JP2001219646A - インクジェット用記録媒体 - Google Patents

インクジェット用記録媒体

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JP2001219646A JP2000364145A JP2000364145A JP2001219646A JP 2001219646 A JP2001219646 A JP 2001219646A JP 2000364145 A JP2000364145 A JP 2000364145A JP 2000364145 A JP2000364145 A JP 2000364145A JP 2001219646 A JP2001219646 A JP 2001219646A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吸収性に優れ、かつ画像の発色性が高
く、高解像度プリンターで双方向印字しても色ムラを生
じることなく、高画質な画像を印字できるインクジェッ
ト用記録媒体を提供する。 【解決手段】 2色以上のインクがキャリッジに搭載さ
れ、該インクのノズル列がヘッドの主走査方向と平行に
配置されたシリアル方式のプリンターを用いて、双方向
印字を行う際のインクジェット用記録媒体において、前
記記録媒体が基材およびインク受容層よりなり、該イン
ク受容層が10〜30cc/cm2の平均インク吸収容量を有し、
かつ、該インク受容層の最表層の接触角が、25〜72dyn/
cmの表面張力を有するインクに対して20〜60度となるよ
うにしたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体、特に、
シリアル方式のプリンターを用いて双方向印字を行う場
合に使用するのに好適なインクジェット用記録媒体に関
する。
【0002】
【従来の技術】最近のプリンターは、高解像度化が進
み、単位面積当たりのインク打ち込み量が増加する傾向
にある。特に、中間調の画像領域において、粒状感の減
少のためのフォトインク等の淡いインクを多量に使用す
るために、単位面積当たりのインクの打ち込み量を増加
させている。そこで、これらのプリンターで使用される
記録媒体としては、総じて吸収性の良好(吸収容量が大)
なものが望まれている。
【0003】高解像度印刷を実現させるためには、ノズ
ルを高密度化すること、および、インクを吐出するため
の周波数を高くすること、が必要である。また、高速印
刷を実現させるためには、往路と復路とにおいてインク
滴を吐出させる、いわゆる双方向印刷をすること、およ
び、上述したインクを吐出する周波数を高くすること、
が必要である。一方、印字速度は、ヘッドのスキャン速
度に依存する。(なお、本発明において、「ヘッドのス
キャン速度」とは、「同じ地点にヘッドが戻るまでの時
間」を意味するものとする。)このため、高解像モード
では、どうしても低速スキャンとなるため、印字速度を
速めるには双方向から印字する必要が生じる。
【0004】この双方向印字においては、行きと帰りと
でインクの吐出順が逆になり、このため、より高速化に
適した並列ヘッドを用いた双方向印字では、インク受容
層表層のインク吸収容量が小さい又はインク吸収速度が
遅いと、例えば、赤,青,緑色のような混色画像を印字
する際、往路と復路では発色が異なってしまう。その結
果、縞模様が認められ、画質の低下を招いてしまう。
(なお、本発明において、「インク吸収速度」とは、
「インク着弾から表面にインク液滴がなくなるまでの時
間」を意味するものとする。)
【0005】この双方向印字での問題を解決するために
は、インクの吸収性を向上させることが有効である。イ
ンクの吸収性を良好にするには、大きく分けて次の2通
りの方法が考えられる。その一つは、特開昭52-9074号
公報,特開昭58-72495号公報,特開昭55-51583号公報等
に開示されているような、合成シリカ等の比表面積の大
きな顔料を主体としたインク受容層を一定膜厚以上に形
成する方法である。上記従来方法によれば、高いインク
吸収性を確保できるが、インクが深く浸透するため、印
字濃度が低く、鮮明さに欠けた画像しか得られないとい
う問題がある。特に、色間のブリードの低減化を意図し
て、記録媒体へのインクの浸透性を高めるために、イン
クの表面張力を低下させた最近のフルカラー用プリンタ
ーでは、印字濃度の低下が顕著である。
【0006】もう一つの方法は、特開昭63-39373号公報
等に開示されているような、表面の濡れ性を良くする方
法である。この方法では、解像度が低い等でインクの打
ち込み量が少ない場合は、ある程度の吸収性は確保され
るものの、解像度が高かったり、濃い画像を印字する場
合等で、インクの打ち込み量が多い場合は、本質的にイ
ンクの吸収量が不足しているため、インクが溢れて画像
が滲んだり、また、ドットが大きくなるため、シャープ
さに欠けた画像しか得られない、という問題がある。
【0007】一方、インク吸収速度が速く、インクの記
