JP4509424B2 - カラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シート - Google Patents

カラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療診断や各種非破壊検査などに適用されるカラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断や工業用非破壊検査などに利用されるX線撮影では、通常、撮影系の感度を向上させるために、X線フィルムを放射線増感紙と組合せて使用している。X線撮影においては、被検体を透過したX線や増感紙で可視光に変換された光で、X線用白黒フィルムを感光させて被検体の透過画像を得ている。また近年、撮像系としてCCDカメラなどの光検出素子を用い、X線フィルムを使用せずに放射線の透過量の違いをデジタルに検出することも行われている。
【0003】
医療診断用のX線撮影は人間や動物の各部に対して適用されており、各種病巣の発見などに貢献している。また、近年では診断能力の向上を図るために、特性曲線の勾配を大きくした高コントラストのX線フィルムが用いられるようになってきている。例えば、X線による乳房撮影では、X線吸収差の少ない乳房内部の石灰化や異常軟部組織などを、高い分解能と適切なコントラストで撮影する必要があるため、高コントラストのX線フィルムが用いられている。しかし、このようなX線撮影においては、僅かな撮影条件のずれにより適切な濃度の写真像が得られなくなるという問題がある。すなわち、撮影のダイナミックレンジが狭いことが問題になっている。
【0004】
また、撮影対象が骨と筋肉というように、対象部位の元素組成が異なる場合には、使用するX線エネルギーと撮影部位の厚さなどを考慮して、X線の照射時間を多くの経験から決めなければならない。正常な組織と癌などの異常組織のように、元素組成はほぼ同じで密度が異なる場合にも同様である。このような条件設定には、撮影者の人的な習熟度が大きく影響する。特に、最近の医療診断では例えば癌の早期発見のように、極めて小さな異常組織を的確に判断することが求められているが、撮影条件の僅かなずれによって、そのような医療診断に対して適切な濃度の写真像を得ることができなくなってしまう。
【0005】
一方、上述したような白黒フィルムを用いたX線撮影に代えて、2種類以上の蛍光体を用いて複数の線スペクトルを持たせた蛍光板を使用し、カラーフィルムの各感色層を独立して感光させるカラーラジオグラフィーが提案されている(特公昭48-6157号公報、特公昭48-12676号公報参照)。このような従来のカラーラジオグラフィーによれば、X線の線量の違いに対応して色彩を変化させたカラーX線写真が得られる。
【0006】
しかしながら、カラーX線写真上の色彩変化のみから情報を取り出そうとしても、例えば線量が多い部分では赤色成分に緑色成分や青色成分が加わり、カラー写真上は白色に近くなるため、かえって情報の取り出しが困難になる。また、線量の低い部分では、赤色成分が飽和するまでは従来の白黒写真と変らないため、白黒写真に比べて陰影が少ない分だけ情報の取り出しが困難になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の放射線撮影においては、特に特性曲線の勾配を大きくした高コントラストのフィルムを用いた場合に、僅かな撮影条件のずれにより適切な濃度の写真像を得ることができなくなってしまうという問題がある。また、放射線の透過量は測定対象物の比重と密度に関係することから、比重が異なる物質が存在している部位や同物質で密度が異なる物質が存在している部位を撮影する場合には撮影条件の設定が難しい。これによっても、適切な濃度の写真像が得られなくなってしまう。
【0008】
一方、従来のカラーラジオグラフィーは、単にX線量の違いに対応させて色彩を変化させたカラーX線写真を得ているにすぎない。このようなカラーX線写真上の色彩変化のみからでは情報を取り出すことが難しく、多くの情報を含んでいてもそれらを有効に活用することができないという問題がある。また、場合によっては、通常の白黒写真より情報の取り出しが困難になってしまう。
【0009】
このような点に対して、本願出願人は先に、被検体を透過した放射線が照射されて複数色に発光するカラー発光シートと、このカラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出するカラーフィルムやカラーCCDカメラなどの光検出手段とを具備し、感度特性が異なる複数色の画像情報を得るようにしたカラーレントゲンシステムを提案している(特願2000-326107)。この際のカラー発光シートには、例えば可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、主発光成分とは異なる発光色を有する副発光成分とを有し、かつこれら主発光成分と副発光成分の発光割合を撮影系のダイナミックレンジに応じて調整した蛍光体が用いられている。
【0010】
上記したカラーレントゲンシステムでは、図1に示すような複数の特性曲線を利用して、X線量の違いに対応して発光した複数色の光を各色毎に検出することで画像を得ている。得られた画像において、例えば低線量部分は赤色の情報として得られ、線量が多くなると赤色情報は飽和して緑色の情報として得られる。さらに線量が多くなると、赤色や緑色の情報は飽和して青色の情報として得られるようになる。すなわち、比較的広い条件下で適切な濃度の画像を得ると共に、得られた画像から多くの情報を得ることを可能にしている。
【0011】
しかしながら、このカラーレントゲンシステムは、撮影系のダイナミックレンジの拡大を基本としているため、例えば被検体である人体や動物の撮影対象部位や個体差によっては適切な条件から外れることがあり、撮影レンジ内でも適切な写真像が得られない場合がある。例えば、X線吸収の小さい乳房撮影などに対しては適切な撮影条件であっても、X線吸収の大きい体幹骨撮影などではX線量をダイナミックレンジに合わせないと適切な濃度の画像を得ることができず、これにより過剰な被爆線量を与えるおそれがある。
【0012】
また、正常組織と癌組織のようにX線吸収差の小さい対象部位については、赤色、緑色、青色の各色の画像が撮影系レンジ内で適切に得られたとしても、骨から血管まで診断するようなX線吸収差の大きい対象部位では、X線吸収の大きい部位の情報を赤色、緑色、青色のいずれかの画像として得ることができたとしても、X線吸収の小さい部位は適切な画像が得られないことが想定される。
【0013】
これは医療診断用のX線撮影に限られるものではなく、工業用の非破壊検査においても同様に生じることが想定される。例えば、測定対象物が鉄の場合とプラスチィックの場合とでは、これらの大きな比重差に基づいて、最適な撮影条件は当然ながら大きく異なり、また実際の撮影にあたっては撮影対象部分の厚さなども考慮しなければならない。さらに、比重や密度の差が大きい複数の物質を複合化した材料(複合材料)などにおいても、全ての物質の情報を適切に画像化することができないおそれがある。
【0014】
このようなことから、例えば放射線の透過量が異なる種々の被検体、またX線吸収差の大きい被検体などに応じて、それぞれ適切な撮影条件を設定することができ、さらに僅かな撮影条件のずれなどによる露光量不足や露光量過多などの発生を防ぐと共に、得られた多くの情報を有効に利用することを可能にした放射線撮影システムが求められている。放射線撮影時の条件設定の拡大は、撮影ミスの発生や被爆線量の増大などを防ぐだけでなく、検査精度の向上などに対しても大きく寄与する。
【0015】
さらに、上記したカラーレントゲンシステムにおいては、撮影した画像から細かな部分を読影することが難しいというように画像の分解能が不足したり、また逆に分解能は十分であってもX線に対する感度がたりず、被検体に対して過剰な被爆線量を与えていたり、あるいは濃度の低い画像しか得られないというような事態の発生が想定される。従って、撮影目的に応じた画像を適切に得られるようにすることが必要とされている。
【0016】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、各種の被検体に応じて適切な濃度の画像や的確な画像を確実に得ることを可能にした放射線撮影システム、さらには撮影目的に応じた適切な画像を得ることを可能にした放射線撮影システム、すなわちカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、各種の被検体に応じて一回の撮影で多くの情報を確実にかつ有効に得ることを可能にしたカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、そのような放射線撮影システムに用いられるカラー発光シートを提供することにある。
