JP4509352B2 - カラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シート - Google Patents

カラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シート Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療診断や各種非破壊検査などに適用される新規なカラーレントゲン方法とカラーレントゲン装置、およびそれに用いられるカラー発光シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
医療診断や工業用非破壊検査などに利用されるX線撮影では、通常、撮影系の感度を向上させるために、X線フィルムを放射線増感紙と組合せて使用している。X線撮影においては、被検体を透過したX線や増感紙で可視光に変換された光で、例えばX線用白黒フィルム上の銀粒子を黒化させることによって、被検体の透過画像を得ている。
【0003】
X線撮影などに用いられる放射線増感紙としては、紙やプラスチックなどからなる支持体上に、X線フィルムに応じた発光ピークを有する蛍光体層とこれを保護する保護膜とを順に形成したものが一般的である。また近年、撮像系としてCCDカメラなどの光検出素子を用い、X線フィルムを使わずに放射線の透過量の違いをデジタルに検出することも行われている。
【0004】
医療診断用のX線撮影は人体の各部に対して適用されており、各種病巣の発見に貢献している。近年では撮影感度の向上などを図るために、高コントラストのX線フィルムが用いられるようになってきている。例えば、X線による乳房撮影(以下、マンモグラフィーと称する)では、X線吸収差の少ない乳房内部の石灰化や異常軟部組織などを、高い分解能と適切なコントラストで撮影する必要がある。このため、30kV程度のX線を発生するモリブデン陽極を用いたX線管を使用すると共に、高コントラストのX線フィルムが用いられている。
【0005】
上述したようなX線撮影においては、照射するX線のエネルギーと照射時間を被検体に応じて最適化する必要があり、これにより適切な濃度の写真像を得ている。撮影条件は、X線フィルムのダイナミックレンジ(ラティチュード)、さらには被検体である人体の撮影対象部位や個体差などに基づいて決定される。
【0006】
このようなX線撮影時の撮影条件の最適化には多くの経験を要し、撮影者の人的な習熟度に左右される。このため、撮影者の習熟度などによっては、撮影条件が最適値からずれて、露光量不足(真黒な写真)や露光量過多(真白な写真)が発生することになる。特に、高コントラストのX線フィルムを用いた場合には、撮影条件の最適値の幅が狭いため、露光量不足や露光量過多が生じやすい。
【0007】
すなわち、従来のX線フィルムのコントラスト特性は、図13に示すようなフィルムの特性曲線から理解することができる。図13において、縦軸はフィルムが露光された際の写真濃度、横軸は露光量(相対値)の対数値である。フィルムの特性曲線は、その形から3つの部分に分けられる。比較的低い露光領域の曲線部分Aは足部と呼ばれ、撮影像の低写真濃度部分に対応し、コントラストが非常に小さいか、あるいはコントラストがつかない像になる。比較的高い露光領域の曲線部分Cは肩部と呼ばれる。フィルムの写真濃度には限界があるため、この領域Cで露光量が変化してもコントラストがつきにくいことになる。
【0008】
コントラストの最も高い領域は、上述した足部と肩部に挟まれた領域Bである。この領域Bの特性曲線は、比較的まっすぐな大きな勾配を有している。X線フィルムの特性曲線は感光剤の銀化合物の粒子径や塗布厚などの条件により決定されるため、これらを調整することで感度やコントラスト特性の異なるフィルムが作製されている。高コントラストのX線フィルムは、特性曲線の領域Bの勾配が大きいものである。
【0009】
ここで、特性曲線の足部の濃度と肩部の濃度はどのフィルムでも同じであるため、特性曲線の勾配が大きくなると、領域Bに対する露光量の幅(ラティチュード)が狭くなる。X線撮影の写真濃度は、領域Bの真中にくるようにX線曝射量を設定することが好ましい。しかし、特にラティチュードの幅が狭いフィルムを使用する場合には、僅かな条件のずれにより適切な濃度の写真像が得られなくなってしまう。従来のX線フィルムのラティチュードの幅はおおよそ1桁から2桁程度である。
【0010】
さらに、測定対象が血液と組織のように、測定対象の元素組成が異なる場合には、使用するX線のエネルギーと部位の厚さなどを考慮して、X線の照射時間(露光時間)を多くの経験から決めなければならない。正常な組織と癌などの異常組織のように、元素組成はほぼ同じで密度が異なる場合にも同様である。このような条件設定には、撮影者の人的な習熟度が大きく影響する。特に、最近の医療診断では例えば癌の早期発見のように、極めて小さな異常組織を的確に判断することが求められているが、撮影条件の僅かなずれによって、そのような医療診断に対して適切な濃度の写真像を得ることができなくなってしまう。
【0011】
このような問題は医療診断用のX線撮影に限らず、工業用の非破壊検査においても同様に生じている。例えば、測定対象物がアルミニウムの場合と鉄の場合では、これらの比重差に基づいて、撮影条件の最適値は当然ながら異なり、また撮影対象部分の厚さなども考慮しなければならない。さらに、複合材料のように異なる複数の物質が存在している場合には、照射条件を変えて何枚も撮影しなければならず、その手間の煩雑さが問題になっている。
【0012】
従来のX線撮影においては、上述したようにX線用白黒フィルムを用いて、白黒の濃淡像として撮影対象部位の写真像を得ることが一般的である。白黒の濃淡像では、僅かな濃度変化から情報を取り出すことが困難である。このような点に対して、2種類以上の蛍光体を用いて複数の線スペクトルを持たせた蛍光板(または増感紙)を使用し、カラーフィルムの各感色層を独立して感光させるカラーラジオグラフィーが提案されている(特公昭48-6157号公報、特公昭48-12676号公報参照)。
【0013】
このカラーラジオグラフィーによれば、X線の線量の違いに対応して色彩を変化させたX線写真(カラーX線写真)が得られる。得られるカラーX線写真においては、低線量の部分は赤色に着色し、線量が多くなると赤色に緑色が加わった色彩に変化し、さらに線量が多くなると赤色と緑色に青色が加わった色彩に変化する。線量がさらに多くなると白色になる。
【0014】
しかしながら、カラーX線写真上の色彩変化のみから情報を取り出そうとしても、例えば線量が多い部分では赤色成分に緑色成分や青色成分が加わり、カラー写真上は白色に近くなるため、かえって情報の取り出しが困難になる。また、線量の低い部分では、赤色成分が飽和するまでは従来の白黒写真と変らないため、白黒写真に比べて陰影が少ない分だけ情報の取り出しが困難になる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来の放射線撮影においては、特に特性曲線の領域Bの勾配を大きくした高コントラストのフィルムを用いた場合に、僅かな撮影条件のずれにより適切な濃度の写真像を得ることができなくなってしまうという問題がある。また、放射線の透過量は測定対象物の比重と密度に関係することから、比重が異なる物質が存在している部位や同物質で密度が異なる物質が存在している部位を撮影する場合には撮影条件の設定が難しい。これによっても、適切な濃度の写真像が得られなくなってしまう。
【0016】
一方、従来のカラーラジオグラフィーは、単にX線量の違いに対応させて色彩を変化させたカラーX線写真を得ているにすぎない。このようなカラーX線写真上の色彩変化のみからでは情報を取り出すことが難しく、多くの情報を含んでいてもそれらを有効に活用することができないという問題がある。また、場合によっては、通常の白黒写真より情報の取り出しが困難になってしまう。
【0017】
このようなことから、例えば放射線写真のコントラストを高めた上で、僅かな撮影条件のずれなどによる露光量不足や露光量過多などの発生を防ぎ、さらに得られた多くの情報を有効に利用することを可能にした放射線撮影システムが求められている。すなわち、比較的広い条件下で適切な濃度の写真像を得ると共に、得られた写真像から多くの情報を有効に得ることを可能にした放射線撮影システムが求められている。放射線撮影時の条件設定の緩和は、撮影ミスの発生を防ぐだけでなく、検査精度の向上などに対しても大きく寄与する。