録媒体表面に対する接触角が高いと、ドットが小さくな
り、インクが縦(深さ)方向に浸透するため、発色性に乏
しく、色再現性に劣った画像しか得られない、という問
題がある。逆に、インク吸収速度が遅くかつ接触角が低
いと、ドットが大きいため、解像度が低くなり、細部が
つぶれたり、文字などが太くなって滲んでしまう、とい
う問題がある。
【0008】また、インク受容層のインク吸収容量が小
さいと、又は、インク吸収速度が遅いと、例えば、イエ
ローインクとシアンインクでグリーン色を表現する際、
イエローの後にシアンを印字した場合(往路)と、シアン
の後にイエローを印字した場合(復路)とでは、グリーン
の色合いが異なる、という問題がある。これは、最初の
インクが表面に残留した状態で次のインクが重なると、
後からのインクは表層にとどまることが出来ず、先のイ
ンクより深くインク受容層中に浸透することに起因す
る。この場合、ヘッドの幅(1スキャンで印字できる印
字幅)の2倍以上の画像を印刷する場合、画像に色ムラ
(横縞)を生じ、問題となる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように、これまで
は、フルカラープリンターで印字した際に、高解像モー
ドで、かつ、高速印字のために双方向印字しても、色ム
ラを生じることがなく、しかも、高画質(高解像度)で発
色性に優れる記録媒体を提供することはできなかった。
【0010】本発明は、上記の問題点に鑑み成されたも
のであって、その目的とするところは、インク吸収性に
優れ、かつ画像の発色性が高く、高解像度プリンターで
双方向印字しても、色ムラを生じることなく、高画質な
画像を印字できるインクジェット用記録媒体を提供する
ことである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、記録媒体
におけるインク受容層のインク吸収容量,インクのイン
ク受容層に対する濡れ性,インクのインク受容層への吸
収速度,ヘッドのスキャン速度等と記録画像の品質との
関係について調査研究をしていたところ、インク受容層
が特定のインク吸収容量を有し、かつ、インクのインク
受容層表面に対する接触角が特定の値を有するような記
録媒体を使用したときに、高品質の画像が得られること
を見い出し、本発明を完成したものである。
【0012】即ち、本発明に係るインクジェット用記録
媒体は、「2色以上のインクがキャリッジに搭載され、
該インクのノズル列がヘッドの主走査方向と平行に配置
されたシリアル方式のプリンターを用いて、双方向印字
を行う際のインクジェット用記録媒体において、前記記
録媒体が基材及びインク受容層よりなり、該インク受容
層が10〜30cc/cm2の平均インク吸収容量を有
し、かつ、該インク受容層の最表層の接触角が、25〜
72dyn/cmの表面張力を有するインクに対して2
0〜60度となるようにしたことを特徴とするインクジ
ェット用記録媒体。」(請求項1)を要旨(発明を特定す
る事項)とし、これにより、前記目的とするインクジェ
ット用記録媒体を提供することができる。
【0013】また、本発明に係るインクジェット用記録
媒体は、 ・前記インク受容層は、少なくとも2層以上からなり
(即ち、最表層を形成する上層と、少なくとも1層以上
の下層より構成される2層以上からなり)、かつ、最表
層のインク吸収容量が下層のインク吸収容量より大きい
こと(請求項2)、 ・前記インク受容層の最表層のインク吸収速度が、ヘッ
ドのスキャン速度より速いこと(請求項3)、 ・前記最表層の膜厚を“A(μm)”,該最表層の平均イ
ンク吸収容量を“La(cc/cm2)”とし、前記インク受容
層全体の膜厚を“T(μm)”,インク受容層全体の平均
インク吸収容量を“L(cc/cm2)”とした場合に、次の式
(1),式(2)の関係が成り立っていること(請求項4)、 式(1) ………… 5μm<A<0.7T 式(2) ………… 1.1×L<La<2×L を特徴とし、これにより、特に、高解像度プリンターで
双方向印字しても、色ムラを生じることなく、高画質な
画像を印字できるインクジェット用記録媒体を提供する
ことができる。
【0014】さらに、本発明に係るインクジェット用記
録媒体は、 ・前記インク受容層は、インクを吸収するための顔料を
含み、該顔料は、3〜20cm3/gの見かけ比容積を
有する合成シリカ,水酸化アルミニウム,アルミナ,擬
ベーマイト,炭酸カルシュウム,珪酸アルミニウム,炭
酸マグネシウム,ゼオライト,酸化亜鉛からなること
(請求項5)、 ・前記インク受容層は、インクを吸収するための顔料お
よび該顔料100部に対して20〜80部のバインダー
を含む塗工層からなり、該塗工層の塗工量が10〜30
g/m2であること(請求項6)、を特徴とし、これによ
って、10〜30cc/cm2の平均インク吸収容量を
有するインク受容層を形成することができる。
【0015】また、本発明に係るインクジェット用記録
媒体は、 ・前記最表層は、インクを吸収する顔料100部に対し
