JPH09290150A - 新規な複合体およびその製造方法、ならびに該複合体からなる一酸化炭素吸着剤 - Google Patents

新規な複合体およびその製造方法、ならびに該複合体からなる一酸化炭素吸着剤

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JPH09290150A
JPH09290150A JP9060157A JP6015797A JPH09290150A JP H09290150 A JPH09290150 A JP H09290150A JP 9060157 A JP9060157 A JP 9060157A JP 6015797 A JP6015797 A JP 6015797A JP H09290150 A JPH09290150 A JP H09290150A
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complex
copper
adsorbent
pyridine
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Hidefumi Hirai
英史 平井
Yoshihisa Ootsuka
宜寿 大塚
Kenji Sakai
健自 境
Toshiyuki Shimazawa
俊行 島澤
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02C20/20Capture or disposal of greenhouse gases of methane

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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、重要な化学工業原料である一酸化
炭素の分離に有用な一酸化炭素吸着剤としての用途を有
する新規な複合体を提供することを目的とする。 【構成】 本発明の複合体は、ピリジンまたはその誘導
体とハロゲン化銅(I)よりなる2成分錯体を活性炭に
担持してなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な複合体およびそ
の製造法、ならびに該複合体からなる一酸化炭素吸着剤
に関する。更に詳しくは、本発明は、ピリジンまたはそ
の誘導体およびハロゲン化銅(I)からなる錯体を活性
炭に担持してなる複合体に関する。本発明の新規な複合
体は、ピリジンまたはその誘導体とハロゲン化銅(I)
よりなる錯体をその溶媒に溶解して得られる溶液に活性
炭を接触させた後、溶媒を除去することにより製造する
ことができる。本発明はまた、この新規な複合体からな
る一酸化炭素吸着剤にも関し、この一酸化炭素吸着剤を
用いて、一酸化炭素を含む混合ガスより一酸化炭素を吸
着分離することができるのみならず、一酸化炭素を吸着
した複合体より一酸化炭素を脱着することにより、一酸
化炭素濃度の高い混合ガスを得ることができる。また、
操作上のミスなどによりこの吸着剤に空気などの酸素含
有ガスが接触して一酸化炭素吸脱着能が低下した劣化吸
着剤となっても、還元性気体で処理することにより該劣
化吸着剤の低下した一酸化炭素吸脱着能を増大させるこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】一酸化炭素は、有機合成の原料、鉱石の
還元および燃料に用いられる。また、C1 化学の主原料
の一つである。一酸化炭素は、石炭、石油あるいは天然
ガスなどを原料として、部分酸化法や水蒸気改質法など
により合成ガスとして製造される。また、製鉄所の副生
ガスや石油精製のオフガスなどに含まれる。これらの場
合、一酸化炭素は、水素、窒素、二酸化炭素、メタン、
酸素などとの混合ガスとして得られる。これらの混合ガ
スは、いずれも多くの場合、水で飽和している。従っ
て、一酸化炭素を化学工業原料として用いるためには、
混合ガスより分離することが必要である。混合ガスより
一酸化炭素を分離する方法としては、圧力スイング吸着
法と温度スイング吸着法がある。圧力スイング吸着法と
は、一酸化炭素吸着剤に一酸化炭素を含む混合ガスを接
触させて、一酸化炭素を該吸着剤に吸着させ、その後、
一酸化炭素を含有する該吸着剤を減圧処理にかけて吸着
した一酸化炭素を脱着させて、一酸化炭素と該吸着剤を
分離する方法である。温度スイング吸着法とは、一酸化
炭素吸着剤に一酸化炭素を含む混合ガスを接触させて、
一酸化炭素を該吸着剤に吸着させ、その後、一酸化炭素
を含有する該吸着剤を加熱処理にかけて吸着した一酸化
炭素を脱着させて、一酸化炭素と該吸着剤を分離する方
法である。
【0003】従来、この圧力スイング吸着法または温度
スイング吸着法により一酸化炭素含有混合ガスから一酸
化炭素を分離回収するための吸着剤として種々のものが
提案されている。例えば、ハロゲン化銅(I)または酸
化銅(I)を溶媒中で撹拌し、溶液または懸濁液とした
後、ここに活性炭を加え、しかる後に溶媒を減圧、留去
