JP2001208196A - 自動二輪車用電動式変速装置 - Google Patents

自動二輪車用電動式変速装置

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JP2001208196A
JP2001208196A JP2000018348A JP2000018348A JP2001208196A JP 2001208196 A JP2001208196 A JP 2001208196A JP 2000018348 A JP2000018348 A JP 2000018348A JP 2000018348 A JP2000018348 A JP 2000018348A JP 2001208196 A JP2001208196 A JP 2001208196A
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shift
shift rod
lever
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Yoshiharu Isaka
義治 井坂
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Yamaha Motor Co Ltd
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変速機のドッグクラッチの変速歯車を特殊な
形状に形成することなく、モータが過負荷になるのを阻
止できるようにする。 【解決手段】 モータ43と変速機11のシフトロッド
32との間の動力伝達系にトーションばね51を介装す
る。トーションばね51は、シフトロッド32が停止し
ている状態でモータ43側伝動部材の変速動作を許容す
るたわみ量を有するものを使用した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータによって変
速機を駆動する自動二輪車用電動式変速装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用の電動式変速装置として
は、例えば特開平11−82734号公報に開示された
ものがある。この公報に示された電動式変速装置は、小
型四輪車に装備するもので、変速機のシフトロッドに歯
車式減速機を介してモータを接続し、このモータを正転
または逆転させて変速する構造を採っている。
【0003】前記変速機は、シフトロッドの回動に対応
して回動する変速ドラムを備えており、この変速ドラム
に係合させたシフトフォークが変速歯車を軸線方向へ移
動させ、変速歯車間のドッグクラッチの噛合い状態を切
換えることによって変速するようになっている。ドッグ
クラッチは、隣接する一対の歯車のうち一方の歯車の軸
端面に形成した歯と、他方の歯車に前記歯が係入するよ
うに形成した凹陥部とによって構成している。
【0004】また、この従来の変速装置は、前記シフト
ロッドの回転を往復運動に変換してクラッチを切断した
り接続するスイッチ機構を備えており、モータによる変
速を開始した直後に前記スイッチ機構によってクラッチ
が切断され、変速終了後にモータを逆回転させることに
よってクラッチが接続されるようにしている。前記モー
タと減速機は、変速装置ケースの一側部に軸線方向が車
幅方向と平行になるように配設している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ドッグクラッチを有す
る変速機においては、変速時に変速歯車が軸線方向へ移
動することによってドッグクラッチの歯が凹陥部に直接
係入することもあるが、歯が凹陥部に係入する以前に被
接続側の歯車の軸端面に当接し、駆動側の歯車が回転し
て歯と凹陥部の位置が合致した瞬間に歯が凹陥部に係入
する場合がある。従来の電動式変速装置においては、ド
ッグクラッチの歯が歯車の軸端面に当接してから凹陥部
に係入するような変速形態を採る場合に問題が発生す
る。すなわち、モータは通電された状態にあるにもかか
わらず、従動側のシフトロッドが前記歯の当接によって
