JP2001214001A - 繊維強化弾性体 - Google Patents

繊維強化弾性体

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JP2001214001A
JP2001214001A JP2000026082A JP2000026082A JP2001214001A JP 2001214001 A JP2001214001 A JP 2001214001A JP 2000026082 A JP2000026082 A JP 2000026082A JP 2000026082 A JP2000026082 A JP 2000026082A JP 2001214001 A JP2001214001 A JP 2001214001A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、生産性に優れ、低コス
トで製造でき、摩擦抵抗に優れ、機械的強度の優れた繊
維強化弾性体を提供すること。 【解決手段】 (A)シンジオタクチック1,
2−ポリブタジエン100重量部と(B)繊維強化熱可
塑性組成物1〜27重量部とを含む繊維強化弾性体にお
いて、(B)繊維強化熱可塑性組成物が(a)ポリオレ
フィン100重量部、(b)エラストマー10重量部〜
400重量部及び(c)主鎖中にアミド基を有する熱可
塑性ポリマー10重量部〜400重量部から得られ、
(a)ポリオレフィンと(b)エラストマーがマトリッ
クスを構成しており、該マトリックス中に(c)主鎖中
にアミド基を有する熱可塑性ポリマーが微細な繊維とし
て分散していることを特徴とする繊維強化弾性体に関す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、作業性がよく、摩
擦抵抗の優れた、機械的強度の優れた繊維強化弾性体に
関する。本発明の繊維強化弾性体は、各種工業用ゴム部
材、ゴムシート、靴底のゴム材などに好ましく用いるこ
とができる。
【0002】
【従来の技術】特開平7−238189号公報には、
(a)ポリオレフィン100重量部、(b)ガラス転移
温度が0℃以下のゴム状ポリマー10〜400重量部、
(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマー10
〜400重量部からなる組成物であって、(1)(a)
成分と(b)成分から構成されてなるマトリックス中に
(c)成分が微細な繊維として分散した構造を有してお
り、(2)(a)成分、(b)成分、及び(c)成分の
各成分が相互に結合している、繊維強化熱可塑性組成物
が開示されている。
【0003】特開平7−278360号公報には、
(A)繊維強化熱可塑性組成物、即ち(a)ポリオレフ
ィン、(b)第1のエラストマー、(c)主鎖中にアミ
ド基を有する熱可塑性ポリマー、からなる組成物であっ
て、(a)成分と(b)成分がマトリックスを構成して
おり、該マトリックス中に(c)成分が微細な繊維とし
て分散しており、且つ、(c)成分が、(a)成分、及
び(b)成分と結合している組成物、及び(B)第2の
エラストマー、を混練してなる繊維強化弾性体であっ
て、且つ第1と第2のエラストマーの合計量100重量
部に対し、ポリオレフィンの割合・・・1〜40重量
部、主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの微細
な繊維の割合・・・1〜70重量部、である繊維強化弾
性体が開示されている。
【0004】特開平9−59431号公報には、成分
(a)のポリオレフィン、成分(b)のガラス転移温度
が0℃以下のゴム状ポリマー及び成分(c)のシランカ
ップリング剤を溶融混練し、又は成分(c)で処理した
成分(a)を成分(b)と溶融混練して、マトリックス
を調製する第1工程、上記マトリックスと成分(d)の
主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーを成分(a)
及び成分(d)のいずれの融点よりも高い温度で溶融混
練し押出して、押出物を調製する第2工程、上記押出物
を成分(d)の融点より低い温度で延伸及び/又は圧延
する第3工程からなることを特徴とする繊維強化熱可塑
性樹脂組成物の製造法が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、生産性に優
れ、低コストで製造でき、摩擦抵抗に優れ、機械的強度
の優れた繊維強化弾性体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題解決のための手段】本発明は、(A)シンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエン100重量部と(B)
繊維強化熱可塑性組成物1〜27重量部とを含む繊維強
化弾性体において、(B)繊維強化熱可塑性組成物が
(a)ポリオレフィン100重量部、(b)エラストマ
ー10重量部〜400重量部及び(c)主鎖中にアミド
基を有する熱可塑性ポリマー10重量部〜400重量部
から得られ、(a)ポリオレフィンと(b)エラストマ
ーがマトリックスを構成しており、該マトリックス中に
(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーが微
細な繊維として分散していることを特徴とする繊維強化
弾性体に関する。
【0007】さらに好ましくは、本発明は、(A)シン
ジオタクチック1,2−ポリブタジエン100重量部と
(B)繊維強化熱可塑性組成物1〜27重量部とを含む
繊維強化弾性体において、繊維強化熱可塑性組成物が
(a)ポリオレフィン100重量部、(b)エラストマ
ー10重量部〜400重量部及び(c)主鎖中にアミド
基を有する熱可塑性ポリマー10重量部〜400重量部
から得られ、(a)ポリオレフィンと(b)エラストマ
ーがマトリックスを構成しており、該マトリックス中に
(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーが微
細な繊維として分散しており、(c)主鎖中にアミド基
を有する熱可塑性ポリマーが(a)ポリオレフィン及び
/又は(b)エラストマーと結合している繊維強化熱可