などの方法で除くことによって得られる固体を吸着剤と
して用いる方法が提案されている(特開昭58−156
517号公報、特開昭59−105841号公報参
照)。また、銅(II)塩あるいは酸化銅(II)を溶
媒中で撹拌し溶液とした後、これに活性炭を加え、しか
る後に溶媒を減圧、留去などの方法で除くことによって
得られる固体あるいは、これをさらに還元性気体を用い
て処理することにより得られる固体を吸着剤として用い
る方法が提案されている(特開昭59−69414号公
報、特開昭59−136134号公報参照)。
【0004】同様に、シリカやアルミナ、シリカアルミ
ナに塩化銅(I)を溶媒に溶解させた溶液を接触させた
後、溶媒を除去することにより得られる固体を吸着剤と
して用いる方法が提案されている(特開昭61−263
635号公報、特開昭62−113710号公報参
照)。また、塩化銅(I)およびハロゲン化アルミニウ
ム(III)を溶媒中で撹拌し、溶液とした後、ここに
活性炭を加え、しかる後に溶媒を減圧、留去などの方法
で除くことによって得られる固体を吸着剤として用いる
方法が提案されている(特開昭58−124516号公
報参照)。さらには、ピリジル基を有する樹脂と、ハロ
ゲン化銅(I)および/またはチオシアン酸銅(I)と
を溶媒中で混合撹拌した後、溶媒を減圧、留去すること
によって得られる固体を吸着剤として用いる方法が提案
されている(特開昭63−4845号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法にはそれぞれ問題点がある。すなわち、上記ハロゲ
ン化銅(I)、酸化銅(I)、銅(II)塩あるいは酸
化銅(II)を活性炭に担持させた吸着剤を用いる方法
では、一酸化炭素の吸着量が小さいという欠点がある。
さらに、ハロゲン化銅を用いる場合調製に溶媒として塩
酸を用いるので、調製装置などの腐食が激しいという欠
点がある。塩化銅(I)をシリカやアルミナ、シリカア
ルミナに担持させた吸着剤を用いる方法では、一酸化炭
素の吸着量が小さいという欠点がある。さらに、調製に
溶媒として塩酸を用いるので、調製装置などの腐食が激
しいという欠点がある。また、使用する溶媒量を減ら
し、かつ、あらかじめ担体を加熱しておいた状態で担体
と塩化銅(I)溶液との接触を行うことによって得た吸
着剤は、一酸化炭素の吸着量は増加するが吸着した一酸
化炭素は減圧処理時に脱着しにくいという欠点がある。
【0006】塩化銅(I)と塩化アルミニウム(II
I)とから得られる錯体を、活性炭に担持させた吸着剤
を用いる方法では、塩化銅(I)と塩化アルミニウム
(III)とから得られる錯体が混合ガス中の水と緩慢
であるが、反応して失活するとともに、塩化水素を発生
するため、吸着剤床の前後に除湿剤床および脱塩化水素
塔を設置する必要があるという欠点を有している。ピリ
ジル基を有する樹脂と、ハロゲン化銅(I)および/ま
たはチオシアン酸銅(I)とを構成成分とすることを特
徴とする吸着剤を用いる方法では、該ピリジル基を有す
る樹脂の製造コストが高く、従ってそれから製造される
吸着剤は高価となる。また、そのピリジル基は高分子に
結合しているので銅(I)イオンへの配位が困難であ
り、一酸化炭素の吸着量が小さいという欠点がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】このような状況下にあっ
て、本発明者らは、高い一酸化炭素吸脱着能を有する一
酸化炭素吸着剤を得るために鋭意研究を行った。その結
果、ピリジンまたはその誘導体およびハロゲン化銅
(I)よりなる錯体を、多孔性の活性炭に担持させてな
る複合体を得ることに成功し、この複合体は、従来の吸
着剤と比較して、高い一酸化炭素吸着能を示すばかりで
なく、吸着された一酸化炭素が温和な条件下で容易に脱
着され得ることを見出した。また、操作上のミスなどに
よりこの吸着剤に空気などの酸素含有ガスが接触して一
酸化炭素吸脱着能が低下して劣化吸着剤となっても、還
元性気体で処理すると、劣化吸着剤の低下した一酸化炭
素吸脱着能を増大させることができることを見出した。
本発明は上記の知見に基づきなされたものである。
【0008】すなわち、本発明の1つの基本的な態様に
よれば、ピリジンまたはその誘導体およびハロゲン化銅
(I)よりなる錯体を活性炭に担持してなる複合体が提
供される。
【0009】本発明の複合体は、ピリジンまたはその誘
導体とハロゲン化銅(I)とを、水酸基、シアノ基ある
いはカルボニル基を有する溶媒またはハロゲン化炭化水
素溶媒中で撹拌することにより得られる、ピリジンまた
はその誘導体とハロゲン化銅(I)よりなる錯体の溶液
に、活性炭を浸漬した後、溶媒を除去することにより製
造することができる。
【0010】本発明において、ハロゲン化銅(I)と
は、例えば、塩化銅(I)、臭化銅(I)などである。
本発明において、ピリジン誘導体とは、例えば、3−メ
チルピリジン、4−メチルピリジンなどである。
【0011】本発明における、水酸基、シアノ基あるい