【0017】
本発明のカラーレントゲン方法は、請求項1に記載したように、被検体に放射線を照射する工程と、可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有し、シート基材に対する塗布質量が50〜2000g/m の範囲であって、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、発光量が調整されてなる蛍光体を有するカラー発光シートに対して、前記被検体を透過した放射線を照射する工程と、前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する工程とを具備することを特徴としている。
【0018】
また、本発明のカラーレントゲン方法は、請求項2に記載したように、被検体に放射線を照射する工程と、可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有し、平均粒子径が1〜20μmの範囲であって、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、発光量が調整されてなる蛍光体を有するカラー発光シートに対して、前記被検体を透過した放射線を照射する工程と、前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する工程とを具備することを特徴としている。
【0020】
本発明のカラーレントゲン装置は、請求項に記載したように、被検体に放射線を照射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線が照射され、前記放射線により複数色に発光する蛍光体を有する単一または複数のカラー発光シートを有し、前記カラー発光シート内の部分毎の発光量、および前記複数のカラー発光シート間の発光量の差異の少なくとも一方が前記被検体に応じて調整されたカラー発光手段と、前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する手段とを具備し、前記カラー発光シート内の部分毎の前記発光量および前記カラー発光シート間の発光量の前記差異は、前記発光シートの発光層において、前記カラー発光シートの基材に対して塗布される前記蛍光体の塗布質量を、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、50〜2000g/m の範囲に設定されることによって調整されていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明のカラーレントゲン装置は、請求項に記載したように、被検体に放射線を照射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線が照射され、前記放射線により複数色に発光する蛍光体を有する単一または複数のカラー発光シートを有し、前記カラー発光シート内の部分毎の発光量、および前記複数のカラー発光シート間の発光量の差異の少なくとも一方が前記被検体に応じて調整されたカラー発光手段と、前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する手段とを具備し、前記カラー発光シート内の部分毎の前記発光量および前記発光シート間の発光量の前記差異は、前記発光シートの発光層において、前記カラー発光シートの基材に対して塗布される前記蛍光体の平均粒子径を、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、1〜20μmの範囲に設定することによって調整されていることを特徴としている。
【0022】
本発明のカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置(以下、総称してカラーレントゲンシステムと記す)においては、放射線に対して複数色に発光する蛍光体を用いることで色別に多くの情報を持たせており、さらにそれぞれの色信号に含まれる情報を色別に分離して検出するようにしている。これによって、各色信号に含まれる多くの情報を有効にかつ確実に得ることが可能となる。言い換えると、各色で異なる感度特性を持った複数の画像情報が得られるため、このような複数の画像情報を利用して医療診断や非破壊検査などを行うことによって、医療診断能や非破壊検査精度を大幅に向上させることができる。
【0023】
その上で、本発明のカラーレントゲンシステムにおいては、発光量を被検体に応じて部分毎に調整したカラー発光シートを用いたり、またシート間の発光量を被検体に応じて調整した複数のカラー発光シートから選択的に用いているため、撮影対象部位の放射線吸収量や放射線吸収差などに基づいて、適切な撮影条件を設定することができる。例えば、X線吸収の小さい乳房撮影からX線吸収の大きい体幹骨撮影などまで、それぞれの条件に応じて適切な撮影を実施することが可能となる。また、骨から血管まで診断するようなX線吸収差の大きい対象部位についても、各部分に応じて発光量が調整されたカラー発光シートを用いることによって、X線吸収の大きい部分からX線吸収の小さい部分まで適切に画像化することが可能となる。これは工業用の各種非破壊検査にも当てはまることである。
【0024】
さらに、発光量が異なる複数のカラー発光シートを有する場合には、例えば分解能を優先させる撮影(高解像度撮影)や感度を優先させる撮影(高感度撮影)などの撮影目的によって、複数のカラー発光シートの中から被検体に応じたカラー発光シートを選択して使用することができる。従って、各種の撮影目的に応じた適切な画像を得ることが可能となる。
【0025】
本発明のカラー発光シートは、請求項に記載したように、シート基材と、
前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む発光層とを具備し、
前記発光層は、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、前記蛍光体の前記シート基材に対する塗布質量が、50〜2000g/m の範囲に設定されていることを特徴としている。
また、請求項10に記載したように、シート基材と、前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む発光層とを具備し、前記発光層は、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、前記蛍光体の平均粒子径が、1〜20μmの範囲に設定されていることを特徴としている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
図2は本発明のカラーレントゲン方法を適用したカラーレントゲン装置(放射線撮影装置)の第1の実施形態の構成を模式的に示す図である。また、図3は本発明のカラーレントゲン方法を適用したカラーレントゲン装置(放射線撮影装置)の第2の実施形態の構成を模式的に示す図である。
【0027】
これらの図に示すカラーレントゲン装置おいて、1は人体、動物、各種物品などの被検体であり、この被検体1に対してX線管2などの放射線源からX線3などの放射線が照射される。撮影に使用する放射線は、X線(もしくはγ線)に限られるものではなく、β線や熱中性子線などを用いることも可能である。
【0028】
被検体1により吸収もしくは散乱されたX線3は、カラー発光シート4を有するカラー発光手段に照射される。カラー発光シート4は後述するように、X線3などの放射線に対して複数色に発光する蛍光体を有している。カラー発光シート4には、例えば青色発光、緑色発光、赤色発光のうちの少なくとも2色に発光する蛍光体、すなわち主発光成分に加えて副発光成分を有する蛍光体や2種類以上の混合蛍光体が用いられる。このようなカラー発光シート4から発光された複数色の発光(例えば赤色光と緑色光と青色光)は、被検体1で吸収もしくは散乱されたX線3の分布に応じた輝度分布を有する。
【0029】
さらに、カラー発光シート4は被検体1によるX線3の吸収状態などに応じて発光量が調整されている。例えば、図2に示す第1のカラーレントゲン装置は、複数のカラー発光シート4A、4Bを備えており、これら複数のカラー発光シート4A、4B間の発光量(同一強度のX線に対する発光量)が異なるように調整されている。これら複数のカラー発光シート4A、4Bは自動もしくは手動で交換可能とされている。一方、図3に示す第2のカラーレントゲン装置は、部分毎に発光量(同一強度のX線に対する発光量)が異なるカラー発光シート4C、すなわち発光量が異なる複数の領域を有するカラー発光シート4を備えている。カラー発光シート4の発光量の調整については後に詳述する。
【0030】
