JP2001209142A - カラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シート - Google Patents

カラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シート

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JP2001209142A JP2000326107A JP2000326107A JP2001209142A JP 2001209142 A JP2001209142 A JP 2001209142A JP 2000326107 A JP2000326107 A JP 2000326107A JP 2000326107 A JP2000326107 A JP 2000326107A JP 2001209142 A JP2001209142 A JP 2001209142A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線写真のコントラストを高めた場合など
においても、各種の条件下で適切な濃度の画像を得られ
るようにすると共に、そのような画像から多くの情報を
確実にかつ有効に得ることを可能にした放射線撮影シス
テムを提供する。 【解決手段】 放射線に対して複数色に発光する蛍光体
を含む蛍光体層を有し、被検体1を通過したX線3など
の放射線が照射されて発光するカラー発光シート4と、
カラー発光シート4から放射された複数色の発光を色別
に検出するカラーフィルム5やカラーカメラなどの光検
出手段とを具備し、異なる感度特性を持つ複数色の画像
情報を得るようにしたカラーレントゲンシステムであ
る。蛍光体層には、例えば可視光領域内の1つの発光色
に対応する主発光成分と、主発光成分と異なる発光色を
有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が主
発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有
する蛍光体が用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療診断や各種非
破壊検査などに適用される新規なカラーレントゲン方法
とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラ
ー発光シートに関する。
【0002】
【従来の技術】医療診断や工業用非破壊検査などに利用
されるX線撮影では、通常、撮影系の感度を向上させる
ために、X線フィルムを放射線増感紙と組合せて使用し
ている。X線撮影においては、被検体を透過したX線や
増感紙で可視光に変換された光で、例えばX線用白黒フ
ィルム上の銀粒子を黒化させることによって、被検体の
透過画像を得ている。
【0003】X線撮影などに用いられる放射線増感紙と
しては、紙やプラスチックなどからなる支持体上に、X
線フィルムに応じた発光ピークを有する蛍光体層とこれ
を保護する保護膜とを順に形成したものが一般的であ
る。また近年、撮像系としてCCDカメラなどの光検出
素子を用い、X線フィルムを使わずに放射線の透過量の
違いをデジタルに検出することも行われている。
【0004】医療診断用のX線撮影は人体の各部に対し
て適用されており、各種病巣の発見に貢献している。近
年では撮影感度の向上などを図るために、高コントラス
トのX線フィルムが用いられるようになってきている。
例えば、X線による乳房撮影(以下、マンモグラフィー
と称する)では、X線吸収差の少ない乳房内部の石灰化
や異常軟部組織などを、高い分解能と適切なコントラス
トで撮影する必要がある。このため、30kV程度のX線を
発生するモリブデン陽極を用いたX線管を使用すると共
に、高コントラストのX線フィルムが用いられている。
【0005】上述したようなX線撮影においては、照射
するX線のエネルギーと照射時間を被検体に応じて最適
化する必要があり、これにより適切な濃度の写真像を得
ている。撮影条件は、X線フィルムのダイナミックレン
ジ(ラティチュード)、さらには被検体である人体の撮
影対象部位や個体差などに基づいて決定される。
【0006】このようなX線撮影時の撮影条件の最適化
には多くの経験を要し、撮影者の人的な習熟度に左右さ
れる。このため、撮影者の習熟度などによっては、撮影
条件が最適値からずれて、露光量不足(真黒な写真)や
露光量過多(真白な写真)が発生することになる。特
に、高コントラストのX線フィルムを用いた場合には、
撮影条件の最適値の幅が狭いため、露光量不足や露光量
過多が生じやすい。
【0007】すなわち、従来のX線フィルムのコントラ
スト特性は、図13に示すようなフィルムの特性曲線か
ら理解することができる。図13において、縦軸はフィ
ルムが露光された際の写真濃度、横軸は露光量(相対
値)の対数値である。フィルムの特性曲線は、その形か
ら3つの部分に分けられる。比較的低い露光領域の曲線
部分Aは足部と呼ばれ、撮影像の低写真濃度部分に対応
し、コントラストが非常に小さいか、あるいはコントラ
ストがつかない像になる。比較的高い露光領域の曲線部
分Cは肩部と呼ばれる。フィルムの写真濃度には限界が
あるため、この領域Cで露光量が変化してもコントラス
トがつきにくいことになる。
【0008】コントラストの最も高い領域は、上述した
足部と肩部に挟まれた領域Bである。この領域Bの特性
曲線は、比較的まっすぐな大きな勾配を有している。X
線フィルムの特性曲線は感光剤の銀化合物の粒子径や塗
布厚などの条件により決定されるため、これらを調整す
ることで感度やコントラスト特性の異なるフィルムが作
製されている。高コントラストのX線フィルムは、特性
曲線の領域Bの勾配が大きいものである。
【0009】ここで、特性曲線の足部の濃度と肩部の濃
度はどのフィルムでも同じであるため、特性曲線の勾配
が大きくなると、領域Bに対する露光量の幅(ラティチ
ュード)が狭くなる。X線撮影の写真濃度は、領域Bの
真中にくるようにX線曝射量を設定することが好まし
い。しかし、特にラティチュードの幅が狭いフィルムを
使用する場合には、僅かな条件のずれにより適切な濃度
の写真像が得られなくなってしまう。従来のX線フィル
ムのラティチュードの幅はおおよそ1桁から2桁程度であ
る。
【0010】さらに、測定対象が血液と組織のように、
測定対象の元素組成が異なる場合には、使用するX線の
エネルギーと部位の厚さなどを考慮して、X線の照射時
間(露光時間)を多くの経験から決めなければならな
い。正常な組織と癌などの異常組織のように、元素組成
はほぼ同じで密度が異なる場合にも同様である。このよ
うな条件設定には、撮影者の人的な習熟度が大きく影響
する。特に、最近の医療診断では例えば癌の早期発見の
ように、極めて小さな異常組織を的確に判断することが
求められているが、撮影条件の僅かなずれによって、そ
のような医療診断に対して適切な濃度の写真像を得るこ
とができなくなってしまう。
【0011】このような問題は医療診断用のX線撮影に
限らず、工業用の非破壊検査においても同様に生じてい
る。例えば、測定対象物がアルミニウムの場合と鉄の場
合では、これらの比重差に基づいて、撮影条件の最適値
は当然ながら異なり、また撮影対象部分の厚さなども考
慮しなければならない。さらに、複合材料のように異な
る複数の物質が存在している場合には、照射条件を変え
て何枚も撮影しなければならず、その手間の煩雑さが問
題になっている。
【0012】従来のX線撮影においては、上述したよう
にX線用白黒フィルムを用いて、白黒の濃淡像として撮
影対象部位の写真像を得ることが一般的である。白黒の
濃淡像では、僅かな濃度変化から情報を取り出すことが
困難である。このような点に対して、2種類以上の蛍光
体を用いて複数の線スペクトルを持たせた蛍光板(また
は増感紙)を使用し、カラーフィルムの各感色層を独立
して感光させるカラーラジオグラフィーが提案されてい
る(特公昭48-6157号公報、特公昭48-12676号公報参
照)。
【0013】このカラーラジオグラフィーによれば、X
線の線量の違いに対応して色彩を変化させたX線写真
(カラーX線写真)が得られる。得られるカラーX線写
真においては、低線量の部分は赤色に着色し、線量が多
くなると赤色に緑色が加わった色彩に変化し、さらに線
量が多くなると赤色と緑色に青色が加わった色彩に変化
する。線量がさらに多くなると白色になる。
【0014】しかしながら、カラーX線写真上の色彩変
化のみから情報を取り出そうとしても、例えば線量が多
い部分では赤色成分に緑色成分や青色成分が加わり、カ
ラー写真上は白色に近くなるため、かえって情報の取り
出しが困難になる。また、線量の低い部分では、赤色成
分が飽和するまでは従来の白黒写真と変らないため、白
黒写真に比べて陰影が少ない分だけ情報の取り出しが困
難になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の放射線撮影においては、特に特性曲線の領域Bの勾配
を大きくした高コントラストのフィルムを用いた場合
に、僅かな撮影条件のずれにより適切な濃度の写真像を
得ることができなくなってしまうという問題がある。ま
