JP2001210033A - ディスク装置のヘッド位置決め制御方法及び装置 - Google Patents

ディスク装置のヘッド位置決め制御方法及び装置

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JP2001210033A
JP2001210033A JP2000321037A JP2000321037A JP2001210033A JP 2001210033 A JP2001210033 A JP 2001210033A JP 2000321037 A JP2000321037 A JP 2000321037A JP 2000321037 A JP2000321037 A JP 2000321037A JP 2001210033 A JP2001210033 A JP 2001210033A
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    • G11B5/5521Track change, selection or acquisition by displacement of the head across disk tracks
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  • Moving Of Head For Track Selection And Changing (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ディスク記憶媒体を読み取るヘッドを、所定
位置に位置決めするためのヘッド位置決め方法及び装置
に関し、整定制御時のバイアス推定値を正確に推定す
る。 【解決手段】 ディスク媒体(6)と、ヘッド(4)
と、アクチュエータ(3)と、制御回路(19)とを有
する記憶装置において、検出位置に基づき、積分補償又
はバイアス補償を行わないコアース制御した後、整定制
御する。次のサンプルでの前記ヘッドの位置を推定し、
前記検出位置と前記推定位置との差から、バイアス初期
値を推定し、前記バイアス初期値を用いて、積分補償又
はバイアス補償を伴う整定制御を行う。積分補償又はバ
イアス補償を行わない制御における検出位置と前記推定
位置との差から整定開始時のバイアス初期値を推定する
ため、同一の目標位置で異なるバイアス値を示しても、
整定制御のバイアス初期値が正確に設定される。これに
より、整定制御時にバイアスのずれを補正する時間が短
縮できるため、整定制御に要する時間を大幅に短縮でき
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディスク装置のヘ
ッドを目標位置に位置決めする位置決め制御方法及び装
置に関し、特に、シーク時間を短縮するための位置決め
制御方法及び装置に関する。
【0002】ヘッドにより、ディスク記憶媒体を読み取
るディスク装置は、広く利用されている。例えば、コン
ピュータの記憶装置として、利用されている磁気ディス
クドライブは、磁気ディスクと、磁気ディスクを回転す
るスピンドルモータと、磁気ディスクをリード/ライト
する磁気ヘッドと、磁気ディスクのトラックに磁気ヘッ
ドを位置つけるVCMアクチュエータとを備えている。
このディスクドライブの記録密度が飛躍的に増大してお
り、磁気ディスクのトラック密度が増加している。この
ため、高精度の位置決めを高速に行うことが必要とな
る。
【0003】
【従来の技術】コンピュータから記録・再生コマンドを
受けると、ディスクドライブは、磁気ヘッドを現在位置
から目標位置に移動する。これをシーク動作という。こ
のシーク動作は、コアース制御後、整定制御を経て、フ
ォロイング制御に移行する動作である。
【0004】コアース制御は、目標位置への速度制御で
ある。コアース制御は、速度制御、PD制御、又は定常
バイアス推定を含まないオブザーバ制御等により構成さ
れている。制御系の中に、積分要素(積分補償又はバイ
アス補償)が含まれない。コアース制御は、加速、定
速、減速と、制御モードを切り替える。この加速モード
は、電流を流し、速度を速くする制御である。定速モー
ドは、電流を「0」または、事前に測定しておいたバイ
アス補正電流を流して、速度を一定速度に保つ制御であ
る。減速モードは、電流を加速時とは反対方向に流し、
速度を目標位置付近でゼロに近くする制御である。距離
が小さい場合には、定速モードは含まれない。
【0005】フォロイング制御は、磁気ヘッドを目標位
置に追従する制御である。フォロイング制御は、PID
制御、PI×LeadLag、定常バイアス推定を含む
オブザーバ制御等で構成される。制御系の中に、積分要
素(積分補償又はバイアス補償)が含まれることが特長
である。整定制御は、コアース制御とフォロイング制御
とのつなぎを行うための制御モードである。整定制御で
は、制御系に積分要素を含むことがある。
【0006】このシーク動作に要する時間、平均シーク
タイムは、2.5インチHDDで10数ミリ秒が要求さ
れている。コアース制御に要する時間は、移動距離、パ
ワーアンプの最大電流値により決定され、短縮は困難で
ある。シークタイムを短縮するためには、整定制御に要
する時間を短縮する必要がある。
【0007】この整定時間を短くするため、従来は、次
の方法が提案されていた。
【0008】第1に、整定時間に影響するものとして、
アクチュエータにかかる定常バイアス(外力)がある。
即ち、アクチュエータには、定常バイアス(外力)が常
に外部から与えられている。アクチュエータからヘッド
の信号を取り出すには、FPC(フレキシブルケーブ
ル)が取り付けられている。このFPCはバネ特性を示
す。又、アクチュエータには、ディスクが回転すること
により、発生する風が加わる。更に、アクチュエータの
ベアリングの摩擦やグリースの影響もある。このような
要因によるアクチュエータにかかるバイアス値は、ヘッ
ドの位置に応じて変化する。このバイアス値を補正しな
いと、整定時間が長くなる。
【0009】このため、従来は、各位置での平均的なバ
イアス値を事前に測定して、テーブルに格納しておき、
テーブルから検出位置y(k)に応じたバイアステーブル値
BiasTable(y[k]) を読み出し、指示電流値u(k)を補正す
るようにしていた(例えば、特開平2ー232875号
公報、特開平11ー25623号公報等)。
【0010】又、バイアス値は変動するため、このバイ
アス値のずれを、整定制御時に、推定して、指示電流値
を補正する方法も知られている。このずれは、制御ルー
プ内の積分器やバイアス推定器により補正される。オブ
ザーバ制御系を用いた場合には、整定開始時に、オブザ
ーバの初期値に、現在の位置と、速度を設定し、バイア
ス推定値に「0」を設定する方法が行われている。バイ
アス推定値を「0」に初期化しているのは、整定開始時
に、バイアス値のずれが判らないため、「0」を設定し
たものであった。この方法では、電流出力は、状態フィ
ードバック電流と、事前に測定したテーブルのバイアス
値との和を出力するため、状態フィードバックの応答に
従い、バイアス推定値も序々に収束するため、位置も目
標位置へ収束する。
【0011】第2に、整定制御時のフィードバック応答
特性を変化することにより、整定時間を短くすることも
試みられている。例えば、整定制御時に、ループ内の積
分器ゲインを「0」にする又は小さくする方法(例え
ば、特開平2ー278582号公報等)や、整定制御時
に、ループ内の積分器の出力にリミットを設ける方法
(例えば、特開平11ー16308号公報等)や、整定
制御時に、ループ内のゲインを高くする方法(特開平7
ー153211号公報、特開平1ー133272号公報
等)が知られている。
【0012】又、整定制御や短距離シークにおいて、フ
ィードフォワード電流を流し、その位置ずれ分を目標軌
道で修正するフィードフォワード制御を用いて、整定制
御や短距離シークに要する時間を短縮することが提案さ
れている。例えば、特開平9−139032号公報、文
献「Fast Seek Control Taming Actuator Vibrati
ons for Magnetic Disk Drives」(IEEE Inte
rmag 99)の提案である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術では、次の問題があった。図56は、定常バイアスの
特性図である。
【0014】(1) 図56に示すように、定常バイアス値
は、ヘッドの位置に応じて変化するだけでなく、過去に
どの場所にヘッドが位置していたかに応じて、同じトラ
ック位置でも、そのバイアス値は異なる。即ち、図56
に示すように、ヒステリシス特性を持つ。このため、従
来の、平均的なバイアス値を持つバイアステーブルを用
いた方法では、バイアス値のずれが大きい。例えば、
2.5インチのHDDでは、1〜3mAの誤差を生じ
る。その誤差は事前に推定できないため、補正は不可能
であった。このため、整定制御に、フィードバック制御
系において、このバイアス値のずれを補正する時間が必
要となり、整定時間を短くできないという問題があっ
た。
【0015】(2) 又、従来のバイアス推定器を用いる方
法は、このバイアス値のずれを推定して、補正するもの
である。しかし、整定開始時のバイアス推定値が判らな
いため、バイアス推定値の初期値を「0」としている。
このため、バイアス推定値が正しい値に収束するのに時
間がかかる。又、この収束までの時間は、バイアス値が
ずれているため、そのずれ分を推定、補正しようとし
て、オーバーシュート又はアンダーシュートが生じる。
このため、バイアス値が正しく推定できるまでに時間が
かかるため、整定時間を短くできないという問題があっ
た。
【0016】(3) 更に、従来の整定制御時の応答特性を
変化する方法では、フィードバック制御系の動特性は改
善されるが、位置誤差が大きくなり、位置オフセットを
生じて、整定時間を短くできない。又、バイアス値のず
れを補正することが必要となるため、整定時間を短くで
きないという問題があった。
【0017】(4)前述のフィードフォワード制御では、
フィードフォワード開始時の速度を考慮せず、例えば、
ゼロと仮定している。そして、速度誤差は、フィードバ
ック制御で抑圧するという思想であった。ところが、ト
ラック幅が狭くなり、微小な外部振動でも、速度の影響
が無視できなくなった。速度誤差が大きい場合には、収
束に時間がかかり、速度誤差を目標時間内に収めること
が難しいという問題が生じる。この速度誤差の影響は、
特に短距離シークにおいて、大きく、通常のフィードバ
ック制御では、収束時間が2〜3msかかる。短距離シ
ークは、例えば、1トラックシークで1ms以下が要求
されるため、速度誤差の影響が大きいという問題があ
り、収束時間を短縮できないという問題があった。
【0018】本発明の目的は、シーク時間を短縮するた
めのヘッド位置決め制御方法及び装置を提供するにあ
る。
【0019】又、本発明の他の目的は、定常バイアスの
推定を高速且つ正確に行い、整定時間を短くするための
ヘッド位置決め制御方法及び装置を提供するにある。
【0020】本発明の他の目的は、定常バイアスの推定
を高速且つ正確に行い、整定時間のバラツキを小さくす
るためのヘッド位置決め制御方法及び装置を提供するに
ある。
【0021】本発明の更に他の目的は、整定制御時にフ
ィードフォワード制御して、整定時間を短くするための
ヘッド位置決め制御方法及び装置を提供するにある。
【0022】本発明の更に他の目的は、初期速度、初期
位置に応じた目標軌道を与えて、高速なシーク動作を行
うためのヘッド位置決め制御方法及び装置を提供するに
ある。
【0023】
【課題を解決するための手段】この目的の達成のため、
本発明のディスク装置のヘッド位置決め制御方法の一態
様は、前記ヘッドの現在位置に基づき、積分補償又はバ
イアス補償を行わないコアース制御を行うステップと、
次のサンプルでの前記ヘッドの位置を推定し、前記検出
位置と前記推定位置との差から、バイアス初期値を推定
するステップと、前記バイアス初期値を用いて、積分補
償又はバイアス補償を伴う整定制御を行うステップとを
有する。
【0024】本発明のディスク装置のヘッド位置決め制
御装置の一態様は、前記ヘッドの現在位置を検出する検
出手段と、前記アクチュエータを、前記検出位置に基づ
き、積分補償又はバイアス補償を行わないコアース制御
した後、整定制御する制御手段とを有し、前記制御手段
は、次のサンプルでの前記ヘッドの位置を推定し、前記
検出位置と前記推定位置との差から、バイアス初期値を
推定し、前記バイアス初期値を用いて、積分補償又はバ
イアス補償を伴う整定制御を行う。
【0025】従来の整定制御方法では、定常バイアスの
ずれに対する影響を回避できなかった。即ち、バイアス
値が同じ目標位置でありながら、異なる値を示すことか
ら、定常バイアスのずれの影響を回避できない。この問
題を解決するには、整定開始時のバイアス値を正確に推
定する必要がある。
【0026】本発明は、積分補償又はバイアス補償を行
わない制御では、検出位置と前記推定位置との差が、バ
イアス値に比例することから、積分補償又はバイアス補
償を行わない制御における検出位置と前記推定位置との
差から整定開始時のバイアス初期値を推定するものであ
る。このため、同一の目標位置で異なるバイアス値を示
しても、積分補償又はバイアス補償を行う整定制御のバ
イアス初期値が正確に設定される。これにより、整定制
御時にバイアスのずれを補正する時間が短縮できるた
め、整定制御に要する時間を大幅に短縮できる。
【0027】積分補償又はバイアス補償を行う整定制御
のバイアス初期値が正確に設定されるため、シーク時間
のバラツキを防止できる。
【0028】本発明のヘッド位置決め制御方法では、好
ましくは、前記整定制御を行うステップは、前記整定開
始時の初期位置又は初期速度に比例した目標軌道とフィ
ードフォワード電流の少なくとも一方を、前記整定制御
を行う制御系に供給するステップを有する。
【0029】本発明のヘッド位置決め制御装置では、好
ましくは、前記制御手段は、前記整定開始時の初期位置
又は初期速度に比例した目標軌道とフィードフォワード
電流の少なくとも一方を、前記整定制御を行う制御系に
供給する。
【0030】この本発明の態様では、整定制御時に、フ
ィードフォワード制御を用いるものである。従来は、フ
ィードバック制御系のみで解決しようとしていたため、
応答を速くできない。この態様では、フィードフォワー
ド制御により応答時間を積極的に短縮するものである。
又、単にフィードフォワード制御しても、時間を短縮で
きない。この態様では、整定開始時の初期位置又は初期
速度に比例した目標軌道とフィードフォワード電流との
少なくとも一方を生成することにより、整定時間を短縮
するものである。
【0031】本発明のヘッド位置決め制御方法では、好
ましくは、前記整定制御を行うステップは、オブザーバ
制御により整定制御を行うステップである。オブザーバ
制御は、制御対象、即ち、アクチュエータの動きを正確
に予測でき、観測できない速度の値を推定することがで
きる。又、状態フィードバック制御を実現でき、閉ルー
プ特性の極配置を設計できる。従って、整定制御にオブ
ザーバ制御を用いることにより、高精度のフィードバッ
ク制御が可能となり、整定時間の短縮に効果がある。
【0032】又、本発明の他の態様は、ヘッドをディス
クの所定位置に位置決めするためのディスク装置のヘッ
ド位置決め制御方法において、前記ヘッドの現在位置及
び現在速度に基づき、位置軌道及びフィードフォワード
