JP2007307473A - 水素貯蔵材料及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多くの水素吸蔵を行うことができる水素貯蔵材料及び焼成等により多孔質炭素材料の細孔径を制御しなくても多くの水素吸蔵を行うことができる水素貯蔵材料の製造方法を提供する。
【解決手段】多孔質炭素材料を用いた水素貯蔵材料であって、前記多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が吸着されているものであり、前記含窒素環状化合物が昇華性及び熱によって分子直径が変化する性質を有する。
【選択図】なし
【解決手段】多孔質炭素材料を用いた水素貯蔵材料であって、前記多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が吸着されているものであり、前記含窒素環状化合物が昇華性及び熱によって分子直径が変化する性質を有する。
【選択図】なし
Description
本発明は、水素貯蔵材料及びその製造方法に関する。
水素エネルギは、電気自動車用電源等に利用される燃料電池を始めとして様々な用途への利用が期待されている。水素エネルギを実用化するためには、水素を安全に貯蔵する技術が重要である。水素を貯蔵する方法として、高圧ガスボンベによる水素貯蔵が一般的であるが、装置の重量が大きくなり、かつ装置の単位体積当たりの貯蔵可能な水素量に実用上限界があるという欠点を有する。一方、容器に水素を吸蔵放出可能な材料を充填しておき、その材料に水素を吸蔵させて貯蔵する方法もある。水素を効率よく吸蔵放出する材料として水素吸蔵合金が公知である。しかし、水素吸蔵合金は重く、単位重量当たりの水素吸蔵量が小さいという欠点を有する。
最近、活性炭、フラーレン、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバ等の多孔質炭素材料は、水素を吸蔵する能力を有すると期待されており、水素貯蔵材料として利用するための検討が多数行われている。
通常、多孔質炭素材料の水素吸蔵は、多孔質炭素材料の細孔内に水素分子が吸着されることによって行われるため、多孔質炭素材料の水素吸蔵量は多孔質炭素材料の細孔径に影響を受ける。水素吸蔵に最も適した細孔径は1.5nm以下であるが、多孔質炭素材料の従来の製造技術では、広い細孔径分布(例えば0.5nm〜数十nm)をもった材料として得られるのが一般的であるため、多孔質炭素材料は水素吸蔵量が少なく水素貯蔵材料として実用できるレベルに達していない。
例えば、特許文献1〜4には、水素吸蔵量を増やすために多孔質炭素材料の原料となる物質にボールミリング等の機械的方法又は焼成等(賦活処理も含む)の方法を行い、生成される炭素材料の細孔径を制御することによって、多孔質炭素材料の水素吸蔵量を増やす方法が提案されている。
一方、例えば、特許文献5には、ガソリン蒸気を吸蔵するために広い細孔径を有する活性炭に有機化合物を吸着させることによって、活性炭の小さな細孔を選択的に閉塞させる活性炭の製造方法が提案されている。
しかし、特許文献1〜4の方法では、多孔質炭素材料の原料となる物質をボールミリング又は焼成等(賦活処理も含む)といった高エネルギ状態に置くことにより製造されるため、水素吸蔵に適した細孔径を制御することは極めて経験的なノウハウを伴うから、容易に水素吸蔵量を増やすことはできない。
また、特許文献5の方法では、活性炭の小さな細孔が有機化合物により閉塞されてしまうため、水素を吸蔵するのに適した径の細孔数が減少してしまい、水素吸蔵量を増やすことはできない。
本発明は、多くの水素吸蔵を行うことができる水素貯蔵材料及び焼成等により多孔質炭素材料の細孔径を制御しなくても多くの水素吸蔵を行うことができる水素貯蔵材料の製造方法を提供する。
本発明は、多孔質炭素材料を用いた水素貯蔵材料であって、前記多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が吸着されている。
また、前記水素貯蔵材料において、前記含窒素環状化合物は、昇華性を有することが好ましい。
また、前記水素貯蔵材料において、前記含窒素環状化合物は、熱によって分子直径が変化する性質を有することが好ましい。
また、前記水素貯蔵材料において、前記含窒素環状化合物は、メラミンであることが好ましい。
また、本発明は、多孔質炭素材料を用いた水素貯蔵材料を製造する方法であって、前記多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを混合し、加熱処理することによって前記含窒素環状化合物を前記多孔質炭素材料の細孔内に吸着させる工程を含む。