た、放射線の透過量は測定対象物の比重と密度に関係す
ることから、比重が異なる物質が存在している部位や同
物質で密度が異なる物質が存在している部位を撮影する
場合には撮影条件の設定が難しい。これによっても、適
切な濃度の写真像が得られなくなってしまう。
【0016】一方、従来のカラーラジオグラフィーは、
単にX線量の違いに対応させて色彩を変化させたカラー
X線写真を得ているにすぎない。このようなカラーX線
写真上の色彩変化のみからでは情報を取り出すことが難
しく、多くの情報を含んでいてもそれらを有効に活用す
ることができないという問題がある。また、場合によっ
ては、通常の白黒写真より情報の取り出しが困難になっ
てしまう。
【0017】このようなことから、例えば放射線写真の
コントラストを高めた上で、僅かな撮影条件のずれなど
による露光量不足や露光量過多などの発生を防ぎ、さら
に得られた多くの情報を有効に利用することを可能にし
た放射線撮影システムが求められている。すなわち、比
較的広い条件下で適切な濃度の写真像を得ると共に、得
られた写真像から多くの情報を有効に得ることを可能に
した放射線撮影システムが求められている。放射線撮影
時の条件設定の緩和は、撮影ミスの発生を防ぐだけでな
く、検査精度の向上などに対しても大きく寄与する。
【0018】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、例えば放射線写真のコントラストを高
めた場合においても、各種の条件下で適切な濃度の写真
像を得ることを可能にした放射線撮影システム、すなわ
ちカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置を
提供することを目的としている。本発明の他の目的は、
一回の撮影で多くの情報を確実にかつ有効に得ることを
可能にしたカラーレントゲン方法およびカラーレントゲ
ン装置を提供することにある。本発明のさらに他の目的
は、そのような放射線撮影システムに用いられるカラー
発光シートを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明のカラーレントゲ
ン方法は、請求項1に記載したように、被検体に放射線
を照射する工程と、前記被検体を透過した放射線を、前
記放射線により複数色に発光すると共に、同一強度の放
射線に対する前記複数色の発光の割合が異なる蛍光体に
照射する工程と、前記放射線の照射に基づいて前記蛍光
体から放射された複数色の発光を色別に分離して検出す
る工程とを具備することを特徴としている。
【0020】本発明のカラーレントゲン方法において、
複数色の発光の割合を異ならせる具体的な手段として
は、例えば請求項2に記載したように、可視光領域内の
1つの発光色に対応する主発光成分と、この主発光成分
と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対
する発光割合が主発光成分とは異なる少なくとも1つの
副発光成分とを有する蛍光体を用いることが挙げられ
る。この際、請求項3に記載したように、副発光成分は
主発光成分に対して0.1〜90%の範囲の発光割合を有す
ることが好ましい。また、請求項9に記載したように、
蛍光体からの発光をカラーフィルタを通過させることに
より、複数色の発光の割合を調整するようにしてもよ
い。
【0021】本発明のカラーレントゲン方法において、
光検出工程は例えば請求項10に記載したように、蛍光
体からの複数色の発光をカラーフィルムで一括して画像
化し、この画像から複数色の発光に対応する各色信号を
分離して検出したり、あるいは請求項11に記載したよ
うに、蛍光体からの複数色の発光を光検出素子を用いて
色別に分離して検出するなどによって実施される。
【0022】また、本発明のカラーレントゲン方法にお
いては、請求項12に記載したように、K吸収端が異な
る元素を主成分として含む少なくとも2種類の蛍光体を
用いて、これら元素のK吸収端間に入るK吸収端を有す
る物質を検知するような構成とすることもできる。この
ようなカラーレントゲン方法は、特に血管造影などに対
して有効である。
【0023】本発明のカラーレントゲン装置は、請求項
15に記載したように、被検体に放射線を照射する放射
線源と、前記被検体を透過した放射線が照射され、前記
放射線により複数色に発光すると共に、同一強度の放射
線に対する前記複数色の発光の割合が異なる蛍光体を有
するカラー発光手段と、前記放射線の照射に基づいて前
記蛍光体から放射された複数色の発光を、色別に分離し
て検出する手段とを具備することを特徴としている。
【0024】本発明のカラーレントゲン装置において、
光検出手段には例えば請求項16に記載した蛍光体から
の複数色の発光を一括して画像化するカラーフィルム、
請求項17に記載した複数色の発光を一括して検出する
カラーカメラ、請求項18に記載した複数色の発光を色
分離する手段と色分離された各色の発光を検出する複数
の単色カメラとの組合せなどが用いられる。
【0025】本発明のカラーレントゲン方法およびカラ
ーレントゲン装置(以下、総称してカラーレントゲンシ
ステムと記す)においては、放射線に対して複数色に発
光する蛍光体を用いることで色別に多くの情報を持たせ
ており、さらにそれぞれの色信号に含まれる情報を色別
に分離して検出するようにしている。これによって、各
色信号に含まれる多くの情報を有効にかつ確実に得るこ
とが可能となる。そして、各色で異なる感度特性を持っ
た複数の画像情報を得ることによって、放射線撮影のダ
イナミックレンジを広げることが可能となる。
【0026】本発明においては、例えば可視光領域内に
複数の発光波長領域を有する蛍光体、すなわち青色発
光、緑色発光および赤色発光のうち少なくとも2つの発
光色に対応した発光スペクトルを有する蛍光体を含むカ
ラー発光シートが用いられる。このようなカラー発光シ
ートからの複数色の発光をカラーフィルムに一括して画
像化した場合、同一強度の放射線に対する複数色の発光
の割合(輝度)が異なっていれば、例えば図13に示し
たような特性曲線が、異なる露光量範囲で複数得られる
ことになる。
【0027】図1はカラー発光シートにX線照射量を変
化させてX線を照射し、その際の発光により露光させた
カラーフィルムから得た特性曲線の一例を示すものであ
る。カラー発光シートは、主発光成分としての赤色発光
が60%、第1の副発光成分としての緑色発光が30%、第
2の副発光成分としての青色発光が10%である蛍光体を
使用して作製したものである。3色の写真濃度と露光量
の特性曲線がそれぞれ図13と同様であるとすれば、図
1に示したように、露光量範囲が異なる複数の特性曲線
が得られる。図1から赤色発光が飽和しても緑色発光お
よび青色発光は飽和しておらず、また緑色発光が飽和し
ても青色発光は飽和していないことが分かる。
【0028】複数の特性曲線を得ることによって、放射
線撮影で求められる適切な写真濃度範囲に対する露光量
範囲(ラティチュード)は、従来の1つの特性曲線(図
13)に比べて大幅に広がる。適切な写真濃度が0.5〜
3.5の範囲であるとすれば、この写真濃度範囲に対応す
る相対露光量は、図13では約1であるのに対し、図1
では約1.8である。相対露光量は対数であるため、この
値は露光量範囲が約6.3倍(=101.8/101)に拡大した
ことを意味する。
【0029】すなわち、本発明のカラーレントゲンシス
テムによれば、放射線撮影のダイナミックレンジを大幅
に広げることができる。これはカラーフィルムに代え
て、CCDカメラなどの光検出素子を用いた場合にも同
様である。従って、システム条件や撮影条件などが適切
な範囲から多少ずれていたとしても、医療診断や非破壊
検査などに使用し得る適切な濃度の画像を得ることがで
きる。これは露光不足や露光過多などによる撮影ミスの
抑制に大きく寄与する。
【0030】そして、本発明のカラーレントゲンシステ
ムにおいては、複数の特性曲線に基づく多くの情報を、
上述した画像情報から各色信号毎に分離して検出してい
るため、各色信号に含まれる多くの情報を有効にかつ確
実に得ることができる。言い換えると、各色で異なる感
度特性を持った複数の画像情報が得られるため、このよ
うな複数の画像情報を利用して医療診断や非破壊検査な
どを行うことによって、医療診断能や非破壊検査精度を
大幅に向上させることができる。すなわち、医療診断用
放射線撮影や非破壊検査用放射線撮影のダイナミックレ
ンジを広げることが可能となる。
【0031】本発明のカラー発光シートは、請求項19
に記載したように、シート基材と、前記シート基材上に
設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、
前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強
度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異な
る少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む
単層構造の蛍光体層とを具備し、前記主発光成分と副発
光成分の発光割合が撮影系のダイナミックレンジに応じ
て調整されていることを特徴としている。
