JP2001206009A - 空気入りタイヤ - Google Patents

空気入りタイヤ

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JP2001206009A
JP2001206009A JP2000016224A JP2000016224A JP2001206009A JP 2001206009 A JP2001206009 A JP 2001206009A JP 2000016224 A JP2000016224 A JP 2000016224A JP 2000016224 A JP2000016224 A JP 2000016224A JP 2001206009 A JP2001206009 A JP 2001206009A
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Japan
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pneumatic tire
belt
cross
cross belt
tire
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Eiko Nakagawa
英光 中川
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速耐久性だけでなく旋回安定性及び振動吸
収性を高めた空気入りタイヤを得る。 【解決手段】 クラウン部18内であってカーカス12
の外周側に、クラウン部18の周方向に沿って螺旋状に
巻き回されるスパイラルベルト26が埋設される。スパ
イラルベルト26の外周側に、クラウン部18の周方向
と直交する軸に対する角度が0〜45度の向きでコード
が延びるクロスベルト28が1枚配置される。クロスベ
ルト28の中央部に開口部30が形成される。開口部3
0を挟んだクロスベルト28の内側端間の間隔をLと
し、クラウン部18のタイヤ表面の円弧に沿った全幅を
TWとしたときに、L/TWの値を0.045<L/T
W<0.53の範囲に設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高速耐久性と運動
性能を両立して走行時の安全性及び快適性を向上した空
気入りタイヤに係り、特に二輪車用の空気入りタイヤに
好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、二輪車用等の車両用の空気入
りタイヤとして種々のタイヤ構造が知られているが、近
年の高速道路網の整備に伴い、二輪車用の空気入りタイ
ヤであっても高速耐久性を確保する必要が生じるように
なった。この為、特にセクション幅の広いリアタイヤで
は、クラウン部の周方向に延びるモノスパイラルベルト
を配置して高速転動時のクラウン部中央付近のせり出し
量を抑制している場合が多い。このモノスパイラルベル
トを配置したタイヤ構造では、柔らかい接地感等の操縦
安定性面で優れた面もあるが、クラウン部の周方向に沿
って配置されることになるモノスパイラルベルトは、路
面によりタイヤが内周側に圧縮される為、接地時には張
力が生じないような構造になっている。従って、旋回時
において横力がタイヤに加わると剛性不足から、旋回安
定性の低下をもたらしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上より、このモノス
パイラルベルトを配置したタイヤ構造の旋回安定性不足
を補う為、モノスパイラルベルトの内周側である内層
に、コードの角度を10度〜20度程度傾けたブレーカ
ーを1〜2枚配置して、モノスパイラルベルトを有した
ベルト部全体の剛性を高めることが考えられる。
【0004】しかしこの場合でも、モノスパイラルベル
トは横力により変形してしまうので、十分に旋回安定性
を高めることはできなかった。また、ベルト部全体の剛
性を高めるという手法では、逆に振動の吸収性の悪化を
もたらして柔らかい接地感が低下する等の欠点も有して
いた。本発明は上記事実を考慮し、高速耐久性だけでな
く旋回安定性及び振動吸収性を高めた空気入りタイヤを
提供することが目的である。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の空気入
りタイヤは、クラウン部の周方向に沿って螺旋状に巻き
