JP2002321482A - ボールペンチップ及びボールペンチップの製造方法 - Google Patents

ボールペンチップ及びボールペンチップの製造方法

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JP2002321482A
JP2002321482A JP2001128596A JP2001128596A JP2002321482A JP 2002321482 A JP2002321482 A JP 2002321482A JP 2001128596 A JP2001128596 A JP 2001128596A JP 2001128596 A JP2001128596 A JP 2001128596A JP 2002321482 A JP2002321482 A JP 2002321482A
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ball
pipe
caulking
pen tip
peripheral surface
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JP2001128596A
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Toru Kitao
徹 北尾
Yoshihide Ishii
佳秀 石井
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Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ボール収納部23の内径寸法の精度を向上させ
るとともに、内方突出部22の内周面の微細なしわの発生
を防止することにより、インクの流出量を安定させると
ともに、書き味を向上させたボールペンチップ10を提供
する。 【解決手段】 ボールペンチップ10は、金属製のパイプ
20と、ボール30とを備える。パイプ20は、その一方側の
端部にカシメ部21を有し、カシメ部21から所定距離の位
置には複数の内方突出部22を有し、カシメ部21と各内方
突出部22との間にはボール収納部23を有する。ボール30
は、ボール収納部23に収納され、カシメ部21と各内方突
出部22とに支持されることにより、回転自在にパイプ20
の一方側に保持される。あらかじめカシメ部21から内方
突出部22に至るパイプ20の外周面に絞り加工を施して絞
り部29を設け、この絞り部29の内周面を切削により浚
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールペンチップ
及びその製造方法に関し、更に詳しくは、金属製のパイ
プの一方側にボールを回転自在に保持させた、いわゆる
パイプ式のボールペンチップ及びその製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、ボールペンチップには種々の
ものが提供されている。例えば、金属製のパイプの一方
側にボールを回転自在に保持させた、いわゆるパイプ式
のボールペンチップが提供されている。以下、従来のパ
イプ式のボールペンチップの一例を、図示例とともに説
明する。
【0003】図13は、従来のパイプ式のボールペンチ
ップ10の側面断面図である。 (ボールペンチップ10)図13に示すように、このボー
ルペンチップ10は、パイプ20と、ボール30とを備えてい
る。 (パイプ20)前記パイプ20は、ボール30を保持するため
のものである。
【0004】このパイプ20は、ステンレスなどの金属に
よって形成されている。また、このパイプ20は、その一
方側の端部に、ボール30の直径よりも内径を小さく形成
したカシメ部21を有し、また、このカシメ部21から所定
距離の位置には、パイプ20の内方へ向けて突出させた複
数の内方突出部22を有し、また、カシメ部21と各内方突
出部22との間には、ボール30を収納可能に形成したボー
ル収納部23を有している。
【0005】また、このパイプ20は、そのカシメ部21側
