JPH056635A - 磁気デイスク装置 - Google Patents

磁気デイスク装置

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JPH056635A
JPH056635A JP18515891A JP18515891A JPH056635A JP H056635 A JPH056635 A JP H056635A JP 18515891 A JP18515891 A JP 18515891A JP 18515891 A JP18515891 A JP 18515891A JP H056635 A JPH056635 A JP H056635A
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magnetic
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Kazuhisa Shishida
和久 宍田
Hirotake Hirai
洋武 平井
Takashi Yamaguchi
高司 山口
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気ヘッドの切り換えを高速かつ安定に行
う。 【構成】 ヘッド切り換え時の目標位置信号を発生する
機構13と、演算時間遅れあるいは位相遅れの量に応じ
て目標位置信号を発生する機構12と、ヘッド支持機構
1の近似逆モデルにより目標加速度信号を発生する機構
9を設けた。 【効果】 目標位置信号を修正し、これと目標加速度信
号を用いた制御により、高速で安定なヘッド切り換えが
可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気デイスク装置に係わ
り、特に磁気デイスクの同一面上にデータと位置情報を
記録して磁気ヘッドの位置決め制御を行うデータ面サー
ボ制御方式の磁気デイスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気デイスク装置の磁気ヘッドの
位置決め制御は、磁気デイスクの1つの面に書き込んだ
位置決め専用のサーボ信号をこのデイスク面に対向する
磁気ヘッド(サーボヘッド)で読みだし、その値が目標
トラックを示すように制御して磁気ヘッドの位置決めを
行うという、サーボ面サーボ制御方式が用いられてい
た。この方式においては、サーボヘッドの位置決めを行
うとヘッド支持機構によりサーボヘッドと一体に支持さ
れたデータ記録再生用の磁気ヘッド(データヘッド)が
それに対向するデータ記録面上の目標位置に位置決めさ
れる。本方式においては、サーボヘッドが目標トラック
中心に正確に追従制御された状態であっても、ヘッド支
持機構に熱変形が生じるとデータヘッドは目標トラック
の中心に正確に位置決めされず、一定の位置偏差を生じ
る(熱オフトラック)。この現象は磁気デイスク装置の
大容量化に伴う高トラック密度化にとって大きな障害と
なるので、同一デイスク面上にサーボ情報とデータを一
定のサンプル周期で配し、位置決めとデータアクセスを
同一磁気ヘッドで行うデータ面サーボ制御方式が採用さ
れるようになった。このデータ面サーボのデータ構成を
図17に示す。ディスクの各トラックには、サーボ情報
とデータとが交互に格納され、サーボ情報からヘッド位
置決めを行う。サーボ情報は、トラック番号と、中心線
からのヘッドのずれ検出のためのずれ検出情報D1〜D4
とより成る。この記録されたトラック番号から現在のヘ
ッド位置のトラック番号がわかり、或は、目標トラック
番号の追跡のために参照する。ずれ検出情報D1とD2
は同一ディスクトラックの幅を2分した位置、即ち、中
心線の左右半分ずつの領域に格納された情報であり、D
1はその斜線の全領域に均一に、ある情報を格納したも
のであり、D2は無情報(例えば“0”)を均一に格納
したものである。D3とD4とは、D4がD1、D3がD2
相当するものである。かくして、中心線からのヘッドの
左右のずれは、ヘッドで検出したデータD1〜D4、特に
1とD4とを参照することによって、例えばD1>D4
あればその差分の大きさで左方向へのずれの発生とずれ
量がわかり、D4>D1であればその差分の大きさで右方
向へのずれの発生とずれ量がわかる。この方式によれ
ば、熱オフトラックの問題は生じないから、特に高トラ
ック密度の磁気デイスク装置に有利である。
【0003】一方、データ面サーボ制御方式の技術課題
の1つとしてヘッド切り替えの問題があげられる。例え
ば画像データのような大容量の情報を高速に記録再生す
る場合、複数ある磁気ヘッドを連続的に切り換え、各磁
気デイスク面上の同一番号のトラックに位置決め制御し
ながら記録再生を行う。この時、アクセス時間の高速化
にはヘッド切り替え制御の高速化が必要となる。従来、
この問題を解決するためのいくつかの方法が提案されて
いる。例えば特開昭58−218078号公報あるいは
特開昭63−56882号公報には、ヘッド切り替え時
のヘッド間オフセット量が小さい(おおよそ1/2トラ
ック)時には、位置制御系のみで制御することにより位
置決め制御の高速化を図るという方法が開示されてい
る。また特開平2−87379号公報には、シーク制御
中あるいはフォロイング制御中にヘッド間オフセット量
を測定し、ヘッド切り替え時にこのオフセット量に従い
フィードフォワード的に制御するという方法が開示され
ている。また特開昭58−213307号公報には、可
動体駆動信号(加速度信号)と、これを2回積分した信
号とヘッド検出位置信号との偏差をアナログ補償器に通
した信号とによりヘッド支持機構を駆動するという方法
が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術におい
て、制御系補償要素の主要な部分をアナログ補償器で構
成したときはこのアナログ補償器に位相遅れが生じる。
またこの補償要素をデイジタル補償器として実現した場
合には演算時間遅れが生じる。いづれの場合にも制御時
間の遅れをもたらすが、従来技術ではこの点が十分考慮
されていなかった。
【0005】本発明の目的は、上記した制御時間遅れの
影響を最小限に抑え、制御性能の向上とヘッド切り換え
時の位置決め時間の短縮を図った磁気デイスク装置を提
供するにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では2つの制御信号に基づきアクチュエー
タを駆動し、ヘッド支持機構を位置決めする方法を用い
ている。即ち、磁気ヘッドの目標位置信号を演算遅れあ
るいは位相遅れの伝達特性の近似モデルに入力すること
により得られる信号を修正目標位置信号とする。この信
号とヘッド位置検出信号を比較した結果を位相補償器な
どの制御手段に入力することにより、この制御手段の出
力として第1の制御信号を得る。また前記目標位置信号
をヘッド支持機構伝達特性の近似逆モデルに入力し、そ
の出力として第2の制御信号を得る。そして第1及び第
2の制御信号を加算した信号をもとにアクチュエータを
駆動して磁気ヘッドの位置決め制御を行う。これにより
目標位置信号とヘッド位置検出信号に位相のずれが生じ
ないフィードバック制御ループと第2の制御信号をフィ
ードフォワード信号とするフィードフォワード制御ルー
プを備えた磁気ヘッド位置決め制御系を具備している。
さらにヘッド間オフセット量の測定手段を設ける。
【0007】
【作用】上記の解決手段においては、演算時間遅れある
いは位相遅れがある場合でも、目標位置信号と検出位置
信号との間に位相差が生じないように目標位置信号が修
正される。このため磁気ヘッドの目標位置への整定が安
定となり、高速なヘッド切り換えが実現できる。さらに
磁気ヘッド間のオフセット量を測定して制御を行うか
ら、最適の制御信号を発生させることができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。図1
は本発明の装置の一実施例を示すブロック線図で、情報
を記憶するための磁気デイスク3はスピンドルモータ4
によって駆動される。磁気ヘッド2はヘッド支持機構1
に固定され、磁気デイスク3に対向して支持される。ヘ
ッド支持機構1はアクチュエータ5により駆動され、こ
れにより磁気ヘッド2は磁気デイスク3の外周から内周
方向あるいはその逆方向に移動し、目標とする同心円上
の記録領域である目標トラック中心(図示せず)に位置
決めされ、対向する磁気デイスク3に対し情報の記録再
生を行う。以上の各部材で構成される部分を以下におい
ては機構部19と呼ぶこととする。
【0009】磁気ヘッド2により記録再生される信号の
内、位置を示す情報がサーボ信号14で、これは位置信
号復調回路15に入力される。データの方は別に処理さ
れるがここでは省略している。位置信号復調回路15に
おいては、サーボ信号14より磁気ヘッド2のトラック
中心からの位置偏差を示すポジション信号20とトラッ
クの番号を示すトラック番号信号(図示せず)を得る。
ポジション信号20はA/Dコンバータ17によりデイ
ジタル信号に変換され、マイクロプロセッサ21へ入力
される。デイスクコントローラ18よりヘッド切り換え
指示が入力されると、ポジション信号20からヘッド間
オフセット量Rがオフセット測定器83で算出され、こ
れを用いて目標値発生回路13より目標位置信号22が
出力され、目標値修正器12はこれを修正して修正目標
位置信号23を出力する。この信号23は前記のデイジ
タル化されたポジション信号20と比較器10により比
較され、比較器10から修正目標位置信号23よりの磁
気ヘッド2の位置偏差を示す位置偏差信号が出力され
る。この信号を受けたデイジタル補償器11は、入力位
置偏差信号を0とするように磁気ヘッド2を移動するた
めの第1の制御信号を演算し出力する。機構系近似逆モ
デル9には目標位置信号22が入力され、磁気ヘッド2
の第2の制御信号(目標加速度信号)を演算し出力す
る。こうして第1及び第2の制御信号が演算されるとこ
れらは加算器8により加算され、D/Aコンバータ16
によりアナログ信号に変換され、機構部19が持つ高周
波の振動モードを抑制するためのアナログ補償器7およ
びパワーアンプ6を経由してアクチュエータ5を駆動
し、磁気ヘッド2を目標トラックに位置決めする。以上
のA/Dコンバータ17からD/Aコンバータ16に至
る各処理部は、マイクロプロセッサ21内のソフトウエ
アにより実現される。
【0010】図2はマイクロプロセッサ21における処
理の内、特に本発明に関わるヘッド切り換え制御につい
ての処理を示すフローチャートである。いま、磁気デイ
スク3の内の一面を第1の磁気デイスク面、この第1の
磁気デイスク面に対向する磁気ヘッドを第1の磁気ヘッ
ドと呼ぶことにする。また第1の磁気デイスク面以外の
1つの磁気デイスク面を第2の磁気デイスク面、これに
対向する磁気ヘッドを第2の磁気ヘッドと呼ぶ。そして
磁気ヘッドの切り換えは情報の記録再生を行っている第
1の磁気ヘッドから第2の磁気ヘッドに切り換え、第2
の磁気ヘッドと第2の磁気デイスク面との間で情報の記
録再生を行うようにするものとする。但しこの時に第1
の磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドは同一番号(磁気デイ
スク面の外周から内周へ向けて順につけた番号)のトラ
ックに位置決めされるものとする。このとき、ヘッド切
り換え以前の状態では第1の磁気ヘッドが選択され、第
1の磁気デイスク面に一定のサンプル周期で記録された
位置情報より再生されるサーボ信号14に基づいて目標
トラック中心に追従制御され、記録再生を行っている
(ステップ201)。そして上記のヘッド切り換え指令
がデイスクコントローラ18より発行されてこれがステ
ップ202で検出されると、第2の磁気ヘッドにより記
録再生される信号が有効となるように図示しないスイッ
チが切り換えられる(ステップ203)。この切り換え
後の最初のサンプル時点においてヘッド間オフセット
量、すなわち第2の磁気デイスク面上に存在する目標ト
ラック中心から第2の磁気ヘッドまでの位置偏差量の情
報を取得する(ステップ204)。
【0011】ここで上記の位置偏差量の測定法の一例を
述べる。いま、第1の磁気ヘッドが選択され目標トラッ
クに追従制御されているとし、サンプル時点をマイクロ
プロセッサに知らせるサーボ割込信号301が発生され
ると、測定が開始される。このタイムチャートは図3に
示されており、最初の処理302では第1の磁気ヘッド
により検出される位置信号に基づき、目標トラック中心
に近づけるための制御信号がD/Aコンバータ16に入