塑性組成物であることを特徴とする繊維強化弾性体に関
する。
【0008】さらに好ましくは、本発明は、繊維強化熱
可塑性組成物が、(a)ポリオレフィン100重量部、
(b)エラストマー10重量部〜400重量部(c)主
鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマー10重量部〜
400重量部及び(d)シランカップリング剤0.1重
量部〜2重量部から得られることを特徴とする上記に記
載の繊維強化弾性体に関する。
【0009】さらに好ましくは、本発明は、(c)主鎖
中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーが、0.05〜
1.0μmの平均径を有する微細な繊維であることを特
徴とする上記に記載の繊維強化弾性体に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の繊維強化弾性体は、
(A)シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン10
0重量部と(B)繊維強化熱可塑性組成物1重量部、好
ましくは2重量部、さらに好ましくは3重量部、特に好
ましくは5重量部〜27重量部、好ましくは25重量
部、さらに好ましくは23重量部、特に好ましくは18
重量部とを含む繊維強化弾性体において、(B)繊維強
化熱可塑性組成物が(a)ポリオレフィン100重量
部、(b)エラストマー10重量部、好ましくは20重
量部、さらに好ましくは30重量部、特に50重量部〜
400重量部、好ましくは300重量部、さらに好まし
くは250重量部、特に好ましくは200重量部及び
(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマー10
重量部、好ましくは20重量部、さらに好ましくは30
重量部、特に50重量部〜400重量部、好ましくは3
00重量部、さらに好ましくは250重量部、特に好ま
しくは200重量部から得られ、(a)ポリオレフィン
と(b)エラストマーがマトリックスを構成しており、
該マトリックス中に(c)主鎖中にアミド基を有する熱
可塑性ポリマーが微細な繊維として分散していることを
特徴とする繊維強化弾性体である。
【0011】(B)繊維強化熱可塑性組成物において、
(a)ポリオレフィン100重量部に対し、(b)エラ
ストマーの割合が上記範囲より大きい場合、ペレット化
の困難な繊維強化熱可塑性組成物が得られる場合があり
好ましくなく、(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑
性ポリマーの割合が、上記範囲より大きい場合、マトリ
ックス中に(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポ
リマーが微細な繊維として形成されにくい場合があり好
ましくない。
【0012】(B)繊維強化熱可塑性組成物は、さらに
(a)ポリオレフィン100重量部に対し、(d)シラ
ンカップリング剤0.1重量部、好ましくは0.15重
量部、さらに好ましくは0.2重量部、特に好ましくは
0.25重量部〜2重量部、好ましくは1.8重量部、
さらに好ましくは1.6重量部、特に好ましくは1.4
重量部から得られることが好ましい。(B)繊維強化熱
可塑性組成物は、(d)シランカップリング剤を含むこ
とにより、マトリックス中に(c)主鎖中にアミド基を
有する熱可塑性ポリマーが微細な繊維として形成され、
分散されやすくなるために好ましい。
【0013】(B)繊維強化熱可塑性組成物は、(d)
シランカップリング剤と共に(e)ラジカル発生剤を併
用して得ることができる。(e)ラジカル発生剤として
は、1分間の半減期温度が、(a)ポリオレフィンの融
点或いは(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリ
マーの融点のいずれか高い方と同じ温度ないし、この温
度より30℃程高い温度範囲であるものが好ましく用い
られる。具体的には1分間の半減期温度が110〜20
0℃程度のものが好ましい。
【0014】(e)ラジカル発生剤は、(d)シランカ
ップリング剤と共に(a)ポリオレフィン100重量部
に対し、(e)ラジカル発生剤4×10-5モル、さらに
4.2×10-5モル、さらに4.5×10-5モル、特に
5×10-5モル〜1.5×10-3モル、さらに1×10
-3モル、さらに1×10-4モル、特に2×10-4モルの
範囲で併用して用いることが好ましい。
【0015】本発明の繊維強化弾性体は、硫黄などの加
硫剤、さらに必要に応じて加硫助剤を添加して、加硫し
たものも含むことができる。
【0016】(a)ポリオレフィンは、50℃以上、特
に50℃〜200℃のビカット軟化点及び/又は80℃
〜250℃の範囲の融点を有していることが好ましい。
ポリオレフィンとしては、炭素数2〜8のα−オレフィ
ンの単独重合体や共重合体及び、炭素数2〜8のα−オ
レフィンとスチレンやクロロスチレン、α−メチルスチ
レン等の芳香族ビニル化合物との共重合体、炭素数2〜
8のα−オレフィンと酢酸ビニルとの共重合体、炭素数
2〜8のα−オレフィンとアクリル酸或いはそのエステ
ルとの共重合体、炭素数2〜8のα−オレフィンとメタ
アクリル酸或いはそのエステルとの共重合体、及び炭素
数2〜8のα−オレフィンとビニルシラン化合物との共
重合体が好ましく用いられる。具体的には、例えば、高
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレン・プロピレンブロック共重合体、エチレン
・プロピレンランダム共重合体、低密度エチレン・α−
オレフィン共重合体、ポリ4−メチルペンテン−1、ポ
リブテン−1、ポリヘキセン−1、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン
・アクリル酸メチル共重合体、エチレン・アクリル酸エ
チル共重合体、エチレン・アクリル酸プロピル共重合
体、エチレン・アクリル酸ブチル共重合体、エチレン・
アクリル酸2−エチルヘキシル共重合体、エチレン・ア
クリル酸ヒドロキシエチル共重合体、エチレン・ビニル
トリメトキシシラン共重合体、エチレン・ビニルトリエ
