JP2001205968A - ボールペンチップ - Google Patents
ボールペンチップInfo
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Abstract
ルを保持するためのホルダーとを備えたボールペンチッ
プにおいて、インクがボールに十分に供給されるように
しつつも、長期にわたって書き味の良好さを保ち続ける
ようにする。 【解決手段】 ホルダー30は、ボールハウス40と、イン
ク誘導孔50と、複数のインク溝60とを有する。ボールハ
ウス40は、そのインク誘導孔50側に、底面部80を有す
る。各インク溝60は、それぞれ、ボールハウス40の底面
部80に開口部90を有すると共に、そのいずれの箇所にお
いても等幅に形成されている。ボール20の直径をA、底
面部80の面積をB、インク溝60の幅をC、各開口部90の
総面積をDとしたときに、0.25≦C/A≦0.30
(式1)、及び0.25≦D/(B+D)≦0.30
(式2)を満たすように形成する。
Description
に関し、特に、ボールの直径とインク溝の幅との関係、
及びボールハウスの底面部の面積とインク溝の開口部の
総面積との関係につき、所定の条件を満たすように形成
することにより、インクがボールに十分に供給されるよ
うにしつつも、長期にわたって書き味の良好さを保ち続
けるようにしたボールペンチップに関するものである。
ホルダーの先端側にボールを回転自在に保持するボール
ペンチップが提供されている。前記ボールは、筆記面に
インクを塗布するためのものである。このボールは、例
えば、超硬合金などの金属、又はセラミックなどを用い
て形成されている。
ためのものである。このホルダーは、例えば、ステンレ
ス、洋白、又は真鍮などの金属製の線材を切削すること
によって形成されている。また、このホルダーは、例え
ば、ステンレス製のパイプ材を用いて形成されることも
ある。
インク誘導孔、及びインク溝などを有している。前記ボ
ールハウスは、ボールを収納するための孔である。この
ボールハウスは、ホルダーの先端側の端部近辺に設けら
れている。また、このボールハウスは、ボールの直径よ
りも内径がわずかに大きい円筒状の側面部と、その後端
側に位置し、ホルダーの後端側へ向けて内径を次第に小
さくする円錐状の底面部とを有している。
線材から形成される場合には、線材の先端側から後端側
へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切
削することによって形成される。また、このボールハウ
スは、ホルダーがパイプ材を用いて形成される場合に
も、パイプ材の先端側から後端側へ向けて、パイプ材の
軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによっ
て形成することができる。
に収納されたボールにインクを供給するための孔であ
る。このインク誘導孔は、ホルダーの後端側の端部から
ボールハウスまで貫通している。そして、このインク誘
導孔は、ホルダーが線材から形成される場合には、例え
ば、線材の後端側から先端側へ向けて、線材の軸心に回
転軸を一致させたドリルで切削することによって形成さ
れる。
れる場合には、パイプ材の内腔をそのままインク誘導孔
とすることができる。更に、前記インク溝は、ボールハ
ウスに収納されたボールにインクが十分に供給されるよ
うにするための溝である。このインク溝は、インク誘導
孔の内周面に、インク誘導孔の中心からみて放射状に設
けられている。
又はパイプ材のボールハウス側から反ボールハウス側へ
向けてブローチ加工を施すことによって形成される。そ
して、ボールハウスにボールを収納した後に、ホルダー
の先端側の端部にカシメ部を形成することにより、ボー
ルハウスからボールの一部を突出させつつ、ホルダーの
先端側にボールを回転自在に保持するボールペンチップ
が形成されるのである。
いるボールは、筆記時には、その後端側をボールハウス
の底面部に当接させて回転する。また、このボールは、
筆記時には、インク誘導孔、及びインク溝からインクを