電流を生成するステップと、前記ヘッドの現在位置と目
標位置との位置誤差により制御量を算出するフィードバ
ック制御系に、前記位置軌道とフィードフォワード電流
とを供給するステップとを有する。
【0033】本発明の他の態様のアクチュエータを駆動
して、ヘッドをディスクの所定位置に位置決めするため
のディスク装置のヘッド位置決め制御装置は、前記ヘッ
ドの現在位置を検出する検出手段と、前記アクチュエー
タを、前記検出位置に基づき、シーク制御する制御手段
とを有し、前記制御手段は、前記ヘッドの現在位置及び
現在速度に基づき、位置軌道及びフィードフォワード電
流を生成し、前記ヘッドの現在位置と目標位置との位置
誤差により制御量を算出するフィードバック制御系に、
前記位置軌道とフィードフォワード電流とを供給する。
【0034】この本発明の他の態様では、短距離シーク
時及び整定制御時等に、フィードフォワード制御するた
め、高速応答が可能となる。しかも、初期位置の他に初
期速度も軌道生成のパラメータとしているため、初期速
度が異なっても、収束時間を短縮できるフィードフォワ
ード制御が可能となる。
【0035】本発明の位置制御方法では、好ましくは、
供給ステップは、前記位置誤差を前記位置軌道で修正す
るステップと、前記修正された位置誤差から前記フィー
ドバック制御系が算出する前記制御量に前記フィードフ
ォワード電流を加えるステップとからなることにより、
有効な高速応答を実現できる。
【0036】更に、本発明の位置制御方法では、好まし
くは、前記生成ステップは、比較的短距離のシーク時
に、又は比較的長距離のシークにおける整定制御時に実
行するステップである。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、ディスク装置、
位置決め制御系、位置決め制御処理、バイアス推定の実
施例、他の実施の位置決め制御、別の実施の形態の位置
決め制御、軌道生成方法、軌道制御の実施例、他の実施
の形態に分けて、説明する。
【0038】[ディスク装置]図1は、本発明の一実施
の態様のディスク装置の上面図、図2は、そのディスク
装置の断面図である。この例では、ディスク装置とし
て、ハードディスク装置を例にしてある。
【0039】図1及び図2に示すように、磁気ディスク
6は、基板(円板)に磁気記録層を設けて構成される。
磁気ディスク6は、2.5インチの大きさであり、ドラ
イブ内に、3枚設けられている。スピンドルモータ5
は、磁気ディスク6を支持し、且つ回転する。磁気ヘッ
ド4は、アクチュエータに設けられている。アクチュエ
ータは、回転型VCM(ボイスコイルモータ)3と、ア
ーム8と、フレクチャー(サスペンション)9を有す
る。フレクチャー9の先端に、磁気ヘッド4が取り付け
られている。
【0040】磁気ヘッド4は、磁気ディスク6のデータ
を読み取り、データを書き込む。アクチュエータ3は、
磁気ヘッド4を磁気ディスク6の所望のトラックに位置
付ける。アクチュエータ3及びスピンドルモータ5は、
ドライブベース2に設けられる。カバー1は、ドライブ
ベース2を覆い、ドライブ内部を外部から隔離する。プ
リント板7は、ドライブベース2の下に設けられ、ドラ
イブの制御回路を搭載する。コネクタ10は、ドライブ
ベース2の下に設けられ、制御回路と外部とを接続す
る。
【0041】このドライブは、小型であり、横、90m
m、縦、63mm、幅、10mm程度である。従って、
ノートパソコンの内蔵ディスクとして使用される。
【0042】図3は、プリント板7及びドライブ内に設
けられた制御回路のブロック図である。HDC(ハード
ディスクコントローラ)18は、ホストCPUの各種コ
マンドの授受、データの授受等のホストCPUとのイン
ターフェース制御及び磁気ディスク媒体上の記録再生フ
ォーマットを制御するための磁気ディスク装置内部の制
御信号の発生等を行う。バッファ17は、ホストCPU
よりのライトデータの一時的な記憶及び磁気ディスク媒
体よりのリードデータの一時的な記憶に使用される。
【0043】MCU(マイクロコントローラ)19は、
マイクロプロセッサ(MPU)、メモリ、DAコンバー
タ、ADコンバータ等で構成されている。MCU(以
下、MPUという)19は、磁気ヘッドの位置決めのた
めのサーボ制御(位置決め制御)等を行う。MPU19
は、メモリに記憶されたプログラムを実行して、サーボ
復調回路16よりの位置信号を認識し、位置決めのため
のアクチュエータ3のVCM制御電流の制御値を計算す
る。更に、MPU19は、SPM駆動回路14の駆動電
流の制御を行う。
【0044】VCM駆動回路13は、VCM(ボイスコ
イルモータ)3に駆動電流を流すためのパワーアンプで
構成される。SPM駆動回路14は、磁気ディスクを回
転するスピンドルモータ(SPM)5に駆動電流を流す
ためのパワーアンプで構成される。
【0045】リードチャネル15は、記録再生を行うた
めの回路である。リードチャネル15は、ホストCPU
よりのライトデータを磁気ディスク媒体6に記録するた
めの変調回路、パラレルシリアル変換回路、磁気ディス
ク媒体6よりデータを再生するための復調回路、シリア
ルパラレル変換回路等を有する。サーボ復調回路16
は、磁気ディスク媒体6に記録されたサーボパターンを
復調する回路であり、ピークホールド回路、積分回路等
を有し、MPU19に位置信号を出力する。
【0046】尚、図示されていないが、ドライブHDA
内には、磁気ヘッド4に記録電流を供給するライトアン
プと、磁気ヘッド4よりの再生電圧を増幅するプリアン
プとを内蔵したヘッドICが設けられている。
【0047】ここでは、ディスク装置として、磁気ディ
スク装置を例に説明しているが、DVD、MO等の光デ
ィスク装置等を用いても良く、リード/ライト可能な装
置で示しているが、リードオンリーの装置(再生装置)
を用いても良い。
【0048】[位置決め制御系]次に、MPU19が実
行する位置決め制御系について説明する。
【0049】図4は、シーク動作の遷移図、図5は、オ
ブザーバのモデル図である。
【0050】図4に示すように、シーク動作は、コアー
ス制御、整定制御、フォロイング制御と遷移する。コア
ース制御は、目標位置への速度制御である。コアース制
御は、速度制御、PD制御、又は定常バイアス推定を含
まないオブザーバ制御等により構成されている。制御系
の中に、積分要素(積分補償又はバイアス補償)が含ま
れない。速度の単位は、SI単位系なら、メートル/s
ecである。しかし、ディスク装置の場合、データを記
録再生する単位が、トラックであるので、1サンプル当
たりの移動トラック数、トラック/サンプルで表現され
る。
【0051】図4に示すように、コアース制御は、加
速、定速、減速と、制御モードを切り替える。この加速
モードは、電流を流し、速度を速くする制御である。定
速モードは、電流を「0」またはバイアス補正値を加え
るようにして、速度を一定速度に保つ制御である。減速
モードは、電流を加速時とは反対方向に流し、速度を目
標位置付近でゼロに近くする制御である。距離が小さい
場合には、定速モードは含まれない。
【0052】フォロイング制御は、磁気ヘッドを目標位
置に追従する制御である。フォロイング制御は、PID
制御、PI×LeadLag、定常バイアス推定を含む
オブザーバ制御等で構成される。制御系の中に、積分要
素(積分補償又はバイアス補償)が含まれることが特長
である。目標位置の単位は、SI単位系なら、メートル
である。しかし、ディスク装置の場合、データを記録再
生する単位が、トラックであるので、トラック又はシリ
ンタで表現される。
【0053】整定制御は、コアース制御とフォロイング
制御とのつなぎを行うための制御モードである。整定制
御では、制御系に積分要素を含む。
【0054】次に、本発明の位置決め制御に好適なオブ
ザーバ制御を説明する。オブザーバ制御とは、状態フィ
ードバック制御を実現するための制御対象モデルをシュ
ミレーションする手段である。ハードディスクドライブ
(HDD)のアクチュエータは、(1)式の伝達関数で
表現される。
【0055】
【数1】 尚、yは位置、Blは力定数、mは質量、sはラプラス
演算子、uは駆動電流値である。ここでは、回転型の応
答を、直進型に変換して表現している。
【0056】この伝達関数表現を、状態方程式で表現す
ると、次の(2)式となる。
【0057】
【数2】 尚、x、yは位置、vは速度である。
【0058】この式は、SI単位であり、位置はメート
ル、速度はm/s、電流はAである。しかし、実際の装
置では、目標位置は、トラック単位であり、速度もサン
プル周期を、T(s)とした時に、トラック/サンプル
という単位で表現したほうが都合が良い。更に、電流も
出力をDAC(デジタルアナログコンバータ)に設定す
るため、最大電流を「1」に正規化するのが好都合であ
る。このようにして、単位を変換すると、(2)式は、
次の(3)式に変換される。但し、状態変数は、新たな
単位に変換したものとする。
【0059】
【数3】
【0060】このアナログモデルを、離散系のデジタル
モデルに変換すると、次の(4)式を得る。
【0061】
【数4】 尚、Ka=Bl/mである。
【0062】この式を基に、オブザーバ制御系を構成す
ることができる。実際にオブザーバ制御を適用するに
は、次の(5)式の現在オブザーバの構成を用いる。
【0063】
【数5】
【0064】この式をモデル化したものが、図5のモデ
ル図である。図5を基に、説明する。今回の推定位置x
hat[k]、推定速度v hat[k]は、前回サンプル時に計算し
た今回の推定位置x bar[k]、推定速度v bar[k]と、観測
位置(検出位置)y(k)と推定位置x bar[k]との差に、ゲ
インL を乗じたものとの加算から得る。指示電流値u(k)
は、今回の推定位置x hat[k]、推定速度v hat[k]にゲイ
ンFを乗じて得る。出力電流値u out(k)は、指示電流値
u(k)に、バイアステーブル値BiasTable(y[k])を加算し
て得る。
【0065】この指示電流値u(k)による次回のサンプル
時の推定位置x bar[k +1]、推定速度v bar[k +1]を、
今回の推定位置x hat[k]、推定速度v hat[k]と、指示電
流値u(k)とから計算する。
【0066】バイアステーブル値BiasTable(y[k]) は、
事前に測定された平均的なバイアス値であり、テーブル
に格納されている。この制御系は、コアース制御で使用
される。コアース制御でも、平均的なバイアス値が補正
されるため、バイアスによる速度誤差は少ない。
【0067】次に、整定制御及びフォロイング制御で使
用されるバイアス値の推定を含むオブザーバ制御系を説
明する。アナログのプラントモデル((3)式)に、定
常バイアスのモデル、即ち、下記(6)式、を加速度の
単位で加える。更に、離散化して、前述と同様に、現在
オブザーバを構成すると、下記(7)式のオブザーバ制
御系が得られる。
【0068】 sB=0 (6)
【0069】
【数6】
【0070】この(7)式は、図5のモデル図に、バイ
アスBを加速度で加えたものであり、モデル図として
は、同一となる。
【0071】即ち、今回の推定位置x hat[k]、推定速度
v hat[k]、推定バイアス値b hat[k]は、前回サンプル時
に計算した今回の推定位置x bar[k]、推定速度v bar
[k]、推定バイアス値b bar[k]と、観測位置(検出位
置)y(k)と推定位置x bar[k]との差に、ゲインL を乗じ
たものとの加算から得る。指示電流値u(k)は、今回の推
定位置x hat[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b
hat[k]にゲインFを乗じて得る。出力電流値u out(k)
は、指示電流値u(k)に、バイアステーブル値BiasTable
(y[k]) を加算して得る。
【0072】この指示電流値u(k)による次回のサンプル
時の推定位置x bar[k +1]、推定速度v bar[k +1]、推
定バイアス値b bar[k +1]を、今回の推定位置x hat
[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b hat[k]と、
指示電流値u(k)とから計算する。
【0073】このオブザーバ制御系の構成は、整定制御
及びフォロイング制御で使用される。定常バイアスを推
定して、補正するので、位置誤差のDC成分は「0」と
なる。オブザーバゲイン(L1、L2)又は(L1、L
2、L3)、及び状態フィードバックゲイン(Fx、F
v)又は(Fx、Fv、Fb)は、最適制御理論又は極
配置法により求める。
【0074】次に、本発明の整定制御を説明する。図6
は、本発明の一実施の形態の整定制御のモデル図、図7
及び図8は、定常バイアス推定を含まないオブザーバ制
御系のバイアス値に対する応答のシュミレーション図、
図9は、バイアスに対する実位置と推定位置とのずれの
関係図、図10は、バイアスに対する実速度と推定速度
のずれ関係図である。
【0075】図6に示すように、オブザーバ20に対
し、初期バイアス推定器21が設けられている。初期バ
イアス推定器21を説明する。
【0076】整定制御の直前のコアース制御の減速モー
ドでは、積分器(又はバイアス推定器)を含まない制御
系を構成している。整定制御及びフォロイング制御で
は、積分器(又はバイアス推定器)を含む制御系を構成
する。初期バイアス推定器21は、整定開始時又は整定
開始直前に、オブザーバ20の観測位置x bar[k]と実際
の位置y[k]との差分を求め、その位置誤差に、予定のゲ
インKxをかけて、初期バイアス値を計算し、初期バイア
ス値を、オブザーバ20に設定する。更に、位置誤差に
ゲインKvをかけたものを、オブザーバ20の推定速度
v bar[k]に加えて、推定速度を補正する。尚、図6で
は、検出位置y[k](絶対位置)から目標位置Yoを差し引
いたものを、実位置(相対位置)y[k]としている。尚、
検出位置y[k]は、前述の磁気ヘッド4の位置信号から得
られる。
【0077】この原理を説明する。前述の積分器(又は
バイアス推定器)を含まない制御系(コアース制御系)
では、バイアス値が加わると、オブザーバの位置及び速
度の推定値にずれが生じる。しかも、そのずれは、バイ
アス値に比例する。従って、位置誤差を求めれば、バイ
アス値が推定できる。
【0078】図7及び図8は、状態フィードバックの極
を330Hzとしたした時の定常バイアス推定を含まな
いオブザーバ制御系のバイアス値に対する応答をシミュ
レーションした図である。図7は、初期位置、初期速度
が0とした時の、+4mAの定常バイアスを加えた時
の、指示電流U(%)、位置P(トラック)、速度V
(トラック/サンプル)、(実位置y−観測位置x)、
(実速度v−推定速度vhat)の時間応答を示す。図
8は、初期位置がー32トラック、初期速度が10トラ
ック/サンプルとした時の、+4mAの定常バイアスを
加えた時の、指示電流U(%)、位置P(トラック)、
速度V(トラック/サンプル)、位置誤差(実位置y−
観測位置x)、速度誤差(実速度v−推定速度vha
t)の時間応答を示す。尚、図7及び図8において、位
置P(トラック)、速度V(トラック/サンプル)に、
2つの線があるのは、上側が推定位置又は推定速度、下
側が実位置又は実速度である。
【0079】図7及び図8のどちらの図でも、実位置と
推定位置との位置誤差、及び実速度と推定速度との速度
誤差は、同じ応答を示す。又、1.5ms経過後は、一
定値を示している。その値は、バイアス値が4mAの
時、位置誤差が、0.47トラック、速度誤差は、0.