てカチオン性サイズ剤を0.2〜8部含有していること
(請求項7)、 ・前記最表層は、インクを吸収する顔料100部に対し
てカチオン性サイズ剤を0.2〜3部含有する層をオー
バーコートしてなること(請求項8)、 ・前記カチオン性サイズ剤は、スチレン系樹脂からなる
こと(請求項9)、を特徴とし、これによって、インク受
容層の最表層の接触角が、25〜72dyn/cmの表
面張力を有するインクに対して20〜60度とすること
ができ、また、最表層のインク吸収容量が下層のインク
吸収容量より大きいインクジェット用記録媒体を提供す
ることができる。
【0016】そして、本発明に係るインクジェット用記
録媒体は、 ・解像度が720×720dpi以上の記録方法に用い
るインクジェット用記録媒体(請求項10)、 ・1ドットあたりのインクの最大吐出量が15pl以下
である記録方法に用いるインクジェット用記録媒体(請
求項11)、であって、このような解像度およびインク
の最大吐出量の記録方法によっても、色ムラを生じるこ
となく、高画質な画像を印字することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明するが、それに先立って、本発明で用いる“双方
向印字を行うプリンター”を図1に基づいて説明する。
なお、図1は、該プリンターを説明するための図であっ
て、プリンターの印字用ヘッド(記録媒体方向から見た
ヘッド)の平面図である。
【0018】図1に示すヘッド1は、図の右から、イエ
ローY,ライトマゼンタLM,マゼンタM,ライトシア
ンLC,シアンC,ブラックBの各色を吐出するノズル
Nzを備えたノズル列2を有する。このノズル列2は、
ヘッド1の主走査方向と平行に配置されている。そし
て、このプリンター(図示せず)は、主走査方向の往復動
(図1において、矢印a方向と矢印b方向)の両方の動作
において印字を行う“双方向印字動作”をするものであ
る。なお、記録媒体(図示せず)は、主走査方向と直交す
る副走査方向に移動する。
【0019】本発明は、前記したとおり、インク受容層
の最表層が、単位面積当たり10〜30cc/cm2
インク吸収容量を有し、かつ、該インク受容層の最表層
の接触角が、25〜72dyn/cmの表面張力を有す
るインクに対して20〜60度となるようにしたことを
特徴とするインクジェット用記録媒体である。
【0020】本発明に係るインクジェット用記録媒体
は、基材の上にインク受容層を設けたものであり、必要
に応じて、更に紫外線吸収層,光沢層等をインク受容層
上に設けることもできるが、その際、紫外線吸収層,光
沢層等は、十分にインク透過性のもの(最表層よりもイ
ンク透過性大のもの)でなければならない。また、イン
ク受容層自体は、少なくとも2層以上からなり、即ち、
最表層を形成する上層と、少なくとも1層以上の下層よ
り構成される2層以上からなり、かつ、最表層のインク
吸収容量が下層のインク吸収容量より大きいことが好ま
しい。
【0021】本発明における基材としては、従来公知の
基材、例えば、普通紙,合成紙,プラスチックフイルム
等を用いることができる。基材としての紙は、繊維状物
質および必要により填料を含有するシートであり、従来
公知の酸性抄紙法や中性抄紙法により抄紙されたものは
いずれも使用できる。上記の紙を構成する繊維状物質
は、LBKP及びNBKPに代表される木材パルプを主体とする
が、必要により各種の合成繊維やガラス繊維等を混合し
ても良い。基材としてのプラスチックフイルムは、透
明,不透明のいずれでも従来公知の基材が使用される。
その素材としては、従来公知の素材である、ポリエステ
ル系樹脂,トリアセテート系樹脂,アクリル系樹脂,ポ
リカーボネート系樹脂,ポリイミド系樹脂,ポリウレタ
ン系樹脂,エポキシ系樹脂,セロハン,セルロイド等が
用いられる。
【0022】本発明におけるインク受容層は、バインダ
ーと、インクを吸収するための顔料(以下、単に“顔
料”と記載することもある)とを主成分とし、最表層を
含む1層以上の層から構成されており、単位面積当たり
の平均インク吸収容量が10〜30cc/cm2で、か
つ、該インク受容層の最表層の接触角が、25〜72d
yn/cmの表面張力を有するインクに対して20〜6
0度となるようにしたものである。インク受容層中に
は、必要に応じ、本発明の効果を損なわない程度に、サ
イズ剤,蛍光増白剤,界面活性剤,消泡剤,pH調整
剤,防黴剤,紫外線吸収剤,酸化防止剤等の各種添加剤
を混合できる。添加剤は、インク受容層の塗工液に混合
しても良いし(いわゆる内添)、インク受容層を形成した
後に塗工しても良い。
【0023】本発明の好ましい実施の形態としては、見
かけ比容積が3〜20cm3/gの顔料を使用し、該顔
料100部に対するバインダーの配合量を20〜80部
の範囲とした塗工層を10〜30g/m2設けることな
どにより、インク受容層の平均インク吸収容量を10〜
30cc/cm2とすることができる。なお、本発明に
おいて、見かけ比容積は、JIS K6220の「6.