カラー発光シート4の後方には、カラー発光シート4からの複数色の発光を一括して受光する手段として、カラーCCDカメラ5が配置されている。カラーCCDカメラ5では、被検体1で吸収もしくは散乱されたX線3の分布情報に基づく発光分布を有する複数色の発光(複数色の画像情報)が一括して受光される。カラーCCDカメラ5で受光、検出された複数の色信号を含む画像情報は、演算処理装置6でRGB信号に分離され、各色の単独画像情報としてそれぞれ検出される。これら各色の画像情報はそれぞれデジタル信号として記録される。この際、白色成分を分離した後にRGB信号の割合を変化させることによって、ダイナミックレンジを調整することができる。図中7は表示装置であり、各色の画像情報を直接表示することが可能とされている。
【0031】
色別に分離した各信号は、それぞれの信号で相互に演算した結果として記録することもできる。例えば、ある物質で密度の違いが赤色成分で確認でき、別な物質で密度の違いが緑色成分で見える場合には、それぞれが分かるように擬似カラーで表示することができる。また、その部分のみを切り出して別に表示することもできる。さらに、赤色成分中のノイズを緑色成分や青色成分で補正したり、一部データが欠落して白色になっている部分を補正することができる。
【0032】
カラー発光シート4からの複数色の発光を一括して受光する手段としては、カラーCCDカメラ5に限らず、例えばカラー写真フィルムを用いることができる。カラー写真フィルムで受光した場合には、カラー写真フィルム上に被検体に基づいて形成された画像(例えば赤色と緑色と青色の混合画像)からフィルムスキャナなどを用いてRGB信号を分離して検出することによって、例えば赤色画像と緑色画像と青色画像がそれぞれ単独画像として得られる。これら各色の画像情報は例えばデジタル信号として記録される。また、光学フィルタや光学プリズムなどの光を波長毎に分離する手段(分光装置)と、分離された各光信号をそれぞれ検出する複数のモノクロCCDカメラなどとを組合せて、複数色の発光の分離検出手段を構成することもできる。なお、光信号の検出にはCCDカメラに限らず、各種の光検出素子を使用することができる。
【0033】
カラー発光シート4は、例えば図4に示すように、プラスチックフィルムや不織布などからなるシート基材8を有しており、このシート基材8上に発光層として蛍光体層9が設けられている。シート基材8には、蛍光体からの光を吸収するように、例えばカーボンブラックを練り込んだポリエチレンテレフタレートフィルムを用いたり、逆に蛍光体からの光を反射するように、白色の二酸化チタンを練り込んだポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができる。蛍光体層9の上部には、必要に応じて透明な保護膜10、例えば厚さ数μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムなどからなる保護膜10が配置される。
【0034】
上述した蛍光体層9は複数色に発光する蛍光体、すなわち複数の発光波長領域を有する蛍光体を含むものである。蛍光体層9には、カラーCCDカメラ5などの受光手段を考慮して、可視光領域(例えば波長400〜700nmの領域)内の広い波長範囲で発光する蛍光体を用いることが好ましい。具体的には、可視光領域内の少なくとも2つの発光色に対応する発光スペクトルを有する蛍光体、すなわち発光色が互いに異なる主発光成分と副発光成分を含む発光スペクトルを有する蛍光体を用いることが好ましい。蛍光体の発光色には、代表的には青色発光、緑色発光および赤色発光から選ばれる少なくとも2つの発光色が用いられる。ただし、本発明はこれらの発光色に限定されるものではなく、互いに区別できる発光色であれば種々の発光色を適用することができ、例えば紫外線に近い紫色発光や黄色発光などであってもよい。
【0035】
本発明のカラーレントゲンシステムでは、複数の発光色により複数色の画像を一括して得ると共に、同一強度の放射線に対する複数色の発光の割合を異ならせることで露光量範囲(ラティチュード)の拡大を図っている。複数色の発光割合は、例えば副発光成分の発光割合を主発光成分より小さくすることで変化させることができる。このように、本発明で用いる蛍光体は、主発光成分と、それとは異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合、すなわち輝度が主発光成分より小さい副発光成分とを含む発光スペクトルを有することが好ましい。副発光成分の具体的な輝度は、主発光成分の輝度に対して0.1〜90%の範囲であることが好ましい。
【0036】
上述したような発光スペクトルを有する蛍光体としては、例えば各発光色に対応した複数の発光波長領域にそれぞれ発光ピークを有する蛍光体や、複数の発光波長領域にまたがる幅広い発光ピークを有する蛍光体などが挙げられる。前者の蛍光体の具体例としては、ユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム(Gd22S:Eu)蛍光体、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム(Y22S:Eu)蛍光体、テルビウム付活酸硫化ガドリニウム(Gd22S:Tb)蛍光体、テルビウム付活酸硫化イットリウム(Y22S:Tb)蛍光体などの希土類蛍光体が挙げられる。また、後者の蛍光体の具体例としては、タングステン酸カルシウム(CaWO4)蛍光体などが挙げられる。
【0037】
図5はGd22S:Eu蛍光体のEuの付活量に基づく発光スペクトルの例を示しており、赤色波長領域(おおよそ波長600〜700nmの領域)に主発光成分が存在すると共に、緑色波長領域(おおよそ波長500〜600nmの領域)に副発光成分が存在している。また、図6はY22S:Eu蛍光体の発光スペクトルのEu濃度依存性を示している。Gd22S:Eu蛍光体やY22S:Eu蛍光体は、Euの付活量により各成分の発光割合を調整することができるため、本発明に好適な蛍光体ということができる。これらGd22S:Eu蛍光体やY22S:Eu蛍光体において、被検体1の画像を的確に得る上で、Eu濃度は0.1〜20mol%の範囲とすることが好ましい。
【0038】
図7はGd22S:Tb蛍光体の発光スペクトルの一例であり、緑色波長領域に主発光成分が存在すると共に、青色波長領域(おおよそ波長400〜500nmの領域)に副発光成分が存在している。Gd22S:Tb蛍光体やY22S:Tb蛍光体は、Tbの付活量により各成分の発光割合を調整することができ、本発明に好適である。これらGd22S:Tb蛍光体やY22S:Tb蛍光体においても、被検体1の画像を的確に得る上で、Tb濃度は0.01〜2mol%の範囲とすることが好ましい。
【0039】
CaWO4蛍光体は青色波長領域から緑色波長領域に至るブロードな発光スペクトルを有している。このような場合には、発光スペクトルのピークが存在している青色発光が主発光成分となり、緑色発光が副発光成分となる。本発明では発光波長範囲が広い蛍光体が適しているため、Caの一部をMgで置換した(Ca,Mg)WO4蛍光体を用いることが好ましい。MgによるCaの置換量は、感度などの点から10mol%以下とすることが好ましい。
【0040】
本発明で用いられるカラー発光シート4においては、上述したような1つの蛍光体粒子が複数色に発光する蛍光体に限らず、例えば主に青色に発光する青色発光蛍光体、主に緑色に発光する緑色発光蛍光体、および主に赤色に発光する赤色発光蛍光体から選ばれる少なくとも2種類の蛍光体を混合した混合蛍光体を用いることもできる。この場合の混合比は、主発光成分と副発光成分の発光割合が上述したような範囲となるように適宜設定することが好ましい。
【0041】
図8は赤色発光蛍光体(Gd22S:EuやY22S:Eu)と緑色発光蛍光体(Gd22S:TbやY22S:Tb)と青色発光蛍光体(CaWO4やBaFCl:Eu)を、適当な比率で混合した混合蛍光体の発光スペクトルを示している。これら2種類以上の蛍光体の混合比を適宜設定することによって、主発光成分と副発光成分の発光割合を調整することができる。
【0042】
混合蛍光体に用いる各色の蛍光体は、特に限定されるものではないが、例えば赤色発光の蛍光体としてはGdBO3:Eu、Gd23:Eu、Gd22S:Eu、Gd3Al512:Eu、Gd3Ga512:Eu、GdVO4:Eu、Gd3Ga512:Ce,Cr、Y23:Eu、La23:Eu、La22S:Eu、InBO3:Eu、(Y,In)BO3:Euなどが用いられる。
【0043】
緑色発光の蛍光体としては、Gd23:Tb、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr、Gd3Ga512:Tb、Gd3Al512:Tb、Y23:Tb、Y22S:Tb、Y22S:Tb,Dy、La22S:Tb、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Au、Zn2SiO4:Mn、InBO3:Tb、MgGa24:Mnなどが用いられる。
