JP5854427B2 - 水素吸蔵材料 - Google Patents

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Description

本発明は、金属担持炭素材料に関する。より詳細には、燃料電池用の水素吸蔵材料や電極触媒に適用して好適な金属担持炭素材料に関する。
多量の水素の吸蔵は燃料電池自動車の実用化に必要不可欠な技術であり、これまでに水素吸蔵合金、化学水素化物、吸着系材料などの水素吸蔵材料の研究が活発に行なわれてきた。水素吸蔵合金および化学水素化物は、吸着系材料と比較して吸蔵量が大きく、水素吸蔵能が5重量%を超えるものが得られているものの、水素の放出に加熱が必要であること、寿命が短いことなどの問題がある。一方、吸着系材料としては、例えば活性炭やカーボンナノチューブをはじめとする炭素材料が挙げられる。吸着系材料では、物理吸着を利用するために水素の吸蔵・放出過程で加熱は不要であるが、水素吸蔵合金や化学水素化物と比較して吸着量が少ないという問題がある。そこで近年、物理吸着に加えてスピルオーバーを利用した水素吸蔵方式が注目されている。
スピルオーバーとは、固体表面上に白金などの金属を担持すると、気相中の水素分子が金属の作用により金属表面上で水素原子に解離し、固体表面上に流出する現象である。流出した水素原子は固体表面に吸蔵されるため、水素を分子のまま吸着させる物理吸着と組み合わせて水素吸蔵能を向上させることができると考えられる。例えば、非特許文献1では、高表面積の活性炭に白金ナノ粒子を担持させると、常温における水素吸蔵能が担持前に比べて大幅に増大することが報告されており、これは、物理吸着に加えてスピルオーバーの効果によるものとされている。
J.Phys.Chem.C,111(2007)11086.
しかしながら、燃料電池自動車の実用化のためには、より多量の水素を吸蔵できる水素吸蔵材料が求められている。また、固体表面に担持させる金属は、主に白金などの高価な金属であり、スピルオーバーに寄与するのは金属粒子の表面部分だけであるため、同じ量の金属を担持するならば、粒子径を小さくして粒子の表面積をできるだけ大きくすることが不可欠である。その一方で、金属粒子の微粒子化には限界がある。
そこで、本発明者らは金属を粒子としてではなく、金属錯体として炭素材料の表面に担持させることで、金属を酸化させることなく原子レベルで担持させることを検討した。しかしながら、金属錯体を炭素材料に導入した材料を用いて水素吸脱着測定を行うと、金属錯体を導入しない場合と比較して水素吸蔵量は大幅に増加するものの、水素の脱着が容易ではないことが明らかになった。水素吸蔵材料として用いるためには、水素の吸蔵および放出が安定に可逆的に行われる必要がある。
そこで本発明は、高い水素吸蔵能を有するとともに、水素の吸蔵および放出が可逆的に行われうる金属担持炭素材料を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題に鑑み、鋭意研究を積み重ねた。その過程で、金属錯体を導入した炭素材料においては、水素吸脱着測定の際に水素に接触することで金属錯体が還元されて金属原子を生じ、これが凝集して金属粒子を形成しうることを見いだした。さらに、このような金属粒子が水素分子を強く吸着するため、水素が放出されにくくなっていることを見いだした。そこで、このような金属粒子の生成を抑制する手段を検討した結果、窒素配位子またはリン配位子を有する金属錯体のうち、特定の配位子を有する金属錯体、または、中心金属に窒素原子またはリン原子が2原子以上配位した金属錯体を導入することで上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、細孔を有する炭素材料に金属錯体が導入されてなる金属担持炭素材料であって、前記金属錯体は、配位中心となる銅(Cu)または8〜10族の金属Mに対してリン配位子または窒素配位子が配位され、前記金属錯体は、置換基を有してもよいトリフェニルホスフィン、トリフェニルアミン、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリンからなる群から選択される配位子を有する金属錯体である;または、金属Mに対して少なくとも2個のリン原子または窒素原子が配位された金属錯体である、金属担持炭素材料である。
本発明によれば、金属と配位子との結合の強い金属錯体を炭素材料に導入するため、金属の還元が起こりにくく、安定な錯体として金属を原子レベルで炭素材料に担持させることができる。そのため、高い水素吸蔵能を有するとともに、可逆的な水素の吸蔵、放出が可能な金属担持炭素材料が得られうる。
金属錯体が導入された金属担持炭素材料を表す模式図である。 ミクロポーラス炭素材料を表す模式図である。 (a)比較例1、(b)比較例2で得られた試料のTEM写真である。 参考例1、比較例3で得られた試料のTEM写真である。 実施例3、実施例2で得られた試料のTEM写真である。 実施例1で調製した試料の水素吸脱着測定前および水素吸脱着測定後に測定したXRDパターンである。 実施例2で調製した試料の水素吸脱着測定前および水素吸脱着測定後に測定したXRDパターンである。 実施例3で調製した試料の水素吸脱着測定前および水素吸脱着測定後に測定したXRDパターンである。 参考例1および比較例1で調製した試料のXRDパターンである。 実施例2の試料の水素吸脱着測定後のTEM写真である。 実施例3の試料の水素吸脱着測定後のTEM写真である。 比較例3の試料の空気雰囲気下(a)およびアルゴン雰囲気下(b)で水素吸脱着測定前後に測定したXRDパターンを示す図である。 比較例3の試料の水素吸脱着測定後のTEM写真を示す図である。 比較例2、3で調製した試料の水素処理後のXRDパターンである。 比較例3で調製した試料の水素処理後のTEM写真である。 比較例2で調製した試料の水素処理後のTEM写真である。 実施例1、2、比較例3で調製した試料、および参考例1のZTCの水素吸脱着等温線を示す図である。 参考例、比較例1〜3で調製した試料の水素吸脱着等温線を示す図である。 実施例3で調製した試料の水素吸脱着等温線を示す図である。
以下、添付した図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
<金属担持炭素材料>
本発明の一実施形態は、細孔を有する炭素材料に金属錯体が導入されてなる金属担持炭素材料であって、前記金属錯体は、配位中心となる銅(Cu)または8〜10族の金属Mに対してリン配位子または窒素配位子が配位され、前記金属錯体は、置換基を有してもよいトリフェニルホスフィン、トリフェニルアミン、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリンからなる群から選択される配位子を有する金属錯体である;または、金属Mに対して少なくとも2個のリン原子または窒素原子が配位された金属錯体である、金属担持炭素材料である。
本実施形態による金属担持炭素材料は、図1のように、炭素材料の表面の少なくとも一部に、銅(Cu)または8〜10族の金属が錯体として配位子を介して配位されることにより、金属が担持されている。すなわち、前記金属は、粒子としてではなく、錯体として担持されている。このようにすることで、金属が酸化されることなく、金属を原子レベルで分散させることができるので、より高効率なスピルオーバーが可能となる。ここで、配位力の強い特定の窒素配位子またはリン配位子を有する錯体を用いることによって、または金属に対して窒素原子またはリン原子を2以上配位させた錯体を用いることによって、金属をより安定な錯体として担持させることができる。
本発明者らは、例えば(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金などの金属錯体を導入した炭素材料は、平均粒径1〜3nmの白金粒子を導入した炭素材料と比較して水素吸蔵量が大幅に向上することを見いだした。しかしながら、このような金属担持材料は、0〜120kPa程度の領域で水素吸脱着等温線を測定すると、脱着等温線は吸着等温線と一致しない。このような材料は水素を強く吸着するが、吸着された水素は炭素材料に強く不可逆的にトラップされ、単に減圧しただけでは水素の放出が起こりにくいことがわかった。
水素吸蔵材料として用いるためには、可逆的な吸蔵、放出が進行することが必要である。そこで、この問題を解決するために、水素吸脱着等温線を測定した後の試料を分析したところ、白金錯体が水素と接触することで還元されて白金粒子を生成していることが確認された。この白金粒子が水素原子を強くトラップすることによってスピルオーバーによる水素吸蔵量が増加し、上記のような強い水素吸蔵特性が観察されたものと考えられる。
そこで、本実施形態では、窒素配位子またはリン配位子を有する金属錯体であって、所定の窒素配位子もしくはリン配位子を有する錯体、または金属Mに対して窒素原子またはリン原子が2以上配位した錯体を炭素材料に導入する。窒素配位子もしくはリン配位子を2配位以上で用いる、または特に配位力の強い窒素配位子もしくはリン配位子を用いることで金属錯体が安定化される。そのため、水素吸脱着測定の際に水素と接触した場合であっても還元されにくく、金属粒子が生じにくくなるため、吸蔵された水素が可逆的に放出されやすくなり、水素吸蔵材料として安定的に用いられうる。
本実施形態の金属担持炭素材料において、前記金属錯体は前記炭素材料の表面の少なくとも一部に担持されていればよい。好ましくは、金属錯体のうち少なくとも一部が前記炭素材料の細孔内に担持される。金属錯体が細孔内に導入される場合、より安定して担持されるため、金属錯体がより還元されにくくなると考えられる。
担持する金属は、機能性を付与するという観点で銅(Cu)または8〜10族の金属が用いられる。また、前記金属は単体だけではなく、2種類以上の金属が担持されていてもよい。中でも、水素吸蔵材料として用いる場合には、Pt、Pd、Ir、Rh、Co、Ni、Ru、Feを用いることが好ましく、Pt、Pd、Niを用いることがさらに好ましく、Ptが特に好ましい。また、窒素配位子を用いる場合はCuも好ましく用いられうる。
前記金属は、炭素材料において、0.01〜15wt%の濃度範囲内で担持することが好ましい。担持されている金属が0.01wt%以上であれば、金属の機能を十分に得ることができる。一方、担持されている金属が15wt%以下である場合には、炭素材料の細孔機能を維持し、高いBET表面積が得られうる。
Pはd軌道が大きいため、リン配位子は銅(Cu)または8〜10族の金属と配位しやすく、特にPtやPdと強く結合する。同様な電子配置を有するNについても、銅(Cu)または8〜10族の金属と配位するが、特にCu、Pdなどの金属と配位しやすい。窒素配位子は比較的安価で毒性が少なく空気に対して安定であるため、燃料電池の電極触媒に適用する際に好適である。