8 見掛比重」の項に記載されている“ピストン法”で
測定した(以下同じ)。また、最表層にカチオン性サイ
ズ剤を見かけ比容積が3〜20cm3/gの顔料100
部に対して0.2〜8部添加するか、又は、カチオン性
サイズ剤を0.2〜3g/m2含む層をオーバーコート
するなどにより、最表層の接触角を20〜60度とする
ことができる。
【0024】単位面積当たりの平均インク吸収容量が1
0cc/cm2未満では、インクの吸収容量が足りず、
インクが溢れることから、文字や画像に滲みが生じるの
で好ましくない。また、30cc/cm2を超えると、
インクが深く浸透しすぎるので、ドット径が小さく、ベ
タが完全に埋まった画像にならない等全体的に反射濃度
が低く、薄いイメージ画像となるので、同じく好ましく
ない。一方、インク受容層の最表層の接触角が、25〜
72dyn/cmの表面張力を有するインクに対して2
0度未満では、インクが平面方向に速く浸透する結果、
ドット径が大きくなり、文字などが太くなるので、シャ
ープさに欠けた(ぼけた)画像となり、逆に、60度を超
えると、インクの乾燥性が遅くなり、双方向印字でのム
ラが発生したり、極端なケースでは、搬送系のロールを
汚したりする場合があるので、好ましくない。
【0025】本発明において、バインダーとしては、ポ
リビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体、
カゼイン,ゼラチン,大豆タンパク等のタンパク質類、
酸化澱粉,リン酸エステル化澱粉,エーテル化澱粉等の
澱粉誘導体、カルボキシメチルセルロース,ヒドロキシ
エチルセルロース等のセルロース誘導体、スチレン・ブ
タジエン共重合体,アクリル酸エステル及びメタクリル
酸エステルの重合体又は共重合体、エチレン酢酸ビニル
共重合体等の各種ラテックス、ポリウレタン樹脂等を使
用することができる。特に、ポリビニルアルコール等の
親水性の高いものを使用することが好ましい。
【0026】また、インクを吸収するための顔料として
は、合成シリカ,水酸化アルミニウム,アルミナ,擬ベ
ーマイト,炭酸カルシュウム,珪酸アルミニウム,炭酸
マグネシウム,ゼオライト,酸化亜鉛等を使用すること
ができる。
【0027】インクを吸収するための顔料の比表面積と
しては、50〜600m2/gが好ましく、より好まし
くは、100〜350m2/gである。上記顔料の比表
面積が50m2/g未満では、単位体積当たりのインク
吸収容量が少ないので、インク吸収速度も遅くなり、滲
みが発生する。一方、600m 2/gを超えると、イン
ク吸収性は良好となるが、バインダーも吸収される結
果、表面強度が弱く、粉落ちしやすいので好ましくな
い。
【0028】インクを吸収するための顔料に対するバイ
ンダーの添加量は、顔料100部に対して10〜100
部が好ましく、より好ましくは、20〜80部であり、
最も好ましくは、15〜60部である。顔料100部に
対するバインダーの添加量が、10部未満では、顔料の
接着が不十分のため、粉落ちし、逆に100部を超える
と、顔料の空隙が減少する結果、インク吸収性(容量や
速度)が悪化し、滲みが発生するので好ましくない。
【0029】更に、カチオン性サイズ剤としては、スチ
レン樹脂系,アルキルダイマー系(荒川化学社製のサイ
ズパインK-902等),高級脂肪酸系(近代化学工業社製のN
S-815等),石油樹脂系(近代化学社製のH-7A等),スチレ
ンアクリル合成樹脂系(パールガムCS-25S等)のようなカ
チオン性サイズ剤を使用することができるが、特に、ス
チレン樹脂系のカチオン性サイズ剤を使用することが好
ましい。最表層におけるサイズ剤の添加量は、前記した
とおり、インクを吸収するための顔料100部に対して
0.2〜8部が好ましく、より好ましくは、0.5〜5
部である。サイズ剤の添加量が、0.2部未満では接触
角が小さくなり、逆に8部を超えると、接触角が大きく
なるので、好ましくない。
【0030】また、本発明におけるインク受容層の最表
層のインクの吸収速度は、ヘッドのスキャン速度より速
いことが好ましい。そのためには、例えば、 最表層に、インク吸収容量が大きな顔料を主体とする
処方でバインダーを適度に配合する層を一定膜厚以上設
けることにより、主に垂直方向に速くインクを吸収しよ
うとする、 最表層に、一定量以上の界面活性剤を配合又は塗布す
ることで、濡れ性を非常に高くし、主に平面方向にイン
クを吸収しようとする、この両方の性質を持たせること
により達成される。
【0031】また、本発明におけるインク受容層は、最
表層の膜厚を“A(μm)”,この最表層の平均インク吸
収容量を“La(cc/cm2)”とし、インク受容層全体の膜
厚を“T(μm)”,インク受容層全体の平均インク吸収
容量を“L(cc/cm2)”とした場合に、次の式(1),式
(2)の関係が成り立っていることが好ましい。 式(1)………… 5μm<A<0.7T 式(2)………… 1.1×L<La<2×L Aが“5μm以下”では、吸収容量不足であり、受容層
Aが“0.7T”よりも大きいと、インク吸収性が良す
ぎてドット径が小さくなり、みかけの印字濃度が低下す
る。Laが“1.1L以下”では、下層の方がインク吸
収速度が速くなるので、一層で多量塗工した場合と同様
に、ドットが広がらずに縦方向に浸透する結果、印字濃
度が低下する。また、Laが“2×L”よりも大きい
と、嵩があり、ポーラスな構造となっているので、塗工
層強度がなく粉落ちする。
【0032】上記のような関係が成り立っているインク
受容層は、例えば、以下のようにして得られる。即ち、
見かけ比容積5cm3/gの顔料100部にバインダー
を50部添加したものを第1層(下層)として10g/m
2塗工し、その上に見かけ比容積10cm3/gの顔料1