回されるスパイラルベルトの外周側に、クラウン部の周
方向と直交する軸に対して0〜45度の角度の向きでコ
ードが延びるクロスベルトを配置し、このクロスベルト
の中央部に開口部が形成され、この開口部を挟んだクロ
スベルトの内側端間の間隔をLとし、クラウン部のタイ
ヤ表面の円弧に沿った全幅をTWとしたときに、L/T
Wの値を0.045<L/TW<0.53の範囲に設定
したことを特徴とする。
【0006】請求項1に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。タイヤの側方からの横力によるスパイラ
ルベルトの変形を抑制するために、スパイラルベルトの
外周側にクロスベルトを配置し、クラウン部の表面から
の荷重の入力をこのクロスベルトで遮断して、スパイラ
ルベルトに及ばないようにすることが考えられる。但
し、スパイラルベルトの外周側全幅にクロスベルトを配
置した場合には、車両の旋回時の安定性は向上するもの
の、直進時における接地領域の曲げ剛性も高まる為、直
進時の乗り心地が悪化して乗り心地性が低下する。
【0007】従って、本請求項では、クラウン部の周方
向に沿って螺旋状に巻き回されるモノスパイラルベルト
であるスパイラルベルトの外周側にクロスベルトを配置
し、このクロスベルトの中央部に開口部を形成する構成
とした。つまり、スパイラルベルトの外周側に中抜き構
造のクロスベルトを配置することで、直進時の振動の吸
収性等を悪化させずに、旋回時の旋回安定性を向上させ
た。
【0008】また、本請求項では、クラウン部の周方向
と直交する軸に対して0〜45度の角度の向きでクロス
ベルトのコードが延び、クロスベルトの中央部の開口部
を挟んだクロスベルトの内側端間の間隔をLとし、クラ
ウン部のタイヤ表面の円弧に沿った全幅をTWとしたと
きに、L/TWの値を0.045<L/TW<0.53
の範囲に設定した。ここで、開口部を有して中抜き構造
とされたクロスベルトの角度が45度を超えると、クロ
スベルトが有る領域と無い領域との間の剛性の差が大き
くなりすぎ、直進状態から旋回状態に入る時の剛性のリ
ニアー性が損なわれる為、クロスベルトの角度を45度
以下とした。
【0009】また、L/TWが0.045未満だと、開
口部が小さくてクラウン部中央付近の曲げ剛性が高くな
りすぎ、乗り心地が悪くなる。また、L/TWが0.5
3を超えると、旋回時の接地領域における剪断剛性の増
加の程度が小さく、旋回安定性向上の効果がほとんどな
くなる。この為、クロスベルトの内側端間の間隔Lと、
クラウン部のタイヤ表面の円弧に沿った全幅TWとの関
係を表すL/TWの値を0.045<L/TW<0.5
3の範囲とした。
【0010】請求項2に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1と同様に作用する
が、さらに、クロスベルトの幅をWとしたときに、W/
TWの値を0.18<W/TW<0.45の範囲に設定
する構成とされている。つまり、W/TWの値が0.1
8未満となると、旋回時の旋回安定性向上の効果が少な
く、W/TWの値が0.45を超えると、クラウン部全
体の剛性が高くなりすぎて振動の吸収性の悪化をもたら
すので、0.18<W/TW<0.45の範囲とした。
【0011】請求項3に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1及び請求項2と同
様に作用する空気入りタイヤが、リアタイヤとして採用
されている。つまり、高速耐久性を確保するためにスパ
イラルベルトを配置した構造を採ることが多いリアタイ
ヤに上記の構造を採用すれば、大きな効果を発揮できる
ことになる。
【0012】請求項4に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1及び請求項2と同
様に作用する空気入りタイヤが、フロントタイヤとして
採用されている。つまり、振動の吸収性等を高いレベル
でフロントタイヤでも確保するためにスパイラルベルト
をフロントタイヤに配置した構造としたときに、上記構
造を採用すれば、リアタイヤ同様に振動の吸収性を確保
するだけでなく、旋回安定性を向上することが可能とな
る。
【0013】請求項5に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1及び請求項2と同
