JP3015685B2 - 輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法 - Google Patents
輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は原子力プラントおよび放
射線を利用した計測に係わる産業分野で、プロトン、中
性子線、α線、β線、γ線、Χ線、高エネルギ粒子の計
測あるいは複合放射線の計測を必要とする産業分野で使
用される輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法に関
するものである。
射線を利用した計測に係わる産業分野で、プロトン、中
性子線、α線、β線、γ線、Χ線、高エネルギ粒子の計
測あるいは複合放射線の計測を必要とする産業分野で使
用される輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法に関
するものである。
【0002】PSL(PHOTO−STIMULATE
D LUMINESCENCE FLUORESCEN
T LIGHT、輝尽性発光)を利用したIP(IMA
GING PLATE、イメージング・プレート)は、
放射線計測に広く利用されてきている。
D LUMINESCENCE FLUORESCEN
T LIGHT、輝尽性発光)を利用したIP(IMA
GING PLATE、イメージング・プレート)は、
放射線計測に広く利用されてきている。
【0003】PSL物質を利用したIPは、ラジオルミ
ノグラフィのために開発された再利用可能な光電フィル
ムで、例えばBaFX:Eu2+ (Xはハロゲン元素、
例えばBr)などの輝尽性蛍光体が薄いプラスチック板
に塗布されている。PSL物質の輝尽性発光現象は、放
射線などの刺激を中断してシンチレーション発光が消え
た後に、この発光波長よりも長波長の光を照射すること
により発光が一時的に強くなる現象である。輝尽励起蛍
光体は青紫色の光を発する。これはPSL物質に微量に
ドーピングされているカラーセンタ(発光センタ)のB
u2+ に依存している。この発光強度は、放射線による
刺激の後に照射する光の波長によって変化することが知
られている。この輝尽発光強度の波長依存性は輝尽励起
スペクトルと呼ばれ、600nmで最も効率的に得られ
る。
ノグラフィのために開発された再利用可能な光電フィル
ムで、例えばBaFX:Eu2+ (Xはハロゲン元素、
例えばBr)などの輝尽性蛍光体が薄いプラスチック板
に塗布されている。PSL物質の輝尽性発光現象は、放
射線などの刺激を中断してシンチレーション発光が消え
た後に、この発光波長よりも長波長の光を照射すること
により発光が一時的に強くなる現象である。輝尽励起蛍
光体は青紫色の光を発する。これはPSL物質に微量に
ドーピングされているカラーセンタ(発光センタ)のB
u2+ に依存している。この発光強度は、放射線による
刺激の後に照射する光の波長によって変化することが知
られている。この輝尽発光強度の波長依存性は輝尽励起
スペクトルと呼ばれ、600nmで最も効率的に得られ
る。
【0004】このPSL物質をポリエステルの支持体に
塗布した厚さ1mm弱のフレキシブルな板がIPであ
る。IPは、α線、β線、γ線、その他の放射線に感度
があるために、医療診断、オートラジオグラフィ、X線
回析、放射性物質汚染検査、天然放射性物質の測定、環
境分析や物質構造解析などに広く利用されている。輝尽
性蛍光体の表面の防護膜を除去すれば、トリチウム計測
にも利用できる。
塗布した厚さ1mm弱のフレキシブルな板がIPであ
る。IPは、α線、β線、γ線、その他の放射線に感度
があるために、医療診断、オートラジオグラフィ、X線
回析、放射性物質汚染検査、天然放射性物質の測定、環
境分析や物質構造解析などに広く利用されている。輝尽
性蛍光体の表面の防護膜を除去すれば、トリチウム計測
にも利用できる。
【0005】コンピューテッド・ラジオグラフィ(C
R)において放射線照射によってIPのPSL物質に蓄
積される潜像は、励起光源として通常633nmのHe
−Neレーザースキャナーを用いて、約390nmの蛍
光発光を強度の形で読み出され、コンピュータで信号処
理をかけた後に2次元のドットイメージとして出力され
る。励起光を照射すれば直ちに輝尽発光が生じ、中止と
共に発光はとまる。しかし、直ちに発光が無くなるわけ
ではなく、PSL物質の発光過程に応じた減衰特性をも
って徐々に消えていく。このフォトブリーチングの減衰
特性は重要である。つまり、光ファイバ束などの集光ガ
イドで読み取る場合、減衰特性が悪いとノイズとなり画
質を落とすことになるからである。従ってCRにおける
PSL物質の特性は上記の二つの波長が好ましい特長と
なっているとともに、フォトブリーチングの後の早い減
衰特性がもう一つの好ましい特長である。PSL物質に
はもう一つのフェーディングという特長がある。これ
は、放射線照射により輝尽性蛍光発光結晶中で一次励起
により光電子が発生し、この電子が結晶中のカラーセン
タ(F中心)に捕獲されるが、時間の経過と共に熱的な
リラクゼーションを起こし輝尽発光に寄与しなくなる現
象である。CRではこのために、潜像読み取りまでの経
過時間が重要なパラメータになっている。
R)において放射線照射によってIPのPSL物質に蓄
積される潜像は、励起光源として通常633nmのHe
−Neレーザースキャナーを用いて、約390nmの蛍
光発光を強度の形で読み出され、コンピュータで信号処
理をかけた後に2次元のドットイメージとして出力され
る。励起光を照射すれば直ちに輝尽発光が生じ、中止と
共に発光はとまる。しかし、直ちに発光が無くなるわけ