【0018】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、例えば放射線写真のコントラストを高めた場合においても、各種の条件下で適切な濃度の写真像を得ることを可能にした放射線撮影システム、すなわちカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置を提供することを目的としている。本発明の他の目的は、一回の撮影で多くの情報を確実にかつ有効に得ることを可能にしたカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、そのような放射線撮影システムに用いられるカラー発光シートを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明のカラーレントゲン方法は、請求項1に記載したように、被検体に放射線を照射する工程と、前記被検体を透過した放射線を、前記放射線により複数色に発光すると共に、同一強度の放射線に対する前記複数色の発光の割合が異なる蛍光体に照射する工程と、前記放射線の照射に基づいて前記蛍光体から放射された複数色の発光を色別に分離して検出する工程とを具備することを特徴としている。
【0020】
本発明のカラーレントゲン方法において、複数色の発光の割合を異ならせる具体的な手段としては、例えば請求項2に記載したように、可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、この主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を用いることが挙げられる。この際、請求項3に記載したように、副発光成分は主発光成分に対して0.1〜90%の範囲の発光割合を有することが好ましい。また、請求項9に記載したように、蛍光体からの発光をカラーフィルタを通過させることにより、複数色の発光の割合を調整するようにしてもよい。
【0021】
本発明のカラーレントゲン方法において、光検出工程は例えば請求項10に記載したように、蛍光体からの複数色の発光をカラーフィルムで一括して画像化し、この画像から複数色の発光に対応する各色信号を分離して検出したり、あるいは請求項11に記載したように、蛍光体からの複数色の発光を光検出素子を用いて色別に分離して検出するなどによって実施される。
【0022】
また、本発明のカラーレントゲン方法においては、請求項12に記載したように、K吸収端が異なる元素を主成分として含む少なくとも2種類の蛍光体を用いて、これら元素のK吸収端間に入るK吸収端を有する物質を検知するような構成とすることもできる。このようなカラーレントゲン方法は、特に血管造影などに対して有効である。
【0023】
本発明のカラーレントゲン装置は、請求項15に記載したように、被検体に放射線を照射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線が照射され、前記放射線により複数色に発光すると共に、同一強度の放射線に対する前記複数色の発光の割合が異なる蛍光体を有するカラー発光手段と、前記放射線の照射に基づいて前記蛍光体から放射された複数色の発光を、色別に分離して検出する手段とを具備することを特徴としている。
【0024】
本発明のカラーレントゲン装置において、光検出手段には例えば請求項16に記載した蛍光体からの複数色の発光を一括して画像化するカラーフィルム、請求項17に記載した複数色の発光を一括して検出するカラーカメラ、請求項18に記載した複数色の発光を色分離する手段と色分離された各色の発光を検出する複数の単色カメラとの組合せなどが用いられる。
【0025】
本発明のカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置(以下、総称してカラーレントゲンシステムと記す)においては、放射線に対して複数色に発光する蛍光体を用いることで色別に多くの情報を持たせており、さらにそれぞれの色信号に含まれる情報を色別に分離して検出するようにしている。これによって、各色信号に含まれる多くの情報を有効にかつ確実に得ることが可能となる。そして、各色で異なる感度特性を持った複数の画像情報を得ることによって、放射線撮影のダイナミックレンジを広げることが可能となる。
【0026】
本発明においては、例えば可視光領域内に複数の発光波長領域を有する蛍光体、すなわち青色発光、緑色発光および赤色発光のうち少なくとも2つの発光色に対応した発光スペクトルを有する蛍光体を含むカラー発光シートが用いられる。このようなカラー発光シートからの複数色の発光をカラーフィルムに一括して画像化した場合、同一強度の放射線に対する複数色の発光の割合(輝度)が異なっていれば、例えば図13に示したような特性曲線が、異なる露光量範囲で複数得られることになる。
【0027】
図1はカラー発光シートにX線照射量を変化させてX線を照射し、その際の発光により露光させたカラーフィルムから得た特性曲線の一例を示すものである。カラー発光シートは、主発光成分としての赤色発光が60%、第1の副発光成分としての緑色発光が30%、第2の副発光成分としての青色発光が10%である蛍光体を使用して作製したものである。3色の写真濃度と露光量の特性曲線がそれぞれ図13と同様であるとすれば、図1に示したように、露光量範囲が異なる複数の特性曲線が得られる。図1から赤色発光が飽和しても緑色発光および青色発光は飽和しておらず、また緑色発光が飽和しても青色発光は飽和していないことが分かる。
【0028】
複数の特性曲線を得ることによって、放射線撮影で求められる適切な写真濃度範囲に対する露光量範囲(ラティチュード)は、従来の1つの特性曲線(図13)に比べて大幅に広がる。適切な写真濃度が0.5〜3.5の範囲であるとすれば、この写真濃度範囲に対応する相対露光量は、図13では約1であるのに対し、図1では約1.8である。相対露光量は対数であるため、この値は露光量範囲が約6.3倍(=101.8/101)に拡大したことを意味する。
【0029】
すなわち、本発明のカラーレントゲンシステムによれば、放射線撮影のダイナミックレンジを大幅に広げることができる。これはカラーフィルムに代えて、CCDカメラなどの光検出素子を用いた場合にも同様である。従って、システム条件や撮影条件などが適切な範囲から多少ずれていたとしても、医療診断や非破壊検査などに使用し得る適切な濃度の画像を得ることができる。これは露光不足や露光過多などによる撮影ミスの抑制に大きく寄与する。
【0030】
そして、本発明のカラーレントゲンシステムにおいては、複数の特性曲線に基づく多くの情報を、上述した画像情報から各色信号毎に分離して検出しているため、各色信号に含まれる多くの情報を有効にかつ確実に得ることができる。言い換えると、各色で異なる感度特性を持った複数の画像情報が得られるため、このような複数の画像情報を利用して医療診断や非破壊検査などを行うことによって、医療診断能や非破壊検査精度を大幅に向上させることができる。すなわち、医療診断用放射線撮影や非破壊検査用放射線撮影のダイナミックレンジを広げることが可能となる。
【0031】
本発明のカラー発光シートはシート基材と、前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む単層構造の蛍光体層とを具備している
【0032】
本発明のカラー発光シートにおい、蛍光体層を構成する蛍光体として0.1〜10mol%の範囲のユーロピウムで付活され、ユーロピウムの付活量により主発光成分と副発光成分の発光割合調整されているユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体、0.1〜10mol%の範囲のユーロピウムで付活され、ユーロピウム付活量により主発光成分と副発光成分の発光割合調整されているユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体、0.01〜1mol%の範囲のテルビウムで付活され、テルビウム付活量により主発光成分と副発光成分の発光割合調整されているテルビウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体、カルシウムの一部をマグネシウムで置換して主発光成分と副発光成分の発光割合調整されているタングステン酸カルシウム蛍光体用いられる
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0034】
図2は本発明のカラーレントゲン方法を適用したカラーレントゲン装置、すなわち放射線撮影装置の第1の実施形態の要部構成を模式的に示す図である。同図において、1は人体や各種物品などの被検体であり、この被検体1に対してX線管2などの放射線源からX線3などの放射線が照射される。撮影に使用する放射線は、X線(もしくはγ線)に限られるものではなく、β線や熱中性子線などを用いることも可能である。
【0035】
被検体1により吸収もしくは散乱されたX線3は、カラー発光手段としてのカラー発光シート4に照射される。カラー発光シート4は、後に詳述するように、X線3などの放射線に対して複数色に発光する蛍光体を有している。このカラー発光シート4から発光された複数色の発光は、被検体1で吸収もしくは散乱されたX線3の分布に応じた輝度分布を有するものである。
【0036】
カラー発光シート4の後方には、カラー発光シート4からの複数色の発光を一括して画像化する手段としてカラーフィルム5が配置されており、カラーフィルム5に被検体1に基づく画像が形成される。すなわち、カラーフィルム5がカラー発光シート4からの複数色の発光により露光され、カラーフィルム5には各発光色に基づく複数色の画像が一括して形成される。