供給される。このため、ボールハウスの底面部の面積を
大きくすれば、ボールハウスの底面部が磨耗しにくくな
るので、長期にわたって書き味の良好さを維持すること
ができるのである。
を大きくすれば、インクがボールに十分に供給されるこ
ととなるので、描線が薄くなったり、あるいは描線がか
すれたりしにくくなるのである。
の内径やインク溝の幅を大きくすると、その分ボールハ
ウスの底面部の面積が小さくなることとなる。このた
め、インクがボールに十分に供給されるようにはなるも
のの、ボールハウスの底面部が磨耗し易くなるので、書
き味が低下してしまったり、あるいは、長期にわたって
書き味の良好さを維持することができなくなってしまっ
たりするのである。
くすると、その分インク誘導孔の内径やインク溝の幅が
小さくなることとなる。このため、ボールハウスの底面
部が磨耗しにくくはなるものの、ボールへのインクの供
給量が低下することとなるので、描線が薄くなってしま
ったり、あるいは描線がかすれ易くなってしまったりす
るのである。
ようにしつつも、長期にわたって書き味の良好さを保ち
続けるようにすることは、極めて困難なのである。この
ような問題は、ホルダーがパイプ材を用いて形成され、
しかも、ボールの直径が0.5mm未満のボールペン
(いわゆる極細ボールペン)において顕著にみられる。
ルハウスの底面部の面積や、インク誘導孔の内径や、イ
ンク溝の幅を十分に確保することが難しい上に、ボール
の直径が比較的小さいために、筆記時におけるボールの
回転数が比較的多くなることにより、ボールハウスの底
面部がより一層磨耗し易くなるためである。そこで、本
発明は、インクがボールに十分に供給され、しかも、長
期にわたって書き味の良好さを保ち続けるボールペンチ
ップを提供することを目的とする。
達成するために鋭意研究を重ねた結果、ボール(20)の
直径とインク溝(60)の幅との関係、及びボールハウス
(40)の底面部(80)の面積とインク溝(60)の開口部
(90)の総面積との関係につき、所定の条件を満たすよ
うに形成することにより、インクがボール(20)に十分
に供給され、しかも、長期にわたって書き味の良好さを
保ち続けることを見出し、以下に示す発明を完成させる
に至った。
ボール(20)と、このボール(20)を保持するためのホ
ルダー(30)とを備え、前記ホルダー(30)は、その一
方側の端部近辺に設けた、ボール(20)を収納するため
のボールハウス(40)と、その反ボールハウス(40)側
の端部からボールハウス(40)まで貫通する、ボール
(20)にインクを供給するためのインク誘導孔(50)
と、インク誘導孔(50)の少なくともボールハウス(4
0)側の内周面に、インク誘導孔(50)の中心からみて
放射状に設けた、ボール(20)にインクを供給するため
の複数のインク溝(60)とを有し、前記ボールハウス
(40)は、そのインク誘導孔(50)側に、インク誘導孔
(50)側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面
部(80)を有し、前記各インク溝(60)は、それぞれ、
ボールハウス(40)の底面部(80)に開口部(90)を有
すると共に、そのいずれの箇所においても等幅に形成さ
れているボールペンチップ(10)であって、前記ボール
(20)の直径をA、前記底面部(80)の面積をB、前記
インク溝(60)の幅をC、前記各開口部(90)の総面積
をDとしたときに、0.25≦C/A≦0.30(式
1)、及び0.25≦D/(B+D)≦0.30(式
2)を満たすことを特徴とする。
インクを塗布するためのものをいう。このボール(20)
は、例えば、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラ
ミックなどを用いて形成することができる。また、この
ボール(20)の直径は、0.5mm未満とされる。
例えば、0.38mmとすることができる。なお、この
ボール(20)の直径は、0.5mm未満であればよく、
0.38mmに限定されるものではない。また、「ホル