変速途中で回転を規制されてしまい、モータが過負荷に
なるからである。モータが過負荷になると故障し易くな
ってしまう。
【0006】このような不具合を解消するために、従来
の電動式変速装置においては、前記歯を相対的に小さく
形成するとともに歯と凹陥部の数量を増大させ、ドッグ
クラッチが円滑に噛み合うことができるようにしてい
る。しかしながら、このような特殊な形状の変速歯車
は、歯と凹陥部を高い精度をもって形成しなければなら
ず、生産性が低下してコストアップになってしまう。し
かも、既存の自動二輪車用変速装置の変速歯車と、上述
した特殊な電動式変速装置用の変速歯車とが混在するよ
うになってしまい、部品管理が煩雑になってしまうとい
う問題も生じる。また、従来の電動式変速装置は、モー
タの軸線方向が車幅方向であり、モータが変速装置ケー
スから側方へ突出するために、この変速装置を自動二輪
車に採用すると、車幅が大きくなってしまうとともに、
モータに乗員の足が接触し易くなってしまう。
【0007】本発明は、このような問題点を解消するた
めになされたもので、変速機のドッグクラッチの変速歯
車を特殊な形状に形成することなく、モータが過負荷に
なるのを阻止できる自動二輪車用電動式変速装置を提供
することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係る自動二輪車用電動式変速装置は、モー
タと変速機のシフトロッドとの間の動力伝達系に、シフ
トロッドが停止している状態でモータ側伝動部材の変速
動作を許容するたわみ量を有するばね部材を介装したも
のである。本発明によれば、変速時に変速機のドッグク
ラッチが歯の当接によって待機している状態でモータの
動力をばね部材に蓄積することができる。
【0009】請求項2に記載した発明に係る自動二輪車
用電動式変速装置は、請求項1に記載した発明に係る自
動二輪車用電動式変速装置において、ばね部材をトーシ
ョンばねによって形成し、このトーションばねの両端部
どうしの間にモータ側伝動部材の端部およびシフトロッ
ドに連動する変速機側伝動部材の端部をそれぞれ挟み込
ませたものである。この発明によれば、一つのばね部材
でシフトアップ時とシフトダウン時の両方においてモー
タの動力を蓄積することができる。
【0010】請求項3に記載した発明に係る自動二輪車
用電動式変速装置は、請求項1または請求項2に記載し
た発明に係る自動二輪車用電動式変速装置において、ば
ね部材とモータとの間の動力伝達系にウォームとウォー
ムホイールとからなる減速機構を介装したものである。
この発明によれば、モータの軸線方向が車幅方向とは直
交する方向になる。また、ばね部材の弾発力でモータ側
伝動部材が逆転するのを減速機構によって阻止できるか
ら、変速動作が終了した後にモータへの給電を絶つこと
ができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る自動二輪車用
電動式変速装置の一実施の形態を図1ないし図8によっ
て詳細に説明する。図1は本発明に係る電動式変速装置
を装備した自動二輪車の側面図、図2はエンジンのクラ
ンクケース内の各部材の位置を示す図、図3は変速機お
よび多板式クラッチの断面図、図4はクランクケースに
おける電動式変速装置装着部分を示す平面図である。図
5はクランクケースにおけるモータ取付部分を拡大して
示す断面図、図6はモータ動力蓄積機構の側面図、図7
はモータ動力蓄積機構およびシフトロッドの断面図、図
8は伝動機構の構成を示す分解斜視図である。
【0012】これらの図において、符号1で示すものは
本発明に係る電動式変速装置を装備した自動二輪車であ
る。符号2はこの自動二輪車1のエンジンを示し、3は
前輪、4は後輪、5は操向ハンドル、6はシート、7は
フートレストをそれぞれ示す。前記エンジン2は空冷式
4サイクル単気筒エンジンで、クランクケース8の前端
部にシリンダ9をシリンダ軸線が車体の前方を指向する
ように取付けている。クランクケース8は、車幅方向に
分割できるように形成し、車体左側のケース半部と車体
右側のケース半部とにクランク軸10(図2参照)と変
速機11を支持させている。
【0013】クランク軸10の車体左側の端部には、フ