【0032】本発明のカラー発光シートにおいては、蛍
光体層を構成する蛍光体として、例えば請求項20に記
載したユーロピウム付活量により主発光成分と副発光成
分の発光割合を調整したユーロピウム付活酸硫化ガドリ
ニウム蛍光体、請求項22に記載したユーロピウム付活
量により主発光成分と副発光成分の発光割合を調整した
ユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体、請求項2
4に記載したテルビウム付活量により主発光成分と副発
光成分の発光割合を調整したテルビウム付活酸硫化ガド
リニウム蛍光体、請求項26に記載したカルシウムの一
部をマグネシウムで置換して主発光成分と副発光成分の
発光割合を調整したタングステン酸カルシウム蛍光体な
どを用いることが好ましい。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0034】図2は本発明のカラーレントゲン方法を適
用したカラーレントゲン装置、すなわち放射線撮影装置
の第1の実施形態の要部構成を模式的に示す図である。
同図において、1は人体や各種物品などの被検体であ
り、この被検体1に対してX線管2などの放射線源から
X線3などの放射線が照射される。撮影に使用する放射
線は、X線(もしくはγ線)に限られるものではなく、
β線や熱中性子線などを用いることも可能である。
【0035】被検体1により吸収もしくは散乱されたX
線3は、カラー発光手段としてのカラー発光シート4に
照射される。カラー発光シート4は、後に詳述するよう
に、X線3などの放射線に対して複数色に発光する蛍光
体を有している。このカラー発光シート4から発光され
た複数色の発光は、被検体1で吸収もしくは散乱された
X線3の分布に応じた輝度分布を有するものである。
【0036】カラー発光シート4の後方には、カラー発
光シート4からの複数色の発光を一括して画像化する手
段としてカラーフィルム5が配置されており、カラーフ
ィルム5に被検体1に基づく画像が形成される。すなわ
ち、カラーフィルム5がカラー発光シート4からの複数
色の発光により露光され、カラーフィルム5には各発光
色に基づく複数色の画像が一括して形成される。
【0037】なお、図2ではカラー発光シート4が被検
体1側(放射線源側)に位置するように、カラー発光シ
ート4とカラーフィルム5とを重ね合わせた状態を示し
ている。このような場合、カラー発光シート4には透過
型のものが用いられる。反射型のカラー発光シート4を
用いる場合には、カラーフィルム5が被検体1側(放射
線源側)に位置するように重ね合わせて使用する。
【0038】カラー発光シート4は、例えば図3に示す
ように、プラスチックフィルムや不織布などからなる可
撓性を有するシート基材6を有しており、このシート基
材6上に蛍光体層7が設けられている。蛍光体層7の上
部には、必要に応じて透明な保護膜8、例えば厚さ数μ
m程度のポリエチレンテレフタレートフィルムなどから
なる保護膜8が配置される。
【0039】上述した蛍光体層7は複数色に発光する蛍
光体、すなわち複数の発光波長領域を有する蛍光体を含
むものである。蛍光体層7には、例えばカラーフィルム
5などとの組合せを考慮して、可視光領域(例えば波長
400〜700nmの領域)内の広い波長範囲で発光する蛍光体
を用いることが好ましい。具体的には、可視光領域内の
少なくとも2つの発光色に対応する発光スペクトルを有
する蛍光体を用いることが好ましい。すなわち、発光色
が互いに異なる主発光成分と副発光成分とを含む発光ス
ペクトルを有する蛍光体を用いることが好ましい。
【0040】蛍光体の発光色としては、代表的には青色
発光、緑色発光、赤色発光のうち少なくとも2つの発光
色が挙げられる。ただし、本発明ではこれらの発光色に
限定されるものではなく、カラーフィルム5の画像上や
後述するCCDカメラなどで互いに区別できる発光色で
あれば種々の発光色を適用することができ、例えば紫外
線に近い紫色発光や黄色発光などであってもよい。
【0041】本発明のカラーレントゲンシステムは、複
数の発光色により複数色の画像を一括して得ると共に、
同一強度の放射線に対する複数色の発光の割合を異なら
せることで露光量範囲(ラティチュード)の拡大を図っ
たものである。複数色の発光割合を変化させる具体的な
手段としては、副発光成分の発光割合を主発光成分より
小さくすることが挙げられる。
【0042】すなわち、本発明で用いる蛍光体は、可視
光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、主発
光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射
線に対する発光割合、すなわち輝度が主発光成分より小
さい少なくとも1つの副発光成分とを含む発光スペクト
ルを有することが好ましい。副発光成分の具体的な輝度
は、後に詳述するように、主発光成分の輝度に対して0.
1〜90%の範囲であることが好ましい。
【0043】なお、主発光成分と副発光成分の発光割合
がほぼ同一の蛍光体、例えば白色発光の混合蛍光体を用
いる場合には、後述するように、複数色の発光を色別に
検出する手段の前に、各色の透過率が異なるカラーフィ
ルタを設け、このカラーフィルタで発光割合、言い換え
ると色別の感度特性を調整する。
【0044】上述したような発光スペクトルを有する蛍
光体としては、例えば各発光色に対応した複数の発光波
長領域にそれぞれ発光ピークを有する蛍光体や、複数の
発光波長領域にまたがる幅広い発光ピークを有する蛍光
体などが挙げられる。前者の蛍光体の具体例としては、
ユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム(Gd22S:E
u)蛍光体、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム(Y
22S:Eu)蛍光体、テルビウム付活酸硫化ガドリニ
ウム(Gd22S:Tb)蛍光体などの希土類蛍光体が
挙げられる。また、後者の蛍光体の具体例としては、タ
ングステン酸カルシウム(CaWO4)蛍光体などが挙
げられる。
【0045】図4はGd22S:Eu蛍光体の発光スペ
クトルの一例であり、赤色波長領域(おおよそ波長600
〜700nmの領域)に主発光成分が存在すると共に、緑色
波長領域(おおよそ波長500〜600nmの領域)に副発光成
分が存在していることが分かる。Gd22S:Eu蛍光
体やY22S:Eu蛍光体は、Eu原子の励起で発光す
るため、発光スペクトルがシャープで、発光スペクトル
を分離しやすいという特徴を有している。さらに、Eu
の付活量により各成分の発光割合を調整することができ
るため、本発明に好適な蛍光体ということができる。こ
のようなGd22S:Eu蛍光体やY22S:Eu蛍光
体において、発光波長範囲の拡大などを図る上で、Eu
濃度は0.1〜10mol%の範囲とすることが好ましい。
【0046】図5はGd22S:Tb蛍光体の発光スペ
クトルの一例であり、緑色波長領域に主発光成分が存在
すると共に、青色波長領域(おおよそ波長400〜500nmの
領域)に副発光成分が存在していることが分かる。Gd
22S:Tb蛍光体においても、Tbの付活量により各
成分の発光割合を調整することができる。本発明では発
光波長範囲が広い蛍光体が適しているため、Gd2
2S:Tb蛍光体のTb濃度は0.01〜1mol%の範囲とす
ることが好ましい。
【0047】図6はCaWO4蛍光体の発光スペクトル
の一例であり、青色波長領域から緑色波長領域に至るブ
ロードな発光スペクトルを有している。この場合には、
発光スペクトルのピークが存在している青色発光が主発
光成分となり、緑色発光が副発光成分となる。本発明で
は発光波長範囲が広い蛍光体が適しているため、Caの
一部をMgで置換した(Ca,Mg)WO4蛍光体を用
いることが好ましい。MgによるCaの置換量は、感度
などの点から10mol%以下とすることが好ましい。
【0048】本発明で用いられるカラー発光シート4に
おいては、上述したような1つの蛍光体粒子が複数色に
発光する蛍光体に限らず、例えば主に青色に発光する青
色発光蛍光体、主に緑色に発光する緑色発光蛍光体、お
よび主に赤色に発光する赤色発光蛍光体から選ばれる少
なくとも2種類の蛍光体を混合した混合蛍光体を用いる
こともできる。この場合の混合比は、主発光成分と副発
光成分の発光割合が上述したような範囲となるように適
宜設定することが好ましい。なお、前述したように、場
合によっては主発光成分と副発光成分の発光割合がほぼ
同一の混合蛍光体を用いることもできる。
【0049】図7は赤色発光蛍光体(Gd22S:Eu
やY22S:Eu)と緑色発光蛍光体(Gd22S:T
bやY22S:Tb)と青色発光蛍光体(CaWO4
BaFCl:Eu)を、適当な比率で混合した混合蛍光
体の発光スペクトルを示している。これら2種類以上の
蛍光体の混合比を適宜設定することによって、主発光成
分と副発光成分の発光割合を調整することができる。
【0050】混合蛍光体に用いる各蛍光体は、特に限定
されるものではない。青色発光の蛍光体としては、YA
lO3:Ce、Y2SiO5:Ce、Gd2SiO5:C
e、YTaO4:Nb、BaFCl:Eu、ZnS:A