トキシシラン共重合体、エチレン・ビニルシラン共重合
体、エチレン・スチレン共重合体、及びプロピレン・ス
チレン共重合体、等がある。又、塩素化ポリエチレンや
臭素化ポリエチレン、クロロスルホン化ポリエチレン等
のハロゲン化ポリオレフィンも好ましく用いられる。こ
れらのポリオレフィンは1種のみで用いてもよく、2種
以上を組み合わせて用いてもよい。
【0017】(b)エラストマーは、室温でゴム状の所
謂エラストマーと呼ばれる高分子ならどのようなもので
も用いることができる。(b)エラストマーは、ガラス
転移点温度が0℃以下のエラストマー、さらにガラス転
移点温度が−5℃以下のエラストマー、特にガラス転移
点温度が−20℃以下のエラストマーが好ましい。
【0018】(b)エラストマーとしては、シンジオタ
クチック1,2−ポリブタジエンを除く、熱可塑性エラ
ストマー、ゴム状エラストマーなどを挙げることが出来
る。熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系エラ
ストマー、スチレン系エラストマー、ポリエステル系エ
ラストマー、ポリアミド系エラストマー等を挙げること
が出来、例えば、ポリオレフィン系エラストマーとして
は、非晶性叉は低結晶性ポリオレフィン−α−オレフィ
ン共重合体、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴムと
の混合物、ポリオレフィン樹脂とオレフィン系ゴムの部
分架橋体との混合物、ポリオレフィン樹脂とオレフィン
系ゴムの完全架橋体との混合物等を、スチレン系エラス
トマーとしては、ブタジエン−スチレン共重合体(ラン
ダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等
の全てを含む)及びその水添物、スチレン−ブタジエン
−スチレン共重合体(SBS)、水添スチレン−ブタジ
エン−スチレン共重合体(SEBS)、イソプレン−ス
チレン共重合体(ランダム共重合体、ブロック共重合
体、グラフト共重合体等の全てを含む)及びその水添
物、水添スチレン−イソプレン共重合体(SEPS)、
水添スチレン−ビニルイソプレン共重合体(V−SEP
S)、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体(SI
S)、水添スチレン−イソプレン−スチレン共重合体
(SEPS)、水添スチレン−ブタジエン−オレフィン
結晶ブロック共重合体(SEBC)等を、ポリエステル
系エラストマーとしては、ポリエステル−ポリエーテル
共重合体、ポリエステル−ポリエステル共重合体等から
なるエラストマーを、ポリアミド系エラストマーとして
は、ポリアミド−ポリエステル共重合体、ポリアミド−
ポリエーテル共重合体等からなる熱可塑性エラストマー
等を挙げることが出来る。
【0019】また、ゴム状エラストマーとしては、天然
ゴム(NR)、ブタジエンゴム(BR)、合成イソプレ
ンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SB
R)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、
エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPD
M)、クロロプレン(CR)、ハロブチルゴム(XII
R)、ブチルゴム(IIR)、 ニトリル・クロロプレ
ンゴム、ニトリル・イソプレンゴム、アクリレート・ブ
タジエンゴム、ビニルピリジン・ブタジエンゴム、ビニ
ルピリジン・スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ク
ロロプレンゴム、スチレン・イソプレンゴム、カルボキ
シル化スチレン・ブタジエンゴム、カルボキシル化アク
リロニトリル・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン
ブロック共重合体、スチレン・イソプレンブロック共重
合体、カルボキシル化スチレン・ブタジエンブロック共
重合体、カルボキシル化スチレン・イソプレンブロック
共重合体等のジエン系ゴム、塩素化ポリエチレン、クロ
ロスルホン化ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重
合体、エチレン・プロピレンゴム、エチレン・プロピレ
ン・ジエン三元共重合体、エチレン・ブテンゴム、エチ
レン・ブテン・ジエン三元共重合体等のポリオレフィン
系ゴム、ポリ塩化三フッ素化エチレン、アクリルゴム、
エチレンアクリルゴム、フッ素ゴム、水素添加NBR等
の、ポリメチレン型の主鎖を有するゴム、エピクロロヒ
ドリン重合体、エチレンオキシド・エピクロロヒドリン
・アリルグリシジルエーテル共重合体、プロピレンオキ
シド・アリルグリシジルエーテル共重合体等、主鎖に酸
素原子を有するゴム、ポリフェニルメチルシロキサン、
ポリジメチルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサ
ン、ポリメチルブチルシロキサン等のシリコーンゴム、
ニトロソゴム、ポリエステルウレタン、ポリエーテルウ
レタン等、主鎖に炭素原子の他窒素原子及び酸素原子を
有するゴムなどのゴム成分およびこれらの混合物が好ま
しい。又、これらのゴムをエポキシ変性したものや、シ
ラン変性、或いはマレイン化したものも用いることが出
来る。
【0020】(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポ
リマーは、熱可塑性ポリアミド及び尿素樹脂などを挙げ
ることが出来る。(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑
性ポリマーは、融点が135℃、さらに150℃、特に
165℃から350℃、さらに300℃、特に265℃
のものが好ましい。(c)主鎖にアミド基を有する熱可
塑性ポリマーは、シランカップリング剤で変性されたも
のが、マトリックス中に(c)主鎖中にアミド基を有す
る熱可塑性ポリマーが微細な繊維として形成され、分散
され易くなるために好ましい。
【0021】熱可塑性ポリアミドとしては、ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合