40トラック/サンプルである。
【0080】このバイアス値Biasと、位置誤差Position
Offset 及び速度誤差Velocity Offset との関係をシュ
ミレーションすると、図9のバイアス値Biasと、位置誤
差Position Offset の関係、図10のバイアス値Bias
と、速度誤差Velocity Offsetとの関係が得られる。こ
のように、バイアス値Biasに対し、推定位置のずれ(位
置誤差Position Offset )及び推定速度のずれ(速度誤
差Velocity Offset )は、比例の関係を示す。この事
は、定常バイアス推定を含まないオブザーバ制御系で
は、実位置とオブザーバの推定位置との誤差が判れば、
バイアス値を推定できることを示している。
【0081】従って、実位置とオブザーバの推定位置と
の誤差を、整定開始時に測定し、その誤差を基に、バイ
アス値を推定できる。バイアス値b bar[k]は、下記
(8)式によりえることができる。 b bar[k]=Kx・(y[k] ーx bar[k]) (8)
【0082】同じく、速度誤差分も補正できる。補正さ
れた推定速度v bar[k]は、下記(9)式により得ること
ができる。 v bar[k]=v bar[k]+Kv・(y[k] ーx bar[k]) (9) 尚、シーク方向に応じて、ゲインKx、Kvの符号を切り替
える必要がある。
【0083】このバイアス推定値は、前述のように、定
常バイアス推定を含まないオブザーバ制御系で得ること
ができる。このため、定常バイアス推定を含むオブザー
バ制御が行われる整定制御の前に、即ち、整定開始時又
は整定開始直前に、初期値として計算する。以降、この
初期値を利用して、定常バイアス推定を含むオブザーバ
制御により整定制御する。
【0084】このようにして、バイアス値を正確に推定
できる。これにより、シーク時のバイアス値のバラツキ
に伴うシーク時間のバラツキを抑制できる。このため、
平均シーク時間は短縮される。例えば、平均シーク時間
が、2.5インチHDDで10ms程度とすることがで
きる。
【0085】又、ここでは、オブザーバの推定位置を使
用して、バイアス値を推定している。しかし、オブザー
バの推定位置は、前の位置+速度+電流値で表現され
る。又、速度が十分小さい場合には、オブザーバの推定
位置は、前の位置+電流値で表現される。この式に従う
と、オブザーバの推定位置を使用しなくても良い。即
ち、前のサンプルの位置から次のサンプルの位置を推定
する式のみ同様に計算しても良い。
【0086】次に、本発明では、整定時間を更に短縮す
るため、フィードフォワード制御を、整定制御時に使用
している。即ち、バイアス値を推定するだけでは、応答
が制御系の帯域又は状態フィードバックの極に依存して
いるため、整定時間の短縮に限りがある。例えば、状態
フィードバックの極を500Hzに配置した場合に、収
束は、1/500=2msかかる。
【0087】この応答を速くするため、フィードフォワ
ード制御を、整定制御に導入する。このため、図6に示
すように、軌道生成器22を設けている。軌道生成器2
2は、整定開始時の初期位置x0と初期速度v0に応じ
た目標軌道及びフィードフォワード電流(以下、FF電
流という)を生成し、制御系に与えるものである。
【0088】この目標軌道及びフィードフォワード電流
は、初期位置x0と初期速度v0に応じて、軌道及び電
流を生成する必要がある。このための軌道及び電流は予
め設計しておく。この制御では、電流アンプのカットオ
フ周波数の影響及びアクチュエータの共振の影響を考慮
した設計を行う必要がある。
【0089】図11は、軌道及びFF電流を設計するた
めのブロック図、図12は、アクチュエータの共振を抑
止するFIRフィルタの特性図、図13(A)及び図1
3(B)は基本波の説明図、図14乃至図17は、設計
軌道の説明図である。
【0090】先ず、目標位置に対する軌道は、次のよう
にして、設計する。図11に示すように、共振周波数成
分を除去するFIRフィルタ51を用意する。このFI
Rフィルタ51に基本波発生器50から任意の波形を流
して、FF電流を設計する。このようにして設計された
電流波形は、共振の周波数成分が除去されている。
【0091】このFIRフィルタ51は、共振の周波数
の零点をもつようにする。これにより、その零点の周波
数成分がゼロ又は減衰する。そこで、このFIRフィル
タ51を通して、任意の波形を与えれば、FIRフィル
タ51から出力される波形は、共振周波数付近のゲイン
が抑圧された波形となる。図11に示すように、位置軌
道は、FIRフィルタ51を通した電流を、プラントモ
デル52に与えて、得る。
【0092】図12は、5.8kのアクチュエータ共振
を抑止するFIRフィルタ51の周波数特性図である。
ここでは、5.7kHz及び5.9kHzに近接して2
つの周波数に零点をおき、5.8kHz付近の広い範囲
の周波数成分の除去を狙ったものである。零点は、1つ
でもよいし、複数の異なる箇所に配置しても良い。
【0093】次に、軌道は、位置軌道と速度軌道の2つ
に分ける。即ち、初期位置が1トラックで、初期速度が
0トラック/サンプルの場合の軌道(位置軌道)と、初
期位置が0トラックで、初期速度が1トラック/サンプ
ルの場合の軌道(速度軌道)とである。そして、初期位
置がX0トラックで、初期速度がV0トラック/サンプ
ルの場合の軌道は、2つの軌道に、X0とV0のゲイン
をかけて、合成する。このようにすると、任意の初期位
置、初期速度に対する軌道を、1つの単位軌道の合成に
より得ることができる。
【0094】更に整定制御用の目標軌道の生成方法、ア
クチュエータの共振周波数成分を制御する軌道を生成す
る方法について説明する。
【0095】共振周波数をFr(Hz)とおく。共振周
波数に個体差、経年・温度変化がある場合には、平均的
な値を採用する。この時に以下の式で求まる値を求め
る。ただし、サンプル周期をT(s)とする。ただし、
ここで述べるサンプル周期は電流を切りかえる時間間隔
である。位置を検出する周期とは異なる場合がある。
【0096】 ω=2π・Fr S2+2ζωs+ω2=0 Z0=exp(sT) Z0は共振周波数に対応したフィルタの零点を離散系で
表現したものである。Z0は1つではなく、2つ求ま
り、複素数である。ここでは、Z01,Z02と標記し
ておく。
【0097】このZ0を零点として持つFIRフィルタ
を考える。 F(z)=(1-Z01Z-1)(1-Z02Z-1)=1-(Z01+Z02)Z-1+Z01Z02Z-2
【0098】この特性はノッチフィルタと同等になる。
図12は5.7kHzおよび5.9kHzで、ζを0と
おいて計4つの零点:Z0を設計して、合成した(フィ
ルタを直列接続した)ものである。このフィルタに基本
波を流すと、フィルタの出力は、共振周波数成分が制御
された波形を得ることができる。ここでは、基本波とし
ては、図13(A)の矩形波を流すことにより、整定制
御用の初期位置に対応した軌道生成(FF電流、位置軌
道)を得る。また、同じ矩形波でも、図13(B)の波
形を流し、初期速度に対応した軌道生成(FF電流、位
置軌道)を得る。
【0099】位置軌道の設計は、移動後に位置が初期位
置だけ移動し、電流及び速度がゼロになる軌道を設計す
ることにより得られる。又、初期速度に対する軌道の設
計は、速度がゼロ、位置もゼロになる軌道を設計すれば
良い。
【0100】即ち、位置に対する軌道は、適当な電流を
流し、軌道を設計する。電流値を移動距離で除算するこ
とにより、距離1トラックに対する電流を設計できる。
図14に示すように、初期速度がゼロで、1トラック移
動するための電流、速度、位置の軌道をシュミレーショ
ンにより得る。
【0101】次に、一定速度を与える電流を設計する。
電流を流し終えた後は、一定速度を維持する。その一定
速度で距離を除算することにより、1トラック/サンプ
ルを与える軌道が求まる。図15は、1トラック/サン
プルの速度を得るための電流、速度、位置の軌道を示
す。
【0102】次に、初期条件を、0トラック、1トラッ
ク/サンプルとした時に、マイナス方向に、前記軌道を
与えた時の到達位置を求める。図16は、初期位置が0
で、初期速度が1トラック/サンプルの状態から、速度
を0にするための電流、速度、位置の軌道を示す。この
到達位置を0にするように、前記位置軌道を加えること
により、初期位置が0トラックで、初期速度が1トラッ
ク/サンプルで、終了後に、0トラック、0トラック/
サンプルとなる軌道を設計できる。図17は、初期位置
が0トラックで、初期速度が1トラック/サンプルで、
終了後に、0トラック、0トラック/サンプルとなる軌
道(電流、速度、位置値)を示す。
【0103】このようにして、初期条件が、1トラック
で、初期速度が0トラック/サンプルで、終了条件が、
0トラック、0トラック/サンプルとなる軌道と、初期
条件が、0トラックで、初期速度が1トラック/サンプ
ルで、終了条件が、0トラック、0トラック/サンプル
となる軌道との2つの軌道を設計できる。
【0104】図6は、図で示した軌道の内、電流と位置
を制御系に与える例を、示している。即ち、軌道生成器
22は、電流の軌道と、目標位置の軌道を持つ。このた
め、電流の単位軌道発生器36、38と、目標位置の単
位軌道発生器30、31とを設ける。そして、クロック
源により、目標位置の単位軌道発生器30、31を駆動
し、乗算器32、33及び加算器34により、整定開始
時の初期位置X0及び初期速度V0に比例した、目標位
置軌道を生成する。この目標位置軌道は、目標値とし
て、オブザーバ20の前段の加算器23に与えられ、検
出位置との差をとり、オブザーバ20に観測位置として
入力される。
【0105】同様に、クロック源により、電流の単位軌
道発生器36、38を駆動し、乗算器37、39及び加
算器40により、整定開始時の初期位置X0及び初期速
度V0に比例した、目標電流軌道を生成する。この目標
電流軌道は、フィードフォワード電流として、オブザー
バ20の出力段の加算器24に与えられる。
【0106】このようにして、整定制御時に、フィード
フォワード制御するため、高速応答が可能となる。又、
軌道設計時に、電流アンプの特性を含め、且つ共振の影
響も考慮するため、フィードフォワード制御しても、高
速応答が可能となる。
【0107】[位置決め制御処理]次に、MPU19が
実行して、好適なプログラムによる位置決め制御処理を
説明する。図18は、位置決め制御のタスクの制御フロ
ー図、図19は、そのコアース制御処理フロー図、図2
0は、その整定制御処理フロー図、図21は、そのフォ
ローイング制御フロー図である。
【0108】先ず、図18により、位置決め制御処理を
説明する。
【0109】(S1)オントラック開始コマンドを受け
ると、このタスク処理を実行する。先ず、目標値y0が
変化したかを判定する。
【0110】(S2)目標値y0が変化していない場合
には、フォローイング制御(図20にて後述する)を実
行して、ステップS1に戻る。
【0111】(S3)目標値y0が変化した場合には、
目標値y0までの距離が、4トラック以下かを判定す
る。
【0112】(S4)目標値y0までの距離が、4トラ
ック以下でない場合は、コアース制御(図19にて後述
する)を実行して、ステップS3に戻る。
【0113】(S5)目標値y0までの距離が、4トラ
ック以下であると、所定の整定条件を満足しているかを
判定する。所定の整定条件を満足している場合には、ス
テップS2のフォロイング制御に移行する。この判定条
件については、図20の整定制御で説明する。
【0114】(S6)所定の整定条件を満足していない
場合には、整定制御(図20にて後述する)を実行し
て、ステップS5に戻る。
【0115】従って、シーク処理においては、コアース
制御し、距離が4トラック以内になると、整定制御に移
行し、整定条件を満足すると、フォロイング制御に移行
する。
【0116】次に、図19によりコアース制御を説明す
る。このコアース制御は、オブザーバーを使用した速度
制御である。
【0117】(S10)今回の推定位置x bar[k]を、距
離(y[k]−y0) に初期化する。尚、y[k]は、ヘッド4か
ら得た検出位置(現在位置)であり、y0は、目標位置で
ある。
【0118】(S11)距離(y[k]−y0) に応じた目標
速度vobj[k] を、図4で示したコアース制御の速度カー
ブに従い、計算する。
【0119】(S12)そして、今回の推定位置x hat
[k]、推定速度v hat[k]を、前回サンプル時に計算した
今回の推定位置x bar[k]、推定速度v bar[k]と、観測位
置(検出位置)y(k)と推定位置x bar[k]との差に、ゲイ
ンL を乗じたものとの加算から得る。下記に計算式を示
す。 x hat[k]=x bar[k]+L4(y[k] −x bar[k]) v hat[k]=v bar[k]+L5(y[k] −x bar[k])