g、CaWO4、CdWO4、ZnWO4、MgWO4、S
5(PO43Cl:Eu、YPO4:Clなどが用いら
れる。
【0051】赤色発光の蛍光体としては、GdBO3
Eu、Gd23:Eu、Gd22S:Eu、Gd3Al5
12:Eu、Gd3Ga512:Eu、GdVO4:E
u、Gd3Ga512:Ce,Cr、Y23:Eu、La
23:Eu、La22S:Eu、InBO3:Eu、
(Y,In)BO3:Euなどが用いられる。
【0052】緑色発光の蛍光体としては、Gd23:T
b、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr、Gd3Ga5
12:Tb、Gd3Al512:Tb、Y23:Tb、Y
22S:Tb、Y22S:Tb,Dy、La22S:T
b、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Au、Zn2Si
4:Mn、InBO3:Tb、MgGa24:Mnなど
が用いられる。
【0053】ただし、混合蛍光体を用いた場合、各蛍光
体の混合状態や蛍光体層7の形成状態などによっては、
各蛍光体の発光色に基づく複数の画像にずれが生じるお
それがある。すなわち、完全に一致した複数の画像が得
られないおそれがある。さらに、得られた画像(複数色
の画像の混合データ)からRGB信号を分離して検出す
る際に、エッジ効果により画像処理に問題が生じるおそ
れがある。
【0054】これに対して、1つの蛍光体粒子が複数色
に発光する蛍光体を用いた場合、基本的には各発光色に
基づく複数の画像が完全に一致する。このため、より検
査精度を高めることができる。本発明においては、例え
ば複数の発光波長領域にそれぞれ発光ピークを有する蛍
光体や複数の発光波長領域にまたがる幅広い発光ピーク
を有する蛍光体などを用いることが望ましい。
【0055】上述したようなカラー発光シート4は、例
えば以下のようにして作製することができる。
【0056】すなわち、蛍光体粒子(混合蛍光体を含
む)を結合剤と共に適当量混合し、これに有機溶剤を加
えて適当な粘度の蛍光体塗布液を調製する。この蛍光体
塗布液をナイフコータやロールコータなどによりシート
基材6上に塗布、乾燥して、蛍光体層7を形成する。
【0057】蛍光体塗布液の調製に使用する結合剤とし
ては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポ
リビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニ
ル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アク
リレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロー
スアセテートブチレート、ポリビニルアルコールなどが
挙げられる。有機溶剤としては、例えばエタノール、メ
チルエチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチル
エーテル、キシレンなどが用いられる。なお、蛍光体塗
布液には必要に応じて、フタル酸、ステアリン酸などの
分散剤や燐酸トリフェニル、フタル酸ジエチルなどの可
塑剤を添加してもよい。
【0058】シート基材6としては、例えば酢酸セルロ
ース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、
ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリ
スチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポ
リイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカ
ーボネートなどの樹脂をフィルム状に成形したものが用
いられる。反射型のカラー発光シート4を作製する場合
には、カーボンブラックなどを練り込んだ光反射性の樹
脂フィルムなどが用いられる。
【0059】さらに、保護膜8には各種の透明樹脂が用
いられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどか
らなる透明樹脂フィルムを蛍光体層7上にラミネートし
て保護膜8を形成する。あるいは、酢酸セルロース、エ
チルセルロース、セルロースアセテートブチレートなど
のセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネ
ート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリビニルホルマール、ポリウレタンなどの透明樹
脂を溶剤に溶解させて適当な粘度の保護膜塗布液を調製
し、これを蛍光体層7上に塗布、乾燥させることによっ
て、保護膜8を形成する。
【0060】カラーフィルム5には、上述したようなカ
ラー発光シート4からの複数色の発光を受けて複数色の
画像(例えば青色画像、緑色画像および赤色画像)を撮
像することが可能なカラー写真フィルムを用いることが
好ましい。図8はカラーフィルム5の分光感度曲線の一
例を示すものである。
【0061】カラーフィルム5上には、複数色の画像の
混合データとして像が形成される。この画像情報からフ
ィルムスキャナなどを用いてRGB信号を分離して検出
する。すなわち、蛍光体の発光波長に応じて分離して検
出する。このようにして、複数色の混合画像から各色の
画像、例えば赤色画像と緑色画像と青色画像を分離し、
これら各色の画像をそれぞれ単独画像として得る。そし
て、これら各色の画像情報を例えばデジタル信号として
記録する。
【0062】ここで、蛍光体層7を構成する蛍光体が主
発光成分と副発光成分とを含む発光スペクトルを有し、
さらに副発光成分が主発光成分より輝度(明るさ)が小
さい場合、主発光成分に基づく画像は、相対的に小さい
露光量の段階から適切な写真濃度となる。すなわち、露
光量が比較的小さい範囲に、写真濃度と露光量の特性曲
線が形成される。一方、副発光成分は主発光成分と比べ
て輝度(明るさ)が小さいため、副発光成分に基づく画
像は主発光成分に対して相対的に大きい露光量範囲で適
切な写真濃度となる。すなわち、露光量が主発光成分に
比べて大きい範囲に特性曲線が形成される。
【0063】このように、露光量範囲が異なる複数の特
性曲線を得ることによって、X線撮影などで求められる
適切な写真濃度範囲に対する露光量範囲は、従来の1つ
の特性曲線に比べて大幅に広がる。すなわち、本発明に
よれば放射線撮影のダイナミックレンジを大幅に広げる
ことができる。
【0064】図9は、本発明によるカラーフィルムを用
いた感度特性の測定結果を従来のX線用白黒フィルムを
用いた測定結果と比較して示す図である。図9(a)は
従来のX線用白黒フィルムの特性曲線、図9(b)およ
び図9(c)はカラーフィルムとGd22S:Eu蛍光
体とを組合せて感度特性を測定した際の特性曲線であ
る。図9において、横軸は露光時間(Exposure Time
(s))、縦軸はフィルム濃度(Film Density)である。
【0065】従来のX線用白黒フィルムを用いた場合に
は、フィルムの種類により多少異なるが、フィルム濃度
が飽和する領域は約1〜2桁である。一方、カラーフィル
ムの一般的な構成は赤色、緑色、青色の3層に分かれて
おり、それぞれ異なった感度特性を有する。図9(b)
および図9(c)から明らかなように、フィルムの種類
により赤色、緑色、青色の感度特性は異なるものの、3
色の感度特性を使用することによって、従来のX線フィ
ルムに比べてダイナミックレンジが約2桁広がっている
ことが分かる。
【0066】このことは、例えば赤色画像の写真濃度が
飽和して検査できなかったとしても、緑色画像や青色画
像で適切な検査が行えることを意味する。さらに、緑色
画像の写真濃度が飽和して検査できない部分について
は、青色画像で適切な検査を行うことができる。また、
原子番号の大きい物質や密度が高い物質は、赤色画像で
観察することができ、原子番号の小さい物質や密度が小
さい物質は、緑色画像や青色画像で観察することができ
る。
【0067】加えて、市販のカラーフィルムはメーカー
や種類により赤色成分、緑色成分、青色成分に対する感
度が異なるため、この特性を複数色に発光する蛍光体の
特性と併せて用いることによって、ダイナミックレンジ
をさらに変えることができる。さらに、カラーフィルム
は従来のX線フィルム(モノクロフィルム)に比べて、
フィルム特性として感度が高いことから、写真画像の高
感度化を図ることが可能となる。
【0068】各発光色に基づく複数の特性曲線は、露光
量範囲(ダイナミックレンジ)を広げる上で、適度に離
れていることが好ましい。さらに、X線撮影の連続性
(露光範囲の連続性)を確保する上で、複数の特性曲線
はそれぞれ一部がオーバーラップするように設定するこ
とが好ましい。そこで、副発光成分は主発光成分に対す
る輝度、言い換えると同一強度の放射線に対する発光割
合が主発光成分に対して0.1〜90%の範囲であることが
好ましい。副発光成分の発光割合は1〜80%の範囲であ
ることがより好ましい。
【0069】副発光成分の発光割合が主発光成分の90%
を超えると、これら主発光成分による特性曲線と副発光
