JP2001220101A - 水素吸蔵方法及び水素吸蔵装置 - Google Patents

水素吸蔵方法及び水素吸蔵装置

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JP2001220101A
JP2001220101A JP2000031629A JP2000031629A JP2001220101A JP 2001220101 A JP2001220101 A JP 2001220101A JP 2000031629 A JP2000031629 A JP 2000031629A JP 2000031629 A JP2000031629 A JP 2000031629A JP 2001220101 A JP2001220101 A JP 2001220101A
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JP
Japan
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hydrogen
evaluation
tank
carbon material
pores
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JP2000031629A
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English (en)
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Izumi Takahashi
泉 高橋
Kenji Ezaki
研司 江崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より多くの水素を吸蔵することができる水
素吸蔵方法及び水素吸蔵装置を提供することにある。 【解決手段】 細孔を有する炭素材料に水素を吸蔵させ
ることを特徴とする水素吸蔵方法及び細孔を有する炭素
材料と炭素材料を収納した容器とを含むことを特徴とす
る水素吸蔵装置である。炭素はその表面に気体分子、液
体分子を吸着させる特性を有しており、炭素材料を用い
ることによりその表面に気体水素分子、液体水素分子を
吸着させることができる。また炭素材料は細孔を有して
いるのでその比表面積は大きくなってより多くの水素分
子を吸着させることができる。更に細孔内では水素分子
と炭素材料との接触が多くなり、それだけ吸着効果が向
上し、炭素材料に水素分子を固定的に吸着させることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水素吸蔵方法及び水
素吸蔵装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年水素を燃料として用いる燃料電池や
エンジン等が開発され、それと同時にこれらのエンジン
や燃料電池等に供給される水素を吸蔵或いは貯蔵する方
法、装置等についても開発が進められている。
【0003】従来から存在する水素の貯蔵方法として
は、例えば20MPa程度の圧力を水素に加えて高圧水
素ボンベに水素を貯蔵する方法や20Kの温度にまで冷
却され液化された水素を液体水素ボンベに貯蔵する方法
がある。
【0004】しかし高圧水素ボンベに水素を貯蔵する方
法は、水素ボンベとして用いる容器を高圧力に耐えるこ
とができるように肉厚にする必要がある。そのため容器
の大きさ、重量が大きくなるという問題がある。また液
体水素ボンベに液化した水素を貯蔵する方法は、温度を
20K以下にまで冷却して水素を液化しなければなら
ず、また液体水素ボンベに用いる容器は20K以下に耐
えることができる超低温用の容器にしなければならない
という問題がある。更に厳重に容器をシールしても液体
水素が気化して、消失してしまうという問題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで近年水素吸蔵合
金を用いる方法が開発されている。これは合金の結晶格
子の隙間に原子状水素を捉えて吸蔵する方法である。こ
の水素吸蔵合金としては、例えばランタンニッケル合
金、チタン鉄合金、マグネシウムニッケル合金等が開発
されている。しかしこの方法は金属合金を用いるため、
水素吸蔵合金自体の重量が重いという問題がある。
【0006】そこで特開平10−72201号公報には
水素分子を水素原子に解離させる機能を有する金属若し
