JP3887172B2 - クラッチ、及びモータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチに係り、詳しくは従動側の回転力が駆動側へと伝達されることを防止するクラッチ及びクラッチを備えたモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本願出願人は、従動側の回転力が駆動側へと伝達されることを防止するクラッチを提案している(特願平11−109495号)。
【0003】
このクラッチは、外輪と、駆動側回転体と、従動側回転体と、転動体とを備える。駆動側回転体は、外輪内に回転可能に収容され駆動源に連結される。駆動側回転体には、開口部を外周側(外輪の内周側)に有する係合孔が形成されている。
【0004】
従動側回転体は、外輪内に回転可能に収容され負荷に連結される。従動側回転体には、駆動側回転体の係合孔に所定の範囲で回動可能に係合する係合凸部が形成され、係合凸部の外周側(外輪の内周側)壁面には、外輪の内周面に対向する制御面が形成されている。
【0005】
転動体は、係合孔の開口部において、外輪の内周面と制御面との間に収容され、その直径が制御面の中央部と外輪の内周面間の間隔より短く、制御面の側部と外輪の内周面間の間隔より長く形成されている。
【0006】
このクラッチは、駆動側回転体の回転時には、転動体を開口部の内壁面にて押圧して制御面の略中央部(と対応した位置)に配置し、該駆動側回転体の回転力を係合孔から係合凸部を介して前記従動側回転体に伝達する。
【0007】
そして、従動側回転体の回転時には、転動体を制御面にて押圧して外輪の内周面と制御面との間で挟持させ、従動側回転体の回転を阻止する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記クラッチの制御面は、その(回転方向)中央部から(回転方向)両側部に向かうほど、外輪からの距離が近くなる必要がある。そして、上記クラッチでは、制御面の中央部が、両側部を結ぶ直線より径方向内側(回転軸中心側)となるように形成され、その中央部と両側部との間はそれぞれ平面とされている。若しくは、制御面は、一平面よりなる。
【0009】
しかしながら、上記クラッチでは、転動体が制御面の中央部と対応した位置に配置されたときの該位置における径方向の隙間を小さく設定することが困難であった。なぜなら、前記隙間を小さく設定すると、転動体が制御面の中央部から僅かにずれただけで、制御面と外輪の内周面との間で狭持されてしまい、駆動側回転体の回転時に転動体が正確に中央部に配置されずその回転が阻害されてしまう虞があるためである。そして、前記隙間を大きく設定すると、駆動側回転体の回転時に転動体が径方向に大きく移動可能となるため、騒音を発生してしまうことになる。
【0010】
又、上記クラッチでは、制御面の側部側で転動体を外輪の内周面に押圧するとき、その押圧力の径方向外側方向成分を大きくすることができない。これにより、従動側回転体の回転時に、転動体が制御面と外輪の内周面との間で狭持されない(所望の摩擦力を発生できずに転動体が外輪の内周面に沿って移動してしまう)場合が生じてしまう。
【0011】
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、騒音を低減することができ、従動側の回転時に転動体が狭持されないことをより防止することができるクラッチ、及びモータを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、回動不能に固定され内周面を有する外輪と、駆動源に連結されて前記外輪内に回転可能に収容され、開口部を外周側に有する係合溝が形成された駆動側回転体と、負荷に連結されて前記外輪内に回転可能に収容され、前記係合溝に係合して所定の範囲に前記駆動側回転体の相対回動を規制する係合凸部が形成され、該係合凸部の外周側壁面には、前記外輪の内周面に対向する制御面が形成された従動側回転体と、前記開口部において、前記外輪の内周面と前記制御面との間に収容され、直径が前記制御面の回転方向の中央部と外輪の内周面間の間隔より短く、前記制御面の回転方向の側部と外輪の内周面間の間隔より長い転動体と、を備え、前記駆動側回転体の回転時には、前記転動体を前記開口部の内壁面にて押圧して前記制御面の略中央部に配置して、該駆動側回転体の回転力を前記係合溝から前記係合凸部を介して前記従動側回転体に伝達し、該従動側回転体の回転時には、該転動体を前記制御面にて押圧して前記外輪の内周面と該制御面との間で挟持させ、該従動側回転体の回転を阻止するクラッチにおいて、前記制御面を、前記中央部が前記両側部を結ぶ直線より径方向外側に配置され、且つ前記中央部と前記側部との間の中間部が前記中央部と前記側部を結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状となるように形成したことを要旨とする。
【0013】
請求項2に記載の発明は、回動不能に固定され内周面を有する外輪と、駆動源に連結されて前記外輪内に回転可能に収容される駆動側回転体と、負荷に連結されて前記外輪内に回転可能に収容され、前記駆動側回転体に対し回転方向に所定範囲内で相対回転可能に連結され、外周側壁面の一部に、前記外輪の内周面に対向する制御面が形成された従動側回転体と、外形寸法が前記制御面の回転方向の中央部と前記外輪の内周面間の間隔より短く、且つ前記制御面の回転方向の側部と前記外輪の内周面間の間隔より長く、前記外輪の内周面と前記制御面との間において、前記外輪の内周面と前記制御面とで狭持される狭持位置、又は、前記外輪の内周面と前記制御面とで狭持されない非狭持位置に配置される転動体とを備え、前記駆動側回転体の回転時には、該駆動側回転体の回転により前記転動体を前記非狭持位置に配置して周回させるとともに、前記従動側回転体と回転方向に係合して、該駆動側回転体の回転力を前記従動側回転体に伝達し、前記従動側回転体の回転時には、前記転動体を前記狭持位置に配置して、該転動体と前記外輪の内周面との間で所望の摩擦力を発生させ、その状態で該従動側回転体の回転を許容する、又は、前記摩擦力にて該従動側回転体の回転を阻止するようにしたクラッチにおいて、前記制御面を、前記中央部が前記両側部を結ぶ直線より径方向外側に配置され、且つ前記中央部と前記側部との間の中間部が前記中央部と前記側部を結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状となるように形成したことを要旨とする。