【0120】(S13)指示電流値u[k]を、今回の推定
速度v hat[k]と目標速度vobj[k] との差(速度誤差)に
ゲインFを乗じて得る。出力電流値u out(k)は、指示電
流値u(k)に、バイアステーブル値BiasTable(y[k]) を加
算して得る。下記に計算式を示す。 u[k]=−F4(v hat[k]−vobj[k]) u out[k]=u(k)+BiasTable(y[k])
【0121】(S14)この指示電流値u(k)による次回
のサンプル時の推定位置x bar[k +1]、推定速度v bar
[k +1]を、今回の推定位置x hat[k]、推定速度v hat
[k]と、指示電流値u(k)とから計算する。計算式を下記
に示す。 x bar[k +1]=x hat[k]+v hat[k]+Am/2・u(k) v bar[k +1]=v hat[k]+Am・u(k)
【0122】(S15)距離(y[k] −y0) が、4トラッ
ク以下かを判定する。距離(y[k] −y0) が、4トラック
以下なら、整定制御に移行する。尚、理解の容易のため
に、図17の移行条件を重複して記載してある。
【0123】(S16)距離(y[k]−y0) が、4トラッ
ク以下でないなら、次のサンプルまで待ち、ステップS
11に戻る。
【0124】このようにして、コアース制御する。
【0125】次に、図20により整定制御を説明する。
この整定制御は、定常バイアスを推定するオブザーバー
制御である。
【0126】(S20)整定開始時に初期値を設定す
る。先ず、推定速度v bar[k]を、現在速度V0に設定す
る。この時、前述したように、観測位置y[k]と推定位置
x bar[k]との差により、補正する。即ち、前述の(9)
式により、推定速度v bar[k]の初期値を得る。 v bar[k]=v bar[k]+Kv・(y[k]−x bar[k]) (9)
【0127】又、実位置とオブザーバの推定位置との誤
差を基に、前述の(8)式により、バイアス値の初期値
を計算する。 b bar[k]=Kx・(y[k] −x bar[k]) (8)
【0128】更に、推定位置x bar[k]を、現在位置X0
(=y[k])に設定する。次に、前述のフィードフォワー
ド期間を示すカウント値Count を「1」に初期化する。
【0129】(S21)カウント値Count が「N」(フ
ィードフォワード終了値)を越えているかを判定する。
【0130】(S22)カウント値Count が「N」を越
えていない場合には、軌道テーブル(図6のブロック3
0、31)からカウント値Count に応じた単位軌道値Px
Table[Count]、PvTable[Count]を読み出し、初期位置X
0、初期速度V0に応じた軌道値Prefを、下記式により計
算する。
【0131】 Pref=X0・PxTable[Count]+V0・PvTable[Count]
【0132】又、電流テーブル(図6のブロック36、
38)からカウント値Count に応じた単位電流値UxTabl
e[Count]、UvTable[Count]を読み出し、初期位置X0、初
期速度V0に応じた電流値Uff を、下記式により計算す
る。 Uff =X0・UxTable[Count]+V0・UvTable[Count] 更に、カウント値Count を「1」インクリメントする。
【0133】(S23)逆に、カウント値Count が
「N」を越えている場合には、フィードフォワード期間
が終了したため、軌道値Pref、電流値Uff に「0」を設
定する。
【0134】(S24)そして、今回の推定位置x hat
[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b hat[k]を、
前回サンプル時に計算した今回の推定位置x bar[k]、推
定速度v bar[k]、推定バイアス値b bar[k]と、観測位置
(検出位置)y(k)と推定位置xbar[k]と軌道値Prefの差
に、ゲインL を乗じたものとの加算から得る。下記に計
算式を示す。 x hat[k]=x bar[k]+L1(y[k] −x bar[k]−Pref) v hat[k]=v bar[k]+L2(y[k] −x bar[k]−Pref) b hat[k]=b bar[k]+L3(y[k] −x bar[k]−Pref)
【0135】(S25)指示電流値u[k]を、今回の推定
位置x hat[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b ha
t[k]にゲインFを乗じて得る。更に、出力電流値u out
(k)は、指示電流値u(k)に、バイアステーブル値BiasTab
le(y[k]) とFF電流値Uff とを加算して得る。下記に
計算式を示す。 u[k]=−F1・x hat[k]−F2・v hat[k]−F3・b hat[k] u out[k]=u(k)+BiasTable(y[k]) +Uff
【0136】(S26)この指示電流値u(k)による次回
のサンプル時の推定位置x bar[k +1]、推定速度v bar
[k +1]、推定バイアス値b bar[k +1]を、今回の推定
位置xhat[k]、推定速度v hat[k]と、推定バイアス値b h
at[k]と、指示電流値u(k)とから計算する。計算式を下
記に示す。 x bar[k +1]=x hat[k]+v hat[k]+b hat[k]+Ka/2・
u(k) v bar[k +1]=v hat[k]+2 ・b hat[k]+Ka・u(k) b bar[k +1]=b hat[k]
【0137】(S27)整定完了かを判定する。例え
ば、距離(y[k]−y0) が、0.1トラック以内の状態に
なったら(リード時)、又は0.1トラック以内の状態
が所定サンプル続いたら(ライト時)、整定完了と判断
する。整定完了なら、整定完了を通知(リード/ライト
を許可)して、終了する。即ち、図17のフォロイング
制御に移行する。尚、理解の容易のために、図17の移
行条件を重複して記載してある。整定完了でない場合に
は、ステップS21に戻る。このようにして、整定制御
する。
【0138】次に、図21によりフォロイング制御を説
明する。このフォロイング制御は、定常バイアスを推定
するオブザーバー制御である。
【0139】(S30)先ず、今回の推定位置x hat
[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b hat[k]を、
前回サンプル時に計算した今回の推定位置x bar[k]、推
定速度vbar[k]、推定バイアス値b bar[k]と、観測位置
(検出位置)y(k)と推定位置x bar[k]の差に、ゲインL
を乗じたものとの加算から得る。下記に計算式を示す。 x hat[k]=x bar[k]+L1(y[k] −x bar[k]) v hat[k]=v bar[k]+L2(y[k] −x bar[k]) b hat[k]=b bar[k]+L3(y[k] −x bar[k])
【0140】(S31)指示電流値u[k]を、今回の推定
位置x hat[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b ha
t[k]にゲインFを乗じて得る。更に、出力電流値u out
(k)は、指示電流値u(k)に、バイアステーブル値BiasTab
le(y[k]) とを加算して得る。下記に計算式を示す。 u[k]=−F1・x hat[k]−F2・v hat[k]−F3・b hat[k] u out[k]=u(k)+BiasTable(y[k])
【0141】(S32)この指示電流値u(k)による次回
のサンプル時の推定位置x bar[k +1]、推定速度v bar
[k +1]、推定バイアス値b bar[k +1]を、今回の推定
位置xhat[k]、推定速度v hat[k]と、推定バイアス値b h
at[k]と、指示電流値u(k)とから計算する。計算式を下
記に示す。 x bar[k +1]=x hat[k]+v hat[k]+b hat[k]+Ka/2・
u(k) v bar[k +1]=v hat[k]+2 ・b hat[k]+Ka・u(k) b bar[k +1]=b hat[k]
【0142】n (S33)そして、次のサンプルを待
ち、ステップS30に戻る。
【0143】このようにして、フォロイング制御が行わ
れる。又、フォロイング制御の各ステップは、整定制御
のステップS24〜26と同一の内容であるため、共通
のフローとすることもできる。
【0144】[バイアス推定の実施例]次に、実験結果
を示す。図22、図23は、従来の整定制御(バイアス
初期値を「0」に設定したオブザーバ制御)の応答波形
を示し、図24、図25は、本発明による整定制御の応
答波形を示す。
【0145】図22は、従来の整定制御の電流、観測位
置、制御モードを示し、図23は、従来の整定制御のバ
イアス推定値、制御モードを示す。図22から判るよう
に、整定時の位置の収束に、4ms程度かかる。この原
因としては、図23に示すように、バイアス推定値の収
束に、3ms程度かかっているためである。このよう
に、位置の収束時間が長くなるのは、バイアス推定値が
整定開始時に、正しい値を示さないためである。
【0146】図24は、本発明による整定制御のバイア
ス推定値、制御モードを示し、図25は、本発明による
整定制御の電流、観測位置、制御モードを示す。図24
から判るように、整定開始時から、正しいバイアス値を
示している。又、このバイアス値は、整定開始直後から
殆ど変動せず、一定の値を示している。更に、図25に
示すように、整定開始から4サンプルの間、初期位置及
び初期速度に応じたFF電流と目標位置軌道を与えてい
る。このため、目標位置に高速に到達している。この例
では、2.5msで整定している。尚、図22の従来例
では、4msかかっている。平均シーク時間が、例え
ば、10msであると、この1.5msの改善は、大き
い。
【0147】次に、2.5インチのHDDにおいて、1
万回のシークを行った時の整定時間のバラツキを実験し
た。図26は、従来の整定制御の整定時間のヒストグラ
ム、図27は、本発明の整定制御の整定時間のヒストグ
ラムである。尚、距離は、1024トラックである。シ
ーク制御の方式、条件は、同一として、整定制御のみを
変えたものである。
【0148】図26に示すように、従来の整定制御の整
定時間は、バラツキがある。このため、平均値も3.1
msと長い。図27に示すように、従来の整定制御の整
定時間は、バラツキが少なく、平均値は、2.5msと
なった。平均値で、0.6msもの時間が短縮できた。
更に、バラツキも少ない。
【0149】[他の実施の形態の位置決め制御]図28
は、本発明の他の実施の形態の位置決め制御系のモデル
図である。この実施の形態では、コアース制御に速度制
御を用い、整定制御、フォロイング制御に、PID制御
を用いるものである。
【0150】コアース制御では、位置差分による速度生
成を行う。即ち、実速度v[k]を、次の式により得る。 v[k]=y[k]−y[k −1]
【0151】又、目標位置y0までの残り距離(y[k]−y0)
で、速度テーブルを参照して、目標速度VelTable(y[k]
−y0) を生成し、速度誤差をフィードバックして、電
流指示値u[k]を得て、出力電流値u out[k]を得る。
【0152】 u[k]=−F ・(v[k] −VelTable(y[k]−y0)) u out[k]=u[k]+BiasTable(y[k]) この時、次のサンプルでの位置y hat[k +1]を推定す
る。 y hat[k +1]=y[k]+v[k]+Am/2・u[k]
【0153】整定制御時には、PIDレギュレータを使
用する。即ち、次の式により、位置、微分、積分の各成
分を求めて、ゲインをかけて、電流を生成する。 x[k]=y[k]−y0 v[k]=x[k]−x[k−1] xi[k] =xi[k−1]+x[k] u[k]=−Fp・x[k]−Fi・xi[k]−Fv・v[k]
【0154】整定開始時に、前述の(8) 式により、バイ
アス値b[k]を推定し、PIDレギレータの積分項の初期
値にセットする。
【0155】このように、オブザーバーを使用しない制
御系にも適用できる。
【0156】更に、本発明の別の実施の形態を説明す
る。図29は、本発明の別の実施の形態のモデル図であ
る。
【0157】図6の制御系において、FF制御の変形例
を示し、図6と同一のものは同一の記号で示してある。
先ず、図6のモデル(軌道生成器)22は、位置x[k]、
速度v[k]、電流u[k]の3つを計算する。このモデル22
の構成は基本的に図6のものと同一であるが、ただし、
速度v[k]も生成するのが異なる。この時に、図のように
フィードバック系を構成する。まず、差分器26で目標
軌道生成器22の(位置、速度)x[k],v[k]とオブザー