くは合金の被膜を表面に有する多孔性炭素質材料を用い
て水素を吸蔵する方法が開示されている。この方法は多
孔性炭素質材料に原子状水素を吸蔵させる方法であっ
て、多孔性炭素質材料の表面に水素分子を水素原子に解
離させる機能を有する金属若しくは合金の被膜を形成し
ていることから、この方法に用いられる金属若しくは合
金の重量はそれほど重くはならない。
【0007】しかし水素吸蔵方法及び水素吸蔵装置にお
いては、水素の吸蔵量を更に多くすることが求められて
いる。
【0008】そこで本発明の目的は、より多くの水素を
吸蔵することができる水素吸蔵方法及び水素吸蔵装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ナノメート
ルのスケールの空間には水素分子を入れることが可能で
はないかと考えた。本発明者は、鋭意研究の結果、水素
分子を吸蔵することができるような大きさの細孔が炭素
材料に形成されていれば水素分子の状態のままで水素を
その細孔に吸蔵することができると考えた。
【0010】そこで本発明者は、細孔を有する炭素材料
に水素を吸蔵させることを特徴とする水素吸蔵方法を発
明した。また本発明者は、細孔を有する炭素材料と該炭
素材料を収納した容器とを含むことを特徴とする水素吸
蔵装置を発明した。
【0011】即ち炭素はその表面に気体分子、液体分子
を吸着させる特性を有しており、炭素材料を用いること
によりその表面に気体水素分子、液体水素分子を吸着さ
せることができる。また炭素材料は細孔を有しているの
でその比表面積は大きくなってより多くの水素分子を吸
着させることができる。更に炭素材料の細孔内では水素
分子と炭素材料との接触が多くなり、それだけ吸着効果
が向上し、炭素材料に水素分子を固定的に吸着させるこ
とができる。
【0012】本発明の水素吸蔵方法及び水素吸蔵装置
は、吸蔵空間が同一の容積の場合において、従来の水素
吸蔵用或いは貯蔵用容器よりもより多くの量の水素を吸
蔵することができる。
【0013】また本発明の水素吸蔵方法及び水素吸蔵装
置においては、吸蔵された水素分子は細孔に固定して吸
蔵されることになり、水素の放出速度を遅くすることが
でき、水素の気化による消失を従来より少なくできる。
【0014】更に本発明の水素吸蔵方法及び水素吸蔵装
置においては、細孔を有する炭素材料に水素を吸蔵する
ので、比較的に重量の軽い装置に水素を吸蔵することが
できる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の水素吸蔵方法及び水
素吸蔵装置の実施の形態について説明する。本発明の水
素吸蔵方法は、細孔を有する炭素材料に水素を吸蔵させ
ることを特徴とし、本発明の水素吸蔵装置は細孔を有す
る炭素材料と炭素材料を収納した容器とを含むことを特
徴とする。
【0016】炭素材料を用いることによって、その表面
に液体水素分子、気体水素分子を吸着させることができ
る。また細孔を有する炭素材料を用いることによって、
炭素材料の比表面積を大きくして、より多くの水素分子
を吸着させることができ、更に細孔に水素分子を吸着さ
せることにより固定的に水素分子を吸着させることがで
きる。
【0017】炭素材料としては、細孔を有する炭素材料
であれば特に限定はないが、活性炭、カーボンナノチュ
ーブ、グラファイトナノファイバー等を用いるのが好ま
しい。これらの炭素材料は水素分子を吸着させる細孔を
容易に形成することができる。
【0018】カーボンナノチューブは、中空の円筒形状
をしており、炭素の6員環が配列されて円筒形状の側面
を構成しているチューブである。チューブ径は概ね1n
m〜3nmというナノメーターのスケールである。従っ
てカーボンナノチューブのチューブ内の空間は細孔とし
て水素分子を固定的に吸蔵することができる。またカー
ボンナノチューブ間の空隙にも水素分子を吸蔵すること
が可能である。
【0019】グラファイトナノファイバーは、グラファ
イトからできた繊維であって、繊維径が概ねナノスケー
ルの大きさの繊維である。グラファイトは炭素の6員環
が二次元的に無限に連なった層が積層された積層構造を
している。グラファイトを構成する層と層との間隔は概
ね0.34nmである。この層間の空間が細孔として水
素分子を固定的に吸蔵することができる。またグラファ
イトナノファイバー間の空隙にも水素分子を吸蔵するこ
とが可能である。
【0020】活性炭は無数の孔を有する炭素である。活
性炭が有する孔が細孔として水素を固定的に吸蔵するこ