ではなく、PSL物質の発光過程に応じた減衰特性をも
って徐々に消えていく。このフォトブリーチングの減衰
特性は重要である。つまり、光ファイバ束などの集光ガ
イドで読み取る場合、減衰特性が悪いとノイズとなり画
質を落とすことになるからである。従ってCRにおける
PSL物質の特性は上記の二つの波長が好ましい特長と
なっているとともに、フォトブリーチングの後の早い減
衰特性がもう一つの好ましい特長である。PSL物質に
はもう一つのフェーディングという特長がある。これ
は、放射線照射により輝尽性蛍光発光結晶中で一次励起
により光電子が発生し、この電子が結晶中のカラーセン
タ(F中心)に捕獲されるが、時間の経過と共に熱的な
リラクゼーションを起こし輝尽発光に寄与しなくなる現
象である。CRではこのために、潜像読み取りまでの経
過時間が重要なパラメータになっている。
【0006】IPは、放射線検出に関して高感度な著し
い特長を持っている。例えば、広い検出エリア(現状の
上限は35cm×43cm)、高い空間分解能(50〜
100μm)、高いSN比で高感度(X線フィルムの1
00〜1000倍)、長時間の照射蓄積効果、リニアリ
ティ、非常に広いダイナミックレンジ(105 )、そし
て蓄積消去・再利用が容易であることなどである。
い特長を持っている。例えば、広い検出エリア(現状の
上限は35cm×43cm)、高い空間分解能(50〜
100μm)、高いSN比で高感度(X線フィルムの1
00〜1000倍)、長時間の照射蓄積効果、リニアリ
ティ、非常に広いダイナミックレンジ(105 )、そし
て蓄積消去・再利用が容易であることなどである。
【0007】従来、以下のようなPSL物質を用いた粒
子同定技術に関する様々な具体的方法があった。 (1)スミヤ表面汚染検査法(JIS 4504) 軸体上の放射線汚染物質を人手によりろ紙でふき取りテ
ストする方法。 (2)吸収膜法 線源とPSL物質との間に種々の厚さの吸収体を挿入す
る方法で、多くの種類について照射と観察を繰り返し、
放射線の減衰によるPSL強度の減少の割合を測定す
る。この減少割合から放射線の種類やエネルギーを推定
できる。
子同定技術に関する様々な具体的方法があった。 (1)スミヤ表面汚染検査法(JIS 4504) 軸体上の放射線汚染物質を人手によりろ紙でふき取りテ
ストする方法。 (2)吸収膜法 線源とPSL物質との間に種々の厚さの吸収体を挿入す
る方法で、多くの種類について照射と観察を繰り返し、
放射線の減衰によるPSL強度の減少の割合を測定す
る。この減少割合から放射線の種類やエネルギーを推定
できる。
【0008】(3)スタック法 PSL物質を複数重ねて同時に放射線照射した後、一枚
一枚のPSL物質を分離して計測する方法である。すな
わち、PSL物質自身に吸収体の役割をもたせ、線源に
最も近い一枚目のPSL物質のPSL強度と2枚目以降
のPSL強度の比を計測することにより、線種とエネル
ギーを弁別計測しようとするものである。
一枚のPSL物質を分離して計測する方法である。すな
わち、PSL物質自身に吸収体の役割をもたせ、線源に
最も近い一枚目のPSL物質のPSL強度と2枚目以降
のPSL強度の比を計測することにより、線種とエネル
ギーを弁別計測しようとするものである。
【0009】(4)退色法 PSL物質をレーザービームで一度読み取った後も潜像
が残るので、これを複数回繰り返してそれぞれのPSL
強度の比をとると放射線の種類やエネルギーに依存した
結果が得られる。これを実験的に繰り返し経験式として
整理することにより、線種やエネルギーを推定しようと
するものである。
が残るので、これを複数回繰り返してそれぞれのPSL
強度の比をとると放射線の種類やエネルギーに依存した
結果が得られる。これを実験的に繰り返し経験式として
整理することにより、線種やエネルギーを推定しようと
するものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、すでに
述べてきたようにIPでは放射線核種の種類やエネルギ
ーを推定することは困難であった。また、多種の放射線
が混合した場合に対して線種を弁別する方法としては、
線源との間にマイラー膜などの放射線吸収体を入れると
か、IPの潜像の読み出しを複数回行うなどが提案され
てきたが、この方法はかなり煩雑な手数を要し、自動
化、装置化には困難があった。
述べてきたようにIPでは放射線核種の種類やエネルギ
ーを推定することは困難であった。また、多種の放射線
が混合した場合に対して線種を弁別する方法としては、
線源との間にマイラー膜などの放射線吸収体を入れると
か、IPの潜像の読み出しを複数回行うなどが提案され
てきたが、この方法はかなり煩雑な手数を要し、自動
化、装置化には困難があった。
【0011】また、前記(1)のスミヤ表面汚染検査法は
人手によるため、その強さ、時間などでバラツキがでる
ため、計量化の精度が低かった。
人手によるため、その強さ、時間などでバラツキがでる
ため、計量化の精度が低かった。
【0012】また、前記(2)の吸収膜法では、線源強度
が弱い場合には長時間の露出を数回にわたって繰り返す
必要があるために実用化には難があった。
が弱い場合には長時間の露出を数回にわたって繰り返す
必要があるために実用化には難があった。
【0013】また、(3) のスタッフ法ではα線や低エネ
ルギーβ線は2枚目以降のPSL物質に到達しないため
に、線種相互の区別はできなかった。
ルギーβ線は2枚目以降のPSL物質に到達しないため
に、線種相互の区別はできなかった。
【0014】さらに、(4) の退色法は、線種、粒子エネ
ルギー、蓄積光の輝度、温度依存性などまだまだ未知で
