JP3089836B2 - ヘッド位置決め適応制御装置および制御方法 - Google Patents

ヘッド位置決め適応制御装置および制御方法

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JP3089836B2
JP3089836B2 JP04168764A JP16876492A JP3089836B2 JP 3089836 B2 JP3089836 B2 JP 3089836B2 JP 04168764 A JP04168764 A JP 04168764A JP 16876492 A JP16876492 A JP 16876492A JP 3089836 B2 JP3089836 B2 JP 3089836B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ディスク装置や光
ディスク装置のデータヘッド位置信号とサーボヘッド位
置信号を併用して高精度な位置決めを行うハイブリッド
型ヘッド位置決め適応制御装置およびその制御方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ディスク装置、例えば磁気ディスク装置
では、従来から、サーボ面からのサーボヘッド位置信号
に基づいてサーボヘッドと一体に移動するデータヘッド
の位置決めを行うサーボ面サーボ方式が知られている。
ところが、前記サーボ面サーボ方式では、サーボヘッド
位置信号のみでデータヘッドの位置決めを行っているた
め、機械的振動や熱膨張等によって生ずるサーボヘッド
とデータヘッド間のオフトラックが無視できなくなり、
近年のトラック密度の狭小化に対応できない。
【0003】そこで、データ面上の各セクタの先頭に所
定の間隔でデータヘッド位置信号を記録し、その位置信
号に基づいてデータヘッドの位置決めを行うデータ面サ
ーボ方式が知られている。ところが、前記データ面サー
ボ方式では、位置信号が離散的なデータヘッド位置信号
であるため十分な信号の帯域を確保することができな
い。このことから、制御系のゲインを高めることができ
ず、結果としてアクセス時間を向上させることができな
い。
【0004】そこで、上記サーボ面サーボ方式とデータ
面サーボ方式の両者の長所を併用するハイブリッド型サ
ーボ方式が知られている。この方式は、まず、サーボヘ
ッド位置信号に基づいてサーボヘッドを目標トラック付
近にまで移動させるシーク制御モード(速度制御)が実
行され、その後、サーボヘッド位置信号とデータヘッド
位置信号の両者の位置信号に基づいて目標トラック中心
にデータヘッドを位置決めし高精度に追従させるフォロ
イング制御モード(位置制御モード)が実行される。例
えば、上記フォロイング制御モード時の制御としては、
データヘッド位置信号をLPF(ローパスフィルター)
に通して得られる低周波域成分と、サーボヘッド位置信
号をHPF(ハイパスフィルター)に通して得られる高
周波域成分との両者を加え合わせた十分な帯域を有する
ハイブリッド位置信号に基づいてデータヘッドの位置決
めを行う方法が知られている。
【0005】ところで、一般に、制御系の設計は、与え
られた設計仕様を満足するように制御対象の動特性を基
にして制御手段を構成することにより行われる。
【0006】例えば磁気ディスク装置では、制御手段の
ループゲインの設計は、開ループ特性における零クロス
周波数(ωx)が設計仕様を満足するように制御対象の
ループゲインを用いて決定される。ここで、制御対象の
ループゲインとは、制御手段の制御信号からヘッドの位
置信号までのループゲインで、アンプのゲイン、ボイス
コイルモータのゲイン、ヘッドの等価質量、ヘッドの位
置検出ゲイン等で与えられる。しかし、磁気ディスク装
置の制御対象のループゲインは、製造公差、動作条件、
動作環境、経時変化によりばらつく。
【0007】例えば、ボイスコイルモータのゲインは、
ボイスコイル両端の磁束のもれが原因でヘッドの動作ト
ラック位置によりその力定数が変化する。すなわち、デ
ィスクの内周と外周で力定数が小さくなり、中周では力
定数が大きくなる。そのゲイン差は、一般に10%程度
存在する。
【0008】また、例えば、ヘッドの位置検出ゲイン
は、ヘッドのコア幅のばらつきによりゲインが変化す
る。すなわち、ヘッドの製造公差からそのヘッドのコア
幅が設計値の基準値より大きければ読み取り電圧が大き
くなり位置検出ゲインが大きくない、逆にヘッドのコア
幅が設計値の基準値より小さければ読み取り電圧が小さ
くなり位置検出ゲインが小さくなる。そのゲイン差は、
一般にサーボヘッドで10%程度、データヘッドで20
%程度存在する。 上記の磁気ディスク装置の制御対象
のループゲインを構成するボイスコイルモータのゲイン
とヘッドの位置検出ゲインのばらつきにより、高速なヘ
ッドの移動や高精度なヘッドの位置決め動作がばらつ
き、装置性能の低下が問題となっている。
【0009】すなわち、上述のサーボ面サーボ方式にお
いては、主に制御対象のループゲインのばらつきは、ボ
イスコイルモータゲインの10%とサーボヘッド検出ゲ
インの10%の和となる。
【0010】また、上述のデータ面サーボ方式において
は、主に制御対象のループゲインのばらつきは、ボイス
コイルモータゲインの10%と各データヘッド毎の検出
ゲインの20%の和となる。
【0011】さらに、上述のハイブリッド型サーボ方式
においては、主に制御対象のループゲインのばらつき
は、サーボヘッドに対してはサーボ面サーボ方式と同程
度のばらつきとなり、各データヘッド毎に対してはデー
タ面サーボ方式と同程度のばらつきとなる。
【0012】従来、上記データ面サーボ方式の制御対象
のループゲインのばらつきの問題を解決する手段とし
て、本出願人による特願平4-61857号にその技術が記載
されている。そこでは、複数のデータヘッドに対する制
御対象のループゲインを、各ヘッド毎に複数のトラック
で高速かつ高精度に推定し、与えられられた設計仕様を
満足するようにそれらの推定値に基づき制御手段を補正
するディスク装置および制御方法が提供されている。こ
れにより、制御対象のループゲインが、全てのデータヘ
ッド、全てのトラックで見かけ上ほぼ一定となるディス
ク装置を提供でき、高速なデータヘッドの移動やヘッド
の位置決め動作のばらつきを低減することが可能とな
る。また、上記従来技術は、容易にサーボ面サーボに適
用でき、制御対象のループゲインが、サーボヘッドに対
し、全てのトラックで見かけ上ほぼ一定となるディスク
装置を提供することが可能となる。
【0013】また、ハイブリッド型サーボ方式の制御対
象のループゲインのばらつきの問題の一部を解決する手
法が、特開平4-11369号公報に記載されている。そこで
は、サーボ面でサーボヘッドにオフセットを与え、この
時の個々のデータヘッドのデータヘッド位置信号の変化
量から、個々のデータヘッド毎の検出ゲインを測定し、
制御手段を調整する方法が記載されている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】ハイブリッド型サーボ
方式の各データヘッド毎のデータヘッド位置信号は、L
PFを通過するため、各データヘッド毎のデータヘッド
位置信号のゲインのばらつきは主に低周波域成分のゲイ
ンのばらつきとなる。図7に、各データヘッド毎のゲイ
ンのばらつきがサーボヘッドのゲインに対し1.2、1.