本実施形態による金属錯体は、窒素配位子またはリン配位子を有する錯体であって、中心金属Mに対して窒素原子もしくはリン原子が2以上配位された金属錯体;または、前記窒素配位子またはリン配位子が、置換基を有してもよいトリフェニルホスフィン、トリフェニルアミン、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリンからなる群から選択される金属錯体であれば、特に制限されない。
前記窒素配位子またはリン配位子として置換基を有してもよいトリフェニルホスフィン、トリフェニルアミン、ピリジン、ビピリジン、フェナントロリンからなる群から選択される配位子を有する金属錯体は、銅(Cu)または8〜10族の金属と強く配位する。そのため、錯体が安定化されるため、炭素材料に安定して担持させることができる。中でも、特に金属として白金を用いる場合、置換基を有してもよいトリフェニルホスフィン配位子が好ましく用いられうる。このような配位子であれば金属に強く配位し、錯体が安定して炭素材料に導入されうる。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、フェニル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシスルホニル基、アルキルチオ基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、オキシアルキルエーテル基、シアノ基などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
上述のような置換基を有してもよいトリフェニルホスフィン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ホスフィン、トリス(4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス[4−(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、トリ(p−トリル)ホスフィン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−メトキシフェニル)ホスフィン、トリス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ホスフィン、などが挙げられる。
前記窒素原子もしくはリン原子が2以上配位された金属錯体は、単座配位子を2個以上有するものであってもよく、2つ以上の配位原子が配位する多座配位子を有するものであってもよく、単座配位子と多座配位子との両方を有するものであってもよい。特に多座配位子を有する錯体であれば、キレート効果によって錯体がより安定化されるため好ましい。また、窒素配位子とリン配位子との両方を有するものであってもよく、窒素原子とリン原子との両方で配位する多座配位子を有するものであってもよい。
前記窒素原子もしくはリン原子が2以上配位された金属錯体において、窒素配位子またはリン配位子は特に制限されない。例えば、リン配位子は、ホスフィン配位子のようなリンが3価の配位子であってもよく、ホスフィンオキシド配位子やホスフィンチオキシド配位子のようなリンが5価の配位子であってもよい。同様に窒素配位子も窒素が3価の配位子であっても5価の配位子であってもよい。3価の窒素配位子は、アミン配位子であっても複素環芳香族配位子であってもよい。
好ましくは、前記窒素原子もしくはリン原子が2以上配位された金属錯体において、窒素配位子またはリン配位子は、下記式で表される配位子である。このような配位子であれば安定な錯体が得られうる。
式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7〜18のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のチオアルコキシ基、カルボニル基、またはメタロセニル基を表し、
とRとが結合して環を形成してもよく、RとRとが結合して環を形成してもよい。
ここで、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素原子が挙げられる。
アルキル基としては、特に制限されず、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基などが挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、イソプロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基などが挙げられる。
アルキニル基としては、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基などが挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
シクロアルケニル基としては、シクロペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基などが挙げられる。
アリール基としては、フェニル基、フェネチル基、o−,m−もしくはp−トリル基、2,3−もしくは2,4−キシリル基、メシチル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニリル基などが挙げられる。
アリールアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。アルキルアミノ基としては、例えば、N−メチルアミノ基、N−エチルアミノ基、N−イソプロピルアミノ基などが挙げられる。アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。チオアルコキシ基としては、例えば、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオプロピルオキシ基、チオブトキシ基などが挙げられる。メタロセニル基としては、フェロセニル基などが挙げられる。
置換基としては、例えば、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アシル基、フェニル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ニトロ基、アミノ基、ヒドロキシ基、アルキルアミノ基、アルキルカルボニルアミノ基、アリールアミノ基、アリールカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシスルホニル基、アルキルチオ基、カルバモイル基、アリールオキシカルボニル基、オキシアルキルエーテル基、シアノ基などが例示できるが、これらに限定されるものではない。
上記のようなリン配位子としては、例えば、トリフェニルホスフィン、プロピルジフェニルホスフィン、tert−ブチルジフェニルホスフィン、1−ブチルジフェニルホスフィン、1−ヘキシルジフェニルホスフィン、シクロヘキシルジフェニルホスフィン、ジシクロヘキシルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリメチルホスフィン、ベンジルジフェニルホスフィンなどが挙げられる。
好ましくは、前記金属錯体は、P(Ph(Phはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい置換または非置換のフェニル基である)で表される配位子を有する。このような置換基を有してもよいトリフェニルホスフィン配位子は、金属に対して強く配位し、一つの配位子だけを有する錯体であっても安定に担持されうるが、2以上配位させることで本発明の効果がより顕著に得られうる。ここで置換基としては上記と同様のものが用いられうる。また、このようなトリフェニルホスフィン配位子を有する錯体は、後述のミクロポーラス炭素材料の細孔内に導入され、より安定化されうる。
上記のようなアミン配位子としては、例えば、トリフェニルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、ジエチルメチルアミン(N,N−ジエチルメチルアミン)、ジメチルエチルアミン(N,N−ジメチルエチルアミン)などが挙げられる。
好ましくは、窒素配位子またはリン配位子は、下記化学式の配位子から選択される二座配位子でありうる。このような二座配位子であれば、キレート効果により錯体がより安定化しうる
式中、R、R、R1a、R2aはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7〜18のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のチオアルコキシ基、カルボニル基、またはメタロセニル基を表し、
とRとが結合して環を形成してもよく、
1aとR2aとが結合して環を形成してもよく、
Aは連結基であり、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニレン基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキニレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数7〜18のアリールアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のイミノアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のオキシアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のチオキシアルキレン基、カルボニレン基、またはメタロセニレン基を表す。
ここで、アルキレン基としては、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などが挙げられる。アルケニレン基としては、例えば、ビニレン基、1−プロペニレン基、アリレン基、イソプロペニレン基、1−ブテニレン基、2−ブテニレン基、1−ペンテニレン基、2−ペンテニレン基などが挙げられる。アルキニレン基としては、アセチレニレン基、プロピニレン基、ブチニレン基などが挙げられる。シクロアルキレン基としては、シクロプロピレン基、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基などが挙げられる。シクロアルケニレン基としては、シクロペンタジエニレン基、シクロヘキサジエニレン基などが挙げられる。
アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基などが挙げられる。アリールアルキレン基としては、フェニルエチレン基などが挙げられる。イミノアルキレン基としては、イミノメチレン基、イミノエチレン基、イミノプロピレン基、イミノブチレン基、イミノペンチレン基などが挙げられる。オキシアルキレン基としてはオキシエチレン基、オキシプロピレン基などが挙げられる。チオキシアルキレン基としてはチオキシエチレン基、チオキシプロピレン基などが挙げられる。メタロセニレン基としてはフェニレン基などが挙げられる。
その他の置換基については上記と同様である。
上記化学式で表される二座配位子のうち、好ましくは、R、R、R1a、R2aは、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基であり、特に好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはフェニル基である。また、好ましくは、連結基Aはアルキレン基、アリーレン基またはメタロセニレン基であり、特に好ましくは炭素数2〜6のアルキレン基である。
好ましい二座のホスフィン配位子としては、1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン(DMPE)、1,3−ビス(ジメチルホスフィノ)プロパン(DMPP)、1,4−ビス(ジメチルホスフィノ)ブタン(DMPB)、1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン(DPPE)、1,3−ビス(ジフェニルホスフィノ)プロパン(DPPP)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPPB)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(DPPF)、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチル(BINAP)などが挙げられる。中でも、DMPE、DMPP、DMPB、DPPE、DPPP、DPPBのような配位子は、後述のミクロポーラス炭素材料の細孔内に導入され、より安定化されうるため好ましい。
二座のアミン配位子としては、例えば、エチレンジアミン、N−メチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N−メチルプロピレンジアミン、N,N’−ジメチルプロピレンジアミン、2−メチルプロピレン−ジアミン、2,2−ジメチルプロピレンジアミン、1,2−フェニレンジアミン、1,3−フェニレン−ジアミン、1,4−フェニレンジアミン、ジアミノエタンなどが挙げられる。
上記のような配位子を有する錯体としては、例えば、下記式で表される錯体が挙げられる。
式中、R、R、R1a、R2aおよびAは上記と同様であり、Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換または非置換の炭素数1〜10のアルキル基である。
上記のような錯体であれば安定に炭素材料に担持されうる。
または、本実施形態による金属錯体の窒素配位子は、置換基を有してもよいピリジン、ビピリジン、フェナントロリンからなる群から選択されうる。この際、置換基としては上記したものと同様の置換基が用いられうる。このような配位子は、安定なCu錯体やPd錯体を形成しうる。
本実施形態において、特に好ましい金属錯体としては、下記化学式で表されるものが挙げられる。
炭素材料としては、細孔を有するものであれば特に制限はなく、カーボンブラック、活性炭、コークス、天然黒鉛、人造黒鉛などからなるカーボン粒子などが用いられうるが、物理吸着による水素吸蔵能は表面積が大きいほど高くなるため、水素吸蔵能を高めるためには特にゼオライト鋳型カーボン(ZTC)のようなミクロポーラス炭素材料が好ましく用いられうる。ZTCは、球面状の細いグラフェンシートが3次元状に規則的につながった構造を有し、超高表面積であるため、水素吸蔵特性に優れる。
図2に、ミクロポーラス炭素材料としてのゼオライト鋳型カーボンの一例を模式的に示す。ゼオライト鋳型カーボン2は、ゼオライト1を鋳型として得られたゼオライト炭素2である。より詳細には、ゼオライト鋳型カーボン2の作製には、まず、図2(a)に示すゼオライト1のミクロ孔1aに炭素源である有機化合物を導入した後に加熱処理して図2(b)に示すゼオライト1とゼオライト炭素2との複合体3を調製する。その後にゼオライト1のみを除去することによって、ゼオライト鋳型カーボン2が得られる(図2(c))。ゼオライト鋳型カーボン2は、鋳型として用いたゼオライト1の構造的特徴が反映された、3次元の長周期規則構造と内部にミクロ細孔2aとを有する。
ゼオライト鋳型カーボン2は、その製造にあたり、使用する鋳型材である特定の3次元規則構造を有するゼオライト1が備える構造的特徴を反映した多孔性炭素材料である。ゼオライト鋳型カーボン2は、直径が0.1〜2nmの範囲内にある細孔(ミクロ細孔2a)が網目状に連結した構造を有する。具体的には、ゼオライト鋳型カーボン2は、0.5〜100nmの範囲内の3次元長周期規則構造を有すると共に、ミクロ細孔2aを有する。より具体的には、ゼオライト鋳型カーボン2は、3次元長周期規則構造を構成する炭素鎖と炭素鎖の間の距離が、好ましくは0.5〜100nmであり、より好ましくは0.7〜50nmであり、さらに好ましくは0.7〜2nmである。このように、ゼオライト鋳型カーボン2は、炭素鎖と炭素鎖の間の距離が任意の間隔で3次元的に長周期にわたって規則的に繰り返した構造を有する炭素材料である。なお、IUPAC(国際純正及び応用化学連合)では、直径2nm以下の細孔をミクロ細孔(micropore)、直径2〜50nmの細孔をメソ細孔(mesopore)、直径50nm以上の細孔をマクロ細孔(macropore)と定義している。ミクロ細孔を有する物質を総称してミクロ(マイクロ)ポーラス材料と称している。
本実施形態において、前記炭素材料は、エッジ部分の少なくとも一部に官能基が導入されてなるエッジ修飾炭素材料でありうる。例えば、前記炭素材料のエッジ部分の少なくとも一部にアミジン構造を有する官能基が導入されてなる炭素材料である。
アミジン構造を有する官能基としては、例えば、下記化学式1で表される官能基が挙げられる。
式中、R、RおよびRは独立して、水素原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基または置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基であり、RとRとが結合して環を形成してもよく、RとRとが結合して環を形成してもよい。
アルキル基は、直鎖であっても、分岐であってもよい。アルキル基またはシクロアルキル基は、置換であっても非置換であってもよい。アルキル基の有する炭素数は、特に限定されないが、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜5個である。シクロアルキル基の有する炭素数は、特に限定されないが、好ましくは3〜6個である。アルキル基またはシクロアルキル基の置換基も特に制限されないが、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子などが挙げられる。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。これら以外のアルキル基またはシクロアルキル基が用いられてもよい。RとRとが結合して環を形成する場合、または、RとRとが結合して環を形成する場合、当該環は好ましくは5〜6員環であり、より好ましくは5員環である。
例えば、下記化学式で表される官能基が好適に用いられうる。
上記アミジン構造を有する官能基が導入されてなる炭素材料は親水性を有するため、水蒸気をはじめとする極性を有するガス、酸性ガス、含酸素炭化水素蒸気等の吸着剤として有用である。また、電気二重層キャパシタ(EDLC)の電極として応用した場合にも性能の向上が期待できる。一般に、EDLCの電解液は極性が大きく、電極表面との親和性(濡れ性)を考慮すると親水性を示す電極が望まれる。活性炭、ミクロポーラス炭素材料も含めて炭素材料は疎水性が強く、キャパシタ等へ応用する場合に親和性(濡れ性)を改変する。このため、EDLCの直接的な性能に関与しない二次的な表面改質処理を行うことがある。これに対し、上記アミジン構造を有する官能基が導入されてなる炭素材料は二次的な表面改質処理を行う必要がなく、そのまま用いることが可能となる。このため、よりすぐれた効果が期待できる。その他、水蒸気の吸脱着を利用する吸着式ヒートポンプにおいて、吸着剤として現在使用されているゼオライトと比べて大幅な性能向上が可能なため、装置の小型化等、性能向上が期待できる。
上記炭素材料、または本実施形態の金属担持炭素材料は、そのBET表面積が1500m/g以上であることが好ましい。例えばゼオライト鋳型カーボンを用いた炭素材料、または金属担持炭素材料は、3次元長周期規則構造とミクロ細孔とを有することによりBET表面積が大きい。一般に吸着材への適用に関しては、BET表面積が大きいことが好ましい。また、吸着する分子サイズにも影響されるが、ミクロ孔が存在することも重要であると考えられる。これに対して、メソ孔は前述した用途への適用に際してはあまり効果がないと考えられる。このため、所望の高い機能を発現させるためには、相対的にミクロ孔が多く存在することが重要であり、なるべくメソ孔は少ない方が良いと考えられる。この目安として、BET表面積は1500m/g以上であることが好ましい。また、2000m/g以上であることがより好ましく、さらには2500m/g以上であることが好ましい。さらにより好ましくは、BET表面積は3000m/g以上であり、特に好ましくは3500m/g以上である。BET表面積が1500m/g以上である場合には、高い水素吸蔵能が得られうる。BET表面積は窒素吸脱着測定によって求めることができる。
上記炭素材料、または本実施形態による金属担持炭素材料は、ミクロ細孔2aの占める容積が、例えば0.6cm/g以上であり、好ましくは0.8cm/g以上であり、1.0cm/g以上であることがさらに好ましい。ミクロ細孔2aの占める容積は、1.2cm/g以上であることがさらにより好ましく、1.5cm/g以上であることが特に好ましい。ミクロ細孔の占める容積が0.6cm/g以上、特には1.0cm/g以上である場合には、十分な水素吸蔵能が得られうる。ミクロ細孔の占める容積は窒素吸脱着測定によって求めることができる。
