JP2000171598A - 蓄積性蛍光体シートとそれを用いた放射線弁別読取り装置および放射線弁別測定方法 - Google Patents

蓄積性蛍光体シートとそれを用いた放射線弁別読取り装置および放射線弁別測定方法

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JP2000171598A
JP2000171598A JP10344425A JP34442598A JP2000171598A JP 2000171598 A JP2000171598 A JP 2000171598A JP 10344425 A JP10344425 A JP 10344425A JP 34442598 A JP34442598 A JP 34442598A JP 2000171598 A JP2000171598 A JP 2000171598A
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Takeshi Takahara
武 高原
Koyo Fukuda
幸洋 福田
Koichi Nitto
光一 日塔
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄積性蛍光体シートを用いて、複数の放射線
による直接撮影を同時に実施することを可能にすると共
に、各放射線による画像情報などを同時にかつ高感度に
得られるようにする。 【解決手段】 シート基材2と、放射線または電子線の
エネルギーを蓄積し、電磁波により蓄積されたエネルギ
ーを発光として放出する輝尽性蛍光体を含有する蓄積性
発光層3とを具備する蓄積性蛍光体シート1であって、
蓄積性発光層3は発光色が異なる複数の蓄積性蛍光体層
4、5、6の積層構造を有する。複数の放射線のエネル
ギーが蓄積された蓄積性蛍光体シート1には電磁波が照
射され、複数の蓄積性蛍光体層4、5、6に蓄積された
エネルギーが一括して発光として取り出される。このよ
うな発光は各層の発光波長に応じて複数の蓄積性蛍光体
層4、5、6からの各光信号に弁別して検出される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の放射線が混
在する複合放射線から各放射線を弁別して検出する際に
用いられる蓄積性蛍光体シートと、それを用いた放射線
弁別読取り装置および放射線弁別測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線が物質を透過する際には、その構
成物質の種類や形状によって吸収や散乱が異なる。これ
を映像として写真、ビデオ、デジタルファイルなどとし
て記録すれば、物質の状態、変化、充填状況などを把握
することができる。これは一般にX線写真で人体の内部
の状態を診察するのと同様な原理である。このような方
法によれば、測定した物質や試料を破壊せずに内部の状
態を観察することができるため、各種の非破壊検査に応
用されている。
【0003】上記したような検査方法はラジオグラフィ
または非破壊放射線撮影法と呼ばれており、原子力産
業、放射線医療、放射線取扱施設などの放射性物質を取
り扱う産業や研究機関から各種物品の非破壊検査まで、
幅広く応用されるようになってきている。このようなラ
ジオグラフィとしては、従来からX線やγ線を用いたも
のがよく知られているが、これらの放射線は軽元素(原
子番号が小さい元素)をよく透過するため、金属材料に
隠された有機物や水素含有物質などの検査は困難であっ
た。また、硼素と炭素のように近接した原子番号の元素
を識別することも困難であった。
【0004】一方、中性子を用いたラジオグラフィは、
中性子の吸収あるいは散乱断面積が原子番号に依存せ
ず、例えば硼素に対しては吸収が大きいが、炭素に対し
てはそれほど大きくないというように、各々の元素によ
り固有であることから、上記したような金属中の軽元
素、有機物などの非破壊検査や硼素と炭素のように近接
した原子番号の元素の識別を実現することができる。
【0005】中性子ラジオグラフィでは、例えば中性子
を吸収して二次粒子を放出する物質と、二次粒子のエネ
ルギーを蓄積し電磁波により蓄積エネルギーを発光とし
て放出する輝尽性蛍光体とを含む蓄積性発光層を有する
蓄積性蛍光体シートを用いて、中性子情報を画像化する
方法が適用されいる。また、蓄積性蛍光体シートは中性
子ラジオグラフィに限らず、X線やγ線などを用いたラ
ジオグラフィにおいても利用されている。
【0006】上述したように、X線やγ線を用いたラジ
オグラフィと中性子ラジオグラフィはそれぞれ長所を有
することから、これら各ラジオグラフィの長所を生かし
て、加工品や各種物品などの非破壊検査ではX線やγ線
を用いたラジオグラフィと中性子ラジオグラフィとを併
用することが多くなってきている。このような放射線併
用型のラジオグラフィでは、同一試料についてX線やγ
線による検査と中性子による検査をそれぞれ実施しなけ
ればならず、 2回の操作が必要となることから、測定時
間や操作の面で煩雑であるという問題があった。
【0007】一方、特開平 8-29901号公報には蓄積性蛍