力される。この制御信号の値は、次のサンプル時点のサ
ーボ割込信号発生時の処理302による制御信号がD/
Aコンバータ16に入力されるまで、即ち1サンプル周
期の間保持される。次の処理303では、第1の磁気ヘ
ッドから第2の磁気ヘッドへ切り換える。この切り換え
は図2のステップ203と同じである。処理304で
は、第2の磁気ヘッドによりサーボ信号を検出し、その
中のポジション信号20をヘッド間オフセット量として
取り込む。そして処理305で再び第1の磁気ヘッドに
切り換える。1回のサンプル時点毎に以上の処理302
〜305を繰り返し、この操作により得られる位置偏差
の平均値を記憶し、前記図2ステップ204の処理にお
いて読みだし、ヘッド間オフセット量として用いる。以
上の測定は定期的に繰り返してその値を更新しておけ
ば、ヘッド間オフセット量の時間変化に対応した正確な
値を常に知ることができる。なおこの測定においては、
第1の磁気ヘッドのサンプル時間は第2の磁気ヘッドの
サンプル時間の2倍以上であることが望ましい。第1の
磁気ヘッドと第2の磁気ヘッドが同程度のサンプル時間
の場合は、第1の磁気ヘッドの位置制御は1サンプルお
きに行う必要がある。また、ある特定の磁気ヘッドに対
するヘッド間オフセット量を求め比較することにより、
全てのヘッド間の位置偏差が計算でき、これを記憶して
おけば便利である。この時第1の磁気ヘッドをサーボヘ
ッドとし、第2の磁気ヘッドをデータヘッドとしてもよ
い。またサーボヘッドより読みだす情報のみを復調する
位置信号復調回路と、データヘッドよりよみだす情報の
みを復調する位置信号復調回路とを別々に有する場合、
データヘッドがトラック中心に位置決めされているとき
にサーボヘッドにより検出されるサーボヘッドのトラッ
ク中心からのずれ量をヘッド間オフセット量として、記
憶領域に記憶するようにしてもよい。
【0012】以上のようにして測定、記憶されたヘッド
間オフセット量が取り込まれると、図2のステップ20
5においてこのヘッド間オフセット量により決まる位置
目標信号22が、目標値発生回路13によって次のよう
に計算される。まず、目標値信号22は次に示す時間t
に関する多項式のサンプル時点における値をとりながら
変化するものとする;
【数1】 r(t)=R−(an・tn+・・・a1・t+a0),0≦t≦2τ ただし t>2τ ではつねにr(t)=0である。ま
た t=0 は第2の磁気ヘッドに切り換え後の最初の
サンプル時点、2τはt=0から位置決めを終了するま
での時間、Rは前記ステップ204の処理で得られるt
=0の時点での磁気ヘッド2のヘッド間オフセット量、
0,a1,・・・anはパラメータである。これらのパ
ラメータを決めるために目標位置信号r(t)やその時
間微分dr(t)/dt(目標速度)及びその時間微分
2r(t)/dt2(目標加速度)は図4に示すような
関数とする。即ち初期値(t=0)の時と同様に、t=
2τには目標位置への位置決めは終了し、目標位置、目
標加速度はすべて0になるとする。またデイジタル補償
器11が出力する制御信号はサンプル周期毎に更新され
るから、加速から減速への切り換え時間に対応するτは
サンプル周期Tの整数倍となる必要があり、この切り換
え時点をt=τとする。ここでは目標加速度は0とな
る。以上の諸条件をまとめて式で表すと
【数2】 r(0)=R,r(2τ)=0, dr(0)/dt=dr(2τ)/dt=0, d2r(0)/dt2=d2r(τ)/dt2=d2r(2τ)/dt2=0 この条件式が7個存在することから、[数1]のr
(t)の次数nを6とする。そして[数2]の条件を満
たすように、[数1]のパラメータa0,a1,・・・a
nを決定すると
【数3】 r(t)=R−{(3R/16τ5)t5−(15R/16τ4)t4 +(20R/16τ3)t3}, 0≦t≦2τ が得られる。実際の目標位置信号22はこの[数3]に
ステップ204で求めたRの値を代入し、サンプル時点
での値
【数4】r(0),r(T),r(2T),・・・ という時系列データとして与えられる。
【0013】図2のステップ206では、目標位置修正
器12により以下のようにして修正目標位置信号23が
計算される。まず図1のD/Aコンバータ16の入力か
らA/Dコンバータ17の出力に至るまでの伝達特性を
P(s)としたとき
【数5】 GP(s)=KGDA(s)Ga(s)Gm(s)exp(−△s) ただしGDA(s)はD/Aコンバータ16の伝達特性、
Ga(s)はアナログ補償器7の伝達特性、Gm(s)
はヘッド支持機構1の伝達特性であり、
【数6】K=KAFPAD である。ここでKAはパワーアンプ6のゲイン、KFはア
クチュエータ5のゲイン、KPは位置信号復調回路15
のゲイン、KADはA/Dコンバータ17のゲインであ
る。またexp(ー△s)は△時間の演算時間遅れを示す
伝達特性である。またデイジタル補償器11の伝達特性
をGC(s)、目標値修正器の伝達特性をGD (s)とす
る。このGD(s)がいま求めようとしているものであ
る。さらに機構系の近似伝達特性HP(s)を
【数7】HP(s)=KHm(s)GDA(s) とおく。ここで
【数8】Hm(s)=1/(ms2) はヘッド支持機構1の伝達特性モデルである。ヘッド支
持機構1は実際には図5に示すように無数の振動を含む
伝達特性を有するが、制御系の設計においては通常この
伝達特性を低次元化し制御性能に重要な影響を与える部
分を抽出してモデル化する。ここでもヘッド支持機構1
を慣性体としてモデル化したものが[数8]である。以
上のようにしたときに機構系近似逆モデル9の伝達特性
は[数7]のHP(s)の逆数HP -1(s)で表され、y
(s)を磁気ヘッドの位置、r(s)を目標位置信号2
2のそれぞれラプラス変換による表現とすると、図1の
制御系は図6に示す制御系モデルとして書くことができ
る。同図から入力r(s)と出力y(s)は
【数9】 {1+GP(s)GC(s)}y(s)={GP(s)HP -1(s) +GP(s)GC(s)GD(s)}r(s) の関係を満たす。ここで[数5]、[数7]からG
P(s)とHP(s)との間には
【数10】 GP(s)=Ga(s)exp(−△s){Gm(s)/Hm(s)}HP(s) なる関係があるが、さらに[数5]のGm(s)はその
