JP2001214945A - クラッチ及びモータ - Google Patents

クラッチ及びモータ

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JP2001214945A
JP2001214945A JP2000025192A JP2000025192A JP2001214945A JP 2001214945 A JP2001214945 A JP 2001214945A JP 2000025192 A JP2000025192 A JP 2000025192A JP 2000025192 A JP2000025192 A JP 2000025192A JP 2001214945 A JP2001214945 A JP 2001214945A
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rotation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】駆動側回転軸と従動側回転軸とが中心軸線が一
致しない状態で組み付けられたとき、各回転軸の連結部
分から発生する異音や振動、連結部分での駆動力のロス
を小さくすることができるクラッチを提供する。 【解決手段】駆動側回転体23には、駆動側回転軸13
の嵌合部13aと嵌合する嵌合孔23dが設けられ、こ
の嵌合孔23dには、前記嵌合部13aが嵌挿される開
口部側に向かって漸次拡開するテーパ部23fが備えら
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従動側の回転が駆
動側に伝達されることを防止するクラッチ及びそのクラ
ッチを備えたモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばパワーウィンド装置が備え
るモータは、回転軸を有するモータ本体と、同回転軸と
一体形成、若しくは同心軸上に配置されたウォーム軸を
介して同回転軸の回転速度を減速してレギュレータ(従
動側)に伝達する出力部を備えている。そして、モータ
が駆動されると、その回転軸の回転はウォーム軸を介し
て出力部に伝達される。出力部において回転速度が減速
された上記回転軸の回転は、レギュレータにて往復動に
変換される。こうしてレギュレータがウィンドガラスを
上下動させることにより開閉動作を行なうようになって
いる。
【0003】このようなパワーウィンド装置において
は、モータが駆動されていないときに、ウィンドガラス
に印加された下方向の荷重が上記レギュレータにて逆に
回転力に変換され、この回転力が本来とは逆にモータ本
体の回転軸を回転させるように動作する。このような回
転伝達は、ウィンドガラスが外力によって開けられて盗
難の原因となったりする。
【0004】従って、この種の回転伝達を防止するため
に、従動側の回転が駆動側へと伝達されることを防止す
るクラッチを備えたモータが知られている。このような
モータにおいては、クラッチにより駆動側の回転を従動
側に伝達し、一方、従動側の回転を駆動側に伝達しない
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のク
ラッチは、例えば、駆動側回転体と従動側回転体とが相
互に回転方向において係合・非係合となることにより、
駆動側の回転を従動側に伝達したり、従動側の回転を駆
動側に伝達しないようにしている。このような駆動側回
転体には駆動側回転軸が連結され、従動側回転体には従
動側回転軸が連結されるが、駆動側回転軸の中心軸線
と、従動側回転軸のそれとが一致するように組み付けら
れるのが望ましい。
【0006】しかしながら、各回転軸や、該回転軸を支
持する軸受、更には該軸受を固定するハウジングの寸法
誤差等により、相互の回転軸の中心軸線が一致しない状
態で組み付けられる場合がある。このような場合、回転
軸及び回転体が回転されているとき等、駆動側回転体と
駆動側回転軸との連結部分や、従動側回転体と従動側回
転軸との連結部分に径方向に大きな荷重がかかり、その
連結部分で異音や振動が発生したり、連結部分での駆動
力のロスが大きくなる等の不具合が生じていた。
【0007】本発明はこうした実情に鑑みてなされたも
のであり、その目的は、駆動側回転軸と従動側回転軸と
が中心軸線が一致しない状態で組み付けられたとき、各
回転軸の連結部分から発生する異音や振動、連結部分で
の駆動力のロスを小さくすることができるクラッチ及び
そのクラッチを備えたモータを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明は、駆動側回転軸と一体回転
可能に嵌合連結する駆動側回転体と、該回転軸に同軸上
に配置される従動側回転軸と一体回転可能に嵌合連結す
る従動側回転体とが、相互に回転方向に係合又は非係合
になることにより、駆動側回転軸から従動側回転軸に回
転を伝達するとともに、従動側回転軸から駆動側回転軸
への回転伝達を阻止するクラッチにおいて、前記駆動側
回転体及び前記駆動側回転軸、又は、前記従動側回転体
及び前記従動側回転軸の少なくとも1組は、回転体又は
回転軸のいずれか一方に嵌合孔を備えるとともに、いず
れか他方に該嵌合孔に嵌合する嵌合部を備え、前記嵌合
孔は、前記嵌合部が嵌挿される開口部側に向かって漸次
拡開するテーパ部を備えた。
【0009】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のクラッチにおいて、前記嵌合孔は、前記テーパ部に連
設され、かつ前記嵌合部と嵌合すべく軸方向に沿って内
