JP2001219098A - 遠心分離機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、カバの損傷を防ぐことで遠心分離
機の安全性及び作業性の向上を図ることである。 【解決手段】 筐体１とカバ２との間に配される衝撃緩
和部材４を有し、更に衝撃緩和部材４の一端を筐体１に
固定すると共に、他端をカバ２に固定するよう構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、回転体を高速回転
させるための駆動装置及び該回転体を収容するための回
転室を備える筐体に固定されるカバの固定構造に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来における遠心分離機は、回転体を高
速回転させるための駆動装置であるモータ及び該回転体
を収容するための回転室などを有する筐体１と、更に該
筐体１の上面を覆うように配される樹脂製のカバ２と、
該カバ２を上記筐体１に設けるための固定手段とを備え
ている。

【０００３】ここで、上記固定手段について図４及び図
５を用いて以下に説明すると、まず、上記カバ２は、そ
の前方（遠心分離機の正面側）を図５に示すよう一本の
ネジ３で筐体１に固定されていると共に、後方（遠心分
離機の背面側）を図４に示す第２の固定手段であるフッ
ク機構８を用いて筐体１に係止されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】樹脂製の上記カバは、
板金製のカバに比べ強度が劣るため、例えば遠心分離機
の輸送中に筐体が衝撃（振動）を受けると該筐体に歪み
が生じるため、これによりカバ２のネジ３を受容する部
分（ネジ固定部）に応力が集中し、結果的にカバが損傷
（割れ，ヒビ）してしまうという問題があった。これは
筐体１とカバ２とが直接的に固定されているため、ネジ
固定部に衝撃や歪みによる影響が直に伝達される構成で
あることに起因する。そこで、上述した問題に対して従
来から強度向上を図るために強化メッシュを有する樹脂
製のカバ２が使用されていたが、これでも完全にカバ２
が損傷してしまうという問題は解消されなかった。

【０００５】本発明の目的は、上記問題を解消し、カバ
の損傷を防ぐことで遠心分離機の安全性及び作業性の向
上を図ることである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的は、駆動装置
と、駆動装置によって回転される回転体を収容するため
の回転室とを有する筐体と、筐体の上面を覆うように配
される樹脂製のカバと、カバを前記筐体に固定するため
の固定手段とを備えた遠心分離機において、固定手段
は、筐体とカバとの間に配される衝撃緩和部材を有し、
更に衝撃緩和部材の一端は筐体に固定されると共に、他
端はカバに固定されることにより達成される。

【０００７】

【発明の実施の形態】本実施例における遠心分離機のカ
バ固定構造を図１乃至図４を用いて説明する。図１は本
実施例になる遠心分離機を示す一部縦断側面図、図２は
図１のＡ部拡大図、図３は図２に示すＢ方向矢視図、図
４はカバ２の後方固定部を示す拡大図であり、従来構成
と同様である。

【０００８】図１に示す遠心分離機は、回転体を高速回
転させるための駆動装置であるモータ及び該回転体を収
容するための回転室などを有する筐体１と、更に該筐体
の上面を覆うように配される樹脂製のカバと、該カバを
上記筐体１に固定するための第１の固定手段及び第２の
固定手段とを備えている。上記カバは、第１の固定手段
にてその前方（遠心分離機の正面側）を図２及び図３に
示すようネジ３で固定されると共に、第２の固定手段に
て後方（遠心分離機の背面側）を図４に示すフック機構
を用いて上下方向に係止されながら筐体１に固定されて
いる。ここで、上記カバの固定手段として、後方をネジ
止めではなくフック機構を用いて係止させているのは、
通常作業者は正面側からカバ２を取外してメンテナンス
を行うため、カバの後方をネジ止めしてしまうと上面カ
バ２を取外す作業が面倒な上、作業性が低下してしまう
という問題が生じてしまうことから、図４に示すよう後
方における筐体1とカバ２はフック機構を用いて容易に
係止させる構成にしてある。また、前方にける筐体1と
カバ２との固定手段として図２及び図３に示すよう、筐
体１とカバ２の固定部に略コ字形状の金属部材（板金
製）からなる衝撃緩和部材４を介し、更に該衝撃緩和部
材４の一端と上記筐体１とを一本のネジ３を用いて固定
すると共に、衝撃緩和部材４の他端とカバ２とを二本の
ネジ３を用いて固定している。ここで、図３に示すよう
衝撃緩和部材４の他端とカバ２とを二本のネジ３を用い
て固定しているのは、衝撃緩和部材４とカバ２とのネジ
固定部に加わる応力を２ヶ所に分散させることでカバ２
の損傷を防ぐためである。なお、本実施例では上記第１
の固定手段を二箇所に配しているが、勿論、それ以上配
しても良い。更に本実施例では、衝撃緩和部材４として
金属を用いたがゴムのような弾性体でも良い。