バ20,21の位置、速度とを各々差分をとり、フィー
ドバックゲイン(−F)をかけて、軌道からのずれに対
するフィードバック電流を生成する。加算器24で、こ
れに、FF電流u[k]を加える。
【0158】図30は、本発明の更に別の実施の形態の
モデル図であり、図29の変形例を示す。
【0159】モデル22の目標位置x[k]と目標速度v[k]
にフィードバックゲイン(F)をかけてから、電流とし
て系に加える。即ち、加算器25により、FF電流u[k]
とこの電流とを加算し、加算器24に加える。このよう
にすれば、電流値のみをテーブルとして保存すればよく
なる。即ち、初期位置に対するFF電流と初期速度に対
するFF電流の2つである。目標位置軌道を持つ必要が
なくなる。
【0160】[別の実施の形態の位置決め制御]次に、
図6で説明した軌道制御を更に詳細に説明する。図31
は、本発明の別の実施の形態の位置決め制御系のブロッ
ク図、図32は、図31の長距離シーク制御(コアース
制御)のブロック図、図33は、図31の追従制御のブ
ロック図、図34は、図31の短距離/整定制御のブロ
ック図、図35は、図31の軌道テーブルの構成図であ
る。
【0161】図31に示すように、位置決め制御系は、
制御信号生成器44と、長距離シーク制御部43と、短
距離シーク/整定制御部41と、追従制御部42と、切
り替え器45と、バイアステーブル46と、加算器24
と有する。
【0162】制御信号生成器44及び切り替え器45
は、基本的に、図18で説明したタスク制御と同一の制
御を行うブロックである。即ち、オントラック開始コマ
ンドを受けると、目標値y0が変化していない場合に
は、フォローイング制御42を指定し、目標値y0が変
化した時点で、目標値y0までの距離が、16トラック
以下かを判定する。そして、目標値y0までの距離が、
16トラック以下でない場合は、長距離シーク制御(コ
アース制御)43(図19)を指定する。
【0163】オントラック開始コマンドを受けた時点
で、目標値y0までの距離が、16トラック以下なら、
短距離シーク制御41を指定する。長距離シーク制御4
3を指定し、且つ目標値y0までの距離が、4トラック
以下となり、所定の整定条件を満足している場合には、
フォロイング制御42に移行する。また、所定の整定条
件を満足していない場合には、整定制御41(図20)
を実行する。
【0164】従って、シーク処理においては、長距離シ
ーク(ここでは、16トラック以上のシーク)では、コ
アース制御し、距離が4トラック以内になると、整定制
御に移行し、整定条件を満足すると、フォロイング制御
に移行する。又、短距離シーク(ここでは、16トラッ
ク以下のシーク)では、整定制御と同様の制御を行い、
整定条件を満足すると、フォロイング制御に移行する。
【0165】この切り替え器45からの指令電流は、現
在位置でアクセスされるバイアステーブル値を格納する
バイアステーブル46のバイアステーブル値を加算器2
4で加算され、アクチュエータのアンプに出力される。
【0166】次に、図32により長距離シーク(コアー
ス)制御を説明する。このコアース制御は、図19のオ
ブザーバー20を使用した速度制御をブロックで示した
ものであり、動作は同一である。
【0167】即ち、オブザーバ20は、今回の推定位置
x bar[k]を、加算器23からの距離(y[k]−y0) に初期
化する。尚、y[k]は、ヘッド4から得た検出位置(現在
位置)であり、y0は、目標位置である。目標速度生成器
25は、距離(y[k]−y0) に応じた目標速度vobj[k]
を、図4で示したコアース制御の速度カーブに従い、計
算する。
【0168】そして、オブザーバ20は、今回の推定位
置x hat[k]、推定速度v hat[k]を、前回サンプル時に計
算した今回の推定位置x bar[k]、推定速度v bar[k]と、
観測位置(検出位置)y(k)と推定位置x bar[k]との差
に、ゲインL を乗じたものとの加算から得る。下記に計
算式を示す。 x hat[k]=x bar[k]+L4(y[k] −x bar[k]) v hat[k]=v bar[k]+L5(y[k] −x bar[k])
【0169】更に、加算器26で、指示電流値u[k]を、
今回の推定速度v hat[k]と目標速度vobj[k] との差(速
度誤差)にゲインFを乗じて得る。出力電流値u out(k)
は、指示電流値u(k)に、前述の図31のバイアステーブ
ル値BiasTable(y[k]) を加算して得る。下記に計算式を
示す。 u[k]=−F4(v hat[k]−vobj[k]) u out[k]=u(k)+BiasTable(y[k])
【0170】又、オブザーバ20では、この指示電流値
u(k)による次回のサンプル時の推定位置x bar[k +1]、
推定速度v bar[k +1]を、今回の推定位置x hat[k]、推
定速度v hat[k]と、指示電流値u(k)とから計算する。計
算式を下記に示す。 x bar[k +1]=x hat[k]+v hat[k]+Am/2・u(k) v bar[k +1]=v hat[k]+Am・u(k)
【0171】尚、制御信号生成器44が、前述のよう
に、距離(y[k] −y0) が、4トラック以下かを判定し、
距離(y[k] −y0) が、4トラック以下なら、長距離シー
ク制御を終了し、整定制御に移行する。又、距離(y[k]
−y0) が、4トラック以下でないなら、次のサンプルま
で待ち、動作を繰り返す。
【0172】次に、図33によりフォロイング制御42
を説明する。このフォロイング制御は、図21で説明し
た定常バイアスを推定するオブザーバー制御をブロック
化したものである。
【0173】即ち、オブザーバ20は、先ず、今回の推
定位置x hat[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b
hat[k]を、前回サンプル時に計算した今回の推定位置x
bar[k]、推定速度v bar[k]、推定バイアス値b bar[k]
と、観測位置(検出位置)y(k)と推定位置x bar[k]の差
(加算器23の出力)に、ゲインL を乗じたものとの加
算から得る。下記に計算式を示す。 x hat[k]=x bar[k]+L1(y[k] −x bar[k]) v hat[k]=v bar[k]+L2(y[k] −x bar[k]) b hat[k]=b bar[k]+L3(y[k] −x bar[k])
【0174】次に、指示電流値u[k]を、今回の推定位置
x hat[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b hat[k]
にゲインFを乗じて得る。更に、出力電流値u out(k)
は、指示電流値u(k)に、前述の図31のように、バイア
ステーブル値BiasTable(y[k])とを加算して得る。下記
に計算式を示す。 u[k]=−F1・x hat[k]−F2・v hat[k]−F3・b hat[k] u out[k]=u(k)+BiasTable(y[k])
【0175】オブザーバ20は、この指示電流値u(k)に
よる次回のサンプル時の推定位置xbar[k +1]、推定速
度v bar[k +1]、推定バイアス値b bar[k +1]を、今回
の推定位置x hat[k]、推定速度v hat[k]と、推定バイア
ス値b hat[k]と、指示電流値u(k)とから計算する。計算
式を下記に示す。 x bar[k +1]=x hat[k]+v hat[k]+b hat[k]+Ka/2・
u(k) v bar[k +1]=v hat[k]+2 ・b hat[k]+Ka・u(k) b bar[k +1]=b hat[k] これを繰り返す。
【0176】次に、図34、図35により短距離シーク
/整定制御を説明する。この制御は、基本的に、図6及
び図20で説明して定常バイアスを推定するオブザーバ
ー制御である。ただし、短距離シーク用のテーブルを追
加してある。即ち、軌道テーブルは、整定制御用軌道テ
ーブル60と、N個(ここでは、4個)の短距離シーク
用軌道テーブル60−1〜60−4からなる。
【0177】各軌道テーブル60、61−1〜61−4
には、図6で説明した軌道テーブル30、31、電流テ
ーブル36、38が、制御モード及びシーク距離に応じ
て設けられている。切り替え器64は、制御信号生成部
44からの制御信号(整定モード、短距離シークモード
1、2、3、4)に応じて、軌道テーブル60、61−
1〜61−4を選択し、分配器62は、選択した軌道テ
ーブルの4つの出力を各乗算器32、33、37、39
に分配する。
【0178】即ち、図34は、軌道の内、電流と位置を
制御系に与える例を、示している。即ち、軌道生成器2
2は、電流の軌道と、目標位置の軌道を持つ。このた
め、各軌道テーブル60、61−1〜61−4は、電流
の単位軌道発生器36、38と、目標位置の単位軌道発
生器30、31とを設ける。そして、クロック源によ
り、目標位置の単位軌道発生器30、31を駆動し、乗
算器32、33及び加算器34により、整定開始時の初
期位置X0及び初期速度V0に比例した、目標位置軌道
を生成する。この目標位置軌道は、目標値として、オブ
ザーバ20の前段の加算器23に与えられ、検出位置と
の差をとり、オブザーバ20に観測位置として入力され
る。
【0179】同様に、クロック源により、電流の単位軌
道発生器36、38を駆動し、乗算器37、39及び加
算器40により、整定開始時の初期位置X0及び初期速
度V0に比例した、目標電流軌道を生成する。この目標
電流軌道は、フィードフォワード電流として、オブザー
バ20の出力段の加算器24に与えられる。
【0180】このようにして、短距離シーク時及び整定
制御時に、フィードフォワード制御するため、高速応答
が可能となる。初期位置の他に初期速度もパラメータと
しているため、初期速度が異なっても、収束時間を短縮
できるフィードフォワード制御が可能となる。又、軌道
設計時に、電流アンプの特性を含め、且つ共振の影響も
考慮するため、フィードフォワード制御しても、高速応
答が可能となる。
【0181】後述するように、単位軌道は、収束時間が
最小となるように設計され、整定制御、短距離シークの
距離により異なる。この例では、短距離シークを、1
(0〜4トラック)、2(5〜8トラック)、3(9〜
12トラック)、4(13〜16トラック)の4種類に
分割し、各々軌道テーブル61−1〜61−4を設けて
いる。
【0182】この動作を説明する。短距離シーク開始時
及び整定制御開始時に、初期値を設定する。先ず、バイ
アス推定器21は、推定速度v bar[k]を、現在速度V0に
設定する。この時、前述したように、観測位置y[k]と推
定位置x bar[k]との差により、補正する。即ち、前述の
(9)式により、推定速度v bar[k]の初期値を得る。 v bar[k]=v bar[k]+Kv・(y[k]−x bar[k]) (9)
【0183】又、バイアス推定器21は、実位置とオブ
ザーバ20の推定位置との誤差を基に、前述の(8)式
により、バイアス値の初期値を計算する。 b bar[k]=Kx・(y[k] −x bar[k]) (8)
【0184】更に、オブザーバ20は、推定位置x bar
[k]を、現在位置X0(=y[k])に設定する。これら初
期位置及び初期速度は、保持器21に保持される。次
に、前述のフィードフォワード期間を示すカウント値Co
unt を「1」に初期化する。
【0185】カウント値Count が「N」(フィードフォ
ワード終了値)を越えているかを判定する。カウント値
Count が「N」を越えていない場合には、シークモード
及び短距離シークの距離に応じてセレクタ64で選択さ
れた軌道テーブル60、60−1〜60−4(図6のブ
ロック30、31)から、カウント値Count に応じた単
位軌道値PxTable[Count]、PvTable[Count]を読み出し、
初期位置X0、初期速度V0に応じた軌道値(目標位置)Pr
efを、乗算器32、33、加算器34で下記式により計
算する。
【0186】 Pref=X0・PxTable[Count]+V0・PvTable[Count] 又、シークモード及び短距離シークの距離に応じてセレ
クタ64で選択された軌道テーブル60、60−1〜6
0−4(電流テーブル(図6のブロック36、38))
からカウント値Count に応じた単位電流値UxTable[Coun
t]、UvTable[Count]を読み出し、初期位置X0、初期速度
V0に応じた電流値Uff を、乗算器37、39、加算器4
0で下記式により計算する。 Uff =X0・UxTable[Count]+V0・UvTable[Count]
【0187】更に、カウント値Count を「1」インクリ
メントする。逆に、カウント値Count が「N」を越えて
いる場合には、フィードフォワード期間が終了したた