あることが多く実用性に欠けていた。
ルギー、蓄積光の輝度、温度依存性などまだまだ未知で
あることが多く実用性に欠けていた。
【0015】本発明は前述した事情に鑑みてなされたも
のであり、PSL物質の優れた特性を生かし、粒子同定
の手法に適した、輝尽発光物質を利用した放射線種弁別
方法を提供せんとするものである。
のであり、PSL物質の優れた特性を生かし、粒子同定
の手法に適した、輝尽発光物質を利用した放射線種弁別
方法を提供せんとするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、所定の色素が輝尽発光(PSL)物質に
添加されたIPに各種の放射線が照射され、このIPに
所定時間白色光をあてた後、このIPに同一分光器で発
生させた計測すべき数種の放射線種に特有な数種の波長
の光を順次照射しつつ、そのIPが発生する蛍光のそれ
ぞれの発光強度を測定し、前記数種の放射線種に特有な
波長の光を照射した時にIPが発生する蛍光の発光強度
と、一つの特定の波長の光を照射した時にIPが発生す
る蛍光の発光強度との比を順次計算することにより、そ
のIPが照射された数種の放射線の種類を弁別すること
を特徴とする。
め、本発明は、所定の色素が輝尽発光(PSL)物質に
添加されたIPに各種の放射線が照射され、このIPに
所定時間白色光をあてた後、このIPに同一分光器で発
生させた計測すべき数種の放射線種に特有な数種の波長
の光を順次照射しつつ、そのIPが発生する蛍光のそれ
ぞれの発光強度を測定し、前記数種の放射線種に特有な
波長の光を照射した時にIPが発生する蛍光の発光強度
と、一つの特定の波長の光を照射した時にIPが発生す
る蛍光の発光強度との比を順次計算することにより、そ
のIPが照射された数種の放射線の種類を弁別すること
を特徴とする。
【0017】また、本発明は、所定の色素が輝尽発光
(PSL)物質に添加されたIPに各種の放射線が照射
され、このIPに所定時間白色光をあてた後、このIP
に計測すべき放射線種に特有な波長の光を照射しつつ、
そのIPが発生する蛍光の発生強度を測定し、前記測定
すべき線種に特有な波長の光を照射した時にIPが発生
する蛍光の発光強度と一つの特定の波長の光を照射した
時にIPが発生する蛍光の発光強度との比を計算するこ
とにより、前記計測すべき放射線の種類を弁別すること
を特徴とする。
(PSL)物質に添加されたIPに各種の放射線が照射
され、このIPに所定時間白色光をあてた後、このIP
に計測すべき放射線種に特有な波長の光を照射しつつ、
そのIPが発生する蛍光の発生強度を測定し、前記測定
すべき線種に特有な波長の光を照射した時にIPが発生
する蛍光の発光強度と一つの特定の波長の光を照射した
時にIPが発生する蛍光の発光強度との比を計算するこ
とにより、前記計測すべき放射線の種類を弁別すること
を特徴とする。
【0018】また、本発明に使用されるIPに添加され
た色素は600nm程度の波長の光を吸収する色素であ
ることを特徴とする。
た色素は600nm程度の波長の光を吸収する色素であ
ることを特徴とする。
【0019】また、本発明は、本発明で使用されるIP
に塗布された輝尽発光(PSL)物質の質、膜層厚及び
PSL物質の層上にコーティングされた保護膜の質や厚
さを変えることにより、放射線種の弁別を行うことを特
徴とする。
に塗布された輝尽発光(PSL)物質の質、膜層厚及び
PSL物質の層上にコーティングされた保護膜の質や厚
さを変えることにより、放射線種の弁別を行うことを特
徴とする。
【0020】また、本発明は、放射線種に特有な波長の
光を前記IPに照射した時に発生する蛍光の発光強度
と、一つの特定の波長の光を照射した時にIPが発生す
る蛍光の発光強度との比を時系列的に連続計測すること
により、そのIPが照射された放射線の種類を弁別する
ことを特徴とする。
光を前記IPに照射した時に発生する蛍光の発光強度
と、一つの特定の波長の光を照射した時にIPが発生す
る蛍光の発光強度との比を時系列的に連続計測すること
により、そのIPが照射された放射線の種類を弁別する
ことを特徴とする。
【0021】また、本発明の測定に使用される特定の波
長の光は600nmの波長の光であることを特徴とす
る。
長の光は600nmの波長の光であることを特徴とす
る。
【0022】また、本発明は、所定の色素が輝尽発光物
質に添加されたIPに、エネルギーの強さの異なる複数
の高エネルギー荷電粒子が照射され、このIPに600
nmの波長の光を照射した時に発生する蛍光の複数の発
光強度と500nmの波長の光を照射した時に発生する
蛍光の略同一の発光強度との比を計算することにより、
相対量から高エネルギー荷電粒子のエネルギーの強さを
同定することを特徴とする。
質に添加されたIPに、エネルギーの強さの異なる複数
の高エネルギー荷電粒子が照射され、このIPに600
nmの波長の光を照射した時に発生する蛍光の複数の発
光強度と500nmの波長の光を照射した時に発生する
蛍光の略同一の発光強度との比を計算することにより、
相対量から高エネルギー荷電粒子のエネルギーの強さを
同定することを特徴とする。
【0023】さらに、前記色素は600nm程度の波長
の光を吸収する色素であることを特徴とする。
の光を吸収する色素であることを特徴とする。
【0024】
【作用】発明者は特別な手段を用いないで粒子同定の特
長を見つけるためにPSL物質の光学的な特性を検討
し、PSL物質それ自体が粒子同定の特性をもっている
ことを発見し、次の2つの新しい確証が得られた。まず
第一に、励起スペクトル、すなわちさまざまな波長の光
で励起した後に放出される310nm〜450nmの範
囲の蛍光の輝度分布は、照射放射線の種類に依存してい