径を等しく形成した嵌挿部を備えた。
【0010】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
のクラッチにおいて、前記テーパ部は、その軸方向の長
さが前記嵌挿部のそれより長くなるように形成した。請
求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に
記載のクラッチを備えたモータである。
【0011】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
のモータにおいて、前記モータは、駆動源たるモータ本
体と、該モータ本体の回転を減速する減速機構を備えた
出力部とから構成されるものであり、前記駆動側回転軸
は、前記モータ本体を構成する電機子に固定された回転
軸であり、前記従動側回転軸は、前記減速機構の入力側
に備えられる入力側回転軸である。
【0012】従って、請求項1に記載の発明によれば、
駆動側回転体及び駆動側回転軸、又は、従動側回転体及
び従動側回転軸の少なくとも1組は、回転体又は回転軸
のいずれか一方に嵌合孔が備えられ、いずれか他方には
該嵌合孔に嵌合する嵌合部が備えられる。このような嵌
合孔には、嵌合部が嵌挿される開口部側に向かって漸次
拡開するテーパ部が備えられる。このようにすれば、一
方の回転軸に軸ずれが生じても、テーパ部により該回転
軸が回転体の中心軸線に対して傾くことが許容される。
従って、回転体に径方向の大きな荷重が作用しなくなる
ので、連結部分で発生する異音や振動、連結部分での駆
動力のロスが抑制される。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、嵌合孔に
は、テーパ部に連設され、かつ嵌合部と嵌合すべく軸方
向に沿って内径を等しく形成した嵌挿部が備えられる。
このようにすれば、嵌挿部により、嵌合孔と該嵌合孔に
嵌合する嵌合部とが回転方向において線接触するので、
回転方向における嵌合孔と嵌合部の係合が確実なものと
なり、また相互の接触部分にかかる荷重が一部に集中し
ない。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、テーパ部
は、その軸方向の長さが嵌挿部のそれより長くなるよう
に形成される。このようにすれば、嵌挿部により回転方
向における嵌合孔と嵌合部との係合を確実なものとしな
がら、テーパ部により回転体の中心軸線に対する回転軸
の傾きを大きく設定できる。
【0015】請求項4に記載の発明によれば、モータに
は請求項1〜3のいずれか1項に記載のクラッチが備え
られるので、該クラッチで発生する異音や振動、該クラ
ッチでの駆動力のロスが抑制される。
【0016】請求項5に記載の発明によれば、モータ本
体を構成する電機子に固定された回転軸と、減速機構の
入力側に備えられる入力側回転軸との間にクラッチが備
えられる。つまり、クラッチはトルクが小さい箇所に設
けられるので、該クラッチに必要とされる強度を低減で
き、クラッチを小型化できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明をパワーウィンド装
置に具体化した一実施形態について図面を参照して説明
する。
【0018】図12に示すように、パワーウィンド装置
のモータ1はドア2に固設されている。モータ1は駆動
源たるモータ本体5と、該モータ本体5の回転を減速す
る減速機構を収容した出力部6を備えている。モータ本
体5の正逆回転は、出力部6の出力軸7に固着した歯車
7aに伝達され、その歯車7aは公知のXアーム式レギ
ュレータ8に設けた歯車部8aと噛合している。従っ
て、歯車7aの正逆回転に基づいて、レギュレータ8は
ウィンドガラス9を開閉させる。
【0019】図2に示すように、上記モータ本体5は、
モータヨークハウジング11、複数のマグネット12、
回転軸13、アーマチャ(電機子)14、コンミテータ
(整流子)15、ブラシホルダ16及び同ブラシホルダ
16に配設されるブラシ17を備えている。
【0020】モータヨークハウジング11は、略有底扁
平円筒状に形成されている。そして、その内周面には、
2つのマグネット12が対向配置に固着されている。ま
た、モータヨークハウジング11の底部には、その中心
軸に沿って上記回転軸13の基端部が回転可能に支持さ
れている。尚、この回転軸13の先端部には断面略D字
状の嵌合部13a(図1参照)が形成されている。
【0021】上記マグネット12の位置に対応する上記
回転軸13の中間部には、前記アーマチャ14が固定さ
れている。また、上記回転軸13の上記アーマチャ14
よりも先端側には、コンミテータ15が固定されてい
る。
【0022】上記モータヨークハウジング11の開口部
には、前記ブラシホルダ16が嵌合されている。このブ
ラシホルダ16は、樹脂材にて形成されており、上記モ
ータヨークハウジング11の内周面に応じた外周面を有
している。そして、上記ブラシホルダ16の一側(図2
の下側)には、先端側に伸びる延出部16a、及び同延
出部16aに連結された給電部16bが設けられてい
る。この給電部16bは、上記延出部16a内の配線を
介して前記ブラシ17に電流を供給するためのものであ
る。尚、このブラシホルダ16に設けられた軸受18に
よって上記回転軸13の先端側が回転可能に支持されて
いる。
【0023】ここで、上記ブラシ17は、上記コンミテ
ータ15に対応した位置に配置されて同コンミテータ1
5と接触している。従って、外部電源から給電部16b
に電流が供給されると、上記ブラシ17及びコンミテー
タ15を介してアーマチャ14に巻装したコイル導線に
