JP6482054B2 - 金属担持炭素材料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、金属担持炭素材料およびその製造方法に関する。より詳細には、燃料電池用の水素吸蔵材料に好適に適用される金属担持炭素材料およびその製造方法に関する。
近年、化石燃料に代わるクリーンなエネルギー源として水素を利用することが注目されている。ところが水素は常温では液化しない気体であるために輸送や貯蔵が難しく、このことが水素利用の大きな障害となっている。そこで、例えば、高圧に圧縮する、低温で液化する、水素吸蔵材料を利用する、等の様々な方法が提案されている。
水素エネルギーの実用化に向け、多量の水素を吸蔵できる水素吸蔵材料の開発は必要不可欠であり、これまでに水素吸蔵合金、化学水素化物、吸着系材料などの水素吸蔵材料の研究が活発に行なわれてきた。
水素吸蔵合金および化学水素化物は、吸着系材料と比較して吸蔵量が大きく、水素吸蔵能が5重量%を超えるものが得られているものの、水素の放出に加熱が必要であること、寿命が短いことなどの問題がある。
一方、吸着系材料としては、例えば活性炭やカーボンナノチューブをはじめとする炭素材料が挙げられる。吸着系材料では、物理吸着を利用するために水素の吸蔵・放出過程で加熱は不要であるが、水素吸蔵合金や化学水素化物と比較して吸蔵量が少ないという問題がある。そこで近年、物理吸着に加えてスピルオーバーを利用した水素吸蔵方式が注目されている。
スピルオーバーとは、固体表面上に白金などの金属粒子を担持すると、気相中の水素分子が金属に接触して金属の作用により金属表面上で水素原子に解離し、固体表面上に流出する現象である。流出した水素原子が固体表面に吸着(吸蔵)されるため、水素を分子のまま吸着させる物理吸着と組み合わせて水素吸蔵能を向上させることができると考えられる。例えば、非特許文献1では、高表面積の活性炭に白金ナノ粒子を担持させると、常温における水素吸蔵能が担持前に比べて大幅に増大することが報告されており、これは、物理吸着に加えてスピルオーバーの効果によるものとされている。
J.Phys.Chem.C,111(2007)11086.
しかしながら、白金は非常に高価で希少な金属であるため、より安価な代替の検討が求められている。また、燃料電池自動車の実用化のためには、より多量の水素を吸蔵できる水素吸蔵材料が必要であり、効率的に原子状水素の吸蔵を進行させうる手段が求められている。
そこで本発明は、低コストであるとともに、効率的に原子状水素の吸蔵が進行しうる、金属担持炭素材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた。その過程で、細孔を有する炭素材料に担持される金属を特定の遷移金属とし、金属粒子の平均粒径を所定の値に制御することで課題が解決されうることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、細孔を有する炭素材料に、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Mo、Hf、およびWからなる群から選択される1以上の遷移金属を有する金属粒子が担持された金属担持炭素材料であって、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される前記金属粒子の平均粒径が20nm以下である、金属担持炭素材料である。
本発明によれば、金属粒子が凝集を起こすことなく分散されて炭素材料に担持されているため、単位重量あたりの金属の比表面積が極めて高くなる。そのため、スピルオーバーを利用して原子状水素を効率的に吸蔵することができる。さらに、白金に代えて所定の遷移金属を用いることで低コスト化を図ることができる。
ミクロポーラス炭素材料としてのゼオライト鋳型炭素材料(ZTC)を表す模式図である。 実施例1で調製したフェロセン担持ZTCおよびFe担持ZTCのXRDパターンを示す図である。 実施例2、3で調製したニッケロセン担持ZTCおよびNi担持ZTCのXRDパターンを示す図である。 実施例1で調製したFe担持ZTCのTEM写真を示す図である。 実施例2で調製したNi担持ZTCのTEM写真を示す図である。 実施例3で調製したNi担持ZTCのTEM写真を示す図である。 実施例1で調製したFe担持ZTCの水素吸脱着等温線のグラフである。 実施例2、3で調製したNi担持ZTCの水素吸脱着等温線のグラフである。 (a)実施例2で調製したNi担持ZTC、および(b)比較例1で調製したPtコロイド担持ZTCのスピルオーバーによる水素吸着量を示す図である。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の金属担持炭素材料の一実施形態を詳細に説明する。しかし、本発明は、以下の実施形態のみには制限されない。なお、各図面は説明の便宜上誇張されて表現されており、各図面における各構成要素の寸法比率が実際とは異なる場合がある。また、本発明の実施の形態を図面を参照しながら説明した場合では、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
また、本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
<金属担持炭素材料>
本発明の一実施形態は、細孔を有する炭素材料に、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Mo、Hf、およびWからなる群から選択される1以上の遷移金属を有する金属粒子が担持された金属担持炭素材料であって、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される前記金属粒子の平均粒径が20nm以下である、金属担持炭素材料である。
本実施形態の金属担持炭素材料は、白金のような高価で希少な金属を使用しないため、低コスト化を図ることができ、工業化に適する。また、微細な金属粒子が高い分散状態で炭素材料に担持されているため、金属の質量あたりの表面積が大きく、金属の質量活性が向上しうる。そのため、燃料電池などの水素吸蔵材料として、スピルオーバーを利用して原子状水素を効率的に吸蔵することができる。燃料電池の廃熱が利用できる80℃程度の温度条件下では、原子状水素の拡散距離がnmレベルと小さいが、本実施形態の金属担持炭素材料によれば、微細な金属粒子が高い分散状態で、高い粒子密度で担持されるため、容易に炭素材料に吸蔵させることができる。
本実施形態による金属担持炭素材料は、担持される金属粒子のTEMで規定される平均粒径が20nm以下である。このようにすることで金属の使用量を低減でき、金属の質量当たりの活性が向上した金属担持炭素材料が得られる。また、上記の特定の遷移金属において、金属粒子の平均粒径を20nm以下とすることで、水素の吸着におけるスピルオーバー活性が得られることが明らかになった。
TEMの測定方法は、実施例に記載の方法により行うことができる。なお、本明細書中、透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される粒径は、観察される粒子(観察面)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち最大の距離を意味する。平均粒径の値としては、数〜数十視野中に観察される粒子の粒径の平均値として算出される値を用いる。
好ましくは、上記金属粒子は、TEMで規定される平均粒径が、10nm以下であり、より好ましくは6nm以下であり、さらに好ましくは3nm以下であり、さらにより好ましくは2nm以下である。特に好ましくは、上記金属粒子は、数原子〜数十原子程度の金属原子から構成される金属クラスターである。本明細書中、粒径が1nm以下である金属粒子を金属クラスターという。
特に好ましくは、本実施形態による金属担持炭素材料は、TEMによって規定される金属粒子の平均粒径が1.2nm未満である。これによって、金属の質量当たりの活性がより向上した金属担持炭素材料が得られうる。TEMによって観察することのできる金属粒子は、およそ1nmまでの粒径を有するものである。そのため、金属粒子の平均粒径が1.2nm未満である場合、担持された金属粒子の粒径をTEMで直接測定することは難しい。しかしながら、1.2nmの細孔を有する炭素材料に金属粒子を担持させて得られた金属担持炭素材料をTEMで観察したときに金属粒子が見えない場合、金属粒子が細孔内に導入されており、その平均粒径は1.2nm未満であると考えられる。この場合、TEMによって規定される金属粒子の平均粒径が1.2nm未満であるとする。