る。だから、照射放射線の種類は、従来行われている6
33nmのレーザー光をあてた時の前記蛍光による読み
取りに代わり、数種の励起光、即ちα,β,γ線の場合
は、青,緑(480nm〜520nm)の放射線種に特
有な波長の光と、これを比較するための赤(600n
m)である特定の波長の光によって区別することができ
る(請求項1〜請求項6)。
長を見つけるためにPSL物質の光学的な特性を検討
し、PSL物質それ自体が粒子同定の特性をもっている
ことを発見し、次の2つの新しい確証が得られた。まず
第一に、励起スペクトル、すなわちさまざまな波長の光
で励起した後に放出される310nm〜450nmの範
囲の蛍光の輝度分布は、照射放射線の種類に依存してい
る。だから、照射放射線の種類は、従来行われている6
33nmのレーザー光をあてた時の前記蛍光による読み
取りに代わり、数種の励起光、即ちα,β,γ線の場合
は、青,緑(480nm〜520nm)の放射線種に特
有な波長の光と、これを比較するための赤(600n
m)である特定の波長の光によって区別することができ
る(請求項1〜請求項6)。
【0025】もう一つの発見は、フォトブリーチングあ
るいは照射後暴露について、読み取り光にレーザーのよ
うな強い光ではなくPSL物質に対して普通の白色蛍光
ランプの微光を使用することによって、PSL物質の蛍
光反応を広範囲に変化させることができるということで
ある。PSL物質は取扱い上、検出から計測までを通し
て完全な暗箱の中でPSL物質を取り扱わなければなら
ないという非実用的な面をもっているが、これは粒子弁
別に対して好ましくかつ欠くことのできない効果を与
え、従ってフォトブリーチングの効果を著しく増加させ
るので放射線種弁別はそれだけ明確なものにすることが
できる(請求項1〜請求項6)。
るいは照射後暴露について、読み取り光にレーザーのよ
うな強い光ではなくPSL物質に対して普通の白色蛍光
ランプの微光を使用することによって、PSL物質の蛍
光反応を広範囲に変化させることができるということで
ある。PSL物質は取扱い上、検出から計測までを通し
て完全な暗箱の中でPSL物質を取り扱わなければなら
ないという非実用的な面をもっているが、これは粒子弁
別に対して好ましくかつ欠くことのできない効果を与
え、従ってフォトブリーチングの効果を著しく増加させ
るので放射線種弁別はそれだけ明確なものにすることが
できる(請求項1〜請求項6)。
【0026】このフォトブリーチングと数種類の波長の
異なる励起光のセットは、α線,β線,ある条件下のγ
線を弁別するのに、PSL物質から十分な蛍光反応を引
き起こすことができる。そして、それはPSL物質の高
性能な特性に手をつけないままで、PSL物質自身が持
っている粒子同定性能によって簡単に実現できる。(請
求項1〜請求項6)。
異なる励起光のセットは、α線,β線,ある条件下のγ
線を弁別するのに、PSL物質から十分な蛍光反応を引
き起こすことができる。そして、それはPSL物質の高
性能な特性に手をつけないままで、PSL物質自身が持
っている粒子同定性能によって簡単に実現できる。(請
求項1〜請求項6)。
【0027】以上の手法はいずれも自動化、装置化は容
易であり、現在開発、利用されている装置により読み出
し波長を変えるのみで対応できる。またそれぞれの放射
線に対する感度比を大きく取るにはPSL物質の膜層の
質、厚さ、構造を変えることで広い範囲の強度比にも対
応可能である。また、多層膜で利用することもできる。
例えば、放射線の物質の透過力の違いを利用して、β線
用の薄膜にγ線用の厚膜を積層することにより、上記効
果をより高めることができる(請求項4)。
易であり、現在開発、利用されている装置により読み出
し波長を変えるのみで対応できる。またそれぞれの放射
線に対する感度比を大きく取るにはPSL物質の膜層の
質、厚さ、構造を変えることで広い範囲の強度比にも対
応可能である。また、多層膜で利用することもできる。
例えば、放射線の物質の透過力の違いを利用して、β線
用の薄膜にγ線用の厚膜を積層することにより、上記効
果をより高めることができる(請求項4)。
【0028】また、実験によると、高エネルギー荷電粒
子のエネルギーを変化させて計測すると、500nmで
の読み出し値はエネルギーに依存しないが、600nm
での読み出し値はエネルギーが高くなるに従い小さくな
り、かつ、エネルギーに比例した直線性を示す(請求項
7及び請求項8)。
子のエネルギーを変化させて計測すると、500nmで
の読み出し値はエネルギーに依存しないが、600nm
での読み出し値はエネルギーが高くなるに従い小さくな
り、かつ、エネルギーに比例した直線性を示す(請求項
7及び請求項8)。
【0029】
【実施例】以下、添付図に基づいて本発明の実施例を詳
細に説明する。図1は本発明のための実験に使用する装
置の説明図で、分光器10には40Wのタングステンラ
ンプ11が内蔵され、輝度と放出光のスペクトルを十分
に安定させるために、図示しない安定化直流電源を用い
て点灯される。光は、光源としての分光器10から計測
すべき放射線種に特有な波長の光1を暗箱20,30の
1mmのスリット22,32を通してミラー21,31
で反射させIP33に塗布されたPSL物質上に点滅さ
せる。
細に説明する。図1は本発明のための実験に使用する装
置の説明図で、分光器10には40Wのタングステンラ
ンプ11が内蔵され、輝度と放出光のスペクトルを十分
に安定させるために、図示しない安定化直流電源を用い
て点灯される。光は、光源としての分光器10から計測
すべき放射線種に特有な波長の光1を暗箱20,30の
1mmのスリット22,32を通してミラー21,31