体、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン46、
ナイロン11、ナイロン12、ナイロンMXD6、キシ
リレンジアミンとアジピン酸との重縮合体、キシリレン
ジアミンとピメリン酸との重縮合体、キシリレンジアミ
ンとスペリン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとア
ゼライン酸との重縮合体、キシリレンジアミンとセバシ
ン酸との重縮合体、テトラメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとテレフタル
酸の重縮合体、オクタメチレンジアミンとテレフタル酸
の重縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとテレ
フタル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとテレフタ
ル酸の重縮合体、ドデカメチレンジアミンとテレフタル
酸の重縮合体、テトラメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、ヘキサメチレンジアミンとイソフタル酸の
重縮合体、オクタメチレンジアミンとイソフタル酸の重
縮合体、トリメチルヘキサメチレンジアミンとイソフタ
ル酸の重縮合体、デカメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、ウンデカメチレンジアミンとイソフタル酸
の重縮合体、及びドデカメチレンジアミンとイソフタル
酸の重縮合体等を挙げることが出来る。特に、熱可塑性
ポリアミドとしては、融点160℃〜265℃の熱可塑
性ポリアミドが好ましく、具体的にはナイロン6、ナイ
ロン66、ナイロン6−ナイロン66共重合体、ナイロ
ン610、ナイロン612、ナイロン46、ナイロン1
1、及びナイロン12等が好ましい。熱可塑性ポリアミ
ドは、10,000〜200,000の範囲の分子量を
有していることが好ましい。
【0022】(A)シンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエンとは、1,2結合量を80%以上、さらに85
%以上、特に90%以上を含むものが好ましい。(A)
シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの融点は5
0℃、さらに60℃、特に70℃〜200℃、さらに1
80℃、特に160℃の範囲のものが好ましい。(シン
ジオタクチック1,2−ポリブタジエンの1,2結合量
は、赤外線分光スペクトルによるモレロ法で測定し、定
量することが出来る。)
【0023】(B)繊維強化熱可塑性組成物において、
(a)ポリオレフィンと(b)エラストマーはマトリッ
クスを形成している。マトリックスとは、(b)エラス
トマーが(a)ポリオレフィン中に島状に分散した構
造、(a)ポリオレフィンが(b)エラストマー中に島
状に分散した構造及び、(a)ポリオレフィンと(b)
エラストマーとが均一に分散した構造より選択された1
以上の構造を有している構造である。(B)繊維強化熱
可塑性組成物において、(a)ポリオレフィンと(b)
エラストマーとは、その界面で互いに結合していること
が好ましい。
【0024】(B)繊維強化熱可塑性組成物において、
(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーが微細
な繊維としてマトリックス中に分散している。さらに、
(B)繊維強化熱可塑性組成物において、60重量%以
上、さらに70重量%以上、さらに80重量%以上、特
に90重量%以上の(c)主鎖にアミド基を有する熱可
塑性ポリマーが、微細な繊維としてマトリックス中に分
散していることが好ましい。(B)繊維強化熱可塑性組
成物において、(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性
ポリマーが、1μm以下の平均繊維径を有する微細な繊
維としてマトリックス中に分散していることが好まし
い。(B)繊維強化熱可塑性組成物において、0.01
μm、さらに0.05μm、特に0.1μm〜1.0μ
m、さらに0.8μm、特に0.5μmの範囲の平均繊
維径を有する微細な繊維としてマトリックス中に分散し
ていることが好ましい。(B)繊維強化熱可塑性組成物
において、(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリ
マーが、10以上、さらに20以上、特に30以上のア
スペクト比(繊維長/繊維径)を有する微細な繊維とし
てマトリックス中に分散していることが好ましい。
【0025】(B)繊維強化熱可塑性組成物において、
(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーが
(a)ポリオレフィン及び/又は(b)エラストマーと
結合していることが、分散され易くなるために好まし
い。(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマー
が(a)ポリオレフィン及び/又は(b)エラストマー
と結合しているとは、(c)主鎖中にアミド基を有する
熱可塑性ポリマーが(a)ポリオレフィン及び/又は
(b)エラストマーと直接及び/又はシランカップリン
グ剤などの他の化合物や元素を介して結合しているこ
と、さらに(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポ
リマーが(a)ポリオレフィン及び/又は(b)エラス
トマーと直接及び/又はシランカップリング剤などの他
の化合物や元素を介して化学結合していることである。
【0026】(B)繊維強化熱可塑性組成物において、
(c)シランカップリング剤で変性された(a)ポリオ
レフィン及び/又は(b)エラストマーが主鎖にアミド
基を有する熱可塑性ポリマーと結合していること、さら
に(c)シランカップリング剤で変性された(a)ポリ
オレフィン及び/又は(b)エラストマーが主鎖にアミ
ド基を有する熱可塑性ポリマーとがシランカップリング