すなわち、本発明の好ましい実施形態によれば、金属担持炭素材料をTEMで観察したときに、1nm以上の粒径の粒子が観測されない。
好ましくは、本実施形態による金属担持炭素材料は、X線回折(XRD)によって規定される金属粒子の平均粒径が1.2nm未満である。これによって、金属の質量当たりの活性がより向上した金属担持炭素材料が得られうる。XRD測定結果から粒径が計算できる金属粒子は、結晶子のサイズがおよそ3〜30nmまでのものである。これよりも小さい場合、金属に由来するピーク強度が小さく、幅広いものとなり、1nm以下であるとピークを検出することも難しい。そのため、金属粒子の平均粒径が1.2nm未満である場合、担持された金属粒子の粒径をXRDで直接測定することは難しい。しかしながら、1.2nmの細孔を有する炭素材料に金属粒子を担持させて得られた金属担持炭素材料をXRDで観察したときに金属に由来するピークが見えない場合、金属粒子が細孔内に導入されており、その平均粒径は1.2nm未満であると考えられる。この場合、XRDによって規定される金属粒子の平均粒径が1.2nm未満であるとする。特に、前記炭素材料が1.2nmの細孔を規則的に有する構造である場合、炭素材料の1.2nmの細孔構造に由来するピーク強度が減少していることも、細孔内に金属粒子が導入されていることの根拠のひとつとなる。なお、XRDの測定方法は、実施例に記載の方法により行うことができる。
すなわち、本発明の好ましい実施形態によれば、金属担持炭素材料をXRDで観察したときに、担持されている金属またはその酸化物もしくは水酸化物に由来する明確なピークが観測されない。また、金属粒子の前駆体である金属錯体に由来する明確なピークが観測されない。
なお、前記金属粒子の平均粒径の下限値は、特に制限されないが、担持される金属の単原子の大きさである。本発明の最も好ましい実施形態は、細孔を有する炭素材料に、特定の遷移金属が、単一の原子の形態で担持された、金属担持炭素材料である。
また、後述するように、本実施形態の金属担持炭素材料は、炭素材料として、ゼオライト鋳型炭素材料を用いたものである。ゼオライト鋳型炭素材料は、均一なミクロ孔と高表面積を有するため、物理吸着による水素吸蔵量としては、炭素材料としては最高レベルの水素吸蔵量を示す。そのため、ゼオライト鋳型炭素材料を用いることで、物理吸着による水素吸蔵能と、金属粒子によるスピルオーバーを利用した水素吸蔵能を合わせて利用することができ、より高い水素吸蔵量を示す金属担持炭素材料が得られうる。
(細孔を有する炭素材料)
細孔を有する炭素材料は、金属粒子を担持するための担体として機能する。また、水素やその他のガスを吸着、分離する働きを有する。
前記細孔を有する炭素材料としては、遷移金属の粒子を所望の分散状態で担持させるための比表面積を有しているものであればよく、主成分がカーボンである材料が用いられうる。例えば、ケッチェンブラック(高導電性カーボンブラック)、(オイル)ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラック等のカーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン粒子(カーボン担体)が挙げられる。しかしながら、物理吸着による水素吸蔵能は表面積が大きいほど高くなるため、水素吸蔵能を高めるためには特にゼオライト鋳型炭素材料(ZTC)のようなミクロポーラス炭素材料が好ましく用いられうる。ZTCは、球面状の細いグラフェンシートが3次元状に規則的につながった構造を有し、超高表面積であるため、水素吸蔵特性に優れる。なお、「主成分がカーボンである」とは、主成分として炭素原子を含むことをいい、炭素原子のみからなる、実質的に炭素原子からなる、の双方を含む概念である。「実質的に炭素原子からなる」とは、2〜3質量%程度以下の不純物の混入が許容されうることを意味する。
図1に、ミクロポーラス炭素材料としてのゼオライト鋳型炭素材料の一例を模式的に示す。ゼオライト鋳型炭素材料2は、ゼオライト1を鋳型として得られた炭素材料である。より詳細には、ゼオライト鋳型炭素材料2の作製には、まず、図1(a)に示すゼオライト1のミクロ孔1aに炭素源である有機化合物を導入した後に加熱処理して図1(b)に示すゼオライト1と炭素との複合体(ゼオライト−炭素複合体)3を調製する。その後にゼオライト1のみを除去することによって、ゼオライト鋳型炭素材料2が得られる(図1(c))。ゼオライト鋳型炭素材料2は、鋳型として用いたゼオライト1の構造的特徴が反映された、3次元の長周期規則構造と内部にミクロ孔2aとを有する。
ゼオライト鋳型炭素材料2は、その製造にあたって使用する鋳型である特定の3次元規則構造を有するゼオライト1が備える構造的特徴を反映した多孔性炭素材料である。ゼオライト鋳型炭素材料2は、直径が0.1〜2nmの範囲内にある細孔(ミクロ孔2a)が網目状に連結した構造を有する。具体的には、ゼオライト鋳型炭素材料2は、0.5〜100nmの範囲内の3次元長周期規則構造を有すると共に、ゼオライト1のミクロ孔1aの構造を反映した均一なミクロ孔2aを有する。より具体的には、ゼオライト鋳型炭素材料2は、3次元長周期規則構造を構成する炭素鎖と炭素鎖の間の距離が、好ましくは0.5〜100nmであり、より好ましくは0.7〜50nmであり、さらに好ましくは0.7〜2nmである。このように、ゼオライト鋳型炭素材料2は、炭素鎖と炭素鎖の間の距離が任意の間隔で3次元的に長周期にわたって規則的に繰り返した構造を有する炭素材料である。なお、IUPAC(国際純正及び応用化学連合)では、直径2nm以下の細孔をミクロ孔(micropore)、直径2〜50nmの細孔をメソ孔(mesopore)、直径50nm以上の細孔をマクロ孔(macropore)と定義している。ミクロ孔を有する物質を総称してミクロポーラス材料と称している。
本実施形態において、ゼオライト鋳型炭素材料の鋳型として用いるゼオライトの種類は特に限定されない。規則構造が異なるゼオライトを鋳型として用いることで、多様な構造規則性を有するゼオライト鋳型炭素材料を得ることができる。また、粒子サイズ、細孔径の異なるゼオライト鋳型炭素材料を調製することができる。なお、前記ゼオライト鋳型材料は、加熱圧縮などの手法で細孔径を調節したゼオライト鋳型炭素材料であってもよい。
好ましくは、本実施形態において用いられる細孔を有する炭素材料としてのゼオライト鋳型炭素材料は、Y型ゼオライト、β型ゼオライト、EMT型ゼオライトを鋳型として用いたゼオライト鋳型炭素材料である。例えば、Y型ゼオライトを鋳型として用いたゼオライト鋳型炭素材料は、Carbon 47,2009,1220.に記載されるように、均一な1.2nm径のミクロ孔が規則的に配列された構成を有する。また、ミクロ孔の規則的な構造をTEMで確認できる。このような炭素材料を用いることで、ミクロ孔の内部に1.2nm未満の粒径の金属粒子を導入することができ、金属粒子をより高分散に担持させることができる。
本実施形態において、前記炭素材料は、化学修飾されていないものであってもよく、エッジ部分の少なくとも一部に官能基が導入されてなるエッジ修飾炭素材料であってもよい。官能基を導入する場合、前記官能基は、例えば、前記炭素材料のエッジ部分の少なくとも一部に導入されうる。
上記炭素材料、または本実施形態による金属担持炭素材料は、そのBET比表面積SBETが1500m/g以上であることが好ましい。例えばゼオライト鋳型炭素材料は、3次元長周期規則構造とミクロ孔とを有することによりBET比表面積が大きい。一般に吸着材への適用に関しては、BET比表面積が大きいことが好ましい。また、吸着する分子サイズにも影響されるが、ミクロ孔が存在することも重要であると考えられる。これに対して、メソ孔は前述した用途への適用に際してはあまり効果がないと考えられる。このため、所望の高い機能を発現させるためには、相対的にミクロ孔が多く存在することが重要であり、なるべくメソ孔は少ない方が良いと考えられる。この目安として、BET比表面積は1500m/g以上であることが好ましい。また、2000m/g以上であることがより好ましく、さらには2500m/g以上であることが好ましい。さらにより好ましくは、BET比表面積は3000m/g以上であり、特に好ましくは3500m/g以上である。BET比表面積が1500m/g以上である場合には、高い水素吸蔵能が得られうる。炭素材料、または金属担持炭素材料のBET比表面積は後述の実施例に記載の窒素吸脱着測定によって求めることができる。