モデルHm(s)によりよく近似されているとしてGm
(s)=Hm(s)とすると
【数11】 GP(s)=Ga(s)exp(−△s)HP(s) と書ける。またアナログ補償器7の伝達特性Ga(s)
は図7のような周波数特性を持った、一般にノッチフィ
ルタとしてよく知られているものであり、
【数12】 Ga(s)=(s2+ωn 2)/(s2+2ζnωns+ωn 2) の形に書ける。このGa(s)の位相特性は
【数13】 ∠Ga(jω)=−tanー1{2ζnωnω/(−ω2+ωn 2)} であるが、右辺はω/ωnが十分1より小さいとしたと
き、級数展開を用いて第1項のみをとって近似すれば
【数14】 ∠Ga(jω)=−(2ζn/ωn)ω=−ηnω,ηn=2ζn/ωn となる。この特性は、ηnの時間遅れをもつ無駄時間要
素の位相特性に他ならない。そこでアナログ補償器7の
伝達特性をηnの遅れ時間をもつ無駄時間要素exp(−η
ns)で近似すれば、制御性能に大きく影響する制御周
波数近辺ではこの近似特性とGa(s)の振幅もよく一
致している。この時[数11]は
【数15】 GP(s)=exp{−(△+ηn)s}HP(s) とかける。従って式(8)はこのGP(s)を用いて
【数16】 {1+GP(s)GC(s)}={exp(−(△+ηn)s) +GP(s)GC(s)GD(s)}r(s) となる。以上から、目標修正器12の伝達特性G
D(s)を
【数17】GD(s)=exp{−(△+ηn)s} なる特性の補償要素とすれば、[数16]の目標位置信
号r(s)からヘッド検出位置信号y(s)までの伝達
特性は
【数18】 y(s)=exp{−(△+ηn)s}r(s) となり、磁気ヘッドの応答は目標位置信号を△+ηn
間遅らせた応答と一致する。またこの時、修正目標位置
信号23をラプラス変換した信号h(s)は
【数19】 h(s)=exp{−(△+ηn)s}r(s) で表される。これから0≦t≦2τの時間に於て修正目
標位置信号23は
【数20】h(t)=r{t−(△+ηn)} のサンプル時点毎の値として計算される。t>2τにお
いてはむろんh(t)=0である。
【0014】図2のステップ205で説明した目標位置
信号は、図4に例示したようにアクチュエータ5が発生
可能な推力の範囲で任意のサンプル周期の整数倍の時間
で目標位置に整定するパターンを設計できる。そこで例
えば2回のサンプル周期あるいは4回のサンプル周期で
整定するパターンを設計したとき、[数20]で修正目
標値を算出するとサンプル周期と位置決め時間は図8の
ようになる。即ちサンプル周期が500μs以下の時に
は、おおよそ1ms以内の短時間で位置決め制御を終了
することが可能となる。
【0015】次に図2ステップ207における目標加速
度信号の計算法を説明する。[数7]に示した機構系近
似モデル9の伝達特性HP(s)を、離散時間領域での
伝達特性を表現する方法として一般によく知られたZ変
換により表現すると
【数21】 HP(z)=k(T2/2m){(z+1)/(z−1)2} となる。機構系の近似モデル9はこの逆数HP ー1(z)
を伝達特性として持つから、目標位置信号22を離散時
間領域で表現したr(z)を入力することにより目標加
速度信号a(z)は
【数22】 により計算される。ここで[数21]の逆数であるHP
-1(z)は分子の次数が分母の次数を上回った、いわゆ
る非プロパーなシステムとなっている。このままでは、
物理的にはシステムに入力が加わるのに先立ち出力が発
生することとなり、現実には実現できない。そこで[数
22]を
【数23】 a(z)={2m/KT2)}{(z−1)2/((z+1)z)} ・{zr(z)} と変形する。機構系近似モデルに1サンプル遅れを付加
することにより分母と分子の次数が等しい、実現可能な
プロパーなシステムとし、このシステムに目標位置信号
を1サンプル進めた信号を入力する。ここでzr(z)
【数24】 zr(z)=Z{r(t+T)}+zr(0) となるが、式(2)からr(0)=0なので
【数25】zr(z)=Z{r(t+T)} ここでZ{r(t+T)}はr(t+T)のZ変換を表
す。従ってステップ205で求めた時系列データr
(T),r(2T),・・・を、機構系近似逆モデルを
1サンプル遅らせた伝達特性を持つシステムに入力する
ことにより得られる出力として、0≦t≦2τにおける
目標加速度信号の時系列データとして
【数26】a(0),a(T),・・・ が求められる。このときもt>2τではむろん0であ
る。
【0016】以上のようにして制御目標値の算出が終わ
ると、次のステップ208で第2の磁気ヘッドより検出
したサーボ信号14を位置信号復調回路15で復調し、
A/Dコンバータ17によりデイジタル信号に変換する
ことにより、現サンプル時点での第2の磁気ヘッドの位
置を検出し、ステップ209では検出した位置情報とス
テップ206の処理により得た修正目標位置信号23と
を比較することにより、現サンプル時点での第2の磁気
ヘッドの位置の修正目標位置信号23からの位置偏差量
を示す位置偏差信号を検出する。ステップ210ではこ
の位置偏差信号を入力とするデイジタル補償器11が、
位置偏差信号を0とするように第2の磁気ヘッドを移動
するための第1の制御信号を計算する。次のステップ2
11では、この第1の制御信号とステップ207で求め
た第2の制御信号を加算し、ステップ212ではこの加
算結果をD/Aコンバータ16でアナログ信号とする。
この値は次のサンプル時点まで保持される。D/Aコン
バータ16の出力信号はアナログ補償器7に入力され、
これによりステップ211の処理により得られる制御信
号の、機構部の振動モードを励振する周波数成分に大き
な減衰を与えた制御信号が得られる。その後ステップ2
13にて上記ステップ212で得られた制御信号がパワ
ーアンプ6に入力され、アクチュエータ5が駆動され
る。この駆動によりアクチュエータ5と一体となった機
構部19が移動され、磁気ヘッド2が目標トラック中心
に近づけられる。以上までの処理で1サンプル分の処理
を終了する。次回以降の周期が始まるときは、ステップ
205〜213を1周期毎に繰り返し実行する。これに
よって目標トラック中心に第2の磁気ヘッドを正確にか
つ短時間で位置決めできる。
【0017】なお、以上では、全ての磁気デイスクがサ