ダー(30)」とは、ボール(20)を保持するためのもの
をいう。
ス、洋白、真鍮、又は黄銅などの金属製の線材を切削す
ることによって形成することができる。また、このホル
ダー(30)は、例えば、ステンレス製のパイプ材を用い
て形成することもできる。また、「ボールハウス(4
0)」とは、ボール(20)を収納するための孔をいう。
0)の一方側の端部近辺に設けられる。また、このボー
ルハウス(40)は、ホルダー(30)が線材から形成され
る場合には、例えば、線材の一方側から他方側へ向け
て、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削する
ことによって形成することができる。
ー(30)がパイプ材を用いて形成される場合にも、例え
ば、パイプ材の一方側から他方側へ向けて、パイプ材の
軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによっ
て形成することができる。また、「インク誘導孔(5
0)」とは、ボールハウス(40)に収納されたボール(2
0)にインクを供給するための孔をいう。
0)の反ボールハウス(40)側の端部からボールハウス
(40)まで貫通するように設けられる。また、このイン
ク誘導孔(50)は、ホルダー(30)が線材から形成され
る場合には、例えば、線材の反ボールハウス(40)側の
端部からボールハウス(40)側へ向けて、線材の軸心に
回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成
することができる。
形成される場合には、例えば、パイプ材の内腔をそのま
まインク誘導孔(50)とすることができる。また、「イ
ンク溝(60)」とは、ボールハウス(40)に収納された
ボール(20)にインクが十分に供給されるようにするた
めの溝をいう。このインク溝(60)は、インク誘導孔
(50)の内周面に、インク誘導孔(50)の中心からみて
放射状に設けられる。
孔(50)の少なくともボールハウス(40)側の内周面に
設けられる。従って、このインク溝(60)は、インク誘
導孔(50)の内周面のうち、ボールハウス(40)側の端
部近辺にのみ設けてもよく、また、インク誘導孔(50)
の内周面のボールハウス(40)側の端部から反ボールハ
ウス(40)側の端部まで貫通させるようにして設けても
よい。
所においても等幅に形成される。また、このインク溝
(60)は、例えば、線材、又はパイプ材のボールハウス
(40)側から反ボールハウス(40)側へ向けてブローチ
加工を施すことによって形成することができる。例え
ば、ホルダー(30)が線材から形成される場合には、イ
ンク誘導孔(50)は、ドリルで切削することによって形
成されることが多い。また、この場合、インク誘導孔
(50)は、反ボールハウス(40)側からボールハウス
(40)側へ向けて内径を順次小さくするように、多段に
形成されることが多い。そして、この場合、インク溝
(60)は、インク誘導孔(50)の最小径部分の内周面
に、そのボールハウス(40)側の端部から反ボールハウ
ス(40)側の端部まで貫通させるようにして設けられる
ことが多いのである。
を用いて形成される場合には、このインク溝(60)は、
インク誘導孔(50)の内周面のうち、ボールハウス(4
0)側の端部近辺にのみ設けられることが多い。即ち、
この場合、インク溝(60)は、インク誘導孔(50)の反
ボールハウス(40)側の端部まで貫通しないように形成
されることが多いのである。
あれば、2本であっても、3本であっても、あるいはそ
れ以上であってもよい。また、前記ボールハウス(40)
は、ボール(20)の直径よりも内径がわずかに大きい円
筒状の側面部(70)と、そのインク誘導孔(50)側に位
置し、インク誘導孔(50)側へ向けて内径を次第に小さ
くする円錐状の「底面部(80)」とを有している。
れ、ボールハウス(40)の底面部(80)に「開口部(9
0)」を有し、これにより、インク誘導孔(50)とボー
ルハウス(40)とを連通させて、ボールハウス(40)に