上記炭素材料、または本実施形態による金属担持炭素材料は、ミクロ孔2aの占める容積が、例えば0.6cm/g以上であり、好ましくは0.8cm/g以上であり、1.0cm/g以上であることがさらに好ましい。ミクロ孔2aの占める容積は、1.2cm/g以上であることがさらにより好ましく、1.5cm/g以上であることが特に好ましい。ミクロ孔の占める容積が0.6cm/g以上、特には1.0cm/g以上である場合には、十分な水素吸蔵性能が得られうる。ミクロ孔の占める容積は後述の実施例に記載の窒素吸脱着測定によって求めることができる。
炭素材料、または本実施形態の金属担持炭素材料は、その構造的特徴として2次元積層規則性が少ないほど、吸着力が高くなる。例えば、粉末X線回折測定を行った場合には、得られるX線回折パターンは、2次元積層規則性を示す通常26°付近に現れる回折ピークはできるだけ少ないほうが好ましい。この26°付近に現れる回折ピークの存在は、無孔質の炭素層の増加を意味し、BET比表面積の低下を意味する。
炭素材料のサイズについても特に限定されないが、担持の簡便さ、金属利用率を適切な範囲で制御するなどの観点からは、平均粒径を0.01〜10μm程度、好ましくは0.03〜1μm程度とするとよい。
(金属粒子)
本実施形態において、金属粒子は、例えば燃料電池用水素吸蔵材料において、水素ガス層中の水素分子を金属表面上で水素原子に解離させ、炭素材料の表面上に流出させ、吸蔵させる機能を有する。
本実施形態においては、前記金属粒子は、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Mo、Hf、およびWから選択される遷移金属、またはこれらの元素を少なくとも1種含有する合金の粒子である。
これらのうち、水素吸蔵特性、安定性、耐熱性などを向上させるために、また、製造コストを低減するために、少なくとも鉄、ニッケル、またはコバルトを含むものが好ましく用いられる。すなわち、金属は、鉄、ニッケル、もしくはコバルトである、または鉄、ニッケル、もしくはコバルトとそれ以外の金属成分を含むことが好ましく、これらの金属またはこれらの金属を含む合金であることがより好ましい。このような金属は、高い活性を発揮できる。前記合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、鉄、ニッケル、もしくはコバルトの含有量を30〜90原子%とし、これと合金化する金属の含有量を10〜70原子%とするのがよい。なお、合金とは、一般に金属元素に1種以上の金属元素または非金属元素を加えたものであって、金属的性質をもっているものの総称である。合金の組織には、成分元素が別個の結晶となるいわば混合物である共晶合金、成分元素が完全に溶け合い固溶体となっているもの、成分元素が金属間化合物または金属と非金属との化合物を形成しているものなどがあり、本形態ではいずれであってもよい。
金属粒子は、平均粒径が上記の特定の範囲であればよく、金属粒子の形状は特に制限されず、例えば、粒状、鱗片状、層状などのものが使用できるが、粒状であることが特に好ましい。
細孔を有する炭素材料に担持されてなる金属粒子の担持量は、金属担持炭素材料の全量に対して、好ましくは0.1〜20質量%、より好ましくは1〜7質量%である。金属粒子の担持量がかような範囲内の値であると、炭素材料上での金属成分の分散度と性能とのバランスが適切に制御されうる。なお、金属粒子の担持量は、誘導結合プラズマ発光分光法(ICP)によって測定されうる。
前記金属粒子は、前記金属粒子を担持させる炭素材料に対して、好ましくは0.01〜50質量%、より好ましくは0.01〜15質量%の濃度範囲内で担持する。担持されている金属粒子が0.01質量%以上であれば、金属粒子の機能を十分に得ることができる。一方、担持されている金属粒子が50質量%以下である場合には、炭素材料の細孔機能を維持し、高いBET比表面積が得られうる。
本実施形態に係る金属担持炭素材料は、−40℃から150℃の範囲で水素を吸蔵放出させることができる。従来、金属担持されていない炭素材料は、温度上昇と共に水素吸蔵量が低下する場合があったが、本実施形態に係る金属担持炭素材料は温度上昇と共に吸蔵能が向上する。また、水素分子の解離吸着が促進され、水素吸蔵能が向上しうる。そのため、前記金属担持炭素材料を水素吸蔵材料として用いると、高効率の水素の吸蔵及び放出が可能となる。
また、本実施形態に係る金属担持炭素材料は、10MPaまでの高圧水素吸脱着測定を行った場合のスピルオーバー効果による水素吸蔵量(全水素吸蔵量から物理吸着による水素吸蔵量を差し引いた値)が、例えば炭素材料の重量に対して0.1%以上であり、好ましくは0.2%以上である。
<金属担持炭素材料の製造方法>
本発明の一実施形態は、細孔を有する炭素材料と、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Mo、Hf、およびWからなる群から選択される1以上の遷移金属を含む金属錯体とを準備する工程と、前記細孔を有する炭素材料と、気相の前記金属錯体とを減圧下で接触させて、前記細孔を有する炭素材料に前記金属錯体を導入する工程と、前記金属錯体を導入した炭素材料を、真空中もしくは不活性気体中で熱処理するか、または、水素と接触させることによって前記金属錯体を還元し、金属粒子が担持された金属担持炭素材料を得る段階と、を有する、金属担持炭素材料の製造方法である。
一般に、炭素材料にナノサイズの金属粒子を導入する方法としては、Pt(NO(NHやHPtClなどの金属錯体を水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を利用して還元する方法が用いられている。しかしながら、このような方法では平均粒径が数nm以下である金属粒子を粒径を制御して作製することは容易ではない。
一方で本実施形態の方法によれば、はじめに炭素材料に金属を錯体として導入することで、金属を原子レベルで炭素材料の表面に担持させる。その後、減圧下もしくは不活性ガス雰囲気下で熱処理する、または水素に接触させることで、配位子を脱離させる。配位子を脱離した後の金属原子は、複数の原子が寄り集まって(シンタリング)数原子〜数十原子程度の金属クラスター(ナノクラスター)を形成しうる。そのため、金属を高分散で炭素材料に導入することができ、さらに水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤を用いて金属を還元する場合と比較して金属原子が過度に凝集することを抑制することができる。また、煩雑な実験操作を回避できる利点がある。
また、上記のような一般的な方法では、金属錯体を溶媒に溶解させることで、液相で金属錯体を炭素材料に吸着させる。しかしながら、液相で吸着させる方法では、担持量の正確な制御が容易ではない。また、溶媒分子も炭素材料の細孔に吸着されるため、担持させることができる金属錯体の量が相対的に少なくなってしまう。また、金属錯体が溶媒和するため、2nm以下のミクロ孔に錯体を導入することは難しい。
これに対して本実施形態の方法によれば、金属錯体を気相状態で炭素材料に導入するため、担持させることができる金属錯体の量は液相で吸着させる方法と比較して圧倒的に多い。また、ZTCの1.2nmのミクロ孔の内部にも容易に導入することができるため、後の金属錯体を還元する段階で、ミクロ孔内で還元することで、還元時の粒子成長を抑制することができる。そのため、より小さい粒径の金属粒子をより高い分散状態で担持させることが可能になる。
(細孔を有する炭素材料と金属錯体とを準備する工程)
(炭素材料)
細孔を有する炭素材料の具体的な形態は上述と同様である。
細孔を有する炭素材料の入手経路については特に制限はない。商業的に入手可能な商品を用いてもよいし、自ら調製してもよい。以下、ゼオライト鋳型炭素材料などのミクロポーラス炭素材料を用いる場合を説明する。