ライホイールマグネトウ12(図2および図4参照)を
設け、車体右側の端部には、図示していない遠心クラッ
チを介して図3において符号13で示す多板式クラッチ
のハウジング13aを歯車結合させている。この多板式
クラッチ13は、従来からよく知られているように、前
記ハウジング13aと中間軸14との間の動力伝達系に
多数の摩擦板15を備えており、中間軸14の軸心部に
移動自在に貫通させたプッシュロッド16を復帰用ばね
17の弾発力に抗して押圧し、車体右側(図3の上側)
へ移動させることによって切断状態になり、プッシュロ
ッド16に加える押圧力を消失させることによって接続
状態になる構造を採っている。前記押圧力の印加は、後
述するオートレリーズ機構18(図7参照)のプレッシ
ャレバー19でプッシュロッド16の車体左側の先端を
押圧することによって実施する。
【0014】クランクケース8の前記車体左側のケース
半部を図3中に符号8aで示し、車体右側のケース半部
を符号8bで示す。前記中間軸14は、これらのケース
半部に軸受20,21を介して回転自在に支持させ、変
速機11の複数の駆動側変速歯車22〜25を軸装して
いる。前記変速機11は、前記多板式クラッチ13と同
様に従来からよく知られている構造のもので、前記複数
の駆動側変速歯車22〜25と、前記中間軸14より車
体後側に配置した出力軸26に軸装した複数の従動側変
速歯車27〜30と、これらの変速歯車のうち前記中間
軸14または出力軸26にスプライン嵌合させたスライ
ド式変速歯車24,28を軸線方向に移動させるシフト
フォーク(図示せず)を有するシフトカム31(図2参
照)と、このシフトカム31を回動させるシフトロッド
32などによって構成している。
【0015】前記二つのスライド式変速歯車24,28
の軸方向の両端面と、これらのスライド式変速歯車に隣
接する変速歯車の軸方向の端面には、図3に示すよう
に、一方の変速歯車に形成した歯33と、他方の変速歯
車に形成した凹陥部34とからなるドッグクラッチ35
を設けている。これらの変速歯車22〜25、27〜3
0は、既存の自動二輪車用変速機のものを用いている。
前記シフトロッド32は、クランクケース8内を車幅方
向と平行に延びており、車体右側の端部に間欠作動機構
36(図2参照)を介して前記シフトカム31を接続し
ている。間欠作動機構36は、シフトロッド32を中立
位置から例えば増速側へ回動させることによってシフト
カム31を増速側へ一定角度だけ回動させ、変速終了後
にはシフトカム31を静止させた状態でシフトロッド3
2のみが中立位置に復帰する構造を採っている。このシ
フトロッド32の途中に、図7に示すように、上述した
多板式クラッチ13での接続・切断を切換えるためのオ
ートレリーズ機構18を設けている。
【0016】このオートレリーズ機構18は、シフトロ
ッド32の回動を往復運動に変えるボール式カム機構3
7と、このカム機構37の往復運動を前記プッシュロッ
ド16に伝達するプレッシャレバー19とを備え、シフ
トロッド32を中立位置から例えば増速側へ回動させた
ときに、前記変速機11による変速が実行される以前に
プレッシャレバー19がプッシュロッド16を押圧し、
多板式クラッチ13を切断状態にするようになってい
る。すなわち、この変速機11は、シフトロッド32を
中立位置から増速側、減速側のどちらに回動させた場合
でも、多板式クラッチ13が切断状態になってから変速
し、変速後にシフトロッド32を逆方向へ回して中立位
置に復帰させることによって、多板式クラッチ13が接
続状態になる。
【0017】シフトロッド32の車体左側の端部には、
図4に示すように、変速機11とともに本発明に係る電
動式変速装置41を構成するモータ駆動装置42を取付
けている。このモータ駆動装置42は、モータ43の動
力によって変速機11に変速動作をさせるためのもの
で、クランクケース8の車体左側の端部に取付けたクラ
ンクケースカバー44に後述する各部材を支持させ、ク
ランクケースカバー44とともにクランクケース8に対
して着脱できるようにしている。上述した各部材とは、
図4〜図7に示すように、クランクケースカバー44の