【０００９】よって、このような固定手段により、輸送
中に筐体１が衝撃（振動）を受け筐体１に歪みが生じて
も衝撃緩和部材４が変形して、カバ２の固定部に係る応
力を低減させることができるので、これによりカバ２の
損傷（割れ，ヒビ）を簡便且つ安価な構成で容易に防ぐ
ことができるという効果を得ることができる。

【００１０】また、他の固定手段として、図６に示すよ
う、筐体１とカバ２との間に配され且つ筐体１及びカバ
２のそれぞれに固定された部材６において、筐体１にネ
ジ３で固定された部材６の反固定側と、カバ２にネジ３
で固定された部材６の反固定側との間に弾性体７を設け
ることで、衝撃及び筐体１の歪みにより上記部材６が移
動した際、上記弾性体７が変形するため、例えば遠心分
離機本体に衝撃が付加され筐体１とカバ２との固定部に
上下方向の応力が生じ筐体１とカバ２とが相反する方向
に移動しても弾性体７が応力を吸収緩和するためカバ２
に係る応力を低減させるよう作用することから、上記同
様の効果を得ることができる。なお、弾性体７としてゴ
ムを例に挙げたがバネのような弾性体を用いても良い。

【００１１】

【発明の効果】本発明によれば、筐体とカバとの間に配
される衝撃緩和部材を有し、更に衝撃緩和部材の一端は
筐体に固定されると共に、他端はカバに固定されること
で、カバの損傷を防ぐことで遠心分離機の安全性及び作
業性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明になる遠心分離機を示す一部縦断側面
図である。

【図２】 図１のＡ部拡大図であり、カバの前方固定部
を示す拡大図である。

【図３】 図２に示すＡ方向矢視図である。

【図４】 本発明になるカバの後方固定部を示す拡大図
である。

【図５】 従来のカバの前方固定部を示す拡大図であ
る。

【図６】 本発明になるカバの前方固定部を示す他の拡
大図である。

【符号の説明】

１は筐体、２はカバ、３はネジ、４は衝撃緩和材、５は
フック機構、６は部材、７は弾性体である。

フロントページの続き (72)発明者 飛田 芳則 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 藤巻 貴弘 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 (72)発明者 三浦 雅博 茨城県ひたちなか市武田1060番地 日立工 機株式会社内 Ｆターム(参考） 4D057 AB01 AC01 AD01 AE02 BA06 BD01 BD07

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 駆動装置と、該駆動装置によって回転さ
   れる回転体を収容するための回転室とを有する筐体と、
   該筐体の上面を覆うように配される樹脂製のカバと、該
   カバを前記筐体に固定するための固定手段とを備えた遠
   心分離機において、前記固定手段は、前記筐体と前記カ
   バとの間に配される衝撃緩和部材を有し、更に該衝撃緩
   和部材の一端は前記筐体に固定されると共に、他端は前
   記カバに固定されることを特徴とした遠心分離機。
2. 【請求項２】 前記衝撃緩和部材は、略コ字形状から成
   る金属部材であることを特徴とした請求項１記載遠心分
   離機。
3. 【請求項３】 前記衝撃緩和部材は、前記筐体及び前記
   カバにネジで固定されており、更に前記前記衝撃緩和部
   材と前記カバとは、複数本のネジで固定されていること
   を特徴とした請求項１，２記載の遠心分離機。
4. 【請求項４】 前記衝撃緩和部材は、ゴムであることを
   特徴とした請求項１記載の遠心分離機。