成分による特性曲線が相対露光量のスケール上で近づき
すぎて、ダイナミックレンジの拡大効果を十分に得るこ
とができなくなる。このような点から、副発光成分の発
光割合は主発光成分に対して80%以下とすることがさら
に好ましい。より好ましくは50%以下である。
【0070】一方、副発光成分の発光割合が主発光成分
の0.1%未満であると、主発光成分による特性曲線と副
発光成分による特性曲線が相対露光量のスケール上で離
れすぎ、それらの中間領域の光量が2つの特性曲線のダ
イナミックレンジから外れるおそれがある。これでは検
査精度などを十分に高めることができない。このような
点から、副発光成分の輝度は主発光成分の輝度に対して
1%以上とすることがさらに好ましい。
【0071】また、カラーフィルムはメーカーや種類に
より感度特性が異なることがある。このような場合に
は、蛍光体の主発光成分と副発光成分の発光割合を調整
し、それぞれの感度特性(特性曲線)に応じた発光を得
ることによって、良好な放射線撮影を行うことが可能と
なる。発光割合は前述したように付活剤の濃度により調
整することができる。発光割合はフィルムスキャナなど
を用いてRGB信号を読み取る際にカラーフィルタを入
れて補正して読み取ったり、また取り込みソフトで補正
することによっても調整することができる。
【0072】例えば、特定のカラーフィルムでは赤色発
光、緑色発光、青色発光の割合をR:100、G:10、B:1
とすることによって、従来に比べてダイナミックレンジ
を約2桁拡大することができる。また、他のカラーフィ
ルムでは赤色発光と緑色発光の割合を変化させることに
より、良好なダイナミックレンジを得ることができる。
さらに、受光素子としてカラーCCDカメラを用いる場
合には、そのダイナミックレンジに合せてRGB信号が
一部オーバーラップするように、蛍光体の主発光成分と
副発光成分の発光割合を調整する。
【0073】このように、本発明では蛍光体の主発光成
分と副発光成分の発光割合を、撮影系のダイナミックレ
ンジに合せて調整している。これによって、ダイナミッ
クレンジを拡大した良好な放射線撮影が実現可能とな
る。さらに、発光割合を蛍光体の付活剤濃度で調整する
ことによって、得られる画像情報の幾何学的なずれをな
くすことができる。
【0074】本発明のカラーレントゲンシステムはX線
に限らず、例えば中性子線撮影などにも適用可能であ
る。すなわち、Gd22S:Eu蛍光体のように、中性
子に対して感度を有するGd、B、Liなどを含む蛍光
体を用いた場合には、同様に赤色、緑色、青色の感度特
性を異ならせることによって、ダイナミックレンジを拡
大することができる。図10は放射線として熱中性子を
用いた際のカラーフィルムの感度特性の測定結果を示す
図である。このように、熱中性子を用いた場合において
も、ダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
【0075】上述したように、本発明のカラーレントゲ
ンシステムによれば、撮影条件(例えば照射X線量)な
どが適切な範囲から多少ずれていたとしても、露光量範
囲(ダイナミックレンジ)が広いことに基づいて、医療
診断や工業用途の非破壊検査などに使用し得る適切な濃
度の画像を得ることができる。
【0076】具体的には、図1に示した写真濃度と露光
量の特性曲線において、X線撮影時の露光量が赤色発光
に基づく第1の特性曲線Rのダイナミックレンジから外
れ、赤色画像は露光過多となったとしても、緑色発光や
青色発光に基づく第2、第3の特性曲線G、Bのダイナ
ミックレンジに基づいて、適切な濃度の緑色画像や青色
画像を得ることができる。すなわち、露光不足や露光過
多などによる撮影ミスの発生を抑制することができ、比
較的広い条件下で適切な濃度の画像を得ることが可能と
なる。
【0077】そして、上述したような複数色の発光に基
づく画像情報からRGB信号を分離して検出することに
よって、各色信号に含まれる多くの情報を有効にかつ確
実に得ることが可能となる。このような本発明のカラー
レントゲンシステムを医療用撮影に適用することによっ
て、医療診断能の向上を図ることができる。さらに、X
線撮影のダイナミックレンジの拡大は検査情報の増大に
も繋がることから、より一層医療診断能などの検査精度
の向上を図ることが可能となる。
【0078】特に、マンモグラフィーのように高コント
ラスが必要とされる場合、高コントラス化を図った上で
X線撮影時のダイナミックレンジを拡大することができ
る。これによって、撮影条件に対する制約を緩和するこ
とができるため、医療診断能の向上に大きく寄与する。
マンモグラフィー以外の医療診断用X線撮影において
も、写真画像の高コントラス化は診断範囲の拡大並びに
精度向上に繋がるため、医療診断能を大幅に高めること
が可能となる。
【0079】本発明のカラーレントゲンシステムを工業
用途の非破壊検査用放射線撮影などに適用した場合に
は、ダイナミックレンジの拡大により撮影ミスを抑制す
ることが可能となる。さらに、例えば比重が異なる物質
が存在しているもの、同物質で密度が異なる物質が存在
しているものなど、複雑な測定対象物を1度の撮影でそ
れぞれ良好に撮像並びに解析することができる。これら
によって、検査ミスの防止、検査情報の拡大、検査精度
の向上などを図ることが可能となる。
【0080】さらに、従来のX線撮影では露光されたX
線フィルムに銀粒子が残存するため、銀粒子が付着した
状態でX線フィルムを保存している。フィルムによる撮
影は記録の改ざんが不可能であるなど、撮影データの保
存性に優れるものの、銀粒子が付着したフィルムを保存
している従来の撮影システムでは、銀のリサイクル性が
劣っており、露光資源のリサイクル性を高めることが求
められていた。これに対して、カラーフィルムは反応乳
剤にあるハロゲン化銀が現像で回収されるため、希少価
値のある銀などの資源(露光資源)のリサイクル性を高
めることが可能となる。また、最終的に得られる画像情
報はRGBのデジタル信号に変換されるため、検査情報
の蓄積性や転送性などを大幅に高めることができる。
【0081】次に、本発明のカラーレントゲン方法を適
用したカラーレントゲン装置、すなわち放射線撮影装置
の第2の実施形態について、図11を参照して説明す
る。
【0082】図11に示した放射線撮影装置では、図2
と同様に被検体1を透過したX線3などの放射線がカラ
ー発光シート4に照射される。カラー発光シート4の後
方には、カラー発光シート4からの複数色の発光を一括
して受光する手段として、カラーCCDカメラ11が配
置されている。カラーCCDカメラ11では、被検体1
で吸収もしくは散乱されたX線3の分布情報に基づく発
光分布を有する複数色の発光(複数色の画像情報)が一
括して受光される。
【0083】カラーCCDカメラ11で受光、検出され
た複数の色信号を含む画像情報は、演算処理装置12で
RGB信号に分離され、各色の単独画像情報としてそれ
ぞれ検出される。これら各色の画像情報はそれぞれデジ
タル信号として記録される。この際、白色成分を分離し
た後にRGB信号の割合を変化させることによって、ダ
イナミックレンジを調整することができる。すなわち、
カラーフィルムを用いた場合と同様に、各色の画像情報
によりX線撮影などのダイナミックレンジを拡大するこ
とができる。図中13は表示装置であり、各色の画像情
報を直接表示することが可能とされている。
【0084】さらに、色別に分離した各信号をそれぞれ
の信号で相互に演算して、その結果を記録することもで
きる。例えば、ある物質で密度の違いが赤色成分で確認
でき、別な物質で密度の違いが緑色成分で見える場合に
は、それぞれが分かるように擬似カラーで表示すること
ができる。また、その部分のみを切り出して別に表示す
ることもできる。さらに、赤色成分中のノイズを緑色成
分や青色成分で補正したり、一部データが欠落して白色
になっている部分を補正することができる。特に、従来
の白黒フィルムでは、現像時や撮影時のノイズなのか、
問題となる部位や欠陥なのかを厳密には判定できなかっ
たが、多色によるデータから赤色でも緑色でも同じ傾向
が確認できれば、データ判断の精度を高めることができ
る。
【0085】カラー発光シート4からの複数色の発光
は、例えば図12に示すように、各色(波長)毎に分離
した後に個々に検出することも可能である。図12にお
いて、複数色の光が混合された発光は、例えば第1およ
び第2のダイクロックミラー14a、14bにより波長
毎に分離(分光)される。分離された各光信号はそれぞ
れ第1、第2および第3のモノクロCCDカメラ15
a、15b、15cでそれぞれ検出される。
【0086】すなわち、第1のダイクロックミラー14
aでは赤色成分のみを反射させ、緑色成分と青色成分は
透過させる。第2のダイクロックミラー14bでは緑色
成分のみ反射させ、青色成分のみ透過させる。この際、
ダイクロックミラー14を構成する誘電体多層膜の設計
によって、各色成分の反射率と透過率を個別に設定する
ことができるため、赤色成分の感度、緑色成分の感度、
青色成分の感度をコントロールして最適化することがで
きる。
【0087】赤色成分は第1のモノクロCCDカメラ1
5aで検出される。緑色成分は第2のモノクロCCDカ
メラ15bで、また青色成分は第3のモノクロCCDカ