で反射させIP33に塗布されたPSL物質上に点滅さ
せる。
【0030】この実験に使用されたIPは富士写真フィ
ルム(株)製のBAS3000が使用され青色の色素が
PSLに添加されており、600nm程度の光を吸収す
る。また、色素添加のない白色のBAS2000のIP
では放射線の種類での差が出ないことが確認されてい
る。従って、IPに入れてある色素が重要であり、60
0nm以外であっても、適当な色素を入れることで放射
線の飛程が測定できることになる。
ルム(株)製のBAS3000が使用され青色の色素が
PSLに添加されており、600nm程度の光を吸収す
る。また、色素添加のない白色のBAS2000のIP
では放射線の種類での差が出ないことが確認されてい
る。従って、IPに入れてある色素が重要であり、60
0nm以外であっても、適当な色素を入れることで放射
線の飛程が測定できることになる。
【0031】実験に使用されたIPの仕様は下記の如く
である。 1)PSL物質のサイズ127mm×127mm 2)表面防護厚さ 10μm 3)輝尽性蛍光体層 150μm BaFBr:Eu2
+ 4)指示板 250μm このIPを暗箱30の中に入れたPSL物質への光1の
入射角度は例えば30度である。光1の強度は適正にセ
ットする。PSL物質で励起される蛍光2は、PSL物
質に対して正しい角度に設置された光電子増倍管34で
読み取る。光電子増倍管34には、2枚のブルーのガラ
スのフィルター34aが付設され、絞り口径15mmの
入り口コリメータが配設されている。フィルタ34aの
バンドパス幅は、fwhm(半値幅)で光の波長の32
0mm〜425mmである。励起後の蛍光は、光電子増
倍管で光電変換され増幅された電気的なパルス信号とし
て多チャンネルの波高分析器を含むNIMモジュールで
解析する。光電子増倍管34からNIMモジュールまで
は市販のフォトン・カウンティング装置を利用すること
もできる。
である。 1)PSL物質のサイズ127mm×127mm 2)表面防護厚さ 10μm 3)輝尽性蛍光体層 150μm BaFBr:Eu2
+ 4)指示板 250μm このIPを暗箱30の中に入れたPSL物質への光1の
入射角度は例えば30度である。光1の強度は適正にセ
ットする。PSL物質で励起される蛍光2は、PSL物
質に対して正しい角度に設置された光電子増倍管34で
読み取る。光電子増倍管34には、2枚のブルーのガラ
スのフィルター34aが付設され、絞り口径15mmの
入り口コリメータが配設されている。フィルタ34aの
バンドパス幅は、fwhm(半値幅)で光の波長の32
0mm〜425mmである。励起後の蛍光は、光電子増
倍管で光電変換され増幅された電気的なパルス信号とし
て多チャンネルの波高分析器を含むNIMモジュールで
解析する。光電子増倍管34からNIMモジュールまで
は市販のフォトン・カウンティング装置を利用すること
もできる。
【0032】分光器で励起光の波長を480nmから6
00nmまで変化させたときに、中心波長約370nm
のPSL物質の蛍光2を光電子増倍管34および波高分
析器を含むNIMモジュールあるいはフォトン・カウン
ティング装置で読み取り計数することにより放射線種の
弁別が可能となる。すなわち、例えばα線のPSL物質
の記録の読み出しには480nmの光が、β線のPSL
物質の記録の読み出しには500nmの光が、γ線の記
録の読み出しには520nmの光が利用される。つま
り、この3種類の光でPSL物質の記録を読み出し、6
00nmの光による読み出し値との相対比を求めること
により線種の弁別が可能である。
00nmまで変化させたときに、中心波長約370nm
のPSL物質の蛍光2を光電子増倍管34および波高分
析器を含むNIMモジュールあるいはフォトン・カウン
ティング装置で読み取り計数することにより放射線種の
弁別が可能となる。すなわち、例えばα線のPSL物質
の記録の読み出しには480nmの光が、β線のPSL
物質の記録の読み出しには500nmの光が、γ線の記
録の読み出しには520nmの光が利用される。つま
り、この3種類の光でPSL物質の記録を読み出し、6
00nmの光による読み出し値との相対比を求めること
により線種の弁別が可能である。
【0033】次に実験の条件と、図2〜図7について説
明する。PSL物質で励起される蛍光2は、PSL物質
に対して正しい角度に設置された光電子増倍管34で読
み取った。光電子増倍管34には、2枚のブルーのガラ
スのフィルター34aが付設され、絞り口径15mmの
入り口コリメータが配設されている。フィルタのバンド
パス幅は、fwhm(半値幅)で光の波長の320〜4
25nmである。励起後の蛍光は、最終的に256チャ
ネルの波高分析器で解析される。光源は、分光器に登載
された40Wのタングステン球であるが輝度と放出光の
スペクトルを十分に安定させるために外部の安定化直流
電源を用いて点灯している。IPに所定時間白色光をあ
てる操作、即ち、フォトブリーチングは、夜に天井に設
置された蛍光灯下の薄暗い部屋の中で暗箱の蓋を解放し
て行われた。室温は21℃であった。準備した照射PS
L物質は次のようなものである。まず、PSL物質は照
射前に潜像をすべて消去した。それから、Am−241
(37kBq=1μCi)のα線で、線源を5.2mm
の距離におき1日間照射した(図2)。また、β線に関
してはSr−90(3.7MBq=100μCi)の線
源を7mm離して2時間照射した(図3)。また、γ線
に関してはCo−60(14TBq=370Ci)の線
源を40cm離して1分間照射した(図4)。
明する。PSL物質で励起される蛍光2は、PSL物質
に対して正しい角度に設置された光電子増倍管34で読