車体前側の端部に軸線方向が車体の前後方向を指向する
ように取付けたモータ43と、このモータ43の回転軸
45の後端部に形成したウォーム46に噛合するウォー
ムホイール47と、このウォームホイール47に歯車4
8,49を介して歯車結合させた駆動側レバー50と、
この駆動側レバー50にトーションばね51を介して接
続した従動側レバー52と、この従動側レバー52とシ
フトロッド32との間に介装した伝動機構53などであ
る。
【0018】前記モータ43は、図4に示すように、ク
ランクケースカバー44の前側であって平面視において
シリンダ9の側方に配設し、回転軸45をクランクケー
スカバー44内に車体前側から挿入している。また、こ
のモータ43は、図示していない変速制御装置によって
回転が制御されるように構成している。前記変速制御装
置は、操向ハンドル5に設けた変速スイッチ(図示せ
ず)を増速側または減速側へ操作することによって、モ
ータ43に増速動作または減速動作などの変速動作をさ
せる回路を採っている。モータ43が増速動作をすると
きには、シフトロッド32が中立位置から増速側に回っ
て変速終了後に中立位置に戻るように回転軸45が回動
する。減速動作の場合には、回転軸45の回動方向が逆
方向になる。変速機11で変速が終了したことを検出す
るためには、この実施の形態では前記シフトカム31に
ポテンショメータ(図示せず)を接続し、このポテンシ
ョメータの出力に基づいて実施している。
【0019】モータ43の回転軸45は、図4,5に示
すように、クランク軸10の左端部に設けたフライホイ
ールマグネトウ12の下方で後方へ向けて延設してい
る。この回転軸45の後端部のウォーム46に下方から
ウォームホイール47を噛合させている。前記ウォーム
ホイール47は、図7に示すように、伝動用の歯車48
をクランクケース内側に一体に形成し、クランクケース
カバー44の内側に取付けた支持板54に第1の支軸5
5を介して前記歯車48とともに回転自在に支持させて
いる。前記支持板54は、図5中に二点鎖線で示すよう
に、車体の前後方向に延びるように形成し、図7に示す
ように、固定用ボルト56によってクランクケースカバ
ー44に固定している。
【0020】前記駆動側レバー50は、前記ウォームホ
イール47側の歯車48に噛合する歯車49をピン57
によって一体に回転するように結合させ、前記支持板5
4に一端部を支持させた第2の支軸58に前記歯車49
とともに回動自在に支持させている。この駆動側レバー
50の車体前側の回動端部には、車幅方向と平行に車体
の側方へ向けて延出する棒状のシフトバー50aを一体
に形成している。この駆動側レバー50が本発明に係る
モータ側伝動部材を構成している。
【0021】前記トーションばね51は、コイル部分を
径方向に二重になるように形成するとともに、このコイ
ル部分の軸線方向の一端側に両端の直線部分51a,5
1bが位置するように形成し、軸心部に前記第2の支軸
58を挿通させてこの第2の支軸58に保持させてい
る。このトーションばね51の両端の直線部分51a,
51bは、この実施の形態では、図6に示すように、車
体の前方を指向する直線状であって、上下方向に間隔を
おいて互いに平行になるように形成している。これらの
直線部分51a,51bは、図6に示すように直線部分
51a,51b間に前記駆動側レバー50のシフトバー
50aと、後述する従動側レバー52のシフトバー52
aとを弾発力に抗して挟み込ませることによって、図7
に示すように上方から見て互いに重なり合うようにして
いる。すなわち、このトーションばね51は、自らの弾
発力でシフトバー50a,52aを挟持するように形成
している。
【0022】従動側レバー52は、図6,7に示すよう
に、車体前側の端部に前記シフトバー52aを一体に形
成するとともに、車体後側の端部に、後述する伝動機構
53の伝動レバー61が噛合するギヤ52bを形成して
おり、前後方向の中途部分に突設したボス52cを前記
第2の支軸58の車体左側の端部に回動自在に支持させ
ている。前記ボス52cの外周部は、クランクケースカ
バー44に形成した開口44aを閉塞する蓋体62の筒
状部62aに回動自在に嵌合させている。開口44a