また、前記金属担持炭素材料は、その構造的特徴として2次元積層規則性が少ないほど、吸着力が高くなる。例えば、粉末X線回折測定を行った場合に得られるX線回折パターンにおいて、2次元積層規則性を示す通常26°付近に現れる回折ピークはできるだけ少ないほうが好ましい。この26°付近に現れる回折ピークの存在は、無孔質の炭素層の増加を意味し、BET表面積の低下を意味する。また、0価の金属に由来する回折ピークができるだけ小さいことが好ましい。0価の金属に由来する回折ピークは、例えばPtであれば、2θ=40°付近と46°付近に観察される。
また、前記金属担持炭素材料は、金属の担持量が炭素材料に対して10重量%である場合、TEMで観察したときにみられる1nm以上の金属粒子が、例えば、10μm×10μmの範囲で0個であることが好ましい。もしくは、Hを含む電解液中にてサイクリックボルタモグラムを測定した際に、金属Pt表面へのH吸着に由来する0.05〜0.30V(vs.SHE)のピークが全く観察されないことが好ましい。
本実施形態に係る金属担持炭素材料は、−40℃から150℃の範囲で水素を吸蔵放出させることができる。従来、金属担持されていない炭素材料は、温度上昇と共に水素吸蔵量が低下する場合があったが、本実施形態に係る金属担持炭素材料は温度上昇と共に吸蔵能が向上する。また、平均粒径が2〜3nmの粒子状の金属を担持させた場合に比較して、水素分子の解離吸着が促進され、水素吸蔵能が向上しうる。また、減圧することで可逆的に水素の放出が進行しうる。そのため、前記金属担持炭素材料を水素吸蔵材料として用いると、高効率の水素の吸蔵及び放出が可能となる。
<金属担持炭素材料の製造方法>
本実施形態による金属担持炭素材料は、細孔を有する炭素材料を準備する段階と、前記炭素材料に、配位中心となる8〜10族の金属Mと前記金属Mに配位する窒素配位子またはリン配位子を有する金属錯体を溶媒中で含浸させて、前記炭素材料に前記金属錯体を導入する段階と、を有する方法によって製造することができる。
この方法によれば、窒素配位子またはリン配位子を配位させた金属錯体を溶媒中で炭素材料に含浸させることで、金属錯体を安定な状態で炭素材料の表面に導入することができる。そのため、金属の還元やシンタリングが生じにくい金属担持炭素材料が得られうる。
さらに、一般に、炭素材料に金属を導入する方法としては、炭素材料にPt(NO(NHやHPtClなどの金属錯体を導入し、金属錯体を水素または還元剤を利用して還元して2〜3nmの金属粒子を得る方法が用いられているが、このような方法ではさらなる微粒子化は困難である。一方で本実施形態によれば、炭素材料に金属を原子レベルで分散させて導入することができる。
(細孔を有する炭素材料を準備する段階)
原料となる炭素材料(炭素材料前駆体)の入手経路については特に制限はない。商業的に入手可能な商品を用いてもよいし、自ら調製してもよい。以下、ゼオライト鋳型カーボンなどのミクロポーラス炭素材料を用いる場合を説明する。
まず、上記した構造的な特徴を有するゼオライト鋳型カーボン(ZTC)などのミクロポーラス炭素材料を得るためには、構造内部に空孔を有し、この空孔が網目状に連結した構造を有する多孔質材料を鋳型として用いる。そして、この多孔質材料の表面及びミクロ細孔内部に加熱条件下で有機化合物を導入し、加熱することによって有機化合物を炭化し、多孔質材料に炭素を堆積させる。有機化合物の炭化・炭素の堆積は、例えば化学気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)法により行う。次に、鋳型である多孔質材料を除去する。この方法により、ミクロ細孔を有するミクロポーラス炭素材料を容易に製造することができる。
鋳型として用いる多孔質材料は、ミクロ細孔内部に有機化合物が導入できること、CVD法の際に元の構造を安定に保つこと、生成したミクロポーラス炭素材料と分離できることが必要である。このため、例えば多孔質酸化物等の耐熱性に優れ、且つ、酸やアルカリで溶解する材料が望ましい。また、既に述べたように、ミクロポーラス炭素材料は鋳型の形態を転写した状態で合成される。このため、鋳型として用いる多孔質材料は、結晶(構造)が十分に発達し、粒子径の揃った構造及び組成が均一な材料であることが望ましい。多孔質材料の備えるべき材料物性と、得られるミクロポーラス炭素材料の物性を考慮すると、多孔質材料としてゼオライトを用いることが好ましい。ゼオライトは、シリカ構造のケイ素(Si)の一部がアルミニウム(Al)で置換されたアルミノケイ酸塩であり、骨格自体が負電荷を持つことから構造内にカチオンが分布した構造を有する。また、ゼオライトは、Si/Alモル比、カチオンの種類や量、及びカチオンに水和した水分子の数によって多様な結晶構造を有し、例えば細孔が2次元的に連結した構造や3次元的に連結した構造等の、多様な大きさの細孔を有する多孔質材料である。代表的なゼオライトとしては、ケージ又はスーパーケージといった空隙構造を有するものが挙げられ、ゼオライトの中でもFAU型ゼオライト、FAU型ゼオライトの中でもY型ゼオライトを用いることが望ましい。多孔質材料の除去は、生成したミクロポーラス炭素材料を分離できる方法であれば如何なる方法を用いても良い。例えば、ゼオライトは酸で溶解可能であり、例えば、塩酸やフッ化水素酸を用いることで容易に溶解できる。
有機化合物を炭化して炭素を堆積するために用いるCVD法は、鋳型等の基板上に特定の元素又は元素組成からなる薄膜(例えば炭素からなる薄膜)を作る工業的手法である。通常、原料物質を含むガスに熱や光によってエネルギーを与えたり、高周波でプラズマ化することにより、化学反応や熱分解によって原料物質がラジカル化して反応性に富むようになり、基板上に原料物質が吸着して堆積することを利用する技術である。温度を上げて原料物質を堆積させるものを熱CVD法、化学反応や熱分解を促進させるために光を照射するものを光CVD法、ガスをプラズマ状態に励起する方法をプラズマCVD法と区別することもある。
CVD法で用いる有機化合物は、常温で気体であるか、又は気化できるものが好ましい。気化の方法は、沸点以上に熱する方法や雰囲気を減圧にする方法等がある。用いる有機化合物は、当業者に知られた炭素源物質の中から適宜選択して使用できる。特に、加熱により熱分解する化合物が好ましい。例えば、CVD法で鋳型として用いる多孔質材料の骨格上(例えばシリカゲル骨格上)に炭素を堆積することができる化合物が好ましい。
また、用いる有機化合物は、水素を含む有機化合物でも良い。この有機化合物は、不飽和又は飽和の有機化合物でも良く、これらの混合物でも良い。用いる有機化合物は、二重結合及び/又は三重結合を有する不飽和直鎖又は分枝鎖の炭化水素、飽和直鎖又は分枝鎖の炭化水素等が含まれて良く、飽和環式炭化水素や芳香族炭化水素等を含んでいても良い。有機化合物は、例えば、アセチレン、メチルアセチレン、エチレン、プロピレン、イソプレン、シクロプロパン、メタン、エタン、プロパン、ベンゼン、ビニル化合物、エチレンオキサイド等があげられる。中でも、用いる有機化合物は、多孔質のミクロ細孔内に入り込むことが可能なもの、例えばアセチレン、エチレン、メタン、エタン等を用いることが望ましい。有機化合物は、より高温でのCVDに用いるものと、より低温でCVDに用いるものとでは互いに同一のものであっても異なっていても良い。例えば、低温でのCVDではアセチレン、エチレン等を使用し、高温でのCVDにはプロピレン、イソプレン、ベンゼン等を使用しても良い。
多孔質材料のミクロ細孔内部に有機化合物を導入する際は、多孔質材料を予め減圧にしても良く、系自体を減圧下にしても良い。多孔質材料は安定であるので、CVDにより炭素が堆積する方法であれば如何なる方法を用いても良い。通常は、多孔質材料の骨格上に有機化合物の化学反応又は熱分解で生成した炭素を堆積(又は吸着)させ、多孔質材料と炭素を含むミクロポーラス炭素材料からなる複合体を得る。CVDを行う際は、加熱温度は、使用する有機化合物によって適宜適切な温度を選択できる。通常は、400〜1500℃であることが好ましい。加熱温度は、450〜1100℃であることがより好ましく、500〜900℃が更に好ましい。また、550〜800℃であることがより好ましく、575〜750℃更には約600〜700℃の範囲内にすることが望ましい。加熱温度はCVD処理時間及び/又は反応系内の圧力に応じて適宜適切な温度を選択することもできる。CVDの処理時間は、十分に炭素堆積が得られる時間とすることが好ましく、使用する有機化合物や温度によって適宜適切な時間を選択できる。
CVDは、減圧又は真空下、加圧下、若しくは不活性ガス雰囲気下で行うことができる。不活性ガス雰囲気下で行う場合には、不活性ガスとしては例えばNガス、ヘリウム、ネオン、アルゴン等があげられる。CVD法では、通常、気体状の有機化合物をキャリアガスと共に多孔質材料に接触させるように流通させながら加熱し、容易に気相で多孔質材料上に炭素を堆積させることができる。キャリアガスの種類、流速、流量及び加熱温度は使用する有機化合物や多孔質材料の種類によって適宜調節する。キャリアガスは、例えば上記の不活性ガス等があげられる。爆発限界を考慮して、酸素ガス又は水素ガスとの混合物等であっても良い。
CVD法により多孔質材料のミクロ細孔内部に炭素を堆積させる条件として、ミクロ細孔中の炭素の充填量は10〜40wt%の範囲内であることが好ましい。また、炭素の充填量は多孔質材料の重量を基準として15〜30wt%の範囲内に制御することがより好ましい。炭素の充填量が10wt%以上であれば、炭素骨格形成に必要な量の炭素が導入されるため、安定な規則性構造が得られうる。炭素の充填量が40wt%以下であれば、必要以上の炭素が付着することなく、ミクロ細孔容積及びBET表面積が維持されうる。
CVDによる炭素の堆積(吸着)後、多孔質材料とミクロポーラス炭素系材料の複合体を、CVD温度より高い温度で更に加熱しても良い。この加熱温度は、使用する有機化合物によって適宜選択できるが、通常は700〜1500℃である。加熱温度は、750〜1200℃であることが好ましく、800〜1100℃であることがより好ましい。また、825〜1000℃であることが好ましく、850〜950℃、更には約875〜925℃の範囲内にすることが好ましい。また、加熱温度は、加熱時間及び/又は反応系内の圧力に応じて適宜選択することもできる。また、加熱時間は生成物を分析し、その結果に基づいて十分な炭素堆積に要求される時間を設定することができる。