【0037】
なお、図2ではカラー発光シート4が被検体1側(放射線源側)に位置するように、カラー発光シート4とカラーフィルム5とを重ね合わせた状態を示している。このような場合、カラー発光シート4には透過型のものが用いられる。反射型のカラー発光シート4を用いる場合には、カラーフィルム5が被検体1側(放射線源側)に位置するように重ね合わせて使用する。
【0038】
カラー発光シート4は、例えば図3に示すように、プラスチックフィルムや不織布などからなる可撓性を有するシート基材6を有しており、このシート基材6上に蛍光体層7が設けられている。蛍光体層7の上部には、必要に応じて透明な保護膜8、例えば厚さ数μm程度のポリエチレンテレフタレートフィルムなどからなる保護膜8が配置される。
【0039】
上述した蛍光体層7は複数色に発光する蛍光体、すなわち複数の発光波長領域を有する蛍光体を含むものである。蛍光体層7には、例えばカラーフィルム5などとの組合せを考慮して、可視光領域(例えば波長400〜700nmの領域)内の広い波長範囲で発光する蛍光体を用いることが好ましい。具体的には、可視光領域内の少なくとも2つの発光色に対応する発光スペクトルを有する蛍光体を用いることが好ましい。すなわち、発光色が互いに異なる主発光成分と副発光成分とを含む発光スペクトルを有する蛍光体を用いることが好ましい。
【0040】
蛍光体の発光色としては、代表的には青色発光、緑色発光、赤色発光のうち少なくとも2つの発光色が挙げられる。ただし、本発明ではこれらの発光色に限定されるものではなく、カラーフィルム5の画像上や後述するCCDカメラなどで互いに区別できる発光色であれば種々の発光色を適用することができ、例えば紫外線に近い紫色発光や黄色発光などであってもよい。
【0041】
本発明のカラーレントゲンシステムは、複数の発光色により複数色の画像を一括して得ると共に、同一強度の放射線に対する複数色の発光の割合を異ならせることで露光量範囲(ラティチュード)の拡大を図ったものである。複数色の発光割合を変化させる具体的な手段としては、副発光成分の発光割合を主発光成分より小さくすることが挙げられる。
【0042】
すなわち、本発明で用いる蛍光体は、可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合、すなわち輝度が主発光成分より小さい少なくとも1つの副発光成分とを含む発光スペクトルを有することが好ましい。副発光成分の具体的な輝度は、後に詳述するように、主発光成分の輝度に対して0.1〜90%の範囲であることが好ましい。
【0043】
なお、主発光成分と副発光成分の発光割合がほぼ同一の蛍光体、例えば白色発光の混合蛍光体を用いる場合には、後述するように、複数色の発光を色別に検出する手段の前に、各色の透過率が異なるカラーフィルタを設け、このカラーフィルタで発光割合、言い換えると色別の感度特性を調整する。
【0044】
上述したような発光スペクトルを有する蛍光体としては、例えば各発光色に対応した複数の発光波長領域にそれぞれ発光ピークを有する蛍光体や、複数の発光波長領域にまたがる幅広い発光ピークを有する蛍光体などが挙げられる。前者の蛍光体の具体例としては、ユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム(Gd22S:Eu)蛍光体、ユーロピウム付活酸硫化イットリウム(Y22S:Eu)蛍光体、テルビウム付活酸硫化ガドリニウム(Gd22S:Tb)蛍光体などの希土類蛍光体が挙げられる。また、後者の蛍光体の具体例としては、タングステン酸カルシウム(CaWO4)蛍光体などが挙げられる。
【0045】
図4はGd22S:Eu蛍光体の発光スペクトルの一例であり、赤色波長領域(おおよそ波長600〜700nmの領域)に主発光成分が存在すると共に、緑色波長領域(おおよそ波長500〜600nmの領域)に副発光成分が存在していることが分かる。Gd22S:Eu蛍光体やY22S:Eu蛍光体は、Eu原子の励起で発光するため、発光スペクトルがシャープで、発光スペクトルを分離しやすいという特徴を有している。さらに、Euの付活量により各成分の発光割合を調整することができるため、本発明に好適な蛍光体ということができる。このようなGd22S:Eu蛍光体やY22S:Eu蛍光体において、発光波長範囲の拡大などを図る上で、Eu濃度は0.1〜10mol%の範囲とすることが好ましい。
【0046】
図5はGd22S:Tb蛍光体の発光スペクトルの一例であり、緑色波長領域に主発光成分が存在すると共に、青色波長領域(おおよそ波長400〜500nmの領域)に副発光成分が存在していることが分かる。Gd22S:Tb蛍光体においても、Tbの付活量により各成分の発光割合を調整することができる。本発明では発光波長範囲が広い蛍光体が適しているため、Gd22S:Tb蛍光体のTb濃度は0.01〜1mol%の範囲とすることが好ましい。
【0047】
図6はCaWO4蛍光体の発光スペクトルの一例であり、青色波長領域から緑色波長領域に至るブロードな発光スペクトルを有している。この場合には、発光スペクトルのピークが存在している青色発光が主発光成分となり、緑色発光が副発光成分となる。本発明では発光波長範囲が広い蛍光体が適しているため、Caの一部をMgで置換した(Ca,Mg)WO4蛍光体を用いることが好ましい。MgによるCaの置換量は、感度などの点から10mol%以下とすることが好ましい。
【0048】
本発明で用いられるカラー発光シート4においては、上述したような1つの蛍光体粒子が複数色に発光する蛍光体に限らず、例えば主に青色に発光する青色発光蛍光体、主に緑色に発光する緑色発光蛍光体、および主に赤色に発光する赤色発光蛍光体から選ばれる少なくとも2種類の蛍光体を混合した混合蛍光体を用いることもできる。この場合の混合比は、主発光成分と副発光成分の発光割合が上述したような範囲となるように適宜設定することが好ましい。なお、前述したように、場合によっては主発光成分と副発光成分の発光割合がほぼ同一の混合蛍光体を用いることもできる。
【0049】
図7は赤色発光蛍光体(Gd22S:EuやY22S:Eu)と緑色発光蛍光体(Gd22S:TbやY22S:Tb)と青色発光蛍光体(CaWO4やBaFCl:Eu)を、適当な比率で混合した混合蛍光体の発光スペクトルを示している。これら2種類以上の蛍光体の混合比を適宜設定することによって、主発光成分と副発光成分の発光割合を調整することができる。
【0050】
混合蛍光体に用いる各蛍光体は、特に限定されるものではない。青色発光の蛍光体としては、YAlO3:Ce、Y2SiO5:Ce、Gd2SiO5:Ce、YTaO4:Nb、BaFCl:Eu、ZnS:Ag、CaWO4、CdWO4、ZnWO4、MgWO4、Sr5(PO43Cl:Eu、YPO4:Clなどが用いられる。
【0051】
赤色発光の蛍光体としては、GdBO3:Eu、Gd23:Eu、Gd22S:Eu、Gd3Al512:Eu、Gd3Ga512:Eu、GdVO4:Eu、Gd3Ga512:Ce,Cr、Y23:Eu、La23:Eu、La22S:Eu、InBO3:Eu、(Y,In)BO3:Euなどが用いられる。
【0052】
緑色発光の蛍光体としては、Gd23:Tb、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr、Gd3Ga512:Tb、Gd3Al512:Tb、Y23:Tb、Y22S:Tb、Y22S:Tb,Dy、La22S:Tb、ZnS:Cu、ZnS:Cu,Au、Zn2SiO4:Mn、InBO3:Tb、MgGa24:Mnなどが用いられる。
【0053】
ただし、混合蛍光体を用いた場合、各蛍光体の混合状態や蛍光体層7の形成状態などによっては、各蛍光体の発光色に基づく複数の画像にずれが生じるおそれがある。すなわち、完全に一致した複数の画像が得られないおそれがある。さらに、得られた画像(複数色の画像の混合データ)からRGB信号を分離して検出する際に、エッジ効果により画像処理に問題が生じるおそれがある。
【0054】
これに対して、1つの蛍光体粒子が複数色に発光する蛍光体を用いた場合、基本的には各発光色に基づく複数の画像が完全に一致する。このため、より検査精度を高めることができる。本発明においては、例えば複数の発光波長領域にそれぞれ発光ピークを有する蛍光体や複数の発光波長領域にまたがる幅広い発光ピークを有する蛍光体などを用いることが望ましい。
【0055】
上述したようなカラー発光シート4は、例えば以下のようにして作製することができる。
【0056】
すなわち、蛍光体粒子(混合蛍光体を含む)を結合剤と共に適当量混合し、これに有機溶剤を加えて適当な粘度の蛍光体塗布液を調製する。この蛍光体塗布液をナイフコータやロールコータなどによりシート基材6上に塗布、乾燥して、蛍光体層7を形成する。
【0057】