はカルボニル基を有する溶媒とは、例えば、メタノー
ル、エタノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、
アセトン、メチルエチルケトンなどである。また、ハロ
ゲン化炭化水素溶媒とは、例えば、塩化メチレン、1,
2−ジクロロエタンなどである。
【0012】本発明の複合体における、ピリジンまたは
ピリジン誘導体のハロゲン化銅(I)に対するモル比は
0.2〜3.0、好ましくは0.5〜2.5である。こ
のモル比は、本発明の複合体の製造の際に用いるピリジ
ン又はその誘導体とハロゲン化銅(I)との量比を調整
することにより達成することが出来る。
【0013】活性炭としては、形状的には成形炭、およ
び破砕炭からなる粒状炭、および粉末炭が用いられる。
活性炭の原料としては、木材、ヤシ殻、石炭、および石
油系ピッチなどが用いられ、この付活方式には、薬品付
活方式、およびガス付活方式などが適用できる。
【0014】本発明による[ピリジンまたはその誘導体
−ハロゲン化銅(I)]錯体−活性炭複合体において、
該錯体の担持量は、銅(I)のモル量換算で表して活性
炭1g当たり0.2〜10mmolである。
【0015】本発明の複合体の製造法においては、ピリ
ジンあるいはその誘導体とハロゲン化銅(I)よりなる
錯体をその溶媒に溶解して得られる溶液に活性炭を接触
させることにより、[ピリジンまたはその誘導体−ハロ
ゲン化銅(I)]錯体−活性炭複合体を調製するが、以
下、その方法について具体的に述べる。
【0016】以下のすべての操作は、窒素のような不活
性ガス雰囲気下で行う。まず、ハロゲン化銅(I)の溶
液(20〜2000mmol/l、淡黄色)を調製す
る。ここで用いられる溶媒として、アセトニトリル、メ
タノール、エタノール、プロピオニトリル、アセトン、
メチルエチルケトンなどが用いられる。この溶液にピリ
ジンまたはその誘導体をハロゲン化銅(I)の0.2〜
3.0倍モル加え、0〜90oCで30分〜5時間撹拌
または振とうする。この際、淡黄色のハロゲン化銅
(I)溶液は黄色に変色し、[ピリジンまたはその誘導
体−ハロゲン化銅(I)]錯体が生成していることがわ
かる。この錯体溶液を溶液の重量に対して1〜100重
量%の黒色の活性炭に加え、0〜90oCで30分〜2
4時間振とうまたは撹拌する。その後、滅圧して溶媒を
除去し、0〜90oC、0.1〜10mmHgで30分
〜5時間滅圧乾燥して、黒色の[ピリジンまたはその誘
導体−ハロゲン化銅(I)]錯体−活性炭複合体を得る
ことができる。
【0017】上記のようにして得られる[ピリジンまた
はその誘導体−ハロゲン化銅(I)]錯体−活性炭複合
体について、[ピリジンまたはその誘導体−ハロゲン化
銅(I)]錯体の担持量の測定は、以下のようなチオシ
アン酸銅(I)法に従って行われる。すなわち、溶媒留
去により活性炭へ[ピリジンまたはその誘導体−ハロゲ
ン化銅(I)]錯体を担持する際、活性炭に担持されず
に容器内の表面に析出した[ピリジンまたはその誘導体
−ハロゲン化銅(I)]錯体を濃塩酸で溶解し、水を加
えて150〜300mlとする。酒石酸5gを加えた
後、アンモニア水で僅かにアルカリ性とし、次に硫酸
(1+1)を滴下して中和させ、さらにその約10ml
を過剰に加える。溶液に亜硫酸ナトリウムを加え銅
(I)に還元し、60℃に昇温後、亜硫酸ナトリウムを
加えた10%チオシアン酸カリウム水溶液を、チオシア
ン酸銅(I)の沈澱が生じなくなるまで加える。1時間
60℃に保った後、放冷して沈澱を沈降させ、あらかじ
め重量を秤った濾紙(セルロース系メンブランフィルタ
ー)を用いて濾過し、1%硝酸アンモニウム溶液10m
lで5回、20%エタノール10mlで5回洗浄し、1
00oCで3時間乾燥し、チオシアン酸銅(I)として
秤量する。調製時に用いたハロゲン化銅(I)のモル量
とこのチオシアン酸銅(I)のモル量との差より活性炭
に含有担持されている[ピリジンまたはその誘導体−ハ
ロゲン化銅(I)]錯体の担持量を求める。
【0018】前記したように、本発明による[ピリジン
またはその誘導体−ハロゲン化銅(I)]錯体−活性炭
複合体において、該錯体の担持量は、銅(I)のモル量
換算で表して活性炭1g当たり0.2〜10mmolで
ある。この該[ピリジンまたはその誘導体−ハロゲン化
銅(I)]錯体−活性炭複合体は、一酸化炭素を含む混
合ガスと接触させると、該活性炭担持[ピリジンまたは
その誘導体−ハロゲン化銅(I)]錯体に一酸化炭素が
配位し、吸着する。すなわち本発明の[ピリジンまたは
その誘導体−ハロゲン化銅(I)]錯体を担持してなる
複合体は、優れた一酸化炭素吸着能を有し、一酸化炭素
吸着剤として有用である。具体的な利用方法としては、
本発明の一酸化炭素吸着剤に、一酸化炭素を含む混合ガ
スを接触させて一酸化炭素を該吸着剤に吸着させること
により、一酸化炭素を含む混合ガスから一酸化炭素を分
離することができる。
【0019】なお、前記したようにピリジル基を有する
樹脂と、ハロゲン化銅(I)および/またはチオシアン
酸銅(I)とを構成成分とすることを特徴とする一酸化