また、前記水素貯蔵材料の製造方法において、前記含窒素環状化合物は、昇華性を有することが好ましい。
また、前記水素貯蔵材料の製造方法において、前記含窒素環状化合物は、熱によって分子直径が変化する性質を有することが好ましい。
また、前記水素貯蔵材料の製造方法において、前記含窒素環状化合物は、メラミンであることが好ましい。
本発明に係る水素貯蔵材料では、多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が吸着されていることより、水素吸蔵量を向上させることができる。
本発明に係る水素貯蔵材料の製造方法では、多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを混合し、加熱処理することによって含窒素環状化合物を多孔質炭素材料の細孔内に吸着させる工程を含むことによって、焼成等により多孔質炭素材料の細孔径を制御しなくても水素吸蔵量が向上した水素貯蔵材料を得ることができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明の実施形態に係る水素貯蔵材料は、多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを含み、多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が吸着されているものである。
水素吸蔵に最も適した多孔質炭素材料の細孔径は1.5nm以下であるが、本実施形態に係る水素貯蔵材料に用いられる多孔質炭素材料の細孔径は特に制限されるものではない。例えば1.5nmを超える平均細孔径を有する多孔質炭素材料を用いる場合でも、多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物を吸着させることにより、平均細孔径を小さくさせ、水素吸蔵を可能とする細孔径分布を得ることが出来るため、水素吸蔵量を向上させることが出来る。
また、後述するが多孔質炭素材料の細孔内に吸着された含窒素環状化合物自体にも水素吸蔵が行われる。そのため、多くの含窒素環状化合物を多孔質炭素材料の細孔内に吸着させることによって水素吸蔵量を向上させることが出来ることから、例えば、BET比表面積が1000m2/g以上であるものが良い。BET比表面積が1000m2/gより小さいと、多孔質炭素材料の細孔内に多くの含窒素環状化合物を吸着させることが出来ず、多孔質炭素材料の水素吸蔵量を向上させることができない場合がある。BET比表面積の測定は、ガス吸着法による一点BET法又は多点BET法により行われるが、例えば、比表面積の大きい炭素材料を測定する場合、多点BET法を採用することが好ましい。測定装置には島津製作所製のASP−2020型が挙げられる。
多孔質炭素材料としては、例えば、活性炭、グラファイトナノチューブ、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーン、カーボンナノファイバ、カーボンブラック、及びフラーレン等のうち少なくとも1種以上から選択されるものが好ましい。
多孔質炭素材料の細孔内に吸着される含窒素環状化合物は、昇華性を有するものが良い。多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物を吸着させるためには、後述する熱処理を必要とする。昇華性を有する含窒素環状化合物は熱処理によって分子状気体となり、多孔質炭素材料の細孔内に吸着されるため、水素貯蔵材料の水素吸蔵量を向上させることが出来る。一方、昇華性を有しない含窒素環状化合物は熱処理によって液体となってしまうため、多孔質炭素材料の細孔内に吸着されるだけでなく、多孔質炭素材料の表面を覆い、多孔質炭素材料の一部の細孔は水素吸蔵に利用されない場合がある。
さらに、含窒素環状化合物は、熱によって構造が変化し、分子直径が変化する性質を有するものが良い。分子直径とは、原子の大きさをファンデルワールス半径で描いた分子を球体とみなした時の球体の直径である。多孔質炭素材料の細孔径の大きさによっては、含窒素環状化合物が吸着され難い場合があるからである。数十nmの細孔径を多く有する多孔質炭素材料には、例えば、10nm〜20nmの分子直径を有する含窒素環状化合物が吸着されやすく、10nm付近の細孔径を多く有する多孔質炭素材料には、例えば、1〜10nmの含窒素環状化合物が吸着されやすい。従って、分子直径が変化する性質を有することによって、多孔質炭素材料の細孔径によっては、含窒素環状化合物が吸着され難いということがなく、安定して多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物を吸着させることが出来るため、水素吸蔵量を向上せることが出来る。