蛍光体塗布液の調製に使用する結合剤としては、硝化綿、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリビニルブチラール、綿状ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、ポリカーボネート、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。有機溶剤としては、例えばエタノール、メチルエチルエーテル、酢酸ブチル、酢酸エチル、エチルエーテル、キシレンなどが用いられる。なお、蛍光体塗布液には必要に応じて、フタル酸、ステアリン酸などの分散剤や燐酸トリフェニル、フタル酸ジエチルなどの可塑剤を添加してもよい。
【0058】
シート基材6としては、例えば酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネートなどの樹脂をフィルム状に成形したものが用いられる。反射型のカラー発光シート4を作製する場合には、カーボンブラックなどを練り込んだ光反射性の樹脂フィルムなどが用いられる。
【0059】
さらに、保護膜8には各種の透明樹脂が用いられる。具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどからなる透明樹脂フィルムを蛍光体層7上にラミネートして保護膜8を形成する。あるいは、酢酸セルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレートなどのセルロース誘導体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルホルマール、ポリウレタンなどの透明樹脂を溶剤に溶解させて適当な粘度の保護膜塗布液を調製し、これを蛍光体層7上に塗布、乾燥させることによって、保護膜8を形成する。
【0060】
カラーフィルム5には、上述したようなカラー発光シート4からの複数色の発光を受けて複数色の画像(例えば青色画像、緑色画像および赤色画像)を撮像することが可能なカラー写真フィルムを用いることが好ましい。図8はカラーフィルム5の分光感度曲線の一例を示すものである。
【0061】
カラーフィルム5上には、複数色の画像の混合データとして像が形成される。この画像情報からフィルムスキャナなどを用いてRGB信号を分離して検出する。すなわち、蛍光体の発光波長に応じて分離して検出する。このようにして、複数色の混合画像から各色の画像、例えば赤色画像と緑色画像と青色画像を分離し、これら各色の画像をそれぞれ単独画像として得る。そして、これら各色の画像情報を例えばデジタル信号として記録する。
【0062】
ここで、蛍光体層7を構成する蛍光体が主発光成分と副発光成分とを含む発光スペクトルを有し、さらに副発光成分が主発光成分より輝度(明るさ)が小さい場合、主発光成分に基づく画像は、相対的に小さい露光量の段階から適切な写真濃度となる。すなわち、露光量が比較的小さい範囲に、写真濃度と露光量の特性曲線が形成される。一方、副発光成分は主発光成分と比べて輝度(明るさ)が小さいため、副発光成分に基づく画像は主発光成分に対して相対的に大きい露光量範囲で適切な写真濃度となる。すなわち、露光量が主発光成分に比べて大きい範囲に特性曲線が形成される。
【0063】
このように、露光量範囲が異なる複数の特性曲線を得ることによって、X線撮影などで求められる適切な写真濃度範囲に対する露光量範囲は、従来の1つの特性曲線に比べて大幅に広がる。すなわち、本発明によれば放射線撮影のダイナミックレンジを大幅に広げることができる。
【0064】
図9は、本発明によるカラーフィルムを用いた感度特性の測定結果を従来のX線用白黒フィルムを用いた測定結果と比較して示す図である。図9(a)は従来のX線用白黒フィルムの特性曲線、図9(b)および図9(c)はカラーフィルムとGd22S:Eu蛍光体とを組合せて感度特性を測定した際の特性曲線である。図9において、横軸は露光時間(Exposure Time(s))、縦軸はフィルム濃度(Film Density)である。
【0065】
従来のX線用白黒フィルムを用いた場合には、フィルムの種類により多少異なるが、フィルム濃度が飽和する領域は約1〜2桁である。一方、カラーフィルムの一般的な構成は赤色、緑色、青色の3層に分かれており、それぞれ異なった感度特性を有する。図9(b)および図9(c)から明らかなように、フィルムの種類により赤色、緑色、青色の感度特性は異なるものの、3色の感度特性を使用することによって、従来のX線フィルムに比べてダイナミックレンジが約2桁広がっていることが分かる。
【0066】
このことは、例えば赤色画像の写真濃度が飽和して検査できなかったとしても、緑色画像や青色画像で適切な検査が行えることを意味する。さらに、緑色画像の写真濃度が飽和して検査できない部分については、青色画像で適切な検査を行うことができる。また、原子番号の大きい物質や密度が高い物質は、赤色画像で観察することができ、原子番号の小さい物質や密度が小さい物質は、緑色画像や青色画像で観察することができる。
【0067】
加えて、市販のカラーフィルムはメーカーや種類により赤色成分、緑色成分、青色成分に対する感度が異なるため、この特性を複数色に発光する蛍光体の特性と併せて用いることによって、ダイナミックレンジをさらに変えることができる。さらに、カラーフィルムは従来のX線フィルム(モノクロフィルム)に比べて、フィルム特性として感度が高いことから、写真画像の高感度化を図ることが可能となる。
【0068】
各発光色に基づく複数の特性曲線は、露光量範囲(ダイナミックレンジ)を広げる上で、適度に離れていることが好ましい。さらに、X線撮影の連続性(露光範囲の連続性)を確保する上で、複数の特性曲線はそれぞれ一部がオーバーラップするように設定することが好ましい。そこで、副発光成分は主発光成分に対する輝度、言い換えると同一強度の放射線に対する発光割合が主発光成分に対して0.1〜90%の範囲であることが好ましい。副発光成分の発光割合は1〜80%の範囲であることがより好ましい。
【0069】
副発光成分の発光割合が主発光成分の90%を超えると、これら主発光成分による特性曲線と副発光成分による特性曲線が相対露光量のスケール上で近づきすぎて、ダイナミックレンジの拡大効果を十分に得ることができなくなる。このような点から、副発光成分の発光割合は主発光成分に対して80%以下とすることがさらに好ましい。より好ましくは50%以下である。
【0070】
一方、副発光成分の発光割合が主発光成分の0.1%未満であると、主発光成分による特性曲線と副発光成分による特性曲線が相対露光量のスケール上で離れすぎ、それらの中間領域の光量が2つの特性曲線のダイナミックレンジから外れるおそれがある。これでは検査精度などを十分に高めることができない。このような点から、副発光成分の輝度は主発光成分の輝度に対して1%以上とすることがさらに好ましい。
【0071】
また、カラーフィルムはメーカーや種類により感度特性が異なることがある。このような場合には、蛍光体の主発光成分と副発光成分の発光割合を調整し、それぞれの感度特性(特性曲線)に応じた発光を得ることによって、良好な放射線撮影を行うことが可能となる。発光割合は前述したように付活剤の濃度により調整することができる。発光割合はフィルムスキャナなどを用いてRGB信号を読み取る際にカラーフィルタを入れて補正して読み取ったり、また取り込みソフトで補正することによっても調整することができる。
【0072】
例えば、特定のカラーフィルムでは赤色発光、緑色発光、青色発光の割合をR:100、G:10、B:1とすることによって、従来に比べてダイナミックレンジを約2桁拡大することができる。また、他のカラーフィルムでは赤色発光と緑色発光の割合を変化させることにより、良好なダイナミックレンジを得ることができる。さらに、受光素子としてカラーCCDカメラを用いる場合には、そのダイナミックレンジに合せてRGB信号が一部オーバーラップするように、蛍光体の主発光成分と副発光成分の発光割合を調整する。
【0073】
このように、本発明では蛍光体の主発光成分と副発光成分の発光割合を、撮影系のダイナミックレンジに合せて調整している。これによって、ダイナミックレンジを拡大した良好な放射線撮影が実現可能となる。さらに、発光割合を蛍光体の付活剤濃度で調整することによって、得られる画像情報の幾何学的なずれをなくすことができる。
【0074】
本発明のカラーレントゲンシステムはX線に限らず、例えば中性子線撮影などにも適用可能である。すなわち、Gd22S:Eu蛍光体のように、中性子に対して感度を有するGd、B、Liなどを含む蛍光体を用いた場合には、同様に赤色、緑色、青色の感度特性を異ならせることによって、ダイナミックレンジを拡大することができる。図10は放射線として熱中性子を用いた際のカラーフィルムの感度特性の測定結果を示す図である。このように、熱中性子を用いた場合においても、ダイナミックレンジを拡大することが可能となる。
【0075】