様に作用する空気入りタイヤが、フロントタイヤ及びリ
アタイヤとして採用されている。この為、請求項3及び
請求項4と同様に作用することになる。
【0014】請求項6に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1から請求項5と同
様に作用するが、さらに、スパイラルベルトの外周側に
2枚以上のクロスベルトを配置し、クラウン部の周方向
と直交する軸に対して0〜30度の角度の向きでこれら
クロスベルトのコードが延びると共に、相互に交差する
構成とされている。つまり、クロスベルトが1枚であれ
ば、請求項1のようにクロスベルトの角度範囲が0〜4
5度で効果を発揮する。しかし、スパイラルベルトの外
周側にクロスベルトを2枚以上配置した場合、クラウン
部全体の曲げ剛性が大きくなるので、この場合には旋回
安定性の向上と振動の吸収性の確保を両立させる為に、
0〜30度の範囲にクロスベルトの角度を設定すること
が好ましい。
【0015】請求項7に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1から請求項6と同
様に作用するが、さらに、クロスベルトを構成している
コードとして、250〜500Nの強度を有するアラミ
ド材を使用する構成とされている。つまり、クロスベル
トを構成しているコードが250N未満の場合には旋回
時の安定性向上の効果が小さく、また、コードが500
Nを超えた場合には振動の吸収性の悪化をもたらすおそ
れがある。従って、クロスベルトを構成する為に、25
0〜500Nの範囲の強度を有するアラミド材をコード
として採用すると良く、さらに、アラミド材としてはケ
ブラーを使用することが考えられる。
【0016】請求項8に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1から請求項7と同
様に作用するが、さらに、カーカスを構成する部材の延
びる方向とクラウン部の周方向に対して直交する軸との
間の角度が0〜30度とされる構成とされている。つま
り、上記構造においてカーカス角度を0度以上で30度
以下としたラジアルタイヤの場合、全体剛性が低いこと
から特に効果的を発揮する。
【0017】請求項9に係る空気入りタイヤの作用を以
下に説明する。本請求項では請求項1から請求項8と同
様に作用するが、さらに、開口部を挟んだクロスベルト
の一対の両端側部分におけるコードの傾きが相互に対称
となる左右対称の傾きとされた構成とされる。つまり、
クロスベルトの一対の両端側部分におけるコードの傾き
が左右対称の傾きにされているので、直進時においてハ
ンドルのハンドリングのリニア性等が高まる。特に、本
請求項に係る空気入りタイヤをフロントタイヤとして採
用したときに、コードの傾きがV字形となるように配置
することで、ハンドリングのリニア性等が一層高まるこ
とになる。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の第1の実施の形態に係る
空気入りタイヤを図1及び図2に示し、これらの図に基
づき説明する。図1は、本実施の形態に係る空気入りタ
イヤ10の例としてラジアル構造の二輪車用タイヤを示
し、この空気入りタイヤ10の骨格を構成するカーカス
12が、ポリエステル等のコードをこの空気入りタイヤ
10の赤道面PLに対して交差する方向にそれぞれ配列
した複数層の部材(図示せず)により、形成されてい
る。
【0019】このカーカス12の両端部近傍には、それ
ぞれリング状にスチールワイヤーが巻かれて束ねられた
一対のビードコア14が配置されており、これら一対の
ビードコア14にそれぞれカーカス12の両端部が巻き
付けられている。さらに、このビードコア14の上部の
カーカス12間の隙間には、硬質ゴム製で先細り形状に
形成されたビードフィラー16がそれぞれ埋設されてい
る。以上より、カーカス12が一対のビードコア14に
跨るように配置されることになり、この空気入りタイヤ
10の頂部となるクラウン部18を貫通するようにこの
カーカス12がクラウン部18を形成するゴム材内に埋
設されている。
【0020】そして、このクラウン部18の接地面側に
は、ゴム材により形成されて路面に接地する外皮である
トレッド22が配置されており、溝により区画されたリ
ブを有するトレッドパターンがこのトレッド22に設け