炭素吸着剤が提案されているが、ピリジル基を有する樹
脂は、製造コストが高く、従ってそれから製造される吸
着剤は高価となる。また、そのピリジル基は高分子に結
合しており銅(I)イオンへの配位が困難な構造になっ
ている。従ってその一酸化炭素吸着能も低い。これに対
し本発明における一酸化炭素吸着剤では製造コストが低
く、[ピリジンまたはその誘導体−ハロゲン化銅
(I)]錯体自体が活性炭に担持されており、効果的に
一酸化炭素を吸着できる。また、本発明の一酸化炭素吸
着剤に一酸化炭素を含む混合ガスを接触させ、その後、
一酸化炭素を吸着含有する吸着剤を所定雰囲気下での4
0℃以上での加熱処理、減圧雰囲気への暴露処理および
貧一酸化炭素雰囲気への暴露処理から選ばれる少なくと
も1つの処理にかけると、吸着した一酸化炭素を脱着す
る。この方法により該処理雰囲気の一酸化炭素濃度を高
めることができる。上記の所定雰囲気は、特に限定され
ないが、その例としては、窒素、少量の一酸化炭素を含
有する窒素、またはその他の貧一酸化炭素雰囲気を挙げ
ることができる。
【0020】また、本発明によれば、本発明の吸着剤に
空気などの酸素含有ガスが接触して一酸化炭素吸脱着能
が低下して劣化吸着剤となっても、還元性気体あるいは
還元剤を含む溶液で処理することを包含する、劣化吸着
剤の低下した一酸化炭素吸脱着能を増大させる方法が提
供される。詳細に説明すれば、操作上のミスなどにより
本発明の一酸化炭素吸着剤に空気などの酸素含有ガスが
接触すると、一酸化炭素吸脱着能が低下して劣化吸着剤
となる。これは、活性炭上の[ピリジンまたはその誘導
体−ハロゲン化銅(I)]錯体が酸素により酸化され、
その酸化された錯体は一酸化炭素を配位しないためであ
る。この酸素含有ガスが接触して劣化した吸着剤は、一
酸化炭素や水素などの還元性気体雰囲気下1気圧で10
0〜150℃での加熱処理をした後、0〜90℃0.1
〜10mmHgで減圧処理することにより、その酸素含
有ガスに接触して低下した一酸化炭素吸脱着能が増大
し、酸素含有ガスに接触する前と実質的に同じ一酸化炭
素吸脱着能まで再生することができる。これは、酸化さ
れた錯体が、水素や一酸化炭素などの還元性気体により
還元され、酸素に接触する前の錯体に再生されるためで
ある。また、酸素含有ガスが接触して劣化した吸着剤
は、仕込みのハロゲン化銅(I)の0.2〜6.0倍モ
ルの、例えばヒドロキノン、フェノール、カテコール、
クエン酸ナトリウムなどの還元剤を含む溶液を加え、0
〜90℃で30分〜24時間撹拌または振とうした後、
溶液を除去し、0〜90℃で滅圧乾燥することにより、
酸素含有ガスに接触して劣化した吸着剤の一酸化炭素吸
脱着能は増大し、酸素含有ガスに接触する前と実質的に
同じ一酸化炭素吸脱着能まで再生することができる。還
元剤の溶媒は例えばメタノール、アセトニトリル、ジエ
チルエーテル、メチルエチルケトンなどである。
【0021】上記し、更に以下の実施例に示すとおり、
本発明による一酸化炭素吸着剤を0〜100oCで、
0.5〜10atmの一酸化炭素分率(一酸化炭素が占
める容積%)が1〜100%の混合ガスまたは一酸化炭
素ガスと接触せしめると、迅速に一酸化炭素を吸着す
る。吸着した一酸化炭素は、一酸化炭素吸着剤を40〜
100oCの範囲で昇温するか、0.1〜100mmH
gの範囲で減圧するか、あるいは一酸化炭素分圧を0〜
40%の範囲に減少せしめることにより容易に脱離放出
させることができる。また、これらの条件を組み合わせ
ることにより、一酸化炭素吸着剤に吸着した一酸化炭素
は、前述よりもさらに穏やかな昇温、減圧および一酸化
炭素分圧条件下で脱離放出させることが可能になり、雰
囲気中の一酸化炭素濃度はさらに高められる。
【0022】また、本発明による一酸化炭素吸着剤は、
固体であるため、取り扱いが容易であり、充填塔形式、
充填カラム形式、および流動層形式などの装置を一酸化
炭素分離の装置として用いることができる。本発明によ
る調製法では、塩酸を溶媒に用いるものと比較して、調
製装置等の腐蝕の危険性がない。また、溶媒に塩酸や水
を用いるものに比較して、本発明による調製法では、溶
媒に有機溶媒を用いており、蒸発潜熱が小さいことか
ら、加熱、減圧留去の際、エネルギー的に有利であり、
且つ、溶媒の回収、再利用が可能であることから省資源
的にも優れており、産業上の価値は高い。
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳細に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の実施例において、温度条件を記述して
いない場合は20℃、圧力条件を記述していない場合は
1気圧下で操作を行なった。
【0023】実施例1 塩化銅(I)は、関東化学株式会社製の特級試薬を濃塩
酸に溶解し得られた溶液を蒸留水中に滴下して再沈精製
し、エタノール、次いでエーテルで洗浄後、60℃で1
2時間、真空乾燥して使用した。ピリジンは、東京化成
工業株式会社製の特級試薬を水酸化ナトリウムで脱水処