【0044】
青色発光の蛍光体としては、YAlO3:Ce、Y2SiO5:Ce、Gd2SiO5:Ce、YTaO4:Nb、BaFCl:Eu、ZnS:Ag、CaWO4、CdWO4、ZnWO4、MgWO4、Sr5(PO43Cl:Eu、YPO4:Clなどが用いられる。
【0045】
ただし、混合蛍光体を用いた場合、各蛍光体の混合状態や蛍光体層9の形成状態などによっては、各蛍光体の発光色に基づく複数の画像にずれが生じるおそれがある。すなわち、完全に一致した複数の画像が得られないおそれがある。さらに、得られた画像(複数色の画像の混合データ)からRGB信号を分離して検出する際に、エッジ効果により画像処理に問題が生じるおそれがある。これに対して、1つの蛍光体粒子が複数色に発光する蛍光体を用いた場合、基本的には各発光色に基づく複数の画像が完全に一致する。このため、より検査精度を高めることができる。本発明においては、例えば複数の発光波長領域にそれぞれ発光ピークを有する蛍光体や複数の発光波長領域にまたがる幅広い発光ピークを有する蛍光体などを用いることが望ましい。
【0046】
上述したような複数色に発光するカラー発光シート4を用いることによって、撮影条件(例えば照射X線量)などが適切な範囲から多少ずれていたとしても、医療診断や工業用途の非破壊検査などに使用し得る濃度の画像を得ることができる。例えば、図1に示した写真濃度と露光量の特性曲線において、X線撮影時の露光量が赤色発光に基づく第1の特性曲線Rのダイナミックレンジから外れ、赤色画像は露光過多になったとしても、緑色発光や青色発光に基づく第2、第3の特性曲線G、Bのダイナミックレンジに基づいて、適切な濃度の緑色画像や青色画像が得られる。これによって、露光不足や露光過多などによる撮影ミスの発生を抑制することが可能となる。
【0047】
すなわち、蛍光体層9を構成する蛍光体が主発光成分と副発光成分とを含む発光スペクトルを有し、さらに副発光成分が主発光成分より輝度が小さい場合、主発光成分に基づく画像は、相対的に小さい露光量の段階から適切な写真濃度となる。一方、副発光成分は主発光成分と比べて輝度(明るさ)が小さいため、副発光成分に基づく画像は主発光成分に対して相対的に大きい露光量範囲で適切な写真濃度となる。このように、露光量範囲が異なる複数の特性曲線を使用することによって、X線撮影などで求められる適切な写真濃度範囲に対する露光量範囲は従来の1つの特性曲線に比べて広がり、放射線撮影の撮影系のダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
【0048】
具体的には、従来のX線用白黒フィルムを用いた場合には、フィルムの種類により多少異なるが、フィルム濃度が飽和する領域は約1〜2桁である。これに対して、赤色、緑色、青色の3色の感度特性を使用することによって、従来のX線フィルムに比べてダイナミックレンジを約2桁広げることができる。このことは、例えば赤色画像の写真濃度が飽和して検査できなかったとしても、緑色画像や青色画像で適切な検査が行えることを意味する。また、原子番号の大きい物質や密度が高い物質は、赤色画像で観察することができ、原子番号の小さい物質や密度が小さい物質は、緑色画像や青色画像で観察することができる。
【0049】
本発明のカラーレントゲンシステムは、上述した複数色の発光に基づく特性曲線や複数色の画像情報(色信号)などに基づいて撮影系のダイナミックレンジ(露光量範囲)の拡大を図った上で、さらに被検体1によるX線3の吸収状態などに応じて発光量を調整したカラー発光シート4を用いており、これによってシステムとしてのダイナミックレンジを広げたことを特徴としている。すなわち、例えばX線吸収の小さい乳房撮影とX線吸収の大きい体幹骨撮影とでは適切な撮影条件が大幅に異なるため、撮影系のダイナミックレンジの拡大だけでは対応できない場合がある。また、骨から血管まで診断するようなX線吸収差が大きい対象部位の撮影においても、全ての対象物を適切な濃度で的確に画像化できない場合がある。これは工業用の非破壊検査においても同様である。
【0050】
このような点に対して、本発明では発光量を被検体1の種類や状態、被検体1の撮影部位や形状などに応じて調整したカラー発光シート4を用いている。具体的には、図2に示したシート間の発光量(同一強度のX線に対する発光量)が異なる複数のカラー発光シート4A、4Bや、図3に示した部分毎に発光量(同一強度のX線に対する発光量)が異なるカラー発光シート4Cが用いられる。なお、部分毎に発光量が異なるカラー発光シート4Cを複数用いたり、また部分毎の発光量に加えて相対的な発光量が異なる複数のカラー発光シートを用いたり、さらには発光量に加えて大きさが異なる複数のカラー発光シートを用いるなど、種々の組合せを適用することができる。これらによって、各種の被検体1のX線吸収量やX線吸収差などに応じて適切な撮影条件を設定することが可能となる。
【0051】
カラー発光シート4の発光量は、(1)被検体1毎の質量エネルギー吸収係数、(2)被検体1の部分毎の質量エネルギー吸収係数などに応じて調整される。例えば、X線吸収の小さい乳房撮影とX線吸収の大きい体幹骨撮影とでは、これら各撮影対象部位の質量エネルギー吸収係数(1)に基づいて、被検体1を透過するX線量が異なるため、この透過X線量に対応させてカラー発光シート4の発光量が調整される。ここで、質量エネルギー吸収係数とは物質を構成する元素と質量(密度)により定義される値であり、物質によるX線(放射線)の吸収程度を示すものである。
【0052】
例えば、体幹骨のように質量エネルギー吸収係数が大きい物質では、それを透過するX線量が相対的に少ないため、所定の照射条件(照射エネルギーと照射時間)を有するX線3に対して、より多くの発光量が得られるように調整したカラー発光シート(高発光シート)4Aを用いる。これによって、X線吸収が大きい物質の画像を適切な濃度で得ることが可能となる。一方、乳房のように質量エネルギー吸収係数が小さい物質では、それを透過するX線量が相対的に多いため、所定の照射条件を有するX線3に対して、発光量が少なくなるように調整したカラー発光シート(低発光シート)4Bを用いることによって、X線吸収が小さい物質の画像を適切な濃度で得ることが可能となる。
【0053】
このように、発光量を調整した複数のカラー発光シート4A、4Bの中から被検体1に応じたカラー発光シート4を選択して使用することによって、X線吸収の小さい物質からX線吸収の大きい物質まで、それぞれの物質条件に応じて適切な撮影条件を設定することができる。従って、各種の被検体1に応じて適切な濃度の画像や的確な画像を得ることが可能となる。これは工業用の非破壊検査についても同様であり、例えば質量エネルギー吸収係数が小さい電子部品から質量エネルギー吸収係数が大きい金属配管や鋼板まで、適切な濃度の画像を的確に得ることが可能となる。
【0054】
発光量が異なる複数のカラー発光シート4A、4Bは、撮影目的に応じて使い分けることもできる。すなわち、被検体1によっては分解能を優先したり、あるいは感度を優先することが求められるため、これらの撮影目的に応じた発光量を有するカラー発光シート4を用いる。例えば、乳房撮影や電子部品の撮影のように、分解能を優先させる撮影(高解像度撮影)においては、発光量を抑えて鮮鋭度を向上させたカラー発光シート4が用いられる。一方、小児などの被爆線量を極力抑えたい場合や重金属の撮影のように、感度を優先させる撮影(高感度撮影)においては、発光量を増大させたカラー発光シート4が用いられる。このように、発光量が異なる複数のカラー発光シート4A、4Bを使用することによって、撮影目的に応じた適切な画像を確実に得ることが可能となる。
【0055】
また、骨と血管というようにX線吸収差が大きい撮影対象物を一度に撮影する場合には、カラー発光シート4の発光量は被検体1の部分毎の質量エネルギー吸収係数(2)に応じて調整される。すなわち、単一のカラー発光シート4の面内において、質量エネルギー吸収係数が大きい物質を撮影する領域はより多くの発光量が得られるように調整し、質量エネルギー吸収係数が小さい物質を撮影する領域は発光量が少なくなるように調整する。このように、単一のカラー発光シート4内に被検体1の撮影部位などに応じて発光量が調整された領域、すなわち感度補償領域を設けることによって、X線吸収差が大きい被検体1全体の画像を良好に得ることが可能となる。言い換えると、各撮影対象部分の濃度をそれぞれ適切化した画像を一度の撮影で的確に得ることができる。
【0056】