【0014】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、前記制御面全体を、その中央部の回転軌跡の径より大きな径の円弧状に膨らむようにしたことを要旨とする。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、前記制御面の前記中央部を、平面状に形成したことを要旨とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、前記制御面の前記中央部を、前記外輪の内周面と同心軸の円弧状に形成したことを要旨とする。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のクラッチにおいて、前記係合凸部の周方向側部には、前記転動体が前記外輪の内周面と前記制御面との間から外れることを防止する保持部を設けたことを要旨とする。
【0017】
請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のクラッチにおいて、前記転動体は前記外輪に沿って複数設けられ、それら各転動体は、前記従動側回転体が第1の方向及びそれとは逆の第2の方向に回転するときのいずれの回転時においても、前記狭持位置に配置されることを要旨とする。
【0018】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記制御面と前記転動体は、一対一で対応するように設けられたことを要旨とする。
【0019】
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記転動体を、樹脂材料で形成したことを要旨とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクラッチを備えたモータを要旨とする。
【0020】
(作用)
請求項1に記載の発明によれば、駆動側回転体の回転力は、係合溝から係合凸部を介して従動側回転体に伝達される。一方、従動側回転体の回転は、転動体が制御面に押圧されて外輪の内周面と同制御面との間に挟持されて阻止される。これにより、負荷からの回転が駆動源に伝達されることは阻止される。
【0021】
しかも、制御面は、その中央部が両側部を結ぶ直線より径方向外側に配置され、中央部と側部との間の中間部が中央部と側部を結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状とされる。よって、中央部と外輪の内周面の間に介在される転動体の径方向の隙間を小さく設定することができ、騒音の発生を低減することができる。又、制御面の側部側で転動体を外輪の内周面に押圧するとき、その押圧力の径方向外側方向成分を大きくすることができる。これにより、従動側回転体の回転時に、転動体が制御面と外輪の内周面との間で狭持されないことは低減される。
【0022】
請求項2に記載の発明によれば、駆動側回転体の回転力は、従動側回転体に伝達される。一方、従動側回転体の回転時には、転動体が外輪の内周面と制御面とで狭持される狭持位置に配置されて、該転動体と前記外輪の内周面との間で所望の摩擦力が発生され、その状態で該従動側回転体の回転が許容される、又は、前記摩擦力にて該従動側回転体の回転が阻止される。
【0023】
しかも、制御面は、その中央部が両側部を結ぶ直線より径方向外側に配置され、中央部と側部との間の中間部が中央部と側部を結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状とされる。よって、中央部と外輪の内周面の間に介在される転動体の径方向の隙間を小さく設定することができ、騒音の発生を低減することができる。又、制御面の側部側で転動体を外輪の内周面に押圧するとき、その押圧力の径方向外側方向成分を大きくすることができる。これにより、従動側回転体の回転時に、転動体が制御面と外輪の内周面との間で狭持されないことは低減される。
【0024】
請求項3に記載の発明によれば、制御面全体は、その中央部の回転軌跡の径より大きな径の円弧状に膨らむように形成される。これにより、転動体が制御面に沿ってスムーズに移動する。
【0025】
請求項4に記載の発明によれば、制御面の中央部は、平面状に形成される。
請求項5に記載の発明によれば、制御面の中央部は、前記外輪の内周面と同心軸の円弧状に形成される。
【0026】
請求項6に記載の発明によれば、転動体が外輪の内周面と制御面との間から外れることは、係合凸部の周方向側部に設けられる保持部により防止される。
請求項7に記載の発明によれば、外輪に沿って複数設けられる各転動体は、従動側回転体が第1の方向及びそれとは逆の第2の方向に回転するときのいずれの回転時においても、前記狭持位置に配置される。よって、転動体の数を増加させることなく、第1の方向及びそれとは逆の第2の方向の回転時に所望の摩擦力を発生させることができる。
【0027】