とができる。また個々の活性炭の間の空隙にも水素を吸
蔵することが可能である。活性炭は粉状の活性炭を用い
るのが好ましい。
【0021】細孔の孔径は水素分子が入る程度の大きさ
であればよい。細孔の孔径は概ね0.5〜1000nm
であるのが好ましい。細孔の大きさが小さ過ぎると水素
分子が細孔に入ることが困難になる。反対に細孔の大き
さが大き過ぎると水素分子が細孔を構成する炭素材料に
接触しにくくなり、細孔に水素分子を固定的に吸着する
ことが困難になる。
【0022】炭素材料の細孔率は概ね50〜90%が好
ましい。細孔率が50%未満であると比表面積が少なく
なり、それだけ水素分子の吸着量が減少するし、また細
孔が形成する空間がそれだけ少なくなり、水素分子を吸
蔵する空間が減少する。また細孔率が90%を越える
と、炭素材料が構造上脆くなり、取り扱い時及び使用中
に壊れやすくなる。
【0023】炭素材料を水素ボンベ等の容器に収納し
て、気体水素に圧力を加えて炭素材料に水素を吸蔵する
ことができる。炭素材料は、水素の吸放出による変形が
少ないので、容器に応力をかけない長所を有する。
【0024】炭素材料を収納する容器は水素を貯蔵或い
は吸蔵することができる通常の容器を用いることができ
る。例えばステンレス製のタンク、ボンベ等を用いるこ
とができる。容器の内部構造は、炭素材料が一箇所にか
たまらず、均一に分布できる構成が望ましい。
【0025】気体水素に圧力を加えることにより容器に
収納された炭素材料の細孔に水素分子を入り込ませ易く
なり、容易に水素を固定的に吸着して吸蔵させることが
できる。圧力は概ね1〜10MPaであればよく、1〜
3MPaが好ましい。水素吸着は2MPa前後から効果
が顕著となることから、容器の重量・サイズをできるだ
け軽量化するには1〜3MPa程度で加圧することが適
当であると考えられる。
【0026】また炭素材料が収納された容器に水素を吸
蔵させる場合、温度は概ね100〜20Kであればよ
く、30〜20Kが好ましい。30K程度の温度で、3
0Kを超える温度と比べて、さらに吸着特性が顕著にな
る。
【0027】また水素を気体状態で吸蔵してから更に液
体水素を吸蔵することも可能である。
【0028】なお水素を吸蔵した場合細孔に固定的に吸
着して吸蔵しているので、水素の気化を従来よりも防止
することが可能である。
【0029】このようにして吸蔵した水素は、水素を吸
蔵させた温度以上の温度で取り出すことができる。なお
水素の取り出しに際しては加熱する必要はなく、補助的
なエネルギーを必要としない。
【0030】炭素材料の細孔に固定的に水素が吸着して
吸蔵されているので、従来よりもゆっくりと安定的に水
素を取り出すことができる。また水素貯蔵容器の取り扱
いの安全性を向上することができる。さらに液体水素と
して保管する場合、保存期間を従来と比べて、延長する
ことができる。
【0031】
【実施例】以下水素を吸蔵するタンクを用いて、本発明
の効果を確認したための評価試験を行った。以下その内
容について説明する。なお以下の評価試験における実施
例1、実施例2、実施例3においてはいずれも同一の活
性炭を用いた。この活性炭は細孔を有している粉状の活
性炭であって、SEM写真で見たところ概ねφ5〜50
μm程度の粉が混在していた。活性炭のかさ密度は0.
5g/cm3、細孔率は50%、細孔の孔径は100n
m、また活性炭を構成する炭素材料自体が有する微小孔
の孔径は数nmであった活性炭であった。
【0032】(評価試験1)図1に実施例1と比較例に
おける平衡圧力と時間との関係を表したグラフを示す。
【0033】実施例1として、活性炭を収納した評価用
タンクに水素を吸蔵した。実施例1で用いた評価用タン
クは、円筒形状で、内容積が4cm3で、SUS304
(JIS G 4311)製のタンクであった。この評価
用タンクに上述の活性炭を2g収納した。
【0034】実施例1で評価用タンクに収納された活性
炭は、活性炭のかさ密度は0.5g/cm3であるの
で、2gの活性炭を評価用タンクに収納したということ
は収納された活性炭は4cm3であった。従って実施例
1においては、内容積が4cm3の評価用タンクに4c
3の活性炭を収納した。またこの活性炭の細孔率は5
0%であるので、この評価用タンクに収納された活性炭
の細孔の容積は2cm3であった。従って実施例1にお
いては、評価用タンクが細孔に水素を吸蔵することがで
きる空間は2cm3であった。
【0035】実施例1においては、この活性炭を収納し
た評価用タンクに290Kで、2MPaの圧力で、0.