上述したように、本発明のカラーレントゲンシステムによれば、撮影条件(例えば照射X線量)などが適切な範囲から多少ずれていたとしても、露光量範囲(ダイナミックレンジ)が広いことに基づいて、医療診断や工業用途の非破壊検査などに使用し得る適切な濃度の画像を得ることができる。
【0076】
具体的には、図1に示した写真濃度と露光量の特性曲線において、X線撮影時の露光量が赤色発光に基づく第1の特性曲線Rのダイナミックレンジから外れ、赤色画像は露光過多となったとしても、緑色発光や青色発光に基づく第2、第3の特性曲線G、Bのダイナミックレンジに基づいて、適切な濃度の緑色画像や青色画像を得ることができる。すなわち、露光不足や露光過多などによる撮影ミスの発生を抑制することができ、比較的広い条件下で適切な濃度の画像を得ることが可能となる。
【0077】
そして、上述したような複数色の発光に基づく画像情報からRGB信号を分離して検出することによって、各色信号に含まれる多くの情報を有効にかつ確実に得ることが可能となる。このような本発明のカラーレントゲンシステムを医療用撮影に適用することによって、医療診断能の向上を図ることができる。さらに、X線撮影のダイナミックレンジの拡大は検査情報の増大にも繋がることから、より一層医療診断能などの検査精度の向上を図ることが可能となる。
【0078】
特に、マンモグラフィーのように高コントラスが必要とされる場合、高コントラス化を図った上でX線撮影時のダイナミックレンジを拡大することができる。これによって、撮影条件に対する制約を緩和することができるため、医療診断能の向上に大きく寄与する。マンモグラフィー以外の医療診断用X線撮影においても、写真画像の高コントラス化は診断範囲の拡大並びに精度向上に繋がるため、医療診断能を大幅に高めることが可能となる。
【0079】
本発明のカラーレントゲンシステムを工業用途の非破壊検査用放射線撮影などに適用した場合には、ダイナミックレンジの拡大により撮影ミスを抑制することが可能となる。さらに、例えば比重が異なる物質が存在しているもの、同物質で密度が異なる物質が存在しているものなど、複雑な測定対象物を1度の撮影でそれぞれ良好に撮像並びに解析することができる。これらによって、検査ミスの防止、検査情報の拡大、検査精度の向上などを図ることが可能となる。
【0080】
さらに、従来のX線撮影では露光されたX線フィルムに銀粒子が残存するため、銀粒子が付着した状態でX線フィルムを保存している。フィルムによる撮影は記録の改ざんが不可能であるなど、撮影データの保存性に優れるものの、銀粒子が付着したフィルムを保存している従来の撮影システムでは、銀のリサイクル性が劣っており、露光資源のリサイクル性を高めることが求められていた。これに対して、カラーフィルムは反応乳剤にあるハロゲン化銀が現像で回収されるため、希少価値のある銀などの資源(露光資源)のリサイクル性を高めることが可能となる。また、最終的に得られる画像情報はRGBのデジタル信号に変換されるため、検査情報の蓄積性や転送性などを大幅に高めることができる。
【0081】
次に、本発明のカラーレントゲン方法を適用したカラーレントゲン装置、すなわち放射線撮影装置の第2の実施形態について、図11を参照して説明する。
【0082】
図11に示した放射線撮影装置では、図2と同様に被検体1を透過したX線3などの放射線がカラー発光シート4に照射される。カラー発光シート4の後方には、カラー発光シート4からの複数色の発光を一括して受光する手段として、カラーCCDカメラ11が配置されている。カラーCCDカメラ11では、被検体1で吸収もしくは散乱されたX線3の分布情報に基づく発光分布を有する複数色の発光(複数色の画像情報)が一括して受光される。
【0083】
カラーCCDカメラ11で受光、検出された複数の色信号を含む画像情報は、演算処理装置12でRGB信号に分離され、各色の単独画像情報としてそれぞれ検出される。これら各色の画像情報はそれぞれデジタル信号として記録される。この際、白色成分を分離した後にRGB信号の割合を変化させることによって、ダイナミックレンジを調整することができる。すなわち、カラーフィルムを用いた場合と同様に、各色の画像情報によりX線撮影などのダイナミックレンジを拡大することができる。図中13は表示装置であり、各色の画像情報を直接表示することが可能とされている。
【0084】
さらに、色別に分離した各信号をそれぞれの信号で相互に演算して、その結果を記録することもできる。例えば、ある物質で密度の違いが赤色成分で確認でき、別な物質で密度の違いが緑色成分で見える場合には、それぞれが分かるように擬似カラーで表示することができる。また、その部分のみを切り出して別に表示することもできる。さらに、赤色成分中のノイズを緑色成分や青色成分で補正したり、一部データが欠落して白色になっている部分を補正することができる。特に、従来の白黒フィルムでは、現像時や撮影時のノイズなのか、問題となる部位や欠陥なのかを厳密には判定できなかったが、多色によるデータから赤色でも緑色でも同じ傾向が確認できれば、データ判断の精度を高めることができる。
【0085】
カラー発光シート4からの複数色の発光は、例えば図12に示すように、各色(波長)毎に分離した後に個々に検出することも可能である。図12において、複数色の光が混合された発光は、例えば第1および第2のダイクロックミラー14a、14bにより波長毎に分離(分光)される。分離された各光信号はそれぞれ第1、第2および第3のモノクロCCDカメラ15a、15b、15cでそれぞれ検出される。
【0086】
すなわち、第1のダイクロックミラー14aでは赤色成分のみを反射させ、緑色成分と青色成分は透過させる。第2のダイクロックミラー14bでは緑色成分のみ反射させ、青色成分のみ透過させる。この際、ダイクロックミラー14を構成する誘電体多層膜の設計によって、各色成分の反射率と透過率を個別に設定することができるため、赤色成分の感度、緑色成分の感度、青色成分の感度をコントロールして最適化することができる。
【0087】
赤色成分は第1のモノクロCCDカメラ15aで検出される。緑色成分は第2のモノクロCCDカメラ15bで、また青色成分は第3のモノクロCCDカメラ15cで検出される。各モノクロCCDカメラ15で検出された色信号は、各色の単独画像情報としてそれぞれ記録される。この際の各色信号についても、図11で示した装置と同様に各種の演算処理を施すことができる。なお、前述したカラーフィルムからフィルムスキャナなどを用いて分離検出したRGB信号についても同様である。
【0088】
さらに、各色成分の中でも特定の波長のみを選択して測定する場合には、各モノクロCCDカメラ15の前にカラーフィルタ16を設けることで対応することができる。ダイクロックミラー14が波長選択性を有しない場合には、カラーフィルタ16の透過率で調整することができる。さらに、白色発光の混合蛍光体などを用いる場合には、このカラーフィルタ16で発光の割合、言い換えると色別の感度特性を調整することができる。
【0089】
なお、光の分離にはダイクロックミラー14に限らず、金属干渉フィルタ、色ガラスフィルタ、バンドパスフィルタなどの光学フィルタ、あるいは光学プリズムやグレーティング(回折格子)などを用いてもよい。また、光信号の検出はCCDカメラに限らず、各種の光検出素子を使用することができる。
【0090】
次に、本発明の他の実施形態について説明する。
人体を対象としたX線撮影では、血管造影などの造影法を適用することがある。この場合、造影剤としてヨウ素やバリウムを含む物質を体内に入れ、その状態でレントゲン撮影を行う。この際、従来のレントゲン撮影では骨や臓器がX線用白黒フィルムに同時に写ってしまう。このような点に対して、K吸収端が異なる元素を主成分とする2種類以上の蛍光体を用いることによって、例えば2種類の元素のK吸収端間に入るK吸収端を有する物質のみを撮像することが可能となる。この際のカラー発光シートは、例えば図3に示した蛍光体層7を多層構造とし、各蛍光体層をK吸収端が異なる蛍光体で構成すればよい。
【0091】
例えば、カラー発光シートの蛍光体層を2層構造とし、第1層目にはヨウ素やバリウムよりK吸収端が小さく、かつ骨のカルシウムや臓器の炭化水素化合物よりK吸収端が大きい元素を主成分とする蛍光体を用いる。インジウムのK吸収端は27.940keVであり、ヨウ素は33.170keV、バリウムは37.441keVである。ちなみに、カルシウムのK吸収端は4.039keV、炭化水素化合物はそれ以下である。第2層目には、ヨウ素やバリウムよりK吸収端が大きい元素を主成分とする蛍光体を用いる。ガドリニウムのK吸収端は50.239keVである。第1層目と第2層目の発光色は異なるように蛍光体を選択し、これらからの各色信号をカラーフィルムやカラーCCDカメラなどで検出する。
【0092】