み取った。光電子増倍管34には、2枚のブルーのガラ
スのフィルター34aが付設され、絞り口径15mmの
入り口コリメータが配設されている。フィルタのバンド
パス幅は、fwhm(半値幅)で光の波長の320〜4
25nmである。励起後の蛍光は、最終的に256チャ
ネルの波高分析器で解析される。光源は、分光器に登載
された40Wのタングステン球であるが輝度と放出光の
スペクトルを十分に安定させるために外部の安定化直流
電源を用いて点灯している。IPに所定時間白色光をあ
てる操作、即ち、フォトブリーチングは、夜に天井に設
置された蛍光灯下の薄暗い部屋の中で暗箱の蓋を解放し
て行われた。室温は21℃であった。準備した照射PS
L物質は次のようなものである。まず、PSL物質は照
射前に潜像をすべて消去した。それから、Am−241
(37kBq=1μCi)のα線で、線源を5.2mm
の距離におき1日間照射した(図2)。また、β線に関
してはSr−90(3.7MBq=100μCi)の線
源を7mm離して2時間照射した(図3)。また、γ線
に関してはCo−60(14TBq=370Ci)の線
源を40cm離して1分間照射した(図4)。
【0034】図2〜4には計測結果を示す。横軸には励
起光の波長が、縦軸にはこの励起光によってIPが発生
する蛍光の発光強度と600nmの励起光によってIP
が発生する蛍光の発光強度との比が示され、それらはフ
ォトブリーチングの時間毎のカーブとして示されてい
る。即ち、ブルーのフィルターを通して輝尽性発光を4
80nmから600nmの範囲の励起光それぞれに対し
て計数したものである。すべての計測値は600nmの
計数に対する比で表現されている。これは、いつも60
0nmの計測値に関連づけてデータをとることによって
それぞれの読み取り値の光退色効果を補正するために6
00nmの計数に標準化することで一致させたものであ
る。各図の最下段の曲線はフォトブリーチング前のもの
である。フォトブリーチングに係わる時間は図中に示さ
れている。
起光の波長が、縦軸にはこの励起光によってIPが発生
する蛍光の発光強度と600nmの励起光によってIP
が発生する蛍光の発光強度との比が示され、それらはフ
ォトブリーチングの時間毎のカーブとして示されてい
る。即ち、ブルーのフィルターを通して輝尽性発光を4
80nmから600nmの範囲の励起光それぞれに対し
て計数したものである。すべての計測値は600nmの
計数に対する比で表現されている。これは、いつも60
0nmの計測値に関連づけてデータをとることによって
それぞれの読み取り値の光退色効果を補正するために6
00nmの計数に標準化することで一致させたものであ
る。各図の最下段の曲線はフォトブリーチング前のもの
である。フォトブリーチングに係わる時間は図中に示さ
れている。
【0035】図5には、α線、β線、γ線計測から得ら
れる結合したPSL励起スペクトルの一つを示す。下段
の3つの曲線はフォトブリーチングがない状態のもので
あり、上段の3つはそれぞれフォトブリーチング180
秒後の状態のものである。粒子弁別の性能は極めて明白
である。粒子同定は単純に480nm、500nm、5
20nmの光と600nmの光で励起することによつて
実現できる。
れる結合したPSL励起スペクトルの一つを示す。下段
の3つの曲線はフォトブリーチングがない状態のもので
あり、上段の3つはそれぞれフォトブリーチング180
秒後の状態のものである。粒子弁別の性能は極めて明白
である。粒子同定は単純に480nm、500nm、5
20nmの光と600nmの光で励起することによつて
実現できる。
【0036】図2〜図5は、フォトブリーチングの増加
で短い波長の励起光に関するPSL比のはっきりとした
上昇を示している。そして、短い波長の励起光によるP
SLは、フォトブリーチングの過程にあっても600n
mのPSL性能に比べて適切なPSL性能の高い持続性
を示している。つまり、放射線の種類によって励起光波
長とPSL比が異なることを示しており、例えば図2で
はフォトブリーチングにも係わらずα線の照射効果は、
励起波長約480nmのところで持続的に保存されてい
ることを示している。同様に、図3ではβ線に対して約
500nm、図4ではγ線に対して520nmとなる。
また、図5は、図2から図4までの結果の相対的な関係
を示したものである。図には示していないが、それらの
光消失(FADING)過程でも同様である。
で短い波長の励起光に関するPSL比のはっきりとした
上昇を示している。そして、短い波長の励起光によるP
SLは、フォトブリーチングの過程にあっても600n
mのPSL性能に比べて適切なPSL性能の高い持続性
を示している。つまり、放射線の種類によって励起光波
長とPSL比が異なることを示しており、例えば図2で
はフォトブリーチングにも係わらずα線の照射効果は、
励起波長約480nmのところで持続的に保存されてい
ることを示している。同様に、図3ではβ線に対して約
500nm、図4ではγ線に対して520nmとなる。
また、図5は、図2から図4までの結果の相対的な関係
を示したものである。図には示していないが、それらの
光消失(FADING)過程でも同様である。
【0037】図6は、高エネルギー荷電粒子のエネルギ
ーを変化させて計測したものである。500nmでの読
み出し値はエネルギーに依存しないが、600nmでの
読み出し値はエネルギーが高くなるに従い、小さくなっ
ており、図7に示すようにエネルギーに反比例した直線
性を示している。これにより、高エネルギー荷電粒子の
エネルギーの同定が可能である。図6において縦軸は電
流値であるが、読み出し波長の光をIPに投射した時に
PSLが発生する蛍光の発光強度に比例して電子増倍管