含窒素環状化合物を構成する材料としては、例えば、メラミン、メチル化メラミン、メラミン樹脂等が挙げられる。また、昇華性及び熱により分子直径が変化する性質を有する点から、メラミン、メチル化メラミン等のメラミン系化合物であることが好ましい。
例えば、含窒素環状化合物を構成する材料としてメラミンを用いた場合、後述する熱処理の温度により、多孔質炭素材料の細孔内に吸着された含窒素環状化合物は、メラミン(分子直径約1nm)、メラミンが縮合したメレム(分子直径約2nm)、さらにメラミンが結晶化したグラファイト型C3N4(分子直径約10nm)、となる。従って、熱処理温度を制御することにより、メラミンの構造が変化するとともに、その分子直径も変化するため、多孔質炭素材料の細孔径によっては、メラミン等が吸着され難いということがない。このため、安定して多孔質炭素材料の細孔内に水素親和性の高いメラミン等を吸着させることができ、水素吸蔵量を向上させることができる。また、熱により分子直径が変化する性質を利用して、吸着される多孔質炭素材料の細孔の大きさを選択してメラミン等を吸着させることも可能であるため、水素吸蔵に適した細孔径分布とすることができる。
含窒素環状化合物は多孔質炭素材料と同様に水素吸蔵が可能である。その水素吸蔵について、メラミンを例として以下に説明する。メラミンの基本骨格であるトリアジン環は以下に示すように炭素3個、窒素3個が互いに1つおきに結合した環状構造であり、窒素が存在するので水素との分子間力は炭素のみのベンゼン環より強いため水素親和性が高く、より多くの水素を吸蔵することができる。
メレムは以下に示すように3分子のメラミンが縮合した構造を有し、上記環状構造の他にその環状構造より、中心付近に水素との分子間力が大きいAの環状構造を有するため、メラミンより多くの水素を吸蔵することができる。
一方、グラファイト型C3N4は、積層構造である。その積層構造の層間は、水素分子を吸蔵することができないほど狭いため、メレムに比べると水素吸蔵量は低い。しかし、窒素の存在のためいずれにしても、水素吸蔵は可能である。
含窒素環状化合物の吸着量は、特に制限されるものではないが、多孔質炭素材料の重量に対して、5〜20重量%の範囲であることが好ましい。吸着量の測定は、元素分析により行うことができる。吸着量が5重量%より小さいと多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が十分に吸着されないため、水素吸蔵量を向上させることが出来ない場合があり、20重量%より大きいと多孔質炭素材料の表面を含窒素環状化合物に覆れて水素吸蔵を行う細孔が塞がれる場合がある。このような場合には、含窒素環状化合物が蒸発する温度(昇華性を有する場合には昇華温度)以上の熱処理を行うことにより、多孔質炭素材料の表面を覆った含窒素環状化合物を除去することができる。
以上、本実施形態に係る水素貯蔵材料は、含窒素環状化合物が多孔質炭素材料の細孔内に吸着されることにより、水素吸蔵量を向上させることが出来る。これは、多孔質炭素材料中の水素吸蔵に適さない大きな細孔径を小さくさせ、水素吸蔵を可能とする細孔径分布を得ることができ、また、細孔内に吸着されている含窒素環状化合物自体の水素吸蔵を利用することができるためである。
次に、本発明の実施形態に係る水素貯蔵材料の製造方法について説明する。
水素貯蔵材料の製造方法は、多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを混合し、加熱処理することによって含窒素環状化合物を多孔質炭素材料の細孔内に吸着させる工程(以下、加熱処理工程)含むものである。
加熱処理工程は、真空チャンバ等を用いて減圧下で行われるものがよい。例えば、多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを混合し、その混合物を真空チャンバ等に導入(真空チャンバに導入した後に多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを混合するものでも良い)し減圧させた上で、加熱処理が行われる。また、加熱処理終了後には、窒素等の不活性ガスあるいは空気を真空チャンバ内に導入し大気圧に戻す。
多孔質炭素材料及び含窒素環状化合物は、上記で述べたものを使用することができる。