理をした後、水素化カルシウム上で蒸留して使用した。
アセトニトリルは、関東化学株式会社製の特級試薬をモ
レキュラーシーブ4Aを用いて脱水処理をした後、常圧
蒸留して使用した。活性炭は呉羽化学工業株式会社製B
AC、G−70R(粒径約0.7mm、黒色)を150
℃、0.1mmHgで12時間真空処理したものを用い
た。一酸化炭素は、日本酸素株式会社製の純一酸化炭素
ボンベガス(99.95%以上)を、使用直前にモレキ
ュラーシーブ3Aの充填塔を通して乾燥精製した。また
窒素は日本酸素株式会社製の純窒素ボンベガス(純ガス
B、99.9995%以上)をそのまま使用した。
【0024】50mlの一口ナスフラスコ内を窒素置換
した後、ここに0.38g(3.8mmol)の塩化銅
(I)を入れ、アセトニトリル7.5mlを加えて溶解
して淡黄色の溶液とした後、0.33ml(4.1mm
ol)のピリジン(無色)を加え、磁気撹拌器を用いて
1時間撹拌すると黄色の溶液となった。この色の変化に
より、ピリジンと塩化銅(I)の2成分錯体が生成した
ことが明らかである。活性炭2.5gにこのピリジンと
塩化銅(I)の2成分錯体の溶液を加える。これを30
oCで1時間振とうした後、フラスコ内の圧力を減じ、
溶媒を除去する。その後、70oC、0.1mmHgで
3時間真空乾燥し、黒色のピリジン−塩化銅(I)錯体
−活性炭複合体を得た。得られた複合体について、前記
したチオシアン酸銅(I)法により、活性炭に含有担持
されているピリジン−塩化銅(I)錯体の担持量を測定
した。その結果、複合体1.0gあたり該銅(I)錯体
を1.18mmol含有担持していることがわかった。
【0025】上記のようにして得た複合体3.2gを5
0ml一口ナスフラスコに入れ、30oCで0.1mm
Hgまで圧力を減じ、1気圧の純一酸化炭素600ml
を入れた容器と二方活栓(標準#15、プラグの孔径3
mm)を有する内径12mmのガラス管で連結し、該二
方活栓を開くことにより、一酸化炭素をフラスコ中に拡
散させ、30oCで一酸化炭素を吸着させた。一酸化炭
素の吸着量はガスビュレット法により測定した。本実施
例により得られた複合体による一酸化炭素の吸着は迅速
で、1分で2.30mmol、3分で2.63mmo
l、5分で2.68mmol、10分で2.71mmo
lの一酸化炭素を吸着し、平衡吸着量に達した。複合体
1.0gあたり10分で0.85mmolの一酸化炭素
を吸着したことになる。
【0026】この一酸化炭素を吸着した複合体3.2g
を入れた50ml一口ナスフラスコを、30oCで5分
間、0.3mmHgまで圧力を減じたところ、一酸化炭
素を迅速に脱着した。このようにして一酸化炭素を脱着
した複合体に、上記したのと同様な方法で再び一酸化炭
素を吸着させると、一度目の吸着量とほぼ等しい量
(2.67mmol)の一酸化炭素を吸着した。以後、
この吸脱着の操作を繰り返しても、一酸化炭素吸着速
度、および吸着量には、ほとんど変化は見られなかっ
た。また、この一酸化炭素を吸着した複合体3.2gの
温度を1気圧下で70oCに昇温したところ、一酸化炭
素を迅速に脱着し、1分で1.50mmol、3分で
1.54mmolの一酸化炭素を脱着して平衡に達し、
再び吸着剤温度を1気圧下で30oCに戻して、一酸化
炭素を吸着させると、脱着した量と等しい量(1.54
mmol)の一酸化炭素を吸着した。以後、この吸脱着
の操作を繰り返しても、一酸化炭素吸脱着速度および吸
脱着量にはほとんど変化は見られなかった。
【0027】実施例2 ピリジンの代りに3−メチルピリジンを使用する以外
は、実施例1と同様の操作を繰返して、3−メチルピリ
ジン−塩化銅(I)錯体−活性炭複合体を得た。活性炭
2.5g、塩化銅(I)3.8mmolおよび3−メチ
ルピリジン(東京化成工業株式会社製の特級試薬)4.
1mmolを用い、実施例1と同様な方法で、黒色の3
−メチルピリジン−塩化銅(I)錯体−活性炭複合体を
調製した。上記のようにして得た複合体を用いて、実施
例1と同じ方法で一酸化炭素の吸着量を測定した。複合
体は、一酸化炭素を急速に吸着し、1分で2.20mm
ol、3分で2.50mmol、5分で2.54mmo
l、10分で2.57mmolの一酸化炭素を吸着し、
平衡吸着量に達した。この一酸化炭素を吸着した複合体
を入れた50ml一口ナスフラスコを、30oCで5分
間、0.4mmHgまで圧力を減じたところ、一酸化炭
素を迅速に脱着した。このようにして一酸化炭素を脱着
した複合体に、上記したのと同様な方法で再び一酸化炭
素を吸着させると、一度目の吸着量とほぼ等しい量
(2.54mmol)の一酸化炭素を吸着した。以後、
この吸脱着の操作を繰り返しても、一酸化炭素吸着速
度、および吸着量には、ほとんど変化は見られなかっ
た。
【0028】実施例3 ピリジンの代わりに4−メチルピリジンを使用する以外
は、実施例1と同様の操作を繰返して、4−メチルピリ
ジン−塩化銅(I)錯体−活性炭複合体を得た。活性炭
2.5g、塩化銅(I)3.8mmolおよび4−メチ
ルピリジン(東京化成工業株式会社製の一級試薬)4.