電流が供給され、同アーマチャ14、すなわちモータ本
体5の回転軸13は回転駆動される。
【0024】上記モータ本体5(回転軸13)の先端側
にはクラッチ21が設けられている。このクラッチ21
は、図4〜図6に示されるように、クラッチハウジング
22と、駆動側回転体23と、ボール24と、従動側回
転体25と、複数(3つ)の転動体26と、リング27
とを備えている。
【0025】前記駆動側回転体23は、樹脂材にて形成
され、軸部23a及び同軸部23aよりも拡径された円
盤部23bを有している。そして、この駆動側回転体2
3の中心部には、略球状の軸心孔23cが形成されてい
る。この軸心孔23cの基端側(図4の下側)には、駆
動側回転体23の回転中心軸線をその中心とした断面略
D字状の嵌合孔23dが形成されている。この嵌合孔2
3dは、図6に示されるように前記回転軸13の嵌合部
13aに回転不能に連結固定される。
【0026】より詳しくは、嵌合孔23dには、前記軸
心孔23c側において回転軸13の嵌合部13aと嵌合
すべく軸方向に沿って内径を等しく形成した嵌挿部23
eと、該嵌挿部23eに連設され、回転軸13(嵌合部
13a)が嵌挿される開口部側に向かって漸次拡開する
テーパ部23fとが設けられる。このテーパ部23f
は、その軸方向の長さL2が前記嵌挿部23eの同方向
の長さL1より長くなるように形成されている(L1<
L2)。
【0027】このようにすることで、嵌合孔23dの中
心軸線と回転軸13のそれとが一致しない状態で回転軸
13が組み付けられた場合、テーパ部23fにより、該
回転軸13が嵌合孔23dの中心軸線に対して傾くこと
が許容される。しかも、嵌挿部23eにより、嵌合孔2
3dと回転軸13の嵌合部13aとが回転方向において
線接触するので、回転方向における嵌合孔23dと嵌合
部13aの係合を確実なものとし、また相互の接触部分
にかかる荷重が一部に集中しないようになっている。そ
して、モータ本体5の回転軸13が回転するとその回転
力が駆動側回転体23に伝達される。
【0028】又、上記円盤部23bは、半径R1(図5
参照)にて形成されており、その先端側(図4の上側)
には外周面に沿って軸方向と平行に突出する突設部31
が形成されている。この突設部31は半径R2(図5参
照)の内壁面を有している。この内壁面には、等角度ご
とに中心側に向かって突出する複数(3つ)の突出片3
1aが形成されている。そして、各隣接する突出片31
aの間には、等角度ごとに扇形状に形成され、中心側で
互いに連通した複数(3つ)の係合孔32が形成されて
いる。又、上記円盤部23b(突設部31)には、上記
各係合孔32の外周側の周方向中央から径方向外側にか
けて、軸方向と平行に切り欠かれた溝部33が形成され
ている。そして突設部31には、外側に開放された開口
部34が形成されている。この開口部34の径方向の幅
W1(図5参照)は上記半径R1と上記半径R2との差
(=R1−R2)である。
【0029】又、開口部34の周方向の幅(図5におい
て、開口部34の反時計回り側の面(以下、第1面とい
う)34aから同開口部34の時計回り側の面(以下、
第2面という)34bまでの周方向の間隔)は、前記径
方向の幅W1より長くなるように設定している。
【0030】さらに、図5において前記係合孔32の反
時計回り側の面を第1係合面32aとし、同係合孔32
の時計回り側の面を第2係合面32bとすると、開口部
34の第1面34aから係合孔32の第1係合面32a
までの周方向の距離は、開口部34の第2面34bから
係合孔32の第2係合面32bまでの周方向の距離と一
致させている。
【0031】前記ボール24は、金属製とされ、前記軸
心孔23cの内径に応じた外径にて球体に形成されてお
り、同軸心孔23cに回転可能、かつ脱落不能に収容さ
れる。
【0032】前記従動側回転体25は、円盤部25a、
同円盤部25aの中心部においてその先端側(図4の上
側)に断面略四角形状に突出する嵌合部25bにより形
成されている。尚、嵌合部25bの断面形状は、略四角
形状に限らず、断面略D字形状等、回転力を伝達できる
形状であればよい。この従動側回転体25は、前記軸心
孔23cに収容された前記ボール24により、回転が円
滑なものとされる。
【0033】上記円盤部25aには、前記半径R2(図
5参照)にて等角度ごとに扇形状に形成された複数(3
つ)の係合凸部35が径方向に沿って外側に突出形成さ
れている。この係合凸部35は、上記係合孔32内に回
動可能に収容される。
【0034】本実施形態では、上記係合凸部35の周方
向の幅は、上記係合孔32の周方向の幅(第1係合面3
2aから第2係合面32bまでの周方向の間隔)より小
さく、且つ、開口部34の周方向の幅(第1面34aか
ら第2面34b)までの周方向の間隔)より長く設定さ
れている。
【0035】そして、係合孔32に収容した状態におい
て、係合凸部35の前記第1係合面32aに対向する側
面(以下、第1当接面35aという)は、駆動側回転体
23が図7(a)において矢印方向(時計回り方向)に
回転すると、第1係合面32aと当接し押圧される。そ
の結果、従動側回転体25は駆動側回転体23とともに
同方向に回転する。
【0036】又、係合孔32に収容した状態において、
係合凸部35の前記第2係合面32bに対向する側面
(以下、第2当接面35bという)は、駆動側回転体2
3が図7(b)において矢印方向(反時計回り方向)に
回転すると、第2係合面32bと当接し押圧される。そ
の結果、従動側回転体25は駆動側回転体23とともに
同方向に回転する。
【0037】尚、図7(a)に示すように、係合凸部3