られている。また、ビードコア14とクラウン部18と
の間を繋ぐ部分である空気入りタイヤ10のサイドウォ
ール24内にもカーカス12が配置されており、この空
気入りタイヤ10の最内層を図示しないインナーライナ
ーが形成している。
【0021】一方、図1及び図2に示すように、クラウ
ン部18を形成するゴム材内であってカーカス12の外
周側には、クラウン部18の周方向に沿って螺旋状に巻
き回されるスパイラルベルト26が埋設されており、こ
のスパイラルベルト26の外周側には、クラウン部18
の周方向である赤道面PLと直交する軸Vに対して0〜
45度の角度αの向きでコードが延びるクロスベルト2
8が1枚配置されている。このクロスベルト28の中央
部には開口部30が形成されている。この開口部30は
クラウン部18の周方向に沿って長く延び、クロスベル
ト28の両端側を繋ぐ連結部が図示しないものの等間隔
で配置されて、クロスベルト28が一体的なものとされ
ている。また、このクロスベルト28のコードとして2
50〜500N(ニュートン)の強度を有するアラミド
材が使用されている。
【0022】他方、図1に示す開口部30を挟んだクロ
スベルト28の内側端間の間隔をLとし、クロスベルト
28の幅をWとし、クラウン部18のタイヤ表面の円弧
に沿った全幅をTWとする。そして、L/TWの値を
0.045<L/TW<0.53の範囲に設定すると共
に、W/TWの値を0.18<W/TW<0.45の範
囲に設定した。さらに、図2に示すように、カーカス1
2を構成するコード状の部材の延びる方向とクラウン部
18の周方向に対して直交する軸Vとの間の角度βが、
0〜30度の範囲に設定されている。
【0023】次に、本実施の形態に係る空気入りタイヤ
10の作用を以下に説明する。本実施の形態では、クラ
ウン部18の周方向に沿って螺旋状に巻き回されるスパ
イラルベルト26の外周側にクロスベルト28を配置
し、このクロスベルト28の中央部に開口部30を形成
する構造とした。
【0024】つまり、空気入りタイヤ10の側方からの
横力によるスパイラルベルト26の変形を抑制するため
に、スパイラルベルト26の外周側全幅にクロスベルト
28を配置することが考えられる。しかし、この場合に
は、直進時におけるクラウン部18の接地領域の曲げ剛
性も高まる為、車両の旋回時の旋回安定性は向上するも
のの、直進時の振動の吸収性が悪くなり乗り心地が悪化
して乗り心地性が低下する。これに対して、開口部30
を有して中抜き構造とされたクロスベルト28をスパイ
ラルベルト26の外周側に配置することで、直進時の振
動の吸収性等を悪化させずに、旋回時の旋回安定性を向
上することが可能となった。
【0025】また、本実施の形態では、クラウン部18
の周方向と直交する軸Vに対する角度αが0〜45度の
向きでコードが延びるようにクロスベルト28を配置し
た。すなわち、中抜き構造とされたクロスベルト28の
角度αが45度を超えると、クロスベルト28が有る領
域と無い領域との間の剛性の差が大きくなりすぎて、直
進状態から旋回状態に入る時の剛性のリニアー性が損な
われる為、クロスベルト28の角度αを45度以下とし
た。
【0026】さらに、本実施の形態では、クロスベルト
28の中央部の開口部30を挟んだクロスベルト28の
内側端間の間隔をLとし、クラウン部18のタイヤ表面
の円弧に沿った全幅をTWとし、クロスベルト28の幅
をWとしたときに、L/TWの値を0.045<L/T
W<0.53の範囲に設定すると共に、W/TWの値を
0.18<W/TW<0.45の範囲に設定した。
【0027】つまり、L/TWが0.045未満だと、
開口部30が小さくてクラウン部18中央付近の曲げ剛
性が高くなりすぎ、乗り心地が悪くなる。また、L/T
Wが0.53を超えると、旋回時のクラウン部18の接
地領域における剪断剛性の増加の程度が小さく、旋回安
定性向上の効果がほとんどなくなる。この為、クロスベ
ルト28の内側端間の間隔Lと、クラウン部18のタイ
ヤ表面の円弧に沿った全幅TWとの関係を表すL/TW
の値を0.045<L/TW<0.53の範囲とした。
一方、W/TWの値が0.18未満となると、旋回時の
旋回安定性向上の効果が少なく、また、W/TWの値が
0.45を超えると、クラウン部18全体の剛性が高く
なりすぎて振動の吸収性の悪化をもたらすので、0.1
8<W/TW<0.45の範囲とした。
【0028】他方、クロスベルト28を構成するコード