メラ15cで検出される。各モノクロCCDカメラ15
で検出された色信号は、各色の単独画像情報としてそれ
ぞれ記録される。この際の各色信号についても、図11
で示した装置と同様に各種の演算処理を施すことができ
る。なお、前述したカラーフィルムからフィルムスキャ
ナなどを用いて分離検出したRGB信号についても同様
である。
【0088】さらに、各色成分の中でも特定の波長のみ
を選択して測定する場合には、各モノクロCCDカメラ
15の前にカラーフィルタ16を設けることで対応する
ことができる。ダイクロックミラー14が波長選択性を
有しない場合には、カラーフィルタ16の透過率で調整
することができる。さらに、白色発光の混合蛍光体など
を用いる場合には、このカラーフィルタ16で発光の割
合、言い換えると色別の感度特性を調整することができ
る。
【0089】なお、光の分離にはダイクロックミラー1
4に限らず、金属干渉フィルタ、色ガラスフィルタ、バ
ンドパスフィルタなどの光学フィルタ、あるいは光学プ
リズムやグレーティング(回折格子)などを用いてもよ
い。また、光信号の検出はCCDカメラに限らず、各種
の光検出素子を使用することができる。
【0090】次に、本発明の他の実施形態について説明
する。人体を対象としたX線撮影では、血管造影などの
造影法を適用することがある。この場合、造影剤として
ヨウ素やバリウムを含む物質を体内に入れ、その状態で
レントゲン撮影を行う。この際、従来のレントゲン撮影
では骨や臓器がX線用白黒フィルムに同時に写ってしま
う。このような点に対して、K吸収端が異なる元素を主
成分とする2種類以上の蛍光体を用いることによって、
例えば2種類の元素のK吸収端間に入るK吸収端を有す
る物質のみを撮像することが可能となる。この際のカラ
ー発光シートは、例えば図3に示した蛍光体層7を多層
構造とし、各蛍光体層をK吸収端が異なる蛍光体で構成
すればよい。
【0091】例えば、カラー発光シートの蛍光体層を2
層構造とし、第1層目にはヨウ素やバリウムよりK吸収
端が小さく、かつ骨のカルシウムや臓器の炭化水素化合
物よりK吸収端が大きい元素を主成分とする蛍光体を用
いる。インジウムのK吸収端は27.940keVであり、ヨウ
素は33.170keV、バリウムは37.441keVである。ちなみ
に、カルシウムのK吸収端は4.039keV、炭化水素化合物
はそれ以下である。第2層目には、ヨウ素やバリウムよ
りK吸収端が大きい元素を主成分とする蛍光体を用い
る。ガドリニウムのK吸収端は50.239keVである。第1
層目と第2層目の発光色は異なるように蛍光体を選択
し、これらからの各色信号をカラーフィルムやカラーC
CDカメラなどで検出する。
【0092】2層構造の蛍光体層の具体的な構成として
は、第1層目をテルビウム付活硼酸化インジウム(In
BO3:Tb)蛍光体で形成し、第2層目をユーロピウ
ム付活酸硫化ガドリニウム(Gd22S:Eu)蛍光体
で形成した構造が挙げられる。第1層目のテルビウム付
活硼酸化インジウム蛍光体は、緑色と青色に発光スペク
トルを有する。第2層目のユーロピウム付活酸硫化ガド
リニウム蛍光体は赤色の発光スペクトルが強く、次に緑
色、青色の発光スペクトルを有する。第1層目からの緑
色発光と第2層目からの緑色発光とが混ざらないように
するためには、第2層目の蛍光体の付活濃度(ユーロピ
ウム濃度)を高くして、緑色および青色発光成分をかな
り少なくする。このようにすることによって、色信号の
分離精度を上げることができる。
【0093】第1層目のインジウムのK吸収端の低いと
ころで、第2層目のガドリニウムの吸収特性に係数をか
けて演算処理すると、第2層目のK吸収端が第1層目の
それと異なるために、第2層目のK吸収端までと第2層
目のK吸収端以降のエネルギーで吸収特性が異なること
になる。従って、第1層目と第2層目のK吸収端に挟ま
れた約28〜50keVの間にK吸収端を有する物質が浮かび
上がることになる。このようにして、例えばヨウ素やバ
リウムを含む造影剤のみを撮像することが可能となる。
【0094】上述したように、K吸収端が異なる2種類
以上の蛍光体の発光波長を異ならせることによって、互
いの色情報の演算処理から検査対象物質の情報のみを容
易に得ることができる。さらに、各蛍光体層を構成する
蛍光体の主発光色以外の副発光色の割合を小さくするこ
とによって、K吸収端が異なる2種類以上の蛍光体から
の発光を色別に分離しやすくなるため、検査対象物質の
情報をより確実に得ることが可能となる。
【0095】K吸収端の違いを利用したカラーレントゲ
ンシステムにおいては、各種の蛍光体を使用することが
できる。例えば、赤色を主発光色とする蛍光体として
は、GdBO3:Eu、Gd23:Eu、Gd22S:
Eu、Y23:Eu、Y22S:Eu、La23:E
u、La22S:Eu、InBO3:Euなどを用いる
ことができる。
【0096】緑色を主発光色とする蛍光体としては、G
23:Tb、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr、
23:Tb、Y22S:Tb、Y22S:Tb,D
y、La22S:Tb、LaOBr:Tb、InB
3:Tb、ZnS:Cuなどを用いることができる。
また、青色を主発光色とする蛍光体としては、BaFC
l:Eu、BaFBr:Eu、CaWO4、YTaO4
Nb、LaOBr:Tm、ZnS:Agなどを用いるこ
とができる。
【0097】従来のレントゲンシステムにおいては、カ
ラーフィルムのそれぞれのカラー乳剤の間にヨウ素、バ
リウム、セシウムなどを含む物質を入れ、これら物質の
吸収の差を色情報の差とする方法が提案されている。し
かし、このような方法ではフィルムそのものを新たに製
造しなければならず、市販のカラーフィルムを使用する
ことができないという欠点がある。さらに、フィルムの
間に特定の元素を入れておかなければならないため、判
定したい元素毎にフィルムを変えて対応しなければなら
ない。
【0098】これに対して、本発明のK吸収端の違いを
利用したカラーレントゲンシステムでは、カラー発光シ
ートを構成する蛍光体のK吸収端を選択することによっ
て、例えばヨウ素およびバリウムのいずれにも同じ構成
で対応可能である。同様に対応が可能な元素としては、
Sn、Sb、Te、Xe、Cs、La、Ce、Pr、N
d、Pm、Sm、Euなどが挙げられる。
【0099】本発明では、蛍光体層を構成する蛍光体の
K吸収端を変化させることによって、さらに多くの元素
に対応させることができる。また、蛍光体層の層数を増
やすことでより多くの情報を得ることができる。例え
ば、蛍光体層を3層構造や4層構造とし、分離する波長を
RGBだけでなく、元素特有の波長にすれば、多くの元
素を画像演算から同時に分離して分析することが可能と
なる。
【0100】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0101】実施例1 まず、平均粒子径が2.0μmのGd22S:Eu蛍光体
(Eu濃度=0.3mol%)を用意した。このGd22S:
Eu蛍光体は赤色発光成分を主発光成分とし、副発光成
分として緑色発光成分を有するものである。ここで、副
発光成分としての緑色発光の輝度は、主発光成分(赤色
発光)の約20%である。
【0102】上述したようなGd22S:Eu蛍光体粉
末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコ
ポリマー1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチル
を混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布
液を透明な厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフ
ィルムからなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が
700g/m2(70mg/cm2)となるようにナイフコータで均一
に塗布、乾燥させて蛍光体層を形成した。この蛍光体層
上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムか
らなる保護膜をラミネートして、目的とするカラー発光
シートを作製した。
【0103】このようにして得たカラー発光シートをカ
ラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合
せて、図2に示したカラーレントゲンステムを構成し
た。この撮影システムを用いてX線撮影を行い、カラー
フィルム上に形成された画像(赤と緑の混合画像)から
フィルムスキャナを用いてRGB信号を分離し、赤色画
像と緑色画像をそれぞれ単独画像として得た。その結
果、得られた赤色画像(主発光成分)と緑色画像(副発
光成分)とから、多くの情報が読み取れることを確認し
た。なお、カラーフィルム上に形成された混合画像を目
視しただけでは、十分な情報量は得られなかった。
【0104】さらに、カラーフィルム上に形成された画
像から分離して得た赤色画像と緑色画像に基づく写真濃
度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.