光体シートを複数重ねて設置し、放射線照射後に各蓄積
性蛍光体シートからの発光をそれぞれ分けて読み取り、
これら複数の信号を画像処理することによって、画像情
報を得る方法が記載されている。これは、蓄積性蛍光体
シートがX線やγ線に対しても高い感度を示し、 1枚の
蓄積性シートでは中性子の画像情報とX線やγ線の画像
情報を区別することができないためであり、複数の蓄積
性蛍光体シートを積層して中性子データとX線やγ線に
よるデータを取り、これらを画像処理して分離してい
る。
【0008】しかしながら、上記公報に記載されている
方法は、あくまでも中性子ビームにか多く含まれるγ線
などの影響を取り除き、中性子のみによる画像情報を再
生するための方法であり、例えばX線やγ線を用いたラ
ジオグラフィと中性子ラジオグラフィとの併用などにつ
いては十分に考慮されてない。いずれにしても複数の蓄
積性蛍光体シートを積層して用いた場合には、各シート
毎に画像情報を読み取る操作、すなわち重ねている蓄積
性蛍光体シートの枚数分の操作が必要であることから、
測定時間や操作の面で煩雑であるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、蓄積
性蛍光体シートを用いたラジオグラフィは、輝尽性蛍光
体を用いて放射線による信号をカラーセンターとして捕
獲記憶し、読取り装置のレーザー光などで蛍光体を発光
させて画像化するものである。このようなラジオグラフ
ィによれば、中性子に対する感度も反応物質を一緒に混
合することで得ることができ、また明るいところでも作
業ができるというような特徴がある。
【0010】しかしながら、従来の方法ではX線やγ線
の画像と中性子の画像を別々の蓄積性蛍光体シートに撮
影して画像処理をしなければならず、例えばX線やγ線
を用いたラジオグラフィと中性子ラジオグラフィとを併
用した非破壊検査などを迅速にかつ正確に実施すること
は難しいという問題がある。
【0011】このようなことから、蓄積性蛍光体シート
を用いてX線やγ線によるラジオグラフィと中性子線に
よるラジオグラフィなどとを同時に実現可能とすること
が望まれている。また、このような複合放射線を用いた
ラジオグラフィは、X線やγ線と中性子線とが混在する
場合に限られるものではなく、各種の放射線が 2種以上
混在する場合に、各放射線による画像情報などを区別し
て同時に測定することを可能にすることが望まれてい
る。
【0012】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、複数の放射線を用いて同時に直接撮影
することができ、しかも各放射線による画像情報などを
同時にかつ高感度に得られるようにした蓄積性蛍光体シ
ートを提供することを目的としており、またそのような
蓄積性蛍光体シートから複数の画像情報などを同時にか
つ高感度に読み取ることを可能にした放射線弁別読取り
装置、および複数の放射線が混在する場合に各放射線の
エネルギーを同時にかつ高感度に弁別して測定すること
を可能にした放射線弁別測定方法を提供することを目的
としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明では各放射線が例えば種類毎に物質中で
異なる吸収係数で減衰していくことを利用して、発光色
が異なる複数の蓄積性蛍光体層の積層構造を用いてい
る。このような積層構造の蓄積性蛍光体層に複合放射線
を入射したとき、例えばα線のような吸収係数の大きい
放射線は最表面の蛍光体層でほとんど吸収され、γ線や
X線のように吸収係数の小さい放射線は積層構造の蛍光
体層の入射表面から遠い蛍光体層まで達するため、それ
ぞれを区別することができる。また、中性子線のように
物質の捕獲断面積が原子番号の大きさに依存せず、それ
ぞれの元素で固有に決まるような場合には、中性子線に
対して吸収断面積が大きいガドリニウム、硼素、リチウ
ム、ハフニウム、ユーロピウム、ジスプロシウムなどを
混合した蛍光体層を使用することによって、他の放射線
と区別することができる。
【0014】すなわち、本発明の蓄積性蛍光体シート
は、請求項1に記載したように、シート基材と、前記シ
ート基材上に形成され、放射線または電子線のエネルギ
ーを蓄積し、電磁波により前記蓄積されたエネルギーを
発光として放出する輝尽性蛍光体を含有する蓄積性発光
層とを具備する蓄積性蛍光体シートにおいて、前記蓄積
性発光層は発光色が異なる複数の蓄積性蛍光体層の積層
構造を有することを特徴としている。
【0015】本発明の蓄積性蛍光体シートにおいて、各
蓄積性蛍光体層には青色、緑色、赤色などの各色に発光
する輝尽性蛍光体を用いてもよいし、また請求項2に記
載したように、輝尽性蛍光体粒子と発光波長を変換する
蛍光顔料粒子との混合体を用いることもできる。このよ
うな構成によれば、蓄積性(蓄光性)の大きい蛍光体を
発光色に左右されることなく使用することができる。ま
た、このような場合には、請求項3に記載したように、
各蓄積性蛍光体層はシート基材側の発光波長がより長く
なるように配置する。これによって、各蓄積性蛍光体層
からの発光を正確に得ることが可能となる。