0、0.8倍の場合のLPFのゲイン特性とHPFのゲ
イン特性を示す。これより、図9に示すように、LPF
とHPFの信号成分を加え合わせたハイブリッド位置信
号は、主に低周波域成分のゲインのばらつきだけでな
く、LPFとHPFの折れ点周波数(ωh)で山なりの
ピークをもつ位相特性が生じ、そのピークが各データヘ
ッド毎でばらつくことになる。上記のハイブリッド信号
の低域のゲインのばらつきも装置性能の低下につなが
る。また、上記のハイブリッド信号のLPFとHPFの
折れ点周波数(ωh)付近の位相の遅れ、あるいは位相
の進みも装置性能の低下につながる。特に、位相のばら
つきは、零クロス周波数における位相余有のばらつきに
直接影響を与えるために、その問題は深刻である。
【0015】しかし、上記従来技術の中で、特願平4-61
857号に記載のものは、これらハイブリッド型サーボ方
式の制御対象のループゲインのばらつきの問題を解決す
ることができなかった。 また、上記従来技術の中で、
特開平4-11369号公報のものは、ハイブリッド型サーボ
方式の個々のデータヘッドの検出ゲインを測定すること
はできても、サーボヘッドの検出ゲインとボイスコイル
モータのゲインのばらつきを補正し、零クロス周波数を
与えられた設計仕様に設定することはできなかった。ま
た、個々のデータヘッド毎の検出ゲインのばらつきの測
定も、データヘッド位置信号の信号成分の線形領域でし
か移動させることができないため、その微小な変化量か
ら高精度に検出ゲインを測定することはできなかった。
【0016】上記問題は、ハイブリッド型サーボ方式の
ディスク装置の高記録密度化・高密度実装化・高精度位
置決め化・高速位置決め化を図るために解決されるべき
重要な課題である。
【0017】高記録密度化は、トラックの狭小化によっ
て達成され、これにはデータヘッドのコア幅の狭小化が
必要になる。すなわち、ヘッドのコア幅の狭小化に伴
い、ヘッドコア幅に対する製造公差の比率が増大しデー
タヘッドの位置検出ゲインのばらつきが増大することに
なる。また、高密度実装化は、ディスク面を多く実装す
ることで達成される。すなわち、データ面の数だけデー
タヘッドが存在し、個々のヘッドの位置検出ゲインがば
らつくことになる。また、高精度位置決め化・高速位置
決め化は、位置決めヘッドを目的のトラックの中心へ高
速かつ高精度に位置決めすることによって達成される。
そのためには、制御対象のループゲインのばらつきを±
4%程度にまで抑える必要がある。
【0018】上記課題に鑑み、本発明の一つの目的は、
ハイブリッド型サーボ方式を用いたディスク装置におい
て、サーボヘッドを含む制御対象のループゲインと、各
データヘッド毎の制御対象のループゲインの値を正確に
もとめ、その値からLPFと制御手段を補正することに
より、そのばらつきを見かけ上一定とするハイブリッド
型ヘッド位置決め適応制御装置およびその制御方法を提
供することにある。
【0019】本発明の他の一つの目的は、ハイブリッド
型サーボ方式を用いたディスク装置において、LPFの
低周波数域成分のゲインとHPFの高周波数域成分のゲ
インを等しくし、全データヘッドに対し、あらゆる周波
数でゲイン特性が一定となるハイブリッド位置信号を生
成するハイブリッド型ヘッド位置決め適応制御装置およ
びその制御方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、サーボ情報が記録されるサーボディスク
円板と、該サーボディスク円板との間でサーボ位置信号
の読みだしを行うサーボヘッドと、該ヘッドの位置を検
出しサーボヘッド位置信号を出力するサーボヘッド位置
検出手段と、 サーボ情報が間欠的に記録されるデータ
ディスク円板と、該サーボヘッドの移動と連動し且つ該
データディスク円板との間でサーボ位置信号の読みだし
を行うデータヘッドと、該ヘッドの位置を検出しデータ
ヘッド位置信号を出力するデータヘッド位置検出手段
と、 該サーボヘッド位置信号と該データヘッド位置信
号を用いて該データヘッドを目標データトラックに位置
決め制御する制御信号を発生する制御手段とを備えたハ
イブリッド型ヘッド位置決め制御装置において、 前記
制御信号から前記サーボヘッドを含みサーボヘッド位置
信号までのサーボヘッド利得を同定する利得同定手段
と、該利得を記憶する記憶手段と、該記憶された利得に
基づいて前記制御手段の制御信号を補正する手段と、前
記データヘッドを前記データディスク円板毎に設け、前
記制御信号から前記データヘッドを含みデータヘッド位
置信号までの該各々のデータヘッド利得を同定する利得
同定手段と、該記憶されたサーボヘッド利得に該各々の
データヘッド利得が等しくなるように前記データヘッド
位置信号を補正する手段とを設けたものである。
【0021】
【作用】記憶手段に位置決めトラック番号の情報を提供
し、サーボヘッドを含む制御対象のループゲインの推定
値の記憶値に基づき制御手段を補償する。さらに、記憶
手段に位置決めヘッド番号およびトラック番号の情報を
提供し、サーボヘッドを含む制御対象のループゲインの
推定値に各データヘッドを含む制御対象のループゲイン
の推定値が等しくなるように、その記憶値に基づきLP
Fを補償することにより、同一の制御手段およびLPF
で個々のヘッド毎およびトラック毎の制御手段およびL
PFを構成することが出来る。
【0022】また、ディスク面のフォーマット終了時
に、制御対象のループゲインを推定するステップを設け
ることにより、装置の定常状態での安定した制御対象の
ループゲインを推定することが出来る。また、数十分間
実行されるフォーマット作業の終了時に本発明を数秒か
ら数分間実行するためユーザおよびディスク装置製造過
程に時間的な負担をかけることが少ない。
【0023】また、制御対象のループゲインの推定終了