請求項8に記載の発明によれば、制御面と転動体は、一対一で対応するように設けられるため、1つの制御面に対して複数の転動体が設けられるものに比べてその部品点数が少なくなる。
【0028】
請求項9に記載の発明によれば、前記転動体は、樹脂材料で形成されるため、駆動側回転体の回転時に転動体が壁面(外輪の内周面や制御面)と衝突しても、その騒音が小さくなる。
【0029】
請求項10に記載の発明によれば、モータの騒音の発生を低減することができ、従動側回転体の回転時に転動体が狭持されないことを防止することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をパワーウインド装置に具体化した一実施形態について図1〜図12を参照して説明する。
【0031】
図12に示すように、パワーウインド装置のモータ1はドアDに固設されている。モータ1はモータ本体2と出力部3を備えている。モータ本体2は、出力部3の出力軸4に固着した歯車4aを正逆回転し、その歯車4aは公知のXアーム式レギュレータRに設けた歯車部Gと噛合している。従って、歯車4aの正逆回転に基づいて、レギュレータRはウインドガラスWを開閉させる。
【0032】
図1は、本実施形態におけるモータ1の分解斜視図を示す。図1に示すように、モータ本体2の回転軸5の先端には断面略D字状の嵌合部5aが形成されている。
【0033】
上記モータ本体2(回転軸5)の先端側にはクラッチ6が設けられている。このクラッチ6は、図3及び図4に示されるように、クラッチハウジング7と、駆動側回転体8と、ボール9と、従動側回転体10と、複数(3つ)の転動体11と、サポート部材12とを備えている。クラッチハウジング7は、円筒形状の外輪7aと外輪7aの両端から径方向内側に延びる環状のカバー部7b,7cとからなる。駆動側回転体8、ボール9、従動側回転体10、転動体11、及びサポート部材12は、組み付けられてクラッチハウジング7内に収容され、一つのユニット(クラッチ6)とされる。
【0034】
前記駆動側回転体8は、樹脂材にて形成され、軸部8a及び同軸部8aよりも拡径された円盤部8bを有している。駆動側回転体8は、円盤部8bの基端側(図4の左側)がクラッチハウジング7のカバー部7bと摺動可能とされ、回転可能とされている。この駆動側回転体8の中心部には、同駆動側回転体8を貫通する軸心孔8cが形成されている。この軸心孔8cの基端側(図4の左側)には、断面略D字状の嵌合孔8dが形成されている。この嵌合孔8dは、図4に示されるようにクラッチハウジング7の外部に連通し、前記回転軸5の嵌合部5aに回転不能に連結固定される。従って、モータ本体2の回転軸5が回転するとその回転力が駆動側回転体8に伝達される。
【0035】
又、上記円盤部8bの先端側(図4の右側)には、図3に示すように、外周面に沿って軸方向と平行に突出する略扇形状の突設部13が等角度間隔に複数(3つ)形成されている。突設部13には、径方向内側から突設部13の中間まで径方向に延びる嵌合溝13aが形成されている。
【0036】
嵌合溝13aには、ゴムよりなる緩衝部材14が嵌合固定されている。詳しくは、図3に示すように、緩衝部材14は、薄肉のリング部14aと、リング部14aの外周側で等角度間隔に複数(3つ)軸線方向に立設される緩衝部14bとを備える。緩衝部14bの外周側には嵌合溝13aと対応した嵌合凸部14cが形成されている。そして、緩衝部材14は、各嵌合凸部14cが各嵌合溝13aに嵌合されるとともに、リング部14aが円盤部8b上に配置されて固定されている。
【0037】
緩衝部14bの周方向の幅は、図6に示すように、突設部13の内周面の周方向の幅より若干大きく設定されている。そして、隣り合う突設部13の側面(周方向の面)13b,13c及び隣り合う緩衝部14bの側面(周方向の面)14d,14eにより、等角度間隔に複数(3つ)の係合溝15が形成されている。これら係合溝15は中心側で互いに連通している。又、上記円盤部8bの突設部13が形成されていない外周側には軸方向と平行に切り欠かれた溝部16が形成されている。突設部13の側面13b,13cの外周側は、周方向に僅かに膨出し、係合溝15の開口部17を構成している。
【0038】
前記ボール9は金属製とされ、前記軸心孔8cの内径に応じた外径にて球体に形成されており、同軸心孔8cの先端側(図4の右側)からその内部に収容される。尚、ボール9は、軸心孔8cに収容された状態で、その一部が軸心孔8cから突出する。
【0039】
前記従動側回転体10は、円盤部10aと、その中心部からその先端側(図4の右側)に突出する嵌合部10bとを備える。
前記円盤部10aは、その基端側(図4の左側)がボール9と当接され、前記突設部13(緩衝部14b)に囲まれ、回転可能に配設される。この円盤部10aはボール9と点接触となるため、その回転は円滑なものとされる。
【0040】
前記円盤部10aには、図3及び図6に示すように、径方向外側に延びる略扇形状の係合凸部18が等角度間隔に複数(3つ)形成されている。この係合凸部18は、その周方向の幅が前記係合溝15の周方向の幅より小さく設定され、係合溝15内に収容される。
【0041】
図6に示すように、係合凸部18の時計回り側の面の径方向内側には、前記緩衝部14bの一側面(反時計回り側の面)14dと対応した第1緩衝面18aが形成され、係合凸部18の時計回り側の面の径方向外側には、突設部13の一側面(反時計回り側の面)13bと対応した第1当接面18bが形成されている。第1緩衝面18aは、駆動側回転体8が従動側回転体10に対して反時計回り方向(矢印X方向)に所定位置まで回転すると、緩衝部14bの一側面14dと当接する。又、第1当接面18bは、駆動側回転体8が前記所定位置より更に反時計回り方向(矢印X方向)に回転すると、突設部13の一側面13bと当接する。尚、駆動側回転体8は、緩衝部14bが周方向に撓む(潰れる)ことにより、前記所定位置より更に反時計回り方向(矢印X方向)に回転する(図8参照)。