【0016】複合放射線が中性子線を含む場合には、請
求項4に記載したように、中性子線に対して吸収断面積
が大きいガドリニウム、硼素、リチウム、ハフニウム、
ユーロピウムおよびジスプロシウムから選ばれる少なく
とも 1種の元素を含有し、中性子線に対して感度をもつ
蓄積性蛍光体層が用いられる。
【0017】本発明の蓄積性蛍光体シートは、典型的に
は請求項5に記載したように、青色発光の第1の蓄積性
蛍光体層と、緑色発光の第2の蓄積性蛍光体層と、赤色
発光の第3の蓄積性蛍光体層の積層構造を有する。この
ような場合において、請求項6に記載したように、第1
の蓄積性蛍光体層にユーロピウムで付活したバリウムフ
ロライド蛍光体を用い、第2の蓄積性蛍光体層にユーロ
ピウムで付活したバリウムフロライド蛍光体と緑色発光
の蛍光顔料との混合体を用い、第3の蓄積性蛍光体層に
ユーロピウムで付活したバリウムフロライド蛍光体と赤
色発光の蛍光顔料との混合体を用いることが好ましい。
ただし、これらの蛍光体もしくは蛍光体と蛍光顔料との
混合体に限られるものではない。
【0018】本発明の放射線弁別読取り装置は、請求項
8に記載したように、複数の放射線のエネルギーが蓄積
された、上記した本発明の蓄積性蛍光体シートに電磁波
を照射し、前記複数の蓄積性蛍光体層に蓄積された前記
エネルギーを一括して発光として放出させる手段と、前
記発光を前記複数の蓄積性蛍光体層の各発光波長に応じ
て分光する手段と、前記分光手段で分光された各光信号
を弁別して読取る複数の光検出手段とを具備することを
特徴としている。
【0019】本発明の放射線弁別読取り装置において、
分光手段には例えば請求項9に記載したように光学フィ
ルタが、もしくは請求項10に記載したように光学プリ
ズムやグレーティングが用いられる。
【0020】本発明の放射線弁別測定方法は、請求項1
1に記載したように、放射線源から放射される放射線を
測定対象物に照射して得られる複数の放射線を、上記し
た本発明の蓄積性蛍光体シートに照射する工程と、前記
複数の放射線に感応させて、前記測定対象物側に位置す
る前記蓄積性蛍光体層にエネルギーを蓄積させると共
に、前記測定対象物側に位置する蓄積性蛍光体層を通過
した放射線に感応させて、前記シート基材側に位置する
少なくとも 1層の蓄積性蛍光体層にエネルギーを蓄積さ
せる工程と、前記蓄積性蛍光体シートに電磁波を照射
し、前記複数の蓄積性蛍光体層に蓄積された前記エネル
ギーを一括して発光として放出させる工程と、前記複数
の蓄積性蛍光体層の各発光波長に応じて、前記発光から
前記複数の蓄積性蛍光体層による各光信号を弁別して検
出する工程とを有することを特徴としている。
【0021】本発明の放射線弁別測定方法は、典型的に
は請求項12に記載したように、第1の蓄積性蛍光体
層、第2の蓄積性蛍光体層および第3の蓄積性蛍光体層
を有する蓄積性蛍光体シートに、測定対象物に照射して
得られる第1の放射線、第2の放射線および第3の放射
線を含む複合放射線を照射し、第1の蓄積性蛍光体層に
は第1、第2および第3の放射線に感応させてエネルギ
ーを蓄積させ、第2の蓄積性蛍光体層には第1の蓄積性
蛍光体層を通過した第2および第3の放射線に感応させ
てエネルギーを蓄積させ、第3の蓄積性蛍光体層には第
2の蓄積性蛍光体層を通過した第3の放射線に感応させ
てエネルギーを蓄積させ、これら第1、第2および第3
の放射線を同時に測定することを特徴としている。
【0022】発光色が異なる複数の蓄積性蛍光体層の積
層構造に複合放射線を照射した場合、複合放射線に含ま
れる各放射線は例えば種類毎に物質中で異なる吸収係数
で減衰していくため、各蓄積性蛍光体層の感度や厚さな
どを制御することによって、各放射線をそれぞれ異なる
蓄積性蛍光体層で止めることができる。そして、これら
複数の蓄積性蛍光体層からの発光を各層の発光波長に応
じて弁別して検出することによって、各放射線を同時に
測定することができる。より具体的には、各放射線によ
る画像情報などを同時にかつ高感度に得ることが可能と
なる。
【0023】この際、放射線の入射面に近い蓄積性蛍光
体層では複数の放射線が吸収されるが、放射線の入射面
から最も遠い蓄積性蛍光体層では単一の放射線のみが吸
収されるため、これら複数の蓄積性蛍光体層の情報から
各放射線の情報を求めることができる。従って、各放射
線による画像情報などを同時にかつ高感度に得ることが
可能となる。
【0024】本発明は放射線の吸収係数の違いのみを利
用しているため、例えばα線、β線およびγ線、あるい
はβ線、中性子線およびγ線というように、種類が異な
る複数の放射線が混在した複合放射線を用いる場合に限
らず、γ線やX線のようにフォトンエネルギーの大きさ
により吸収係数が異なる場合には、例えば高エネルギー
X線と低エネルギーX線のように、フォトンエネルギー
が異なる同種の放射線が混在した複合放射線についても
適用することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0026】本発明の蓄積性蛍光体シートは、発光色の
異なる複数の蓄積性蛍光体層の積層構造を有している。
図1は本発明の蓄積性蛍光体シートの一実施形態の要部