多孔質炭素材料と含窒素環状化合物の混合割合は、特に制限されるものではないが、混合物の総重量に対して含窒素環状化合物が5〜20重量%の範囲で混合されることが好ましい。含窒素環状化合物が5重量%より小さいと、多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が十分に吸着されないため、水素吸蔵量を向上させることが出来ない場合があり、20重量%より大きいと多孔質炭素材料の表面を含窒素環状化合物に覆れて水素吸蔵を行う細孔が塞がれる場合がある。
真空チャンバ等による減圧は、特に制限されるものではないが、多孔質炭素材料中に吸着していた大気成分を除去するため、0.1気圧以下で行われることがよい。また、減圧時間も特に制限されるものではないが、30〜60分の範囲で行われることがよい。
さらに、減圧時に予備加熱することにより、多孔質炭素材料に吸着していた大気成分を好適に除去することができる。予備加熱温度としては、含窒素環状化合物が昇華(又は揮発)しない温度であれば特に制限されるものではない。例えば、含窒素環状化合物を構成する材料として、メラミンを使用する場合、300℃より低い温度で加熱を行うことがよい。
加熱処理は、含窒素環状化合物を多孔質炭素材料の細孔内に吸着させることができる加熱処理温度であれば特に制限されるものではいが、含窒素環状化合物を構成する材料としてメラミンを用いた場合、300℃〜600℃の範囲、より好ましくは350℃〜550℃の範囲で行うのが良い。
例えば、含窒素環状化合物を構成する材料としてメラミンを用いた場合、加熱処理温度が300℃〜350℃の範囲であれば、メラミンはメラミン分子のまま炭素材料の細孔内に吸着され、350℃〜550℃の範囲であれば、メラミンは縮合してメレムの状態で炭素材料の細孔内に吸着され、550℃〜600℃の範囲であれば、メラミンは結晶化してグラファイト型C3N4の状態で炭素材料の細孔内に吸着される。多孔質炭素材料の細孔内に吸着されるものとしては、350℃〜550℃の範囲で加熱処理し、メレムの状態で吸着されることが好ましい。これは上記説明したように、メレムの分子構造はその中心付近に水素との分子間力が大きい環状構造Aを有するためである。
また、上記で述べたようにメラミン(分子直径約1nm)、メレム(分子直径約2nm)、グラファイト型C3N4(分子直径約10nm)は、分子直径が異なる。従って、熱処理温度を制御することにより、多孔質炭素材料の細孔径によっては、メラミン等が吸着され難いということがないため、安定して多孔質炭素材料の細孔内にメラミン等を吸着させることができ、水素吸蔵量を向上させることができる。
加熱時間は、特に制限されるものではないが、10分〜60分であることが好ましい。10分より短いと、含窒素環状化合物が多孔質炭素材料の細孔内に十分に吸着されない場合があり、60分より長いと、含窒素環状化合物が重合し、細孔内に吸着されない場合がある。
一般的に、焼成等による製法は、多孔質炭素材料となる原料を高エネルギ状態に置く必要があるため、そこで起きている瞬間的かつ原子レベルの反応を制御し、水素吸蔵に適した大きさの細孔径を得ることは経験的なノウハウが必要とされ、水素吸蔵量を向上させた水素貯蔵材料を得ることは容易ではない。しかし、本実施形態に係る水素貯蔵材料の製造方法は、既存の多孔質炭素材料をベースに用いることが可能であり、加熱処理によってその多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物を吸着させることにより、多孔質炭素材料中の水素吸蔵に適さない大きな細孔径を小さくさせ、水素吸蔵を可能とする細孔径を得ることができ、また、細孔内に吸着されている含窒素環状化合物自体の水素吸蔵を利用することができるため、水素吸蔵量を向上させた水素貯蔵材料を得ることができる。
以上、本実施形態に係る水素貯蔵材料の製造方法は、多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを混合し、加熱処理することによって含窒素環状化合物を多孔質炭素材料の細孔内に吸着させる工程を含むことにより、焼成等により水素吸蔵に適した大きさの細孔を揃えた多孔質炭素材料を製造しなくても、水素吸蔵量の向上した水素貯蔵材料を得ることができる。特に、加熱温度を制御して、分子直径が変化する含窒素環状化合物の分子直径を変化させて、吸着される多孔質炭素材料の細孔の大きさを選択して吸着させることが可能であるため、水素吸蔵に適した細孔径分布を有する多孔質炭素材料を製造することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(水素貯蔵材料の調整)
BET比表面積2500m2/g,細孔径0.45nm〜10nmの分布を有する活性炭1.0gとメラミン(特級試薬)100mgとを混合し、その混合物を真空チャンバに導入して200℃、0.01気圧にて、30分減圧処理した。その後、減圧状態で400℃、1時間加熱処理を行った。その後減圧状態のまま室温まで冷却し、窒素ガスを導入して大気圧に戻した。このように調整した水素貯蔵材料を実施例とした。