時に、ディスク面上に制御対象のループゲインの推定値
を記録しておくステップを設けることにより、ディスク
装置の電源を切った後でも推定値の情報を記憶すること
が出来る。
【0024】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により詳細に
説明する。
【0025】図1は、本発明の一実施例を示す磁気ディ
スク装置のハイブリッド型ヘッド位置決め適応制御装置
のブロック線図である。具体的説明にはいる前に、図1
を用いて本発明の基本的な構成を示す。この実施例の実
行手順は、位置決め制御時とゲイン推定時の2つに分か
れ、コマンドの発生により両者を区別する。
【0026】図1において、スピンドルモータ1で駆動
される軸には、サーボ面2とデータ面3を有する複数の
ディスクが取り付けられており、サーボ面2上をサーボ
ヘッド4が、データ面3上をデータヘッド5がそれぞれ
僅かにすき間を置いて浮上している。サーボヘッド4お
よびデータヘッド5は、ヘッド支持系6により一体に支
持され、ヘッド支持系6は、ボイスコイルモータ7に固
定されている。ボイスイルモータ7の移動に伴いサーボ
ヘッド4とデータヘッド5は、ディスクの外周から内周
方向あるいはその逆方向へ移動しディスクのトラック上
に記録された情報を読み取りまたは書き込みする。
【0027】この磁気ディスク装置は、高密度記録達成
のためサーボ面の位置信号とデータ面のサンプル位置信
号を併用したハイブリッド位置信号に基づきデータヘッ
ドの位置決めを行うハイブリッド型サーボ方式を採用し
ている。
【0028】サーボヘッドおよび個々のデータヘッドか
ら得られた位置信号は、位置検出手段10により各々サ
ーボヘッド位置信号とデータヘッド位置信号に変換され
る。ヘッド切換え手段11は、コマンドが発生した目的
のデータヘッド番号を選択する。サーボヘッド位置信号
と目的のヘッドの位置検出手段10から発生したデータ
ヘッド位置信号は、同期的にAD(アナログディジタ
ル)変換器12により各々ディジタル信号に変換され
る。ディジタル信号に変換されたサーボヘッド位置信号
ys(k)は、マイクロプロセッサシステム21内に取り込
まれ、HPF(ハイ・パス・フィルター)を通し、高周
波域成分を取り出す。同様に、ディジタル信号に変換さ
れたデータヘッド位置yd(k)は、マイクロプロセッサシ
ステム21内に取り込まれ、LPF(ロー・パス・フィ
ルター)を通し、低周波域成分を取り出す。そして、そ
の両者を加え合わせ、ハイブリッド位置信号y(k)を生
成する。
【0029】目標位置発生手段15は、コマンドが指令
した目的のトラック番号22を選択し目標位置信号28
を発生する。
【0030】コマンドがゲイン推定を選択している時、
スイッチ20を開き、スイッチ18を閉じる。 まず、
サーボヘッドに対する制御対象のループゲインの推定を
実施する。HPFをフルパスにし、LPFをカットす
る。この時、ハイブリッド位置信号は、サーボヘッド位
置信号ys(k)となり、サーボ方式は、ハイブリッド型サ
ーボ方式からサーボ面サーボ方式となる。利得同定手段
17は制御信号27とハイブリッド位置信号26を用い
て目的のトラックにサーボヘッドが位置決めされたとき
のトラック番号22に対応したサーボヘッドに対する制
御対象のループゲインを推定する。ここで、サーボヘッ
ドに対する制御対象のループゲインは、DA変換器9か
らパワーアンプ8、ボイスコイルモータ7、ヘッド支持
系6、サーボヘッド4、位置検出手段10およびAD変
換器12までのゲインとサンプリング時間の関数であ
り。さらに、利得同定手段17は、推定したループゲイ
ンを用いて制御手段16のゲインを決定する。メモリ1
9はコマンドが発生したトラック番号22に対応してト
ラック番号22とゲイン推定値に基づいた制御手段16
のゲインを格納する。
【0031】次に、各データヘッドに対する制御対象の
ループゲインの推定を実施する。HPFをカットし、L
PFをフルパスにする。この時、ハイブリッド位置信号
は、データヘッド位置信号yd(k)となり、サーボ方式
は、ハイブリッド型サーボ方式からデータ面サーボ方式
となる。利得同定手段17は制御信号27とハイブリッ
ド位置信号26を用いて目的のトラックに目的のデータ
ヘッドが位置決めされたときのトラック番号22に対応
したデータヘッドに対する制御対象のループゲインを推
定する。ここで、データヘッドに対する制御対象のルー
プゲインは、DA変換器9からパワーアンプ8、ボイス
コイルモータ7、ヘッド支持系6、データヘッド4、位
置検出手段10およびAD変換器12までのゲインとサ
ンプリング時間の関数である。サンプリング時間は、セ
クタ間隔である。さらに、利得同定手段17は、先に推
定したサーボヘッドに対する制御対象のループゲインと
各データヘッド毎の制御対象のループゲインの推定値が
等しくなるように各データヘッド毎にLPF14のゲイ
ンを決定する。メモリ19はコマンドが発生したトラッ
ク番号22とヘッド番号23に対応してトラック番号2
2とヘッド番号23とゲイン推定値に基づいたLPF1
4のゲインを格納する。
【0032】コマンドが位置決め制御を選択している
時、スイッチ20を閉じ、スイッチ18を開く。この
時、メモリ19はコマンドが指令した目的のトラック番
号22とヘッド番号23に対応した制御手段27のゲイ
ンとLPF14のゲインを選択し各々制御手段27とL
PF14に設定する。制御手段16は、ハイブリッド位
置信号26と目標位置信号15との偏差が零となるよう
に制御信号27を発生する。この制御信号27をDA
(ディジタルアナログ)変換器9でアナログ信号に変換
し、パワーアンプ8で増幅しボイスコイルモータ7に電
流を入力し、ボイスコイルモータ5を移動させる。
【0033】以下、図1で示した一実施例を実現するた