1MPaにおいて体積が40cm3に換算される量の水
素ガスを導入して、吸蔵した。即ち2cm3の水素を吸
蔵できる空間に0.1MPaにおいて体積が40cm3
となる水素ガスを吸蔵した。
【0036】比較例として、活性炭を収納していない空
の状態の評価用タンクに水素を吸蔵した。比較例におい
て用いた評価用タンクは、実施例1の評価用タンクと同
一のタンクであった。即ち円筒形状で、内容積が4cm
3のSUS304(JIS G4311)製のタンクであ
った。比較例においては、この評価用タンクに内部に活
性炭を全く収納せず、空の状態のままで水素を吸蔵し
た。即ち比較例においては、評価用タンクが水素を吸蔵
することができる空間は4cm3であった。
【0037】比較例においては、この活性炭を収納して
いない空の状態の評価用タンクに290Kで、1MPa
の圧力で、0.1MPaにおいて体積が40cm3に換
算される量の水素ガスを導入して、吸蔵した。即ち4c
3の空間に0.1MPaにおいて体積が40cm3と換
算される量の水素ガスを吸蔵した。
【0038】その後実施例1の評価用タンクと比較例の
評価用タンクを同時に、水素の液化温度である21Kよ
りも低い温度である20Kまで冷却し、評価用タンク内
に導入された水素ガスをそれぞれ液化した。290Kか
ら20Kまで冷却するのに冷却開始後240分要した。
この絶対温度20Kの段階で実施例1及び比較例の評価
用タンク内の平衡圧力を測定した。
【0039】実施例1においては、評価用タンクの平衡
圧力は0.1MPaであった。比較例においては、評価
用タンクの平衡圧力は0.2MPaであった。
【0040】このことから同量の水素を液体で評価用タ
ンクに導入した場合において、評価用タンクに活性炭を
収納した構造の方が、評価用タンクに活性炭を収納して
いない構造よりも、評価用タンク内の平衡圧力を低くで
きることが確認できた。
【0041】実施例1及び比較例の評価用タンクを上述
したように20Kで冷却した後、冷却を中止して、それ
ぞれの評価用タンクの温度を室温290Kで自然上昇さ
せた。即ち冷却開始後240分から270分までは20
Kに評価用タンクの温度を保ち、その後冷却を中止し
た。そして評価用タンク内の平衡圧力が0.8MPaに
至るまでの時間を計測した。実施例1の評価用タンクに
おいては平衡圧力が0.8MPaになるまで冷却中止後
37分かかった。比較例の評価用タンクにおいては冷却
中止後32分かかった。
【0042】このことから同量の水素を液体で導入した
場合において、活性炭を収納した構造の評価用タンク
(実施例1)の方が、活性炭を収納していない構造の評
価用タンク(比較例)よりも、水素の放出時間が延びる
ことが確認できた。
【0043】(評価試験2)図2に実施例2と比較例に
おける平衡圧力と時間との関係を表した図を示す。
【0044】実施例2として、活性炭を収納した評価用
タンクに水素を吸蔵した。実施例2で用いた評価用タン
クは、円筒形状で、内容積が8cm3で、SUS304
(JIS G 4311)製のタンクであった。この評価
用タンクに上述の活性炭を4g収納した。
【0045】活性炭のかさ密度は0.5g/cm3であ
るので、4gの活性炭を評価用タンクに収納したという
ことは収納された活性炭は8cm3であった。従って実
施例2においては、内容積が8cm3の評価用タンクに
8cm3の活性炭を収納した。またこの活性炭の細孔率
は50%であるので、この評価用タンクに収納された活
性炭の細孔の容積は4cm3であった。従って実施例2
においては、評価用タンクが水素を吸蔵することができ
る空間は4cm3であった。
【0046】実施例2においては、この活性炭を収納し
た評価用タンクに290Kで、1Mpaの圧力で、0.