1mmolを用い、実施例1と同様な方法で、黒色の4
−メチルピリジン−塩化銅(I)錯体−活性炭複合体を
調製した。上記のようにして得た複合体を用いて、実施
例1と同じ方法で一酸化炭素の吸着量を測定した。複合
体は、一酸化炭素を急速に吸着し、1分で2.11mm
ol、3分で2.46mmol、5分で2.51mmo
l、10分で2.54mmolの一酸化炭素を吸着し、
平衡吸着量に達した。この一酸化炭素を吸着した複合体
を入れた50ml一口ナスフラスコを、30oCで5分
間、0.3mmHgまで圧力を減じたところ、一酸化炭
素を迅速に脱着した。このようにして一酸化炭素を脱着
した複合体に、上記したのと同様な方法で再び一酸化炭
素を吸着させると、一度目の吸着量とほぼ等しい量
(2.48mmol)の一酸化炭素を吸着した。以後、
この吸脱着の操作を繰り返しても、一酸化炭素吸着速
度、および吸着量には、ほとんど変化は見られなかっ
た。
【0029】実施例4 実施例1で得たピリジン−塩化銅(I)−活性炭複合体
3.2gに、操作上のミスを想定して、大気圧の空気に
20oCで10秒間接触させた後、窒素下に保った。こ
の複合体を用いて、実施例1と同じ方法で一酸化炭素の
吸着量を測定した。空気に10秒間接触させた後の複合
体は、一酸化炭素を吸着し、1分で1.73mmol、
3分で1.96mmol、5分で2.02mmol、1
0分で2.05mmolの一酸化炭素を吸着し、平衡吸
着量に達した。空気に10秒間接触させた後の複合体の
一酸化炭素吸着量は、空気に接触させていない複合体の
一酸化炭素吸着量の75.6%であり、複合体は空気に
接触すると一酸化炭素吸着量が減少することがわかっ
た。
【0030】空気に10秒間接触させた後の複合体を、
1気圧の一酸化炭素下、120oCで48時間加熱処理
した後、70oCで3時間、0.1mmHgまで圧力を
減じた。この複合体を用いて、実施例1と同じ方法で一
酸化炭素の吸着量を測定した。空気に10秒間接触させ
た後一酸化炭素で処理した複合体は、一酸化炭素を吸着
し、1分で2.23mmol、3分で2.53mmo
l、5分で2.58mmol、10分で2.60mmo
lの一酸化炭素を吸着し、平衡吸着量に達した。空気に
10秒間接触させた後一酸化炭素で処理した複合体の一
酸化炭素吸着量は、空気に接触させていない複合体の一
酸化炭素吸着量の95.9%であり、複合体は空気に接
触して一酸化炭素吸着量が低下しても、一酸化炭素で処
理することにより一酸化炭素吸着量を空気に接触させて
いない複合体の一酸化炭素吸着量までほぼ再生できるこ
とがわかった。
【0031】実施例5 実施例1で得たピリジン−塩化銅(I)−活性炭複合体
3.2gに、1気圧の酸素(日本酸素社製;純ガスB、
99.9%以上)に20oCで30分間接触させた後、
窒素下に保った。この複合体を用いて、実施例1と同じ
方法で一酸化炭素の吸着量を測定した。酸素に30分間
接触させた後の複合体は、一酸化炭素を吸着し、1分で
0.56mmol、3分で0.78mmol、5分で
0.85mmol、10分で0.93mmolの一酸化
炭素を吸着し、平衡吸着量に達した。酸素に30分間接
触させた後の複合体の一酸化炭素吸着量は、酸素に接触
させていない複合体の一酸化炭素吸着量の34.3%で
あり、複合体は酸素に接触すると一酸化炭素吸着量が減
少することがわかった。
【0032】酸素に30分間接触させた後の複合体を、
1気圧の一酸化炭素下、120oCで48時間加熱処理
した後、70oCで3時間、0.1mmHgまで圧力を
減じた。この複合体を用いて実施例1と同じ方法で一酸
化炭素の吸着量を測定した。酸素に30分間接触させた
後一酸化炭素で処理した複合体は、1分で2.16mm
ol、3分で2.44mmol、5分で2.48mmo
l、10分で2.50mmolの一酸化炭素を吸着し、
平衡吸着量に達した。酸素に30分間接触させた後一酸
化炭素で処理した複合体の一酸化炭素吸着量は、酸素に
接触させていない複合体の92.3%であり、一酸化炭
素での処理により58.0%増大した。従って、複合体
はたとえ、酸素に接触して一酸化炭素吸着量が低下して
も、一酸化炭素で処理することで一酸化炭素吸着量を増
大できることが分かった。
【0033】実施例6 実施例1で得たピリジン−塩化銅(I)−活性炭複合体
3.2gに、1気圧の酸素に20oCで30分間接触さ
せた後、窒素下に保った。この複合体を1気圧の水素
(日本酸素社製;99.99999%以上)下、120
oCで48時間加熱処理した後、70oCで3時間、0.