2層構造の蛍光体層の具体的な構成としては、第1層目をテルビウム付活硼酸化インジウム(InBO3:Tb)蛍光体で形成し、第2層目をユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム(Gd22S:Eu)蛍光体で形成した構造が挙げられる。第1層目のテルビウム付活硼酸化インジウム蛍光体は、緑色と青色に発光スペクトルを有する。第2層目のユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体は赤色の発光スペクトルが強く、次に緑色、青色の発光スペクトルを有する。第1層目からの緑色発光と第2層目からの緑色発光とが混ざらないようにするためには、第2層目の蛍光体の付活濃度(ユーロピウム濃度)を高くして、緑色および青色発光成分をかなり少なくする。このようにすることによって、色信号の分離精度を上げることができる。
【0093】
第1層目のインジウムのK吸収端の低いところで、第2層目のガドリニウムの吸収特性に係数をかけて演算処理すると、第2層目のK吸収端が第1層目のそれと異なるために、第2層目のK吸収端までと第2層目のK吸収端以降のエネルギーで吸収特性が異なることになる。従って、第1層目と第2層目のK吸収端に挟まれた約28〜50keVの間にK吸収端を有する物質が浮かび上がることになる。このようにして、例えばヨウ素やバリウムを含む造影剤のみを撮像することが可能となる。
【0094】
上述したように、K吸収端が異なる2種類以上の蛍光体の発光波長を異ならせることによって、互いの色情報の演算処理から検査対象物質の情報のみを容易に得ることができる。さらに、各蛍光体層を構成する蛍光体の主発光色以外の副発光色の割合を小さくすることによって、K吸収端が異なる2種類以上の蛍光体からの発光を色別に分離しやすくなるため、検査対象物質の情報をより確実に得ることが可能となる。
【0095】
K吸収端の違いを利用したカラーレントゲンシステムにおいては、各種の蛍光体を使用することができる。例えば、赤色を主発光色とする蛍光体としては、GdBO3:Eu、Gd23:Eu、Gd22S:Eu、Y23:Eu、Y22S:Eu、La23:Eu、La22S:Eu、InBO3:Euなどを用いることができる。
【0096】
緑色を主発光色とする蛍光体としては、Gd23:Tb、Gd22S:Tb、Gd22S:Pr、Y23:Tb、Y22S:Tb、Y22S:Tb,Dy、La22S:Tb、LaOBr:Tb、InBO3:Tb、ZnS:Cuなどを用いることができる。また、青色を主発光色とする蛍光体としては、BaFCl:Eu、BaFBr:Eu、CaWO4、YTaO4:Nb、LaOBr:Tm、ZnS:Agなどを用いることができる。
【0097】
従来のレントゲンシステムにおいては、カラーフィルムのそれぞれのカラー乳剤の間にヨウ素、バリウム、セシウムなどを含む物質を入れ、これら物質の吸収の差を色情報の差とする方法が提案されている。しかし、このような方法ではフィルムそのものを新たに製造しなければならず、市販のカラーフィルムを使用することができないという欠点がある。さらに、フィルムの間に特定の元素を入れておかなければならないため、判定したい元素毎にフィルムを変えて対応しなければならない。
【0098】
これに対して、本発明のK吸収端の違いを利用したカラーレントゲンシステムでは、カラー発光シートを構成する蛍光体のK吸収端を選択することによって、例えばヨウ素およびバリウムのいずれにも同じ構成で対応可能である。同様に対応が可能な元素としては、Sn、Sb、Te、Xe、Cs、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Euなどが挙げられる。
【0099】
本発明では、蛍光体層を構成する蛍光体のK吸収端を変化させることによって、さらに多くの元素に対応させることができる。また、蛍光体層の層数を増やすことでより多くの情報を得ることができる。例えば、蛍光体層を3層構造や4層構造とし、分離する波長をRGBだけでなく、元素特有の波長にすれば、多くの元素を画像演算から同時に分離して分析することが可能となる。
【0100】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例について説明する。
【0101】
実施例1
まず、平均粒子径が2.0μmのGd22S:Eu蛍光体(Eu濃度=0.3mol%)を用意した。このGd22S:Eu蛍光体は赤色発光成分を主発光成分とし、副発光成分として緑色発光成分を有するものである。ここで、副発光成分としての緑色発光の輝度は、主発光成分(赤色発光)の約20%である。
【0102】
上述したようなGd22S:Eu蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を透明な厚さ250μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が700g/m2(70mg/cm2)となるようにナイフコータで均一に塗布、乾燥させて蛍光体層を形成した。この蛍光体層上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜をラミネートして、目的とするカラー発光シートを作製した。
【0103】
このようにして得たカラー発光シートをカラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合せて、図2に示したカラーレントゲンステムを構成した。この撮影システムを用いてX線撮影を行い、カラーフィルム上に形成された画像(赤と緑の混合画像)からフィルムスキャナを用いてRGB信号を分離し、赤色画像と緑色画像をそれぞれ単独画像として得た。その結果、得られた赤色画像(主発光成分)と緑色画像(副発光成分)とから、多くの情報が読み取れることを確認した。なお、カラーフィルム上に形成された混合画像を目視しただけでは、十分な情報量は得られなかった。
【0104】
さらに、カラーフィルム上に形成された画像から分離して得た赤色画像と緑色画像に基づく写真濃度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.5〜3.5の範囲に相当する露光量範囲は、従来の1つの特性曲線(図13)に比べて約5.25倍に拡大していた。
【0105】
実施例2
まず、平均粒子径が2.0μmのGd22S:Tb蛍光体(Tb濃度=0.3mol%)を用意した。このGd22S:Tb蛍光体は緑色発光成分を主発光成分とし、副発光成分として青色発光成分を有するものである。ここで、副発光成分としての青色発光の輝度は、主発光成分(緑色発光)の約50%である。
【0106】
上述したようなGd22S:Tb蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を厚さ250μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムからなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が700g/m2(70mg/cm2)となるようにナイフコータで均一に塗布、乾燥させて蛍光体層を形成した。この蛍光体層上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜をラミネートして、目的とするカラー発光シートを作製した。
【0107】
このようにして得たカラー発光シートをカラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合せて、本発明のカラーレントゲンシステムを構成した。この撮影システムを用いてX線撮影を行い、カラーフィルム上に形成された画像(緑と青の混合画像)からフィルムスキャナを用いてRGB信号を分離し、緑色画像と青色画像をそれぞれ単独画像として得た。その結果、得られた緑色画像(主発光成分)と青色画像(副発光成分)とから、多くの情報が読み取れることを確認した。なお、カラーフィルム上に形成された混合画像を目視しただけでは、十分な情報量は得られなかった。
【0108】
さらに、カラーフィルム上に形成された画像から分離して得た緑色画像と青色画像に基づく写真濃度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.5〜3.5の範囲に相当する相対露光量範囲は、従来の1つの特性曲線(図13)に比べて約3.7倍に拡大していた。
【0109】
実施例3
実施例2で用いた蛍光体に代えて、平均粒子径が2.0μmのGd22S:Tb蛍光体(Tb濃度=0.1mol%)を用いる以外は、実施例2と同様にしてカラー発光シートを作製した。この実施例3で用いたGd22S:Tb蛍光体は、副発光成分としての青色発光の輝度が主発光成分(緑色発光)の約60%である。
【0110】
このようにして得たカラー発光シートをカラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合せて、本発明のカラーレントゲンを構成した。この撮影システムを用いてX線撮影を行ったところ、実施例2と同様に、緑色画像(主発光成分)と青色画像(副発光成分)がそれぞれ良好に得られることを確認した。この緑色画像と青色画像に基づく写真濃度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.5〜3.5の範囲に相当する相対露光量範囲は、従来の1つの特性曲線(図13)に比べて約4.5倍まで拡大していた。