構造を示す図であり、同図を参照して 3層積層構造の蓄
積性蛍光体層を有する蓄積性蛍光体シートについて述べ
る。
【0027】なお、本発明の蓄積性蛍光体シートにおけ
る蓄積性蛍光体層は 3層積層構造に限られるものではな
く、蓄積性蛍光体層の積層数は測定対象の複合放射線に
含まれる放射線の種類や測定対象とする放射線の数など
に応じて適宜設定されるものである。本発明における蓄
積性蛍光体層は 2層積層構造であってもよいし、また4
層以上の蓄積性蛍光体層の積層構造とすることも可能で
ある。
【0028】図1に示す蓄積性蛍光体シート1は、プラ
スチックなどからなる可撓性のシート基材2を有してお
り、このシート基材2上に 3層積層構造を有する蓄積性
発光層3が設けられている。
【0029】すなわち、蓄積性発光層3は放射線入射面
側から順に第1の蓄積性蛍光体層4、第2の蓄積性蛍光
体層5および第3の蓄積性蛍光体層6が積層された構造
を有している。言い換えると、シート基材2上には第3
の蓄積性蛍光体層6が設けられ、その上には第2の蓄積
性蛍光体層5が設けられ、さらにその上には第1の蓄積
性蛍光体層4が設けられている。最表面の第1の蓄積性
蛍光体層4上には、蛍光体層の保護のために可視光線に
対して透明な保護膜を設けることができる。
【0030】各蓄積性蛍光体層4、5、6は、放射線ま
たは電子線のエネルギーを蓄積し、赤外線やレーザー光
などの電磁波により蓄積されたエネルギーを発光として
放出する輝尽性蛍光体を含有するものであり、それぞれ
発光色が異なるように構成されている。この際、各蓄積
性蛍光体層4、5、6の発光色は、それ自体の発光波長
が異なる輝尽性蛍光体を使用して異ならせる場合に限ら
ず、蛍光体粒子と発光波長を変換する蛍光顔料粒子とを
組合せて使用することによって、各蓄積性蛍光体層4、
5、6の発光色を変化させてもよい。
【0031】ここで、蛍光顔料はその発光色と類似の体
色を呈しており、発光波長より短波長の光は吸収して発
光する。このため、蓄積性蛍光体層4、5、6に輝尽性
蛍光体粒子と蛍光顔料粒子との混合体を使用する場合に
は、シート基材2側の発光波長がより長くなるように、
各蓄積性蛍光体層4、5、6を配置する。
【0032】3層積層構造を有する蓄積性発光層3にお
いて、例えば第1の蓄積性蛍光体層4には青色発光の輝
尽性蛍光体が用いられ、第2の蓄積性蛍光体層5には緑
色発光の輝尽性蛍光体が、第3の蓄積性蛍光体層6には
赤色発光の輝尽性蛍光体が用いられる。これら各蓄積性
蛍光体層4、5、6には、上記したように輝尽性蛍光体
粒子と発光波長を変換する蛍光顔料粒子との混合体を用
いてもよい。
【0033】青色発光の輝尽性蛍光体としては、ユーロ
ピウムで付活したバリウムフロライド蛍光体(BaF
X:Eu(XはCl、BrおよびIから選ばれる少なく
とも 1種の元素を示す)、Y2 SiO5 :Ce、Sr
S:Ce,Smなどを用いることができる。これらのう
ち、特にBaFX:Eu蛍光体は輝尽発光輝度が大きい
ことから、本発明に用いる輝尽性蛍光体として好適であ
る。緑色発光の輝尽性蛍光体としてはZnS:Cu、Z
2 SiO4 :Mnなどが、また赤色発光の輝尽性蛍光
体としてはCaS:Eu,Smなどが用いられる。
【0034】なお、これら以外にも互いに発光色が区別
できるものであれば、種々の発光色の輝尽性蛍光体を用
いることができる。例えば、青色発光の輝尽性蛍光体に
代えて紫外線に近い紫発光の輝尽性蛍光体を用いたり、
また緑色発光の輝尽性蛍光体に代えて黄色発光などの輝
尽性蛍光体を用いることができる。
【0035】蓄積性蛍光体層4、5、6は、上述したよ
うに輝尽性蛍光体粒子と発光波長を変換する蛍光顔料粒
子との混合体で構成してもよい。この際の輝尽性蛍光体
としては、上記した輝尽発光輝度が大きいBaFX:E
u蛍光体を用いることが好ましい。このような青色発光
の輝尽性蛍光体を主とし、これに緑色発光や赤色発光の
蛍光顔料などを混合して発光波長を変換することによっ
て、より長波長の緑色、赤色などの発光色の蓄積性蛍光
体層5、6を構成することができる。
【0036】上記したような蛍光顔料は、例えば蛍光染
料を透明な合成樹脂に均一に溶解させることによって得
られる。染料の担体となる樹脂には、ポリメタクリル酸
エステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、アルキド樹脂、芳香族スルフォンアミド樹脂、
ユリア樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂など
が用いられる。また、蛍光染料としては、クマリン系、
ローダミン系、スルフォローダミン系、DCM、スチリ
ル系、パイロメタン系などの有機化合物を用いることが
できる。緑色蛍光顔料に用いる蛍光染料としてはブリリ
アントスルフォフラビンFFを、また赤色蛍光顔料に用
いる蛍光染料としてはローダミンBを用いることが好ま
しい。
【0037】また、蓄積性蛍光体層4、5、6のいずれ
かに中性子線に対して感度を持たせる場合には、対象と
なる蓄積性蛍光体層(例えば蛍光体層5)に、中性子線
に対して吸収断面積が大きいガドリニウム、硼素、リチ