ーボ面サーボ制御方式で制御される場合か、あるいは全
ての磁気デイスクが位置情報とデータを同一面上に有す
るとしており、この時位置情報の得られる周期Tは1つ
であるので、[数4]で求められる目標位置信号r
(t)を用いればよい。しかし、磁気デイスク3が同一
のデイスク面上にデータを記憶する領域と位置情報を記
憶する領域が一定のサンプル周期T1で配置される磁気
デイスク(これをデータデイスク、対向するヘッドをデ
ータヘッドと呼ぶ)と、他のデイスク面上に位置情報が
一定のサンプル周期T2で配置される磁気デイスク(こ
れをサーボデイスク、対向するヘッドをサーボヘッドと
呼ぶ)を有する場合、サンプル周期T1に対応する目標
位置信号r1(t)とサンプル周期T2に対応する目標
位置信号r2(t)の両者を算出し、これらを用いた制
御が可能である。即ちまず、1つのデータヘッドから他
のデータヘッドへのヘッド切り換えがデイスクコントロ
ーラ18より指令されると、サーボヘッドにより検出さ
れるサーボ信号を位置信号復調回路15で復調するよう
にする。これによってサンプル周期T2でのサンプル制
御動作、すなわちr2(t)を目標位置信号としてデー
タヘッドを対向するデイスク面上の目標位置に位置決め
する制御が行われる。この処理の間は、後述の比較器1
0に入力される磁気ヘッドの検出位置には、サーボヘッ
ドにより検出される位置信号にサーボヘッドとデータヘ
ッド間の位置ずれ量Rが加算されたものを用いる。この
制御の後、データヘッドによりデータのアクセスを行
い、その中に検出されるサーボ信号を位置信号復調回路
15で復調し、サンプル周期T1の制御でトラックへの
追従制御を行う。またこの制御で、サーボヘッドとデー
タヘッドにそれぞれ専用の位置信号復調回路が設けられ
ている場合には、サーボデイスクより常に位置信号の検
出が可能である。従ってこの時は常にサンプル周期T2
でのサンプル制御動作が可能であり、前記のようにデー
タヘッドに切り換えてサンプル周期T1でサンプル制御
動作を行う必要はなくなる。
【0018】一方、サンプル周期T1のデータデイスク
とサンプル周期T2のサーボデイスクを有する場合は、
サンプル周期T1に対応した目標加速度信号a1(t)
とサンプル周期T2に対応した目標加速度信号a2
(t)を用いた制御が行える。ここで各目標加速度信号
は目標位置信号r1(t)、r2(t)をそれぞれヘッ
ド支持機構系逆モデル9へ入力することにより計算され
る。そしてこれらを用いたヘッド切り換え制御動作は、
目標位置信号の場合と同様である。
【0019】また、磁気デイスク3が、図9に示すよう
にデータと位置情報を有するところの周期T3の領域1
及び周期T4の領域2を1つの面上に有する場合は、サ
ンプル周期T3およびT4に対する目標位置信号r3
(t)及びr4(t)を計算し、ヘッド切り換え時には
ヘッドを位置決めするトラックが領域1に属するか領域
2に属するかに応じて目標位置信号r3(t)またはr
4(t)を用いて位置決めを行う。一方、目標加速度信
号もサンプル周期T3及びT4に対応したa3(t)お
よびa4(t)をヘッド支持機構部逆モデル9により計
算し、これらを領域1、2で使い分ける。なおここでは
1つの磁気デイスク面が2つの領域に分かれているもの
としたが、これが3またはそれ以上に分かれていても同
様である。
【0020】また、磁気デイスク3が、同一のデイスク
面上にデータ、位置情報を有するサンプル周期T3の領
域1とサンプル周期T4の領域2を有する、図9のよう
な磁気デイスクと、サンプル周期T2のサーボデイスク
とを有する場合は、サンプル周期T2,T3,T4に対
応する目標位置信号r2(t),r3(t),r4
(t)を用いる。ヘッド切り換えがデイスクコントロー
ラ18より指示されると、サーボヘッドにより検出され
るサーボ信号を位置信号復調回路15で復調してサンプ
ル周期T2でサンプル制御動作を行う。この時目標位置
信号はr2(t)であり、データヘッドを対向するデイ
スク面上の目標位置に位置決めするために比較器10に
入力される磁気ヘッドの検出位置には、サーボヘッドに
より検出される位置信号にサーボヘッドとデータヘッド
間の位置ずれ量Rを加算した量が用いられる。続いてデ
ータヘッドにより検出されるサーボ信号を位置信号復調
回路15で復調するようにする。即ちデータヘッドが領
域1に位置決めされるときはサンプル周期T3で、領域
2に位置決めされるときはサンプル周期T4でサンプル
制御動作を行い、トラックへの追従制御を行う。但しサ
ーボヘッド専用の位置信号復調回路とデータヘッド専用
の位置信号復調回路を同時にもつ場合には、サーボデイ
スクより常に位置信号の検出が可能であるから、常にサ
ンプル周期T2でのサンプル制御動作が可能であり、デ
ータヘッドに切り換え後もサンプル周期T3あるいはT
4でサンプル制御動作を行う必要はない。またここで領
域を2つとしているが、3以上の場合も同様に実施でき
る。一方、目標加速度信号の方は、サンプル周期T2に
対応する目標位置信号r2(t)をヘッド支持機構系逆
モデル9に入力して求めた目標加速度信号a2(t)を
サンプル周期T2での制御時に用いる。
【0021】次に図10及び図11により本発明の第2
に実施例を説明する。図10は本実施例の装置構成を示
すブロック図で、修正目標位置信号及び目標加速度信号
は、予め計算部87により計算され、それぞれ修正目標
位置信号記憶部86及び目標加速度信号記憶部85に記
憶される点が図1の実施例と異なり、他は同じである。
このとき計算部87に於て計算される値は、ヘッド切り
換え時のヘッド間オフセット量をRとした場合のデータ
である。即ち[数20]で与えられる修正目標位置信号
と[数23]の時間領域の値である[数26]の目標加
速度信号はともにオフセット量Rのみで決まるから、こ
れらをサンプル時点毎ではなくオフラインで種々のRに
対して計算し、復調回路15とA/Dコンバータ17の
ゲインの積を乗じた値が各記憶部へ記憶される。図11
は本実施例の制御の流れを示すフローチャートで、図2
のステップ205〜207に代わってステップ110
1、1102の処理を行い、他は図2と同じである。即
ちステップ204の処理によりヘッド切り換え後の最初
のサンプル時点でヘッド間オフセット量R0が獲られた
とすると、ステップ1101で記憶部86よりこの値に