上述した複数のカラー発光シート4A、4Bや感度補償タイプのカラー発光シート4Cを医療診断に適用する場合には、例えば人体や動物の頭部用、胸部用、四肢用、腰椎用、消化器系統用、循環器系統用というように、それぞれの撮影対象部位に応じて発光量を調整したカラー発光シート4を用いることが好ましい。特に、感度補償タイプのカラー発光シート4Cにおいては、感度補償領域の大きさと発光量を調整(最適化)することが好ましい。
【0057】
また、工業用の非破壊検査についても同様であり、電子部品用、配管用、溶接部位用、鋼板の厚さや傷の検査用、コンクリート構造物用、食品用というように、検査対象物の構成元素と密度、形状、大きさなどに基づいて、発光量や感度補償領域を調整(最適化)したカラー発光シート4を用いることが好ましい。さらに、胸部レントゲンと歯のレントゲン、あるいは電子部品のレントゲンと鋼板や構造物のレントゲンというように、撮影対象物の大きさが異なる場合には、それぞれに応じた大きさ並びに形状を有するカラー発光シート4を用いることが好ましい。この際の感度補償領域についても同様である。
【0058】
カラー発光シート4の発光量の調整、すなわち複数のカラー発光シート4A、4B間の発光量調整、あるいはカラー発光シート4Cの部分毎の発光量調整は、具体的には(a)シート基材8に対する蛍光体の塗布質量の制御、(b)蛍光体層9を構成する蛍光体の粒子径の制御、(c)蛍光体層9を構成する蛍光体の材質(特に蛍光体材質に基づく主発光成分と副発光成分の発光割合)の制御、(d)シート基材8の材質(特に光吸収率や光反射率)の制御、などにより実施される。これらは2つ以上の条件を組合せて、カラー発光シート4の発光量を調整するようにしてもよい。
【0059】
シート基材8に対する蛍光体の塗布質量(a)は、基本的には50〜2000g/m2(5〜200mg/cm2)の範囲内で調整することが好ましい。蛍光体の塗布質量が50g/m2未満であると、撮影系にとって発光量が不十分となり、各種の条件下で適切な濃度の画像が得られなくなるおそれが大きい。一方、2000g/m2を超えて蛍光体の塗布質量を設定しても、蛍光体層9の光透過率とX線3の透過率との関係から、X線3によるカラー発光シート4の発光量がほぼ一定ないしは減少してしまう。すなわち、蛍光体層9における蛍光体の塗布質量を2000g/m2を超えて設定しても、それ以上の効果が得られないと共に、製造コストの上昇を招くことになる。
【0060】
上記した蛍光体の塗布質量(a)は、例えば分解能や感度特性に大きく影響する。すなわち、蛍光体の塗布質量を多くすると発光量が増して感度が向上する。一方、蛍光体の塗布質量を多くすると幾何学的なぼけが多くなって、分解能(鮮鋭度)が低下する。従って、分解能を優先させる撮影(高解像度撮影)やX線吸収が小さい被検体1の撮影などにおいては、蛍光体の塗布質量は50〜700g/m2の範囲とすることが好ましい。一方、感度を優先させる撮影(高感度撮影)やX線吸収が大きい被検体1、さらにX線被爆量を極力抑えたい被検体1の撮影などにおいては、蛍光体の塗布質量は700〜2000g/m2の範囲とすることが好ましい。感度補償タイプのカラー発光シート4Cにおいても同様であり、例えば感度補償領域に応じて蛍光体の塗布質量を制御する。
【0061】
蛍光体層9を構成する蛍光体の平均粒子径(b)は、基本的には1〜20μmの範囲内で調整することが好ましい。平均粒子径が1μm未満の蛍光体は発光輝度の低下を招くことになる。一方、蛍光体の平均粒子径が20μmを超えると、得られる画像の粒状性が低下する。このような平均粒子径の範囲内で、分解能優先の撮影や低吸収の被検体撮影などにおいては、蛍光体の平均粒子径は1〜4μmの範囲とすることが好ましい。一方、感度優先の撮影や高吸収の被検体撮影などにおいては、蛍光体の平均粒子径は5〜20μmの範囲とすることが好ましい。
【0062】
また、蛍光体の塗布質量(a)と平均粒子径(b)を組合せて利用することによって、より効果的に発光量の調整や撮影目的への対応を図ることができる。すなわち、分解能優先の撮影や低吸収の被検体撮影などにおいては、蛍光体の平均粒子径を1〜4μmの範囲とし、かつ蛍光体の塗布質量を50〜700g/m2の範囲とすることが好ましい。一方、感度優先の撮影や高吸収の被検体撮影などにおいては、蛍光体の平均粒子径を5〜20μmの範囲とし、かつ蛍光体の塗布質量を700〜2000g/m2の範囲とすることが好ましい。
【0063】
さらに、感度の低下を抑えながら分解能を向上させるためには、蛍光体層9に蛍光体の粒子径を傾斜させた構造や平均粒子径が異なる複数の蛍光体により構成された多層構造を適用することが好ましい。具体的には、X線管2などの放射線源側に平均粒子径が1〜4μmの範囲の小粒子蛍光体を配置し、カラーCCDカメラ5などの光検出手段側に平均粒子径が5〜20μmの大粒子蛍光体を配置することが好ましい。これら小粒子蛍光体と大粒子蛍光体は、層状に分離して配置(多層構造)してもよいし、これらの間の粒子径を傾斜させた傾斜粒子径構造としてもよい。
【0064】
光検出手段側に配置する大粒子蛍光体の平均粒子径が20μmを超えると粒状性の低下を招き、一方5μm未満であると傾斜粒子径構造や多層構造としたことによる効果、すなわち分解能並びに感度の向上効果を十分に得ることができないおそれがある。また、放射線源側に配置する小粒子蛍光体の平均粒子径が4μmを超えると分解能特性の低下を招くおそれがあり、一方1μm未満であると発光輝度の低下を招く。このような構造によれば、分解能(鮮鋭度)の低下を抑制した上で、蛍光体層9内で発光した光を効率よく取り出すことができる。
【0065】
さらに、カラー発光シート4の分解能を向上させる上で、蛍光体層9内の光散乱を少なくすること、すなわち蛍光体層9内の蛍光体粒子の充填率を高めることが好ましい。具体的には、蛍光体粒子の充填率は60〜80%の範囲に設定することが好ましい。蛍光体粒子の充填率が60%未満であると、蛍光体層9の厚さが過剰に厚くなり、分解能を十分に高めることができない。一方、蛍光体粒子の充填率が80%を超え蛍光体層9はその作製自体が困難となる。
【0066】
カラー発光シート4の光散乱を抑えて分解能の向上を図る上で、例えば保護膜10の厚さを薄くしたり、また保護膜10の屈折率を適度な範囲に制御することも有効である。すなわち、保護膜10の厚さがあまり厚いと光散乱が増大して、分解能の低下を招くおそれがある。従って、保護膜10の厚さは6μm以下とすることが好ましい。また、保護膜10の屈折率は1.3〜1.5の範囲とすることが好ましい。保護膜10の屈折率が1.5を超えると、蛍光体から発光された光が保護膜10を通過する際のロスが大きくなり、鮮鋭度の向上効果が低減すると共に、感度の低下も大きくなるおそれがある。一方、屈折率が1.3未満の材料では本来の保護膜10の機能を満足する材料が存在せず、カラー発光シート4の製造が困難となる。
【0067】
蛍光体層9を構成する蛍光体の材質(c)に関しては、例えば前述したGd22S:Eu蛍光体やY22S:Eu蛍光体などのように、材質や組成に基づいて主発光成分と副発光成分の発光割合が調整可能な蛍光体を適宜使用することによって、カラー発光シート4の発光量や各発光成分の発光割合に基づく露光量範囲などを制御することができる。このような構成によれば、特に被検体1のX線吸収差に対応させたカラー発光シート4を得ることができる。また、感度補償タイプのカラー発光シート4においては、蛍光体の塗布質量を一定とした上で感度補償領域を形成することができる。
【0068】
さらに、蛍光体の塗布質量(a)と平均粒子径(b)などを変化させたカラー発光シート4において、被検体1のX線吸収差に応じて蛍光体の各発光成分の発光割合を調整することによって、撮影目的や被検体1のX線吸収量(被検体1毎のX線吸収量、もしくは被検体1の部分毎のX線吸収量)などの条件に対応させた上で、被検体1のX線吸収差への対応を図ることができる。従って、より多くの被検体1に適合した撮影が可能となる。
【0069】
蛍光体の各発光成分の発光割合は、前述したように副発光成分の主発光成分に対する輝度、言い換えると同一強度の放射線に対する副発光成分の発光割合により調整される。このような副発光成分の発光割合は、各種の被検体1のX線吸収差に対応させる上で、主発光成分に対して0.1〜90%の範囲内で調整することが好ましい。具体的には、被検体1のX線吸収差が大きい場合には副発光成分の発光割合を小さく設定し、X線吸収差が小さい場合には副発光成分の発光割合を大きく設定する。
【0070】
副発光成分の発光割合が主発光成分の90%を超えると、X線吸収差の小さい被検体1の撮影性は良好であっても、本来のダイナミックレンジの拡大効果を十分に得ることができなくなる。すなわち、主発光成分による特性曲線と副発光成分による特性曲線が相対露光量のスケール上で近づきすぎて、ダイナミックレンジの拡大効果が低下する。一方、副発光成分の発光割合が主発光成分の0.1%未満であると、主発光成分による特性曲線と副発光成分による特性曲線が相対露光量のスケール上で離れすぎて実用性が低下する。
【0071】