め、軌道値Pref、電流値Uff に「0」を設定する。
【0188】そして、オブザーバ20は、今回の推定位
置x hat[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b hat
[k]を、前回サンプル時に計算した今回の推定位置x bar
[k]、推定速度v bar[k]、推定バイアス値b bar[k]と、
観測位置(検出位置)y(k)と推定位置x bar[k]と軌道値
Prefの差に、ゲインL を乗じたものとの加算から得る。
下記に計算式を示す。 x hat[k]=x bar[k]+L1(y[k] −x bar[k]−Pref) v hat[k]=v bar[k]+L2(y[k] −x bar[k]−Pref) b hat[k]=b bar[k]+L3(y[k] −x bar[k]−Pref)
【0189】更に、指示電流値u[k]を、今回の推定位置
x hat[k]、推定速度v hat[k]、推定バイアス値b hat[k]
にゲインFを乗じて得る。更に、出力電流値u out(k)
は、指示電流値u(k)に、図31のバイアステーブル値Bi
asTable(y[k]) とFF電流値Uff とを加算器24で加算
して得る。下記に計算式を示す。 u[k]=−F1・x hat[k]−F2・v hat[k]−F3・b hat[k] u out[k]=u(k)+BiasTable(y[k]) +Uff
【0190】オブザーバ20は、この指示電流値u(k)に
よる次回のサンプル時の推定位置xbar[k +1]、推定速
度v bar[k +1]、推定バイアス値b bar[k +1]を、今回
の推定位置x hat[k]、推定速度v hat[k]と、推定バイア
ス値b hat[k]と、指示電流値u(k)とから計算する。計算
式を下記に示す。 x bar[k +1]=x hat[k]+v hat[k]+b hat[k]+Ka/2・
u(k) v bar[k +1]=v hat[k]+2 ・b hat[k]+Ka・u(k) b bar[k +1]=b hat[k]
【0191】制御信号生成部44は、整定完了かを判定
する。例えば、距離(y[k]−y0) が、0.1トラック以
内の状態になったら(リード時)、又は0.1トラック
以内の状態が所定サンプル続いたら(ライト時)、整定
完了と判断する。整定完了なら、整定完了を通知(リー
ド/ライトを許可)して、終了する。即ち、図17のフ
ォロイング制御に移行する。
【0192】このオブザーバ20の初期バイアス推定器
21は、前述と同様である。即ち、初期バイアス推定器
21は、短距離シーク開始時、整定開始時又は整定開始
直前に、オブザーバ20の観測位置x bar[k]と実際の位
置y[k]との差分を求め、その位置誤差に、予定のゲイン
Kxをかけて、初期バイアス値を計算し、初期バイアス値
を、オブザーバ20に設定する。更に、位置誤差にゲイ
ンKvをかけたものを、オブザーバ20の推定速度v ba
r[k]に加えて、推定速度を補正する。尚、図6では、検
出位置y[k](絶対位置)から目標位置Yoを差し引いたも
のを、実位置(相対位置)y[k]としている。尚、検出位
置y[k]は、前述の磁気ヘッド4の位置信号から得られ
る。
【0193】本発明では、短距離シーク時間、整定時間
を更に短縮するため、フィードフォワード制御を、短距
離シーク及び整定制御時に使用している。即ち、バイア
ス値を推定するだけでは、応答が制御系の帯域又は状態
フィードバックの極に依存しているため、整定時間の短
縮に限りがある。例えば、状態フィードバックの極を5
00Hzに配置した場合に、収束は、1/500=2m
sかかる。
【0194】この応答を速くするため、フィードフォワ
ード制御を、短距離シーク及び整定制御に導入する。こ
のため、図6に示すように、軌道生成器22を設けてい
る。軌道生成器22は、整定開始時の初期位置x0と初
期速度v0に応じた目標軌道及びフィードフォワード電
流(以下、FF電流という)を生成し、制御系に与える
ものである。
【0195】この目標軌道及びフィードフォワード電流
は、初期位置x0と初期速度v0に応じて、軌道及び電
流を生成する。これにより、初期位置と初期速度に応じ
た最短シーク時間を得る。このための軌道及び電流は、
後述するように、予め設計しておく。この制御では、電
流アンプのカットオフ周波数の影響及びアクチュエータ
の共振の影響を考慮した設計を行う必要がある。
【0196】図35は、この軌道テーブルの一例を示
し、軌道は、位置軌道30、36と速度軌道31、38
の2つに分ける。即ち、初期位置が1トラックで、初期
速度が0トラック/サンプルの場合で最終位置、最終速
度が0の位置軌道30、36と、初期位置が0トラック
で、初期速度が1トラック/サンプルで最終位置、最終
速度が0の場合の軌道(速度軌道)31、38とであ
る。各位置軌道、速度軌道は、時間対目標位置X,時間
対電流uの2つに時間波形を保持する。
【0197】図35は、目標位置は、シングルレート
(サンプル間隔)で変化し、電流はマルチレート(サン
プル間隔の半分)で変化するようにし、高速な収束を得
るようにしている。そして、初期位置がX0トラック
で、初期速度がV0トラック/サンプルの場合の軌道
は、2つの軌道に、X0とV0のゲインをかけて、合成
する。このようにすると、任意の初期位置、初期速度に
対する軌道を、1つの単位軌道の合成により得ることが
できる。
【0198】このように、フィードフォワード電流によ
るフィードフォワードを行い、且つこのフィードフォワ
ード電流により位置ずれをプラントの応答前に位置軌道
でフィードフォワードするため、収束時間を大幅に短縮
できる。又、整定制御のみならず、短距離シークにも適
用したため、短距離シークのシーク時間をより短縮でき
る。又、短距離シークのみ又は整定制御のみ軌道制御を
適用しても良い。更に、整定制御と短距離シーク制御系
を共用するため、回路又はプログラム規模を小さくでき
る。
【0199】[軌道生成方法]次に、各軌道テーブル6
0、61−1〜61−4の単位位置軌道及び速度軌道の
設計例を詳細に説明する。図36は、軌道及びFF電流
を設計するためのシュミレーションブロック図、図37
は、その電流アンプのモデル例の説明図、図38は、そ
の共振特性のモデル例の説明図、図39は、そのFIR
フィルタの設計例の説明図、図40、図41は、位置軌
道設計の説明図、図42乃至図45は、速度軌道設計の
説明図である。
【0200】先ず、シーク軌道の設計には、図36に示
すように、プラントを詳細なモデル化して、実応答とシ
ミレーションとのずれをなくす。図36のシミュレーシ
ョンモデルは,米国のThe MathWorks Inc.が販売してい
るMATLABのような市販のソフトウェアを用いてもよい
し,独自にC言語などの汎用のプログラミング言語を用
いることもできる。
【0201】尚、以下では,4.62kHzの位置検出のサン
プル周波数を持つHDDにおいて,電流出力をその倍の
サンプル周波数で駆動する設計例を示す。
【0202】図36で述べる、制御対象モデル52は、
アクチュエータ、電流アンプ、他のフィルタ特性(アナ
ログまたはデジタルでノッチフィルタや低域通過フィル
タが回路に挿入されている場合のみ)であり、いずれも
伝達関数で表現する。
【0203】伝達関数を求める手順は,どちらも同じ
で,次の手順で行う。
【0204】FFTアナライザで周波数特性を測定し、
測定した周波数特性(ゲインおよび位相のカーブ)に一
致するように,伝達関数を求める。伝達関数を求めるた
めには,たとえば,MATLABのような解析ソフトを
使えばよい。また,すでに解析的に伝達関数を求めてい
るのならば,それを使ってもよい。ただし,実際の測定
結果とずれがないことを確認することは必要になる。
【0205】図36の電流アンプ54のモデル例は、図
37の周波数対ゲイン、位相の周波数特性である。又、
図36のアクチュエータ等の共振特性のモデル56は、
図38に示すような周波数特性である。又、加速度モデ
ル55は、アクチュエータの加速度モデルである。更
に、DAC53は、DAコンバータのモデルである。
【0206】次に、デジタル制御の仕様の設定を行う。
先ず、電流出力のサンプル周期(又は位置検出のサンプ
ル周期)を設定する。たとえば,2倍のマルチレート制
御を行う際には,位置検出のサンプル周期の半分とな
る。
【0207】次に、電流出力の遅延時間を設定する。位
置信号検出の時刻から電流が実際に変化するまでの時間
で定義する。更に、DAC分解能、即ち、VCM電流を
設定するときの,DACのビット数で決まる分解能を決
める。
【0208】更に、その他の仕様の決定を行う。先ず、
シーク距離ごとの目標シーク時間を設定する。1トラッ
ク,2トラックなど,距離ごとに目標シーク時間の仕様
を決める。ただし,実際に目標軌道を設計する際には,
ここで決めた目標シーク時間よりも短くすることが必要
になる。シーク後に位置のゆれを確認するための時間
(整定待ち時間)が必要になるためである。また,前述
の図31のテーブル例のように、1トラック単位ではな
く,複数のトラックをまとめて同じ目標シーク時間とす
る選択もある。シーク時間は電流出力のサンプル周期単
位となる。そのため,複数の距離が同じシーク時間にな
りうる。
【0209】特に,近年のHDDはトラック幅がμm以
下になっている。そのため,一昔前のHDDの1トラッ
クが,現在のHDDの10トラック以上に相当する。そ
のことから考えても,複数の距離を同じシーク時間で対
応することは妥当である。たとえば,4トラック単位
で,0から4、5から8、9から12、13から16に
分割するとよい。なお,ここでは16トラックまでの例
を示したが,それ以上の距離を設計してもよい。
【0210】次に、最大電流を設定する。電流アンプが
流せる最大電流が決まっているためである。他に,アク
チュエータの加速度定数が場所・温度により異なるの
で,その分の余裕を見込んでおかなければならない。さ
らに,定常バイアス,偏心,を補正するための電流分の
余裕も見込んでおかなければならない。そのため,出力
できる100%の最大電流をシーク軌道設計時には使え
ない。最低でも20%は小さくしておかなければならな
い。
【0211】電流アンプによっては,電流出力レンジを
1,1/2,1・4,1/8倍のように切り替えること
ができるものがある。出力レンジを切り替える際には,
各レンジのゲイン,電流のオフセットが微妙に異なる。
そのため,今回提供するシーク軌道においては,シーク
中に出力レンジを切り替えないようにしたほうがよい。
その際には,最大電流は,電流アンプの出力レンジに制
限を受ける。
【0212】次に、図36のFIRフィルタ51を設計
する。即ち、共振周波数成分を抑止するためのFIRフ
ィルタを設計する。FIRフィルタは主にノッチフィル
タ特性を有する。複数のノッチフィルタを組み合わせ
て,抑止する周波数領域を決める。この際には,共振特
性,電流アンプの特性,他のフィルタ特性をあわせて,
設計を行う。
【0213】本FIRフィルタで抑止する周波数の数が
多いほど,シーク時間が延びる。フィルタ出力の信号の
時間が延びるためである。そのため,短い距離では抑止
する周波数の数は少なく,長い距離では抑止する周波数
の数を多く,設定するとよい。
【0214】共振の影響に伴う残留振動はシーク距離が
長いほど,シーク時間が短いほど,大きくなる。そのた
め,短い距離では抑止する周波数の数を少なくしても大
丈夫な場合がある。実際にシミュレーションしながら,
シーク時間を調整していく。
【0215】FIRフィルタの設計例を図39に示す。
ここでは、5.8kHz付近の共振周波数のみに対応して
いる。又、共振周波数は,温度・個体差により変化す
る。そのため.ノッチフィルタを2つ合わせて,広い範
囲を抑止している。
【0216】このようにして、個々のモデル51〜58
を設計し、図36のような軌道設計シミュレーションの
モデルを作成する。前記で説明した個々のモデルを組み
合わせる。
【0217】次に、図40乃至図41により、位置軌道
30、36の設計を説明する。図36の矩形波生成器5
0からFIRフィルタ51に、図40に示す矩形波を与
える。図40のように、加速・減速波形を与えて電流を
設定する。
【0218】FIRフィルタ51通過後の波形(図36
の指示電流)を観測し、その長さが目標シーク時間の仕
様内に収まるように,矩形波生成器50の入力波形(矩
形波)の長さを調整する。この際に,FIRフィルタで
抑止していない共振の影響が大きく,残留振動か無視で
きない場合には,軌道の長さを延ばす。
【0219】そのあと,矩形波の波高を調整して,目標
距離に一致させる。図41は、位置軌道の電流、速度、
位置を示す。即ち、図36のモデルの調整後の指示電
流、速度、位置の出力例である。
【0220】次に、図42乃至図45より、速度軌道3
1、38の設計を説明する。
【0221】速度軌道は,位置軌道設計に用いたものと