1MPaにおいて体積が40cm3に換算される量の水
素ガスを導入して吸蔵した(このように理解しまし
た)。即ち4cm3の空間に、0.1MPaにおいて体
積が40cm3と換算される量の水素ガスを吸蔵した。
【0047】評価試験2の比較例は評価試験1の比較例
と同一である。即ち内容積が4cm 3のSUS304
(JIS G 4311)製の評価用タンクに、活性炭を
全く収納せず、空の状態のままで水素を吸蔵した。従っ
て比較例においては、評価用タンクが水素を吸蔵するこ
とができる空間は4cm3であった。
【0048】比較例は評価試験1における比較例と同一
である。活性炭を収納していない空の状態の評価用タン
クに290Kで、1MPaの圧力で、0.1MPaにお
いて体積が40cm3に換算される量の水素ガスを吸蔵
した。即ち4cm3の空間に0.1MPaにおいて体積
が40cm3と換算される量の水素ガスを吸蔵した。
【0049】その後実施例2の評価用タンク及び比較例
の評価用タンクを同時に20Kまで冷却し、評価用タン
ク内に導入された水素ガスをそれぞれ液化した。290
Kから20Kまで冷却するのに冷却開始後240分要し
た。この温度20Kの段階で実施例2及び比較例の評価
用タンク内の平衡圧力を測定した。
【0050】実施例2の評価用タンクにおいては平衡圧
力が0.07MPaであった。比較例の評価用タンクに
おいては平衡圧力が0.2MPaを示した。
【0051】このことから同一の吸蔵容積を有する評価
用タンクに同一の量の水素を液体で導入した場合におい
て、評価用タンクに活性炭を収納した構造の方が、評価
用タンクに活性炭を収納していない構造よりも、評価用
タンク内の平衡圧力を低くできることが確認できた。
【0052】実施例2及び比較例の評価用タンクを上述
したように20Kで冷却した後、冷却を中止して、それ
ぞれの評価用タンクの温度を室温290Kで自然上昇さ
せた。即ち冷却開始後240分から270分までは20
Kに評価用タンクの温度を保ち、その後冷却を中止し
た。そして評価用タンク内の平衡圧力が0.8MPaに
至るまでの時間を計測した。実施例2の評価用タンクに
おいては平衡圧力が0.8MPaになるまで冷却中止後
40分かかった。比較例の評価用タンクにおいては評価
試験1で述べたように冷却中止後32分かかった。
【0053】このことから同量の水素を液体で導入した
場合において、活性炭を収納した構造の評価用タンク
(実施例2)の方が、活性炭を収納していない構造の評
価用タンク(比較例)よりも、水素の放出時間が延びる
ことが確認できた。
【0054】(評価試験3)図3に実施例3における平
衡圧力と導入圧力の関係を示す。
【0055】評価試験1及び評価試験2で述べた比較例
は以下のようであった。活性炭を収納していない空の状
態の評価用タンクに水素を吸蔵した。即ち用いた評価用
タンクは、円筒形状で、内容積が4cm3のSUS30
4(JIS G 4311)製のタンクであった。この評
価用タンクに内部に活性炭を全く収納せず、空の状態の
ままで水素を吸蔵した。比較例においては、評価用タン
クが水素を吸蔵することができる空間は4cm3であっ
た。
【0056】そしてこの活性炭を収納していない空の状
態の評価用タンクに290Kで、1MPaの圧力で、
0.1MPaにおいて体積が40cm3に換算される量
の水素ガスを吸蔵した。即ち4cm3の水素を吸蔵でき
る空間に0.1MPaにおいて体積が40cm3となる
水素ガスを吸蔵した。
【0057】その後評価用タンクを20Kまで冷却し、
評価用タンク内に導入された水素ガスを液化した。この
温度20Kの段階で評価用タンク内の平衡圧力を測定し
た。この場合評価用タンク内の平衡圧力は0.2MPa
であった。
【0058】そこで実施例3として、活性炭を収納した
評価用タンクに水素を吸蔵した後20Kの温度にまで冷
却したときの評価用タンク内の平衡圧力が0.2MPa
を示す水素の導入圧力を調べた。
【0059】実施例3で用いた評価用タンクは実施例1
で用いた評価用タンクと同一であった。即ち円筒形状
で、内容積が4cm3で、SUS304(JIS G 4