また、多孔質材料とミクロポーラス炭素材料の複合体に更に有機化合物を導入して加熱し、更に炭素を堆積させても良い。この場合には、CVD法により得られたミクロポーラス炭素材料の構造がより安定する。炭化は、CVD法によって行っても良く、他の加熱方法で行っても良い。また、加熱温度はCVD温度より高温であっても良く、低温であっても良い。また、導入する有機化合物は、CVD法で導入した有機化合物と同じであっても良く、異なっていても良い。この操作は、複数回行っても構わない。
多孔質材料の表面及びミクロ細孔内に有機化合物を導入してCVDを行う前に、有機化合物を含浸して炭化しても良い。含浸する有機化合物は、多孔質材料のミクロ細孔径より小さな分子サイズを有する有機化合物であれば使用できる。具体的には、有機化合物は、炭化歩留まりの高いフルフリルアルコール等の熱重合性モノマーを用いることが好ましい。有機化合物の含浸方法は、モノマーが液体であればそのまま、固体であれば溶媒に溶解して多孔質材料と接触させる等、公知の手段を採用することができる。なお、多孔質材料の表面に残った過剰なモノマーは、予め洗浄等で除去することが好ましい。例えば、多孔質材料を室温減圧下でフルフリルアルコールと接触させた後、混合物を大気圧に戻すことにより、多孔質材料のミクロ細孔内にフルフリルアルコールを導入することができる。また、多孔質材料の表面に付着した余分なアルコールは、有機溶剤による洗浄で除去できる。
用いる有機化合物は、多孔質材料のミクロ細孔内に挿入可能な大きさを有し、且つ、炭化時に炭素としてミクロ細孔内に残留するものであれば特に制限は無く用いることができる。例えば、有機化合物として、酢酸ビニル・アクリロニトリル・塩化ビニル等のビニル化合物、塩化ビニリデン・メタクリル酸メチル等のビニリデン化合物、無水マレイン酸等のビニレン化合物、エチレンオキサイド等のエポキシ誘導体があげられる。また、グルコース・サッカロース等の糖類、脂肪族多価アルコール類、レゾルシノール・カテコール等の芳香族多価アルコール(ジオール)類、チオフェン等の含窒素複素環化合物、ピリジン・ピリミジン等の含窒素複素環化合物も利用することができる。
炭素材料のエッジ部分などに官能基を導入する場合、その方法は特に制限されない。例えば、炭素材料をアミジン構造を有するアゾ化合物(例えば、水溶性アゾ重合開始剤)と反応させて、アミジン構造を有する官能基を導入する方法が好ましく用いられうる。具体的には、水溶性アゾ重合開始剤を用いてラジカルを生成させ、炭素材料のエッジと反応させる方法が好ましく用いられうる。このような方法によれば、例えば炭素材料としてZTCなどを用いた場合、ZTCの構造規則性を低下させることなくエッジ部分に目的の親水性官能基を導入することができる。
また、通常、ZTCを調製する際に、ZTCの前駆体としてゼオライトと炭素との複合体を調製した後、ゼオライトをフッ化水素酸などで処理して取り除く工程を必要とする。しかしながら、親水性官能基を導入する工程は、上記のゼオライトを取り除く工程で同時に行うことができる。そのため、親水性官能基を導入するために反応ステップを増やす必要がなく、複雑な実験操作も必要としない。さらに、多くの水溶性アゾ重合開始剤は工業的にも利用されているため比較的安価で使用できる。
ここで、アミジン構造を導入するために用いられうる水溶性アゾ重合開始剤としては、特に制限されないが、例えば、下記式に示される化合物が好ましく用いられうる。
炭素材料とアミジン構造を有するアゾ化合物とを反応させる条件は特に制限されない。好ましくは、反応容器に窒素置換しながらアミジン構造を有するアゾ化合物および炭素材料を加え、加熱、攪拌しながら反応させる。反応温度は用いられる水溶性アゾ重合開始剤の10時間半減期温度に応じて、ラジカルが十分発生するように選択されうる。例えば、水溶性アゾ重合開始剤である、水中の10時間半減期温度が44℃であるVA−044を用いる場合、反応温度は、例えば0〜85℃であり、好ましくは30〜70℃であり、より好ましくは40〜65℃である。反応時間は、例えば、0.5〜10時間であり、好ましくは1〜6時間である。
アミジン構造を有するアゾ化合物の使用量は、特に制限されないが、炭素材料の質量に対して、例えば10〜10000質量%であり、好ましくは100〜5000質量%であり、より好ましくは100〜500質量%である。上記範囲であれば、炭素材料のBET表面積の大きな減少がなく、炭素材料の構造を維持しながら、アミジン構造を有する官能基を効率的に炭素材料のエッジに導入することができる。
なお、エッジ修飾ZTCを製造する場合、ZTCを原料として用いて水溶性アゾ重合開始剤と反応させてもよいが、ゼオライトと炭素との複合体を原料として用い、フッ化水素酸などの酸溶液中で水溶性アゾ重合開始剤と反応させ、アミジン構造の導入とゼオライトの除去を同時に行ってもよい。ZTCを原料として用いる場合は、例えば、一般的なガラスフラスコ中で蒸留水とZTCとをよく混合し、不活性ガスをバブリングさせてから水溶性アゾ重合開始剤を添加して反応させることでエッジ修飾ZTCを製造することができる。
(炭素材料に前記金属錯体を導入する段階)
炭素材料に金属錯体を導入する方法は、特に制限されない。
好ましくは、特定の窒素配位子またはリン配位子を有する錯体、または窒素配位子もしくはリン配位子を2以上配位させた金属錯体、またはその前駆体を準備して、これを炭素材料に導入する。ここで、炭素材料に金属錯体を導入する方法として、はじめに炭素材料に所定のリン配位子または窒素配位子を導入して配位子を有する炭素材料を調製し、その後、配位子の部分に金属を有する化合物を反応させて目的の金属錯体を得る方法も考えられる。しかしながらこのような方法の場合、前記金属を有する化合物が必ずしも窒素配位子またはリン配位子に配位されず、炭素材料に吸着されてしまうおそれがある。この場合、窒素配位子またはリン配位子に配位されなかった金属のシンタリングが生じる可能性がある。
好ましくは、あらかじめ真空加熱乾燥させて放冷した炭素材料と担持させる金属錯体とを、溶媒中で、好ましくは窒素置換しながら、撹拌または還流しながら反応させる。反応温度は、例えば0〜150℃であり、好ましくは20〜100℃である。反応時間は、例えば、0.5〜72時間であり、好ましくは1〜12時間である。
この際、好ましくは、窒素配位子またはリン配位子を含む金属錯体を溶媒に溶解させた溶液を、あらかじめ真空加熱乾燥させて放冷した炭素材料に加えて反応させる。
この際、溶媒としては、特に限定されないが、非プロトン性極性溶媒が好ましく用いられうる。非プロトン性極性溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサメチルリン酸トリアミド(HMPT)、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトン、アセトニトリルなどが挙げられる。中でも、THFが好ましい。
ここで、窒素配位子またはリン配位子を含む金属錯体を溶媒に溶解させた溶液は、担持させようとする金属錯体をあらかじめ準備してこれを溶媒に溶解させたものでもよく、金属源として用いられる化合物と配位子とを混合した溶液であっても、これらを加熱、撹拌などによって反応させた反応溶液であってもよい。
窒素配位子またはリン配位子を有する金属錯体は、例えば、金属源として用いられる化合物(錯体)との配位子交換反応によって調製されうる。
金属源として用いられる錯体についても、特に制限されない。例えば溶媒由来の配位子や、比較的脱離しやすい配位子を有する化合物(錯体)が好ましく用いられうる。白金源として用いられうる錯体としては、例えば、(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)、ジクロロビス(ジメチルスルフィド)白金(II)、ヘキサヒドロキシ白金(IV)酸塩(例えばヘキサヒドロキシ白金(IV)酸ナトリウム)、cis−ビス(アセトニトリル)ジクロロ白金(II)、cis−ジクロロビス(ジエチルスルフィド)白金(II)、cis−ビス(ベンゾニトリル)ジクロロ白金(II)、白金(0)−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体、白金(0)−2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体、白金(II)アセチルアセトナート、硝酸テトラアンミン白金(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)白金(II)、ジクロロ(ジシクロペンタジエニル)白金(II)、テトラアンミン白金(II)クロリド、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)、ヘキサクロロ白金(IV)酸塩(例えばヘキサクロロ白金(IV)酸カリウム、ヘキサクロロ白金(IV)酸テトラブチルアンモニウム)、ヨウ化白金、塩化白金、などが挙げられる。
パラジウム源として用いられる錯体としては、例えば、塩化パラジウム、クロロ(1,5−シクロオクタジエン)メチルパラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ビシクロ([2.2.1]ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロロパラジウム(II)などが挙げられる。
このような金属源となる化合物に、金属とより強く配位しうる窒素配位子もしくはリン配位子を混合して反応させると、窒素配位子もしくはリン配位子を有する金属錯体が得られうる。なお、この場合、窒素配位子またはリン配位子の導入量は、金属に対して過剰であることが好ましい。窒素配位子またはリン配位子が過剰であれば未反応の金属が炭素材料に導入され、これが還元されて凝集することを抑制できる。
この際、金属の使用量も特に制限されないが、例えば、炭素材料1gに対して、好ましくは0.01〜10mmolであり、より好ましくは0.01〜2mmolである。上記範囲であれば、水素吸蔵能の高い金属担持炭素材料が得られうる。また、炭素材料1gに対して、窒素またはリンが、単座配位子であれば0.01〜20mmolであり、より好ましくは0.01〜4mmolである。二座配位子であれば、炭素材料1gに対して、窒素またはリンが、0.01〜5mmolであり、より好ましくは0.01〜1mmolである。上記範囲であれば、反応が効率的に進行しうる。
反応後、濾過、洗浄し、真空加熱乾燥して、金属担持炭素材料を得ることができる。窒素配位子またはリン配位子、金属錯体の導入率は、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析とNMR測定から見積もることができる。
<水素吸蔵材料>