の外周に、円錐状のテーパー部25を有している。また、
このパイプ20は、その反カシメ部21側の端部からボール
収納部23まで貫通するインク誘導孔27を有している。 (カシメ部21)前記カシメ部21は、ボール収納部23に収
納したボール30を支持するためのものである。
【0006】このカシメ部21は、パイプ20の一方側の端
部に設けられている。また、このカシメ部21は、円錐状
に形成され、その内径を、ボール30の直径よりも小さく
形成されている。 (内方突出部22)前記内方突出部22は、ボール収納部23
に収納したボール30を支持するためのものである。
【0007】この内方突出部22は、パイプ20の所定位置
であって、カシメ部21から所定距離の位置に複数設けら
れている。また、これら複数の内方突出部22は、パイプ
20の中心からみて放射状に設けられている。また、各内
方突出部22は、パイプ20の内方へ向けて突出し、これに
より、内方突出部22を設けた部分のパイプ20の内径が、
ボール30の直径よりも小さくなるようにしている。
【0008】また、各内方突出部22は、そのボール収納
部23側の面に、ボール30と接するボール受け座24を有し
ている。 (ボール収納部23)前記ボール収納部23は、ボール20を
収納するためのものである。このボール収納部23は、カ
シメ部21と各内方突出部22との間に設けられている。
【0009】また、このボール収納部23は、円筒状に形
成され、その内径を、ボール30の直径よりもわずかに大
きく形成されている。 (テーパー部25)前記テーパー部25は、筆記の際にパイ
プ20が筆記面に接触しないようにするためのものであ
る。
【0010】このテーパー部25は、パイプ20のカシメ部
21側の外周に、カシメ部21と連続するようにして設けら
れ、カシメ部21側から反カシメ部21側へ向けて外径を次
第に大きくする円錐状に形成されている。 (インク誘導孔27)前記インク誘導孔27は、ボール収納
部23に収納したボール30にインクを供給するためのもの
である。
【0011】このインク誘導孔27は、円孔状に形成さ
れ、パイプ20の反カシメ部21側の端部からボール収納部
23まで貫通している。 (ボール30)前記ボール30は、筆記面にインクを塗布す
るためのものである。このボール30は、超硬合金によっ
て形成されている。
【0012】また、このボール30は、ボール収納部23に
収納され、カシメ部21と各内方突出部22とに支持される
ことにより、その一部をカシメ部21からパイプ20の外部
に突出させつつ、回転自在にパイプ20の一方側に保持さ
れている。また、ボール30とカシメ部21との間には、ク
リアランス26と呼ばれる微小な間隙が設けられ、このク
リアランス26が、筆記時におけるインクの通路となって
いる。
【0013】そして、ボール30の回転に伴って、ボール
30の表面に付着したインクが筆記面に転写されることに
より、筆記面に描線が描かれるのである。 (ボールペンチップ10の製造方法)次に、従来のパイプ
式のボールペンチップ10の製造方法について説明する。
ここで、パイプ20の一方側を先端、他方側を後端として
説明する。
【0014】まず、パイプ20の先端から所定距離の位置
に、複数の内方突出部22を設ける。各内方突出部22は、
パイプ20の外周面を押圧することによって形成する。そ
して、各内方突出部22より先端側のパイプ20内部を、ボ
ール収納部23とし、また、各内方突出部22より後端側の
パイプ20内部を、インク誘導孔27とし、また、各内方突
出部22の先端側の面を、ボール受け座24とする。
【0015】次に、パイプ20の先端近辺の外周を円錐状
に切削して、パイプ20の先端近辺の外周に、テーパー部
25を設ける。次に、ボール収納部23にボール30を収納
し、その後に、パイプ20の先端にカシメ加工を施してカ
シメ部21を設ける。このようにして、図13に示す、従
来のパイプ式のボールペンチップ10が製造されるのであ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のパイプ