ウム、ハフニウム、ユーロピウムおよびジスプロシウム
から選ばれる少なくとも 1種の元素を含有させる。これ
によって、中性子線に対して感度をもつ蓄積性蛍光体層
が得られる。
【0038】上述したような第1、第2および第3の蓄
積性蛍光体層4、5、6には、図2に示すように、例え
ば放射線源から放射される放射線を測定対象物に照射し
て得られる複数の放射線を含む複合放射線7が照射され
る。放射線は種類やフォトンエネルギーの違いなどに基
づいて物質中で異なる吸収係数で減衰していくため、各
蓄積性蛍光体層4、5、6は複合放射線7中に含まれる
各放射線に対して個別に感度が高くなるように設計す
る。
【0039】ここで、複合放射線7を構成する各放射線
の種類や数は特に限定されるものではなく、α線、β
線、γ線、X線、中性子線などの各種放射線を 2種以上
含んでいればよい。また、上記したように本発明は放射
線の吸収係数の違いのみを利用しているため、γ線やX
線のようにフォトンエネルギーの大きさにより吸収係数
が異なる場合には、例えば高エネルギーX線と低エネル
ギーX線のように、フォトンエネルギーが異なる同種の
放射線が混在した複合放射線についても適用することが
できる。
【0040】複合放射線7が第1の放射線7a、第2の
放射線7bおよび第3の放射線7cを含む場合、最表面
側に位置する第1の蓄積性蛍光体層4はこれらのうち吸
収係数が 1番大きい第1の放射線7aに対して感度が高
くなるように設計する。しかし、厳密には吸収係数の小
さい放射線7bや放射線7cに対しても感度があり、多
少かぶった結果が得られる。そこで、第1の蓄積性蛍光
体層4の厚さは第1の放射線7aがほぼ100%止められる
ように設計する。第1の放射線7aがα線の場合には、
厚さを数μm 程度とすればよい。β線の場合には数10μ
m 程度の厚さが必要になる。
【0041】第2の蓄積性蛍光体層5は、第1の蓄積性
蛍光体層4を透過してきた第2の放射線7bおよび第3
の放射線7cに対して、特に第1の放射線7aに次いで
吸収係数が大きい第2の放射線7bに対して感度が高く
なるように設計する。第2の放射線7bがβ線や中性子
線の場合には、第2の蓄積性蛍光体層5の厚さは数10μ
m 程度で十分である。
【0042】第3の蓄積性蛍光体層6は、吸収係数が 1
番小さい第3の放射線7cに対して感度が高くなるよう
に設計する。第3の放射線7cがγ線の場合には、その
厚さが厚いほど感度は大きくなるが、蛍光体層での発光
の散乱のために画像にボケが生じるおそれがあるため、
これを考慮した厚さとすることが好ましい。
【0043】このような 3層積層構造の蓄積性発光層3
によれば、第1の蓄積性蛍光体層4では第1、第2およ
び第3の放射線7a、7b、7cに感応してエネルギー
が蓄積され、第2の蓄積性蛍光体層5では第1の蓄積性
蛍光体層5を通過した第2および第3の放射線7b、7
cに感応してエネルギーが蓄積され、第3の蓄積性蛍光
体層6では第2の蓄積性蛍光体層5を通過した第3の放
射線7cに感応してエネルギーが蓄積される。
【0044】蓄積性蛍光体シート1に照射する複合放射
線7としては、例えば第1の放射線7aがα線、第2の
放射線7bがβ線、第3の放射線7cがγ線という組合
せ、あるいは第1の放射線7aがβ線、第2の放射線7
bが中性子線、第3の放射線7cがγ線という組合せな
どが挙げられる。また、フォトンエネルギーが異なるγ
線やX線であってもよい。これら複数の放射線7a、7
b、7cの強度やそれらに基づく画像情報などを、各蓄
積性蛍光体層4、5、6からの発光を弁別して検出する
ことにより同時に測定することができる。
【0045】上述した各蓄積性蛍光体層4、5、6に蓄
積されたエネルギーは、後述する放射線弁別読取り装置
を用いて発光として放出させ、各蓄積性蛍光体層4、
5、6の発光波長に応じて弁別して検出される。放射線
照射後の画像情報などを蓄積した蓄積性蛍光体シート1
の読み取りは、具体的には図3に示すような放射線弁別
読取り装置10を用いて行われる。
【0046】図3に示す放射線弁別読取り装置10にお
いて、蓄積性蛍光体シート1は駆動ステージ11上に載
置される。蓄積性蛍光体シート1には、光源12から出
射された赤外線、赤色レーザー光などの電磁波13が照
射される。電磁波13はピエゾ駆動ミラー14によって
走査され、かつ駆動ステージ11により蓄積性蛍光体シ
ート1を移動させることによって、蓄積性蛍光体シート
1の全面に電磁波13が照射される。図中15は反射ミ
ラーである。
【0047】蓄積性蛍光体シート1に電磁波13を照射
すると、各蓄積性蛍光体層4、5、6に蓄積された画像
情報などを含むエネルギーが一括して発光として取り出
される。このように、電磁波13の照射機構は蓄積性蛍
光体層4、5、6に蓄積されたエネルギーを発光として
放出させる手段として機能するものである。
【0048】ここで、蓄積性蛍光体シート1から取り出
された発光は、第1、第2および第3の蓄積性蛍光体層
4、5、6からの各発光を含んでおり、例えば 3色の混
合データである。そこで、第1、第2および第3の蓄積
性蛍光体層4、5、6からの各発光を含む混合発光は、