対応した修正目標位置信号が読み出され、これにR0/
Rの大きさをもつゲイン82を乗じた値が比較器10に
出力される。同様にしてステップ1102ではオフセッ
ト量R0に対応した目標加速度信号が記憶部85から読
みだされ、これにR0/Rのゲインを乗じた値が加算器
8に出力される。
【0022】図10の実施例に於て磁気デイスク3がサ
ンプル周期T1のデータデイスクとサンプル周期T2の
サーボデイスクを有する場合はサンプル周期T1および
T2に対応した修正目標位置信号h1(t)およびh2
(t)と目標加速度信号a1(t)およびa2(t)を
計算部87でオフライン計算し、それぞれ修正目標位置
信号記憶部86、目標加速度信号記憶部85に記憶して
おく。ヘッド切り換え時にはこれらの記憶値を用いて図
1の実施例と同様な制御を行う。サーボヘッド専用の位
置信号復調回路とデータヘッド専用の位置信号復調回路
が共に設けられている場合には、サーボデイスクより常
に位置信号の検出ができる。
【0023】また磁気デイスク3が図9のように同一の
デイスク面上にデータ及び位置情報を記憶する領域と位
置情報のみを記憶する領域でサンプル周期が異なるもの
を2またはそれ以上有している場合、あるいはそれにさ
らにサンプル周期T2のサーボデイスクを有する場合
は、それぞれの場合に図1の実施例で必要とした各サン
プル周期に対応する修正目標位置信号と目標加速度信号
とを計算部87でオフライン計算して各記憶部86、8
5に記憶し、必要に応じてこれらの値を読みだし、制御
を行えばよい。本実施例によれば、サンプル周期毎に各
目標値を計算する必要がなく、処理を高速に行える。
【0024】図12は本発明の第3の実施例の構成を示
すブロック線図であり、以下、本実施例を第2の実施例
と異なる部分についてのみ説明する。ヘッド支持機構1
のゲインは、磁気ヘッドに個体差があること、あるいは
アクチュエータ5のゲインが磁気ヘッドに対向する磁気
デイスク面上の位置により変わること応じて変化する。
このため、機構系近似逆モデル9のゲインとヘッド支持
機構部1のゲインが対応しない。そこで本実施例では、
適応機構111を設け、これによりヘッド支持機構部1
のゲイン変化を測定し、この結果に応じて目標加速度信
号に乗ずるゲイン112を調整する。即ち機構系近似逆
モデル9のゲインをK、ヘッド支持機構部1のゲインの
適応機構111による検出値をK0としたとき、ゲイン
112はK0/Kとし、記憶部85から読みだした目標
加速度信号にゲイン81とゲイン112を乗じた信号を
加算器8に出力する。本実施例においても同一デイスク
面上の周期の異なるデータデイスク領域の存在するとき
や、さらにそれにサーボデイスクが存在する磁気デイス
クの制御は、第2の実施例と同様に行え、いずれの場合
にもヘッド支持機構部1の特性変化による誤差を補償し
て正確な制御が可能となる。
【0025】図13は本発明の第4の実施例を示すブロ
ック線図であり、以下本実施例を第3の実施例と相違す
る部分についてのみ説明する。一般にサーボ信号14
は、図14に示すようにISG部131、トラック番号
132、及び位置誤差信号133を有しており、ISG
部131は一信号復調回路15のゲイン調整に用いられ
る。トラック番号132はトラック番号復調回路121
で、トラック番号を示すデイジタル信号Trに変換され
る。また、位置誤差信号133は位置信号復調回路15
で処理されてポジション信号20とされ、A/Dコンバ
ータ17によりデイジタル化される。線形化回路122
は上記トラック番号Trとポジション信号20(pos
とする)を入力とし、磁気デイスク面の前記録領域にお
いて線形な検出位置信号pを生成する。
【0026】この線形化回路122の動作は次のようで
ある。ポジション信号pos は図15に示すように検出さ
れる。即ち2つの隣接トラックの中心間の半径方向の距
離を1としたとき±0.5の範囲で線形に変化し、トラ
ック中心で0になる。また、ポジション信号 pos は隣
接するトラックでは互いに極性が反対の出力である。こ
れをまず図15に示すように、各トラックでの極性が等
しい信号xに変換する。さらにこのxを用いて
【数27】p=Tr+x,Tr:トラック番号 を計算して検出位置信号pとする。これは図16に示し
たように、0番トラック中心を原点として全記憶領域で
線形に変化する位置情報であり、この位置信号を第3の
実施例のポジション信号20の代わりに用いることによ
り、ヘッド間オフセット量の大きさによらずにヘッド切
り換え制御系を動作させることが可能となる。なお本実
施例は図1、図10に示した第1、第2の実施例でも同
様に適用可能であることは言うまでもない。本実施例に
よれば、ヘッド間オフセット量によらない位置制御によ
り、高速なヘッド切り換えが可能となる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、一定のサンプル周期で
得られる位置情報によりヘッド位置決め制御がなされる
磁気デイスク装置のヘッド切り換え制御において、デイ
ジタル補償器により生じる演算時間遅れあるいはヘッド
支持機構のもつ振動モードを抑制するためのアナログ補
償器により生じる位相遅れの影響を最小限に抑えること
ができるので、優れた応答特性を有するヘッド切り換え
制御系を実現できる。またヘッド間のオフセット量を正
確に検出しこの情報に基づき最適な制御量を発生するの
で、ヘッド間のオフセット量によらずに高速に応答する
ヘッド切り換え制御系を実現することができる。またヘ
ッド支持機構のゲインを正確に検出し、この情報に基づ
き最適な制御量を発生するので、ヘッド支持機構ゲイン
のばらつきによらず高速に応答するヘッド切り換え制御
系を実現できる。さらに磁気デイスク面上の全記録領域
において単調に変化する位置信号を発生することによ
り、ヘッド間オフセット量によらない位置制御系により
高速に応答するヘッド切り換え制御系を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の構成を示すブロック線
図である。
【図2】第1の実施例の制御の流れを示すフローチャー
トである。
【図3】ヘッド間オフセット量の測定手順を示す図であ
る。
【図4】目標位置信号、目標速度信号、目標加速度信号
を示す図である。