【0111】
実施例4
まず、平均粒子径が4.0μmのCaWO4蛍光体を用意した。このCaWO4蛍光体は青色発光成分を主発光成分とし、副発光成分として緑色発光成分を有するものである。この実施例4で用いたCaWO4蛍光体は、発光ピークが約410nm、半値幅が約100nmであり、副発光成分としての緑色発光の輝度は主発光成分(青色発光)の約20%である。
【0112】
上述したCaWO4蛍光体粉末10重量部に、結合剤として塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー1重量部と有機溶剤として適当量の酢酸エチルを混合して、蛍光体塗布液を調製した。この蛍光体塗布液を厚さ250μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムからなるシート上に、乾燥後の蛍光体塗布重量が700g/m2(70mg/cm2)となるようにナイフコータで均一に塗布、乾燥させて蛍光体層を形成した。蛍光体層上に厚さ9μmのポリエチレンテレフタレートフィルムからなる保護膜をラミネートして目的とするカラー発光シートを作製した。
【0113】
このようにして得たカラー発光シートをカラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合せて、本発明のカラーレントゲンシステムを構成した。この撮影システムを用いてX線撮影を行い、カラーフィルム上に形成された画像(青と緑の混合画像)からフィルムスキャナを用いてRGB信号を分離し、青色画像と緑色画像をそれぞれ単独画像として得た。その結果、得られた青色画像(主発光成分)と緑色画像(副発光成分)とから、多くの情報が読み取れることを確認した。なお、カラーフィルム上に形成された混合画像を目視しただけでは、十分な情報量は得られなかった。
【0114】
さらに、カラーフィルム上に形成された画像から分離して得た青色画像と緑色画像に基づく写真濃度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.5〜3.5の範囲に相当する相対露光量範囲は、従来の1つの特性曲線(図13)に比べて約8倍に拡大していた。
【0115】
実施例5
実施例4で用いた蛍光体に代えて、Caの一部を5mol%のMgで置換した(Ca,Mg)WO4蛍光体を用いる以外は、実施例4と同様にしてカラー発光シートを作製した。この実施例5で用いた(Ca,Mg)WO4蛍光体は、発光ピークが約420nm、半値幅が約110nmであり、副発光成分としての緑色発光の輝度は主発光成分(青色発光)の約30%である。
【0116】
このようにして得たカラー発光シートをカラーフィルム・Kodak Pro100またはFuji ACE400と組合せて、本発明のカラーレントゲンシステムを構成した。この撮影システムを用いてX線撮影を行ったところ、実施例4と同様に、青色画像(主発光成分)と緑色画像(副発光成分)がそれぞれ良好に得られることを確認した。この青色画像と緑色画像に基づく写真濃度と露光量の特性曲線を測定したところ、写真濃度が0.5〜3.5の範囲に相当する相対露光量範囲は、従来の1つの特性曲線(図13)に比べて約7倍まで拡大していた。
【0117】
実施例6
実施例1と同様にして、Gd22S:Eu蛍光体を用いたカラー発光シートを作製した。このGd22S:Eu蛍光体は赤色発光成分を主発光成分とし、副発光成分として緑色発光成分と青色発光成分を有するものである。副発光成分としての緑色発光の輝度は主発光成分(赤色発光)の約10〜20%、青色発光の輝度は主発光成分(赤色発光)の約1〜2%である。
【0118】
上述したカラー発光シートにX線を照射し、このX線照射に基づくカラー発光シートからの光を、ガラス基板表面に誘電体多層膜を形成したダイクロイックフィルタ(エドモンドサイエンティフィック社製、AJ52529N)で赤色成分のみを透過させ、高感度CCDカメラ(Photometrics社製、Model 250)で撮像してモニタに表示させたところ、被検体の良好な画像が得られた。
【0119】
次に、X線の照射量を1桁上げて撮像したところ、赤色成分では真白な画像しか得られなかったが、フィルタを緑色成分のみを透過させるダイクロイックフィルタ(エドモンドサイエンティフィック社製、AJ52535N)に交換すると、良好な画像が得られた。
【0120】
さらに、X線の照射量を1桁(赤色成分のときに比べて2桁)上げて撮像したところ、緑色成分では真白な画像しか得られなかったが、フィルタを青色成分のみを透過させるダイクロイックフィルタ(エドモンドサイエンティフィック社製、AJ52532N)に交換すると、良好な画像が得られた。
【0121】
これらの結果から、従来のモノクロのシンチレータを使用したシステムに比べて、この実施例のカラーレントゲンシステムによれば相対露光量の範囲を約2桁拡大できたことが分かる。ちなみに、赤色発光成分で見ていたときに、青色成分のみを透過させるフィルタに代えたところ、真黒な画像しか得られなかった。また、具体的なシステム構成は図12に示した通りである。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のカラーレントゲン方法およびカラーレントゲン装置によれば、各種の条件下で適切な画像情報が得られ、かつこれらの画像情報から多くの情報を確実にかつ有効に得ることができる。特に、放射線写真のコントラストを高めた際においても、比較的広い条件下で適切な濃度の画像情報が得られる。従って、医療診断用放射線撮影をはじめとする各種の放射線撮影において、撮影ミスの発生抑制、検査情報の増大、検査精度の向上などを図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した際に得られる写真濃度と露光量の特性曲線の一例を示す図である。
【図2】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した放射線撮影装置の第1の実施形態の要部構成を模式的に示す図である。
【図3】 図2の放射線撮影装置で使用したカラー発光シートの構成の一例を示す断面図である。
【図4】 本発明のカラー発光シートに使用するGd22S:Eu蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図5】 本発明のカラー発光シートに使用するGd22S:Tb蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図6】 本発明のカラー発光シートに使用するCaWO4蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図7】 本発明のカラー発光シートに使用する混合蛍光体の発光スペクトルの一例を示す図である。
【図8】 本発明で使用されるカラーフィルムの分光感度曲線の一例を示す図である。
【図9】 本発明によるカラーフィルムを用いたX線撮影の感度特性の測定結果を従来のX線用白黒フィルムと比較して示す図である。
【図10】 放射線として熱中性子を用いた際のカラーフィルムの感度特性の測定結果を示す図である。
【図11】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した放射線撮影装置の第2の実施形態の要部構成を模式的に示す図である。
【図12】 本発明のカラーレントゲンシステムを適用した放射線撮影装置の第3の実施形態の要部構成を模式的に示す図である。
【図13】 従来の放射線撮影システムにおける写真濃度と露光量の特性曲線の一例を示す図である。
【符号の説明】
1……被検体,2……X線管,3……X線,4……カラー発光シート,5……カラーフィルム,11……カラーCCDカメラ,12……演算処理装置,14a、14b……ダイクロックミラー,15a、15b、15c……モノクロCCDカメラ

Claims (26)

  1. 被検体に放射線を照射する工程と、
    前記被検体を透過した放射線を、前記放射線により複数色に発光すると共に、同一強度の放射線に対する前記複数色の発光の割合が異なる蛍光体に照射する工程と、
    前記放射線の照射に基づいて前記蛍光体から放射された複数色の発光を、色別に分離して検出する工程と
    を具備することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  2. 請求項1記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体は、可視光領域内の1つの発光色に対応する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、前記発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  3. 請求項2記載のカラーレントゲン方法において、