1mmHgまで圧力を減じた。この酸素に30分間接触
させた後水素で処理した複合体を用いて実施例1と同じ
方法で一酸化炭素の吸着量を測定した。酸素に30分間
接触させた後水素で処理した複合体は、1分で2.24
mmol、3分で2.53mmol、5分で2.58m
mol、10分で2.59mmolの一酸化炭素を吸着
し、平衡吸着量に達した。酸素に30分間接触させた後
水素で処理した複合体の一酸化炭素吸着量は、酸素に接
触させていない複合体の一酸化炭素吸着量の95.6%
であり、複合体は、たとえ、酸素に接触して一酸化炭素
吸着量が大きく低下しても、水素で処理することにより
一酸化炭素吸着量を酸素に接触させていない複合体の一
酸化炭素吸着量まで再生できることが分かった。
【0034】実施例4、5、6から明らかなように、
[ピリジンまたはその誘導体−ハロゲン化銅(I)]−
活性炭複合体は、操作上のミスなどにより空気などの酸
素含有ガスが接触して一酸化炭素吸脱着能が低下して
も、還元性気体で処理することにより一酸化炭素吸脱着
能を再生あるいは増大させることができることが分かっ
た。
【0035】実施例7 実施例1におけるアセトニトリルの代わりに、メタノー
ルを使用して、ピリジン−塩化銅(I)錯体−活性炭複
合体を得た。塩化銅(I)は、関東化学株式会社製の特
級試薬を濃塩酸に溶解し得られた溶液を蒸留水中に滴下
して再沈精製し、エタノール、次いでエーテルで洗浄
後、60oCで12時間、真空乾燥して使用した。ピリ
ジンは、東京化成工業株式会社製の特級試薬を水酸化ナ
トリウムで脱水処理をした後、水素化カルシウム上で蒸
留して使用した。メタノールは、関東化学株式会社製の
一級試薬を関東化学株式会社製のマグネシウム(リボン
状)を用いて脱水処理をした後、常圧蒸留して使用し
た。活性炭は呉羽化学工業株式会社製BAC,G−70
R(粒径約0.7mm、黒色)を150℃、0.1mm
Hgで12時間真空処理したものを用いた。一酸化炭素
は、日本酸素株式会社製の純一酸化炭素ボンベガス(9
9.95%以上)を、使用直前にモレキュラーシーブ3
Aの充填塔を通して乾燥精製した。また窒素は日本酸素
株式会社製の純窒素ボンベガス(純ガスB、99.99
95%以上)をそのまま使用した。50mlの一口ナス
フラスコ内を窒素置換した後、ここに0.49g(5.
0mmol)の塩化銅(I)を入れ、メタノール20m
lを加えて白色懸濁液とした後、1.6ml(20mm
ol)のピリジン(無色)を加え、磁気撹拌器を用いて
1時間撹拌すると黄緑色の溶液となった。この懸濁液か
ら溶液への変化により、ピリジンと塩化銅(I)の2成
分錯体が生成したことが明らかである。活性炭2.5g
にこのピリジンと塩化銅(I)の2成分錯体の溶液を加
えた。これを30oCで1時間振とうした後、フラスコ
内の圧力を減じ、溶媒を除去した。その後、70oC、
0.1mmHgで3時間真空乾燥し、黒色のピリジン−
塩化銅(I)錯体−活性炭複合体を得た。得られた複合
体について、前記したチオシアン酸銅(I)法により、
活性炭に含有担持されているピリジン−塩化銅(I)錯
体の担持量を測定した。その結果、複合体1.0gあた
り該銅(I)錯体を1.17mmol含有担持している
ことがわかった。上記のようにして得た複合体3.3g
を50ml一口ナスフラスコに入れ、30oCで0.1
mmHgまで圧力を減じ、1気圧の純一酸化炭素600
mlを入れた容器と二方活栓(標準#15、プラグの孔
径3mm)を有する内径12mmのガラス管で連結し、
該二方活栓を開くことにより、一酸化炭素をフラスコ中
に拡散させ、30oCで一酸化炭素を吸着させた。一酸
化炭素の吸着量はガスビュレット法により測定した。本
実施例により得られた複合体による一酸化炭素の吸着は
迅速で、1分で2.20mmol、3分で2.50mm
ol、5分で2.56mmol、10分で2.60mm
olの一酸化炭素を吸着し、平衡吸着量に達した。複合
体1.0gあたり10分で0.79mmolの一酸化炭
素を吸着したことになる。
【0036】比較例1 ピリジンを加えない以外は、実施例1と同様の操作を繰
返し、塩化銅(I)−活性炭複合体を得た。活性炭2.
5gおよび塩化銅(I)3.8mmolを用い、実施例
1と同様な方法で、黒色の塩化銅(I)−活性炭複合体
を調製した。前記したチオシアン酸銅(I)法により、
活性炭に含有担持されている塩化銅(I)の担持量を測
定した。その結果、複合体1.0gあたり塩化銅(I)
を0.49mmol含有担持していることが分かった。
上記のようにして得た複合体2.6gを用いて、実施例
1と同じ方法で一酸化炭素の吸着量を測定した。複合体
は、1分で1.03mmol、3分で1.13mmol
の一酸化炭素を吸着し、平衡吸着量に達した。複合体
1.0gあたり3分で0.43mmolの一酸化炭素を
吸着したことになる。実施例1で得たピリジン−塩化銅
(I)錯体−活性炭複合体は、本比較例で得た塩化銅
(I)−活性炭複合体より、一酸化炭素を2.4倍吸着
し、一酸化炭素吸着能が高いことが分かった。
【0037】上述のように、[ピリジンまたはその誘導
体−ハロゲン化銅(I)]2成分錯体−活性炭複合体
は、ハロゲン化銅(I)−活性炭複合体よりも、一酸化
炭素吸脱着能が高いことが分かった。
【0038】比較例2 活性炭を加えない以外は、実施例1と同様な操作を繰返
し、ピリジン−塩化銅(I)錯体を得た。塩化銅(I)
3.8mmolおよびピリジン4.1mmolを用い、
実施例1と同様な方法で、白色のピリジン−塩化銅
(I)錯体を調製した。上記のようにして得た錯体0.