収納されたボール(20)にインクが十分に供給されるよ
うにしているのである。更に、このボールペンチップ
(10)は、ボール(20)の直径をA、底面部(80)の面
積をB、インク溝(60)の幅をC、各開口部(90)の総
面積をDとしたときに、0.25≦C/A≦0.30
(式1)、及び0.25≦D/(B+D)≦0.30
(式2)を満たすように形成されている。
0)の直径に対して25%以上30%以下となるように
形成され、また、各開口部(90)の総面積は、(B+
D)の面積に対して25%以上30%以下となるように
形成されているのである。また、(B+D)の面積は、
「インク溝がないと仮定した場合における底面部の面
積」ともいうことができるものである。
すようにボールペンチップ(10)を形成することによ
り、インクがボール(20)に十分に供給されるようにし
つつも、長期にわたって書き味の良好さを保ち続けるよ
うにすることができるのである。なお、C/A<0.2
5では、即ち、インク溝(60)の幅がボール(20)の直
径に対して25%未満では、ボール(20)へのインクの
供給量が低下し、描線が薄くなったり、あるいは描線が
かすれ易くなったりしてしまう。
ク溝(60)の幅がボール(20)の直径に対して30%を
超えるようでは、ボールハウス(40)の底面部(80)が
磨耗し易くなり、書き味が低下したり、あるいは長期に
わたって書き味の良好さを保ち続けることができなくな
ったりしてしまうのである。また、D/(B+D)<
0.25では、即ち、各開口部(90)の総面積が(B+
D)の面積に対して25%未満では、ボール(20)への
インクの供給量が低下し、描線が薄くなったり、あるい
は描線がかすれ易くなったりしてしまう。
ち、各開口部(90)の総面積が(B+D)の面積に対し
て30%を超えるようでは、ボールハウス(40)の底面
部(80)が磨耗し易くなり、書き味が低下したり、ある
いは長期にわたって書き味の良好さを保ち続けることが
できなくなったりしてしまうのである。
ップの実施の形態を、図示例と共に説明する。図1及び
図2は、ボールペンチップの要部断面図、図3は、ボー
ルを取り除いた状態における図1のI−I線断面図、図
4は、底面部の面積(B)、各開口部の総面積(D)、
及び(B+D)の面積を示す概念図である。
は、直径が0.5mm未満のボール20と、このボール20
を保持するためのホルダー30とを備えている。前記ホル
ダー30は、その一方側の端部近辺に設けた、ボール20を
収納するためのボールハウス40と、その反ボールハウス
40側の端部からボールハウス40まで貫通する、ボール20
にインクを供給するためのインク誘導孔50と、インク誘
導孔50の少なくともボールハウス40側の内周面に、イン
ク誘導孔50の中心からみて放射状に設けた、ボール20に
インクを供給するための複数のインク溝60とを有してい
る。
誘導孔50側に、インク誘導孔50側へ向けて内径を次第に
小さくする円錐状の底面部80を有している。更に、前記
各インク溝60は、それぞれ、ボールハウス40の底面部80
に開口部90を有していると共に、そのいずれの箇所にお
いても等幅に形成されている。そして、このボールペン
チップ10は、ボール20の直径をA、底面部80の面積を
B、インク溝60の幅をC、各開口部90の総面積をDとし
たときに、0.25≦C/A≦0.30(式1)、及び
0.25≦D/(B+D)≦0.30(式2)を満たす
ように形成されており、これにより、インクがボール20
に十分に供給され、しかも、長期にわたって書き味の良
好さを保ち続けるようにしているものである。
ンチップ10について詳述する。 (ボール20)前記ボール20は、筆記面にインクを塗布す
るためのものである。このボール20は、超硬合金、ステ
ンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成され
ている。
未満とされている。具体的には、このボール20の直径
を、例えば、0.38mmとすることができる。なお、
ボール20の直径は、0.5mm未満であればよく、0.