5の第1当接面35aが第1係合面32aと当接した状
態においては、係合凸部35の外周面の中央部は前記開
口部34の第1面34a側に位置するようになってい
る。反対に、図7(b)に示すように、係合凸部35の
第2当接面35bが第2係合面32bと当接した状態に
おいては、係合凸部35の外周面の中央部は前記開口部
34の第2面34b側に位置するようになっている。
【0038】各係合凸部35の外周面には、両側から中
央部に向かって肉薄となるように直線的に切り欠いて制
御面35cを形成している。従って、係合凸部35の外
周面に形成された制御面35cの中央部が、谷部とな
り、両端部が頂部となる。その結果、従動側回転体25
の中心から制御面35cの中央部(谷部)までの半径を
R5(図5参照)とすると、従動側回転体25の中心か
ら制御面35cの両端部(頂部)までの半径はR2と一
致することから、R2>R5となる。
【0039】従動側回転体25を収容した駆動側回転体
23は、前記クラッチハウジング22の内周面との間に
若干の隙間を有して同クラッチハウジング22に回転可
能に内装される。このとき、従動側回転体25の回転中
心軸線と、駆動側回転体23のそれとが一致するように
相互が組み付けられる。
【0040】クラッチハウジング22は、図4に示すよ
うに、略円筒状の外輪部22a及び底部22bにより形
成され、その底部22b中央には軸心孔22cが形成さ
れている。この軸心孔22cには、前記駆動側回転体2
3の軸部23aが回転可能に挿通される。又、外輪部2
2aの内周面開口側には、複数の略三角形状の歯溝から
なるセレーション22dが形成されている。上記クラッ
チハウジング22は、このセレーション22dが後述す
る態様で前記出力部6に嵌合することにより同出力部6
に固定される。
【0041】外輪部22aの内周面、開口部34の第1
及び第2面34a,34b、及び、係合凸部35の制御
面35cとで形成される空間には、前記転動体26が配
設される。
【0042】転動体26は、円柱体であってその両側端
部には外側に向かって縮径される先端部26aが形成さ
れている。この転動体26は中心軸線が軸心孔23cと
平行になるように配設されている。転動体26の直径D
1(図5参照)は、開口部34の径方向の幅W1よりも
大きく形成されている。
【0043】そして、本実施形態では、図7(a)に示
す第1当接面35aが第1係合面32aと当接した状態
で開口部34の第1面34aに転動体26が当接してい
るとき、及び、図7(b)に示す第2当接面35bと第
2係合面32bと当接した状態において、開口部34の
第2面34bに転動体26が当接しているとき、同転動
体26の中心軸が、駆動側回転体23の中心軸から径方
向に制御面35cの中央部(谷部)とを結ぶ線上に位置
するようになっている。つまり、転動体26の半径(=
D1/2)が、図7(a)において、開口部34の第1
面34aから制御面35cの中央部(谷部)までの周方
向の距離、及び、図7(b)において、開口部34の第
2面34bから制御面35cの中央部(谷部)までの周
方向の距離と一致するように設定している。
【0044】因みに、転動体26の直径D1が開口部3
4の径方向の幅W1よりも大きく設定されているが、図
5及び図7(a)(b)に示すように転動体26が前記
係合凸部35に形成した制御面35cの中央部(谷部)
に位置しているとき(以下この状態を「中立状態」とい
う)、同転動体26は余裕をもって収容されている。
【0045】つまり、この中立状態では、転動体26は
係合凸部35の制御面35cと外輪部22aの内周面に
て挟持されないため、係合凸部35を備えた従動側回転
体25はクラッチハウジング22に対して回転可能とな
る。そして、図7(a)(b)に示すように、駆動側回
転体23の回転に伴って従動側回転体25が連れ回りす
るとき、転動体26も同方向に第1面34a又は第2面
34bにて押され移動する。従って、駆動側回転体23
の回転に伴って従動側回転体25が連れ回りするとき
は、転動体26は常に中立状態となる。
【0046】反対に、従動側回転体25が回転し駆動側
回転体23を連れ回りさせようと同従動側回転体25が
回転するとき、図8(a)(b)に示すように、まず、
係合凸部35は係合孔32内を矢印方向に回転する。こ
のとき、駆動側回転体23は停止しているため、転動体
26は第1面34a又は第2面34bから離間して係合
凸部35の制御面35cの頂部側に相対移動する。やが
て、転動体26が間に介在する制御面35cと外輪部2
2aの内周面との径方向の間隔が転動体26の直径D1
未満になると、転動体26は、係合凸部35の制御面3
5cと外輪部22aの内周面で挟持される。この転動体
26が挟持されることによって、従動側回転体25のそ
れ以上の回転は阻止され、駆動側回転体23を連れ回り
させることはない。
【0047】尚、図8(a)のように転動体26が挟持
されて従動側回転体25のそれ以上の回転が阻止されて
いる状態において、モータ1(回転軸13)が駆動さ
れ、駆動側回転体23が図9(a)に示す矢印方向(時
計回り方向)に回転すると、従動側回転体25の第1当
接面35aは、第1係合面32aと当接(衝突)し押圧
される。その結果、従動側回転体25は駆動側回転体2
3とともに同方向に回転する。そして、この従動側回転
体25の回転に伴って転動体26はその挟持状態が解除
される。挟持状態が解除された転動体26は、駆動側回
転体23が更に回転することで、係合凸部35の制御面
35cの谷部側に相対移動して第1面34aと当接(衝
突)し、その中立状態が維持される(図7(a))。
【0048】また、上記において、モータ1(回転軸1