式のボールペンチップは、パイプの内腔をそのままボー
ル収納部として用いていたため、ボール収納部の内径の
寸法精度が低く、これにより、チップの先端からのイン
クの流出量がバラツキやすかった。また、従来のパイプ
式のボールペンチップは、パイプに何の加工も施さぬま
ま内方突出部を形成していたため、内方突出部の内周面
に微細なしわが生じやすく、これにより、ボール受け座
の表面が荒れて、書き味が損なわれやすかった。
【0017】また、従来のパイプ式のボールペンチップ
は、内方突出部の先端側の面をそのままボール受け座と
して用いていたため、ボール受け座の位置にバラツキが
生じやすく、これにより、ボール収納部の内部における
ボールの位置が安定せずに、書き味が損なわれやすかっ
た。 (請求項1)そこで、本発明のうち請求項1に記載した
発明は、あらかじめパイプの一方側に絞り加工を施して
絞り部を設け、更に、この絞り部の内周面を切削して浚
い、そして、内周面を浚った後の絞り部に内方突出部及
びボール収納部を設けることにより、ボール収納部の内
径の寸法精度を向上させるとともに、内方突出部の内周
面の微細なしわの発生を防止し、これにより、インクの
流出量を安定させるとともに、書き味を向上させたボー
ルペンチップを提供することを目的とする。
【0018】(請求項2)また、本発明のうち請求項2
に記載した発明は、パイプの一方側に絞り部を設ける絞
り工程と、絞り部の内周面を浚う切削工程と、絞り部の
所定位置に内方突出部を設ける押圧工程と、内方突出部
より先端側の絞り部内部をボール収納部とし、このボー
ル収納部にボールを収納した後に、パイプの絞り部側の
端部にカシメ部を設けるカシメ工程とを含むことによ
り、ボール収納部の内径の寸法精度を向上させるととも
に、内方突出部の内周面の微細なしわの発生を防止し、
これにより、インクの流出量を安定させるとともに、書
き味を向上させるようにしたボールペンチップの製造方
法を提供することを目的とする。
【0019】(請求項3)また、本発明のうち請求項3
に記載した発明は、パイプの一方側に絞り部を設ける絞
り工程と、絞り部の所定位置に内方突出部を設ける押圧
工程と、内方突出部の先端側の面及び内方突出部から先
端にかけての絞り部内部を切削により浚うボール収納部
の仕上げ工程と、ボール収納部にボールを収納した後
に、パイプの絞り部側の端部にカシメ部を設けるカシメ
工程とを含むことにより、ボール収納部の内径の寸法精
度を向上させるとともに、ボール受け座の表面を均一か
つ滑らかにし、これにより、インクの流出量を安定さ
せ、また、ボール収納部の内部におけるボールの位置を
安定させ、また、ボールとボール受け座との間の摩擦を
低減させて、書き味を向上させるようにしたボールペン
チップの製造方法を提供することを目的とする。
【0020】(請求項4)更に、本発明のうち請求項4
に記載した発明は、パイプの一方側に絞り部を設ける絞
り工程と、絞り部の内周面を浚う切削工程と、絞り部の
所定位置に内方突出部を設ける押圧工程と、内方突出部
の先端側の面を切削により浚うボール収納部の仕上げ工
程と、ボール収納部にボールを収納した後に、パイプの
絞り部側の端部にカシメ部を設けるカシメ工程とを含む
ことにより、ボール収納部の内径の寸法精度をより一層
向上させるとともに、ボール受け座の表面をより一層均
一かつ滑らかにし、これにより、インクの流出量をより
一層安定させ、また、ボール収納部の内部におけるボー
ルの位置をより一層安定させ、また、ボールとボール受
け座との間の摩擦をより一層低減させて、書き味をより
一層向上させるようにしたボールペンチップの製造方法
を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】(請求項1)本発明のう
ち請求項1に記載した発明は、金属製のパイプ(20)
と、ボール(30)とを備え、前記パイプ(20)は、その
一方側の端部に設けられ、かつ、ボール(30)の直径よ
りも内径を小さく形成されているカシメ部(21)と、こ
のカシメ部(21)から所定距離の位置に設けられ、か