まず、上記した構造的な特徴を有するミクロポーラス炭素材料を得るためには、構造内部に空孔を有し、この空孔が網目状に連結した構造を有する多孔質材料を鋳型として用いる。そして、この多孔質材料の表面及びミクロ孔内部に加熱条件下で有機化合物を導入し、加熱することによって有機化合物を炭化し、多孔質材料に炭素を堆積させる。有機化合物の炭化・炭素の堆積は、例えば化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により行う。次に、鋳型である多孔質材料を除去する。この方法により、ミクロ孔を有するミクロポーラス炭素材料を容易に製造することができる。
鋳型として用いる多孔質材料は、ミクロ孔内部に有機化合物が導入できること、CVD法の際に元の構造を安定に保つこと、生成したミクロポーラス炭素材料と分離できることが必要である。このため、例えば多孔質酸化物等の耐熱性に優れ、且つ、酸やアルカリで溶解する材料が望ましい。また、既に述べたように、ミクロポーラス炭素材料は鋳型の形態を転写した状態で合成される。このため、鋳型として用いる多孔質材料は、結晶(構造)が十分に発達し、粒径の揃った構造及び組成が均一な材料であることが望ましい。多孔質材料の備えるべき材料物性と、得られるミクロポーラス炭素材料の物性を考慮すると、多孔質材料としてゼオライトを用いることが好ましい。ゼオライトは、シリカ構造のケイ素(Si)の一部がアルミニウム(Al)で置換されたアルミノケイ酸塩であり、骨格自体が負電荷を持つことから構造内にカチオンが分布した構造を有する。また、ゼオライトは、Si/Alモル比、カチオンの種類や量、及びカチオンに水和した水分子の数によって多様な結晶構造を有し、例えば細孔が2次元的に連結した構造や3次元的に連結した構造等の、多様な大きさの細孔を有する多孔質材料である。本実施形態において、鋳型として用いるゼオライトの種類は特に限定されない。代表的なゼオライトとしては、ケージ又はスーパーケージといった空隙構造を有するものが挙げられ、FAU型ゼオライト、EMT型ゼオライトなどが好ましく用いられうる。ゼオライトの中でもFAU型ゼオライト、FAU型ゼオライトの中でもY型ゼオライトを用いることが望ましい。多孔質材料の除去は、生成したミクロポーラス炭素材料を分離できる方法であれば如何なる方法を用いても良い。例えば、ゼオライトは酸で溶解可能であり、例えば、塩酸やフッ化水素酸を用いることで容易に溶解できる。
有機化合物を炭化して炭素を堆積するために用いるCVD法は、鋳型等の基板上に特定の元素又は元素組成からなる薄膜(例えば炭素からなる薄膜)を作る工業的手法である。通常、原料物質を含むガスに熱や光によってエネルギーを与えたり、高周波でプラズマ化することにより、化学反応や熱分解によって原料物質がラジカル化して反応性に富むようになり、基板上に原料物質が吸着して堆積することを利用する技術である。温度を上げて原料物質を堆積させるものを熱CVD法、化学反応や熱分解を促進させるために光を照射するものを光CVD法、ガスをプラズマ状態に励起する方法をプラズマCVD法と区別することもある。
CVD法で用いる有機化合物は、常温で気体であるか、又は気化できるものが好ましい。気化の方法は、沸点以上に熱する方法や雰囲気を減圧にする方法等がある。用いる有機化合物は、当業者に知られた炭素源物質の中から適宜選択して使用できる。特に、加熱により熱分解する化合物が好ましい。例えば、CVD法で鋳型として用いる多孔質材料の骨格上(例えばシリカゲル骨格上)に炭素を堆積することができる化合物が好ましい。
また、用いる有機化合物は、水素を含む有機化合物でも良い。この有機化合物は、不飽和又は飽和の有機化合物でも良く、これらの混合物でも良い。用いる有機化合物は、二重結合及び/又は三重結合を有する不飽和直鎖又は分枝鎖の炭化水素、飽和直鎖又は分枝鎖の炭化水素等が含まれて良く、飽和環式炭化水素や芳香族炭化水素等を含んでいても良い。有機化合物は、例えば、アセチレン、メチルアセチレン、エチレン、プロピレン、イソプレン、シクロプロパン、メタン、エタン、プロパン、ベンゼン、ビニル化合物、エチレンオキサイド等があげられる。中でも、用いる有機化合物は、多孔質のミクロ孔内に入り込むことが可能なもの、例えばアセチレン、エチレン、メタン、エタン等を用いることが望ましい。有機化合物は、より高温でのCVDに用いるものと、より低温でCVDに用いるものとでは互いに同一のものであっても異なっていても良い。例えば、低温でのCVDではアセチレン、エチレン等を使用し、高温でのCVDにはプロピレン、イソプレン、ベンゼン等を使用しても良い。
多孔質材料のミクロ孔内部に有機化合物を導入する際は、多孔質材料を予め減圧にしても良く、系自体を減圧下にしても良い。多孔質材料は安定であるので、CVDにより炭素が堆積する方法であれば如何なる方法を用いても良い。通常は、多孔質材料の骨格上に有機化合物の化学反応又は熱分解で生成した炭素を堆積(又は吸着)させ、多孔質材料と、多孔質材料上に堆積した炭素からなる複合体を得る。CVDを行う際は、加熱温度は、使用する有機化合物によって適宜適切な温度を選択できる。通常は、400〜1500℃であることが好ましい。加熱温度は、450〜1100℃であることがより好ましく、500〜900℃であることが更に好ましい。また、550〜800℃であることがより好ましく、575〜750℃、更には600〜700℃の範囲内にすることが望ましい。加熱温度はCVD処理時間及び/又は反応系内の圧力に応じて適宜適切な温度を選択することもできる。CVDの処理時間は、十分に炭素堆積が得られる時間とすることが好ましく、使用する有機化合物や温度によって適宜適切な時間を選択できる。
CVDは、減圧又は真空下、加圧下、若しくは不活性ガス雰囲気下で行うことができる。不活性ガス雰囲気下で行う場合には、不活性ガスとしては例えばNガス、ヘリウム、ネオン、アルゴン等があげられる。CVD法では、通常、気体状の有機化合物をキャリアガスと共に多孔質材料に接触させるように流通させながら加熱し、容易に気相で多孔質材料上に炭素を堆積させることができる。キャリアガスの種類、流速、流量及び加熱温度は使用する有機化合物や多孔質材料の種類によって適宜調節する。キャリアガスは、例えば上記の不活性ガス等があげられる。爆発限界を考慮して、酸素ガス又は水素ガスとの混合物等であっても良い。
CVD法により多孔質材料のミクロ孔内部に炭素を堆積させる条件として、ミクロ細孔中の炭素の充填量は10〜40質量%の範囲内であることが好ましい。また、炭素の充填量は多孔質材料の質量を基準として15〜30質量%の範囲内に制御することがより好ましい。炭素の充填量が10質量%以上であれば、炭素骨格形成に必要な量の炭素が導入されるため、安定な規則性構造が得られうる。炭素の充填量が40質量%以下であれば、必要以上の炭素が付着することなく、ミクロ孔容積及びBET比表面積が維持されうる。
CVDによる炭素の堆積(吸着)後、多孔質材料と多孔質材料上に堆積した炭素との複合体を、CVD温度より高い温度で更に加熱しても良い。この加熱温度は、使用する有機化合物によって適宜選択できるが、通常は700〜1500℃である。加熱温度は、750〜1200℃であることが好ましく、800〜1100℃であることがより好ましい。また、825〜1000℃であることが好ましく、850〜950℃、更には875〜925℃の範囲内にすることが好ましい。また、加熱温度は、加熱時間及び/又は反応系内の圧力に応じて適宜選択することもできる。また、加熱時間は生成物を分析し、その結果に基づいて十分な炭素堆積に要求される時間を設定することができる。
また、多孔質材料と多孔質材料上に堆積した炭素との複合体に更に有機化合物を導入して加熱し、更に炭素を堆積させても良い。この場合には、CVD法により得られたミクロポーラス炭素材料の構造がより安定する。炭化は、CVD法によって行っても良く、他の加熱方法で行っても良い。また、加熱温度はCVD温度より高温であっても良く、低温であっても良い。また、導入する有機化合物は、CVD法で導入した有機化合物と同じであっても良く、異なっていても良い。この操作は、複数回行っても構わない。