BET比表面積2500m2/g,細孔径0.45nm〜10nmの分布を有する活性炭1.0gとメラミン(特級試薬)100mgとを混合し、その混合物を真空チャンバに導入して200℃、0.01気圧にて、30分減圧処理した。その後、減圧状態で400℃、1時間加熱処理を行った。その後減圧状態のまま室温まで冷却し、窒素ガスを導入して大気圧に戻した。このように調整した水素貯蔵材料を実施例とした。
一方、比較例としては、BET比表面積2500m2/g,細孔径0.45nm〜10nmの分布を有する活性炭1.0gを真空チャンバに導入して200℃、0.01気圧にて、30分減圧処理して、作製した。
(水素吸蔵量試験)
上記調整した実施例及び比較例を圧力・組成等温測定法(Pressure Composition isotherm measurement)を用いて測定した。測定は−175℃から45℃の温度範囲で、温度一定の条件で行った。その結果を図1に示す。
上記調整した実施例及び比較例を圧力・組成等温測定法(Pressure Composition isotherm measurement)を用いて測定した。測定は−175℃から45℃の温度範囲で、温度一定の条件で行った。その結果を図1に示す。
図1から明らかなように、実施例としてメラミンを吸着させた(実際はメラミンが縮合してメレムの状態で吸着している)活性炭を水素貯蔵材料として用いることによって、比較例として活性炭単体を水素貯蔵材料として用いるより、−175℃から45℃の温度範囲で、約1.5〜2倍の吸着量を示した。また、0℃〜45℃の温度領域では、比較例の水素貯蔵材料はほとんど水素吸蔵を示さないが、実施例の水素貯蔵材料は、上記温度領域でも、水素貯蔵材料の重量に対して1重量%付近の水素吸蔵を示すことがわかった。
Claims (8)
- 多孔質炭素材料を用いた水素貯蔵材料であって、
前記多孔質炭素材料の細孔内に含窒素環状化合物が吸着されていることを特徴とする水素貯蔵材料。 - 請求項1記載の水素貯蔵材料であって、前記含窒素環状化合物は、昇華性を有することを特徴とする水素貯蔵材料。
- 請求項2記載の水素貯蔵材料であって、前記含窒素環状化合物は、熱によって分子直径が変化する性質を有することを特徴とする水素貯蔵材料。
- 請求項3記載の水素貯蔵材料であって、前記含窒素環状化合物は、メラミンであることを特徴とする水素貯蔵材料。
- 多孔質炭素材料を用いた水素貯蔵材料の製造方法であって、
前記多孔質炭素材料と含窒素環状化合物とを混合し、加熱処理することによって前記含窒素環状化合物を前記多孔質炭素材料の細孔内に吸着させる工程を含むことを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。 - 請求項5記載の水素貯蔵材料の製造方法であって、前記含窒素環状化合物は、昇華性を有することを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。
- 請求項6記載の水素貯蔵材料の製造方法であって、前記含窒素環状化合物は、熱によって分子直径が変化する性質を有することを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。
- 請求項7記載の水素貯蔵材料の製造方法であって、前記含窒素環状化合物は、メラミンであることを特徴とする水素貯蔵材料の製造方法。
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JP2009196960A (ja) * | 2008-02-25 | 2009-09-03 | Honda Motor Co Ltd | 水素貯蔵材 |
WO2016063859A1 (ja) * | 2014-10-22 | 2016-04-28 | エムアンドエス研究開発株式会社 | ポリトリアジン芳香族アミド樹脂組成物の炭化物及びその製造法、水素貯蔵タンク及び水素充填方法。 |
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2006
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JPWO2016063859A1 (ja) * | 2014-10-22 | 2017-09-07 | エムアンドエス研究開発株式会社 | 水素貯蔵材料、水素貯蔵タンク及び水素充填方法。 |
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