【0042】
又、係合凸部18の反時計回り側の面の内周側には、前記緩衝部14bの他側面(時計回り側の面)14eと対応した第2緩衝面18cが形成され、係合凸部18の反時計回り側の面の外周側には、突設部13の他側面(時計回り側の面)13cと対応した第2当接面18dが形成されている。第2緩衝面18cは、駆動側回転体8が従動側回転体10に対して時計回り方向(矢印Y方向)に所定位置まで回転すると、緩衝部14bの他側面14eと当接する。又、第2当接面18dは、駆動側回転体8が前記所定位置より更に時計回り方向(矢印Y方向)に回転すると、突設部13の他側面13cと当接する。尚、駆動側回転体8は、緩衝部14bが周方向に撓む(潰れる)ことにより、前記所定位置より更に時計回り方向(矢印Y方向)に回転する(図9参照)。
【0043】
係合凸部18の外周面には、制御面19が形成されている。本実施の形態の制御面19は、図7に示すように、その全体が、軸線方向から見て、その周方向の中央部19aの回転軌跡(従動側回転体10の軸中心に回転したときの軌跡であって、図中破線で示す)Aの径より大きな径の円弧状に膨らむように形成されている。よって、制御面19は、中央部19aが、その周方向の両側部19b,19cを結ぶ直線より径方向外側に配置される。又、制御面19は、中央部19aと側部19b,19cとの間の中間部19dが、中央部19aと側部19b,19cとを結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状に形成される。
【0044】
転動体11は、金属材料にて略円柱形状に形成され、開口部17の第1及び第2面17a,17b間において、係合凸部18の制御面19とクラッチハウジング7の外輪7aの内周面7dとの間に配置される。
【0045】
転動体11の直径Bは、図7に示すように、制御面19の中央部19aと外輪7aの内周面7dの間隔Cの長さより小さく、制御面19の側部19b,19cと外輪7aの内周面7dの間隔Eの長さより大きく設定されている。そして、転動体11の直径Bは、中央部19aと側部19b,19cとの間の中間部19dと、外輪7aの内周面7dの間隔Fの長さと等しく設定されている。
【0046】
サポート部材12は、樹脂材よりなり、クラッチハウジング7のカバー部7cと駆動側回転体8の突設部13との間で摺動可能に配設されるリングプレート20と、図5に示すように、転動体11を回転可能にかつ回転軸と略平行に保持すべく、リングプレート20から軸線方向に延びる3つのローラサポート21とを備える。ローラサポート21は、リングプレート20上に等角度間隔で配設される。
【0047】
各ローラサポート21は、リングプレート20から軸線方向に延びる一対の保持板21aと、両保持板21aの先端同士を連結する連結体21bとを備える。両保持板21aの配置間隔は転動体11の直径より若干大きく設定され、リングプレート20と連結体21bの間隔は転動体11の軸線方向長さより若干大きく設定されている。そして、転動体11は、両保持板21a間で且つリングプレート20と連結体21bとの間で回転可能に、リングプレート20の周方向に対して移動不能に、リングプレート20の径方向に移動可能に保持される。
【0048】
ここで、各部材11,13,18,21の形状は、図8に示すように、突設部13の一側面13bが係合凸部18の第1当接面18bと当接し、開口部17の第1面17aがローラサポート21と当接した状態で、転動体11が制御面19の中央部19aと対応した位置に配置されるように設定されている。
【0049】
又、図9に示すように、各部材11,13,18,21の形状は、突設部13の他側面13cが係合凸部18の第2当接面18dと当接し、開口部17の第2面17bがローラサポート21と当接した状態で、転動体11が制御面19の中央部19aと対応した位置に配置されるように設定されている。
【0050】
図2に示されるように、前記出力部3のウォームハウジング22aの基端側(図2の左側)には、前記クラッチ6のクラッチハウジング7の外径に応じた内径を有する円筒状の突設部22bが形成されている。そして、この突設部22bには、上記クラッチハウジング7が内嵌されて、固定されている。
【0051】
前記ウォームハウジング22a内には、ウォーム軸23が収容されている。ウォーム軸23の基端側(図2及び図4の左側)には、前記従動側回転体10の嵌合部10bと対応した形状の嵌合孔23aが形成され、その嵌合孔23aには、嵌合部10bが一体回転可能に連結固定される。
【0052】
ウォーム軸23のウォーム23bには、出力部3のホイールハウジング22c内で回転可能に支持される連結回転体24のウォームホイール部24aが噛合されている。又、連結回転体24はモータ保護用ゴム25を介して出力プレート26に連結されている。この出力プレート26には前記出力軸4の基端部が回転不能に固定される。
【0053】
従って、ウォーム軸23が回転すると、その回転力は連結回転体24、モータ保護用ゴム25、及び出力プレート26を介して出力軸4に伝達され、出力軸4が回転される。
【0054】
前記ホイールハウジング22cの開口部には、プレートカバー27が固定される。
上記のように構成されたパワーウインド装置(クラッチ6)は、以下のように動作する。
【0055】
モータ本体2が駆動され回転軸5が図6の反時計回り方向(矢印X方向)に回転されると、回転軸5と共に駆動側回転体8が同方向(矢印X方向)に一体回転する。そして、図8に示すように、突設部13の一側面13bが係合凸部18の第1当接面18bと当接し、開口部17の第1面17aがローラサポート21と当接すると、転動体11が制御面19の中央部19aと対応した位置(以下、中立位置(非狭持位置)という)に配置される。