00部にバインダーを40部添加したものを第2層(上
層)として6g/m2塗工し、次いで、その上にカチオン
サイズ剤を0.5g/m2塗工して最表層を形成するこ
と、または、上記第1層(下層)の上に、上記第2層(上
層)を形成する塗工液にカチオンサイズ剤を1.5部添
加したものを塗工して、最表層を形成すること等により
得られる。
【0033】ここで、本発明のインクジェット用記録媒
体に印字を行う際に使用するインクについて詳細に説明
するが、本発明は、以下に記載のインクに限定されるも
のではない。
【0034】本発明において、インク着色剤としては、
無機顔料,有機顔料を任意に使用することができる。こ
のうち、無機顔料としては、例えば、酸化チタンおよび
酸化鉄に加え、コンタクト法,ファ−ネス法,サ−マル
法などの公知の方法によって製造されたカ−ボンブラッ
クを使用することができる。有機顔料としては、アゾ染
料(アゾレ−キ,不溶性アゾ顔料,縮合アゾ顔料,キレ
−トアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(フタロシアニ
ン顔料,ペリレン顔料,ペリノン顔料,アントラキノン
顔料,キナクリドン顔料,ジオキサジン顔料,チオイン
ジゴ顔料,イソインドリノン顔料,キノフラロン顔料な
ど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックな
どを使用することができる。上記のような無機顔料,有
機顔料を使用する場合、インクへの顔料の添加量は、
0.5〜25重量%程度が好ましく、より好ましくは2
〜15重量%である。
【0035】インク着色剤として、上記無機顔料,有機
顔料以外に水溶性染料を使用することができ、直接染
料,酸性染料,食用染料,塩基性染料,反応性染料,分
散性染料を挙げることができる。特に好ましいものは、 「C.I.ダイレクトレッド2,4,9,23,26,31,3
9,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,9
2,95,111,173,184,207,211,212,214,218,22
1,223,224,225,226,227,232,233,240,241,24
2,243,247」「C.I.ダイレクトバイオレット7,
9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101」 「C.I.ダイレクトイエロー8,9,11,12,27,28,
29,33,35,39,41,44,50,53,58,59,68,86,8
7,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,1
32,142,144,161,163」 「C.I.ダイレクトブルー1,10,15,22,25,55,6
7,68,71,76,77,78,80,84,86,87,90,98,10
6,108,109,151,156,158,159,160,168,189,19
2,193,194,199,200,201,202,203,207,211,21
3,214,218,225,229,236,237,244,248,249,25
1,252,264,270,280,288,289,291」 「C.I.ダイレクトブラック9,17,19,22,32,5
1,56,62,69,77,80,91,94,97,108,112,113,
114,117,118,121,122,125,132,146,154,166,
168,173,199」 「C.I.アシッドレッド35,42,52,57,62,80,8
2,111,114,118,119,127,128,131,143,151,15
4,158,249,254,257,261,263,266,289,299,30
1,305,336,337,361,396,397」 「C.I.アシッドバイオレット5,34,43,47,48,9
0,103,126」 「C.I.アシッドイエロー17,19,23,25,39,40,
42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,14
3,151,159,169,174,190,195,196,197,199,21
8,219,222,227」 「C.I.アシッドブルー9,25,40,41,62,72,7
6,78,80,82,92,106,112,113,120,127:1,12
9,138,143,175,181,205,207,220,221,230,23
2,247,258,260,264,271,277,278,279,280,28
8,290,326」 「C.I.アシッドブラック7,24,29,48,52:1,17
2」 「C.I.リアクティブレッド3,13,17,19,21,2
2,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55」 「C.I.リアクティブバイオレット1,3,4,5,6,
7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34」 「C.I.リアクティブイエロー2,3,13,14,15,1
7,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42」 「C.I.リアクティブブルー2,3,5,8,10,13,1
4,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38」 「C.I.リアクティブブラック4,5,8,14,21,2
3,26,31,32,34」 「C.I.ベーシックレッド12,13,14,15,18,22,