は、クランクケースカバー44に支持板54を取付けた
後に駆動側レバー50、トーションばね51、従動側レ
バー52、第2の支軸58を組付けるための開口で、こ
の開口44aを閉塞する蓋体62はシフトロッド32に
伝動機構53を組込んだ後のカバーも兼ねており、クラ
ンクケースカバー44の外側面に固定用ボルト63によ
って固定している。すなわち、従動側レバー52と第2
の支軸58の車体左側端部は、前記蓋体62を介してク
ランクケースカバー44に支持させている。前記従動側
レバー52が本発明に係る変速機側伝動部材を構成して
いる。
【0023】上述したように駆動側レバー50と従動側
レバー52とは同軸上に、すなわち単一の第2の支軸5
8によって回動自在に支持されると共に、トーションば
ね51もその軸心部に第2の支軸58を挿通させてこの
第2の支軸58に保持されている。これらの構成によっ
て駆動側レバー50、従動側レバー52及びトーション
ばね51の3部材の当接部、即ち前2部材のシフトバー
50a、52a、とトーションばね51の直線部分51
a,51bとの間の当接部ではほとんど摺動が生じるこ
とがないため摩耗も生じず、長期の使用に耐えうる。あ
るいは摩耗対策のための特別な表面処理等が省ける。ま
た、駆動側レバー50、トーションばね51および従動
側レバー52の3部材が、車幅方向内側からこの順に配
置されているため、エンジンの前方にあるモータ43を
車幅方向内側に配置でき、よって外側に大きく突出する
ことがないため、地上の障害物との干渉が避けられる。
またこれによりモータ43は車体前方に設けられたレッ
グシールドにより、効率良く地上の障害物、前輪の跳ね
上げた飛散物等から保護される。
【0024】前記伝動機構53は、モータ43を使用し
て変速するときに前記従動側レバー52とシフトロッド
32とを接続するとともに、モータ43を使用せずに足
の操作によってシフトペダル64(図1,図7参照)で
変速するときにシフトペダル64と従動側レバー52と
の間の動力伝達系を切断するためのもので、図6〜図8
に示すように、シフトロッド32に軸線方向へ移動自在
に嵌合させた円筒からなる内筒65と、この内筒65の
外周部に回動自在に嵌合させた外筒66と、前記内筒6
5を車体の側方へ付勢する圧縮コイルばね67などによ
って構成している。図7は、シフトロッド32の軸心を
示す一点鎖線Cより同図の左側がシフトペダル64を装
着した状態を示し、右側がシフトペダル64を取外した
状態を示している。
【0025】前記内筒65は、シフトロッド32ととも
に前記蓋体62を貫通してクランクケースカバー44の
外方に突出しており、蓋体62よりケース内側の部位
に、第1および第2のガイド穴68,69を形成すると
ともに、蓋体62よりケース外側に位置する突出側端部
に、図7に示すように相対的に径が大きい受圧用円筒7
0を一体に形成している。この受圧用円筒70の内周面
とシフトロッド32との間にはシール部材71を介装し
ている。前記第1のガイド穴68は、シフトロッド32
に立設した第1の連結ピン72が嵌合できる開口幅をも
って内筒65のケース内側の端部からシフトロッド32
の軸線方向に延びるように形成している。第2のガイド
穴69は、シフトロッド32の軸線方向に延びる軸方向
延在部69aと、内筒65の周方向に延びる周方向延在
部69bとによってT字状に形成している。これらの軸
方向延在部69aと周方向延在部69bは、外筒66に
中空部内へ突出するように取付けた第2の連結ピン73
が嵌合できる開口幅をもって形成している。
【0026】前記外筒66は、前記内筒65に嵌合する
円筒部66aの外周部分に前記伝動レバー61を一体に
形成し、図7に示すように、円筒部66aを前記クラン
クケースカバー44と前記蓋体62との間に位置付けて
これらによって軸線方向への移動が阻止されるようにし
ている。この外筒66の前記第2の連結ピン73は、前
記円筒部66aに穿設したピン孔66bに挿通させてい
る。前記伝動レバー61は、図6に示すように扇状に形
成し、扇の円弧部分に上述した従動側レバー52のギヤ
52bに噛合するギヤ61aを形成している。
【0027】これら両レバー52,61のギヤ52b,