【0056】
尚、突設部13の一側面13bが第1当接面18bに当接する前に、緩衝部14bの一側面14dが係合凸部18の第1緩衝面18aに先に接触するため、該当接時の衝撃は小さくなる。
【0057】
この中立状態では、転動体11は係合凸部18の制御面19と外輪7aの内周面7dにて挟持されないため、係合凸部18を備えた従動側回転体10はクラッチハウジング7に対して回転可能となる(図7参照)。従って、駆動側回転体8が更に反時計回り方向に回転すると、その回転力が突設部13から従動側回転体10に伝達され、従動側回転体10が連れ回りする。尚、このとき転動体11には開口部17の第1面17aから同方向(矢印X方向)の回転力が伝達され、転動体11は同方向に移動する。
【0058】
逆に、回転軸5が図6の時計回り方向(矢印Y方向)に回転されると、上記と同様に、図9に示すように、突設部13により転動体11が中立位置(非狭持位置)に配置される。この状態では、転動体11は係合凸部18の制御面19と外輪7aの内周面7dにて挟持されないため、係合凸部18を備えた従動側回転体10はクラッチハウジング7に対して回転可能となる。従って、駆動側回転体8の回転力が突設部13から従動側回転体10に伝達され、従動側回転体10が連れ回りする。
【0059】
このようにして、従動側回転体10の回転に伴ってウォーム軸23、連結回転体24、モータ保護用ゴム25、出力プレート26及び出力軸4が回転し、出力軸4がレギュレータRを駆動させウインドガラスWが開閉される。
【0060】
一方、モータ1が停止している状態で、ウインドガラスWに負荷がかかると、その負荷は従動側回転体10を回動させようとする。そして、従動側回転体10が図6の時計回り方向(矢印Y方向であって第1の方向)に回転されると、転動体11は係合凸部18の制御面19の側部19b側(中間部19d側)に相対移動する。やがて、図10に示すように、転動体11が中間部19d(狭持位置)まで相対移動すると、転動体11は、制御面19と外輪7aの内周面7dで挟持され、該内周面7dとの間で所望の摩擦力を発生させる(ロック状態となる)。そして、外輪7aが固定されているため、従動側回転体10のそれ以上の回転は阻止され、駆動側回転体8を連れ回りさせることはない。
【0061】
逆に、従動側回転体10が図6の反時計回り方向(矢印X方向であって、第2の方向)に回転されると、駆動側回転体8が停止しているため、転動体11は係合凸部18の制御面19の側部19c側(中間部19d側)に相対移動する。やがて、図11に示すように、転動体11が中間部19d(狭持位置)まで相対移動すると、転動体11は、制御面19と外輪7aの内周面7dで挟持され、該内周面7dとの間で所望の摩擦力を発生させる(ロック状態となる)。そして、外輪7aが固定されているため、従動側回転体10のそれ以上の回転は阻止され、駆動側回転体8も回転しない。
【0062】
このように、ウインドガラスWに大きな負荷をかけても、従動側回転体10の回転は阻止されるため、該負荷によってウインドガラスWは開くことはない。
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
【0063】
(1)制御面19は、中央部19aが、その両側部19b,19cを結ぶ直線より径方向外側に配置され、中央部19aと側部19b,19cとの間の中間部19dが、中央部19aと側部19b,19cとを結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状に形成される。よって、中央部19aと外輪7aの内周面7dの間に介在される転動体11の径方向の隙間(間隔C−直径B)を小さく設定することができ、騒音の発生を低減することができる。又、制御面19の中間部19dが転動体11を外輪7aの内周面7dに押圧するとき、その押圧力の径方向外側方向成分が大きくなる。これにより、従動側回転体10の回転時に、転動体11が制御面19と外輪7aの内周面7dとの間で狭持されないことは低減される(確実にロックされる)。即ち、従動側回転体10の回転力が駆動側回転体8へと伝達されることはより防止される。
【0064】
(2)制御面19全体は、その中央部19aの回転軌跡Aの径より大きな径の円弧状に形成される。これにより、転動体11が制御面19に沿ってスムーズに移動する。
【0065】
(3)転動体11は、外輪7aの中心軸線と平行に延びる略円柱形状に形成されるため、その外周面が外輪7aの内周面7dと制御面19とに線接触で狭持される。これにより従動側回転体10の回転阻止は、より確実とされる。
【0066】
(4)緩衝部材14の緩衝部14bにより、一側面13bが第1当接面18bに当接する際の衝撃が小さくされる。
(5)複数(3つ)の転動体11の相対位置関係はサポート部材12により保持される。これにより、転動体11のがたつきが防止され、ひいては、がたつきに伴う異音や振動の発生が防止される。
【0067】
(6)クラッチ6はモータ本体2の回転軸5とウォーム軸23との間に設けられるため、クラッチ6に必要とされる強度は低減される。その結果、クラッチ6を小型化することができ、ひいてはコストの低減を図ることができる。
【0068】
(7)各転動体11は、従動側回転体10が第1の方向(矢印Y方向)及びそれとは逆の第2の方向(矢印X方向)に回転するときのいずれの回転時においても、狭持位置に配置される。よって、転動体11の数を増加させることなく、第1の方向(矢印Y方向)及び第2の方向(矢印X方向)の回転時に所望の摩擦力を発生させることができる。
【0069】
(8)制御面19と転動体11は、一対一で対応するように(3個ずつ)設けられるため、1つの制御面に対して複数の転動体が設けられるクラッチに比べてクラッチ6の部品点数が少なくなる。