つ、パイプ(20)の内方へ向けて突出している複数の内
方突出部(22)と、カシメ部(21)と各内方突出部(2
2)との間に設けられ、かつ、ボール(30)を収納可能
に形成されているボール収納部(23)とを有し、前記ボ
ール(30)は、ボール収納部(23)に収納され、カシメ
部(21)と各内方突出部(22)とに支持されることによ
り、その一部をカシメ部(21)からパイプ(20)の外部
に突出させつつ、回転自在に保持されているボールペン
チップ(10)であって、あらかじめカシメ部(21)から
内方突出部(22)に至るパイプ(20)の外周面に絞り加
工を施して絞り部(29)を設け、この絞り部(29)の内
周面を切削により浚ったことを特徴とする。
【0022】ここで、「金属製のパイプ(20)と、ボー
ル(30)とを備え、前記パイプ(20)は、その一方側の
端部に設けられ、かつ、ボール(30)の直径よりも内径
を小さく形成されているカシメ部(21)と、このカシメ
部(21)から所定距離の位置に設けられ、かつ、パイプ
(20)の内方へ向けて突出している複数の内方突出部
(22)と、カシメ部(21)と各内方突出部(22)との間
に設けられ、かつ、ボール(30)を収納可能に形成され
ているボール収納部(23)とを有し、前記ボール(30)
は、ボール収納部(23)に収納され、カシメ部(21)と
各内方突出部(22)とに支持されることにより、その一
部をカシメ部(21)からパイプ(20)の外部に突出させ
つつ、回転自在に保持されているボールペンチップ(1
0)」とは、金属製のパイプ(20)の一方側にボール(3
0)を回転自在に保持させた、いわゆるパイプ式のボー
ルペンチップ(10)をいう。
【0023】また、「パイプ(20)」とは、ボール(3
0)を保持するためのものをいう。このパイプ(20)
は、例えば、ステンレスなどの金属によって形成するこ
とができる。また、このパイプ(20)は、その一方側の
端部にカシメ部(21)を有し、また、カシメ部(21)か
ら所定距離の位置には複数の内方突出部(22)を有し、
また、カシメ部(21)と各内方突出部(22)との間には
ボール収納部(23)を有する。
【0024】また、「カシメ部(21)」とは、ボール収
納部(23)に収納したボール(30)を支持するためのも
のをいう。このカシメ部(21)は、パイプ(20)の一方
側の端部に設けられる。また、このカシメ部(21)は、
その内径を、ボール(30)の直径よりも小さく形成され
る。
【0025】また、「内方突出部(22)」とは、ボール
収納部(23)に収納したボール(30)を支持するための
ものをいう。この内方突出部(22)は、パイプ(20)の
所定位置であって、カシメ部(21)から所定距離の位置
に複数設けられる。また、各内方突出部(22)は、パイ
プ(20)の内方へ向けて突出し、これにより、内方突出
部(22)を設けた部分のパイプ(20)の内径が、ボール
(30)の直径よりも小さくなるようにしている。
【0026】また、「ボール収納部(23)」とは、ボー
ル30を収納するためのものをいう。このボール収納部
(23)は、カシメ部(21)と各内方突出部(22)との間
に設けられる。また、このボール収納部(23)は、円筒
状に形成され、その内径を、ボール(30)の直径よりも
わずかに大きく形成される。
【0027】また、「ボール(30)」とは、筆記面にイ
ンクを塗布するためのものをいう。このボール(30)
は、例えば、超硬合金、ステンレス、焼入鋼又はセラミ
ックなどによって形成することができる。また、このボ
ール(30)は、ボール収納部(23)に収納され、カシメ
部(21)と各内方突出部(23)とに支持されることによ
り、その一部をカシメ部(21)からパイプ(20)の外部
に突出させつつ、回転自在にパイプ(20)の一方側に保
持される。
【0028】そして、本発明に係るボールペンチップ
(10)は、あらかじめカシメ部(21)から内方突出部
(22)に至るパイプ(20)の外周面に絞り加工を施して
絞り部(29)を設け、この絞り部(29)の内周面を切削
により浚ったものである。すなわち、本発明に係るボー