61aは、シフトロッド32が中立位置に位置している
状態で歯の形成範囲の中央部分どうしを噛合させてい
る。言い換えれば、この伝動機構53は、中立位置に位
置するシフトロッド32の第1の連結ピン72を内筒6
5の第1のガイド穴68に係入させるとともに、この内
筒65の第2のガイド穴69の軸方向延在部69aに外
筒66の第2の連結ピン73を係入させた状態で、前記
両レバー52,61の歯の形成範囲の中央部どうしが噛
合するように、第1および第2のガイド穴68,69の
形成位置と、第1および第2の連結ピン72,73の取
付位置とを設定している。図6は、上述したようにシフ
トロッド32を中立位置に位置付けた状態で描いてあ
る。なお、図8に示す第1のガイド穴68は、その形状
を理解し易くするために第2のガイド穴69の近傍に描
いてあるが、実際には図6に示す位置に形成している。
【0028】この伝動機構53のクランクケースカバー
44への組付けは、クランクケースカバー44をクラン
クケース8に取付けていない状態で行う。クランクケー
ス8には、シフトロッド32を含めて変速機11を予め
組付けておく。先ず、クランクケースカバー44に回転
軸45を挿入してモータ43を取付け、このクランクケ
ースカバー44に支持板54を固定用ボルト56によっ
て取付ける。そして、支持板54に、ウォームホイール
47をウォーム46に噛合させて取付けるとともに、歯
車48に歯車49をピン57の角度が所望の角度になる
ように噛合させる。
【0029】そして、駆動側レバー50と、トーション
ばね51と、従動側レバー52と、第2の支軸58とを
一体的に組み付け、駆動側レバー50とピン57とを合
わせて前記組立体を支持板54に組付ける。この状態で
クランクケースカバー44をクランクケース8の車体左
側のケース半部8aに取付ける。その後、蓋体62に内
筒65を装着し、この内筒65のケース内側となる内端
部に外筒66を嵌合させる。そして、外筒66のピン孔
66bに第2の連結ピン73を挿入し、この第2の連結
ピン73の内端部を内筒65の第2のガイド穴69に係
入させる。組立時には、第2の連結ピン73を第2のガ
イド穴69の軸方向延在部69aに係入させておく。
【0030】蓋体62に内筒65と外筒66を組付けた
後、クランクケースカバー44に圧縮コイルばね67を
装填し、蓋体62を取付ける。クランクケースカバー4
4と蓋体62とが一体的に組合っている状態では、圧縮
コイルばね67の弾発力によって内筒65がケース外側
へ付勢されるようにしている。また、第2の連結ピン7
3が第2のガイド穴69の穴壁面に当接することによっ
て、内筒65がケース外方へ抜けて外れることがないよ
うにしている。
【0031】蓋体62をクランクケースカバー44に組
付けるときには、シフトロッド32を内筒65の中空部
に嵌入させるとともに、第1の連結ピン72を内筒65
の第1のガイド穴68に係入させ、シフトロッド32の
先端を内筒65の受圧用円筒70から車体左側に突出さ
せる。また、従動側レバー52のギヤ52bの形成範囲
の中央部分を外筒66の伝動レバー61に噛合させる。
このように蓋体62をクランクケースカバー44に取付
けることによって、この伝動機構53の組付けが終了す
る。
【0032】シフトロッド32にシフトペダル64を取
付けていないときには、内筒65が圧縮コイルばね67
の弾発力によって付勢されているために、第2の連結ピ
ン73が第2のガイド穴69の軸方向延在部69aに係
入する状態に保たれる。この状態では、従動側レバー5
2→外筒66→第2の連結ピン73→内筒65→第1の
連結ピン72→シフトロッド32からなる動力伝達系が
構成され、モータ駆動装置42とシフトロッド32とが
結合される。
【0033】この状態でモータ43が変速のために回転
すると、このモータ43の回転軸45とともにウォーム
ホイール47が回転し、さらに、このウォームホイール
47に歯車結合させた駆動側レバー50が回転する。こ
れらの部材の回転方向は、シフトアップ時とシフトダウ
ン時とで逆方向になる。駆動側レバー50の回転は、ト
ーションばね51を介して従動側レバー52に伝達され