【0070】
上記実施の形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記実施の形態の制御面19は、中央部から側部に向かうほど外輪からの距離が短くなり、その中央部が、両側部を結ぶ直線より径方向外側に配置されるように、且つ中央部と側部との間の中間部が、中央部と側部を結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状となるように形成されていれば、他の形状に変更してもよい。
【0071】
・制御面19は、図13に示す制御面31に変更してもよい。制御面31は、中央部31aが平面状に形成されている。そして、制御面31の中央部31aと側部31bとの間の中間部31cは、その中央部31aの回転方向両側の回転軌跡(従動側回転体の軸中心に回転したときの軌跡であって、図中破線で示す)Hの径より大きな径の円弧状で同回転軌跡Hより外輪7a側に形成されている。尚、転動体11の直径Bと、中間部31cと外輪7aの内周面7dとの間の間隔Fとは等しくなるように設定されている。このようにしても、上記実施の形態の効果(1),(3)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
【0072】
・制御面19は、図14に示す制御面32に変更してもよい。制御面32は、前記制御面31に比べて、その中央部32aが前記回転軌跡Hと重なる円弧状となっている点のみ異なる。言い換えると、中央部32aは、外輪7aの内周面7dと同心軸の円弧状に形成されている。尚、転動体11の直径Bと、中間部(中央部32aと側部32bとの間)32cと外輪7aの内周面7dとの間の間隔Fとは等しくなるように設定されている。このようにしても、上記実施の形態の効果(1),(3)〜(8)と同様の効果を得ることができる。
【0073】
・上記実施の形態の係合凸部18は、図15に示す係合凸部33に変更してもよい。係合凸部33は、その外周面に前記制御面19と同様の制御面34を備える。そして、係合凸部33は、その周方向両側部に外輪7a側に膨出し、転動体11が外輪7aの内周面7dと制御面34との間から外れることを防止する保持部としての膨出部35とを備える。尚、転動体11の直径Bと、制御面34の中間部(中央部34aと側部34bとの間)34cと外輪7aの内周面7dとの間の間隔Fとは等しくなるように設定されている。このようにしても、上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。しかも、各部材が若干撓むこと等により、転動体11が外輪7aの内周面7dと制御面34との間から外れようとしても、転動体11がその間から外れることは膨出部35により防止される。
【0074】
・上記実施の形態では、制御面19と転動体11は、一対一で対応するように(3個ずつ)設けられるとしたが、1つの制御面に対して複数の転動体が設けられるクラッチに変更してもよい。このようにしても、騒音の発生を低減することができるとともに、従動側回転体10の回転時に、転動体11が制御面19と外輪7aの内周面7dとの間で狭持されないことは低減される(確実にロックされる)。
【0075】
・上記実施の形態では、転動体11を略円柱形状のものとしたが、球形状のものに変更してもよい。このようにしても上記実施の形態の効果(1),(2),(4)〜(8)と同様の効果を得ることができる。しかも、駆動側回転体8の回転時における転動体と外輪7aの内周面7dとの摺接部分が小さくなるため、その摺動音は低減される。
【0076】
・上記実施の形態では、転動体11を、金属材料にて形成したが、樹脂材料にて形成してもよい。このようにすると、上記実施の形態の効果に加えて、駆動側回転体8の回転時に転動体が壁面(外輪7aの内周面7dや制御面19)と衝突しても、その騒音が小さくなる。
【0077】
・上記実施の形態の緩衝部材14は、一側面13b(他側面13c)が第1当接面18b(第2当接面18d)に当接する際の衝撃を小さくすることができれば、他の形状に変更してもよい。例えば緩衝部14bがそれぞれ独立した部材であってもよい。このようにしても上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。又、緩衝部材14を省略してもよい。このようにしても上記実施の形態の効果(1)〜(3),(5),(6)と同様の効果を得ることができる。
【0078】
・上記実施の形態のサポート部材12は、複数(3つ)の転動体11の相対位置関係を保持できれば、他の形状に変更してもよい。このようにしても上記実施の形態の効果と同様の効果を得ることができる。又、サポート部材12を省略してもよい。このようにしても上記実施の形態の効果(1)〜(4),(6)と同様の効果を得ることができる。
【0079】
・上記実施の形態では、転動体11を3つ備えるとしたが、1つ以上であればいくつでもよい。尚、この場合、係合溝15及び係合凸部18は、転動体の数以上形成されていればよい。
【0080】