5〜3.5の範囲に相当する露光量範囲は、従来の1つの特
性曲線(図13)に比べて約5.25倍に拡大していた。
【0105】実施例2 まず、平均粒子径が2.0μmのGd22S:Tb蛍光体
(Tb濃度=0.3mol%)を用意した。このGd22S:
Tb蛍光体は緑色発光成分を主発光成分とし、副発光成
分として青色発光成分を有するものである。ここで、副
発光成分としての青色発光の輝度は、主発光成分(緑色
発光)の約50%である。
【0106】上述したようなGd22S:Tb蛍光体粉
末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコ
ポリマー1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチル
を混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布
液を厚さ250μmの透明なポリエチレンテレフタレートフ
ィルムからなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が
700g/m2(70mg/cm2)となるようにナイフコータで均一
に塗布、乾燥させて蛍光体層を形成した。この蛍光体層
上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムか
らなる保護膜をラミネートして、目的とするカラー発光
シートを作製した。
【0107】このようにして得たカラー発光シートをカ
ラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合
せて、本発明のカラーレントゲンシステムを構成した。
この撮影システムを用いてX線撮影を行い、カラーフィ
ルム上に形成された画像(緑と青の混合画像)からフィ
ルムスキャナを用いてRGB信号を分離し、緑色画像と
青色画像をそれぞれ単独画像として得た。その結果、得
られた緑色画像(主発光成分)と青色画像(副発光成
分)とから、多くの情報が読み取れることを確認した。
なお、カラーフィルム上に形成された混合画像を目視し
ただけでは、十分な情報量は得られなかった。
【0108】さらに、カラーフィルム上に形成された画
像から分離して得た緑色画像と青色画像に基づく写真濃
度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.
5〜3.5の範囲に相当する相対露光量範囲は、従来の1つ
の特性曲線(図13)に比べて約3.7倍に拡大してい
た。
【0109】実施例3 実施例2で用いた蛍光体に代えて、平均粒子径が2.0μm
のGd22S:Tb蛍光体(Tb濃度=0.1mol%)を用
いる以外は、実施例2と同様にしてカラー発光シートを
作製した。この実施例3で用いたGd22S:Tb蛍光
体は、副発光成分としての青色発光の輝度が主発光成分
(緑色発光)の約60%である。
【0110】このようにして得たカラー発光シートをカ
ラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合
せて、本発明のカラーレントゲンを構成した。この撮影
システムを用いてX線撮影を行ったところ、実施例2と
同様に、緑色画像(主発光成分)と青色画像(副発光成
分)がそれぞれ良好に得られることを確認した。この緑
色画像と青色画像に基づく写真濃度と露光量の特性曲線
を測定したところ、写真濃度が0.5〜3.5の範囲に相当す
る相対露光量範囲は、従来の1つの特性曲線(図13)
に比べて約4.5倍まで拡大していた。
【0111】実施例4 まず、平均粒子径が4.0μmのCaWO4蛍光体を用意し
た。このCaWO4蛍光体は青色発光成分を主発光成分
とし、副発光成分として緑色発光成分を有するものであ
る。この実施例4で用いたCaWO4蛍光体は、発光ピ
ークが約410nm、半値幅が約100nmであり、副発光成分と
しての緑色発光の輝度は主発光成分(青色発光)の約20
%である。
【0112】上述したCaWO4蛍光体粉末10重量部
に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー1
重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルを混合し
て、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を厚さ
250μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムか
らなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が700g/m2
(70mg/cm2)となるようにナイフコータで均一に塗布、
乾燥させて蛍光体層を形成した。蛍光体層上に厚さ9μm
のポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜
をラミネートして目的とするカラー発光シートを作製し
た。
【0113】このようにして得たカラー発光シートをカ
ラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合
せて、本発明のカラーレントゲンシステムを構成した。
この撮影システムを用いてX線撮影を行い、カラーフィ
ルム上に形成された画像(青と緑の混合画像)からフィ
ルムスキャナを用いてRGB信号を分離し、青色画像と
緑色画像をそれぞれ単独画像として得た。その結果、得
られた青色画像(主発光成分)と緑色画像(副発光成
分)とから、多くの情報が読み取れることを確認した。
なお、カラーフィルム上に形成された混合画像を目視し
ただけでは、十分な情報量は得られなかった。
【0114】さらに、カラーフィルム上に形成された画
像から分離して得た青色画像と緑色画像に基づく写真濃
度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.
5〜3.5の範囲に相当する相対露光量範囲は、従来の1つ
の特性曲線(図13)に比べて約8倍に拡大していた。
【0115】実施例5 実施例4で用いた蛍光体に代えて、Caの一部を5mol%
のMgで置換した(Ca,Mg)WO4蛍光体を用いる
以外は、実施例4と同様にしてカラー発光シートを作製
した。この実施例5で用いた(Ca,Mg)WO4蛍光
体は、発光ピークが約420nm、半値幅が約110nmであり、
副発光成分としての緑色発光の輝度は主発光成分(青色
発光)の約30%である。
【0116】このようにして得たカラー発光シートをカ
ラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合
せて、本発明のカラーレントゲンシステムを構成した。
この撮影システムを用いてX線撮影を行ったところ、実
施例4と同様に、青色画像(主発光成分)と緑色画像
(副発光成分)がそれぞれ良好に得られることを確認し
た。この青色画像と緑色画像に基づく写真濃度と露光量
の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.5〜3.5の範
囲に相当する相対露光量範囲は、従来の1つの特性曲線
(図13)に比べて約7倍まで拡大していた。
【0117】実施例6 実施例1と同様にして、Gd22S:Eu蛍光体を用い
たカラー発光シートを作製した。このGd22S:Eu
蛍光体は赤色発光成分を主発光成分とし、副発光成分と
して緑色発光成分と青色発光成分を有するものである。
副発光成分としての緑色発光の輝度は主発光成分(赤色
発光)の約10〜20%、青色発光の輝度は主発光成分(赤
色発光)の約1〜2%である。
【0118】上述したカラー発光シートにX線を照射
し、このX線照射に基づくカラー発光シートからの光
を、ガラス基板表面に誘電体多層膜を形成したダイクロ
イックフィルタ(エドモンドサイエンティフィック社
製、AJ52529N)で赤色成分のみを透過させ、高感度CC
Dカメラ(Photometrics社製、Model 250)で撮像して
モニタに表示させたところ、被検体の良好な画像が得ら
れた。
【0119】次に、X線の照射量を1桁上げて撮像した
ところ、赤色成分では真白な画像しか得られなかった
が、フィルタを緑色成分のみを透過させるダイクロイッ
クフィルタ(エドモンドサイエンティフィック社製、AJ
52535N)に交換すると、良好な画像が得られた。
【0120】さらに、X線の照射量を1桁(赤色成分の
ときに比べて2桁)上げて撮像したところ、緑色成分で
は真白な画像しか得られなかったが、フィルタを青色成
分のみを透過させるダイクロイックフィルタ(エドモン
ドサイエンティフィック社製、AJ52532N)に交換する
と、良好な画像が得られた。
【0121】これらの結果から、従来のモノクロのシン
チレータを使用したシステムに比べて、この実施例のカ
ラーレントゲンシステムによれば相対露光量の範囲を約
2桁拡大できたことが分かる。ちなみに、赤色発光成分
で見ていたときに、青色成分のみを透過させるフィルタ
に代えたところ、真黒な画像しか得られなかった。ま
た、具体的なシステム構成は図12に示した通りであ
る。
【0122】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のカラーレ
ントゲン方法およびカラーレントゲン装置によれば、各
種の条件下で適切な画像情報が得られ、かつこれらの画
像情報から多くの情報を確実にかつ有効に得ることがで
きる。特に、放射線写真のコントラストを高めた際にお
いても、比較的広い条件下で適切な濃度の画像情報が得
られる。従って、医療診断用放射線撮影をはじめとする
各種の放射線撮影において、撮影ミスの発生抑制、検査
情報の増大、検査精度の向上などを図ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用し
た際に得られる写真濃度と露光量の特性曲線の一例を示
す図である。
【図2】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用し
た放射線撮影装置の第1の実施形態の要部構成を模式的
に示す図である。
【図3】 図2の放射線撮影装置で使用したカラー発光
シートの構成の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明のカラー発光シートに使用するGd2
2S:Eu蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図で
ある。
【図5】 本発明のカラー発光シートに使用するGd2
2S:Tb蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図で
ある。
【図6】 本発明のカラー発光シートに使用するCaW
4蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図7】 本発明のカラー発光シートに使用する混合蛍
光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図8】 本発明で使用されるカラーフィルムの分光感
度曲線の一例を示す図である。
【図9】 本発明によるカラーフィルムを用いたX線撮
影の感度特性の測定結果を従来のX線用白黒フィルムと
比較して示す図である。
【図10】 放射線として熱中性子を用いた際のカラー
フィルムの感度特性の測定結果を示す図である。
【図11】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用
した放射線撮影装置の第2の実施形態の要部構成を模式
的に示す図である。
【図12】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用