シート基材8の材質(d)に関しては、例えば蛍光体からの光を吸収するシート基材8や蛍光体からの光を反射するシート基材8などを適宜選択して用いることによって、カラー発光シート4の発光量などを制御することができる。すなわち、分解能優先の撮影においては、例えばカーボンブラックを練り込んで黒くした(光反射率を抑えた)シート基材8を用いることが好ましく、これによって反射を防いで画像のぼけを少なくすることができる。これは低吸収の被検体撮影などに対しても有効である。
【0072】
一方、感度優先の撮影においては、例えば二酸化チタンを練り込んで白くした(光反射率を高めた)シート基材8を用いることが好ましく、これによって蛍光体の後方発光や散乱を反射させ、蛍光体からの光をより有効に利用することが可能となる。すなわち、感度特性を高めることができる。これは高吸収の被検体撮影などに対しても有効である。なお、これら以外にもシート基材8の光吸収率や光反射率の各種調整手段を利用して、被検体1のX線吸収状態や撮影目的に対応させることができる。
【0073】
本発明のカラー発光シート4では、発光効率などを高めるために、例えば図9や図10に示す構成を採用することができる。すなわち、図9に示すカラー発光シート4は、X線3を吸収して主として赤色に発光する主発光層11と、X線3を吸収して紫外線から緑色までの短波長光を発光する副蛍光体層12とを積層した多層構造を有している。また、図10に示すカラー発光シート4は、主発光層11を2層の副蛍光体層12a、12bで挟み込むように積層した多層構造を有している。主発光層11は赤色に発光する以外に、副蛍光体層12からの短波長光を赤色光に変換して発光する機能を有している。
【0074】
すなわち、カラー発光シート4の発光量は、前述したように蛍光体の塗布質量を増加させることなどで多くすることができる。しかし、蛍光体層をあまり厚くしすぎても、X線の入射側で発光した光は蛍光体自らの吸収と散乱で出射側まで届かなくなり、蛍光体層の厚さが200μmを超えるあたりから発光量が蛍光体の塗布厚さに関係なく一定になってしまう傾向がある。そこで、例えば図11に示す赤色を主発光とする蛍光体の吸収特性に基づいて、紫外線領域から緑色までの短波長光をX線に対して効率よく発光する副蛍光体層12を設け、主発光層11がX線3で直接赤色に発光していた状況に加えて、紫外線から緑色までの発光で赤色蛍光体をさらに発光させることによって、副蛍光体層12の塗布厚さ分だけX線3の変換効率を高めることが可能となる。図10は赤色発光体を両側から励起できるように工夫している。
【0075】
上述した主発光層11には前述した赤色発光の蛍光体を用いることができる。また副蛍光体層12には、例えばCaWO4、MgWO4、(Ca,Zn)3(PO42:Tl、BaSi25:Pb、Ca5(PO43(F,Cl):Sb、Zn2SiO4:Mn、Ca5(PO43(F,Cl):Sb,Mn、SrO・SrF2・2B23:Eu、Sr227:Eu、(Sr,Ca)5(PO43Cl:Eu、BaMg2Al1627:Eu、(Ba,Ca,Mg)5(PO43Cl:Eu、ZnS:Ag,Cl、Ca2MgSi27:Ce、Y2SiO5:Ce、YalO3:Ce、Y22S:Tb、Gd22S:Tb、LaOBr:Tb、LaOBr:Tm、BaFCl:Eu、BaFBr:Eu、HfP27、NaI:Tl、CsI:Na、BaSO4:Eu、CaF2:Eu、TlCl:Be,I、CsF、BaF2、Bi4Ge312、KI:Tl、(Y,Sr)TaO4、(Y,Sr)TaO4:Nb、および(Y,Sr)TaO4:Gdから選ばれる1種もくしは2種以上の蛍光体を用いることができる。
【0076】
上述したような本発明で用いられるカラー発光シート4は、例えば以下のようにして作製することができる。
すなわち、まず蛍光体粒子(混合蛍光体を含む)を結合剤と共に適当量混合し、これに有機溶剤を加えて適当な粘度の蛍光体塗布液を調製する。この蛍光体塗布液をナイフコータやロールコータなどによりシート基材8上に塗布、乾燥して、蛍光体層9を形成する。また、蛍光体塗布質量を変化させた蛍光体層9は、例えば蛍光体を塗布する間隙を変化させることで得ることができる。また、シート基材8に代えて、ポリエステルフィルムにラミネートされた保護膜上に蛍光体塗布液を塗布、乾燥して蛍光体層を形成してもよい。
【0077】
蛍光体塗布液の調製に使用する結合剤としては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。有機溶剤としては、例えばエタノール、メチルエチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシレンなどが用いられる。なお、蛍光体塗布液には必要に応じて、フタル酸、ステアリン酸などの分散剤や燐酸トリフェニル、フタル酸ジエチルなどの可塑剤を添加してもよい。
【0078】
シート基材8としては、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネートなどの樹脂をフィルム状に成形したものや、紙やアルミニウム板などが用いられる。本発明においては、これらに二酸化チタンや炭酸カルシウムなどの光反射性物質、あるいはカーボンブラックのような光吸収性物質を練り込んだシート基材8、また気泡を形成したシート基材8などを用いることができる。
【0079】
さらに、保護膜10には各種の透明樹脂が用いられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなる透明樹脂フィルムを蛍光体層9上にラミネートして保護膜10を形成する。あるいは、酢酸セルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリウレタンなどの透明樹脂を溶剤に溶解させて適当な粘度の保護膜塗布液を調製し、これを蛍光体層9上に塗布、乾燥させることで保護膜10を形成する。
【0080】
次に、本発明のカラーレントゲン装置(放射線撮影装置)の具体的な構成について、図12を参照して説明する。図12は本発明のカラーレントゲン装置21の一構成例を示している。
【0081】
図12において、22はX線発生装置、23はコリメータ、24はX線、25は被検体、26はステージ、27はカラー発光シート、28はシート交換手段としてのシートチェンジャ、29はミラー、30はカラーCCDカメラである。被検体25はステージ26上に配置され、またその下方にはカラー発光シート27が設置される。このカラー発光シート27はシートチェンジャ28により交換可能とされている。すなわち、シートチェンジャ28内には複数のカラー発光シート27が収容されており、これらから被検体25に対応したカラー発光シート27が選択され、所定の位置(X線3の照射位置)に移動される。
【0082】
例えば、被検体25の胸部を撮影する際には、操作盤上で対象とする撮影を選択して操作することによって、シートチェンジャ28内に収容されている複数のカラー発光シート27の中から自動的に胸部用あるいは胸部用に相当するカラー発光シート27がセットされる。また仮に、1回目の撮影が不適切な濃度の写真像であった場合には、自動的に画像像の濃度を検出してメッセージを表示したり、あるいは適切なカラー発光シート27を選択して再撮影が実施される。
【0083】
このように、シートチェンジャ28は被検体25の種類、被検体25の材質、被検体25の撮影部位、被検体25の形状などの情報(少なくとも1つの情報)に基づいて、複数のカラー発光シート27から被検体25に応じたカラー発光シート27を選択したり、さらに撮影結果に応じてカラー発光シート27を再選択するように構成されている。また、カラー発光シート27の選択にあたっては、例えば図13に示すように、カラー発光シート27の裏面27aにバーコード31などのシート情報を示す標識を予め設けておき、このバーコード31を識別すると共に、この識別結果に基づいて撮影に応じたカラー発光シート27をセットするように構成することも可能である。
【0084】
なお、カラー発光シート27はキズや薬品などに侵されないように、カバーなどで保護しておくことが好ましい。また、カラー発光シート27の選択並びに交換は、撮影者が被検体に応じて一連のカラー発光シートの中から撮影に適合したカラー発光シートを選び、これをカラーレントゲン装置21にセットするようにしてもよい。
【0085】
上述した本発明のカラーレントゲン装置においては、種々の撮影条件に応じた複数のカラー発光シート、さらには撮影対象部位などに応じて感度補償したカラー発光シートを有しているため、被検体や撮影目的などに応じた撮影条件を的確に設定することができる。言い換えると、X線の照射条件などを大幅に変化させることなく、1回の撮影で適切な濃度の画像や的確な画像をより確実に得ることが可能となる。さらに、得られる画像(複数色の混合画像)は多くの情報を含んでいるため、例えば医療診断精度や医療診断能自体の向上を図ることができ、また非破壊検査においては検査精度の向上、検査ミスの防止、検査情報の拡大などを図ることが可能となる。