・上記実施の形態では、転動体11が制御面19と外輪7aの内周面7dとの間で狭持されると、従動側回転体10のそれ以上の回転が阻止されるクラッチ6に具体化したが、転動体11が制御面19と外輪7aの内周面7dとの間で狭持されたとき、従動側回転体10の回転を確実に阻止しなくても、転動体11と外輪7aの内周面7dとの間で所望の摩擦力を発生させた状態で該従動側回転体10の回転を許容するクラッチに変更してもよい。この場合、上記摩擦力により、従動側回転体10は回転し難くなる。そして、このようなクラッチを組み付けるモータを、モータ全体で従動側の回転を阻止するものとする。即ち、モータを、前記クラッチの摩擦力と、モータ内のクラッチや各摺動部分(ギヤ噛合部や軸受部)等における全ての駆動力のロスとによって、従動側(出力軸4)が回転しないように設定する。このようなモータにすると、例えば出力軸4側に負荷がかかり、その負荷が従動側回転体10を僅かに回動させても、転動体11が制御面19と外輪7aの内周面7dとの間で狭持されると、前記摩擦力及び前記駆動力のロスによって出力軸4のそれ以上の回転が阻止される。しかも、このようなクラッチとすると、上記実施の形態のクラッチ6(クラッチ単体で従動側回転体10の回転を阻止するもの)に比べて、各構成部品に高い寸法精度を必要としない。又、転動体の剛性を弱く設定できる。これらのことから、クラッチのコストを低減することができる。又、クラッチを小型化することができる。
【0081】
・上記実施の形態のモータ1では、クラッチ6を、モータ本体2の回転軸5とウォーム軸23との間に設けたが、連結回転体24と出力軸4との間に設けたモータに変更してもよい。このようにしても上記実施の形態の効果(1)〜(5)と同様の効果を得ることができる。又、負荷からの回転力が駆動源であるモータ本体2に伝達されることは、モータ本体2の回転軸5に対して負荷側に近い段階で阻止される。
【0082】
・上記実施の形態のクラッチ6は、モータ1に備えられるものとしたが、他の装置に備えられるものとしてもよい。又、モータ1はパワーウインド装置に備えられるものとしたが、他の装置に備えられるものとしてもよい。
【0083】
上記実施の形態から把握できる請求項記載以外の技術的思想について、以下にその効果とともに記載する。
(イ)請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記転動体は、前記外輪の中心軸線と平行に延びる略円柱体であることを特徴とするクラッチ。
【0084】
このようにすると、転動体はその外周面が外輪と制御面とに線接触で狭持される。これにより従動側回転体の回転阻止は、より確実とされる。
(ロ)請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記転動体は、球体であることを特徴とするクラッチ。
【0085】
このようにすると、駆動側回転体の回転時における転動体と外輪との摺接部分が小さくなるため、その摺動音は低減される。
(ハ)請求項1に記載のクラッチにおいて、前記係合溝と前記係合凸部が係合するときの衝撃を小さくするための緩衝部材(14)を備えたことを特徴とするクラッチ。
【0086】
このようにすると、係合溝と係合凸部が係合するときの衝撃が小さくなる。
(ニ)請求項1乃至9、上記(イ)〜(ハ)のいずれかに記載のクラッチにおいて、前記転動体は、複数設けられ、前記複数の転動体の相対位置関係を保持するためのサポート部材(12)を設けたことを特徴とするクラッチ。
【0087】
このようにすると、複数の転動体の相対位置関係はサポート部材により保持される。これにより、転動体のがたつきが防止される。
(ホ)請求項10に記載のモータであって、回転軸(5)を有するモータ本体(2)と、前記回転軸に連動するウォーム軸(23)を有し該回転軸の回転速度を減速して負荷に伝達する出力部(3)とを備え、前記クラッチは、前記回転軸と前記ウォーム軸との間に設けたことを特徴とするモータ。
【0088】
このようにすると、クラッチは回転軸とウォーム軸との間に設けられる。従って、クラッチに必要とされる強度は低減される。
(ヘ)請求項10に記載のモータであって、回転軸を有するモータ本体と、前記回転軸に連動するウォーム軸及びウォームホイールを有し該回転軸の回転速度を減速して負荷に伝達する出力部とを備え、前記クラッチは、前記ウォームホイールと負荷との間に設けたことを特徴とするモータ。
【0089】
このようにすると、負荷からの回転力が駆動源であるモータ本体に伝達されることはモータ本体の回転軸に対して負荷側に近い段階で阻止される。
【0090】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1〜9に記載の発明によれば、騒音を低減することができ、従動側の回転時に転動体が狭持されないことをより防止することができるクラッチを提供することができる。
【0091】
請求項10に記載の発明によれば、騒音を低減することができ、従動側の回転時に転動体が狭持されないことをより防止することができるモータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態のモータの分解斜視図。
【図2】本実施の形態のモータの要部断面図。
【図3】本実施の形態のクラッチの分解斜視図。
【図4】本実施の形態のモータの要部断面図。
【図5】本実施の形態のサポート部材を説明するための説明図。
【図6】本実施の形態のクラッチの要部断面図。
【図7】本実施の形態のクラッチを説明するための模式図。
【図8】本実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図9】本実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図10】本実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図11】本実施の形態の動作を説明するための説明図。
【図12】本実施の形態のパワーウインド装置の概要を示す略図。
【図13】別例のクラッチを説明するための模式図。
【図14】別例のクラッチを説明するための模式図。
【図15】別例のクラッチを説明するための模式図。
【符号の説明】