めのハードウエア構成とその実行手順を説明する。
【0034】図2は、本発明のディスク制御装置を実現
するハードウエアの構成図である。
【0035】マイクロプロセッサシステム21は、マイ
クロプロセッサ30がバスライン35を介して、RAM
(ランダムアクセスメモリ)31、ROM(読みだし専
用メモリ)32に接続されている。ROM32は、制御
手段16、LPF14、HPF13、目標位置発生手段
15および利得同定手段17のプログラムを格納する。
RAM31は、サーボヘッドに対応した制御対象のルー
プゲイン推定値に基づいた制御手段16のゲインとその
時選択されたトラック番号22を一時格納する。さら
に、RAM31は、データヘッドに対応した制御対象の
ループゲイン推定値に基づいたLPF14のゲインとそ
の時選択されたトラック番号22とヘッド番号23を一
時格納する。
【0036】コマンド発生器33は、位置決め制御時か
ゲイン推定時かのコマンドを発生し、ヘッド番号22と
トラック番号23を決定する。
【0037】ディスク面メモリ34は、サーボヘッドに
対応した制御対象のループゲイン推定値に基づいた制御
手段16のゲインとその時選択されたトラック番号22
と、データヘッドに対応した制御対象のループゲイン推
定値に基づいたLPF14のゲインとその時選択された
トラック番号22とヘッド番号23をディスク面上のユ
ーザが使用しない領域に記録する。この記録は、上書き
するまで保存され、電源投入後にRAM31内に格納さ
れる。このディスク面への記録は、全てのディスク面に
対し同一の情報を記録することが望ましく、そうするこ
とによりある一面の情報がなんらかの原因で破壊した場
合において他のディスク面の情報を読み出すことが可能
となる。
【0038】図3は、本発明の一実施例の実行手順を説
明するフローチャートである。
【0039】ディスク装置の組立後、サーボトラックラ
イターによりサーボ面にサーボ信号をデータ面にセクタ
信号を記録し、ディスク面のエラーテストと論理・物理
フォーマットを従来通りの手順で実行する(ステップ3
01)。フォーマット終了時に、コマンドはゲイン推定
のコマンドを発生する。まず、利得同定手段によりサー
ボヘッドに対する制御対象のループゲインの推定を複数
のトラックで行い、その推定結果を用いて制御手段のゲ
イン変換値を算出し、そのゲイン変換値およびトラック
番号をRAM内へ格納する(ステップ302)。この3
02ステップの詳細は、図4で説明する。次に、利得同
定手段により全てのデータヘッドに対する制御対象のル
ープゲインの推定を複数のトラックで行い、その推定結
果と先に推定したサーボヘッドに対する制御対象のルー
プゲインの推定結果を用いてLPFのゲイン変換値を算
出し、そのゲイン変換値と対応するヘッド番号およびト
ラック番号をRAM内へ格納する(ステップ303)。
この303ステップの詳細は、図4で説明する。これら
制御対象の推定をフォーマット終了時に実行することに
より、ディスク装置の定常状態の安定した制御対象のル
ープゲインの推定が可能となる。302ステップで格納
したRAM内の制御手段のゲイン変換値と対応するトラ
ック番号と、303ステップで格納したRAM内のLP
Fのゲイン変換値と対応するヘッド番号およびトラック
番号をディスク面メモリに格納する(ステップ30
4)。以上終了した後に、ディスク装置を出荷する(ス
テップ305)。
【0040】ディスク装置のユーザが電源を投入すると
(ステップ306)、まず、304ステップで格納した
ディスク面メモリから制御手段のゲイン変換値と対応す
るトラック番号と、LPFのゲイン変換値と対応するヘ
ッド番号およびトラック番号をRAMに書き込む(ステ
ップ307)。位置決め制御のコマンドが発生される
と、トラック番号とヘッド番号が選択され、トラック番
号に対応する制御手段のゲイン変換値が制御手段に設定
され(ステップ308)、トラック番号とヘッド番号に
対応するLPFのゲイン変換値がLPFに設定され(ス
テップ309)、ヘッド位置決め動作が実行される(ス
テップ310)。
【0041】上記発明においては、302ステップから
304ステップを出荷前に行っているが、ユーザのフォ
ーマット作業終了時に実行することも可能である。ま
た、本発明は、ユーザの電源投入直後毎に実行すること
も可能である。さらに、本発明は、ユーザが電源投入
中、制御対象のループゲイン推定をヘッドあるいはトラ
ックに関し個別に順に実行し、ディスク面に記録した情
報を新しく更新することも可能である。
【0042】図4は、図3の302ステップで説明した
サーボヘッドに対する制御対象のループゲインの推定手
順とその推定結果を用いて制御手段のゲイン変換値を算
出する手順を説明するためのフローチャートである。
【0043】ここでは、説明の簡略化のためディスク装
置のトラック数は1000トラック、サーボヘッド数は
一個、データヘッド数は3個とする。利得同定手段の実
行は、全トラックで実行するのではなく、代表する0ト
ラック(最外周)、250トラック(外周)、500ト
ラック(中周)、750トラック(内周)、1000ト
ラック(最内周)で実行し、事前に把握しているボイス
コイルモータのトラックに対する変動のカーブを基にト
ラック間を曲線または直線で補間する。あるいは、全ト
ラックを5ゾーンに分割し、例えば0トラックで推定し
た結果は、最外周のゾーンに含まれるトラックにヘッド
が移動されたときに用いるとすることも可能である。次
に、サーボヘッに対する制御対象のループゲインの推定
の詳細を以下に述べる。
【0044】まず、トラック番号を0トラックとする
(ステップ400)。この時点では、ハイブリッド型サ
ーボ方式で位置決めしている。次に、HPFをフルパス
にし、LPFをカットする(ステップ401)。この時