23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46」 「C.I.ベーシックバイオレット1,2,3,7,10,1
5,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48」 「C.I.ベーシックイエロー1,2,4,11,13,14,1
5,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40」 「C.I.ベーシックブルー1,3,5,7,9,22,26,4
1,45,46,47,54,57,60,62,65,66,69,71」 「C.I.ベーシックブラック8」 などが挙げられる。
【0036】これら水溶性染料の添加量は、染料の種
類,溶媒成分の種類,要求特性等によって決定される
が、インク全重量に対し0.2〜7重量%、好ましくは
0.5〜5重量%の範囲で添加するのがよい。
【0037】また、本発明において、添加剤として、目
詰まりを防止するために湿潤剤を添加することができ
る。湿潤剤としては、グリセリン,エチレングリコー
ル,ジエチレングリコール,トリエチレングリコール,
プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,ヘキ
シレングリコール,ポリエチレングリコール,ポリプロ
ピレングリコール,1,3プロパンジオール,1,5ペ
ンタンジオール等の高沸点低揮発性の多価アルコール類
が用いられ、その他、N−メチル2−ピロリドン,1,
3ジメチルイミダゾリジノン,モノエタノールアミン,
ジエタノールアミン,トリエタノールアミン等の含窒素
有機溶剤、尿素,糖などの固体で吸湿性の高い添加剤等
も用いることができる。添加量は4〜30重量%が望ま
しく、好ましくは7〜20重量%である。
【0038】また、アセチレングリコール系界面活性剤
を用いることも好ましく、インクの表面張力の調節、記
録媒体との濡れ性調節および記録媒体への浸透性付与を
確実に行うことができる。アセチレングリコール系界面
活性剤の好ましい例は、下記一般式で表されるものであ
る。
【0039】
【化1】
【0040】(式中、R1,R2,R3及びR4は、それぞ
れ独立してアルキル基を示し、n+mは0から30であ
る。)
【0041】その具体例としては、サーフィノールT
G、サーフィノール420、サーフィノール440、サ
ーフィノール465(以上いずれもエアープロダクツ社
製)等を挙げることができる。このような浸透剤のイン
クジェット用記録インクに対する添加量は0.1〜5重
量%が好ましいが、さらには0.5〜3重量%が好まし
い。
【0042】他の添加剤としては、従来公知の水溶性有
機溶剤,各種の分散剤,粘度調整剤,蛍光増白剤などを
必要に応じて添加することができる。それらの例を以下
に示す。メタノール,エタノール,プロパノール等の炭
素数1〜4を有するアルキルアルコール等の有機溶剤、
セルロース類,ポリビニルピロリドン,ポリビニルアル
コール,水溶性樹脂等の水溶性の天然あるいは合成高分
子物を粘度調整剤として使用することができ、更に、緩
衝液によるpH調整剤を添加することができる。
【0043】また、記録液を帯電するタイプのインクジ
ェット記録方法に使用される記録液を調合するために
は、塩化リチウム,塩化アンモニウム,塩化ナトリウム
の無機塩類等の比抵抗調整剤を添加することができる。
なお、熱エネルギーの作用によって記録液を吐出させる
タイプのインクジェット記録方法に適応する場合には、
熱的な物性値(蒸発熱,沸点,融点,比熱,熱膨張係
数,熱伝導率等)が調整されることもある。
【0044】本発明で用いるインクジェット記録用イン
クは、上記のような各種の成分を混合し溶解させた後、
不純物などを濾過して調製することができる。また、イ
ンクの物性としては、ヘッドからの安定吐出,ヘッドへ
の安定インク供給を確保するために、50mPa・s以
下であることが望ましく、さらに望ましくは20mPa
・s以下が良い。
【0045】本発明に係るインクジェット用記録媒体
は、「解像度が720×720dpi以上の記録方法に
用いるインクジェット用記録媒体。」、「1ドット当た
りのインクの最大吐出量が15pl以下である記録方法
に用いるインクジェット用記録媒体。」であって、この
ような解像度およびインクの最大吐出量の記録方法によ
っても、色ムラを生じることなく、高画質な画像を印字
することができる。例えば、後記の実施例に示す“試験
方法”の結果から明らかなように、解像度が720×7
20dpiで、1ドット当たりのインクの最大吐出量が
13plである“エプソン社製のプリンタPM−770
C(商品名)”を用いて双方向印字を行っても、色ムラを
生じることなく、高画質な画像を印字することができ
る。
【0046】
【実施例】次に、本発明の実施例を比較例と共に挙げ、
本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例
によって限定されるものではない。
【0047】[実施例1] (原紙の作製)パルプとして、LBKP 85部およびNBKP 15
部、ロジンサイズ剤 0.5部、タルク 15部、硫酸バンド
1部、歩留り向上剤、消泡剤を適宜添加して長網抄紙機
で水分6%の原紙を得た。 (インク受容層の形成) <下層> 沈降法シリカ ミズカシール P-526(見かけ比容積:12cm3/g) (水沢化学社製) 50部 ゲル法シリカ サイロイド621(見かけ比容積:5cm3/g) (グレース社製) 50部 バインダー PVA117(クラレ社製) 50部 染料定着剤 JK173(明成化学工業社製) 10部 を添加したスラリーを20%の固形分になるように調製し
て下層塗工液とした。この下層塗工液をバーブレードで