多孔質材料の表面及びミクロ孔内に有機化合物を導入してCVDを行う前に、有機化合物を含浸して炭化しても良い。含浸する有機化合物は、多孔質材料のミクロ孔の細孔径より小さな分子サイズを有する有機化合物であれば使用できる。具体的には、有機化合物は、炭化歩留まりの高いフルフリルアルコール等の熱重合性モノマーを用いることが好ましい。有機化合物の含浸方法は、モノマーが液体であればそのまま、固体であれば溶媒に溶解して多孔質材料と接触させる等、公知の手段を採用することができる。なお、多孔質材料の表面に残った過剰なモノマーは、予め洗浄等で除去することが好ましい。例えば、多孔質材料を室温減圧下でフルフリルアルコールと接触させた後、混合物を大気圧に戻すことにより、多孔質材料のミクロ孔内にフルフリルアルコールを導入することができる。また、多孔質材料の表面に付着した余分なアルコールは、有機溶剤による洗浄で除去できる。
用いる有機化合物は、多孔質材料のミクロ孔内に挿入可能な大きさを有し、且つ、炭化時に炭素としてミクロ孔内に残留するものであれば特に制限は無く用いることができる。例えば、有機化合物として、酢酸ビニル・アクリロニトリル・塩化ビニル等のビニル化合物、塩化ビニリデン・メタクリル酸メチル等のビニリデン化合物、無水マレイン酸等のビニレン化合物、エチレンオキサイド等のエポキシ誘導体があげられる。また、グルコース・サッカロース等の糖類、脂肪族多価アルコール類、レゾルシノール・カテコール等の芳香族多価アルコール(ジオール)類、チオフェン等の含窒素複素環化合物、ピリジン・ピリミジン等の含窒素複素環化合物も利用することができる。
(金属錯体)
金属錯体は、上述の金属担持炭素材料における金属粒子の原料(金属源)となるものである。前記金属錯体は、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Mo、Hf、およびWからなる群から選択される1以上の遷移金属を含むものであれば特に制限されず、有機金属錯体であっても無機金属錯体であってもよいが、有機金属錯体を用いることが好ましい。有機金属錯体は、金属そのものよりも一般的に融点が低いため、減圧条件下において比較的低温で気体となり得るため、気相状態で炭素材料に導入しやすい。また、金属そのものや無機金属錯体を蒸着した場合と比較して、炭素材料表面で凝集しにくいため、高分散させることができる。また、減圧下もしくは不活性雰囲気下での加熱によって、または、水素と接触させることによって、還元剤を用いることなく還元することができるため、金属粒子のシンタリングが生じにくい。一般に有機金属錯体は、無機金属錯体と比較して緩やかな条件で還元が進行しうるため、小さい粒径に制御しやすい。
このような有機金属錯体としては、錯体の安定性を考慮すると、メタロセンまたはメタロセン誘導体であることが好ましい。メタロセンまたはその誘導体は、真空中の弱い加熱では、分解することなく昇華するため、気相状態で安定的に炭素材料に導入されうる。また、減圧下もしくは不活性ガス雰囲気下での加熱によって、または、水素と接触させることによって、還元剤を用いることなく還元することが特に容易である。特に分子中に酸素原子を含まないため、加熱による還元に適する。
加えて、ゼオライト鋳型炭素材料の1.2nmの空孔内に導入できる分子サイズであることから、ゼオライト鋳型炭素材料の空孔内に導入された金属錯体は、還元を行っても大きな粒子に成長しにくく、その一定割合は、そのまま空孔内で還元されるものと考えられる。その結果、より小さいサイズの金属クラスターを担持させることができ、金属錯体の導入や還元の条件を制御することによって、TEMまたはXRDで規定される平均粒径が1.2nm未満のサイズの金属クラスターが均一に担持された金属担持炭素材料が得られるものと考えられる。
メタロセンは2つのシクロペンタジエニル環をη5−配位子として有する金属錯体であり、メタロセン誘導体とは、前述のメタロセンを構成するシクロペンタジエニル環に1以上の官能基が結合したものをいう。本発明では、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、チタノセン、バナドセン、クロモセン、ジルコノセン、モリブデノセン、ハフノセン、およびタングステノセンから選択されるメタロセン、またはその誘導体が用いられうる。中でも、価格や流通性の観点から、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、またはその誘導体が好ましい。
メタロセン誘導体における官能基は特に制限されず、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜12のアルキル基などが挙げられる。アルキル基の置換基も特に制限されないが、例えば、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。
メタロセン誘導体としては、例えば、1,1’−ジメチルフェロセン、エチルフェロセン、1,1’−ジエチルフェロセン、n−ブチルフェロセン、1,1’−ジブチルフェロセン、t−ブチルフェロセン、t−アミルフェロセン、ブチルオクタメチルフェロセン、ヨードフェロセンなどのフェロセン誘導体;1,1’−ジメチルニッケロセン、エチルニッケロセン、1,1’−ジエチルニッケロセン、n−ブチルニッケロセン、1,1’−ジブチルニッケロセン、t−ブチルニッケロセン、t−アミルニッケロセン、ブチルオクタメチルニッケロセン、ヨードニッケロセンなどのニッケロセン誘導体;1,1’−ジメチルコバルトセン、エチルコバルトセン、1,1’−ジエチルコバルトセン、n−ブチルコバルトセン、1,1’−ジブチルコバルトセン、t−ブチルコバルトセン、t−アミルコバルトセン、ブチルオクタメチルコバルトセン、ヨードコバルトセンなどのコバルトセン誘導体;などが挙げられる。
上記のメタロセンまたはその誘導体などの金属錯体は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
前記金属錯体の使用量(仕込み量)は、特に制限されないが、炭素材料の質量に対し、好ましくは5〜150質量%であり、より好ましくは10〜100質量%である。金属錯体の使用量が炭素材料の質量に対して5質量%以上であれば、炭素材料に十分な量の金属錯体を担持させることができる。また、100質量%以下であれば、ナノサイズの金属粒子、特には金属クラスターを高分散で担持させることができる。
特に、炭素材料としてZTCを、金属錯体としてフェロセンを用いる場合は、金属錯体の使用量は炭素材料に対して5〜95質量%であると、TEMまたはXRDで規定される平均粒径が1.2nm未満の金属粒子が担持された金属担持炭素材料が効率的に得られうる。また、炭素材料にZTCを、金属錯体としてニッケロセンを用いる場合は、金属錯体の使用量が炭素材料に対して50〜150質量%であると、TEMまたはXRDで規定される平均粒径が1.2nm未満の金属粒子が担持された金属担持炭素材料が効率的に得られうる。
本形態の製造方法では、炭素材料と気体状の金属錯体とを接触させる前に、炭素材料を減圧条件下で乾燥させることが好ましい。当該減圧条件は、特に制限されず、当業者が適宜設定することができるが、好ましくは1.0×10−7〜1.0×10Paであり、より好ましくは1.0×10−7〜1.0×10Paである。なお、乾燥の際の温度も特に制限されず、当業者が適宜設定することができ、炭素材料に悪影響を及ぼさない範囲においては、加熱条件下で乾燥させても構わない。例えば、炭素材料としてZTCを用いる場合、100〜150℃で、1〜10時間乾燥させる。
この際、炭素材料のみを減圧乾燥させてもよく、炭素材料と金属錯体とを同一容器に入れて減圧し、金属錯体が昇華しない条件下で炭素材料を乾燥させてもよい。
(細孔を有する炭素材料に金属錯体を導入する工程)
本実施形態では、減圧下で、気相状態の金属錯体を炭素材料に接触させることで、炭素材料に金属錯体を導入する。
この際の減圧条件も特に制限されないが、好ましくは0.001〜500Paであり、より好ましくは1〜300Paである。500Pa以下であれば、金属錯体の熱分解等を抑制しつつ、金属錯体を十分に気化させることができる。
炭素材料と気体状の金属錯体とを接触させる際の温度は、特に制限されず、金属錯体の蒸気圧や分解温度に応じて適宜設定されうるが、好ましくは40〜200℃であり、より好ましくは60〜150℃である。上記範囲とすることにより、金属錯体の熱分解等を抑制しつつ、金属錯体を十分に気化させることができる。また、炭素材料に担持された後の金属錯体が凝集しにくいため金属粒子の粒径が大きくなり過ぎず、十分な量の金属錯体を担持させることができる。