点で、ハイブリッド位置信号は、サーボヘッド位置信号
のみとなり、サーボ面サーボ方式で0トラックにサーボ
ヘッドを位置決めしている。利得同定アルゴリズムを実
行し、制御信号とサーボヘッド位置信号からサーボヘッ
ドの0トラックにおける制御対象のループゲインを推定
する(ステップ402)。この402ステップの利得同
定アルゴリズムの詳細は、図6に示す。402ステップ
で推定したサーボヘッドに対する制御対象のループゲイ
ンより、零クロス周波数が設計値となるように制御手段
のゲインを算出する。サーボ面サーボ方式における開ル
ープのゲイン特性は、制御対象のループゲインと制御手
段のループゲインの積によって与えられるため、制御対
象のループゲインが推定できれば、零クロス周波数が設
計値となるように制御手段のゲインを設定することは容
易である。RAMには、算出した制御手段のゲイン変換
値と0トラック番号を格納する(ステップ403)。制
御手段のゲインを格納することでコマンドが位置め制御
を選択した際に、制御対象のゲイン推定値から制御手段
のゲイン変換値を算出することなく位置決め制御が可能
となる。
【0045】次に、HPFとLPFを再設定し、サーボ
面サーボ方式からハイブリッド型サーボ方式にもどす
(ステップ404)。トラック番号を250繰り上げ2
50トラックシークして(ステップ405)、上記40
1ステップから405ステップまでの手順を実行する。
そして、トラック番号が1000トラックのときの推定
後に、ゲイン推定を終了する(ステップ406)。
【0046】以上から、RAMには、トラック番号と制
御手段の設定ゲインの一次元的なテーブルが作成でき
る。上記実施例においては、RAMに制御対象の推定ゲ
インから算出した制御手段の設定ゲインを格納している
が、制御対象の推定ゲインを直接格納し、位置決め制御
時に制御手段のゲインに変換してもよい。
【0047】図5は、図3の303ステップで説明した
全データヘッドに対する制御対象のループゲインの推定
手順とその推定結果を用いてLPFのゲイン変換値を算
出する手順を説明するためのフローチャートである。
【0048】ここでは、先と同様に説明の簡略化のため
ディスク装置のトラック数は1000トラック、サーボ
ヘッド数は一個、データヘッド数は3個とする。また、
データヘッドには、番号をつけ、番号1、2、3とす
る。次に、全データヘッドに対する制御対象のループゲ
インの推定の詳細を以下に述べる。
【0049】まず、トラック番号を0トラックとし(ス
テップ500)、データヘッド番号を1番とする(ステ
ップ501)。この時点では、サーボヘッドと1番のデ
ータヘッドを併用したハイブリッド型サーボ方式で位置
決めしている。次に、HPFをカットし、LPFをフル
パスにする(ステップ502)。この時点で、ハイブリ
ッド位置信号は、セクタの割り込み毎のデータヘッド位
置信号のみとなり、データ面サーボ方式で0トラックに
0番のデータヘッドを位置決めしている。利得同定アル
ゴリズムを実行し、制御信号とデータヘッド位置信号か
ら1番データヘッドの0トラックにおける制御対象のル
ープゲインを推定する(ステップ503)。この503
ステップの利得同定アルゴリズムの詳細は、図6に示
す。503ステップで推定したデータヘッドに対する制
御対象のループゲインと先に推定したサーボヘッドに対
する制御対象のループゲインが等しくなるように、LP
Fのゲインを算出する。RAMには、算出したLPFの
ゲイン変換値と1番データヘッド番号と0トラック番号
を格納する(ステップ504)。LPFのゲインを格納
することでコマンドが位置決め制御を選択した際に、制
御対象のゲイン推定値からLPFのゲイン変換値を算出
することなく位置決め制御が可能となる。
【0050】次に、HPFとLPFを再設定し、データ
面サーボ方式からハイブリッド型サーボ方式にもどす
(ステップ505)。ヘッド番号を一つ繰り上げ2番デ
ータヘッドとし、上記502ステップから506ステッ
プまでの手順を実行し、次いで、全データヘッドに対し
同様に502ステップから506ステップまでを実行す
る(ステップ507)。
【0051】さらに、トラック番号を250繰り上げ2
50トラックシークして(ステップ508)、上記50
1ステップから508ステップまでの手順を実行する。
そして、トラック番号が1000トラックのときの推定
後に、ゲイン推定を終了する(ステップ509)。
【0052】以上から、RAMには、データヘッド番号
とトラック番号とLPFの設定ゲインの二次元的なテー
ブルが作成できる。上記実施例においては、RAMに制
御対象の推定ゲインから算出したLPFの設定ゲインを
格納しているが、制御対象の推定ゲインを直接格納し、
位置決め制御時にLPFのゲインに変換してもよい。
【0053】図6は、図4の402ステップと図5の5
03ステップに記載した利得同定アルゴリズムの計算手
順を説明するためのフローチャートである。ここでは、
この中で図4の402ステップで実行する利得同定アル
ゴリズムについて説明する。図5の503ステップにつ
いても同様に説明することができるため、ここでは説明
を省略する。
【0054】まず、図1を用いサーボヘッドに対する制
御対象のモデル化を示す。各データヘッドに対する制御
対象のモデル化も以下同様に説明できる。図1では、ヘ
ッド支持系に働く例えばリード線FPC(Flexible Pri
nted Circuit)等の剛性により生じる外力を記載してい
ない。外力は事前に外力推定器などにより推定を完了
し、外力を相殺する入力を発生しているものとして説明
する。また、モデル化の際に制御対象を線形2次系と仮
定している。この仮定は、ゲイン推定時に発生する目標
位置信号の周波数を、零クロス周波数付近かあるいはそ
れ以下に設定することで多くのディスク装置に対し成立