ルペンチップ(10)は、あらかじめパイプ(20)の一方
側に絞り加工を施して絞り部(29)を設け、更に、この
絞り部(29)の内周面を切削して浚い、そして、内周面
を浚った後の絞り部(29)に、内方突出部(22)、ボー
ル収納部(23)及びカシメ部(21)を設けたものであ
る。
【0029】そして、本発明に係るボールペンチップ
(10)は、内周面を浚った後の絞り部(29)に内方突出
部(22)を設けることにより、内方突出部(22)内周面
の微細なしわの発生を防止し、これにより、ボール受け
座(24)の表面を滑らかにして、書き味を向上させてい
るのである。また、本発明に係るボールペンチップ(1
0)は、内周面を浚った後の絞り部(29)内部をボール
収納部(23)とすることにより、ボール収納部(23)の
内径の寸法精度を向上させ、これにより、インクの流出
量を安定させているのである。
【0030】(請求項2)また、本発明のうち請求項2
に記載した発明は、金属製のパイプ(20)と、ボール
(30)とを備え、前記パイプ(20)は、その一方側の端
部に設けられ、かつ、ボール(30)の直径よりも内径を
小さく形成されているカシメ部(21)と、このカシメ部
(21)から所定距離の位置に設けられ、かつ、パイプ
(20)の内方へ向けて突出している複数の内方突出部
(22)と、カシメ部(21)と各内方突出部(22)との間
に設けられ、かつ、ボールを収納可能に形成されている
ボール収納部(23)とを有し、前記ボール(30)は、ボ
ール収納部(23)に収納され、カシメ部(21)と各内方
突出部(22)とに支持されることにより、その一部をカ
シメ部(21)からパイプ(20)の外部に突出させつつ、
回転自在に保持されているボールペンチップ(10)の製
造方法であって、パイプ(20)の一方側に絞り部(29)
を設ける絞り工程と、絞り部(29)の内周面を切削する
ことにより、絞り部(29)の内周面を浚う切削工程と、
内周面を浚った後に、絞り部(29)の所定位置に押圧加
工を施すことにより、絞り部(29)の所定位置に複数の
内方突出部(22)を設ける押圧工程と、内方突出部(2
2)より先端側の絞り部(29)内部をボール収納部(2
3)とし、このボール収納部(23)にボール(30)を収
納した後に、パイプ(20)の絞り部(29)側の端部にカ
シメ部(21)を設けるカシメ工程とを含むことを特徴と
する。
【0031】すなわち、本発明に係るボールペンチップ
(10)の製造方法は、あらかじめパイプ(20)の一方側
に絞り加工を施して絞り部(29)を設け、更に、この絞
り部(29)の内周面を切削して浚い、そして、内周面を
浚った後の絞り部(29)に、内方突出部(22)、ボール
収納部(23)及びカシメ部(21)を設けたボールペンチ
ップ(10)の製造方法である。
【0032】ここで、「絞り工程」とは、パイプ(20)
の一方側に絞り部(29)を設ける工程をいう。具体的に
は、例えば、パイプ(20)の一方側にローラー(50)で
絞り加工を施すことにより、パイプ(20)の一方側に絞
り部(29)を設けることができる。また、例えば、パイ
プ(20)の一方側にダイス(60)で絞り加工を施すこと
により、パイプ(20)の一方側に絞り部(29)を設ける
こともできる。
【0033】また、「切削工程」とは、絞り部(29)の
内周面を切削により浚う工程をいう。具体的には、例え
ば、絞り部(29)の内周面をドリル(70)で切削するこ
とにより、絞り部(29)の内周面を浚うことができる。
また、「押圧工程」とは、絞り部(29)の所定位置に押
圧加工を施すことにより、絞り部(29)の所定位置に複
数の内方突出部(22)を設ける工程である。
【0034】具体的には、この押圧工程は、絞り部(2
9)の所定位置であって、パイプ(20)の絞り部(29)
側の端部から所定距離の位置に、絞り部(29)の内方へ
向けて突出する複数の内方突出部(22)を設けるもので
ある。これら複数の内方突出部(22)は、例えば、パイ
プ(20)の中心からみて放射状に設けることができる。
また、各内方突出部(22)は、例えば、絞り部(22)の
