント基板への実装の長期信
頼性が高く、また従来、外部回路基板に実装されていた
コンデンサが不要となるため、外部回路基板の小型化、
および実装コストの削減に有効であり、急速に普及しつ
つある携帯用電子機器の小型化に、大いに貢献できる。
ための概略断面図である。
Claims (5)
- 【請求項1】40〜400℃における熱膨張係数が6〜
18×10-6/℃のガラス成分35〜60体積%と、フ
ィラー成分40〜65体積%とからなり、該フィラー成
分として、少なくともチタン酸ランタンを含み、40〜
400℃における熱膨張係数が9×10-6/℃以上であ
り、且つ1MHzにおける比誘電率が10以上であるこ
とを特徴とするガラスセラミック焼結体。 - 【請求項2】前記チタン酸ランタンが、Ln2O3・xT
iO2(xはモル分率、2≦x≦5)からなることを特
徴とする請求項1のガラスセラミック焼結体。 - 【請求項3】セラミック絶縁層が多層に積層された絶縁
基板の表面および/または内部にメタライズ配線層が配
設されている多層配線基板において、前記セラミック絶
縁層のうちの少なくとも1層が、40〜400℃におけ
る熱膨張係数が6〜18×10-6/℃のガラス成分35
〜60体積%と、フィラー成分40〜65体積%とから
なり、該フィラー成分として、少なくともチタン酸ラン
タンを含み、40〜400℃における熱膨張係数が9×
10-6/℃以上であり、且つ1MHzにおける比誘電率
が10以上の高誘電率ガラスセラミック焼結体からなる
ことを特徴とする多層配線基板。 - 【請求項4】前記高誘電率ガラスセラミック焼結体から
なる絶縁層が、40〜400℃における熱膨張係数が6
〜18×10-6/℃のガラス成分35〜60体積%と、
フィラー成分40〜65体積%とからなり、誘電率が1
0未満の低誘電率ガラスセラミック焼結体からなる絶縁
層と積層されてなることを特徴とする請求項3記載の多
層配線基板。 - 【請求項5】前記高誘電率ガラスセラミック焼結体から
なる絶縁層が、一対の電極層間に配設されており、該一
対の電極によって所定の静電容量が引き出されることを
特徴とする請求項3記載の多層配線基板。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002326863A (ja) * | 2001-04-27 | 2002-11-12 | Kyocera Corp | セラミック組成物およびそれを用いた多層配線基板 |
JP2003055034A (ja) * | 2001-08-21 | 2003-02-26 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 積層ガラスセラミック材料及び積層ガラスセラミック焼結体 |
CN113354406A (zh) * | 2021-06-29 | 2021-09-07 | 重庆大学 | 一种基于放电等离子体辅助冷烧结制备ZnO陶瓷的方法 |
-
2000
- 2000-01-31 JP JP2000027280A patent/JP3793557B2/ja not_active Expired - Fee Related
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