するものである。
【0055】図1の場合、制御信号u(k)からサーボヘ
ッド位置信号ys(k)までの離散時間伝達関数のモデル
は、サンプリング時間をTとすると次式となる。ただ
し、z-1は遅延演算子、kはステップ数とする。
【0056】
【数1】
【0057】ただし、サーボヘッドの制御対象のループ
ゲインθは以下で与えられる。
【0058】
【数2】
【0059】ここで、上式に用いられている記号の物理
的意味と単位は次の通りである。
【0060】ys(k):サーボヘッド位置信号 (V) u(k):制御信号 (V) M:サーボヘッドおよびヘッド支持系の等価質量 (kg) kDA:DA変換器のゲイン (-) kA:パワーアンプのゲイン (A/V) kF:ボイスコイルモータの力定数 (N/A) kP:位置検出手段のゲイン (V/m) kAD:AD変換器のゲイン (-) 数1は、次式の同定表現に書き表せる。
【0061】 ys(k)=θ・(u(k-1)+u(k-2))+(2ys(k-1)−ys(k-2)) =θζ(k)+η(k) ・・・・・・ (数3) ただし、 ζ(k)=u(k-1)+u(k-2) ・・・・・・ (数4) η(k)=2ys(k-1)−ys(k-2) ・・・・・・ (数5) 次に、制御対象のループゲインθの推定方法を示す。目
的は、ys(k)、ζ(k)およびη(k)からθのよい近似値
(推定値)であるθh(k)を推定することである。ここで
は、最小二乗法により、θの推定を行う。最小二乗法
は、制御信号u(k)とサーボヘッド位置信号ys(k)が雑
音成分を含むため、θの高精度な推定に有効である。数
3に対して次式の同定モデルを構成する。
【0062】 ysh(k)=θh(k-1)ζ(k)+η(k) ・・・・・ (数6) ここで、同定器誤差をε(k)を次の様に定める。
【0063】 ε(k)=ys(k)−ysh(k) =[θ−θh(k-1)]ζ(k) ・・・・・ (数7) このとき、適応調整則は、次のアルゴリズムを用いてパ
ラメータ推定値θh(k)の更新を行う。
【0064】
【数8】
【0065】上式の学習ゲインγ(k-1)の更新は次式で
行う。
【0066】
【数9】
【0067】 γ(0)>0 ・・・・・・ (数10) 以下では、上記の利得同定手段の計算ルーチンを図5を
用いて示す。
【0068】まず、ステップ数kを0ステップとする
(ステップ600)。制御対象のループゲインの推定パ
ラメータの初期値θh(0)と学習ゲインの初期値γ(0)を
決定する(ステップ601)。θh(0)は、任意の値をとれ
るが、γ(0)は推定値の収束速度を決定するパラメータ
となっていて、大きくとるほど収束速度が速くなる。こ
こでは、θh(0)=0,γ(0)=100と設定し、収束速度を
上げる。
【0069】次に、制御信号u(k)とハイブリッド位置
信号ys(k)を取り込む(ステップ602)。図4の40
2ステップにおいては、既にサーボ面サーボ状態となっ
ているため、ハイブリッド位置信号は、サーボヘッド位
置信号と同一である。制御手段は、目標位置信号とハイ
ブリッド位置信号の差の誤差信号を用いて制御信号u
(k)を作成する。ただし、目標位置信号発生器は、コマ
ンドが発生したトラックを中心にした微小振幅の正弦波
状の目標位置信号を発生する。目標位置信号の周波数
は、制御対象が線形な周波数帯域である必要がある。通
常零クロス周波数付近かそれ以下の周波数に設定する。
ここでは、400Hzに設定する。また、目標位置信号の
振幅は、位置信号の線形な範囲で大きい方が望ましい。
ここでは、±(トラック間隔/4)μmとする。この値を
基にして、数4のζ(k)と数5のη(k)の計算(ステップ
603)、数6のysh(k)の計算(ステップ604)、数
7のε(k)の計算(ステップ605)を順に行う。そし
て、数8のθh(k)を計算し制御対象のループゲインの推
定値を求め(ステップ606)、数9の学習ゲインγ
(k)を更新した後(ステップ607)、ステップを一つ繰
り上げて(ステップ608)、ステップ602からステッ
プ608の計算を繰り返し実行する。
【0070】ステップ数kが100ステップ以上となっ
たとき(ステップ609)、ゲイン推定値θh(100)をR
AMに格納する(ステップ610)。
【0071】本実施例の場合、ステップ数kが50ステ
ップになった時点で推定値θh(k)はほぼ収束する。本発
明者らの実験によれば、100ステップにおいて±2%
の精度で推定を完了することが確かめられた。
【0072】上記発明においては、利得同定手段を制御
対象のモデルに基づいて推定する手段としていたが、例
えば、公知の技術である自動周波数応答法の考え方を用
いて制御対象のループゲインを求めることも可能であ
る。これは、図1において、例えば、サーボヘッドに対
する制御対象のループゲインは、制御手段が生成する制
御信号に加法的に正弦波を印加し、その正弦波を印加し
た直後の制御信号と、HPFをフルパスにしLPFをカ
ットしたときのハイブリッド位置信号(サーボヘッド位
置信号)を利得同定手段に取り込み、定常状態に達した
ときの制御信号とハイブリッド位置信号の振幅を比較す
ることで求めることができる。
【0073】図7は、本発明の方法を実施する前のLP
FとHPFの各々のゲイン線図である。ここで、LPF
のゲイン特性は、図1において制御信号から各データヘ
ッド毎のデータヘッド位置信号を経てLPFの出力信号
までのゲインである。一方、HPFのゲイン特性は、図
1において制御信号からサーボヘッドのサーボヘッド位
置信号を経てHPFの出力信号までのゲインである。た
だし、2番のデータヘッドに対する制御対象ループゲイ
ンが、サーボヘッドに対する制御対象のループゲインと
等しいとし、1番および3番のデータヘッドの検出ゲイ
ンは、それぞれ2番のデータヘッドの検出ゲインの1.