311)製のタンクであった。この評価用タンクに実施
例1と同様に上述の活性炭を2g収納した。
【0060】活性炭のかさ密度は0.5g/cm3であ
るので、2gの活性炭を評価用タンクに収納したという
ことは収納された活性炭は4cm3であった。
【0061】従って実施例3においては、内容積が4c
3の評価用タンクに4cm3の活性炭を収納した。また
この活性炭の細孔率は50%であるので、この評価用タ
ンクに収納された活性炭の細孔の容積は2cm3であっ
た。従って実施例3においては、評価用タンクが細孔に
水素を吸蔵することができる空間は2cm3であった。
【0062】水素を吸蔵した後、20Kの温度にまで冷
却したときの評価用タンク内の平衡圧力が0.2MPa
を示す水素の導入圧力を調べた。その結果290Kの温
度で、2.5MPaの圧力で水素を導入した場合に20
Kの温度で評価用タンク内の平衡圧力が0.2MPaに
なることが確認できた。
【0063】実施例3においては2.5MPaで2cm
3の空間に水素を吸蔵したので、0.1MPaで50c
3に換算される水素を吸蔵したことになる。
【0064】このことから活性炭を収納した構造の評価
用タンク(実施例3)の方が、活性炭を収納していない
構造の評価用タンク(比較例)に比べて、水素を液体に
した場合25%程度余分に貯蔵できると推定される。
【0065】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵方法及び水素吸蔵装置
は、吸蔵空間が同一の容積の場合において、従来の水素
吸蔵用或いは貯蔵用容器よりもより多くの量の水素を吸
蔵することができる。
【0066】また本発明の水素吸蔵方法及び水素吸蔵装
置においては、吸蔵された水素分子は細孔に固定して吸
蔵されることになり、水素の放出速度を遅くすることが
でき、水素の気化による消失を従来より少なくできる。
【0067】更に本発明の水素吸蔵方法及び水素吸蔵装
置においては、細孔を有する炭素材料に水素を吸蔵する
ので、比較的に重量の軽い装置に水素を吸蔵することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 評価試験1における実施例1及び比較例の平
衡圧力と時間との関係を表したグラフである。
【図2】 評価試験2における実施例2及び比較例の平
衡圧力と時間との関係を表したグラフである。
【図3】 評価試験3における実施例3の導入圧力と平
衡圧力との関係を表したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) D01F 9/12 D01F 9/12 Fターム(参考) 3E072 EA01 4G040 AA36 AA42 4G046 CB01 CB05 CB08 HB01 HB05 4G066 AA04B AA05B BA23 CA38 EA20 4L037 CS03 CS04 FA03 FA04 UA20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細孔を有する炭素材料に水素を吸蔵させ
    ることを特徴とする水素吸蔵方法。
  2. 【請求項2】 前記細孔は、孔径が0.5〜1000n
    mである請求項1記載の水素吸蔵方法。
  3. 【請求項3】 前記炭素材料は、カーボンナノチュー
    ブ、グラファイトナノファイバー及び活性炭のうち少な
    くとも一種以上である請求項1又は2記載の水素吸蔵方
    法。
  4. 【請求項4】 細孔を有する炭素材料と該炭素材料を収
    納した容器とを含むことを特徴とする水素吸蔵装置。
  5. 【請求項5】 前記細孔は、孔径が0.5〜1000n
    mである請求項4記載の水素吸蔵装置。
  6. 【請求項6】 前記炭素材料は、カーボンナノチュー
    ブ、グラファイトナノファイバー及び活性炭のうち少な
    くとも一種以上である請求項4又は5記載の水素吸蔵装
    置。
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