10g/m2塗工した(下層形成)。 <最表層> 沈降法シリカ ファインシール X-37B(見かけ比容積:6.9cm3/g) (トクヤマ社製) 100部 バインダー PVA117 (クラレ社製) 40部 染料定着剤 JK173(明成化学工業社製) 12部 を添加したスラリーを17%の固形分になるように調製し
て上層塗工液とした。この上層塗工液を前記下層の上に
バーブレードで7g/m2塗工した(上層形成)。さらに、ス
チレン樹脂系カチオン性サイズ剤であるポリマロン360
(荒川化学社製)を、前記上層の上にバーブレードで 0.5
g/m2塗工し、水分が4.5%となるまで乾燥して最表層を
形成し、ソフトカレンダー装置で線圧120kg/cm2の条件
で表面処理を施し、インクジェット用塗工紙を得た。こ
の用紙の平均インク吸収容量(L)は、18cc/cm2であり、
33dyn/cmのインクに対する接触角は、50°であった。
【0048】[実施例2]実施例1における最表層を省
き、実施例1における上層塗工液に更にスチレン樹脂系
カチオン性サイズ剤を0.8部添加し、塗工量を8g/m2
して形成した層を最表層とした以外は、すべて実施例1
と同様にした。この用紙の平均インク吸収容量(L)は、
22cc/cm2であり、33dyn/cmのインクに対する接触角は、
35°であった。
【0049】[実施例3]実施例1における最表層を省
き、実施例1における上層塗工液に更にスチレン樹脂系
カチオン性サイズ剤を3部添加し、塗工量を8g/m2とし
て形成した層を最表層とした以外は、すべて実施例1と
同様にした。この用紙の平均インク吸収容量(L)は、22
cc/cm2であり、33dyn/cmのインクに対する接触角は、35
°であった。
【0050】[比較例1]上層も下層も前記実施例1の
下層塗工液を用い、そして、実施例1の最表層を形成し
ない点以外は、実施例1と同様とした。この用紙の平均
インク吸収容量(L)は、15cc/cm2であり、33dyn/cmのイ
ンクに対する接触角は、65°であった。
【0051】[比較例2]インク受容層として、ゲル法
シリカ ミズカシール P-50(見かけ比容積:3.9cm3
g)(水沢化学社製)100部、バインダーのPVA117を120部
配合した以外は、実施例1における下層塗工液と同様の
塗工液を用いてバーブレードで8g/m2塗工した。この上
に、最表層として、カチオン系サイズ剤であるスチレン
樹脂系カチオン性サイズ剤を3g/m2塗工してインクジェ
ット塗工紙を得た。この用紙の平均インク吸収容量(L)
は、8cc/cm2であり、33dyn/cmのインクに対する接触角
は、70°であった。
【0052】[比較例3]カチオン系サイズ剤であるス
チレン樹脂系カチオン性サイズ剤を5g/m2塗工した以外
は、実施例1と同様にしてインクジェット塗工紙を得
た。この用紙の平均インク吸収容量(L)は、20cc/cm2
あり、33dyn/cmのインクに対する接触角は、75°であっ
た。
【0053】[比較例4]界面活性剤であるエマルゲン
707をオーバーコートして1g/m2塗工した以外は、実施
例1と同様にしてインクジェット塗工紙を得た。この用
紙の平均インク吸収容量(L)は、20cc/cm2であり、33dy
n/cmのインクに対する接触角は、5°であった。
【0054】上記実施例1〜3,比較例1〜4において
得られたインクジェット塗工紙について、下記に示す方
法で、双方向印字,解像度,画質,発色性の試験を行
い、その結果を表1に示す。
【0055】
【表1】
【0056】○測定方法 ・インク吸収容量の測定方法 東洋精機社製の動的浸透性試験機(通称“ブリストー試
験機”)を使用し、エプソン社製のPM-700C用BKインクを
用いて、各試料について√t=0.1sec,0.2sec,0.3sec
の3点の液体転移量(cc/cm2)を測定し、3点の平均を計
算して求め、インク吸収容量とした。 ・接触角の測定方法 協和界面科学社製のFACE自動接触計CA-Z型により、エプ
ソン社製のPM-700C用BKインクを使用し、0.03sec後の接
触角を測定した。
【0057】○試験方法 ・双方向印字 エプソン社製のプリンター PM-770Cを用い、スーパーフ
ァインモードで双方向の条件で印字する。画像は、日本
規格協会発行「N1」、ソフトは、アドビ社のフォトシ
ョップを使用した。評価は、目視にて行った。 ○ 全くムラがない △ ややムラが認められる × 著しくムラが認められる。
【0058】・解像度(線幅) エプソン社製のプリンター PM-770Cを用い、ヘッド目詰
り確認パターンを印字後100倍に拡大して平均直径を算
出し、以下のように評価した。 ◎ 50μm未満 ○ 50〜70μm △ 71〜90μm × 90μm超
【0059】・画質 エクセルで黄ベタに黒文字画像を作り、スーパーファイ
ン用紙/フォトモードで、エプソン社製のプリンター P
M-770Cを使用して印字し、以下のように評価した。 ○ 文字の滲みが全くない △ やや滲みが認められる × 著しく滲みが認められる
【0060】・発色性 エクセルで、ブラック,シアン,マゼンタ,イエローの
ベタ画像を作り、スーパーファイン用紙/フォトモード
で、エプソン社製のプリンター PM-770Cを使用して印字
し、マクベス(RD 914)濃度計で4色の印字濃度を測定
し、以下のように評価した。 ○ 4色合計濃度が6.4超 ○△ 4色合計濃度が5.8〜6.4 △ 4色合計濃度が5.2〜5.7 × 4色合計濃度が5.2未満
【0061】上記の結果から、本発明のインクジェット
用記録媒体を用いて記録したものは、双方向印字,解像
度,画質,発色性の全ての面で優れた効果を示すことが
明らかである。
【0062】
【発明の効果】本発明は、以上詳記したとおり、基材
に、平均インク吸収容量が10〜30cc/cm2有す