集光体16を介して波長分離器17に送られる。分光手
段としての波長分離器17において、混合発光は第1、
第2および第3の蓄積性蛍光体層4、5、6の各発光波
長に応じて分離される。
【0049】波長分離器17には、特定の波長(蓄積性
蛍光体層4、5、6の各発光波長)を透過する光学フィ
ルタ、あるいは光学プリズムやグレーティング(回折格
子)が用いられる。光学フィルタとしては金属干渉フィ
ルタ、誘電体の多層膜によるダイクロイックフィルタ、
色ガラスフィルタ、バンドパスフィルタなどを使用する
ことができる。
【0050】波長分離器17で分離(分光)された各光
信号は、各蓄積性蛍光体層4、5、6の発光波長に応じ
た複数の光検出器18、19、20でそれぞれ検出され
る。光検出器18、19、20で検出された各信号に
は、各蓄積性蛍光体層4、5、6に蓄積されたエネルギ
ーに基づいてそれぞれ画像情報などが含まれている。こ
れら画像情報を含む各信号は信号取込み部21を介して
信号処理部22に送られ、ここで信号処理されて画像再
生部23で例えば同時に再生される。一般に、カラーテ
レビなどのカラー信号は、RGB信号として情報が読み
取られて表示される。従って、RGBそれぞれの信号と
して見ることができる。
【0051】ここで、第1の蓄積性蛍光体層4からの光
信号(青色信号)をZ1 、第2の蓄積性蛍光体層5から
の光信号(緑色信号)をZ2 、第3の蓄積性蛍光体層6
からの光信号(赤色信号)をZ3 とし、また第1の放射
線7aによる画像情報をZA、第2の放射線7bによる
画像情報をZB 、第3の放射線7cによる画像情報をZ
C とすると、各蓄積性蛍光体層4、5、6の光信号
1 、Z2 、Z3 から各放射線7a、7b、7cによる
画像情報ZA 、ZB 、ZC を、以下のようにして得るこ
とができる。
【0052】例えば、第1の蓄積性蛍光体層4からの光
信号Z1 中には、主として第1の放射線7aの画像情報
A が含まれているが、第2の放射線7bの画像情報Z
B と第3の放射線7cの画像情報ZC も含まれている。
同様に、第2の蓄積性蛍光体層5からの光信号Z2
は、主として第2の放射線7bの画像情報ZB が含まれ
ているが、第3の放射線7cの画像情報ZC も含まれて
いる。
【0053】これらのことを式で表すと、以下のように
表される。
【0054】 Z1 =pZA +qZB +rZc …(1) Z2 =sZB +tZc …(2) Z3 =uZc …(3) ここで、係数p、q、r、s、t、uは、各蓄積性蛍光
体層4、5、6における各放射線7a、7b、7cの発
光に対する寄与率を表すものである。上記したZA 、Z
B 、Zc についての式((1)式〜 (3)式)を解くことによ
って、第1の放射線7aによる画像情報ZA 、第2の放
射線7bによる画像情報ZB 、第3の放射線7cによる
画像情報ZC を同時に求めることができる。
【0055】このように、発光色が異なる複数の蓄積性
蛍光体層(例えば第1、第2および第3の蓄積性蛍光体
層4、5、6)の積層構造を有する蓄積性蛍光体シート
1を用いることによって、複合放射線7による直接撮影
を同時に実施することができる。この際、複合放射線7
に含まれる各放射線(例えば第1、第2および第3の放
射線7a、7b、7c)の吸収係数の違いを利用するこ
とによって、各放射線7a、7b、7cを異なる蓄積性
蛍光体層で止めることができるため、それぞれの情報を
個別に蓄積性蛍光体層4、5、6に蓄積することが可能
となる。
【0056】そして、複数の蓄積性蛍光体層4、5、6
に蓄積されたエネルギーは、一括して混合発光として取
り出すことができ、さらに混合発光として取り出される
複数の蓄積性蛍光体層4、5、6からの光信号は、それ
ぞれ発光色が区別されているため、各蓄積性蛍光体層
4、5、6の発光波長に応じて分光することができる。
従って、これら各蓄積性蛍光体層4、5、6からの光信
号(発光)を弁別して検出することによって、複数の放
射線7a、7b、7cの各情報を同時に測定することが
可能となる。
【0057】この際、各蓄積性蛍光体層4、5、6から
の発光に含まれる情報は、上述したように各層の感度や
厚さなどにより制御されているため、複数の蓄積性蛍光
体層4、5、6の光信号から各放射線7a、7b、7c
の情報を同時に求めることができる。従って、各放射線
7a、7b、7cによる画像情報などを同時にかつ高感
度に得ることが可能となる。
【0058】このように、発光色が異なる複数の蓄積性
蛍光体層の積層構造を有する蓄積性蛍光体シートを用い
て、複数の放射線が混在する複合放射線による直接撮影
を行うと共に、各放射線のエネルギーを同時にかつ高感
度に弁別して検出、測定することによって、例えばX線
やγ線を用いたラジオグラフィと中性子線ラジオグラフ
ィとを併用したラジオグラフィ(非破壊検査など)のよ
うに、放射線併用型のラジオグラフィを迅速にかつ正確
に実施することが可能となる。
【0059】また、放射線併用型のラジオグラフィに限
らず、例えば中性子線による情報に混入するX線やγ線
の情報を取り除き、より正確な中性子線ラジオグラフィ
を実現するなど、複合放射線から目的とする放射線の情