炭素材料と気体状の金属錯体とを接触させる時間も、特に制限されないが、好ましくは1〜72時間であり、より好ましくは6〜48時間である。上記範囲とすることにより、炭素材料に担持された後の金属錯体が凝集しにくいため金属粒子の粒径が大きくなり過ぎず、十分な量の金属錯体を担持させることができる。
本実施形態における金属錯体を導入する工程は、炭素材料と気体状の金属錯体とを接触させることができれば、その他の条件、使用する装置、操作方法等は、特に制限されない。一例を挙げると、後述の実施例のように、金属錯体を入れたガラス管Aと炭素材料とを同一のガラス管(大型アンプル管)Bに入れて真空引きした後、減圧下で封じ、当該ガラス管(大型アンプル管)Bを加熱する方法が挙げられる。これにより、ガラス管A内の金属錯体が気体状となってガラス管(大型アンプル管)Bに充満し、炭素材料と接触することによって金属錯体が炭素材料に担持される。
(金属錯体を還元する工程)
上記の段階で作製した金属錯体を導入した炭素材料を、減圧下もしくは不活性ガス雰囲気下で熱処理するか、または水素と接触させることで、金属錯体が還元され、0価の金属となる。0価の金属とすることで、例えば水素に対する触媒能(水素吸蔵能)などの活性が得られうる。そして、この0価の金属が凝集して平均粒径が20nm以下である金属粒子(特には、金属クラスター)となる。本実施形態の方法によれば、はじめに遷移金属を錯体として導入するため、金属粒子を高分散で担持させることができる。また、還元剤を用いて還元する方法と比較して穏やかに反応が進行しうるため、所定の粒径を有し、粒径がそろった金属粒子を有する金属担持炭素材料が得られうる。
熱処理の方法は特に制限されない。例えば、金属錯体を導入した炭素材料を真空加熱乾燥した後、減圧下または不活性ガス雰囲気下で、好ましくは不活性ガス雰囲気下で加熱する。金属錯体を導入した炭素材料を真空加熱乾燥する際の条件は特に制限されない。熱処理の際の減圧条件は特に制限されないが、好ましくは1.0×10−2Pa以下であり、より好ましくは1.0×10−7〜1.0×10−4Paである。また、不活性ガス雰囲気下で熱処理する場合、不活性ガスとしては、例えば、窒素、アルゴンなどが用いられうる。不活性ガスは、例えば、上述の真空加熱乾燥した試料に、好ましくは5〜500ml/分の流量で導入されうる。
熱処理の温度は、例えば250〜700℃であり、好ましくは250〜650℃であるである。熱処理の温度が250℃以上であれば金属錯体が効率的に分解されうる。また、熱処理の温度が700℃以下であれば、金属粒子が過度に大きくなることを抑制できる。金属錯体としてフェロセンを用いた場合、熱処理温度は550〜650℃であることが特に好ましく、ニッケロセンを用いた場合、250〜350℃であることが、粒径が制御された金属粒子、特には金属クラスターを安定に製造する観点から特に好ましい。熱処理の時間は、例えば、0.1〜10時間であり、より好ましくは0.5〜2時間である。上記範囲であれば所定の粒径の金属粒子または金属クラスターが安定して得られうる。なお、上記熱処理は、複数回行ってもよい。
また、前記金属錯体は、水素と接触させること(水素処理)によって還元され、金属粒子(特には金属クラスター)が生じうる。
水素処理の条件も特に制限されない。例えば、金属錯体を導入した炭素材料を真空加熱乾燥した後、窒素などの不活性ガスを導入する。その後、水素ガスを、例えば10〜1000ml/分、好ましくは20〜200ml/分で流通させて、例えば100〜800℃、好ましくは200〜500℃の温度で、例えば、0.1〜10時間、より好ましくは0.5〜5時間、水素と接触させる。水素と接触させるときの温度が100℃以上、特には200℃以上であれば、または水素と接触させる時間が0.1時間以上であれば金属錯体が効率的に分解され、金属粒子が生成されうる。また、水素と接触させるときの温度が800℃以下、特には500℃以下であれば、または水素と接触させる時間が10時間以下であれば、金属粒子が過度に大きくなることを抑制できる。そのため上記の条件であれは適当な粒径を有し、粒径のばらつきが少ない金属粒子(または金属クラスター)が効率的に得られうる。なお、上記水素処理は、同じ温度、または異なる温度で複数回行ってもよい。例えば温度を段階的に上げながら複数回の水素処理を行ってもよい。水素処理を複数回行う場合は、水素と接触させる時間の合計が上記範囲であることが好ましい。また、少なくとも1回の水素処理において、水素と接触させるときの温度が上記範囲であることが好ましい。なお、金属錯体を導入した炭素材料の水素吸脱着測定のサイクル中に水素に接触し、徐々に金属錯体を生成する場合もある。このような場合は上記の水素処理に代えて、水素吸脱着測定のサイクルを水素と接触させる工程として行ってもよい。
本発明の金属担持炭素材料は、低コストであるとともに、金属の質量あたりの活性が向上しうる。そのため、水素吸蔵材料、ガス吸蔵材料、ガス分離材料、触媒材料など、多様な用途に適用することができる。
<水素吸蔵材料>
本実施形態による金属担持炭素材料は、金属粒子を所定の粒径とすることで、特に、数原子〜数十原子程度の金属クラスターとすることで、金属の質量あたりの表面積が増加し、水素吸蔵能が向上しうる。また、金属粒子または金属クラスターが高い分散状態および高い粒子密度で担持されるため、原子状水素を効率的に吸蔵することができる。さらに、100℃以下の温度で水素の吸蔵、放出が可能である。また、水素の吸蔵、放出に化学反応を伴わないため、耐久性に優れる。加えて、高価な貴金属を用いないため、低コスト化を図ることができる。そのため、特に燃料電池自動車用の水素吸蔵材料に好適に用いられうる。
<触媒材料>
本実施形態による金属担持炭素材料は、金属を高活性な状態で炭素材料に担持できる。また、金属粒子を所定の粒径とすることで、特に、数原子〜数十原子程度の金属クラスターとすることで、金属の質量あたりの表面積が増加し、金属の使用量を低減できる。そのため、触媒金属の質量当たりの活性が向上した触媒材料が得られうる。
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
<実施例1>
(ZTCの調製)
乾燥したゼオライト(NaY5.5)にフルフリルアルコール(FA)を含浸した。これを、150℃で8時間熱処理してFAを重合させ、PFA/ゼオライト複合体とした。これをN雰囲気下5℃/分で850℃まで昇温し、次いで700℃で1時間プロピレンCVDを行った。その後N雰囲気下5℃/分で900℃まで昇温して3時間保持し、炭素/ゼオライト複合体を調製した。最後に、この複合体を47質量%のフッ素水素酸100mlに投入後、5時間攪拌してフッ化水素酸処理し、鋳型であるゼオライトを溶解除去してミクロポーラス炭素材料であるゼオライト鋳型炭素材料(ZTC)を得た。得られた試料のBET比表面積SBETは3600m/gであった。
(フェロセン担持ZTCの調製)
フェロセン(和光純薬工業株式会社製)30mgを、外径6mmの片側を閉じたガラス管Aに入れ、ガラス管の口に石英ウールを詰めた。当該ガラス管Aを、細孔を有する炭素材料として、上記で調製したZTC200mgを入れた大型アンプル管Bに入れた。次に、ZTCの入った大型アンプル管Bを横向きに固定し、管口部分(内径7mm)にフェロセンの入ったガラス管Aを挿入した。オイルポンプを用いて大型アンプル管B内を減圧下(50Pa)としたままZTCの部分のみマントルヒーターを用いて150℃で、6時間真空加熱乾燥した。この際、ガラス管A側に熱が伝わらないよう断熱材を巻きつけてマントルヒーターに蓋をした。ZTCを真空加熱乾燥後、ZTCを放冷させて室温まで戻ったら、真空状態のままガラス管Aを大型アンプル管BのZTCのある側にスライドさせ、アンプル管の柄部分をガスバーナーで熱し封じ切った。
次に、ガラス管Aを封入した大型アンプル管Bを、オイルバス中で100℃、12時間保持した。これにより、フェロセンが昇華し、ZTCと接触した。その後、大型アンプル管Bを室温まで自然放冷し、その後空気中で開封し、フェロセンが吸着したZTC(フェロセン担持ZTC、フェロセン/ZTC)を取り出した。
同じ操作を2本の大型アンプル管を用いて実施し、計400mgのZTCを用いた試料を調製した。得られたフェロセン担持ZTCは450mgであった。フェロセン導入後の重量増加から計算した鉄の担持量は3.3質量%であった。