る。従動側レバー52は、上述したように伝動機構53
を介してシフトロッド32に接続しており、従動側レバ
ー52が回ることによって間欠作動機構36によって変
速機11で変速が行われる。シフトロッド32が円滑に
回って変速が行われたときには、トーションばね51も
駆動側レバー50や従動側レバー52とともに第2の支
軸58を中心にして回る。
【0034】しかし、変速機11のドッグクラッチ35
において歯33が被接続側の変速歯車の軸端面に当接し
たりしていわゆる変速待機状態になると、シフトロッド
32の回転が規制されるために従動側レバー52は停止
する。このときには、駆動側レバー50は回転するもの
の従動側レバー52が停止しているために、駆動側レバ
ー50のシフトバー50aがトーションばね51の一方
の直線部分を押圧し、弾発力が増大するようにトーショ
ンばね51が弾性変形する。このトーションばね51の
許容たわみ量は、シフトロッド32が停止している状態
で駆動側レバー50の変速動作を許容することができる
ように設定している。
【0035】このようにトーションばね51が弾性変形
することによって、変速待機中にモータ43の動力がト
ーションばね51に蓄積されるから、モータ43は、途
中で停止することがなく、制御装置によって設定された
回転数だけ連続して回転する。このように回転した後
(変速動作が終了した後)にモータ43は給電が絶たれ
る。モータ43が停止した後は、ウォームの噛合いが故
にモータ43がトーションばね51で逆駆動されること
がないので、トーションばね51の弾発力によってシフ
トロッド32が変速方向へ継続して付勢される。ドッグ
クラッチ35が待機状態から接続状態になると、変速が
終了したことをシフトカム31の位置に基づいてモータ
制御用制御装置が検出し、シフトロッド32を中立位置
に戻すためにモータ43を逆転させる。
【0036】一方、シフトロッド32の先端部にシフト
ペダル64を取付けると、図7において一点鎖線Cより
左側に示したように、内筒65の受圧用円筒70がシフ
トペダル64によって押圧されて内筒65が圧縮コイル
ばね67の弾発力に抗して車体右側へ移動する。このよ
うに内筒65が移動すると、第2の連結ピン73に対し
て第2のガイド穴69の位置が変化し、第2の連結ピン
73が第2のガイド穴69の周方向延在部69bに係入
できるようになる。この状態では、外筒66の回動は内
筒65に伝達されることがなく、モータ駆動装置42と
シフトロッド32との間の動力伝達系が切断される。こ
のため、モータ43の動力で従動側レバー52とともに
外筒66が回動したとしても、シフトロッド32にモー
タ43の動力が伝達されることはなく、シフトペダル6
4で変速することができる。しかも、シフトペダル64
による入力はモータ駆動系を逆駆動することなく、すな
わちモータ43が抵抗になることがないから、従来の自
動二輪車と同等の変速感覚で変速することができる。
【0037】したがって、上述した電動式変速装置41
によれば、変速時に変速機11のドッグクラッチ35が
歯33の当接によって待機している状態でモータ43の
動力をトーションばね51に蓄積することができるか
ら、変速機11の状態に影響を受けることなくモータ4
3が変速動作をすることができ、過負荷になるのを確実
に阻止することができる。また、変速機11の変速歯車
を特殊な形状に形成しなくてもよいから、既存の自動二
輪車用変速機を使用することができる。
【0038】さらに、一つのトーションばね51でシフ
トアップ時とシフトダウン時の両方においてモータ43
の動力を蓄積することができるから、シフトアップ用の
ばね部材とシフトダウン用のばね部材をそれぞれ設ける
構成に較べて部品数を削減できる。さらにまた、モータ
43の軸線方向が車幅方向とは直交する方向であるか
ら、車体が大型化するのを阻止しながら、軸線方向に相
対的に長くなるモータ43を搭載することができる。し
かも、クランクケースカバー44の前端部にモータ43
を配設しているから、モータ43に乗員の足が接触する
のを阻止することができる。
【0039】加えて、トーションばね51の弾発力で駆
動側レバー50が逆転するのをウォーム46およびウォ