【図5】ヘッド支持機構系の周波数特性を示す図であ
る。
【図6】第1の実施例を伝達特性で表したブロック線図
である。
【図7】アナログ補償器の周波数特性である。
【図8】サンプル周期と位置決め時間の関係を示す図で
ある。
【図9】サンプル周期の異なる2つの領域をもつ磁気デ
イスクを示す図である。
【図10】本発明の第2の実施例を示すブロック線図で
ある。
【図11】第2の実施例の制御の流れを示すフローチャ
ートである。
【図12】本発明の第3の実施例を示すブロック線図で
ある。
【図13】本発明の第4の実施例を示すブロック線図で
ある。
【図14】サーボ情報を示す図である。
【図15】ポジション信号とその一部極性を反転した信
号を示す図である。
【図16】前記録領域で単調に変化するポジション信号
を示す図である。
【図17】データ面サーボのトラックのデータ構成を示
す図である。
【符号の説明】
1 ヘッド支持機構 2 磁気ヘッド 3 磁気デイスク 5 アクチュエータ 7 アナログ補償器 8 加算器 9 機構系近似逆モデル 10 比較器 11 デイジタル補償器 12 目標値修正器 13 目標値発生回路 14 サーボ信号 15 位置信号復調回路 20 ポジション信号 21 マイクロプロセッサ 83 オフセット測定器 85 目標加速度信号記憶部 86 修正目標位置信号記憶部 87 計算部 111 適応機構 112 ゲイン 121 トラック番号復調回路 122 線形化回路

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同心円状のトラックに沿ってデータの間
    に周期的に位置情報を配置して記憶した複数個のデータ
    デイスクと、該データデイスクの各々にアクセスするた
    めにデータデイスク毎に設けられた磁気ヘッドと、該磁
    気ヘッドの全てを支持する支持機構と、該機構を移動さ
    せるためのアクチュエータと、上記磁気ヘッドの位置を
    該ヘッドが読みだした上記位置情報から検出する位置検
    出手段と、該手段により得られた位置信号にもとづき上
    記アクチュエータの駆動指令値を求めて上記磁気ヘッド
    が所定位置にあるように制御する制御手段とを有する磁
    気デイスク装置に於て、上記制御手段は、上記1つの磁
    気デイスクの1つのトラックへ磁気ヘッドがアクセス中
    に他の磁気デイスクの上記トラックと同一番号にあるト
    ラックへアクセスを切り換えるときに、切り換え先の磁
    気デイスクに対向する切り換え先磁気ヘッドの切り替え
    時点の位置偏差あるいは切り替え時点以降の位置偏差を
    上記位置検出手段の出力を用いて算出する第1の手段
    と、上記位置偏差から上記切り換え先磁気ヘッドの目標
    位置信号を算出する第2の手段と、上記位置偏差に上記
    切り換え先磁気ヘッドを制御する制御系の時間遅れ及び
    位相遅れを補償するための時間遅れ要素から修正目標位
    置信号を算出する第3の手段と、上記目標位置信号を入
    力して上記ヘッド支持機構の伝達特性の近似逆特性を利
    用して目標加速度信号を算出する第4の手段と、上記切
    り換え先磁気ヘッドの切り換え後の位置と上記修正目標
    位置信号との差が零となるようにする制御信号を算出す
    る第5の手段と、上記制御信号と上記目標加速度信号と
    の和によって上記アクチュエータを駆動制御する第6の
    手段と、より成ることを特徴とする磁気デイスク装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段に記憶手段を設け、前記第
    2、第3、及び第4の手段は位置偏差に対する前記修正
    目標位置信号及び目標加速度信号をオフライン計算して
    上記記憶手段に格納しておき、前記アクセス切り換え時
    には、前記第1の手段により算出された位置偏差に対応
    する修正目標位置信号及び目標加速度信号を上記記憶手
    段から読みだし、該読みだした値に切り換え時の位置偏
    差に応じたゲインを乗じて修正目標位置信号及び目標加
    速度信号とすることを特徴とする請求項1記載の磁気デ
    イスク装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の手段は、算出した位置偏差を
    記憶する手段を有し、前記アクセスの切り換え時には上
    記記憶した位置偏差を出力することを特徴とする請求項
    1または2記載の磁気デイスク装置。
  4. 【請求項4】 前記位置検出手段の出力を、前記磁気ヘ
    ッドが1つのトラックの中心位置から離れるに従い、当
    該磁気デイスク上の全域で直線的に正または負に増加す
    る位置信号となるように変換する線形化手段を前記制御
    手段に設け、該手段の出力を前記第1の手段の出力する
    位置偏差に代わって用いることを特徴とする請求項1ま
    たは2または3の内の1つに記載の磁気デイスク装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段に、前記ヘッド支持機構を
    等価な伝達関数で表したときのゲインを算出する適応手
    段を設け、該手段により求めたゲインにより前記目標加
    速度信号を補正することを特徴とする請求項1または2
    または3または4の内の1つに記載の磁気デイスク装
    置。
  6. 【請求項6】 同心円状のトラックに沿ってデータの間
    に周期的に位置情報を配置して記憶した複数個のデータ
    デイスクと、該データデイスクの各々にアクセスするた
    めにデータデイスク毎に設けられたデータ磁気ヘッド
    と、ディスク面上に位置情報が所定周期で記録されるサ
    ーボディスクと、該サーボディスクの各々にアクセスす
    るために設けられたサーボ磁気ヘッドと、上記磁気ヘッ
    ドの全てを支持する支持機構と、該機構を移動させるた
    めのアクチュエータと、上記データ磁気ヘッドの位置を
    上記サーボ磁気ヘッドが読みだした上記位置情報から検
    出する位置検出手段と、該手段により得られた位置信号
    にもとづき上記アクチュエータの駆動指令値を求めて上