剤を介して結合していることが、分散され易くなるため
に好ましい。(B)繊維強化熱可塑性組成物において、
(c)シランカップリング剤で変性された主鎖にアミド
基を有する熱可塑性ポリマーが(a)ポリオレフィン及
び/又は(b)エラストマーと結合していること、さら
に(c)シランカップリング剤で変性された主鎖にアミ
ド基を有する熱可塑性ポリマーが(a)ポリオレフィン
及び/又は(b)エラストマーとがシランカップリング
剤を介して結合していることが、分散され易くなるため
に好ましい。
【0027】(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性
ポリマーが(a)ポリオレフィン及び/又は(b)エラ
ストマーと結合しているとは、(c)主鎖中にアミド基
を有する熱可塑性ポリマーが(a)ポリオレフィン及び
/又は(b)エラストマーと直接及び/又はシランカッ
プリング剤などの他の化合物や元素を介して結合してい
ること、さらに(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑
性ポリマーが(a)ポリオレフィン及び/又は(b)エ
ラストマーと直接及び/又はシランカップリング剤など
の他の化合物や元素を介して化学結合していることであ
る。
【0028】(d)シランカップリング剤は、一般式
(1)、さらに好ましくは一般式(2)で示されるシラ
ン化合物を用いることが出来る。
【0029】
【化1】 (但し、式中、R1は、γ−メタクリロキシプロピル
基、ビニル基、アルケニル基、γ−アクリロイルオキシ
プロピル基、6−アクリロイルオキシヘキシルトリエト
キシ基、エチニル基、2−プロピニル基、アミノ基、メ
ルカプト基又はエポキシ基を示し、R2,R3,R4は、
メトキシ基、エトキシ基、2−メトキシエトキシ基、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、オクチル基、シクロヘキシル基、アセトキシ基、ベ
ンジル基または、フェニル基を示す。
【0030】
【化2】 (但し、式中、R1は、γ−メタクリロキシプロピル基
が、R2,R3,R4は、メトキシ基、エトキシ基、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、
オクチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基または、フ
ェニル基を示す。)
【0031】上記シランカップリング剤としては、例え
ば、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキ
シエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)3−ア
ミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミ
ノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3
−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グルシドキ
シプロピルトリメトキシシラン、3−グルシドキシプロ
ピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシ
シクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロ
ロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピ
ルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキ
シシラン等を挙げることができる。
【0032】ラジカル発生剤は、ジクミル系化合物、ア
ゾ型などの分解型ラジカル発生剤、過酸化型ラジカル発
生剤などを用いることができる。ラジカル発生剤とし
て、例えば、ジクミルパーオキサイド、ベンゾイルパー
オキサイド、tert−ブチルベンゾエート、ジ−te
rt−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,
5−ジ(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、te
rt−ブチルヒドロパーオキサイド、α,α’−ジ(t
ert−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、
イソプロピルパーカーボネート、過硫酸アンモニウムな
どの過硫酸化合物、ジブチル錫オキサイドなどの四価錫
化合物などを挙げることが出来、これらのうち1種また
は2種以上の組み合わせて使用することができる。
【0033】本発明の繊維強化弾性体及び繊維強化熱可
塑性組成物の製造は、一般に公知の各種混合機や各種混
練機、例えば、樹脂やゴムの混練に通常用いられている
装置を用いて行うことができる。このような装置として
は、バンバリー型ミキサー、ニーダー、ニーダーエキス
トルーダー、オープンロール、一軸混練機、二軸混練機
などが用いられる。これらの装置の中では短時間で且つ
連続的に混練又は溶融混練が行える点で二軸混練機が最
も好ましい。
【0034】(B)繊維強化熱可塑性組成物は、(a)
ポリオレフィン、(b)エラストマー及び(c)主鎖に
アミド基を有する熱可塑性ポリマーを溶融混練する方
法、(a)ポリオレフィンを(b)エラストマーと溶融
混練し、ついで(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性
ポリマーと溶融混練する方法などの方法で製造すること
が出来る。(B)繊維強化熱可塑性組成物は、バンバリ
ー型ミキサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、
オープンロール、一軸混練機、二軸混練機などを用いて
製造することが出来る。
【0035】(B)繊維強化熱可塑性組成物は、例え
ば、特開平9−59431号公報に記載の方法で製造す
ることが出来る。(B)繊維強化熱可塑性組成物は、以
下の3工程で製造することが出来る。 (1)(a)ポリオレフィン、(b)エラストマーと