ームホイール47からなる減速機構によって阻止できる
から、変速動作が終了した後にモータ43への給電を絶
つことによって、モータ43の負荷をより一層低減する
ことができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、変
速時に変速機のドッグクラッチが歯の当接によって待機
している状態でモータの動力をばね部材に蓄積すること
ができるから、変速機の状態に影響を受けることなくモ
ータが変速動作をすることができ、過負荷になるのを確
実に阻止することができる。このため、耐久性が高い自
動二輪車用電動式変速装置を実現することができる。ま
た、変速機の変速歯車を特殊な形状に形成しなくてもよ
いから、既存の自動二輪車用変速機を使用することがで
きる。このため、部品を共通化できるから生産性が向上
し、コストダウンを図ることができる。変速歯車の種類
が増大することもなく、部品管理も簡単である。
【0041】請求項2記載の発明によれば、一つのばね
部材でシフトアップ時とシフトダウン時の両方において
モータの動力を蓄積することができる。このため、部品
数を削減してコストダウンを図ることができる。
【0042】請求項3記載の発明によれば、モータの軸
線方向が車幅方向とは直交する方向になるから、車体が
大型化するのを阻止しながら、軸線方向に相対的に長く
なるモータを搭載することができる。しかも、乗員の足
を避けて前方にモータを配設することによって、モータ
に乗員の足が接触するのを阻止することができる。ま
た、ばね部材の弾発力でモータ側伝動部材が逆転するの
を減速機構によって阻止できるから、変速動作が終了し
た後にモータへの給電を絶つことによって、モータの負
荷をより一層低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る電動式変速装置を装備した自動
二輪車の側面図である。
【図2】 エンジンのクランクケース内の各部材の位置
を示す図である。
【図3】 変速機および多板式クラッチの断面図であ
る。
【図4】 クランクケースにおける電動式変速装置装着
部分を示す平面図である。
【図5】 クランクケースにおけるモータ取付部分を拡
大して示す断面図である。
【図6】 モータ動力蓄積機構の側面図である。
【図7】 モータ動力蓄積機構およびシフトロッドの断
面図である。
【図8】 伝動機構構の構成を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
11…変速機、32…シフトロッド、43…モータ、4
6…ウォーム、47…ウォームホイール、50…駆動側
レバー、51…トーションばね、51a,51b…直線
部分、52…従動側レバー、53…伝動機構。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータを変速操作の動力源とする自動二
    輪車用電動式変速装置において、前記モータと前記変速
    機のシフトロッドとの間の動力伝達系に、前記シフトロ
    ッドが停止している状態でモータ側伝動部材の変速動作
    を許容するたわみ量を有するばね部材を介装したことを
    特徴とする自動二輪車用電動式変速装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動二輪車用電動式変速
    装置において、ばね部材をトーションばねによって形成
    し、このトーションばねの両端部どうしの間にモータ側
    伝動部材の端部およびシフトロッドに連動する変速機側
    伝動部材の端部をそれぞれ挟み込ませたことを特徴とす
    る自動二輪車用電動式変速装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の自動二輪
    車用電動式変速装置において、ばね部材とモータとの間
    の動力伝達系にウォームとウォームホイールとからなる
    減速機構を介装したことを特徴とする自動二輪車用電動
    式変速装置。
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