34で発生した微電力を増幅したもので、IPが発生す
る蛍光の発光強度に比例するものである。図7は、図6
に示す1.5MeV Protonにおける600nm
の光の照射による発生電流値と500nmの光の照射に
よる発生電流値との比を1になるよう換算し、これとの
比較をグラフにしたもので、エネルギーに反比例した直
線性を示している。
ーを変化させて計測したものである。500nmでの読
み出し値はエネルギーに依存しないが、600nmでの
読み出し値はエネルギーが高くなるに従い、小さくなっ
ており、図7に示すようにエネルギーに反比例した直線
性を示している。これにより、高エネルギー荷電粒子の
エネルギーの同定が可能である。図6において縦軸は電
流値であるが、読み出し波長の光をIPに投射した時に
PSLが発生する蛍光の発光強度に比例して電子増倍管
34で発生した微電力を増幅したもので、IPが発生す
る蛍光の発光強度に比例するものである。図7は、図6
に示す1.5MeV Protonにおける600nm
の光の照射による発生電流値と500nmの光の照射に
よる発生電流値との比を1になるよう換算し、これとの
比較をグラフにしたもので、エネルギーに反比例した直
線性を示している。
【0038】
【発明の効果】以上、詳細に説明した本発明によれば下
記のような効果を奏するものである。 (1) 従来のスミヤ表面汚染検査法(ふきとり式放射性表
面汚染測定方法)の欠点を解消し、本発明の方法によれ
ば、プレートを一定時間、配管などの汚染部に接触さ
せ、プレートがその線種環境を記憶してくるので精度向
上が期待できる。
記のような効果を奏するものである。 (1) 従来のスミヤ表面汚染検査法(ふきとり式放射性表
面汚染測定方法)の欠点を解消し、本発明の方法によれ
ば、プレートを一定時間、配管などの汚染部に接触さ
せ、プレートがその線種環境を記憶してくるので精度向
上が期待できる。
【0039】即ち、線種が区別できることで、現在使わ
れているスミヤ表面汚染検査法の問題点、汚染の線種の
分布、感度、信頼性などの問題点が解消でき、高い感度
によってより確実な検査が可能となる。将来スミヤ法に
代わる検査方法として位置づけられる。
れているスミヤ表面汚染検査法の問題点、汚染の線種の
分布、感度、信頼性などの問題点が解消でき、高い感度
によってより確実な検査が可能となる。将来スミヤ法に
代わる検査方法として位置づけられる。
【0040】(2) 中性子利用によるイメージングで線源
のn/γ(中性子線/γ線)比が悪いために映像が不鮮
明であった点が改善でき、感度を高くすること、空間分
解能の高いことと併せて中性子映像を著しく改善でき
る。また、長時間の計測が可能になれば低いレベルの放
射線源、高い温度環境での測定も可能となる。
のn/γ(中性子線/γ線)比が悪いために映像が不鮮
明であった点が改善でき、感度を高くすること、空間分
解能の高いことと併せて中性子映像を著しく改善でき
る。また、長時間の計測が可能になれば低いレベルの放
射線源、高い温度環境での測定も可能となる。
【0041】(3) 従来の計測器では困難な、高いγ線場
で微量のα線の汚染検査が可能となる。
で微量のα線の汚染検査が可能となる。
【0042】(4) 放射線個人モニタとして一種類のPS
L物質を使用することで、線種毎の被量が測定できる。
特に従来やや困難、やっかいな計測を強いられている中
性子個人モニタとしての応用が期待できる。
L物質を使用することで、線種毎の被量が測定できる。
特に従来やや困難、やっかいな計測を強いられている中
性子個人モニタとしての応用が期待できる。
【図1】本発明の一実施例を示す実験装置の説明図であ
る。
る。
【図2】本発明の一実施例を示し、α線が照射されたI
Pに480nm〜600nmの光を照射した場合に、I
Pから発生する蛍光の発光強度を示すグラフであって、
フォトブリーチングの時間毎のカーブを示す。
Pに480nm〜600nmの光を照射した場合に、I
Pから発生する蛍光の発光強度を示すグラフであって、
フォトブリーチングの時間毎のカーブを示す。
【図3】本発明の一実施例を示し、β線が照射されたI
Pに480nm〜600nmの光を照射した場合に、I
Pから発生する蛍光の発光強度を示すグラフであって、
フォトブリーチング毎のカーブを示す。
Pに480nm〜600nmの光を照射した場合に、I
Pから発生する蛍光の発光強度を示すグラフであって、
フォトブリーチング毎のカーブを示す。
【図4】本発明の一実施例を示し、γ線が照射されたI
Pに480nm〜600nmの光を照射した場合に、I
Pから発生する蛍光の発光強度を示すグラフであって、
フォトブリーチングの時間毎のカーブを示す。
Pに480nm〜600nmの光を照射した場合に、I
Pから発生する蛍光の発光強度を示すグラフであって、
フォトブリーチングの時間毎のカーブを示す。
【図5】本発明の一実施例を示し、α線、β線、γ線計
測から得られるPSL励起スペクトルの一つを示し、下
段の3つの曲線はフォトブリーチングが無い状態のも
の、上段の3つの曲線はフォトブリーチング80秒後の
状態のものを示す図である。
測から得られるPSL励起スペクトルの一つを示し、下
段の3つの曲線はフォトブリーチングが無い状態のも
の、上段の3つの曲線はフォトブリーチング80秒後の
状態のものを示す図である。
【図6】本発明の一実施例を示し、高エネルギーの荷電
粒子のエネルギーを変化させた時のPSL励起スペクト
ルである。
粒子のエネルギーを変化させた時のPSL励起スペクト
ルである。
【図7】図6に示す高エネルギー荷電粒子のエネルギー
を変化させたグラフから、エネルギーの強さと読み出し
値(発生した蛍光の強さ)との関係のグラフを作成した