3)が駆動され、駆動側回転体23が図10(a)に示
す矢印方向(反時計回り方向)に回転すると、転動体2
6は第2面34bと衝突し押圧されて、その挟持状態が
解除される。そして、上記駆動側回転体23の更なる回
転に伴って、前記第2当接面35bは、前記第2係合面
32bと当接(衝突)し押圧される。このとき、転動体
26は第2面34bに押圧され係合凸部35の制御面3
5cの谷部に相対移動し、中立状態となっている(図7
(b))。
【0049】一方、図8(b)のように転動体26が挟
持されて従動側回転体25のそれ以上の回転が阻止され
ている状態において、モータ1(回転軸13)が駆動さ
れ、駆動側回転体23が図9(b)に示す矢印方向(反
時計回り方向)に回転すると、従動側回転体25の第2
当接面35bは、第2係合面32bと当接(衝突)し押
圧される。その結果、従動側回転体25は駆動側回転体
23とともに同方向に回転する。そして、この従動側回
転体25の回転に伴って転動体26はその挟持状態が解
除される。挟持状態が解除された転動体26は、駆動側
回転体23が更に回転することで、係合凸部35の制御
面35cの谷部側に相対移動して第2面34bと当接
(衝突)し、その中立状態が維持される(図7
(b))。
【0050】また、上記において、モータ1(回転軸1
3)が駆動され、駆動側回転体23が図10(b)に示
す矢印方向(時計回り方向)に回転すると、転動体26
は第1面34aと衝突し押圧されて、その挟持状態が解
除される。そして、上記駆動側回転体23の更なる回転
に伴って、前記第1当接面35aは、前記第1係合面3
2aと当接(衝突)し押圧される。このとき、転動体2
6は第1面34aに押圧され係合凸部35の制御面35
cの谷部に相対移動し、中立状態となっている(図7
(a))。
【0051】因みに、上記のように転動体26の挟持状
態から従動側回転体25への回転伝達に移行する際、同
転動体26が第1面34a又は第2面34bと衝突する
タイミングと、前記第1当接面35a又は第2当接面3
5bが、前記第1係合面32a又は第2係合面32bと
衝突するタイミングとは、互いに異なるタイミングとな
っている。従って、これらが同じタイミングで衝突する
場合に比べ、同衝突に伴う騒音発生は低減される。
【0052】図4に示すように、前記従動側回転体25
の先端側(図4の上側)には前記リング27が配置され
る。このリング27は、樹脂材にて前記クラッチハウジ
ング22の内径に応じた外径を有して略ドーナツ盤状に
形成されている。そして、このリング27の外周は多角
形状(正十八角形状)に形成されている。上記リング2
7は上記クラッチハウジング22内に圧入されて固定さ
れる。そして、前記転動体26は、前記クラッチハウジ
ング22の底部22b及びリング27によって、軸方向
への移動が規制される。尚、リング27は樹脂材である
ため、モータ本体5の回転時の転動体26との摺動音は
低減される。
【0053】図1及び図2に示されるように、前記出力
部6は、ハウジング41、ヘリカルギヤ42、サブヘリ
カルギヤ43、緩衝ゴム44、エンドプレート45、プ
レートカバー46及び出力軸7を備えている。そして、
各ギヤ42,43及び後述するウォーム軸56により減
速機構が構成されている。
【0054】上記ハウジング41の基端側には、前記モ
ータヨークハウジング11の内周面に応じた外周面を有
して扁平円筒状に形成され、前記延出部16aに対応す
る位置が同延出部16aの形状に合わせて窪んだ嵌合突
部51(図11参照)が形成されている。そして、上記
ハウジング41は、上記モータヨークハウジング11及
び上記延出部16aにより併せ形成されるモータ本体5
の内周面に嵌合し、同モータ本体5に固定されている。
尚、上記嵌合突部51の内周面の各幅は前記クラッチ2
1のクラッチハウジング22の外径よりも大きく設定さ
れている。
【0055】上記ハウジング41には、ウォームハウジ
ング部52、ヘリカルギヤハウジング部53及びサブヘ
リカルギヤハウジング部54が形成されている。上記ウ
ォームハウジング部52は略有底円筒状に形成されてお
り、その内部にはウォーム56aが形成されたウォーム
軸56が収容されている。このウォーム軸56は、その
基端側及び先端側の2箇所がそれぞれ円筒状の滑り軸受
56b,56cを介して回転可能に支持されている。ま
た、このウォーム軸56の基端部(図2の右側)には、
断面略四角形状の嵌合孔56dが形成されている。この
嵌合孔56dには、前記従動側回転体25の嵌合部25
bが回転不能に連結固定される。このとき、従動側回転
体25の回転中心軸線と、ウォーム軸56のそれとが一
致するように相互が組み付けられる。このようにして、
ウォーム軸56は、上記従動側回転体25と一体回転さ
れる。
【0056】また、上記ウォームハウジング部52の上
記滑り軸受56bが配設された基端側は、図11に示さ
れるように、上記ウォーム軸56と同心軸上に形成され
た円筒状の突設部57となっている。換言すると、上記
滑り軸受56bを支持する支持部がこの突設部57に相
当している。上記突設部57は、前記クラッチ21のク
ラッチハウジング22の内径に応じた外径を有してお
り、その外周面には前記外輪部22aのセレーション2
2dと嵌合する複数の略三角形状の歯溝からなるセレー
ション57a(図11参照)が形成されている。そし
て、この突設部57には、上記クラッチハウジング22
のセレーション22dが外嵌され、同クラッチハウジン
グ22(クラッチ21)は固定されて、移動不能となっ
ている。
【0057】前記ハウジング41のヘリカルギヤハウジ
ング部53は、上記ウォームハウジング部52の中心軸