上述の金属担持炭素材料は、高い水素吸蔵能を有し、100℃以下の温度で水素の吸蔵、放出が可能である。また、水素の吸蔵、放出に化学反応を伴わないため、耐久性に優れる。そのため、特に燃料電池自動車用の水素吸蔵材料に好適に用いられうる。
<触媒材料>
上述の金属担持炭素材料は、燃料電池用電極触媒などに用いられうる金属を原子レベルで安定に担持しうる。そのため、触媒金属の質量当たりの活性が向上した触媒材料が得られうる。そのため、例えば燃料電池用電極触媒などの各種触媒に好適に用いられうる。
本発明の作用効果を以下の実施例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。
<参考例1:ZTCの調製>
乾燥したゼオライト(NaY5.5)にフルフリルアルコール(FA)を含浸した。これを、150℃で8時間熱処理してFAを重合させ、PFA/ゼオライト複合体とした。これをN雰囲気下5℃/分で850℃まで昇温し、次いで700℃で1時間プロピレンCVDを行った。その後N雰囲気下5℃/分で900℃まで昇温して3時間保持し、炭素/ゼオライト複合体を調製した。最後に、この複合体を47wt%のフッ素水素酸100mlに投入後、5時間攪拌してフッ化水素酸処理し、鋳型であるゼオライトを溶解除去してミクロポーラス炭素材料(MPC)であるZTCを得た。
得られた試料のBET表面積SBETは3690m/gであった。
<実施例1:ZTC−Pt(PPh
参考例1で調製したZTCについて、2つのリン配位子を有するPt錯体を導入した炭
素材料を得た。
参考例1で調製したZTC100mgとマグネチックスターラーバーとをシュレンク管に加え、シュレンク管の口にシリコンゴム製セプタムを取り付けた。スターラーバーを用いて撹拌しながらZTCを150℃で6時間真空加熱乾燥した。その後、放冷して恒温槽を用いてシュレンク管の温度を25℃に保持した。続いて、シュレンク管を減圧した状態であらかじめ調製したエチレンビス(トリフェニルホスフィン)白金(0)/ベンゼン溶液7ml(Pt:1.40mmol/(1g−ZTC))をシリンジを用いてセプタムから注入し、25℃で6時間撹拌した。
6時間撹拌後、フラスコをアルゴン雰囲気のグローブボックスに移し、グローブボックス内で反応溶液を0.1μmのメンブレンフィルター(ADVANTEC社製T010A047A、φ=47mm)を用いて濾過を行い、さらに40mlの脱水ベンゼン、続いて50mlの脱水ヘキサン(和光純薬工業株式会社製)で洗浄した。試料を100℃で6時間減圧乾燥した。得られた試料をZTC−Pt(PPhと表す。
なお、エチレンビス(トリフェニルホスフィン)白金(0)は空気中で容易に酸化されて分解してしまうため、エチレンビス(トリフェニルホスフィン)白金(0)/ベンゼン溶液はアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で以下の方法で調製した。20mlのフラスコにマグネチックスターラーバーを入れ、エチレンビス(トリフェニルホスフィン)白金(0)(アルドリッチ社製)120mgおよび脱水ベンゼン(和光純薬工業株式会社製)8mlを加えて5分間撹拌することにより、エチレンビス(トリフェニルホスフィン)白金(0)/ベンゼン溶液を調製した。
得られた試料の合成前後の重量変化から算出したPt担持量は5.3wt%であった。また、SBET:2260m/gであった。
<実施例2:ZTC−PtMeDMPE>
参考例1で調製したZTCについて、下記式のように二座配位子を有するPt錯体を導入した炭素材料を得た。
200mlの二口フラスコにマグネチックスターラーバーと参考例1で調製したZTC1.0gとを入れ、シリコンゴム製セプタムと三方コックとを取り付け、150℃に加熱してZTCを6時間真空加熱乾燥した。乾燥後、フラスコを放冷した後に恒温槽を用いてフラスコを25℃に保持した。続いて、先に調製した(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)−DMPE/THF溶液40ml(Pt:0.090mmol、P:0.108mmol、DMPE/Pt=1.2(モル比))をシリンジを用いてセプタムから注入し、6時間撹拌した。
なお、(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)−DMPE/THF溶液は以下の手順で調製したものを用いた。(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)−DMPE/THF溶液を調製する際、DMPEは空気中の酸素によって容易に酸化されるため、DMPEを取り扱う際はアルゴン雰囲気下のグローブボックス内で行った。まず、100mlの二口ナス型フラスコにマグネチックスターラーバーと脱水THF(和光純薬工業株式会社製)20mlを入れ、続いてマイクロシリンジを用いてDMPE(Strem社製)を26.3ml量り取ってフラスコに加えた。次にTHFを45ml加えてDMPEの濃度を調節し、二口フラスコに三方コックとガラス栓とを取り付けてグローブボックスから取り出した。グローブボックスから取り出したフラスコの三方コックに窒素ガスラインを取り付け、フラスコ内に空気が入らないように窒素ガスを流通させながらフラスコのもう1つの口から(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)を54ml加えて10分間撹拌して溶液を調製した。
6時間撹拌した後、反応溶液を0.1μmのメンブレンフィルター(ADVANTEC社製T010A047A、φ=47mm)を用いて濾過し、その後、さらに200mlの脱水THF(和光純薬工業株式会社製)を用いて洗浄した。続いて洗浄した試料をマグネチックスターラーバーと共に200mlの二口フラスコに入れ、三方コックとガラス栓とを取り付けてグローブボックスの外に取り出し、試料を100℃で6時間真空加熱乾燥した。得られた試料をZTC−PtMeDMPEと表す。乾燥後の試料はグローブボックス内で行った。
得られた試料のICP分析値は、P:5.46wt%、Pt:12.6wt%(P:2.438mmol/(1g−ZTC)、Pt:0.894mmol/(1g−ZTC))であった。また、SBET=2120m/gであった。
<実施例3:ZTC−PtPPhの調製>
参考例1で調製したZTCについて、下記式のようにトリフェニルホスフィン配位子を有するPt錯体を導入した炭素材料を得た。
具体的には、参考例1で調製したZTC100mgとマグネチックスターラーバーとをシュレンク管に入れ、シュレンク管の口にシリコンゴム製セプタムを取り付けた。スターラーバーで撹拌しながらZTCを150℃で真空加熱乾燥を6時間行った後、室温まで放冷してから恒温槽を用いてシュレンク管を25℃に保持した。続いて減圧した状態で事前に調製した(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)−トリフェニルホスフィン/ジクロロメタン溶液4ml(Pt:1.50mmol/(1g−ZTC)、P:1.80mmol/(1g−ZTC)、P/Pt=1.20(モル比))をシリンジを用いてセプタムから注入し、7時間撹拌した。
(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)−トリフェニルホスフィン/ジクロロメタン溶液は、窒素置換した20mlの一口ナス型フラスコにトリフェニルホスフィン(Aldrich社製)54mg、(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)57mg、および脱水アセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)4.5mlを加えて室温で数分間撹拌して調製した。7時間後、反応溶液を0.1μmのメンブレンフィルター(JGWP02500、φ=25mm、MILIPORE社製)を用いて濾過を行い、さらに20mlのジクロロメタンで洗浄した。試料を100℃で6時間乾燥した。得られた試料をZTC−PtPPhと表す。
ICP分析値は、P:1.84wt%、Pt:6.40wt%(Pt:0.426mmol/(1g−ZTC)、P:0.769mmol/(1g−ZTC))、SBET:2120m/gであった。
<比較例1:ZTC−Pt粒子>
錯体を担持させたZTCと比較するため、一般的な方法を用いてZTCにPtナノ粒子を担持させた。ジアンミンジニトロ白金[Pt(NO(NH]の0.096wt%水溶液6.7mlと、還元剤水溶液である水素化ホウ素ナトリウムの0.0095wt%の水溶液66.7mlとをそれぞれ調製し、0℃に冷却した。続いて、参考例1で調製したZTC100mgを0℃のジアンミンジニトロ白金水溶液に投入し、0℃に冷却して減圧雰囲気で30分間撹拌した。次に、この溶液を遠心分離して0℃の水素化ホウ素ナトリウム水溶液と混合し、0℃で10分間撹拌することによりジアンミンジニトロ白金を還元して白金ナノ粒子を生成させた。反応溶液を0.1μmのメンブレンフィルター(ADVANTEC社製H010A047A、φ=47mm)を用いて濾過し、試料をイオン交換水でよく洗浄した後、150℃で6時間減圧乾燥した。この試料をZTC−Pt粒子と表す。試料中に白金は2.28wt%であった。BET表面積は3260g/mであった。この試料をZTC−Pt粒子と表す。
<比較例2:ZTC−Pt>
参考例1で調製したZTCについて、アセトニトリル中で(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)と反応させ、下記式のようなPt錯体を導入した炭素材料を得た。
具体的には、200mlの二口フラスコにマグネチックスターラーバーと参考例1で調製したZTC1.0gとを入れ、シリコンゴム製セプタムと三方コックとを取り付け、150℃に加熱してZTCを6時間真空加熱乾燥した。乾燥後、フラスコを放冷した後に恒温槽を用いてフラスコを25℃に保持した。続いて、あらかじめ調製した(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)/アセトニトリル溶液40ml(Pt:0.089mmol)をシリンジを用いてセプタムから注入し、6時間撹拌した。なお、(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)/アセトニトリル溶液は、以下のように調製したものを用いた。100mlの二口ナス型フラスコにマグネチックスターラーバーを入れ、(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)を32.8mg加えた。次に、脱水アセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)を44ml加え、数分間撹拌して(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)を溶解させて(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)/アセトニトリル溶液を調製した。