として、250〜500Nの強度を有するアラミド材が
使用されている。つまり、クロスベルト28を構成して
いるコードが、250N未満の場合には旋回時の旋回安
定性向上の効果が小さく、また、このコードが500N
を超えた場合には振動の吸収性の悪化をもたらすおそれ
がある。従って、クロスベルト28を構成する為に、2
50〜500Nの範囲の強度を有するアラミド材をコー
ドとして採用すると良く、さらに、アラミド材としては
ケブラーを使用することが考えられる。
【0029】さらに、カーカス12を構成する部材の延
びる方向とクラウン部18の周方向に対して直交する軸
Vとの間の角度βが0〜30度の範囲とされている。つ
まり、上記構造においてカーカス12の角度βを0度以
上で30度以下としたラジアルタイヤの場合、全体剛性
が低いことから特に効果的を発揮する。また、本実施の
形態におけるクロスベルト28の角度αは30度のもの
或いは45度のものの例がそれぞれ考えられ、クロスベ
ルト28のコードとして9091を採用することが考え
られる。
【0030】次に、本発明の第2の実施の形態に係る空
気入りタイヤを図3に示し、この図に基づき本実施の形
態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と
同一の部材には同一の符号を付して、重複した記載を省
略する。本実施の形態では、図3に示すように、第1の
実施の形態と同様の構造を有しているが、さらに、スパ
イラルベルト26の外周側に1枚のクロスベルト28を
配置するだけでなく、スパイラルベルト26の内周側に
1枚のクロスベルト32を配置して、クロスベルトを一
対配置した構造とした。
【0031】また、これらクロスベルト28、32の内
のスパイラルベルト26の外周側に位置するクロスベル
ト28の中央部には、第1の実施の形態と同様に開口部
30が形成されているが、スパイラルベルト26の内周
側に位置するクロスベルト32には開口部が形成されて
いない。
【0032】さらに、本実施の形態における例として、
クロスベルト28の角度αを30度とすると共に、クロ
スベルト32の角度αを10度とし、これらクロスベル
ト28、32のコードとして9091を採用することが
考えられる。また、他の例として、クロスベルト28の
角度αを30度とすると共に、クロスベルト32の角度
αを10度とし、さらに、クロスベルト28のコードと
して9091を採用すると共に、クロスベルト32のコ
ードとして7035を採用することが考えられる。従っ
て、本実施の形態によれば、第1の実施の形態で採用さ
れたクロスベルト28の他に、スパイラルベルト26の
内周側にクロスベルト32を配置したので、第1の実施
の形態と同様の作用効果を奏するだけでなく、旋回安定
性をより一層向上することができる。
【0033】次に、本発明の第3の実施の形態に係る空
気入りタイヤを図4に示し、この図に基づき本実施の形
態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と
同一の部材には同一の符号を付して、重複した記載を省
略する。本実施の形態では、図4に示すように、第1の
実施の形態と同様の構造を有しているが、さらに、スパ
イラルベルト26の外周側に2枚のクロスベルト42、
44を配置し、クラウン部18の周方向と直交する軸V
に対する角度αが0〜30度の向きでこれらクロスベル
ト42、44のコードが延び且つこれらクロスベルト4
2、44が相互に交差するように並べられている。ま
た、これらクロスベルト42、44の中央部には、第1
の実施の形態と同様に開口部30がそれぞれ形成されて
いる。
【0034】つまり、クロスベルトが1枚であれば、第
1の実施の形態で説明したように、クロスベルト28の
角度範囲は0〜45度で効果を発揮するが、スパイラル
ベルト26の外周側にクロスベルトを2枚以上配置した
場合、クラウン部18全体の曲げ剛性が大きくなる。従
って、本実施の形態のように、クロスベルト42、44
を2枚以上配置した場合には、旋回安定性の向上と振動
の吸収性の確保を両立させる為に、0〜30度の範囲に
クロスベルト42、44の角度αを設定することが好ま
しい。
【0035】次に、本発明の第4の実施の形態に係る空
気入りタイヤを図5に示し、この図に基づき本実施の形
態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と