した放射線撮影装置の第3の実施形態の要部構成を模式
的に示す図である。
【図13】 従来の放射線撮影システムにおける写真濃
度と露光量の特性曲線の一例を示す図である。
【符号の説明】
1……被検体,2……X線管,3……X線,4……カラ
ー発光シート,5……カラーフィルム,11……カラー
CCDカメラ,12……演算処理装置,14a、14b
……ダイクロックミラー,15a、15b、15c……
モノクロCCDカメラ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 11/68 CQC C09K 11/68 CQC 11/84 CPD 11/84 CPD G01T 1/00 G01T 1/00 B 1/20 1/20 B G03B 15/00 G03B 15/00 T M G21K 4/00 G21K 4/00 B H04N 9/04 H04N 9/04 B // H04N 7/18 7/18 L (72)発明者 小柳津 英二 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 日塔 光一 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 田村 俊幸 神奈川県川崎市川崎区浮島町2−1 株式 会社東芝浜川崎工場内

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被検体に放射線を照射する工程と、 前記被検体を透過した放射線を、前記放射線により複数
    色に発光すると共に、同一強度の放射線に対する前記複
    数色の発光の割合が異なる蛍光体に照射する工程と、 前記放射線の照射に基づいて前記蛍光体から放射された
    複数色の発光を、色別に分離して検出する工程とを具備
    することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記蛍光体は、可視光領域内の1つの発光色に対応する
    主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有する
    と共に、前記発光割合が前記主発光成分とは異なる少な
    くとも1つの副発光成分とを有することを特徴とするカ
    ラーレントゲン方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記副発光成分は、前記主発光成分に対して0.1〜90%
    の範囲の発光割合を有することを特徴とするカラーレン
    トゲン方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記蛍光体としてユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム
    蛍光体を用いると共に、前記酸硫化ガドリニウム蛍光体
    のユーロピウム付活量により前記主発光成分と副発光成
    分の発光割合を調整することを特徴とするカラーレント
    ゲン方法。
  5. 【請求項5】 請求項2記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記蛍光体としてユーロピウム付活酸硫化イットリウム
    蛍光体を用いると共に、前記酸硫化イットリウム蛍光体
    のユーロピウム付活量により前記主発光成分と副発光成
    分の発光割合を調整することを特徴とするカラーレント
    ゲン方法。
  6. 【請求項6】 請求項2記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記蛍光体としてテルビウム付活酸硫化ガドリニウム蛍
    光体を用いると共に、前記酸硫化ガドリニウム蛍光体の
    テルビウム付活量により前記主発光成分と副発光成分の
    発光割合を調整することを特徴とするカラーレントゲン
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項2記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記蛍光体としてタングステン酸カルシウム蛍光体を用
    いると共に、前記タングステン酸カルシウム蛍光体中の
    カルシウムの一部をマグネシウムで置換することにより
    前記主発光成分と副発光成分の発光割合を調整すること
    を特徴とするカラーレントゲン方法。
  8. 【請求項8】 請求項2記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記蛍光体として、主に青色に発光する青色発光蛍光
    体、主に緑色に発光する緑色発光蛍光体、および主に赤
    色に発光する赤色発光蛍光体から選ばれる少なくとも2
    種類の蛍光体を混合して用い、前記蛍光体の混合割合に
    より前記主発光成分と副発光成分の発光割合を調整する
    ことを特徴とするカラーレントゲン方法。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のカラーレントゲン方法に
    おいて、 前記蛍光体からの発光をカラーフィルタを通過させるこ
    とにより、前記複数色の発光の割合を調整することを特
    徴とするカラーレントゲン方法。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項記載のカラーレントゲン方法において、 前記光検出工程で、前記蛍光体からの複数色の発光をカ
    ラーフィルムで一括して画像化し、この画像から前記複
    数色の発光に対応する各色信号を分離して検出すること
    を特徴とするカラーレントゲン方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし請求項9のいずれか1
    項記載のカラーレントゲン方法において、 前記光検出工程で、前記蛍光体からの複数色の発光を、
    光検出素子を用いて色別に分離して検出することを特徴
    とするカラーレントゲン方法。
  12. 【請求項12】 請求項1記載のカラーレントゲン方法
    において、 前記蛍光体として、K吸収端が異なる元素を主成分とし
    て含む少なくとも2種類の蛍光体を用い、前記少なくと
    も2種類の元素のK吸収端間に入るK吸収端を有する物
    質を検知することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載のカラーレントゲン方
    法において、 前記少なくとも2種類の蛍光体として、主に青色に発光
    する青色発光蛍光体、主に緑色に発光する緑色発光蛍光
    体、および主に赤色に発光する赤色発光蛍光体から選ば
    れる少なくとも2種類の蛍光体を用いることを特徴とす
    るカラーレントゲン方法。
  14. 【請求項14】 請求項1ないし請求項13のいずれか
    1項記載のカラーレントゲン方法において、 医療診断用放射線撮影または非破壊検査用放射線撮影に
    使用されることを特徴とするカラーレントゲン方法。
  15. 【請求項15】 被検体に放射線を照射する放射線源
    と、 前記被検体を透過した放射線が照射され、前記放射線に
    より複数色に発光すると共に、同一強度の放射線に対す
    る前記複数色の発光の割合が異なる蛍光体を有するカラ
    ー発光手段と、 前記放射線の照射に基づいて前記蛍光体から放射された
    複数色の発光を、色別に分離して検出する手段とを具備
    することを特徴とするカラーレントゲン装置。
  16. 【請求項16】 請求項15記載のカラーレントゲン装
    置において、 前記光検出手段は、前記蛍光体からの複数色の発光を一
    括して画像化するカラーフィルムと、前記カラーフィル
    ム上に形成された画像からRGB信号を分離して個別に
    検出する手段とを有することを特徴とするカラーレント
    ゲン装置。
  17. 【請求項17】 請求項15記載のカラーレントゲン装
    置において、 前記光検出手段は、前記蛍光体から放射された複数色の
    発光を一括して受光するカラーカメラと、前記カラーカ
    メラからの出力信号をRGB信号に分離して個別に検出
    する手段とを有することを特徴とするカラーレントゲン
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項15記載のカラーレントゲン装
    置において、 前記光検出手段は、前記蛍光体から放射された複数色の
    発光を色分離する手段と、前記色分離された各発光を検
    出する複数の単色カメラとを有することを特徴とするカ
    ラーレントゲン装置。
  19. 【請求項19】 シート基材と、 前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光
    する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有
    すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記
    主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを
    有する蛍光体を含む単層構造の蛍光体層とを具備し、 前記主発光成分と副発光成分の発光割合が撮影系のダイ
    ナミックレンジに応じて調整されていることを特徴とす
    るカラー発光シート。
  20. 【請求項20】 請求項19記載のカラー発光シートに
    おいて、 前記蛍光体は、ユーロピウム付活量により前記主発光成
    分と副発光成分の発光割合が調整されたユーロピウム付
    活酸硫化ガドリニウム蛍光体を有することを特徴とする
    カラー発光シート。
  21. 【請求項21】 請求項20記載のカラー発光シートに
    おいて、 前記酸硫化ガドリニウム蛍光体は前記ユーロピウムを0.
    1〜10mol%の範囲で含むことを特徴とするカラー発光シ
    ート。
  22. 【請求項22】 請求項19記載のカラー発光シートに
    おいて、 前記蛍光体は、ユーロピウム付活量により前記主発光成
    分と副発光成分の発光割合が調整されたユーロピウム付
    活酸硫化イットリウム蛍光体を有することを特徴とする
    カラー発光シート。
  23. 【請求項23】 請求項22記載のカラー発光シートに
    おいて、 前記酸硫化イットリウム蛍光体は前記ユーロピウムを0.
    1〜10mol%の範囲で含むことを特徴とするカラー発光シ
    ート。
  24. 【請求項24】 請求項19記載のカラー発光シートに
    おいて、 前記蛍光体は、テルビウム付活量により前記主発光成分
    と副発光成分の発光割合が調整されたテルビウム付活酸
    硫化ガドリニウム蛍光体を有することを特徴とするカラ
    ー発光シート。
  25. 【請求項25】 請求項24記載のカラー発光シートに
    おいて、 前記酸硫化ガドリニウム蛍光体は前記テルビウムを0.01
    〜1mol%の範囲で含むことを特徴とするカラー発光シー
    ト。
  26. 【請求項26】 請求項19記載のカラー発光シートに
    おいて、 前記蛍光体はタングステン酸カルシウム蛍光体からな
    り、前記タングステン酸カルシウム蛍光体はカルシウム
    の一部をマグネシウムで置換して前記主発光成分と副発
    光成分の発光割合が調整されていることを特徴とするカ
    ラー発光シート。
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