同じFIRフィルタ51を用いる。このFIRフィルタ
51に,図36の矩形波生成器50から図42に示す矩
形波を与える。
【0222】図36の矩形波を与えた後の速度を観測
し、1track/sampleの速度を発生させることができる矩
形波の波高が求まる。図43は、その時の図36のモデ
ルの調整後の指示電流、速度、位置の出力例である。
【0223】次に、逆に1track/sampleの速度でアクチ
ュエータが移動していたときに,速度を0に抑えるため
には,先の矩形波の逆(符号反転)の信号を矩形波生成
器50からFIRフィルタ51に与える。図44は、そ
の時の図36のモデルの指示電流、速度、位置の出力例
である。
【0224】図44の位置の特性に示すように、そのと
きに,位置が移動する。この位置の移動分を,図41で
設計した位置軌道波形で0に戻すようにする。
【0225】図41の位置軌道波形に「2」を掛け、反
転したものを、図44の波形に加算する。これにより、
図45に示すように,合成波形は、初期位置「0」、初
期速度「1」、終了位置「0」、終了速度「0」の速度
軌道となる。
【0226】以上のように設計して,初期位置および初
期速度に応じた軌道を求める。図31の例では、位置軌
道、速度軌道とも、電流、位置を使用する。
【0227】このように、軌道は、位置軌道と速度軌道
の2つに分ける。即ち、初期位置が1トラックで、初期
速度が0トラック/サンプルの場合の軌道(位置軌道)
と、初期位置が0トラックで、初期速度が1トラック/
サンプルの場合の軌道(速度軌道)とである。そして、
初期位置がX0トラックで、初期速度がV0トラック/
サンプルの場合の軌道は、2つの軌道に、X0とV0の
ゲインをかけて、合成する。このようにすると、任意の
初期位置、初期速度に対する軌道を、1つの単位軌道の
合成により得ることができる。
【0228】このようにして、初期条件が、1トラック
で、初期速度が0トラック/サンプルで、終了条件が、
0トラック、0トラック/サンプルとなる軌道と、初期
条件が、0トラックで、初期速度が1トラック/サンプ
ルで、終了条件が、0トラック、0トラック/サンプル
となる軌道との2つの軌道を設計できる。
【0229】[軌道設計の実施例]図46及び図47
は、0〜4トラック距離の初期位置及び初期速度用の軌
道例を示し、図48乃至図49は、5〜8トラック距離
の初期位置及び初期速度用の軌道例を示し、図50乃至
図51は、9〜12トラック距離の初期位置及び初期速
度用の軌道例を示し、図52乃至図53は、13〜16
トラック距離の初期位置及び初期速度用の軌道例を示
す。
【0230】いずれも、2.5インチHDDでの設計例
であり、電流は、最大電流で正規化して表示している。
このように、シーク距離に応じて、最短の収束時間が得
られる位置及び速度軌道を設計し、テーブル61−1〜
61−4に設定する。同様に、整定制御の位置軌道、速
度軌道を、図14乃至図17のように設計し、テーブル
60に設定する。
【0231】図54及び図55は、短距離シークでの軌
道制御の実験例を示す説明図であり、図54は、4トラ
ックシークにおける指示電流、目標位置からの位置誤
差、シーク状態信号を上から順に示し、約1msで4ト
ラックシークが完了する。又、図55は、15トラック
シークにおける指示電流、目標位置からの位置誤差、シ
ーク状態信号を上から順に示し、約1.5msで15ト
ラックシークが完了する。
【0232】このようにして、短距離シーク時に、速度
を考慮したフィードフォワード制御するため、高速応答
が可能となる。又、軌道設計時に、電流アンプの特性を
含め、且つ共振の影響も考慮するため、フィードフォワ
ード制御しても、高速応答が可能となる。
【0233】[他の実施の形態]上述の実施の態様の他
に、本発明は、次のような変形が可能である。
【0234】(1) 前述の実施の態様では、整定制御の開
始直前の1サンプルで、バイアス値を推定している。こ
の方法では、1サンプルの位置信号に欠陥があった時や
位置信号がずれてディスクに書かれていた時には、推定
誤差が大きくなるおそれがある。そこで、数サンプルに
渡って、バイアス値を推定し、その平均値を初期値とす
ると良い。
【0235】(2) バイアス推定値が変化すると、シーク
後の位置の揺れが大きくなり、整定時間が延びる。整定
時間を監視していれば、推定値のずれが大きくなったこ
とを判断できる。バイアス推定値のずれは、(8)式の
推定ゲインKbのずれにより生じる。このゲインKb
は、アクチュエータの力定数Blにより変化する。従っ
て、整定時間を監視し、整定時間が延びた場合には、ゲ
インがずれたと判断して、ゲインの測定処理を行うと良
い。
【0236】(3) 位置誤差を使ってバイアス値の推定及
び速度補正を行う計算機上のシュミレーションプログラ
ムを用い、シュミレーションした値を基に、ディスク装
置に搭載するプログラムのゲインを決定することができ
る。
【0237】(4) 前述の計算機シュミレーションの代わ
りに、ディスク装置のファームウェアで、フォロイング
制御を行い、バイアス値を測定しておく。次に、シーク
時と同じ制御を行い、わざと位置ずれを生じさせ、位置
ずれ量、速度ずれ量を計測し、位置ずれ量からバイアス
値補正ゲイン、速度ずれ補正ゲインを計測することがで
きる。この方法を用いることにより、制御系の設計を変
えるたび、バイアス推定ゲインや速度補正ゲインを再設
計することを不要とできる。一度、測定しておき、その
値を不揮発性の記憶エリア、例えば、ディスク、ROM
に記憶しておけば良い。
【0238】(5) 位置誤差の要因は、バイアス値以外に
もある。例えば、外部振動である。外部振動が与えられ
た場合に、バイアス推定値(初期値)は、不確かにな
る。バイアス推定値が不確かにあると、暴走するおそれ
がある。このため、HDDに設けられた衝撃センサの値
が基準値より大きい時は、外部振動が大きいと判断し
て、バイアス値の推定をしない、又は推定ゲインを下げ
る制御を行う。又、通常のフォロイング制御時に、位置
決め精度が悪い時は、外部振動が大きいと仮定して、同
様に、バイアス値の推定をしない、又は推定ゲインを下
げる制御を行う。更に、通常の位置決め精度は、トラッ
ク幅に対して、±5〜10%である。この範囲内の推定
誤差である場合には、バイアス値のずれによる位置誤差
か、モータの振動や位置信号のゆれ書きによる位置誤差
かを区別できない。このため、この範囲内の位置誤差な
ら、バイアス値の推定をしない、又は推定ゲインを下げ
る制御を行う。
【0239】(6) 前述のように、整定時に、目標軌道を
供給することにより、高速な応答が可能となる。この場
合、初期位置だけ又は初期速度だけの軌道を与えても良
い。尚、初期位置だけの軌道を与える場合には、速度が
充分に小さいことが前提である。又、初期速度だけの軌
道を与える場合には、速度が大きく、そのままでは、オ
ーバーシュートすることが予想される場合に有効であ
る。
【0240】(7) 位置に対し速度に対する軌道の応答を
速くすることもできる。例えば、初期位置に対する軌道
を1.5ms、初期速度に対する軌道を1msとする。
位置は直接観測することができるが、速度は推定計算す
るしかない。このため、推定速度には、誤差を伴う。そ
こで、初期速度の補正を速くして、速度誤差による応答
のずれが収束した時に、位置が目標に到達できるように
する。これにより、速度誤差の影響を軽減できる。
【0241】(8) 軌道の生成方法は、前述したように、
アクチュエータの共振を除去した軌道を設計している。
しかし、ディスク装置の回路に、既にフィルタが挿入さ
れおり、アクチュエータの共振成分が充分除去できる構
成の場合には、軌道に含まれる共振周波数成分の除去を
する必要がない。
【0242】(9) 軌道の設計は、計算機上のシュミレー
ションを用いて、行うことができる。計算機上の応答と
実際の応答がずれが生じる場合には、実際の応答を観測
しながら、修正すると良い。例えば、装置のキャリブレ
ーションにおいて、位置軌道、速度軌道を修正する。初
期速度が0で、1トラック分の軌道を流し、移動距離が
1トラックになるように、電流の振幅を調整する。更
に、その時の目標軌道からの位置誤差を求め、目標軌道
自体を位置誤差分だけ修正する。これにより、位置軌道
を修正する。次に、速度軌道を修正する。位置軌道で修
正したゲインの分だけ、速度軌道の電流振幅も修正す
る。次に、1トラック/サンプルの速度で等速度シーク
を行い、測定開始時の位置を目標位置とおいて、速度軌
道を与えて、目標位置に収束させる。その時の位置誤差
を測定して、初期速度に対する軌道の位置軌道を位置誤
差分だけ修正すれば良い。
【0243】(10)整定制御への切り換えにおいて、切り
換え後に流す電流が、規定範囲内に収まるまで、整定制
御への移行タイミングを待つこともできる。電流値が大
きくなると、シュミレーションでは、仮定していない高
い周波数の共振が生じるため、この影響を避けるためで
ある。
【0244】(11)コアース制御時に、リアルタイムに、
バイアス値を推定して、実位置及び実速度を推定して、
その値に応じて、コアース制御から整定制御へと切り換
えても良い。オブザーバの推定位置ではなく、実速度を
推定して、その速度で整定制御に切り換える。これによ
り、逆方向に動いたり、速度が0となり、いつまでたっ
ても目標位置に近づかない現象を回避できる。
【0245】(12)観測位置と推定位置との差を常に観測
し、その位置誤差の変動が予め定めた範囲内に入れば、
バイアス値が正しく推定できると判断して、整定制御に
切り換えることもできる。
【0246】以上、本発明を実施の形態により説明した
が、本発明の主旨の範囲内で種々の変形が可能であり、
これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0247】(付記1)ヘッドをディスクの所定位置に
位置決めするためのディスク装置のヘッド位置決め制御
方法において、前記ヘッドの現在位置に基づき、積分補
償又はバイアス補償を行わないコアース制御を行うステ
ップと、次のサンプルでの前記ヘッドの位置を推定し、
前記検出位置と前記推定位置との差から、バイアス初期
値を推定するステップと、前記バイアス初期値を用い
て、積分補償又はバイアス補償を伴う整定制御を行うス
テップとを有することを特徴とするヘッド位置決め制御
方法。
【0248】(付記2)前記整定制御を行うステップ
は、前記整定開始時の初期位置又は初期速度に比例した
大きさの目標軌道又はフィードフォワード電流の少なく
とも一方を、前記整定制御を行う制御系に供給するステ
ップを有することを特徴とする付記1のヘッド位置決め
制御方法。
【0249】(付記3)前記整定制御を行うステップ
は、オブザーバ制御により整定制御を行うステップであ
ることを特徴とする付記1のヘッド位置決め制御方法。
【0250】(付記4)前記コアース制御は、前記ヘッ
ドの速度制御であることを特徴とする付記1のヘッド位
置決め制御方法。
【0251】(付記5)ヘッドをディスクの所定位置に
位置決めするためのディスク装置のヘッド位置決め制御
方法において、前記ヘッドの現在位置及び現在速度に基
づき、位置軌道及びフィードフォワード電流を生成する
ステップと、前記ヘッドの現在位置と目標位置との位置
誤差により制御量を算出するフィードバック制御系に、
前記位置軌道とフィードフォワード電流とを供給するス
テップとを有することを特徴とするヘッド位置決め制御
方法。
【0252】(付記6)前記供給ステップは、前記位置
誤差を前記位置軌道で修正するステップと、前記修正さ
れた位置誤差から前記フィードバック制御系が算出する
前記制御量に前記フィードフォワード電流を加えるステ
ップとからなることを特徴とする付記5のヘッド位置決
め制御方法。
【0253】(付記7)前記生成ステップは、比較的短
距離のシーク時に実行することを特徴とする付記5のヘ
ッド位置決め制御方法。
【0254】(付記8)前記生成ステップは、比較的長
距離のシークにおける整定制御時に実行するステップで
あることを特徴とする付記5のヘッド位置決め制御方
法。
【0255】(付記9)前記生成ステップは、単位位置
軌道に前記現在位置軌道を乗じて、前記位置軌道を生成
するステップと、単位速度軌道に前記現在速度を乗じ
て、前記フィードフォワード電流を生成するステップか
らなることを特徴とする付記5のヘッド位置制御方法。
【0256】(付記10)前記生成ステップは、前記シ
ーク距離に応じて、前記ヘッドの現在位置及び現在速度
に基づく前記位置軌道及びフィードフォワード電流を生
成するステップからなることを特徴とする付記5のヘッ
ド位置制御方法。
【0257】(付記11)アクチュエータを駆動して、
ヘッドをディスクの所定位置に位置決めするためのディ
スク装置のヘッド位置決め制御装置において、前記ヘッ
ドの現在位置を検出する検出手段と、前記アクチュエー
タを、前記検出位置に基づき、積分補償又はバイアス補