【0086】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0087】
実施例1
平均粒子径が10μmのGd22S:Eu蛍光体(Eu濃度=2.5mol%)を用意した。このGd22S:Eu蛍光体は赤色発光成分を主発光成分とし、副発光成分として緑色発光成分を有するものである。ここで、副発光成分としての緑色発光の輝度は、主発光成分(赤色発光)の約20%である。
【0088】
上述したようなGd22S:Eu蛍光体粉末10重量部に、結合剤としてポリビニルブチラール樹脂1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルム(二酸化チタンを配合)からなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布質量が800g/m2(80mg/cm2)となるようにナイフコータで均一に塗布、乾燥させて蛍光体層を形成した。この蛍光体層上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜をラミネートしてカラー発光シート(試料1)を作製した。
【0089】
次に、平均粒子径が2μmのGd22S:Eu蛍光体(試料1と同組成)を用いて調製した蛍光体塗布液を、上記した白色ポリエチレンテレフタレートフィルムシート上に蛍光体塗布質量が300g/m2(30mg/cm2)となるように塗布する以外は、上記した試料1と同様にしてカラー発光シート(試料2)を作製した。
【0090】
これら各カラー発光シート(試料1、2)を用いて、図2に示したカラーレントゲン装置を構成した。このカラーレントゲン装置に試料1のカラー発光シートをセットし、被検体として用いた腹部のファントムのX線撮影を行った。X線撮影にはカラーCCDカメラIK-641SG(商品名、東芝社製)を使用し、このカラーCCDカメラで受光した信号を表示装置に映し出した。同様に、試料2のカラー発光シートを用いてX線撮影を行った。これらのX線撮影によって、背骨と胃袋のX線吸収量とX線吸収差について考察した。
【0091】
試料1のカラー発光シートを用いたX線撮影では、背骨と胃袋の画像をそれぞれ赤色画像と緑色画像で得ることができた。背骨の赤色画像と胃袋の緑色画像は、それぞれ適切な濃度の画像として得ることができた。一方、試料2のカラー発光シートを用いたX線撮影では、胃袋を適切な濃度の赤色画像として得ることができた。
【0092】
比較例1
実施例1の蛍光体に代えて、Eu濃度を0.05mol%としたGd22S:Eu蛍光体を使用する以外は、上記した実施例1と同様にしてカラー発光シートを作製した。なお、このGd22S:Eu蛍光体は赤色発光成分を主発光成分とし、副発光成分として緑色発光成分を有するものである。副発光成分としての緑色発光の輝度は、主発光成分(赤色発光)の約100%である。
【0093】
上述したカラー発光シートを用いてカラーレントゲン装置を構成し、実施例1と同様にしてX線撮影を行った。その結果、背骨と胃袋は赤色画像と緑色画像として得られた。背骨は適切な濃度の赤色画像として得ることができたが、胃袋は赤色画像および緑色画像共に露光過剰であった。分解能の試験結果は8LP/mmを見ることができた。
【0094】
実施例2
実施例1における蛍光体塗布質量を300g/m2から1500g/m2まで連続的に変化させる以外は、上記した実施例1と同様にしてカラー発光シートを作製した。このカラー発光シートを用いてカラーレントゲン装置を構成し、実施例1と同様にしてX線撮影を行った。なお、蛍光体塗布質量を連続的に変化させたカラー発光シートにおいて、蛍光体塗布質量が多い部分を背骨の撮影領域とし、蛍光体塗布質量が少ない部分を胃袋の撮影領域とした。その結果、背骨と胃袋を同時に適切な濃度の赤色画像として得ることができた。
【0095】
実施例3
実施例2で用いた蛍光体に代えて、平均粒子径が10μmのGd22S:Eu蛍光体(Eu濃度=1.0mol%)を使用して蛍光体塗布液を調整した。この蛍光体塗布液を、厚さ250μmのポリエステルフィルムにラミネートされた保護膜上に、実施例2と同様に塗布質量を連続的に変化させて塗布した。この保護膜付き蛍光体層と実施例2で作製した支持体付き蛍光体層とを、それぞれの蛍光体層の薄い部分と厚い部分とが重なるように貼り合せ、蛍光体塗布質量を均一にしたカラー発光シートを作製した。
【0096】
このようにして得たカラー発光シートを用いてカラーレントゲン装置を構成し、実施例1と同様にしてX線撮影を行った。なお、上記したカラー発光シートにおいて、Eu濃度が高い蛍光体の量が多い部分を背骨の撮影領域とし、Eu濃度が低い蛍光体の量が多い部分を胃袋の撮影領域とした。その結果、背骨と胃袋をそれぞれ赤色画像と緑色画像として得ることができた。背骨の赤色画像と胃袋の緑色画像は適切な濃度を有していた。さらに、軟部組織は青色画像で適切な濃度の画像として得ることができた。
【0097】
実施例4
平均粒子径が2μmのGd22S:Eu蛍光体(Eu濃度=2.5mol%)と、平均粒子径が10μmのGd22S:Eu蛍光体(Eu濃度=2.5mol%)をそれぞれ用意した。これらのGd22S:Eu蛍光体は赤色発光成分を主発光成分とし、副発光成分として緑色発光成分を有するものである。ここで、副発光成分としての緑色発光の輝度は、主発光成分(赤色発光)の約20%である。
【0098】
上述した平均粒子径が2μmのGd22S:Eu蛍光体粉末10重量部に、結合剤としてポリビニルブチラール樹脂1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布質量が200g/m2となるようにナイフコータで均一に塗布、乾燥させて蛍光体層を形成した。
【0099】
次に、平均粒子径が10μmのGd22S:Eu蛍光体を用いて調整した蛍光体塗布液を、上記した蛍光体層上に乾燥後の蛍光体塗布質量が400g/m2となるようにナイフコータで均一に塗布、乾燥させて、2層構造の蛍光体層を形成した。この蛍光体層上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜をラミネートしてカラー発光シートを作製した。このカラー発光シートの発光量は、実施例1に比べて約2倍であった。
【0100】
上述したカラー発光シートを用いてカラーレントゲン装置を構成し、X線撮影試験を行った。分解能試験の結果は空間周波数10LP/mmを見ることができた。分解能の測定には化成オプトニクス製のType9のMTF測定用短形チャート(0〜10本)を使用した。
【0101】
実施例5
平均粒子径が4μmのBaFCl:Eu蛍光体を用意した。このBaFCl:Eu蛍光体は紫外線領域から青色領域を主発光成分とするものである。このBaFCl:Eu蛍光体粉末10重量部に、結合剤としてポリビニルブチラール樹脂1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を厚さ250μmの白色ポリエチレンテレフタレートフィルムからなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布質量が600g/m2となるようにナイフコータで均一に塗布、乾燥させて蛍光体層(副蛍光体層)を形成した。
【0102】
次に、上記した蛍光体層上に実施例1と同様にして、Gd22S:Eu蛍光体を含む蛍光体塗布液を同一条件で塗布、乾燥させて蛍光体層(主蛍光体層)を形成した。この蛍光体層上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜をラミネートして、高効率のカラー発光シートを作製した。このカラー発光シートの発光量は、実施例1に比べて約2倍であった。
【0103】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置によれば、各種の被検体や撮影目的などに応じて、適切な濃度の画像や的確な画像を得ることができ、かつこれらの画像情報から多くの情報を確実にかつ有効に得ることができる。従って、医療診断用放射線撮影をはじめとする各種の放射線撮影において、各種撮影への適合性を高めると共に、撮影ミスの発生抑制、検査情報の増大、検査精度の向上などを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した際に得られる写真濃度と露光量の特性曲線の一例を示す図である。
【図2】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した第1の実施形態による放射線撮影装置の構成を模式的に示す図である。