    前記副発光成分は、前記主発光成分に対して0.1〜90%の範囲の発光割合を有することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  4. 請求項2記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体としてユーロピウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体を用いると共に、前記酸硫化ガドリニウム蛍光体のユーロピウム付活量により前記主発光成分と副発光成分の発光割合を調整することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  5. 請求項2記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体としてユーロピウム付活酸硫化イットリウム蛍光体を用いると共に、前記酸硫化イットリウム蛍光体のユーロピウム付活量により前記主発光成分と副発光成分の発光割合を調整することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  6. 請求項2記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体としてテルビウム付活酸硫化ガドリニウム蛍光体を用いると共に、前記酸硫化ガドリニウム蛍光体のテルビウム付活量により前記主発光成分と副発光成分の発光割合を調整することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  7. 請求項2記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体としてタングステン酸カルシウム蛍光体を用いると共に、前記タングステン酸カルシウム蛍光体中のカルシウムの一部をマグネシウムで置換することにより前記主発光成分と副発光成分の発光割合を調整することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  8. 請求項2記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体として、主に青色に発光する青色発光蛍光体、主に緑色に発光する緑色発光蛍光体、および主に赤色に発光する赤色発光蛍光体から選ばれる少なくとも2種類の蛍光体を混合して用い、前記蛍光体の混合割合により前記主発光成分と副発光成分の発光割合を調整することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  9. 請求項1記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体からの発光をカラーフィルタを通過させることにより、前記複数色の発光の割合を調整することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  10. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載のカラーレントゲン方法において、
    前記光検出工程で、前記蛍光体からの複数色の発光をカラーフィルムで一括して画像化し、この画像から前記複数色の発光に対応する各色信号を分離して検出することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  11. 請求項1ないし請求項9のいずれか1項記載のカラーレントゲン方法において、
    前記光検出工程で、前記蛍光体からの複数色の発光を、光検出素子を用いて色別に分離して検出することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  12. 請求項1記載のカラーレントゲン方法において、
    前記蛍光体として、K吸収端が異なる元素を主成分として含む少なくとも2種類の蛍光体を用い、前記少なくとも2種類の元素のK吸収端間に入るK吸収端を有する物質を検知することを特徴とするカラーレントゲン方法。
  13. 請求項12記載のカラーレントゲン方法において、
    前記少なくとも2種類の蛍光体として、主に青色に発光する青色発光蛍光体、主に緑色に発光する緑色発光蛍光体、および主に赤色に発光する赤色発光蛍光体から選ばれる少なくとも2種類の蛍光体を用いることを特徴とするカラーレントゲン方法。
  14. 請求項1ないし請求項13のいずれか1項記載のカラーレントゲン方法において、
    医療診断用放射線撮影または非破壊検査用放射線撮影に使用されることを特徴とするカラーレントゲン方法。
  15. 被検体に放射線を照射する放射線源と、
    前記被検体を透過した放射線が照射され、前記放射線により複数色に発光すると共に、同一強度の放射線に対する前記複数色の発光の割合が異なる蛍光体を有するカラー発光手段と、
    前記放射線の照射に基づいて前記蛍光体から放射された複数色の発光を、色別に分離して検出する手段と
    を具備することを特徴とするカラーレントゲン装置。
  16. 請求項15記載のカラーレントゲン装置において、
    前記光検出手段は、前記蛍光体からの複数色の発光を一括して画像化するカラーフィルムと、前記カラーフィルム上に形成された画像からRGB信号を分離して個別に検出する手段とを有することを特徴とするカラーレントゲン装置。
  17. 請求項15記載のカラーレントゲン装置において、
    前記光検出手段は、前記蛍光体から放射された複数色の発光を一括して受光するカラーカメラと、前記カラーカメラからの出力信号をRGB信号に分離して個別に検出する手段とを有することを特徴とするカラーレントゲン装置。
  18. 請求項15記載のカラーレントゲン装置において、
    前記光検出手段は、前記蛍光体から放射された複数色の発光を色分離する手段と、前記色分離された各発光を検出する複数の単色カメラとを有することを特徴とするカラーレントゲン装置。
  19. シート基材と、
    前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む単層構造の蛍光体層とを具備し、
    前記蛍光体は0.1〜10mol%の範囲のユーロピウムで付活された酸硫化ガドリニウム蛍光体からなり、前記酸硫化ガドリニウム蛍光体は前記ユーロピウムの付活量により前記主発光成分と副発光成分の発光割合が調整されていることを特徴とするカラー発光シート。
  20. 請求項19記載のカラー発光シートにおいて、
    前記副発光成分は前記主発光成分に対して0.1〜90%の範囲の発光割合を有することを特徴とするカラー発光シート。
  21. シート基材と、
    前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む単層構造の蛍光体層とを具備し、
    前記蛍光体は0.1〜10mol%の範囲のユーロピウムで付活された酸硫化イットリウム蛍光体からなり、前記酸硫化イットリウム蛍光体は前記ユーロピウムの付活量により前記主発光成分と副発光成分の発光割合が調整されていることを特徴とするカラー発光シート。
  22. 請求項21記載のカラー発光シートにおいて、
    前記副発光成分は前記主発光成分に対して0.1〜90%の範囲の発光割合を有することを特徴とするカラー発光シート。
  23. シート基材と、
    前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む単層構造の蛍光体層とを具備し、
    前記蛍光体は0.01〜1mol%の範囲のテルビウムで付活された酸硫化ガドリニウム蛍光体からなり、前記酸硫化ガドリニウム蛍光体は前記テルビウムの付活量により前記主発光成分と副発光成分の発光割合が調整されていることを特徴とするカラー発光シート。
  24. 請求項23記載のカラー発光シートにおいて、
    前記副発光成分は前記主発光成分に対して0.1〜90%の範囲の発光割合を有することを特徴とするカラー発光シート。
  25. シート基材と、
    前記シート基材上に設けられ、放射線に対して主に発光する主発光成分と、前記主発光成分と異なる発光色を有すると共に、同一強度の放射線に対する発光割合が前記主発光成分とは異なる少なくとも1つの副発光成分とを有する蛍光体を含む単層構造の蛍光体層とを具備し、
    前記蛍光体はタングステン酸カルシウム蛍光体からなり、前記タングステン酸カルシウム蛍光体はカルシウムの一部をマグネシウムで置換して前記主発光成分と副発光成分の発光割合が調整されていることを特徴とするカラー発光シート。
  26. 請求項25記載のカラー発光シートにおいて、
    前記副発光成分は前記主発光成分に対して0.1〜90%の範囲の発光割合を有することを特徴とするカラー発光シート。
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