(d)シランカップリング剤、さらに必要に応じて、ラ
ジカル発生剤を溶融混練し、又は(d)シランカップリ
ング剤、さらに必要に応じてラジカル発生剤とで処理し
た(a)ポリオレフィンを(b)エラストマーと溶融混
練して、マトリックスを調製する第1工程。 (2)上記マトリックスと(c)主鎖にアミド基を有す
る熱可塑性ポリマーとを、(a)ポリオレフィン及び
(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーのいず
れの融点よりも高い温度で溶融混練し押出して、押出物
を調製する第2工程。 (3)上記押出物を(c)主鎖にアミド基を有する熱可
塑性ポリマーの融点より低い温度で混練し、延伸及び/
又は圧延する第3工程。
【0036】上記第2工程において、マトリックスと
(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーとを溶
融、混練する温度は、(c)主鎖にアミド基を有する熱
可塑性ポリマーの融点以上である必要がある。(c)主鎖
にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの融点よりも低い
温度で溶融、混練を行っても、混練物は、マトリックス
中に(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの
微細な粒子が分散した構造にはならず、従って、上記第
3工程での延伸及び/又は圧延しても、(c)主鎖にア
ミド基を有する熱可塑性ポリマーは微細な繊維にはなり
得ないからである。又、混練温度は、(c)主鎖にアミ
ド基を有する熱可塑性ポリマーの融点以上であって、且
つ(a)ポリオレフィンの融点以上の温度が好ましい。
【0037】上記第2工程で得られた溶融混練物を、紡
糸口金或いはインフレーションダイ又はTダイから押し
出し、次いでこれを第3工程の延伸及び/又は圧延す
る。
【0038】この第3工程においては、溶融混練物中の
(c)主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの微粒
子を繊維形状に変換させて、繊維強化熱可塑性組成物を
得る。従って、溶融、混練及び押出は(c)主鎖にアミ
ド基を有する熱可塑性ポリマーの融点以上の温度で実施
する必要があり、延伸及び/又は圧延は(c)主鎖にア
ミド基を有する熱可塑性ポリマーの融点よりも低い温度
で実施する必要がある。
【0039】第3工程においての押出物の延伸は、例え
ば、混練物を紡糸口金から押し出して紐状乃至糸状に紡
糸し、これをドラフトを掛けつつボビン等に巻き取る等
の方法で実施できる。押出物を延伸する際のドラフト比
は1.5、さらに好ましくは3〜100、さらに好まし
くは50の範囲とすることが好ましい。ドラフト比と
は、押しだし口金を通過する押出物の速度に対する巻き
取り速度の比である。
【0040】押出物の圧延は、圧延ロール等で連続的に
圧延することによっても実施できる。得られる紐状、糸
状、あるいはテープ状のままの形状でもよく、あるいは
ペレタイザーによりペレット状にしてもよい。
【0041】本発明の繊維強化弾性体は、特開平7−2
78360号公報に記載する方法で製造することが出来
る。例えば、(B)繊維強化熱可塑性組成物と(A)シ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンとを混練する
ことにより製造することができる。(B)繊維強化熱可
塑性組成物と(A)シンジオタクチック1,2−ポリブ
タジエンとの混練温度は、繊維強化熱可塑性組成物中の
マトリックスを構成する(a)ポリオレフィンの融点よ
り高い温度が好ましく、且つ繊維強化熱可塑性組成物中
の微細な短繊維を構成する主鎖にアミド基を有する熱可
塑性ポリマーの融点より低い温度が好ましく、また、
(A)1,2シンジオポリブタジエンの融点以上の温度
が好ましい。
【0042】繊維強化熱可塑性組成物中のマトリックス
を構成する(a)ポリオレフィンの融点以下の温度で混
練すると、繊維強化熱可塑性組成物は、(A)シンジオ
タクチック1,2−ポリブタジエンの中に分散しないま
たはしにくくなるために好ましくない。
【0043】繊維強化熱可塑性組成物中の微細な短繊維
を構成する主鎖にアミド基を有する熱可塑性ポリマーの
融点より高い温度で混練すると、繊維強化熱可塑性組成
物中の微細な短繊維が溶けて球状の粒子等に変形する可
能性が高いために好ましくない。
【0044】(A)1,2シンジオポリブタジエンの融
点以下の温度で混練すると、繊維強化熱可塑性組成物が
(A)シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン中に
分散しにくくなるため好ましくない。
【0045】(B)繊維強化熱可塑性組成物と(A)シ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの混練におい
て、繊維強化熱可塑性組成物はペレット状のものを用い
ることが好ましい。ペレット状の繊維強化熱可塑性組成
物を用いることにより、繊維強化熱可塑性組成物は
(A)シンジオタクチック1,2−ポリブタジエンと均
一に混練しやすくなり繊維が均一に分散した繊維強化弾
性体が容易に得られるためである。
【0046】(B)繊維強化熱可塑性組成物と(A)シ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンとの混練方法
は、樹脂やゴムに通常使用される装置で行うことができ
る。例えば、このような装置としては、バンバリー型ミ
キサー、ニーダー、ニーダーエキストルーダー、オープ
ンロール、スクリュー型単軸押出機、スクリュー型二軸
押出機などが挙げられる。
【0047】(B)繊維強化熱可塑性組成物と(A)シ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンの混練におい
て、必要に応じて、各種加硫剤及び加硫助剤を一緒に混
練してもよい。このときの加硫剤の量は、(A)シンジ
オタクチック1,2−ポリブタジエン100重量部に対
して0.1重量部、さらに0.5重量部〜5.0重量部、
さらに3.0重量部の範囲が好ましい。加硫助剤の量