(熱処理によるフェロセンの還元)
フェロセンのシクロペンタジエニル配位子を取り除き、鉄粒子を担持させるために、N雰囲気下での熱処理を行った。具体的には、上記で得られたフェロセンが吸着したZTCを、内径30mmの石英フラスコに入れ、まず吸着水を取り除くためにオイルポンプでフラスコ内を真空引きした状態で、5℃/分で100℃まで昇温し、この温度で6時間保持することで試料を乾燥させた。続いてフラスコを室温まで放冷した後、Nガスを50ml/分で流通させ、5℃/分で600℃まで昇温させ、この温度で1時間の熱処理を行って、Fe担持ZTC(Fe/ZTC)を得た。
<実施例2>
実施例1において、フェロセン30mgに代えて、ニッケロセン200mgを用いたこと、昇華させる際の加熱条件を60℃、12時間としたこと以外は実施例1と同様の手順で、ニッケロセン担持ZTC(ニッケロセン/ZTC)を得た。得られたニッケロセン担持ZTCは457mgであった。ニッケロセン導入後の重量増加から計算したニッケルの担持量は3.8質量%であった。
次いで、実施例1と同様の手順で、ただし、熱処理によるニッケロセンの還元の前に、5℃/分で60℃まで昇温し、この温度で6時間保持することで試料を乾燥させた。その後、実施例1と同様の手法で、還元の際の熱処理温度を600℃として、ニッケロセンを還元してNi担持ZTC(Ni/ZTC)を得た。
<実施例3>
実施例2において、還元の際の熱処理温度を300℃としたことを除いては、実施例2と同様にしてNi担持ZTCを得た。
<比較例1:Ptコロイド担持ZTC>
FeまたはNiの金属錯体を用いて金属粒子を担持させたZTCと比較するために、ZTCにPtコロイドを担持させた試料を調製した。
具体的には、0.3gの乾燥したZTCを、日本板ガラス社製のPtナノコロイド水溶液(200ppm)50mgと混合し、25℃で15時間撹拌した。その後、得られた混合溶液を45℃で1時間、次いで80℃で1時間、その後150℃で6時間真空乾燥することで、ZTCにPtナノコロイドを担持した。ICPで分析したPt担持量は3.2質量%であった。Ptコロイドの粒子径は1〜3nmである。
<窒素吸脱着測定>
上記実施例1、2で得られたFe担持ZTC、Ni担持ZTC、および炭素材料であるZTCについて窒素吸脱着測定を行った。窒素吸脱着測定は、日本ベル製BELSORP miniを用いて行い、−196℃の温度で、多点法で行った。0.01<P/P<0.05の相対圧の範囲での吸着等温線よりBET比表面積(SBET)を求めた。全空孔容積(Vtotal)は、0.96の相対圧における吸着Nの容積より求めた。ミクロ孔容積(Vmicro)は、それぞれの窒素吸着等温線のデータを使用してDubinin−Radushkevich(DR)方程式で算出した。メソ孔容積(Vmeso)は、全空孔容積からミクロ孔容積(Vmicro)を差し引いて求めた。また、αs比表面積(Sαs)は、Kaneko, K.; Ishii, C.; Ruike, M.; Kuwabara, H. Carbon 1992, 30,1075-1088.に記載される方法により求めた。
下記表1にZTC、実施例1、2で調製した試料の窒素吸脱着測定の結果から算出したBET比表面積、細孔構造を示す。
表1から、実施例1のFe担持ZTC、および実施例2のNi担持ZTCは、ZTCと比べると、細孔径が小さくなっていることがわかる。これは、金属粒子が担持されたこと、および還元のために熱処理したことによるZTCの構造の変化によるものと考えられる。Fe担持ZTCとNi担持ZTCとの間で、BET比表面積、細孔径分布、細孔容積の大きな差はなかった。
<誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析>
実施例1、2で調製した試料について、窒素雰囲気下での熱処理による還元の前後で、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法により、試料中に含まれる炭素および金属の含有量を測定した。試料をアルカリ融解により分解し溶液化した後、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製誘導結合プラズマ発光分光分析装置 SPS−3520型)を用いて測定した。結果を表2に示す。表2中、鉄およびニッケルの含有量は、同一ロットの試料を2回測定した値の平均値である。
表2の結果より、実施例1のフェロセン担持ZTCのFe担持量(3.15質量%)は、重量増加より計算されるFe担持量(3.3質量%)とほぼ一致した。しかしながら、Fe担持ZTCのFe担持量(2.5質量%)は、フェロセン担持ZTCのFe担持量(3.15質量%)から見積もられる担持量である3.4質量%よりも低く、600℃、1時間の熱処理による還元の際に、フェロセンが昇華して脱離している可能性がある。
一方、実施例2のニッケロセン担持ZTCのNi担持量(3.05質量%)は、重量増加より計算されるNi担持量(3.8質量%)よりも低く、これはニッケロセンの分解から生じたシクロペンタジエンなどの炭化水素ガスが吸着した可能性が考えられる。一方でNi担持ZTCのNi担持量(3.15質量%)は、ニッケロセン担持ZTCのNi担持量から見積もられる担持量である3.4質量%と大きく相違しなかったことから、還元時の脱離は比較的生じにくいと考えられる。
<X線回折(XRD)測定>
実施例1〜3で調製した試料について、窒素雰囲気下での熱処理による還元の前後でX線回折測定を行った。X線回折測定は、島津製作所製XRD−6100を用いて行い、線源はCu−Kα、電圧30kV、電流20mAで行った。結果を図2A、図2Bに示す。
図2Aに、ZTCと、実施例1で調製したフェロセン担持ZTCおよびFe担持ZTCの試料を、空気雰囲気下で測定したXRDパターンを示す。ZTCのX線回折パターンには2θ=6.3°付近に、鋳型として用いたY型ゼオライトの1.2nmのミクロ孔を有する長周期規則構造が転写されたことに由来するピークが明確に観察された。また2θ=20〜30°に炭素網面の積層に由来するピークはほとんどみられなかった。
フェロセン担持ZTCでは、特徴的なピークは観測されなかった。また、ZTCに比べて、2θ=6.3°付近のピーク強度が減少した。フェロセンの導入の際の温度条件(100℃)でZTCの構造規則性が低下することは考えにくいことから、ZTCの細孔の内部にフェロセンが導入されているものと考えられる。
一方、Fe担持ZTCのXRDパターンでは、2θ=35.5°、43.5°、および63.2°に、FeおよびFeに由来するブロードなピークが観察された。このことから、ZTC上に微小なFeおよびFeの粒子、またはクラスターが高分散していることがわかる。また、2θ=6.3°付近のピーク強度がZTCと比較して小さくなっていることから、ZTCの細孔の内部に一定量のFeが導入されているものと考えられる。
図2Bに、ZTCと、実施例2、3で調製したニッケロセン担持ZTCおよびNi担持ZTCのXRDパターンを示す。
図2Bから、実施例2、3のいずれの場合も、ニッケロセン担持ZTCには特徴的なピークがみられなかった。また、2θ=6.3°のピーク強度が低下した。このことから、ZTCの細孔内に相当量のニッケロセンが担持されており、ZTCにニッケロセンが高分散していることがわかる。
また、Ni担持ZTCについては、実施例2では、2θ=44.5°、51.8°、76.3°、および92.9°に、Niに由来する結晶性ピークが観察され、Niが酸化されていない状態で、ある程度の大きさに粒子が成長していることがわかる。一方、実施例3では、金属に由来するピークは見られなかった。また、2θ=6.3°のZTCの細孔に由来するピーク強度も、実施例2の場合と比較してより小さくなっている。これらの結果から、300℃で還元した実施例3では、600℃で還元した実施例2と比較して、還元の際の粒子成長が抑制され、ニッケルの微小な粒子が細孔内に担持されているものと考えられる。
<透過型電子顕微鏡(TEM)観察>
各実施例で調製した金属担持炭素材料についてTEM観察を行った。
透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日本電子株式会社製透過型電子顕微鏡JEM−2010を用い、加速電圧200kVにて観察した。TEM観察に際しては、試料にエタノールを少量加えてから超音波処理することで懸濁させ、懸濁液をマイクログリッド(応研商事株式会社製:普及品タイプB)に微量滴下した後、40℃で30分間減圧乾燥し、TEM用観察試料とした。