38mmに限定されるものではない。 (ホルダー30)また、前記ホルダー30は、ボール20を保
持するためのものである。
パイプ材を用いて形成されている。また、このホルダー
30は、図1及び図3に示すように、ボール20を収納する
ためのボールハウス40と、ボールハウス40に収納された
ボール20にインクを供給するためのインク誘導孔50と、
ボールハウス40に収納されたボール20にインクが十分に
供給されるようにするための3本のインク溝60とを有し
ている。
側の端部近辺に設けられている。このボールハウス40
は、パイプ材の一方側から他方側へ向けて、パイプ材の
軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによっ
て形成されている。また、前記インク誘導孔50は、ホル
ダー30の反ボールハウス40側の端部からボールハウス40
まで貫通している。
そのまま用いている。また、前記インク溝60は、インク
誘導孔50の内周面に、インク誘導孔50の中心からみて放
射状に設けられている。また、このインク溝60は、イン
ク誘導孔50の内周面のうち、ボールハウス40側の端部近
辺にのみ設けられている。
所においても等幅に形成されている。このインク溝60
は、パイプ材のボールハウス40側から反ボールハウス40
側へ向けてブローチ加工を施すことによって形成されて
いる。また、前記ボールハウス40は、ボール20の直径よ
りも内径がわずかに大きい円筒状の側面部70と、そのイ
ンク誘導孔50側に位置し、インク誘導孔50側へ向けて内
径を次第に小さくする円錐状の底面部80とを有してい
る。
ールハウス40の底面部80に開口部90を有し、これによ
り、インク誘導孔50とボールハウス40とを連通させて、
ボールハウス40に収納されたボール20にインクが十分に
供給されるようにしている。なお、インク溝60の本数
は、3本に限定されるものではなく、例えば、4本にし
てもよく、あるいはそれ以上にしてもよい。
プ材を用いて形成されるものに限られず、例えば、ステ
ンレス、洋白、真鍮、又は黄銅などの金属製の線材を用
いて形成することもできる。例えば、図2に示すホルダ
ー30は、ステンレス製の線材を用いて形成されている。
用いて形成される場合には、ボールハウス40は、線材の
一方側から他方側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致
させたドリルで切削することによって形成することがで
きる。また、インク誘導孔50は、線材の反ボールハウス
40側の端部からボールハウス40側へ向けて、線材の軸心
に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形
成することができる。この場合、インク誘導孔50は、反
ボールハウス40側からボールハウス40側へ向けて内径を
順次小さくするように、多段に形成されることが多い。
40側から反ボールハウス40側へ向けてブローチ加工を施
すことによって形成することができる。この場合、イン
ク溝60は、インク誘導孔50の最小径部分の内周面に、そ
のボールハウス40側の端部から反ボールハウス40側の端
部まで貫通させるようにして設けられることが多い。 (ボールペンチップ10)更に、前記ボールハウス40にボ
ール20を収納した後に、ホルダー30のボールハウス40側
の端部にカシメ部を形成することにより、ボールハウス
40からボール20の一部を突出させつつ、ホルダー30の先
端側にボール20を回転自在に保持するボールペンチップ
10とされている。
ル20の直径をA、底面部80の面積をB、インク溝60の幅
をC、各開口部90の総面積をDとしたときに、0.25
≦C/A≦0.30(式1)、及び0.25≦D/(B
+D)≦0.30(式2)を満たすように形成されてい
る。即ち、インク溝60の幅は、ボール20の直径に対して
25%以上30%以下となるように形成され、また、各
開口部90の総面積は、(B+D)の面積に対して25%
以上30%以下となるように形成されているのである。
各開口部90の総面積(D)、及び(B+D)の面積を、
それぞれ概念的に示したものである。即ち、図4(1)
中の黒く塗りつぶした部分は、底面部の面積(B)を、
図4(2)中の黒く塗りつぶした部分は、各開口部90の
総面積(D)を、図4(3)中の黒く塗りつぶした部分
は、(B+D)の面積を、それぞれ概念的に示してい
る。
ク溝がないと仮定した場合における底面部の面積」とも
いうことができる。そして、上記(式1)及び(式2)
を満たすようにボールペンチップ10を形成することによ
り、インクがボール20に十分に供給され、しかも、長期
にわたって書き味の良好さを保ち続けるようにすること
ができるのである。
ク溝60の幅がボール20の直径に対して25%未満では、
ボール20へのインクの供給量が低下し、描線が薄くなっ
たり、あるいは描線がかすれ易くなったりしてしまう。
一方、C/A>0.30では、即ち、インク溝60の幅が
ボール20の直径に対して30%を超えるようでは、ボー
ルハウス40の底面部80が磨耗し易くなり、書き味が低下
したり、あるいは長期にわたって書き味の良好さを保ち
続けることができなくなったりしてしまうのである。
ち、各開口部90の総面積が(B+D)の面積に対して2
5%未満では、ボール20へのインクの供給量が低下し、
描線が薄くなったり、あるいは描線がかすれ易くなった
りしてしまう。一方、D/(B+D)>0.30では、
即ち、各開口部90の総面積が(B+D)の面積に対して
30%を超えるようでは、ボールハウス40の底面部80が
磨耗し易くなり、書き味が低下したり、あるいは長期に
わたって書き味の良好さを保ち続けることができなくな
ったりしてしまうのである。
E、インク誘導孔50の内径をF、インク溝60の本数を