と直交する一側(図2の上側)に配設されている。この
ヘリカルギヤハウジング部53は略台形円錐状の底部を
有する筒状に形成されており、そのウォーム軸56側は
開口されている。また、上記ヘリカルギヤハウジング部
53の底部中央には軸方向内部側に延びる円筒状の軸受
壁53aが形成されている。そして、この軸受壁53a
には前記出力軸7が回転可能に挿通される軸心孔53b
が形成されている。
【0058】また、上記ハウジング41のサブヘリカル
ギヤハウジング部54は、上記ウォームハウジング部5
2の中心軸と直交する他側(図2の下側)に配設されて
いる。このサブヘリカルギヤハウジング部54は上記ヘ
リカルギヤハウジング部53よりも小さい外径にて略有
底筒状に形成されており、そのウォーム軸56側は開口
されて上記開口されたヘリカルギヤハウジング部53に
接続されている。そして、上記サブヘリカルギヤハウジ
ング部54の底部中央には軸方向内部側に延びる円筒状
の軸受壁54aが形成されている。尚、この軸受壁54
aには、前記プレートカバー46と係合する係合孔54
b(図3参照)が形成されている。
【0059】前記サブヘリカルギヤ43は、樹脂材にて
形成され、その外周部下側には前記ウォーム56aと噛
合する第1ギヤ部58が形成されている。また、上記サ
ブヘリカルギヤ43の外周部上側には上記第1ギヤ部5
8より縮径された第2ギヤ部59が形成されている。さ
らに、上記サブヘリカルギヤ43の中央部には前記サブ
ヘリカルギヤハウジング部54に形成された軸受壁54
aに回転可能に外嵌される軸心孔43aが形成されてい
る。
【0060】前記ヘリカルギヤ42は、樹脂材にて形成
され、略有底円筒状のホイール部61及び同ホイール部
61の下側において縮径された軸部62(図3参照)か
らなる。そして、上記ホイール部61の外周部には前記
サブヘリカルギヤ43の第2ギヤ部59と噛合するギヤ
部63が形成されている。また、上記ヘリカルギヤ42
の中央部には、前記ヘリカルギヤハウジング部53に形
成された軸受壁53aに回転可能に外嵌される軸心孔4
2aが形成されている。さらに、上記ホイール部61の
筒部の内周面には、軸心孔42a側に延びる3つのギヤ
側保持壁42b(図1参照)が等角度(120°)間隔
毎に形成されている。
【0061】前記緩衝ゴム44は、上記ヘリカルギヤ4
2のホイール部61の内径に応じた外径にて等角度(6
0°)間隔毎に略扇形状に形成された6つのゴムばね部
66と、そのゴムばね部66を環状に連結する連結細部
67とから構成されている。そして、各ゴムばね部66
の外周側から中央側に伸びて各ゴムばね部66を区画す
る溝は係合溝44aとなっている。これら係合溝44a
は前記ギヤ側保持壁42bと対応して形成されており、
1つおきに配置された3つの係合溝44aは、同保持壁
42bに嵌合し、上記緩衝ゴム44は上記ヘリカルギヤ
42とともに回転する。尚、上記連結細部67の内周面
は、上記軸心孔42aと同等の内径にて略波形円状に形
成された貫通孔44bとなっている。
【0062】前記エンドプレート45は、樹脂材にて前
記ヘリカルギヤ42のホイール部61の内径に応じた外
径にて略円盤状に形成されている。そして、上記エンド
プレート45の下面には、前記ギヤ側保持壁42bと同
様の形状にて中心側に延びる3つのプレート側保持壁4
5aが等角度(120°)間隔毎に形成されている。こ
れらプレート側保持壁45aは、上記緩衝ゴム44のギ
ヤ側保持壁42bが嵌合されていない残りの3つの係合
溝44aに嵌合し、上記緩衝ゴム44とともに回転す
る。従って、ヘリカルギヤ42が回転するとその回転力
が緩衝ゴム44を介してエンドプレート45に伝達され
る。その結果、ヘリカルギヤ42の回転に伴ってエンド
プレート45は連れ回りをする。
【0063】エンドプレート45の中心部には、上記ヘ
リカルギヤ42の軸心孔42a及び上記緩衝ゴム44の
貫通孔44bの内径に応じた外径にて下側に突出する軸
部45b(図3参照)が形成されており、同軸部45b
には、等角度(90°)間隔で切り込みが形成された嵌
合孔45cが形成されている。そして、この嵌合孔45
cには、前記ヘリカルギヤハウジング部53の軸心孔5
3bを貫通する出力軸7の基端部が回転不能に連結固定
される。従って、出力軸7は、エンドプレート45と一
体回転される。尚、上記出力軸7の基端側端部には、前
記プレートカバー46と係合する係合孔7bが形成され
ている。
【0064】エンドプレート45にその基端部が連結固
定された出力軸7は、図3に示すように、上記ヘリカル
ギヤ42の軸心孔42a及びヘリカルギヤハウジング部
53の軸心孔53bを回転可能に貫通してその先端部を
同ハウジング部から突出させている。その突出した出力
軸7の先端部には歯車7aが固着され、その歯車7aに
は、Xアーム式レギュレータ8(図12)に設けられた
歯車部8aが噛合されている。
【0065】前記ヘリカルギヤハウジング部53及びサ
ブヘリカルギヤハウジング部54の上端は、これらハウ
ジング部53,54の上面形状に併せて形成された金属
製のプレートカバー46にて覆われる。このプレートカ
バー46には、図3に示されるように前記出力軸7に形
成された係合孔7b及び前記軸受壁54aに形成された
係合孔54bの位置に合わせて突出するボス部46a,
46bがそれぞれ形成されている。そして、これらボス
部46a,46bがそれぞれ係合孔7b,54bに挿入
されることで、上記プレートカバー46の位置決めがさ
れるとともに、上記出力軸7及び前記サブヘリカルギヤ
43の軸方向上方への移動が規制されている。
【0066】次に上記のように構成されたパワーウィン