6時間撹拌した後、反応溶液を0.1μmのメンブレンフィルター(ADVANTEC社製H010A047A、φ=47mm)を用いて濾過し、その後、200mlのアセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)、続いて100mlのテトラヒドロフラン(和光純薬工業株式会社製)を用いて洗浄した。洗浄した試料をマグネチックスターラーバーと共に200mlの二口フラスコに入れ、三方コックとガラス栓とを取り付けて100℃で6時間真空加熱乾燥した。得られた試料をZTC−Ptとする。
得られた試料のICP分析値は、Pt:13.3wt%であった。また、SBET:2570m/gであった。
<比較例3:ZTC−P−Ptの調製>
参考例1で調製したZTCについて、ジフェニルホスフィン配位子を導入し、その後ジフェニルホスフィン配位子を導入したZTCをアセトニトリル中で(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)と反応させ、下記式のようなPt錯体を導入した炭素材料を得た。
具体的には、50mlの二口ナス型フラスコにマグネチックスターラーバーと参考例1で調製したZTC300mgとを入れ、フラスコの口にそれぞれシリコンゴム製セプタムと三方コックとを取り付けた。スターラーバーを用いて撹拌しながら150℃に加熱してZTCを6時間真空加熱乾燥した。乾燥後、フラスコを室温まで放冷した。次に乾燥させたZTCの入ったフラスコを減圧した状態で、あらかじめ調製したTHF/トリエチルアミン溶液20mlをシリンジを用いてセプタムから注入して室温で10分間撹拌した。ここで、THF/トリエチルアミン溶液は、窒素置換した50mlの二口ナス型フラスコに脱水THF(和光純薬工業株式会社製)25mlとトリエチルアミン(和光純薬工業株式会社製)0.536gを加えて室温で数分間撹拌して調製したものを用いた。続いて恒温槽を用いてフラスコを0℃に冷却して30分間撹拌後、フラスコ内に窒素を1atmになるまでパージしてから、クロロジフェニルホスフィン(和光純薬工業株式会社製)0.788gをシリンジを用いてフラスコ内に加えて10分間撹拌した。その後、恒温槽の温度を25℃に設定し、25℃に達してからさらに15時間撹拌して反応させた。その後、メンブレンフィルター(0.1μm、ADVANTEC社製T010A047A)で濾過し、さらに150mlのTHFでよく洗浄した。次いで試料を2000mlのイオン交換水中で30分間撹拌して良く洗浄し、メンブレンフィルター(0.1μm、ADVANTEC社製H010A047A)で濾過した後、試料を150℃で6時間減圧乾燥させた。この試料をZTC−Pと表す。
シュレンク管に上記で調製したZTC−Pを120mgとマグネチックスターラーバーとを入れ、シュレンク管の口にシリコンゴム製セプタムを取り付けた。スターラーバーを用いて撹拌しながらZTC−Pを150℃で6時間真空加熱乾燥し、その後室温まで放冷した。続いて乾燥したZTC−Pの入ったシュレンク管を減圧した状態で、あらかじめ調製した(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)/アセトニトリル溶液4.8ml(Pt:1.5mmol/(1g−ZTC−P))をシリンジを用いてセプタムから注入し、10分間撹拌した。なお、(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)/アセトニトリル溶液は、20mlの一口ナス型フラスコに(1,5−シクロオクタジエン)ジメチル白金(II)(アルドリッチ社製)を60mg加えてフラスコ内を窒素置換し、脱水アセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)を4.8ml加えて室温で数分間撹拌して調製したものを用いた。
次にシュレンク管に還流冷却管を取り付けて100℃に加熱したオイルバスでフラスコを加熱し、12時間還流した。12時間後、還流を止めてシュレンク管を放冷してから、反応溶液を0.1μmのメンブレンフィルター(ADVANTEC社製H010A047A、φ=47mm)を用いて濾過し、その後、50mlのアセトニトリル(和光純薬工業株式会社製)、続いて50mlのジエチルエーテルを用いて洗浄した。洗浄した試料を100℃で6時間真空加熱乾燥した。得られた試料をZTC−P−Ptと表す。
得られた試料のICP分析から、試料中に含まれるリンは1.48wt%であり、Ptは10.3wt%であることがわかった。また、SBET:1860m/gであった。
なお、上述の各実施例、比較例、参考例で調製した炭素材料のBET表面積の測定は日本ベル製BELSORP miniを用いて行い、−196℃の温度で多点法で行った。
また、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析法によりリンおよび白金の含有量を測定した。ここで、リンおよび白金の含有量は、試料をアルカリ融解により分解し溶液化した後、エスアイアイナノテクノロジー社製誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析装置を用いて測定した値を用いた。白金の含有量を表1に示す。
次いで、各実施例および比較例で調製した試料について水素吸脱着測定を行い、測定前後の試料について粉末X線回折測定および透過型電子顕微鏡(TEM)観察を行った。
粉末X線回折測定は、島津製作所製XRD−6100を用いて行い、線源はCu−Kα、電圧30kV、電流20mAで行った。
透過型電子顕微鏡(TEM)観察は、日本電子株式会社製透過型電子顕微鏡JEM−2010を用い、加速電圧200kVにて観察した。TEM観察に際しては、試料にエタノールを少量加えてから超音波処理することで懸濁させ、懸濁液をマイクログリッド(応研商事株式会社製:普及品タイプB)に微量滴下した後、40℃で30分間減圧乾燥し、TEM用観察試料とした。
水素吸蔵能の評価は、高精度自動ガス/蒸気吸着量測定装置(日本ベル株式会社製:BEL SORP MAX)を用いて25〜100℃における水素吸脱着等温線の測定を行った。試料は測定前に100℃で6時間真空加熱乾燥した。空気に暴露した際の水分の吸着を避けるために、試料は測定装置本体で乾燥後、サンプル管を取り外さずにそのまま吸脱着測定を行った。死容積は吸着測定後に測定した。平衡判断条件は500秒間の圧力変化が圧力計の読み値の0.3%以内とした。
図3Aに、(a)比較例1、(b)比較例2で得られた試料の水素吸脱着測定前のTEM写真を示す。図3A(a)に示すように、比較例1(ZTC−Pt粒子)のTEM写真では、平均粒径1〜3nmの白金粒子が確認できる。しかしながら、図3A(b)の比較例2(ZTC−Pt)では、Pt担持量が13.3wt%と比較例1(ZTC−Pt粒子)の2.28wt%と比較して高いのにもかかわらず、粒子上のPtは観察されなかった。このことから、比較例2の試料では白金が凝集せずに炭素材料の表面に均一に分散していると考えられる。同様の測定を比較例3、実施例1〜3の試料についても行った。これらの試料でも同様に粒子状のPtは観察されず、白金が均一に分散していると考えられる。図3Bに、参考例1、比較例3の試料の水素吸脱着測定前のTEM写真をそれぞれ示す。また、図3Cに、実施例3、実施例2の試料の水素吸脱着測定前のTEM写真をそれぞれ示す。図3B、図3Cにおいて、(a)、(b)は倍率を変化させて測定した写真である。実施例1の試料でも粒子状のPtは確認されなかった(図示せず)。
図4に実施例1で調製した試料(ZTC−Pt(PPh)の水素吸脱着測定前(アルゴン雰囲気および空気雰囲気下)ならびに水素吸脱着測定後(アルゴン雰囲気下および空気雰囲気下)に測定したXRDパターンをそれぞれ示す。XRD測定は、水素吸脱着測定前に、はじめにアルゴン雰囲気下で測定を行い、次いで空気雰囲気下で測定を行った。その後水素吸脱着測定を行い、測定後にアルゴン雰囲気下で、その後空気雰囲気下で行った。また、図5に、実施例2で調製した試料(ZTC−PtMeDMPE)の水素吸脱着測定前(空気雰囲気下)ならびに水素吸脱着測定後(アルゴン雰囲気下)に測定したXRDパターンをそれぞれ示す。
図4、5に示すように、実施例1、2の試料の水素吸脱着測定前のX線回折パターンは2θ=6°付近の長周期規則構造を示すピークが明確に観察され、また2θ=20〜30°に炭素網面の積層に由来するピークはほとんどみられなかった。このことから、得られた試料では、ミクロポーラス炭素材料(MPC)の規則構造が保持されていることが確認された。また、いずれの場合も、2θ=40°付近、46°付近に0価のPt粒子に由来するピークは観察されなかった。
また、実施例1、2の試料のいずれの場合も、水素吸脱着測定の前後でスペクトルはほとんど変化せず、いずれの場合も0価のPt粒子に由来するピークはほとんどみられなかった。
実施例3の試料の場合も同様のXRDパターンを示し、0価のPt粒子に由来するピークはほとんどみられなかった(図6)。なお、比較のために、図7に参考例1の試料(ZTC)および比較例1の試料(ZTC−Pt粒子)のXRDスペクトルを示す。図4〜6の結果から、実施例1〜3の試料では、水素と接触することによっても粒子状の白金がほとんど生成していないことがわかる。
図8Aに、実施例2で調製した試料(ZTC−PtMeDMPE)の水素吸脱着測定後のTEM写真を示す。図8A(a)〜(h)は同じ試料の異なる位置を倍率を変化させて測定した写真である。TEM写真で示す試料は図5のXRDパターンに示した試料と同じである。図8Aに示すように、実施例2の試料では、水素吸脱着測定後であっても粒子状の白金は観察されなかった。これは、二座配位子であるDMPEが白金にキレートで安定に配位しており、水素との接触による粒子状のPtの生成が起こりにくいことを示す。特に、ZTC−PtMeDMPEは分子サイズがZTCの細孔(約1.2nm)内に導入しうるサイズであるため、特に担持率が高く、導入された錯体がより安定化されうると考えられる。
同様に、図8Bに、実施例3で調製した試料(ZTC−PtPh)の水素吸脱着測定後のTEM写真を示す。図8B(a)〜(d)は同じ試料の異なる位置を倍率を変化させて測定した写真である。実施例3で調製した試料においても、ごくわずかな部分を除き、白金粒子の生成は確認されなかった。実施例1の試料についても同様に水素吸脱着測定後の試料を用いてTEM測定を行ったが、白金粒子の生成は確認されなかった(図示せず)。