【図3】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した第2の実施形態による放射線撮影装置の構成を模式的に示す図である。
【図4】 図2および図3の放射線撮影装置で使用したカラー発光シートの構成の一例を示す断面図である。
【図5】 本発明のカラー発光シートに使用するGd22S:Eu蛍光体のEu濃度による発光スペクトルの例を示す図である。
【図6】 本発明のカラー発光シートに使用するY22S:Eu蛍光体の発光スペクトルのEu濃度依存性を示す図である。
【図7】 本発明のカラー発光シートに使用するGd22S:Tb蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図8】 本発明のカラー発光シートに使用する混合蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図9】 本発明による高発光効率のカラー発光シートの構成の一例を示す断面図である。
【図10】 本発明による高発光効率のカラー発光シートの構成の他の例を示す断面図である。
【図11】 本発明のカラー発光シートに使用するGd22S:Eu蛍光体の吸収スペクトルの一例を示す図である。
【図12】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した放射線撮影装置の一構成例を示す図である。
【図13】 図11の放射線撮影装置で使用したカラー発光シートの裏面構成例を示す図である。
【符号の説明】
1……被検体,2……X線管,3……X線,4……カラー発光シート,5……カラーCCDカメラ,6……演算処理装置,7……表示装置

Claims (13)

  1. 被検体に放射線を照射する工程と、
    可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有し、シート基材に対する塗布質量が50〜2000g/m の範囲であって、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、発光量が調整されてなる蛍光体を有するカラー発光シートに対して、前記被検体を透過した放射線を照射する工程と、
    前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する工程とを具備することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  2. 被検体に放射線を照射する工程と、
    可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有し、平均粒子径が1〜20μmの範囲であって、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、発光量が調整されてなる蛍光体を有するカラー発光シートに対して、前記被検体を透過した放射線を照射する工程と、
    前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する工程とを具備することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  3. 請求項1または請求項2記載のカラーレントゲン方法において、
    前記カラー発光シートは、前記質量エネルギー吸収係数に応じて、前記蛍光体を塗布するシート基材にカーボンブラックまたは二酸化チタンを添加して、その光吸収率または光反射率を調整することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載のカラーレントゲン方法において、
    医療診断用放射線撮影または非破壊検査用放射線撮影に使用することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  5. 被検体に放射線を照射する放射線源と、
    前記被検体を透過した放射線が照射され、前記放射線により複数色に発光する蛍光体を有する単一または複数のカラー発光シートを有し、前記カラー発光シート内の部分毎の発光量、および前記複数のカラー発光シート間の発光量の差異の少なくとも一方が前記被検体に応じて調整されたカラー発光手段と、
    前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する手段とを具備し、
    前記カラー発光シート内の部分毎の前記発光量および前記カラー発光シート間の発光量の前記差異は、前記発光シートの発光層において、前記カラー発光シートの基材に対して塗布される前記蛍光体の塗布質量を、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、50〜2000g/m の範囲に設定されることによって調整されていることを特徴とするカラーレントゲン装置
  6. 被検体に放射線を照射する放射線源と、
    前記被検体を透過した放射線が照射され、前記放射線により複数色に発光する蛍光体を有する単一または複数のカラー発光シートを有し、前記カラー発光シート内の部分毎の発光量、および前記複数のカラー発光シート間の発光量の差異の少なくとも一方が前記被検体に応じて調整されたカラー発光手段と、
    前記放射線の照射に基づいて前記カラー発光シートから放射された複数色の発光を色別に分離して検出する手段とを具備し、
    前記カラー発光シート内の部分毎の前記発光量および前記発光シート間の発光量の前記差異は、前記発光シートの発光層において、前記カラー発光シートの基材に対して塗布される前記蛍光体の平均粒子径を、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、1〜20μmの範囲に設定することによって調整されていることを特徴とするカラーレントゲン装置
  7. 請求項5または請求項6記載のカラーレントゲン装置において、
    前記カラー発光シートはその種類を表示する標識を有し、
    前記カラーレントゲン装置は、前記複数のカラー発光シートから前記被検体の種類、材質、撮影部位および形状から選ばれる少なくとも1つの情報に基づいてカラー発光シートを選択し、選択した前記カラー発光シートを前記放射線の照射位置に移動させるシート交換手段を具備し、
    前記カラー発光シートの前記標識は、前記シート交換手段によって識別されるとともに、この識別結果に基づいて前記シートの交換動作を行うように構成されていることを特徴とするカラーレントゲン装置
  8. 請求項5ないし請求項7のいずれか1項記載のカラーレントゲン装置において、
    前記光検出手段は、前記蛍光体から放射された複数色の発光を一括して受光するカラーカメラと、前記カラーカメラからの出力信号をRGB信号に分離して個別に検出する手段とを有することを特徴とするカラーレントゲン装置
  9. シート基材と、
    前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む発光層とを具備し、
    前記発光層は、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、前記蛍光体の前記シート基材に対する塗布質量が、50〜2000g/m の範囲に設定されていることを特徴とするカラー発光シート。
  10. シート基材と、
    前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む発光層とを具備し、
    前記発光層は、前記被検体毎の質量エネルギー吸収係数、または前記被検体の部分毎の質量エネルギー吸収係数に応じて、前記蛍光体の平均粒子径が、1〜20μmの範囲に設定されていることを特徴とするカラー発光シート。
  11. 請求項9または請求項10項記載のカラー発光シートにおいて、
    前記発光層は、前記被検体の撮影部位または前記被検体の形状に応じて発光量が調整された感度補償領域を有することを特徴とするカラー発光シート
  12. 請求項9ないし請求項11のいずれか1項記載のカラー発光シートにおいて、
    前記発光層は、前記蛍光体の粒子径を傾斜させた構造、または平均粒子径が異なる複数の蛍光体により構成された多層構造を有することを特徴とするカラー発光シート
  13. 請求項9ないし請求項11のいずれか1項記載のカラー発光シートにおいて、
    前記発光層は、前記放射線を吸収して紫外線から緑色までの短波長光を発光する蛍光体層と、前記放射線を吸収して主として赤色に発光すると共に、前記短波長光を赤色光に変換して発光する蛍光体層との多層構造を有することを特徴とするカラー発光シート
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