G、インク溝60の半径をHとして、実施例及び比較例に
より、本発明を更に詳しく説明する。 (実施例1)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.10mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=3本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.26 また、D/(B+D)≒0.27 (実施例2)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.095mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=3本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.25 また、D/(B+D)≒0.26 (実施例3)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.110mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=3本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.29 また、D/(B+D)≒0.30 (比較例1)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.06mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=4本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.16 また、D/(B+D)≒0.21 (比較例2)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.06mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数G=5本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.16 また、D/(B+D)≒0.27 (比較例3)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.06mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=6本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.16 また、D/(B+D)≒0.32 (比較例4)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.10mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=4本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.26 また、D/(B+D)≒0.37 (比較例5)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.10mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=5本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.26 また、D/(B+D)≒0.46 (比較例6)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.12mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=2本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.31 また、D/(B+D)≒0.22 (比較例7)以下に示す構成のボールペンチップ10を製
造した。
材 ボール20の直径:A=0.38mm インク溝60の幅:C=0.12mm ボールハウス40の側面部70の内径:E=0.40mm インク誘導孔50の内径:F=0.23mm インク溝60の本数:G=3本 インク溝60の半径:H=0.19mm 従って、C/A≒0.32 また、D/(B+D)≒0.33 (ボールペンチップ10の評価)上記実施例1から3ま
で、及び比較例1から7までの各ボールペンチップ10に
ついて、ボールハウス40の底面部80の耐磨耗性、0m筆
記時における描線の濃さ、及び800m筆記時における
描線の濃さの各項目の評価を行った。
ップ10、及びUM−151黒インク(いわゆる水性ゲル
インク、25℃における粘度:100cp)を用いて、
ボールペンを製造した。そして、各ボールペンについて
筆記試験を行った。筆記試験は、ISO規格14145
−1に準拠した筆記試験機を用い、筆記速度:4.5m
/分、筆記角度:60°、筆記負荷:100g、筆記距
離:800mの条件で「らせん筆記」することにより行
った。
45−1に準拠したものを用いた。ここで、ボールハウ
ス40の底面部80の耐磨耗性は、上記筆記試験機にて80
0m筆記した後の各ボール20ペンにつき、手書きによる
筆記を行い、そのときの感触を下記の基準で判断するこ
とにより、「○」「△」「×」の3段階で評価した。
書き味であった。→評価「○」 (ロ)やや紙への引っかかり感があるものの、概ね良好
な書き味であった。→評価「△」 (ハ)紙への引っかかり感があり、良好な書き味ではな
かった。→評価「×」また、0m筆記時における描線の
濃さは、上記筆記試験機による筆記を開始した直後の描
線の濃さを、下記の基準で判断することにより、「○」
「△」「×」の3段階で評価した。