ものである。
を変化させたグラフから、エネルギーの強さと読み出し
値(発生した蛍光の強さ)との関係のグラフを作成した
ものである。
1 光 2 蛍光 10 分光器 11 タングステンランプ 20,30 暗箱 21,31 ミラー 22,32 スリット 33 IP 34 光電子増倍管 34a フィルター
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01T 1/10 G01T 1/00 G01T 1/164 G21K 4/00
Claims (8)
- 【請求項1】 所定の色素が輝尽発光(PSL)物質に
添加されたIPに各種の放射線が照射され、このIPに
所定時間白色光をあてた後、このIPに同一分光器で発
生させた計測すべき数種の放射線種に特有な数種の波長
の光を順次照射しつつ、そのIPが発生する蛍光のそれ
ぞれの発光強度を測定し、前記数種の放射線種に特有な
波長の光を照射した時にIPが発生する蛍光の発光強度
と、一つの特定の波長の光を照射した時にIPが発生す
る蛍光の発光強度との比を順次計算することにより、そ
のIPが照射された数種の放射線の種類を弁別すること
を特徴とする輝尽発光物質を使用した放射線種弁別方
法。 - 【請求項2】 所定の色素が輝尽発光(PSL)物質に
添加されたIPに各種の放射線が照射され、このIPに
所定時間白色光をあてた後、このIPに計測すべき放射
線種に特有な波長の光を照射しつつ、そのIPが発生す
る蛍光の発生強度を測定し、前記測定すべき線種に特有
な波長の光を照射した時にIPが発生する蛍光の発光強
度と一つの特定の波長の光を照射した時にIPが発生す
る蛍光の発光強度との比を計算することにより、前記計
測すべき放射線の種類を弁別することを特徴とする輝尽
発光物質を利用した放射線種弁別方法。 - 【請求項3】 前記色素は600nm強度の波長の光を
吸収する色素であることを特徴とする請求項1または2
記載の輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法。 - 【請求項4】 IPに塗布された輝尽発光(PSL)物
質の質、膜層厚及びPSL物質の層上にコーティングさ
れた保護膜の質や厚さを変えることにより、放射線種の
弁別を行うことを特徴とする請求項1,2または3記載
の輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法。 - 【請求項5】 放射線種に特有な波長の光を前記IPに
照射した時に発生する蛍光の発光強度と、一つの特定の
波長の光を照射した時にIPが発生する蛍光の発光強度
との比を時系列的に連続計測することにより、そのIP
が照射された放射線の種類を弁別することを特徴とする
請求項1,2,3または4記載の輝尽発光物質を利用し
た放射線種弁別方法。 - 【請求項6】 前記一つの特定の波長の光は600nm
の波長の光であることを特徴とする請求項1,2,3,
4または5記載の輝尽発光物質を利用した放射線種弁別
方法。 - 【請求項7】 所定の色素が輝尽発光物質に添加された
IPに、エネルギーの強さの異なる複数の高エネルギー
荷電粒子が照射され、このIPに600nmの波長の光
を照射した時に発生する蛍光の複数の発光強度と500
nmの波長の光を照射した時に発生する蛍光の略同一の
発光強度との比を計算することにより、相対量から高エ
ネルギー荷電粒子のエネルギーの強さを同定することを
特徴とする輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法。 - 【請求項8】 前記色素は600nm程度の波長の光を
吸収する色素であることを特徴とする請求項7記載の輝
尽発光物質を利用した放射線種弁別方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24858694A JP3015685B2 (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24858694A JP3015685B2 (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0886876A JPH0886876A (ja) | 1996-04-02 |
JP3015685B2 true JP3015685B2 (ja) | 2000-03-06 |
Family
ID=17180330
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24858694A Expired - Lifetime JP3015685B2 (ja) | 1994-09-16 | 1994-09-16 | 輝尽発光物質を利用した放射線種弁別方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3015685B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010203863A (ja) * | 2009-03-02 | 2010-09-16 | Toshiba Corp | 放射性廃棄物検査方法及び放射性廃棄物検査装置 |
-
1994
- 1994-09-16 JP JP24858694A patent/JP3015685B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0886876A (ja) | 1996-04-02 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19991116 |