5gを用いて、実施例1と同じ方法で一酸化炭素の吸着
量を測定した。錯体は、一酸化炭素をほとんど吸着せ
ず、1分で0.02mmolの一酸化炭素を吸着し、平
衡吸着量に達した。実施例1で得たピリジン−塩化銅
(I)錯体−活性炭複合体は、本比較例で得たピリジン
−塩化銅(I)錯体より、一酸化炭素を140倍吸着
し、一酸化炭素吸着能が高いことが分かった。
【0039】上述のように、[ピリジンまたはその誘導
体−ハロゲン化銅(I)]2成分錯体は、活性炭に担持
して[ピリジンまたはその誘導体−ハロゲン化銅
(I)]2成分錯体−活性炭複合体とすることで、高い
一酸化炭素吸脱着能を発現することが分かった。
【0040】
【発明の効果】上記したように、ピリジンまたはその誘
導体およびハロゲン化銅(I)よりなる2成分錯体を活
性炭に担持してなる本発明の複合体は、高い一酸化炭素
吸脱着能を有する。また、操作上のミスなどにより酸素
含有ガスが接触して一酸化炭素吸脱着能が低下しても、
再生させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01J 20/34 B01J 20/34 B C C01B 31/18 C01B 31/18 B // C01B 31/08 31/08 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピリジンまたはその誘導体およびハロゲ
    ン化銅(I)よりなる錯体を、活性炭に担持してなる複
    合体。
  2. 【請求項2】 該錯体が銅(I)のモル量換算で表して
    活性炭1g当り0.2〜10mmol担持されてなる請
    求項1に記載の複合体。
  3. 【請求項3】 該錯体におけるピリジンまたはその誘導
    体のハロゲン化銅(I)に対するモル比が0.2〜3.
    0である請求項1または2に記載の複合体。
  4. 【請求項4】 ピリジンまたはその誘導体およびハロゲ
    ン化銅(I)よりなる錯体をその溶媒に溶解して得られ
    た溶液に活性炭を接触させることを包含する、該錯体を
    活性炭に担持してなる複合体の製造法。
  5. 【請求項5】 ピリジンまたはその誘導体およびハロゲ
    ン化銅(I)よりなる錯体を、活性炭に担持してなる複
    合体よりなることを特徴とする一酸化炭素吸着剤。
  6. 【請求項6】 該錯体が銅(I)のモル量換算で表して
    活性炭1g当り0.2〜10mmol担持されてなる請
    求項5に記載の一酸化炭素吸着剤。
  7. 【請求項7】 該錯体におけるピリジンまたはその誘導
    体のハロゲン化銅(I)に対するモル比が0.2〜3.
    0である請求項5または6に記載の一酸化炭素吸着剤。
  8. 【請求項8】 請求項5〜7のいずれかに記載の一酸化
    炭素吸着剤に一酸化炭素を含む混合ガスを接触させて、
    一酸化炭素を該吸着剤に吸着させることを包含する、一
    酸化炭素含有気体からの一酸化炭素の分離方法。
  9. 【請求項9】 請求項5〜7のいずれかに記載の一酸化
    炭素吸着剤に一酸化炭素含有混合ガスを接触させ、その
    後、一酸化炭素を含有する該吸着剤を所定雰囲気下での
    加熱処理、減圧雰囲気への暴露および貧一酸化炭素雰囲
    気への暴露処理から選ばれる少なくとも1つの処理にか
    けて、吸着した一酸化炭素を脱着させて該処理雰囲気で
    の一酸化炭素濃度を高めることを包含する、雰囲気中の
    一酸化炭素濃度を高める方法。
  10. 【請求項10】 請求項5〜7のいずれかに記載の一酸
    化炭素吸着剤に酸素含有ガスが接触して一酸化炭素吸脱
    着能の低下した劣化吸着剤を、還元性気体あるいは還元
    剤を含む溶液で処理することを包含する、該劣化吸着剤
    の低下した一酸化炭素吸脱着能を増大させる方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013173622A (ja) * 2012-01-25 2013-09-05 Nissan Motor Co Ltd 金属担持炭素材料およびこれを用いた水素吸蔵材料
JP2015112563A (ja) * 2013-12-13 2015-06-22 富士通株式会社 吸着式ヒートポンプ用吸着剤、及びその製造方法、並びに吸着式ヒートポンプ
KR20180066907A (ko) * 2016-12-09 2018-06-20 코아텍주식회사 산 배기가스 제거를 위한 반응흡착제 및 반응흡착제 제조방법

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