るインク受容層を設け、このインク受容層の最表層の接
触角が、25〜72dyn/cmの表面張力を有するイ
ンクに対して20〜60度となるようにしたことによ
り、インク吸収性に優れ、かつ画像の発色性が高く、高
解像度プリンターで双方向印字しても色ムラを生じるこ
となく、高画質な画像を印字できる等の優れた効果を奏
するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】“双方向印字を行うプリンター”を説明するた
めの図であって、プリンターの印字用ヘッド(記録媒体
方向から見たヘッド)の平面図である。
【符号の説明】
1 ヘッド 2 ノズル列 Nz ノズル B ブラック C シアン LC ライトシアン M マゼンタ LM ライトマゼンタ Y イエロー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 緑川 浩樹 東京都千代田区有楽町1丁目12番1号 日 本製紙株式会社内 (72)発明者 大谷 貞一 東京都千代田区有楽町1丁目12番1号 日 本製紙株式会社内 (72)発明者 田中 憲文 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製紙 株式会社商品研究所内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2色以上のインクがキャリッジに搭載さ
    れ、該インクのノズル列がヘッドの主走査方向と平行に
    配置されたシリアル方式のプリンターを用いて、双方向
    印字を行う際のインクジェット用記録媒体において、 前記記録媒体が基材及びインク受容層よりなり、該イン
    ク受容層が10〜30cc/cm2の平均インク吸収容
    量を有し、かつ、該インク受容層の最表層の接触角が、
    25〜72dyn/cmの表面張力を有するインクに対
    して20〜60度となるようにしたことを特徴とするイ
    ンクジェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記インク受容層は、少なくとも2層以
    上からなり、かつ、最表層のインク吸収容量が下層のイ
    ンク吸収容量より大きいことを特徴とする請求項1に記
    載のインクジェット用記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層の最表層のインク吸収
    速度が、ヘッドのスキャン速度より速いことを特徴とす
    る請求項1または請求項2に記載のインクジェット用記
    録媒体。
  4. 【請求項4】 前記最表層の膜厚を“A(μm)”,該最
    表層の平均インク吸収容量を“La(cc/cm2)”とし、前
    記インク受容層全体の膜厚を“T(μm)”,インク受容
    層全体の平均インク吸収容量を“L(cc/cm2)”とした場
    合に、次の式(1),式(2)の関係が成り立っていること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジ
    ェット用記録媒体。 式(1) ………… 5μm<A<0.7T 式(2) ………… 1.1×L<La<2×L
  5. 【請求項5】 前記インク受容層は、インクを吸収する
    ための顔料を含み、該顔料は、3〜20cm3/gの見
    かけ比容積を有する合成シリカ,水酸化アルミニウム,
    アルミナ,擬ベーマイト,炭酸カルシュウム,珪酸アル
    ミニウム,炭酸マグネシウム,ゼオライト,酸化亜鉛か
    らなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    のインクジェット用記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記インク受容層は、インクを吸収する
    ための顔料および該顔料100部に対して20〜80部
    のバインダーを含む塗工層からなり、該塗工層の塗工量
    が10〜30g/m2であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記最表層は、インクを吸収する顔料1
    00部に対してカチオン性サイズ剤を0.2〜8部含有
    していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載のインクジェット用記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記最表層は、カチオン性サイズ剤を
    0.2〜3部含有する層をオーバーコートしてなること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジ
    ェット用記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記カチオン性サイズ剤は、スチレン系
    樹脂からなることを特徴とする請求項7又は請求項8に
    記載のインクジェット用記録媒体。
  10. 【請求項10】 解像度が720×720dpi以上の
    記録方法に用いることを特徴とする請求項1〜9のいず
    れかに記載のインクジェット用記録媒体。
  11. 【請求項11】 1ドット当たりのインクの最大吐出量
    が15pl以下である記録方法に用いることを特徴とす
    る請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット用
    記録媒体。
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