は、(A)シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン
100重量部に対して0.01重量部、特に0.1重量
部〜2.0重量部、特に1.0重量部の範囲が好ましい。
【0048】加硫剤としては、公知の加硫剤、例えば硫
黄、有機過酸化物、樹脂加硫剤、酸化マグネシウム等の
金属酸化物等が用いられる。加硫助剤としてはアルデヒ
ド・アンモニア類、アルデヒド・アミン類、グアニジン
類、チオウレア類、チアゾール類、チウラム類、ジチオ
カルバメ−ト、キサンテート等が用いられる。
【0049】本発明の繊維強化弾性体に各種加硫剤及び
加硫助剤を一緒に混練する場合の加硫温度は、100〜
180℃が好ましい。但し、加硫温度は、繊維強化弾性
体中の微細な繊維を構成する主鎖中にアミド基を有する
熱可塑性ポリマーの融点よりも低い温度で行うことが好
ましい。
【0050】本発明の繊維強化弾性体は、用途に応じ
て、高級脂肪族アミド、金属せっけん、グリセリンエス
テル等の滑剤、天然シリカ、合成シリカ、タルク、珪藻
土等のアンチカレンダータッキング剤、フェノール系、
りん系、BHT等の酸化防止剤、ベンゾフェノン、ベン
ゾトリアゾール、HALS等の紫外線吸収剤、水酸化ア
ルミニウム、水酸化マグネシウム、りん系、ハロゲン系
等の難燃剤、セルロース繊維を除くシリカ、炭酸カルシ
ウム、マイカ、カーボンブラック等の無機・有機充填
剤、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、酸化
鉄、群青等の顔料、帯電防止剤、界面活性剤、抗菌剤、
含硫黄系酸化防止剤、含燐系酸化防止剤などの安定剤な
どを添加することができる。
【0051】本発明の繊維強化弾性体は、用途に応じ
て、上記のポリオレフィン、熱可塑性エラストマー、主
鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマー及び1,2−
シンジオタクテックポリブタジエンを除く他のポリマー
成分を目的に応じて添加することができる。
【0052】本発明の繊維強化弾性体の50%モジュラ
スは、5.5MPa以上、さらに6MPa以上、特に
6.5MPa以上が好ましい。本発明の繊維強化弾性体
の100%モジュラスは、5.5MPa以上、さらに6
MPa以上、特に6.5MPa以上が好ましい。本発明
の繊維強化弾性体の降伏応力は、5.5MPa以上、さ
らに6MPa以上、さらに6.5MPa以上、特に7M
Pa以上が好ましい。本発明の繊維強化弾性体の引張強
度は、5MPa以上、さらに6MPa以上、さらに10
MPa以上、特に12MPa以上が好ましい。本発明の
繊維強化弾性体の伸びは、200%以上、さらに300
%以上、特に400%以上が好ましい。本発明の繊維強
化弾性体のドライでのスキッド抵抗値は、84以上、さ
らに85以上、さらに86を超えて、さらに87以上、
特に88以上が好ましい。
【0053】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0054】特性値は次のようにして測定した。 (1)繊維強化熱可塑性組成物中の(c)成分の分散形
状の観察:繊維強化熱可塑性組成物のペレットを138
℃以上のホットキシレンで還流し、ポリオレフィン及び
エラストマーを抽出、除去した後、残った固形物を電子
顕微鏡で観察した。 (2)繊維強化弾性体のモジュラス、引張強度、降伏応
力、及び伸び:繊維強化弾性体を150℃の熱プレスを
用いて、厚み2mmのシートを作製した。繊維強化弾性
体のシートをJIS3号ダンベルで打ち抜き、得られた
試験片をJISK6251に準拠して測定した。 (3)繊維強化弾性体のスキッド抵抗(ドライ)の測定
方法:繊維強化弾性体のドライスキッドを振子式による
滑り摩擦試験機のポータブルスキッドレジスタンステス
ターを用いて測定した。測定する際の相手材料として、
磨りガラスを使用した。測定方法は、繊維強化弾性体を
150℃の熱プレスを用いて、幅25mm×長さ75m
m×厚み5mmのドライスキッド用試験片を作製した。
ついで、得られた試験片の表面を粒度280の粗いシー
トペーパーで試験片表面を研磨し測定した。
【0055】[実施例1および2と比較例1]原料とし
て、(a)成分として高密度ポリエチレン(京葉ポリエ
チレン株式会社製:M3800、融点130〜135
℃、メルトフローレート8g/10分)を用い、(b)
成分として天然ゴム(NR、SMR−L)、(c)成分
としてナイロン6(宇部興産製:宇部ナイロン1030
B、融点215〜220℃、分子量30,000)、
(A)シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン(J
SR株式会社製:RB830、1,2結合量93%、融
点93℃、メルトフローレート3g/10分)を用い
た。
【0056】・繊維強化熱可塑性組成物の製造 高密度ポリエチレン100重量部、(d)成分のγーメ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0重量
部、および天然ゴム100重量部とをバンバリー型ミキ
サーで溶融混練して、マトリックス成分を調製した。こ
れを170℃でダンプを行い、その後ぺレット状とし
た。ついで、前記のマトリックス成分とナイロン6 1
00重量部を235℃に加温した二軸押出機で溶融混練
し、混練物をペレット化した。これを240℃に加温し
た二軸押出機で紐状に押しだし、ドラフト比10で引き
取りつつペレタイザーでペレット化し、ペレット状の繊
維強化熱可塑性組成物を得た。
【0057】ペレット状の繊維強化熱可塑性組成物をキ
シレン還流下でソックスレー抽出を行い、高密度ポリエ
チレン及び天然ゴムを除去後、残留物を得た。残留物を
赤外分光スペクトル法で測定した結果、ナイロン6に帰
属するピークを確認した。また、残留物を400MHz
1H−NMRで測定し、結果を図1に示す。図1よ
り、ナイロン6(3.14ppmと3.16ppm)、
高密度ポリエチレン及び天然ゴム(1.74ppm)に
帰属するピークを確認でき、ナイロン6と高密度ポリエ
チレン及び/又は天然ゴムとが結合していることを確認
した。さらに、残留物を走査型電子顕微鏡で観察した結
果、残留物の80%以上は、平均繊維径が0.2〜0.