8…駆動側回転体、10…従動側回転体、11…転動体、15…係合溝、17…開口部、18,33…係合凸部、19,31,32,34…制御面、35…膨出部、7a…外輪、7d…内周面、19a,31a,32a,34a…中央部、19b,19c,31b,32b,34b…側部、19d,31c,32c,34c…中間部、A…回転軌跡、X…反時計回り方向(第2の方向)、Y…時計回り方向(第1の方向)。

Claims (10)

  1. 回動不能に固定され内周面(7d)を有する外輪(7a)と、
    駆動源に連結されて前記外輪内に回転可能に収容され、開口部(17)を外周側に有する係合溝(15)が形成された駆動側回転体(8)と、
    負荷に連結されて前記外輪内に回転可能に収容され、前記係合溝(15)に係合して所定の範囲に前記駆動側回転体の相対回動を規制する係合凸部(18,33)が形成され、該係合凸部の外周側壁面には、前記外輪の内周面に対向する制御面(19,31,32,34)が形成された従動側回転体(10)と、
    前記開口部において、前記外輪の内周面と前記制御面との間に収容され、直径が前記制御面の回転方向の中央部(19a,31a,32a,34a)と外輪の内周面間の間隔より短く、前記制御面の回転方向の側部(19b,19c,31b,32b,34b)と外輪の内周面間の間隔より長い転動体(11)と、
    を備え、前記駆動側回転体の回転時には、前記転動体を前記開口部の内壁面にて押圧して前記制御面の略中央部に配置して、該駆動側回転体の回転力を前記係合溝から前記係合凸部を介して前記従動側回転体に伝達し、
    該従動側回転体の回転時には、該転動体を前記制御面にて押圧して前記外輪の内周面と該制御面との間で挟持させ、該従動側回転体の回転を阻止するクラッチにおいて、
    前記制御面を、前記中央部が前記両側部を結ぶ直線より径方向外側に配置され、且つ前記中央部と前記側部との間の中間部(19d,31c,32c,34c)が前記中央部と前記側部を結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状となるように形成したことを特徴とするクラッチ。
  2. 回動不能に固定され内周面(7d)を有する外輪(7a)と、
    駆動源に連結されて前記外輪内に回転可能に収容される駆動側回転体(8)と、
    負荷に連結されて前記外輪内に回転可能に収容され、前記駆動側回転体に対し回転方向に所定範囲内で相対回転可能に連結され、外周側壁面の一部に、前記外輪の内周面に対向する制御面(19,31,32,34)が形成された従動側回転体(10)と、
    外形寸法が前記制御面の回転方向の中央部(19a,31a,32a,34a)と前記外輪の内周面間の間隔より短く、且つ前記制御面の回転方向の側部(19b,19c,31b,32b,34b)と前記外輪の内周面間の間隔より長く、前記外輪の内周面と前記制御面との間において、前記外輪の内周面と前記制御面とで狭持される狭持位置、又は、前記外輪の内周面と前記制御面とで狭持されない非狭持位置に配置される転動体(11)とを備え、
    前記駆動側回転体の回転時には、該駆動側回転体の回転により前記転動体を前記非狭持位置に配置して周回させるとともに、前記従動側回転体と回転方向に係合して、該駆動側回転体の回転力を前記従動側回転体に伝達し、
    前記従動側回転体の回転時には、前記転動体を前記狭持位置に配置して、該転動体と前記外輪の内周面との間で所望の摩擦力を発生させ、その状態で該従動側回転体の回転を許容する、又は、前記摩擦力にて該従動側回転体の回転を阻止するようにしたクラッチにおいて、
    前記制御面を、前記中央部が前記両側部を結ぶ直線より径方向外側に配置され、且つ前記中央部と前記側部との間の中間部(19d,31c,32c,34c)が前記中央部と前記側部を結ぶ直線より径方向外側に膨れる弧状となるように形成したことを特徴とするクラッチ。
  3. 請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、
    前記制御面(19)全体を、その中央部(19a)の回転軌跡(A)の径より大きな径の円弧状に膨らむようにしたことを特徴とするクラッチ。
  4. 請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、
    前記制御面(31)の前記中央部(31a)を、平面状に形成したことを特徴とするクラッチ。
  5. 請求項1又は2に記載のクラッチにおいて、
    前記制御面(32)の前記中央部(32a)を、前記外輪の内周面と同心軸の円弧状に形成したことを特徴とするクラッチ。
  6. 請求項1に記載のクラッチにおいて、
    前記係合凸部(33)の周方向側部には、前記転動体が前記外輪の内周面と前記制御面との間から外れることを防止する保持部(35)を設けたことを特徴とするクラッチ。
  7. 請求項2に記載のクラッチにおいて、
    前記転動体は前記外輪に沿って複数設けられ、それら各転動体は、前記従動側回転体が第1の方向(Y)及びそれとは逆の第2の方向(X)に回転するときのいずれの回転時においても、前記狭持位置に配置されることを特徴とするクラッチ。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、前記制御面と前記転動体は、一対一で対応するように設けられたことを特徴とするクラッチ。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載のクラッチにおいて、
    前記転動体を、樹脂材料で形成したことを特徴とするクラッチ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか1項に記載のクラッチを備えたモータ。
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