同一の部材には同一の符号を付して、重複した記載を省
略する。本実施の形態では、図5に示すように、第1の
実施の形態と同様の構造を有しているが、さらに、スパ
イラルベルト26の外周側に2枚のクロスベルト52、
54を配置し、クラウン部18の周方向と直交する軸V
に対する角度αが0〜30度の向きでこれらクロスベル
ト52、54のコードが延び且つこれらクロスベルト5
2、54が相互に交差するように並べられている。ま
た、これら2枚のクロスベルト52、54の内の外周側
のクロスベルト52の中央部には、第1の実施の形態と
同様に開口部30がそれぞれ形成されている。
【0036】さらに、本実施の形態における2枚のクロ
スベルト52、54の角度αをそれぞれ30度としたも
のの例、或いは外周側のクロスベルト52の角度αを4
0度とし、内周側のクロスベルト30の角度αを10度
としたものの例が考えられる。以上より、本実施の形態
によれば、クロスベルト52、54を2枚以上配置し、
内周側のクロスベルト54に開口部を形成しない構造と
したので、第1の実施の形態と同様の作用効果を奏する
だけでなく、旋回安定性をより一層向上することができ
る。
【0037】他方、高速耐久性を確保するためにスパイ
ラルベルト26を配置した上記の実施の形態の構造を採
ることが多いリアタイヤに、上記の実施の形態に係る空
気入りタイヤ10の構造を採用すれば、高速耐久性の確
保だけでなく振動の吸収性の確保及び旋回安定性の向上
という大きな効果を発揮できることになる。また、フロ
ントタイヤでも振動の吸収性等を高いレベルで確保する
ために、スパイラルベルト26をフロントタイヤに配置
した構造としたときに、上記の実施の形態に係る空気入
りタイヤ10の構造を採用すれば、リアタイヤ同様に旋
回安定性の向上と振動の吸収性の確保とが高いレベルで
両立可能となる。
【0038】次に、本発明の第5の実施の形態に係る空
気入りタイヤを図6に示し、この図に基づき本実施の形
態を説明する。尚、第1の実施の形態で説明した部材と
同一の部材には同一の符号を付して、重複した記載を省
略する。本実施の形態では、第1の実施の形態と同様の
構造を有しているが、さらに、開口部30を挟んだクロ
スベルト28の一対の両端側部分におけるコードの傾き
が、図6に示すように相互に対称となる左右対称の傾き
とされている。
【0039】つまり、本実施の形態では、クロスベルト
28の一対の両端側部分におけるコードの傾きが相互に
対称となる左右対称の傾きとされているので、直進時に
おいてハンドルのハンドリングのリニア性等が高まる。
特に、本実施の形態に係る空気入りタイヤをフロントタ
イヤとして採用し、回転方向Bに対してコードの傾きが
V字形となるように配置することで、ハンドリングのリ
ニア性等が一層高まる。但し、回転方向Aに対してコー
ドの傾きが逆V字形となるように配置しても、同様の効
果が得られる。
【0040】次に、上記実施の形態の内の第1の実施の
形態で説明した空気入りタイヤ10の実施例と空気入り
タイヤの比較例とにそれぞれ実車評価テストを実施した
結果を、以下の表1に表す。
【0041】
【表1】
【0042】ここで実車評価とは、運転者による感応評
価であり、旋回安定性及び振動吸収性が含まれていて、
表1より3種類の実施例の何れもが旋回安定性及び振動
吸収性の何れの評価においても80点以上の合格レベル
にあり、比較例よりも優れていることが理解できる。
【0043】尚、本発明が適用されるタイヤとしては種
々のものが考えられ、二輪車用タイヤだけでなく例えば
乗用車用タイヤにも適用でき、またスパイラルベルトの
コードしては、ケブラー或いはスチールを用いた例が考
えれられる。さらに、上記第1から第4の実施の形態に
おいては、クロスベルトの開口部を挟んだ両端側の部分
のコードの方向が同一とされるが、クロスベルトの両端
側の部分を別体のもので形成すれば、第5の実施の形態
のように両端側の部分のコードの方向を相互に逆方向に
できる。
【0044】
【発明の効果】本発明の空気入りタイヤは上記構成とし
たので、高速耐久性だけでなく旋回安定性及び振動吸収
性を高め、高速耐久性と運動性能を両立して走行時の安
全性及び快適性を向上することができるという優れた効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る空気入りタイ