3μmの範囲、アスペクト比50以上の繊維で有ること
を確認した。
【0058】・繊維強化弾性体の製造 表1に示す割合の(A)シンジオタクチック1,2−ポ
リブタジエン(JSR株式会社製:RB830、1,2
結合量93%、融点93℃、メルトフローレート3g/
10分)およびペレット状の繊維強化熱可塑性組成物と
を50℃にセットしたバンバリー型ミキサーに投入し、
130℃〜170℃の範囲に温度を制御しながら4分間
混練を行い、繊維強化弾性体を得た。
【0059】得られた繊維強化弾性体は、目視により観
察で、繊維強化熱可塑性組成物がシンジオタクチック
1,2−ポリブタジエン中に均一に分散していた。さら
に、ナイロン6の微細な繊維も(A)シンジオタクチッ
ク1,2−ポリブタジエン中に均一に分散していた。得
られた繊維強化弾性体のモジュラス(50%、100
%)、引張強度、降伏応力及び伸びの機械的強度とドラ
イスキッド抵抗値を測定し、結果を表1に示した。
【0060】[比較例2](A)シンジオタクチック
1,2−ポリブタジエン(JSR株式会社製:RB83
0、1,2結合量93%、融点93℃、メルトフローレ
ート3g/10分)を50℃にセットしたバンバリー型
ミキサーに投入し、130℃〜170℃の範囲に温度を
制御しながら4分間混練を行った。得られた加熱後のシ
ンジオタクチック1,2−ポリブタジエンのモジュラス
(50%、100%)、引張強度、降伏応力及び伸びの
機械的強度とドライスキッド抵抗値を測定し、結果を表
1に示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【発明の効果】本発明の繊維強化弾性体は、生産性に優
れ、低コストで製造でき、摩擦抵抗に優れ、モジュラ
ス、降伏応力、引張強度及び伸びなどの機械的特性の優
れた繊維強化弾性体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 繊維強化熱可塑性組成物の繊維の400MH
z・1H−NMRスペクトル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 101:00 C08L 101:02) 101:02) C08K 5/54 Fターム(参考) 4F072 AB06 AD02 AD04 AE06 AF21 AK04 AL01 4J002 AC012 AC032 AC041 AC082 AC092 AC112 BB034 BB052 BB062 BB064 BB074 BB084 BB104 BB124 BB152 BB154 BB174 BB182 BB242 BB244 BB272 BB274 BD122 BG042 BN142 BP012 CF102 CH042 CK032 CK042 CL013 CL032 CL033 CL053 CP032 FA043 FB092 FB094

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)シンジオタクチック1,2−ポリブ
    タジエン100重量部と(B)繊維強化熱可塑性組成物
    1〜27重量部とを含む繊維強化弾性体において、
    (B)繊維強化熱可塑性組成物が(a)ポリオレフィン
    100重量部、(b)エラストマー10重量部〜400
    重量部及び(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポ
    リマー10重量部〜400重量部から得られ、(a)ポ
    リオレフィンと(b)エラストマーがマトリックスを構
    成しており、該マトリックス中に(c)主鎖中にアミド
    基を有する熱可塑性ポリマーが微細な繊維として分散し
    ていることを特徴とする繊維強化弾性体。
  2. 【請求項2】(A)シンジオタクチック1,2−ポリブ
    タジエン100重量部と(B)繊維強化熱可塑性組成物
    1〜27重量部とを含む繊維強化弾性体において、繊維
    強化熱可塑性組成物が(a)ポリオレフィン100重量
    部、(b)エラストマー10重量部〜400重量部及び
    (c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマー10
    重量部〜400重量部から得られ、(a)ポリオレフィ
    ンと(b)エラストマーがマトリックスを構成してお
    り、該マトリックス中に(c)主鎖中にアミド基を有す
    る熱可塑性ポリマーが微細な繊維として分散しており、
    (c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性ポリマーが
    (a)ポリオレフィン及び/又は(b)エラストマーと
    結合している繊維強化熱可塑性組成物であることを特徴
    とする繊維強化弾性体。
  3. 【請求項3】繊維強化熱可塑性組成物が、(a)ポリオ
    レフィン100重量部、(b)エラストマー10重量部
    〜400重量部(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑
    性ポリマー10重量部〜400重量部及び(d)シラン
    カップリング剤0.1重量部〜2重量部から得られるこ
    とを特徴とする請求項1〜2のいずれか1項に記載の繊
    維強化弾性体。
  4. 【請求項4】(c)主鎖中にアミド基を有する熱可塑性
    ポリマーが、0.05〜1.0μmの平均径を有する微
    細な繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の繊維強化弾性体。
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