「○」 (ロ)描線がやや薄かった。→評価「△」 (ハ)描線が薄かった。又は、描線がかすれていた。→
評価「×」また、800m筆記時における描線の濃さ
は、上記筆記試験機による筆記を終了する直前の描線の
濃さを、下記の基準で判断することにより、「○」
「△」「×」の3段階で評価した。
「○」 (ロ)描線がやや薄かった。→評価「△」 (ハ)描線が薄かった。又は、描線がかすれていた。→
評価「×」下記の表1に、上記各ボールペンチップ10に
ついてのボールハウス40の底面部80の耐磨耗性、0m筆
記時における描線の濃さ、及び800m筆記時における
描線の濃さの各項目の評価を示す。
ペンチップ10については、ボールハウス40の底面部80の
耐磨耗性、0m筆記時における描線の濃さ、及び800
m筆記時における描線の濃さのいずれの項目の評価も
「○」又は「△」であった。即ち、実施例1から3まで
に示したようにボールペンチップ10を形成すれば、ボー
ル20へのインクの十分な供給と、長期にわたる書き味の
良好さの維持とを両立させることができるのである。
ップ10については、ボールハウス40の底面部80の耐磨耗
性、0m筆記時における描線の濃さ、又は800m筆記
時における描線の濃さのいずれかの項目の評価が「×」
であった。即ち、比較例1から7までに示したようにボ
ールペンチップ10を形成すると、ボール20へのインクの
十分な供給と、長期にわたる書き味の良好さの維持とを
両立させることができなくなってしまうのである。
数値についての実験を行ったところ、少なくともC/A
の値を0.25〜0.30の範囲内とし、かつ、D/
(B+D)の値を0.25〜0.30の範囲内とすれ
ば、インクがボール20に十分に供給されるようにしつつ
も、長期にわたって書き味の良好さを維持できるという
ことが確認された。
ール20へのインクの供給量が低下し、描線が薄くなった
り、あるいは描線がかすれ易くなったりしてしまうこと
が確認された。一方、C/Aの値が0.30を超えるよ
うでは、ボールハウス40の底面部80が磨耗し易くなり、
書き味が低下したり、あるいは長期にわたって書き味の
良好さを維持することができなくなってしまうことが確
認された。
では、ボール20へのインクの供給量が低下し、描線が薄
くなったり、あるいは描線がかすれ易くなったりしてし
まうことが確認された。一方、D/(B+D)の値が
0.30を超えるようでは、ボールハウス40の底面部80
が磨耗し易くなり、書き味が低下したり、あるいは長期
にわたって書き味の良好さを維持することができなくな
ってしまうことが確認された。
削してホルダー30を形成したボールペンチップ10につい
ても、上記実施例と同様の実験を行ったところ、同様の
結果が得られた。即ち、パイプ材を用いてホルダー30を
形成したボールペンチップ10のみならず、線材を用いて
ホルダー30を形成したボールペンチップ10についても、
C/Aの値を0.25〜0.30の範囲内とし、かつ、
D/(B+D)の値を0.25〜0.30の範囲内とす
れば、ボール20へのインクの十分な供給と、長期にわた
る書き味の良好さの維持とを両立させることができるの
である。
ものではない。
インクがボールに十分に供給され、しかも、長期にわた
って書き味の良好さを保ち続けるボールペンチップを提
供することができるのである。
線断面図。
(D)、及び(B+D)の面積を示す概念図。
Claims (1)
- 【請求項1】 直径が0.5mm未満のボールと、この
ボールを保持するためのホルダーとを備え、 前記ホルダーは、その一方側の端部近辺に設けた、ボー
ルを収納するためのボールハウスと、その反ボールハウ
ス側の端部からボールハウスまで貫通する、ボールにイ
ンクを供給するためのインク誘導孔と、インク誘導孔の
少なくともボールハウス側の内周面に、インク誘導孔の
中心からみて放射状に設けた、ボールにインクを供給す
るための複数のインク溝とを有し、 前記ボールハウスは、そのインク誘導孔側に、インク誘
導孔側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部
を有し、 前記各インク溝は、それぞれ、ボールハウスの底面部に
開口部を有すると共に、そのいずれの箇所においても等
幅に形成されているボールペンチップであって、 前記ボールの直径をA、前記底面部の面積をB、前記イ
ンク溝の幅をC、前記各開口部の総面積をD、としたと
きに、下記の(式1)及び(式2)を満たすことを特徴
とするボールペンチップ。 (式1) 0.25≦C/A≦0.30 (式2) 0.25≦D/(B+D)≦0.30
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001205968A true JP2001205968A (ja) | 2001-07-31 |
JP4329963B2 JP4329963B2 (ja) | 2009-09-09 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009107209A (ja) * | 2007-10-30 | 2009-05-21 | Sakura Color Prod Corp | ボールペンチップ、ボールペン |
JP2016020062A (ja) * | 2014-07-15 | 2016-02-04 | 株式会社サクラクレパス | ボールペン |
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- 2000-01-28 JP JP2000019435A patent/JP4329963B2/ja not_active Expired - Fee Related
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