償を行わないコアース制御した後、整定制御する制御手
段とを有し、前記制御手段は、次のサンプルでの前記ヘ
ッドの位置を推定し、前記検出位置と前記推定位置との
差から、バイアス初期値を推定し、前記バイアス初期値
を用いて、積分補償又はバイアス補償を伴う整定制御を
行うことを特徴とするヘッド位置決め制御装置。
【0258】(付記12)前記制御手段は、前記整定開
始時の初期位置又は初期速度に比例した目標軌道とフィ
ードフォワード電流の少なくとも一方を、前記整定制御
を行う制御系に供給することを特徴とする付記11のヘ
ッド位置決め制御装置。
【0259】(付記13)前記制御手段は、オブザーバ
制御により整定制御を行うことを特徴とする付記11の
ヘッド位置決め制御装置。
【0260】(付記14)前記コアース制御は、前記ヘ
ッドの速度制御であることを特徴とする付記11のヘッ
ド位置決め制御装置。
【0261】(付記15)アクチュエータを駆動して、
ヘッドをディスクの所定位置に位置決めするためのディ
スク装置のヘッド位置決め制御装置において、前記ヘッ
ドの現在位置を検出する検出手段と、前記アクチュエー
タを、前記検出位置に基づき、シーク制御する制御手段
とを有し、前記制御手段は、前記ヘッドの現在位置及び
現在速度に基づき、位置軌道及びフィードフォワード電
流を生成し、前記ヘッドの現在位置と目標位置との位置
誤差により制御量を算出するフィードバック制御系に、
前記位置軌道とフィードフォワード電流とを供給するこ
とを特徴とするヘッド位置決め制御装置。
【0262】(付記16)前記制御手段は、前記位置誤
差を前記位置軌道で修正し、前記修正された位置誤差か
ら前記フィードバック制御系が算出する前記制御量に前
記フィードフォワード電流を加えることを特徴とする付
記15のヘッド位置決め制御装置。
【0263】(付記17)前記制御手段は、前記供給を
比較的短距離のシーク時に実行することを特徴とする付
記15のヘッド位置決め制御装置。
【0264】(付記18)前記制御手段は、前記供給を
比較的長距離のシークにおける整定制御時に実行するこ
とを特徴とする付記15のヘッド位置決め制御装置。
【0265】(付記19)前記制御手段は、単位位置軌
道に前記現在位置軌道を乗じて、前記位置軌道を生成
し、単位速度軌道に前記現在速度を乗じて、前記フィー
ドフォワード電流を生成することを特徴とする付記15
のヘッド位置制御装置。
【0266】(付記20)前記制御手段は、前記シーク
距離に応じて、前記ヘッドの現在位置及び現在速度に基
づく前記位置軌道及びフィードフォワード電流を生成す
ることを特徴とする付記15のヘッド位置制御装置。
【0267】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
次の効果を奏する。
【0268】(1) 積分補償又はバイアス補償を行わない
制御では、検出位置と前記推定位置との差が、バイアス
値に比例することから、積分補償又はバイアス補償を行
わない制御における検出位置と前記推定位置との差から
整定開始時のバイアス初期値を推定する。このため、同
一の目標位置で異なるバイアス値を示しても、積分補償
又はバイアス補償を行う整定制御のバイアス初期値が正
確に設定される。これにより、整定制御時にバイアスの
ずれを補正する時間が短縮できるため、整定制御に要す
る時間を大幅に短縮できる。
【0269】(2) 又、積分補償又はバイアス補償を行う
整定制御のバイアス初期値が正確に設定されるため、シ
ーク時間のバラツキを防止できる。
【0270】(3)短距離シーク時及び整定制御時等
に、フィードフォワード制御するため、高速応答が可能
となる。しかも、初期位置の他に初期速度も軌道生成の
パラメータとしているため、初期速度が異なっても、収
束時間を短縮できるフィードフォワード制御が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のディスク記憶装置の上
面図である。
【図2】図1のディスク記憶装置の断面図である。
【図3】図1のディスク記憶装置のブロック図である。
【図4】本発明の一実施の形態のシーク動作の遷移図で
ある。
【図5】本発明の一実施の形態のオブザーバ制御のモデ
ル図である。
【図6】本発明の一実施の形態の整定制御モデル図であ
る。
【図7】バイアス印加時の応答波形図(その1)であ
る。
【図8】バイアス印加時の応答波形図(その2)であ
る。
【図9】バイアスと位置ずれの関係図である。
【図10】バイアスと速度ずれの関係図である。
【図11】本発明の一実施の形態の軌道、FF電流のブ
ロック図である。
【図12】図11のFIRフィルタの周波数特性図であ
る。
【図13】図11の基本波の説明図である。
【図14】本発明の一実施の形態の設計軌道例(その
1)の説明図である。
【図15】本発明の一実施の形態の設計軌道例(その
2)の説明図である。
【図16】本発明の一実施の形態の設計軌道例(その
3)の説明図である。
【図17】本発明の一実施の形態の設計軌道例(その
4)の説明図である。
【図18】本発明の一実施の形態のタスク制御フロー図
である。
【図19】図18のコアース制御フロー図である。
【図20】図18の整定制御フロー図である。
【図21】図18のフォロイング制御フロー図である。
【図22】従来の応答結果を示す図(その1)である。
【図23】従来の応答結果を示す図(その2)である。
【図24】本発明による応答結果を示す図(その1)で
ある。
【図25】本発明による応答結果を示す図(その2)で
ある。
【図26】従来の整定時間のヒストグラム図である。
【図27】本発明による整定時間のヒストグラム図であ
る。
【図28】本発明の他の実施の形態の制御モデル図であ
る。
【図29】本発明の別の実施の形態の制御モデル図であ
る。
【図30】本発明の更に別の実施の形態の制御モデル図
である。
【図31】本発明の別の実施の形態の位置決め制御系の
モデル図である。
【図32】図31の長距離シーク制御部の構成図であ
る。
【図33】図31の追従制御部の構成図である。
【図34】図31の短距離シーク/整定制御部のブロッ
ク図である。
【図35】図34の軌道テーブルの説明図である。
【図36】本発明の別の実施の形態の軌道設計シュミレ
ーションモデルの説明図である。
【図37】図36の電流アンプのモデル例の説明図であ
る。
【図38】図36の共振特性のモデル例の説明図であ
る。
【図39】図36のFIRフィルタの周波数特性図であ
る。
【図40】図36の位置軌道生成の矩形波の説明図であ
る。
【図41】図36の位置軌道生成の説明図である。
【図42】図36の速度軌道生成の矩形波の説明図であ
る。
【図43】図36の速度軌道生成の説明図(その1)で
ある。
【図44】図36の速度軌道生成の説明図(その2)で
ある。
【図45】図36の速度軌道生成の説明図(その3)で
ある。
【図46】図36の0〜4トラックシークの設計軌道例
(その1)の説明図である。
【図47】図36の0〜4トラックシークの設計軌道例
(その2)の説明図である。
【図48】図36の5〜8トラックシークの設計軌道例
(その1)の説明図である。
【図49】図36の5〜8トラックシークの設計軌道例
(その2)の説明図である。
【図50】図36の9〜12トラックシークの設計軌道
例(その1)の説明図である。
【図51】図36の9〜12トラックシークの設計軌道
例(その2)の説明図である。
【図52】図36の13〜16トラックシークの設計軌
道例(その1)の説明図である。
【図53】図36の13〜16トラックシークの設計軌
道例(その2)の説明図である。
【図54】本発明の別の実施の形態の実験例(その1)
の説明図である。
【図55】本発明の別の実施の形態の実験例(その2)
の説明図である。
【図56】定常バイアスの特性図である。
【符号の説明】
3 アクチュエータ 4 磁気ヘッド 5 スピンドルモータ 6 磁気ディスク 19 MCU(MPU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D088 NN02 NN14 NN25 PP01 SS14 UU01 5D096 AA02 DD05 HH18 TT03

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドをディスクの所定位置に位置決め
    するためのディスク装置のヘッド位置決め制御方法にお
    いて、 前記ヘッドの現在位置に基づき、積分補償又はバイアス
    補償を行わないコアース制御を行うステップと、 次のサンプルでの前記ヘッドの位置を推定し、前記検出
    位置と前記推定位置との差から、バイアス初期値を推定
    するステップと、 前記バイアス初期値を用いて、積分補償又はバイアス補
    償を伴う整定制御を行うステップとを有することを特徴
    とするヘッド位置決め制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のヘッド位置決め制御方法にお
    いて、 前記整定制御を行うステップは、 前記整定開始時の初期位置又は初期速度に比例した大き
    さの目標軌道又はフィードフォワード電流の少なくとも
    一方を、前記整定制御を行う制御系に供給するステップ
    を有することを特徴とするヘッド位置決め制御方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のヘッド位置決め制御方
    法において、 前記整定制御を行うステップは、 オブザーバ制御により整定制御を行うステップであるこ
    とを特徴とするヘッド位置決め制御方法。
  4. 【請求項4】 ヘッドをディスクの所定位置に位置決め
    するためのディスク装置のヘッド位置決め制御方法にお
    いて、 前記ヘッドの現在位置及び現在速度に基づき、位置軌道
    及びフィードフォワード電流を生成するステップと、 前記ヘッドの現在位置と目標位置との位置誤差により制
    御量を算出するフィードバック制御系に、前記位置軌道
    とフィードフォワード電流とを供給するステップとを有
    することを特徴とするヘッド位置決め制御方法。
  5. 【請求項5】 供給ステップは、 前記位置誤差を前記位置軌道で修正するステップと、 前記修正された位置誤差から前記フィードバック制御系
    が算出する前記制御量に前記フィードフォワード電流を
    加えるステップとからなることを特徴とする請求項4の
    ヘッド位置決め制御方法。
  6. 【請求項6】 前記生成ステップは、比較的短距離のシ
    ーク時に実行することを特徴とする請求項5のヘッド位
    置決め制御方法。
  7. 【請求項7】前記生成ステップは、比較的長距離のシー
    クにおける整定制御時に実行するステップであることを
    特徴とする請求項5のヘッド位置決め制御方法。
  8. 【請求項8】 アクチュエータを駆動して、ヘッドをデ
    ィスクの所定位置に位置決めするためのディスク装置の
    ヘッド位置決め制御装置において、 前記ヘッドの現在位置を検出する検出手段と、 前記アクチュエータを、前記検出位置に基づき、積分補
    償又はバイアス補償を行わないコアース制御した後、整
    定制御する制御手段とを有し、 前記制御手段は、 次のサンプルでの前記ヘッドの位置を推定し、前記検出
    位置と前記推定位置との差から、バイアス初期値を推定
    し、前記バイアス初期値を用いて、積分補償又はバイア
    ス補償を伴う整定制御を行うことを特徴とするヘッド位
    置決め制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項8のヘッド位置決め制御装置にお
    いて、 前記制御手段は、 前記整定開始時の初期位置又は初期速度に比例した目標
    軌道とフィードフォワード電流の少なくとも一方を、前
    記整定制御を行う制御系に供給することを特徴とするヘ
    ッド位置決め制御装置。
  10. 【請求項10】 アクチュエータを駆動して、ヘッドを
    ディスクの所定位置に位置決めするためのディスク装置
    のヘッド位置決め制御装置において、 前記ヘッドの現在位置を検出する検出手段と、 前記アクチュエータを、前記検出位置に基づき、シーク
    制御する制御手段とを有し、 前記制御手段は、 前記ヘッドの現在位置及び現在速度に基づき、位置軌道
    及びフィードフォワード電流を生成し、前記ヘッドの現
    在位置と目標位置との位置誤差により制御量を算出する
    フィードバック制御系に、前記位置軌道とフィードフォ
    ワード電流とを供給することを特徴とするヘッド位置決
    め制御装置。
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