ヤを示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る空気入りタイ
ヤのベルト構造を展開して示す展開図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る空気入りタイ
ヤを示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る空気入りタイ
ヤを示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係る空気入りタイ
ヤを示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係る空気入りタイ
ヤを示す断面図である。
【符号の説明】
10 空気入りタイヤ 18 クラウン部 26 スパイラルベルト 28 クロスベルト 30 開口部 32 クロスベルト 42 クロスベルト 44 クロスベルト 52 クロスベルト 54 クロスベルト

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 クラウン部の周方向に沿って螺旋状に巻
    き回されるスパイラルベルトの外周側に、クラウン部の
    周方向と直交する軸に対して0〜45度の角度の向きで
    コードが延びるクロスベルトを配置し、このクロスベル
    トの中央部に開口部が形成され、 この開口部を挟んだクロスベルトの内側端間の間隔をL
    とし、クラウン部のタイヤ表面の円弧に沿った全幅をT
    Wとしたときに、L/TWの値を0.045<L/TW
    <0.53の範囲に設定したことを特徴とする空気入り
    タイヤ。
  2. 【請求項2】 クロスベルトの幅をWとしたときに、W
    /TWの値を0.18<W/TW<0.45の範囲に設
    定したことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイ
    ヤ。
  3. 【請求項3】 請求項1或いは請求項2に記載の構造の
    空気入りタイヤであって、リアタイヤとして採用された
    ことを特徴とする空気入りタイヤ。
  4. 【請求項4】 請求項1或いは請求項2に記載の構造の
    空気入りタイヤであって、フロントタイヤとして採用さ
    れたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  5. 【請求項5】 請求項1或いは請求項2に記載の構造の
    空気入りタイヤであって、フロントタイヤ及びリアタイ
    ヤとして採用されたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  6. 【請求項6】 スパイラルベルトの外周側に2枚以上の
    クロスベルトを配置し、クラウン部の周方向と直交する
    軸に対して0〜30度の角度の向きでこれらクロスベル
    トのコードが延び且つこれらクロスベルトが相互に交差
    するように並べられたことを特徴とする請求項1から請
    求項5の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  7. 【請求項7】 クロスベルトを構成しているコードとし
    て、250〜500Nの強度を有するアラミド材を使用
    することを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに
    記載の空気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 カーカスを構成する部材の延びる方向と
    クラウン部の周方向に対して直交する軸との間の角度が
    0〜30度であることを特徴とする請求項1から請求項
    7の何れかに記載の空気入りタイヤ。
  9. 【請求項9】 開口部を挟んだクロスベルトの一対の両
    端側部分におけるコードの傾きが相互に対称となる左右
    対称の傾きとされることを特徴とする請求項1から請求
    項8の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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