ド装置の動作について説明する。モータ1が駆動する
と、前記回転軸13は上記クラッチ21の駆動側回転体
23を回転させる。この駆動側回転体23は、従動側回
転体25を回転させる。この時、転動体26は中立状態
に保持されるため、従動側回転体25は回転を阻止され
ることはない。
【0067】上記従動側回転体25は、ウォーム軸56
を回転させる。そして、ウォーム軸56(ウォーム56
a)は、サブヘリカルギヤ43、ヘリカルギヤ42、緩
衝ゴム44、エンドプレート45を介して上記出力軸7
を回転させる。そして、出力軸7は、レギュレータ8を
駆動させ、ウィンドガラス9を開閉させる。
【0068】一方、モータ1が停止している状態で、ウ
ィンドガラス9に負荷かかかり、出力軸7がその負荷に
よって回転されると、エンドプレート45、緩衝ゴム4
4、ヘリカルギヤ42、サブヘリカルギヤ43、ウォー
ム軸56を介して従動側回転体25は回転を開始する。
この時、転動体26が係合凸部35の制御面35cと外
輪部22aの内周面で挟持される。この転動体26が挟
持されることによって、従動側回転体25のそれ以上の
回転が阻止され、駆動側回転体23(回転軸13)も回
転しない。また、このような回転伝達に係るウォーム軸
56、サブヘリカルギヤ43、ヘリカルギヤ42、緩衝
ゴム44、エンドプレート45及び出力軸7のそれ以上
の回転も阻止される。
【0069】従って、ウィンドガラス9を開く方向に大
きな負荷をかけても、従動側回転体25(出力軸7)の
回転は阻止されるため、該負荷によってウィンドガラス
9は開くことはない。
【0070】このように構成されたモータ1では、図2
に示すように、先ず、各ギヤ42,43やウォーム軸5
6等の構成部品を組み付けたハウジング41にクラッチ
21が組み付けられる。このとき、図6に示すように、
ウォーム軸56の回転中心軸線と、クラッチ21の従動
側回転体25及び駆動側回転体23のそれとが一致した
状態で組み付けられる。
【0071】その後、アーマチャ14やブラシホルダ1
6等の構成部品を組み付けたモータヨークハウジング1
1が前記ハウジング41に組み付けられて完成される。
このとき、前記駆動側回転体23(嵌合孔23d)の回
転中心軸線と、モータ本体5の回転軸13のそれとが一
致するように相互を組み付けることが望ましい。しかし
ながら、これら各構成部品や、該部品に係わる周囲の部
品の寸法誤差により、駆動側回転体23の回転中心軸線
と、回転軸13のそれとが一致しない場合がある。
【0072】このような場合、駆動側回転体23の嵌合
孔23dにはテーパ部23fが設けられているので、回
転軸13とテーパ部23fとで形成される空間が回転軸
13の逃げ空間として働き、該回転軸13が駆動側回転
体23の中心軸線に対して傾くことが許容される。従っ
て、回転軸13が軸ずれしても、駆動側回転体23に径
方向の大きな荷重が作用しないので、その連結部分で発
生する異音や振動、連結部分での駆動力のロスが抑制さ
れる。
【0073】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)嵌合孔23dには、回転軸13(嵌合部13a)
が嵌挿される開口部に向かって漸次拡開するテーパ部2
3fを設けたので、回転軸13が駆動側回転体23の中
心軸線に対して傾くことが許容される。従って、回転軸
13が軸ずれしても、駆動側回転体23に径方向の大き
な荷重が作用しなくなる。その結果、連結部分で発生す
る異音や振動、連結部分での駆動力のロスを抑制するこ
とができる。
【0074】(2)嵌合孔23dには、前記テーパ部2
3fに連設され、回転軸13の嵌合部13aと嵌合すべ
く軸方向に沿って内径を等しく形成した嵌挿部23eを
設けた。そのため、嵌挿部23eにより、嵌合孔23d
と回転軸13の嵌合部13aとが回転方向において線接
触する。従って、回転方向における嵌合孔23dと嵌合
部13aの係合を確実なものとでき、また相互の接触部
分にかかる荷重の集中を防止することができる。その結
果、クラッチ21の耐久性を損なわないようにすること
ができる。
【0075】(3)テーパ部23fは、その軸方向の長
さL2が前記嵌挿部23eの同方向の長さL1より長く
なるように形成した(L1<L2)。従って、嵌挿部2
3eにより回転方向における嵌合孔23dと回転軸13
の嵌合部13aとの係合を確実なものとしながら、テー
パ部23fにより駆動側回転体23の中心軸線に対する
回転軸13の傾きを大きく設定することができる。
【0076】(4)クラッチ21は、モータ本体5の回
転軸13とウォーム軸56との間、即ちトルクが小さい
箇所に設けた。従って、クラッチ21に必要とされる強
度を低減することができる。その結果、クラッチ21を
小型化できるので、モータ1を小型化することができ、
しかもコストの低減を図ることができる。
【0077】尚、発明の実施の形態は上記実施形態に限
定されるものではなく、次のように変更してもよい。 ○上記実施形態では、回転軸13の嵌合部13aを断面
D字状に形成したが、嵌合部の断面形状はこれに限定さ
れるものではなく、例えば、2面幅形状、星型形状、多
角形形状等、回転軸13と駆動側回転体23とが一体回
転可能に嵌合する形状であればよい。尚、この場合、嵌
合部の形状変更に伴い、駆動側回転体23の嵌合孔23
dの形状を変更する必要がある。
【0078】○上記実施形態では、嵌合孔23dは嵌挿
部23eとテーパ部23fを備えているが、少なくとも
テーパ部23fを備えていればよい。 ○上記実施形態では、駆動側回転体23の嵌合孔23d
にテーパ部23fを設けたが、回転軸13の端面に嵌合
孔、駆動側回転体23にその嵌合孔に嵌合すべく突出す