2倍と0.8倍であるとする。これより、データヘッド
毎の検出ゲインのばらつきは、LPFのゲイン特性のば
らつきとなることが分かる。一方、図8は、本発明の方
法を実施した後のLPFとHPFの各々のゲイン線図で
ある。データヘッドの検出ゲインのばらつきにもかかわ
らず、全データヘッドに対するLPFのゲインの低周波
数成分のゲインは、サーボヘッドに対するHPFの高周
波数成分のゲインと等しくすることができる。これは、
サーボヘッドに対する制御対象のループゲインと全デー
タヘッドに対する制御対象のループゲインを推定し、全
データヘッドの制御対象のループゲインがサーボヘッド
の制御対象のループゲインと等しくなるように、各々デ
ータヘッド毎にLPFのゲインを調整しているからであ
る。
【0074】図9は、本発明の方法を実施する前のハイ
ブリッドフィルター部の伝達特性のボード線図である。
すなわち、図1において制御信号から各々ヘッドを含み
ハイブリッド位置信号までのゲインおよび位相線図であ
る。これより、位置決め信号となる重要なハイブリッド
位置信号は、データヘッド毎のゲインのばらつきによ
り、ゲインがハイブリッドフィルターの折れ点周波数ω
hより低周波数域でばらつき、位相は折れ点周波数ωhで
ふくらみをもつ特性となることが分かる。この低周波数
のゲインのばらつきと、ωhを中心とした位相のばらつ
きは、開ループ特性の低周波数のゲインのばらつき、お
よび零クロス周波数付近における位相のばらつきとな
り、位置決め特性に影響を与える。一方、本発明の方法
を実施した後は、ハイブリッドフィルター部のゲインお
よび位相特性は、全データヘッドに対しすべての周波数
において一定となる。
【0075】なお、上述した実施例では、磁気ディスク
装置を取り上げたが、本発明は他の記録媒体、例えば光
ディスクを用いる場合にも同様に実現が可能である。
【0076】また、上述した実施例では、一つの制御手
段を取り上げ、推定値に基づきその制御手段を補正する
となっているが、本発明は制御手段の数を限定するもの
ではない。
【0077】さらに、状態量を推定する状態推定器の内
部モデルや外力量を推定する外力推定器の内部モデルや
ディスク偏芯量を推定する偏芯推定器の内部モデルな
ど、制御対象に基づいた種々の推定器の内部モデルを本
発明で求めた制御対象の推定結果を用いることも可能で
あり、また本発明を用いて推定することにより推定精度
が向上することが確かめられている。
【0078】
【発明の効果】本発明によれば、ハイブリッド型サーボ
方式を用いたディスク装置において、サーボヘッドに対
する制御対象のループゲインと、各データヘッド毎の制
御対象のループゲインの値を正確にもとめ、その値から
LPFと制御手段を補正することにより、そのばらつき
を見かけ上一定とするハイブリッド型ヘッド位置決め適
応制御装置およびその制御方法を提供できる。また、L
PFの低周波数域成分のゲインとHPFの高周波数域成
分のゲインを等しくするハイブリッド位置信号を提供す
ることがきでる。また、高速なヘッドの移動や高精度な
ヘッドの位置決め動作のばらつきの低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すハイブリッド型ヘッド
位置決め適応制御装置のブロック線図である。
【図2】本発明の一実施例を示すハイブリッド型ヘッド
位置決め適応制御装置のハードウエア構成図である。
【図3】本発明の一実施例の実行手順を説明するフロー
チャートである。
【図4】ステップ302(図3)記載のサーボヘッドの
推定手順を説明するためのフローチャートである。
【図5】ステップ303(図3)記載の全データヘッド
の推定手順を説明するためのフローチャートである。
【図6】ステップ402(図4)及びステップ503
(図5)記載の利得同定手段のアルゴリズムの計算手順
を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の方法を実施する前のLPFとHPFの
ゲイン線図である。
【図8】本発明の方法を実施した後のLPFとHPFの
ゲイン線図である。
【図9】本発明の方法を実施する前のハイブリッドフィ
ルター部の伝達特性のゲイン線図である。
【図10】本発明の方法を実施する前のハイブリッドフ
ィルター部の伝達特性の位相線図である。
【符号の説明】
1・・・・スピンドルモータ、2・・・・サーボディスク、3・・
・・データディスク、4・・・・サーボヘッド、5・・・・データ
ヘッド、6・・・・ヘッド支持系、7・・・・ボイスコイルモー
タ、8・・・・パワーアンプ、9・・・・DA変換器、10・・・・
位置検出手段、11・・・・ヘッド切換え手段、12・・・・A
D変換器、13・・・・HPF(ハイパスフィルター)、1
4・・・・LPF(ローパスフィルター)、15・・・・目標位
置発生手段、16・・・・制御手段、17・・・・利得同定手
段、18・・・・スイッチ、19・・・・メモリ、20・・・・スイ
ッチ、21・・・・マイクロプロセッサシステム、22・・・・
トラック番号、23・・・・ヘッド番号、24・・・・サーボヘ
ッド位置信号、25・・・・データヘッド位置信号、26・・
・・ハイブリッド位置信号、27・・・・制御信号、30・・・・
マイクロプロセッサ、 31・・・・RAM(ランダムアク
セスメモリ)、32・・・・ROM(読み出し専用メモ
リ)、33・・・・コマンド発生器、34・・・・ディスク面メ