    記データ磁気ヘッドが所定位置になるように制御する制
    御手段とを有する磁気デイスク装置に於て、上記制御手
    段は、上記1つのデータデイスクの1つのトラックへデ
    ータ磁気ヘッドがアクセス中に他のデータデイスクの上
    記トラックと同一番号にあるトラックへアクセスを切り
    換えるときに、切り換え先のデータデイスクに対向する
    切り換え先データ磁気ヘッドの切り替え時点の位置偏差
    あるいは切り替え時点以降の位置偏差を上記位置検出手
    段の出力を用いて算出する第1の手段と、上記位置偏差
    から切り換え先データ磁気ヘッドの目標位置信号を算出
    する第2の手段と、上記位置偏差に切り換え先データ磁
    気ヘッドを制御する制御系の時間遅れ及び位相遅れを補
    償するための時間遅れ要素から修正目標位置信号を算出
    する第3の手段と、上記目標位置信号を入力して上記ヘ
    ッド支持機構の伝達特性の近似逆特性を利用して目標加
    速度信号を算出する第4の手段と、切り換え先データ磁
    気ヘッドの切り換え後の位置と上記修正目標位置信号と
    の差が零となるようにする制御信号を算出する第5の手
    段と、上記制御信号と上記目標加速度信号との和によっ
    て上記アクチュエータを駆動制御する第6の手段と、よ
    り成ることを特徴とする磁気デイスク装置。
  7. 【請求項7】 データ磁気ヘッドの切り換え時には、上
    記制御手段での上記位置制御が終了した後切り換え先デ
    ータ磁気ヘッドにより読みだされたデータデイスク上の
    位置情報を上記位置検出手段に入力して上記切り換え先
    磁気ヘッドの位置制御を行うことを特徴とする請求項6
    に記載の磁気デイスク装置。
  8. 【請求項8】 同心円状のトラックに沿ってデータの間
    に周期的に位置情報を配置して記憶すると共に、その周
    期性が同心円の位置によって異なる事例を持つ複数個の
    データデイスクと、該データデイスクの各々にアクセス
    するためにデータデイスク毎に設けられた磁気ヘッド
    と、該磁気ヘッドの全てを支持する支持機構と、該機構
    を移動させるためのアクチュエータと、上記磁気ヘッド
    の位置を該ヘッドが読みだした上記位置情報から検出す
    る位置検出手段と、該手段により得られた位置信号にも
    とづき上記アクチュエータの駆動指令値を求めて上記磁
    気ヘッドが所定位置にあるように制御する制御手段とを
    有する磁気デイスク装置に於て、上記制御手段は、上記
    1つの磁気デイスクの1つのトラックへ磁気ヘッドがア
    クセス中に他の磁気デイスクの上記トラックと同一番号
    にあるトラックへアクセスを切り換えるときに、切り換
    え先の磁気デイスクに対向する切り換え先磁気ヘッドの
    切り替え時点の位置偏差あるいは切り替え時点以降の位
    置偏差を上記位置検出手段の出力を用いて算出する第1
    の手段と、上記位置偏差から上記切り換え先磁気ヘッド
    の目標位置信号を算出する第2の手段と、上記位置偏差
    に上記切り換え先磁気ヘッドを制御する制御系の時間遅
    れ及び位相遅れを補償するための時間遅れ要素から修正
    目標位置信号を算出する第3の手段と、上記目標位置信
    号を入力して上記ヘッド支持機構の伝達特性の近似逆特
    性を利用して目標加速度信号を算出する第4の手段と、
    上記切り換え先磁気ヘッドの切り換え後の位置と上記修
    正目標位置信号との差が零となるようにする制御信号を
    算出する第5の手段と、上記制御信号と上記目標加速度
    信号との和によって上記アクチュエータを駆動制御する
    第6の手段と、より成ることを特徴とする磁気デイスク
    装置。
  9. 【請求項9】 同心円状のトラックに沿ってデータの間
    に周期的に位置情報を配置して記憶すると共に、その周
    期性が同心円の位置によって異なる事例を持つ複数個の
    データデイスクと、該データデイスクの各々にアクセス
    するためにデータデイスク毎に設けられたデータ磁気ヘ
    ッドと、ディスク面上に位置情報が所定周期で記録され
    るサーボディスクと、該サーボディスクの各々にアクセ
    スするために設けられたサーボ磁気ヘッドと、上記磁気
    ヘッドの全てを支持する支持機構と、該機構を移動させ
    るためのアクチュエータと、上記データ磁気ヘッドの位
    置を上記サーボ磁気ヘッドが読みだした上記位置情報か
    ら検出する位置検出手段と、該手段により得られた位置
    信号にもとづき上記アクチュエータの駆動指令値を求め
    て上記データ磁気ヘッドが所定位置になるように制御す
    る制御手段とを有する磁気デイスク装置に於て、上記制
    御手段は、上記1つのデータデイスクの1つのトラック
    へデータ磁気ヘッドがアクセス中に他のデータデイスク
    の上記トラックと同一番号にあるトラックへアクセスを
    切り換えるときに、切り換え先のデータデイスクに対向
    する切り換え先データ磁気ヘッドの切り替え時点の位置
    偏差あるいは切り替え時点以降の位置偏差を上記位置検
    出手段の出力を用いて算出する第1の手段と、上記位置
    偏差から切り換え先データ磁気ヘッドの目標位置信号を
    算出する第2の手段と、上記位置偏差に切り換え先デー
    タ磁気ヘッドを制御する制御系の時間遅れ及び位相遅れ
    を補償するための時間遅れ要素から修正目標位置信号を
    算出する第3の手段と、上記目標位置信号を入力して上
    記ヘッド支持機構の伝達特性の近似逆特性を利用して目
    標加速度信号を算出する第4の手段と、切り換え先デー
    タ磁気ヘッドの切り換え後の位置と上記修正目標位置信
    号との差が零となるようにする制御信号を算出する第5
    の手段と、上記制御信号と上記目標加速度信号との和に
    よって上記アクチュエータを駆動制御する第6の手段
    と、より成ることを特徴とする磁気デイスク装置。
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