図9に、比較例3(ZTC−P−Pt)の試料の(a)空気雰囲気中および(b)アルゴン雰囲気中の水素吸脱着測定前ならびに25℃、50℃、70℃での水素吸脱着測定の後に測定したXRDパターンを示す。水素吸脱着測定前の試料においても、2θ=40°付近、46°付近に0価の白金に由来するブロードなピークがわずかに観察されるが、このピークは水素吸脱着測定の進行にしたがって強くなっている。これは、水素吸脱着測定の際に金属錯体が水素と接触することで金属が還元され、白金粒子が生成しているためと考えられる。同様の測定を比較例2(ZTC−Pt)についても行ったところ、同様に水素吸脱着測定後の試料について2θ=40°付近、46°付近に0価の白金に由来するピークが観察された(図示せず)。
図10に、比較例3(ZTC−P−Pt)の試料の水素吸脱着測定後に倍率を変化させて測定したTEM写真を示す。図10に示すように、比較例3の試料では、水素吸脱着測定後に1〜2nmのサイズの白金粒子が観察されている。これは水素吸脱着測定に伴って白金粒子が生成していることを示すものであって、図9のXRD測定の結果と一致した。また、比較例2(ZTC−Pt)の試料でも同様に水素吸脱着測定の進行に伴って白金粒子が生成していることが確認された(図示せず)。
図9、図10Aの結果が水素と接触することによる試料の構造変化によるものであることを確認するために、比較例2、および比較例3で調製した試料について、それぞれ、試料の調製後何も処理していない試料と、調製後の試料を70℃で1.7kPaの水素雰囲気下で1時間保持した試料の構造を、XRDとTEMで観察した。図10BにXRDの結果を示す。図10Bの結果は、図9の結果と一致した。また、図10Cおよび図10Dに、比較例3および比較例2で調製した試料を70℃で1.7kPaの水素雰囲気下で1時間保持した後の試料の水素吸脱着測定後に倍率を変化させて測定した((a)〜(d))TEM写真をそれぞれ示す。いずれの試料においても極めて小さい白金ナノ粒子がZTCに分散していることがわかる。ZTC−P−Pt、ZTC−Ptのいずれの試料についても、減圧下では白金ナノ粒子の生成は観察されなかったが、水素雰囲気下では白金が還元されて白金粒子を生成することがわかった。また、図10Cと図10Dの写真を比較すると、ZTC−P−Ptのほうが1〜2nmのサイズの白金粒子の数が少ない傾向にあることがわかった。
図11(a)、(b)は、実施例1(ZTC−Pt(PPh)、実施例2(ZTC−PtMeDMPE)、比較例3(ZTC−P−Pt)で調製した試料、および参考例1のZTCの水素吸脱着等温線である。図11(b)は、図11(a)の縦軸のスケールを拡大して示した図である。図11(a)から、比較例3の試料では、参考例1のZTCと比較して非常に大きな水素吸蔵量を示し、スピルオーバーによる水素原子の吸蔵の効果が大きいことがわかる。しかしながら、吸蔵された水素は容易に脱離しない。一方で、図11(b)に示すように、2つのリン配位子を有する錯体を導入した実施例1の試料、および二座配位子を有する錯体を導入した実施例2の試料は、金属を導入していない参考例1と同様、可逆的な水素吸脱着等温線を示した。
なお、比較例2で調製した試料についても同様に水素吸脱着測定を行ったところ、比較例3の場合と同じように、ZTCと比較して非常に大きな水素吸蔵量を示したが、吸蔵された水素は容易に脱離しないことが確認された(図12)。
図13に、実施例3で調製した試料について、25℃、70℃の順で測定した水素吸脱着等温線を示す。図11に示す実施例1、2の場合と同様に、比較例3の試料と比較して水素吸蔵量は小さいが、比較例3の試料と比べて吸蔵された水素が容易に脱離することがわかった。一方で、図11の実施例1、2の試料と比較すると、実施例3の試料は白金担持量が少ないが高い水素吸蔵量を示す。これは、リン配位子が1つであるため、実施例1、2のような2つのリン配位子や、二座配位子を有する錯体と比較すると、測定中にわずかに金属が還元されて金属粒子が生成した可能性があるためと考えられる。しかしながら、実施例3で調製した試料において、白金の担持量に対する吸蔵された水素原子のモル比(H/Pt)の最大値は、25℃および70℃で、それぞれ0.35および0.48であり、いずれも1より小さかった。白金がシンタリングしてクラスターを生じていれば、H/Ptは1を超える値をとると考えられるため、実施例3のように特定の配位力の大きい配位子を有する金属錯体を炭素材料に導入した場合も、錯体として安定に担持される効果が得られていると考えられる。
以上のことから、実施例1〜3で調製した試料では水素吸脱着測定に伴って白金原子が配位子から外れてシンタリングすることによる白金粒子の生成が抑制され、白金粒子による不可逆的な水素吸蔵が抑制されることが明らかになった。
1 ゼオライト、
1a、2a ミクロ孔(ミクロ細孔)、
2 ゼオライト炭素(ゼオライト鋳型カーボン)、
3 複合体。

Claims (12)

  1. 細孔を有する炭素材料に金属錯体が導入されてなる金属担持炭素材料を含む水素吸蔵材料であって、
    前記金属錯体は、配位中心となる銅(Cu)または8〜10族の金属Mと、前記金属Mに配位するリン配位子とを有し、前記リン配位子は、下記化学式で表される構造から選択され、前記炭素材料が、ゼオライト鋳型カーボン(ZTC)である、水素吸蔵材料
    式中、Phはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基である。
  2. 前記リン配位子はトリフェニルホスフィンである、請求項1に記載の水素吸蔵材料。
  3. 細孔を有する炭素材料に金属錯体が導入されてなる金属担持炭素材料を含む水素吸蔵材料であって、
    前記金属錯体は、配位中心となる銅(Cu)または8〜10族の金属Mと、前記金属Mに配位するリン配位子とを有し、金属Mに対して少なくとも2個のリン原子が配位され、前記炭素材料が、ゼオライト鋳型カーボン(ZTC)である、水素吸蔵材料
  4. 記リン配位子は、下記化学式で表される配位子である、請求項3に記載の水素吸蔵材料
    式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7〜18のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のチオアルコキシ基、カルボニル基、またはメタロセニル基を表し、
    とRとが結合して環を形成してもよく、RとRとが結合して環を形成してもよい。
  5. 記リン配位子は、下記化学式で表される配位子である、請求項3に記載の水素吸蔵材料
    式中、R、R、R1a、R2aはそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置
    換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキニル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルケニル基、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基、置換もしくは非置換の炭素数7〜18のアリールアルキル基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルキルアミノ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のアルコキシ基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のチオアルコキシ基、カルボニル基、またはメタロセニル基を表し、
    とRとが結合して環を形成してもよく、R1aとR2aとが結合して環を形成してもよく、
    Aは連結基であり、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルケニレン基、置換もしくは非置換の炭素数2〜10のアルキニレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数3〜6のシクロアルケニレン基、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリーレン基、置換もしくは非置換の炭素数7〜18のアリールアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のイミノアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のオキシアルキレン基、置換もしくは非置換の炭素数1〜10のチオキシアルキレン基、カルボニレン基、またはメタロセニレン基を表す。
  6. 記リン配位子は、下記化学式で表される構造から選択される、請求項3または4に記載の水素吸蔵材料
    式中、Phはそれぞれ独立して、置換もしくは非置換の炭素数6〜18のアリール基である。
  7. 前記リン配位子はトリフェニルホスフィンである、請求項6に記載の水素吸蔵材料。
  8. 、R、R1a、R2aは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、アルキル基またはアリール基であり、連結基Aはアルキレン基、アリーレン基またはメタロセニレン基である、請求項5に記載の水素吸蔵材料
  9. 前記リン配位子は1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン(DMPE)である、請求項8に記載の水素吸蔵材料。
  10. 前記金属錯体の少なくとも一部が、前記炭素材料の細孔内に担持される、請求項1〜のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料
  11. 細孔を有する炭素材料を準備する段階と、
    前記炭素材料に、配位中心となる銅(Cu)または8〜10族の金属Mと前記金属Mに配位するリン配位子とを有する金属錯体を溶媒中で含浸させて、前記炭素材料に前記金属錯体を導入する段階と、を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料の製造方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の水素吸蔵材料を含む、触媒。
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