モリ、35・・・・バスライン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 天野 英明 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 常田 勝啓 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 荒井 毅 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 小田原工場内 (72)発明者 小野山 勝元 神奈川県小田原市国府津2880番地 株式 会社 日立製作所 小田原工場内 (56)参考文献 特開 昭62−289978(JP,A) 特開 昭63−178302(JP,A) 特開 平1−92802(JP,A) 特開 平4−49530(JP,A) 特開 平5−282818(JP,A) 特開 平4−11369(JP,A) 特開 平2−84187(JP,A) 特開 平2−239476(JP,A) 特開 平3−147577(JP,A) 特開 平1−79803(JP,A) 特開 昭61−250879(JP,A) 特公 平2−7081(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 21/10 G05B 13/02 G05D 3/12

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サーボ情報が記録されるサーボディスク円
    板と、該サーボディスク円板との間でサーボ位置信号の
    読み出しを行うサーボヘッドと、該ヘッドの位置を検出
    しサーボヘッド位置信号を出力するサーボヘッド位置検
    出手段と、サーボ情報が間欠的に記録されるデータディ
    スク円板と、該サーボヘッドの移動と連動し且つ該デー
    タディスク円板との間でサーボ位置信号の読み出しを行
    うデータヘッドと、該ヘッドの位置を検出しデータヘッ
    ド位置信号を出力するデータヘッド位置検出手段と、該
    サーボヘッド位置信号と該データヘッド位置信号を用い
    て該データヘッドを目標データトラックに位置決め制御
    する制御信号を発生する制御手段とを備えたハイブリッ
    ド型ヘッド位置決め制御装置において、 前記制御信号から前記サーボヘッドを含みサーボヘッド
    位置信号までのサーボヘッド利得を同定する利得同定手
    段と、該利得を記憶する記憶手段と、該記憶された利得
    に基づいて前記制御手段の制御信号を補正する手段と、
    前記データヘッドを前記データディスク円板毎に設け、
    前記制御信号から前記データヘッドを含みデータヘッド
    位置信号までのデータヘッド利得を同定する利得同定手
    段と、該記憶されたサーボヘッド利得に該各々のデータ
    ヘッド利得が等しくなるように前記データヘッド位置信
    号を補正する手段と、前記データヘッド位置信号の低周
    波成分に前記サーボヘッド位置信号の高周波成分を付加
    した位置信号を用いて前記データヘッドを目標データト
    ラックに位置制御することを特徴とするヘッド位置決め
    適応制御装置。
  2. 【請求項2】前記データヘッド位置信号を補正する手段
    は、前記サーボヘッド利得に各々のデータヘッド利得が
    等しくなるように前記サーボヘッド位置信号を補正する
    手段は、前記サーボヘッド位置信号の高周波数成分の利
    得と、前記各々のデータヘッド毎の前記データヘッド位
    置信号の低周波数成分の利得が等しくなるように前記デ
    ータヘッド位置信号を補正することを特徴とする請求項
    1に記載のヘッド位置決め適応制御装置。
  3. 【請求項3】サーボ情報が記録されるサーボディスク円
    板との間でサーボヘッドの位置を検出しサーボヘッド位
    置信号を出力するステップと、サーボ情報が間欠的に記
    録されるデータディスク円板との間でデータヘッドの位
    置を検出しデータヘッド位置信号を出力するステップ
    と、該サーボヘッド位置信号と該データヘッド位置信号
    とを用いて該データヘッドを目標データトラックに位置
    決め制御する制御信号を発生するステップとを含むハイ
    ブリッド型位置決め制御装置の制御方法において、 前記制御信号から前記サーボヘッドを含みサーボヘッド
    位置信号までのサーボヘッド利得を同定するステップ
    と、該利得を記憶するステップと、該記憶された利得に
    基づいて前記制御信号を補正するステップと、複数の前
    記データヘッド毎に、前記制御信号から前記データヘッ
    ドを含みデータヘッド位置信号までの該各々のデータヘ
    ッド利得を同定するステップと、 該記録されたサーボヘッド利得に該各々のデータヘッド
    利得が等しくなるように前記データヘッド位置信号を補
    正するステップと、前記データヘッド位置信号の低周波
    成分と該サーボヘッド位置信号の高周波成分を用いて前
    記データヘッドを目標データトラックに位置決め制御す
    るステップであることを特徴とするヘッド位置決め適応
    制御装置の制御方法。
  4. 【請求項4】前記利得を同定するステップは、前記サー
    ボヘッドを正弦波状に動かす前記制御信号と前記サーボ
    ヘッド位置信号より前記サーボヘッド利得を推定し、前
    記複数のデータヘッドを正弦波状に動かす前記制御信号
    と前記データヘッド位置信号より前記データヘッド利得
    を推定するステップであることを特徴とする請求項3記
    載のヘッド位置決め適応制御装置の制御方法。
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