る嵌合部を備える構成とし、この嵌合孔にテーパ部を設
けるようにしてもよい。
【0079】また、ウォーム軸56の嵌合孔56dにテ
ーパ部を設けてもよい。さらに、従動側回転体25に嵌
合孔、ウォーム軸56にその嵌合孔に嵌合する嵌合部を
備える構成とし、この嵌合孔にテーパ部を設けるように
してもよい。
【0080】○上記実施形態では、クラッチ21を回転
軸13とウォーム軸56との間に設けたが、これ以外の
位置にクラッチ21を設けてもよい。例えば、出力軸7
を2つに分割し、その軸間にクラッチを設けてもよい。
【0081】○上記実施形態において採用されたクラッ
チの回転伝達・逆回転防止構造は一例であり、その他の
同構造を有するクラッチを採用してもよい。 ○上記実施形態では、モータ1に備えられる減速機構
を、ヘリカルギヤ42、サブヘリカルギヤ43及びウォ
ーム軸56で構成したが、この構成に限定されるもので
はない。また、減速機構を備えていないモータに実施し
てもよい。
【0082】○上記実施形態では、モータ1に備えられ
るクラッチ21に実施したが、その他の装置に用いるク
ラッチに実施してもよい。次に、以上の実施の形態から
把握することができる請求項以外の技術的思想を、その
効果とともに以下に記載する。
【0083】(イ) 請求項1に記載のクラッチにおい
て、前記嵌合孔を前記駆動側回転体に設け、前記嵌合部
を前記駆動側回転軸に設けたことを特徴とするクラッ
チ。このように構成すれば、駆動側回転軸に軸ずれが生
じても、テーパ部により該回転軸が駆動側回転体の中心
軸線に対して傾くことが許容される。従って、駆動側回
転体に径方向の大きな荷重が作用しなくなるので、連結
部分で発生する異音や振動、連結部分での駆動力のロス
を抑制できる。
【0084】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
駆動側回転軸と従動側回転軸とが中心軸線が一致しない
状態で組み付けられたとき、各回転軸の連結部分から発
生する異音や振動、連結部分での駆動力のロスを小さく
することができるクラッチ及びそのクラッチを備えたモ
ータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るモータの一実施形態を示す分解斜
視図。
【図2】同実施形態を示す部分断面図。
【図3】同実施形態を示す断面図。
【図4】同実施形態を示す分解斜視図。
【図5】同実施形態を示す断面図。
【図6】同実施形態を示す断面図。
【図7】同実施形態の動作を示す断面図。
【図8】同実施形態の動作を示す断面図。
【図9】同実施形態の動作を示す断面図。
【図10】同実施形態の動作を示す断面図。
【図11】同実施形態を示す分解斜視図。
【図12】同実施形態が適用されるパワーウィンド装置
の概要を示す略図。
【符号の説明】
5…モータ本体、13…駆動側回転軸、13a…嵌合
部、14…電機子(アーマチャ)、21…クラッチ、2
3…駆動側回転体、23d…嵌合孔、23e…嵌挿部、
23f…テーパ部、25…従動側回転体、42…減速機
構を構成するヘリカルギヤ、43…減速機構を構成する
サブヘリカルギヤ、56…従動側回転軸、減速機構を構
成する入力側回転軸としてのウォーム軸、L1,L2…
長さ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動側回転軸と一体回転可能に嵌合連結
    する駆動側回転体と、該回転軸に同軸上に配置される従
    動側回転軸と一体回転可能に嵌合連結する従動側回転体
    とが、相互に回転方向に係合又は非係合になることによ
    り、駆動側回転軸から従動側回転軸に回転を伝達すると
    ともに、従動側回転軸から駆動側回転軸への回転伝達を
    阻止するクラッチにおいて、 前記駆動側回転体及び前記駆動側回転軸、又は、前記従
    動側回転体及び前記従動側回転軸の少なくとも1組は、
    回転体又は回転軸のいずれか一方に嵌合孔を備えるとと
    もに、いずれか他方に該嵌合孔に嵌合する嵌合部を備
    え、 前記嵌合孔は、前記嵌合部が嵌挿される開口部側に向か
    って漸次拡開するテーパ部を備えたことを特徴とするク
    ラッチ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のクラッチにおいて、 前記嵌合孔は、前記テーパ部に連設され、かつ前記嵌合
    部と嵌合すべく軸方向に沿って内径を等しく形成した嵌
    挿部を備えたことを特徴とするクラッチ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のクラッチにおいて、 前記テーパ部は、その軸方向の長さが前記嵌挿部のそれ
    より長くなるように形成したことを特徴とするクラッ
    チ。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載のク
    ラッチを備えたことを特徴とするモータ。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のモータにおいて、 前記モータは、駆動源たるモータ本体と、該モータ本体
    の回転を減速する減速機構を備えた出力部とから構成さ
    れるものであり、 前記駆動側回転軸は、前記モータ本体を構成する電機子
    に固定された回転軸であり、 前記従動側回転軸は、前記減速機構の入力側に備えられ
    る入力側回転軸であることを特徴とするモータ。
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