報のみを正確にかつ迅速に取り出すことが可能となる。
さらに、非破壊検査などとして利用されるラジオグラフ
ィに限らず、複合放射線に含まれる各放射線の強度測定
などにも適用可能であり、本発明は原子力産業、放射線
医療、放射線取扱施設などの放射性物質を取り扱う産業
や研究機関から各種物品の非破壊検査まで幅広く応用す
ることが可能である。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の蓄積性蛍
光体シートによれば、複数の放射線による同時撮影が可
能であり、かつ各放射線のエネルギーや各放射線による
画像情報などを同時にかつ高感度に得ることが可能とな
る。また、本発明の放射線弁別読取り装置によれば、上
記したような本発明の蓄積性蛍光体シートから複数の画
像情報などを同時にかつ高感度に読み取ることができ
る。さらに、本発明の放射線弁別測定方法によれば、複
数の放射線が混在する場合に各放射線のエネルギーや各
放射線による画像情報などを同時にかつ高感度に弁別し
て測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蓄積性蛍光体シートの一実施形態の
要部構造を示す断面図である。
【図2】 図1に示す蓄積性蛍光体シートに複合放射線
を照射した場合の各放射線の吸収を説明するための図で
ある。
【図3】 本発明の放射線弁別読取り装置の一実施形態
の概略構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1……蓄積性蛍光体シート 2……シート基材 3……蓄積性発光層 4、5、6……蓄積性蛍光体層 7……複合放射線 10……放射線弁別読取り装置 12……光源 17……波長分離器 18、19、20……光検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 日塔 光一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 2G083 AA03 AA09 BB04 BB10 CC02 CC07 DD02 DD06 DD11 DD13 DD16 DD17 DD18 DD20 EE10

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シート基材と、前記シート基材上に形成
    され、放射線または電子線のエネルギーを蓄積し、電磁
    波により前記蓄積されたエネルギーを発光として放出す
    る輝尽性蛍光体を含有する蓄積性発光層とを具備する蓄
    積性蛍光体シートにおいて、 前記蓄積性発光層は、発光色が異なる複数の蓄積性蛍光
    体層の積層構造を有することを特徴とする蓄積性蛍光体
    シート。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の蓄積性蛍光体シートにお
    いて、 前記蓄積性発光層は、少なくとも 1層の前記蓄積性蛍光
    体層として、輝尽性蛍光体粒子と発光波長を変換する蛍
    光顔料粒子との混合層を有することを特徴とする蓄積性
    蛍光体シート。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の蓄積性蛍光体シートにお
    いて、 前記複数の蓄積性蛍光体層は、前記シート基材側の発光
    波長がより長くなるように配置されていることを特徴と
    する蓄積性蛍光体シート。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の蓄積性蛍光体シートにおいて、 前記蓄積性発光層は、中性子線に対して吸収断面積が大
    きいガドリニウム、硼素、リチウム、ハフニウム、ユー
    ロピウムおよびジスプロシウムから選ばれる少なくとも
    1種の元素を含有し、中性子線に対して感度をもつ前記
    蓄積性蛍光体層を有することを特徴とする蓄積性蛍光体
    シート。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の蓄積性蛍光体シートにおいて、 前記蓄積性発光層は、青色発光の第1の蓄積性蛍光体層
    と、緑色発光の第2の蓄積性蛍光体層と、赤色発光の第
    3の蓄積性蛍光体層とを有することを特徴とする蓄積性
    蛍光体シート。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の蓄積性蛍光体シートにお
    いて、 前記第1の蓄積性蛍光体層はユーロピウムで付活したバ
    リウムフロライド蛍光体を含有し、前記第2の蓄積性蛍
    光体層はユーロピウムで付活したバリウムフロライド蛍
    光体と緑色発光の蛍光顔料との混合体を含有し、前記第
    3の蓄積性蛍光体層はユーロピウムで付活したバリウム
    フロライド蛍光体と赤色発光の蛍光顔料との混合体を含
    有することを特徴とする蓄積性蛍光体シート。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれか1項