図3A〜図3Cに、実施例1〜3で得られたFe担持ZTCまたはNi担持ZTCのTEM像をそれぞれ示す。
図3Aより、実施例1で得られたFe担持ZTCでは、粒子の存在は観測されず、このことから、粒径が2nm以下の極めて微小なFeまたはFeの粒子、またはクラスターが高分散されていると考えられる。
図3Bのように、ニッケロセンを窒素雰囲気下で600℃で1時間熱処理して還元することによって調製した実施例2のNi担持ZTCでは、Niが粒径10〜20nmの粒子として観察されている。図3Cのように、還元の際の熱処理温度を300℃とした実施例3のNi担持ZTCでは、粒径4〜6nmの粒子が観察されているが、上記のXRDの結果と併せて考慮すると、TEMで観察できない微小な粒子も多く存在するものと考えられる。
なお、実施例1〜3のいずれも、金属錯体を還元する前の、フェロセン担持ZTC、またはニッケロセン担持ZTCのTEM像においては、金属などの粒子の存在は見られず、ZTCそのもののTEM画像と区別がつかないほどであった(図示せず)。このことからも、フェロセン、またはニッケロセンが、ZTCに高分散していることが確認された。
<水素吸脱着測定>
水素吸蔵能の評価は、低圧吸蔵性能測定(〜0.1MPa=100kPa)として、高精度自動ガス/蒸気吸着量測定装置(日本ベル株式会社製:BEL SORP MAX)を用いて−20〜80℃における水素吸脱着等温線の測定を行った。試料は測定前に100℃で6時間真空加熱乾燥した。空気に暴露した際の水分の吸着を避けるために、試料は測定装置本体で乾燥後、サンプル管を取り外さずにそのまま吸脱着測定を行った。死容積は吸着測定後に測定した。平衡判断条件は500秒間の圧力変化が圧力計の読み値の0.3%以内とした。
図4Aに、実施例1で調製したFe担持ZTCの25℃での水素吸脱着等温線を示す。また、図4Bに、実施例2、3で調製したNi担持ZTCの25℃での水素吸脱着等温線を示す。図4A、図4Bにおける点線は、それぞれの試料のαs比表面積Sαsに換算したZTCの25℃での水素吸着量(物理吸着量)である。図4中、圧力(kPa)は、水素平衡圧力であり、V(ml(STP)g−1)は、単位質量の金属担持炭素材料に吸着したHの0℃、100000Paの状態に換算した体積を表す。
図4Bのように、実施例2および実施例3で調製したNi担持ZTCにおいては、吸着時、低圧側で急激に吸着量が上昇し、化学吸着が起きていることがわかる。その後、圧力に比例した直線的な等温線を示す。この直線的な部分の等温線の勾配は、点線で示す物理吸着量よりも大きい。このことから、Niに解離吸着した水素原子が、ZTC上にスピルオーバーして貯蔵されている可能性があることがわかった。また、脱着時にはヒステリシスを示し、脱着しにくい挙動がみられた。このような水素吸脱着特性は、Pt担持ZTCと同様の挙動である。
一方、図4Aに示すように、実施例1で調製したFe担持ZTCでは、また、化学吸着による水素吸着量の増加は観測されず、水素吸着量は圧力の増加に比例して増加した。また、脱着においてヒステリシスはみられず、脱着は可逆的であった。しかしながら、実施例2、3と比較すると吸着量は小さいものの、スピルオーバーによる水素吸着が生じている可能性があることがわかった。
図5に、実施例2で調製したNi担持ZTCについて、−20℃、0℃、25℃、50℃、80℃で水素吸脱着測定を行い、各吸着点において求めたスピルオーバーによる水素吸着量のプロットを示す(a)。比較のために、比較例1のPtコロイド担持ZTCについて同様に測定したプロットを示す(b)。
ここで、スピルオーバーによる水素吸着量は、各測定点における全水素吸着量から、物理吸着量と、化学吸着量とを差し引いた値とした。化学吸着量は、10kPa以上での測定点から線形近似線を求め、切片の値を化学吸着量とした。
図5に示すように、Ptコロイド担持ZTCに比較して、Ni担持ZTCには、明確な温度依存性はみられない。しかしながら、25℃におけるNi担持ZTCのスピルオーバーによる水素吸着量は、同じ温度でのPtコロイド担持ZTCで得られる値と同程度であった。このことから、本発明による金属担持炭素材料によれば、特定の遷移金属の粒子を導入することによって原子状水素の吸蔵が促進されることで、白金のような貴金属を使用することなく、水素吸蔵量が向上しうることが確認された。
1 ゼオライト、
1a、2a ミクロ孔、
2 ゼオライト鋳型炭素材料、
3 ゼオライト−炭素複合体。

Claims (10)

  1. 網目状に連結した細孔を有する炭素材料に、FeまたはNiを有する金属粒子が担持された金属担持炭素材料であって、
    前記金属粒子が前記細孔内部に担持されており、
    透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される前記金属粒子の平均粒径が1.2nm未満である、金属担持炭素材料。
  2. 細孔を有する炭素材料に、FeまたはNiを有する金属粒子が担持された金属担持炭素材料であって、
    前記金属粒子が前記細孔内部に担持されており、
    透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される前記金属粒子の平均粒径が1.2nm未満であり、
    前記金属担持炭素材料のBET比表面積が2890m/g以上である、金属担持炭素材料。
  3. 細孔を有する炭素材料に、FeまたはNiを有する金属粒子が担持された金属担持炭素材料であって、
    前記金属粒子が前記細孔内部に担持されており、
    透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される前記金属粒子の平均粒径が1.2nm未満であり、
    前記金属担持炭素材料のミクロ孔の容積が1.19m/g以上である、金属担持炭素材料。
  4. X線回折(XRD)で規定される前記金属粒子の平均粒径が1.2nm未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属担持炭素材料。
  5. 前記細孔を有する炭素材料が、ゼオライト鋳型炭素材料である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属担持炭素材料。
  6. 前記金属粒子の担持量は、前記金属担持炭素材料の全量に対して1〜7質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属担持炭素材料。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の金属担持炭素材料を含む、水素吸蔵材料。
  8. 細孔を有する炭素材料に、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Mo、Hf、およびWからなる群から選択される1以上の遷移金属を有する金属粒子が担持され、
    透過型電子顕微鏡(TEM)で観察される前記金属粒子の平均粒径が20nm未満である、金属担持炭素材料の製造方法であって、
    細孔を有する炭素材料と、Fe、Ni、Co、Ti、V、Cr、Zr、Mo、Hf、およびWからなる群から選択される1以上の遷移金属を含む金属錯体とを準備する工程と、
    前記細孔を有する炭素材料と、前記金属錯体とを減圧下で気相中で接触させて、前記細孔を有する炭素材料に前記金属錯体を導入する工程と、
    前記金属錯体を導入した炭素材料を、減圧下もしくは不活性ガス雰囲気下で熱処理するか、または、水素と接触させることによって前記金属錯体を還元し、金属粒子が担持された金属担持炭素材料を得る段階と、を有する、金属担持炭素材料の製造方法。
  9. 前記金属錯体が、メタロセン、またはメタロセン誘導体である、請求項8に記載の金属担持炭素材料の製造方法。
  10. 前記金属錯体が、フェロセン、ニッケロセン、コバルトセン、またはこれらの誘導体である、請求項8または9に記載の金属担持炭素材料の製造方法。
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