    記載の蓄積性蛍光体シートにおいて、 前記蓄積性発光層には複数の放射線が混在した複合放射
    線が照射されることを特徴とする蓄積性蛍光体シート。
  8. 【請求項8】 複数の放射線のエネルギーが蓄積され
    た、請求項1ないし請求項6のいずれか1項記載の蓄積
    性蛍光体シートに電磁波を照射し、前記複数の蓄積性蛍
    光体層に蓄積された前記エネルギーを一括して発光とし
    て放出させる手段と、 前記発光を前記複数の蓄積性蛍光体層の各発光波長に応
    じて分光する手段と、 前記分光手段で分光された各光信号を弁別して読取る複
    数の光検出手段と を具備することを特徴とする放射線弁別読取り装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の放射線弁別読取り装置に
    おいて、 前記分光手段は、光学フィルタを有することを特徴とす
    る放射線弁別読取り装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載の放射線弁別読取り装置
    において、 前記分光手段は、光学プリズムまたはグレーティングを
    有することを特徴とする放射線弁別読取り装置。
  11. 【請求項11】 放射線源から放射される放射線を測定
    対象物に照射して得られる複数の放射線を、請求項1な
    いし請求項6のいずれか1項記載の蓄積性蛍光体シート
    に照射する工程と、 前記複数の放射線に感応させて、前記測定対象物側に位
    置する前記蓄積性蛍光体層にエネルギーを蓄積させると
    共に、前記測定対象物側に位置する蓄積性蛍光体層を通
    過した放射線に感応させて、前記シート基材側に位置す
    る少なくとも 1層の蓄積性蛍光体層にエネルギーを蓄積
    させる工程と、 前記蓄積性蛍光体シートに電磁波を照射し、前記複数の
    蓄積性蛍光体層に蓄積された前記エネルギーを一括して
    発光として放出させる工程と、 前記複数の蓄積性蛍光体層の各発光波長に応じて、前記
    発光から前記複数の蓄積性蛍光体層による各光信号を弁
    別して検出する工程とを有することを特徴とする放射線
    弁別測定方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の放射線弁別測定方法
    において、 第1の蓄積性蛍光体層、第2の蓄積性蛍光体層および第
    3の蓄積性蛍光体層を有する前記蓄積性蛍光体シート
    に、前記測定対象物に照射して得られる第1の放射線、
    第2の放射線および第3の放射線を含む複合放射線を照
    射し、 前記第1の蓄積性蛍光体層には前記第1、第2および第
    3の放射線に感応させてエネルギーを蓄積させ、前記第
    2の蓄積性蛍光体層には前記第1の蓄積性蛍光体層を通
    過した第2および第3の放射線に感応させてエネルギー
    を蓄積させ、前記第3の蓄積性蛍光体層には前記第2の
    蓄積性蛍光体層を通過した第3の放射線に感応させてエ
    ネルギーを蓄積させることを特徴とする放射線弁別測定
    方法。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の放射線弁別測定方法
    において、 前記第1の放射線としてα線、前記第2の放射線として
    β線、および前記第3の放射線としてγ線を用い、前記
    第1、第2および第3の蓄積性蛍光体層からの各光信号
    を弁別して検出することにより、前記α線、β線および
    γ線を同時に測定することを特徴とする放射線弁別測定
    方法。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の放射線弁別測定方法
    において、 前記第1の放射線としてβ線、前記第2の放射線として
    中性子線、および前記第3の放射線としてγ線を用い、
    前記第1、第2および第3の蓄積性蛍光体層からの各光
    信号を弁別して検出することにより、前記β線、中性子
    線およびγ線を同時に測定することを特徴とする放射線
    弁別測定方法。
  15. 【請求項15】 請求項11記載の放射線弁別測定方法
    において、 前記複数の放射線としてフォトンエネルギーが異なるX
    線またはγ線を用い、前記複数の蓄積性蛍光体層からの
    各光信号をフォトンエネルギー毎に弁別して検出するこ
    とにより、前記フォトンエネルギーが異なるX線または
    γ線を同時に測定することを特徴とする放射線弁別測定
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項11ないし請求項15のいずれ
    か1項記載の放射線弁別測定方法において、 前記複数の蓄積性蛍光体層からの各光信号を弁別して検
    出することにより、前記複数の放射線による画像情報を
    同時に認識することを特徴とする放射線弁別測定方法。
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