所定位置の外周面を押圧加工を施すことによって形成す
ることができる。
【0035】ここで、内方突出部(22)より先端側の絞
り部(29)内部をボール収納部(23)とする。また、
「先端」とは、パイプ(20)の絞り部(29)側の端部を
意味する。また、「カシメ工程」とは、ボール収納部
(23)にボール(30)を収納した後に、パイプ(20)の
絞り部(29)側の端部にカシメ部(21)を設ける工程を
いう。
【0036】具体的には、このカシメ工程は、ボール収
納部(23)にボール(30)を収納した後に、パイプ(2
0)の絞り部(29)側の端部にカシメ加工を施すことに
より、パイプ(20)の絞り部(29)側の端部にカシメ部
(21)を設けるものである。そして、本発明に係るボー
ルペンチップ(10)の製造方法は、上述したように、パ
イプ(20)の一方側に絞り部(29)を設ける絞り工程
と、絞り部(29)の内周面を切削して浚う切削工程と、
絞り部(29)の所定位置に複数の内方突出部(22)を設
ける押圧工程と、内方突出部(22)より先端側の絞り部
(29)内部をボール収納部(23)とし、このボール収納
部(23)にボール(30)を収納した後にパイプ(20)の
絞り部(29)側の端部にカシメ部(21)を設けるカシメ
工程とを含むものであり、この製造方法により、ボール
収納部(23)の内径の寸法精度を向上させるとともに、
内方突出部(22)の内周面の微細なしわの発生を防止で
きるのである。そして、この製造方法により、インクの
流出量を安定させるとともに、書き味を向上させたボー
ルペンチップを提供することができるのである。
【0037】(請求項3)また、本発明のうち請求項3
に記載した発明は、金属製のパイプ(20)と、ボール
(30)とを備え、前記パイプ(20)は、その一方側の端
部に設けられ、かつ、ボール(30)の直径よりも内径を
小さく形成されているカシメ部(21)と、このカシメ部
(21)から所定距離の位置に設けられ、かつ、パイプ
(20)の内方へ向けて突出している複数の内方突出部
(22)と、カシメ部(21)と各内方突出部(22)との間
に設けられ、かつ、ボールを収納可能に形成されている
ボール収納部(23)とを有し、前記ボール(30)は、ボ
ール収納部(23)に収納され、カシメ部(21)と各内方
突出部(22)とに支持されることにより、その一部をカ
シメ部(21)からパイプ(20)の外部に突出させつつ、
回転自在に保持されているボールペンチップ(10)の製
造方法であって、パイプ(20)の一方側に絞り部(29)
を設ける絞り工程と、絞り部(29)の所定位置に押圧加
工を施すことにより、絞り部(29)の所定位置に複数の
内方突出部(22)を設ける押圧工程と、内方突出部(2
2)の先端側の面及び内方突出部(22)から先端にかけ
ての絞り部(29)内周面を切削により浚うボール収納部
(23)の仕上げ工程と、ボール収納部(23)にボール
(30)を収納した後に、パイプ(20)の絞り部(29)側
の端部にカシメ部(21)を設けるカシメ工程とを含むこ
とを特徴とする。
【0038】すなわち、本発明に係るボールペンチップ
(10)の製造方法は、「切削工程」を省略するととも
に、「押圧工程」と「カシメ工程」との間に「仕上げ工
程」を含むものである。ここで、「絞り工程」、「押圧
工程」及び「カシメ工程」については、請求項2に記載
した発明と同様である。
【0039】したがって、ここでは「仕上げ工程」につ
いて説明する。「仕上げ工程」とは、内方突出部(22)
の先端側の面及び内方突出部(22)から先端にかけての
絞り部(29)内周面を切削により浚って仕上げる工程を
いう。また、「先端」とは、パイプ(20)の絞り部(2
9)側の端部を意味する。具体的には、この仕上げ工程
は、内方突出部(22)の先端側の面及び内方突出部(2
2)から先端にかけての絞り部(29)内周面、すなわ
ち、ボール受け座(24)の表面及びボール収納部(23)
の内周面を切削により浚って仕上げる工程である。
【0040】例えば、内方突出部(22)の先端側の面及
び内方突出部(22)から先端にかけての絞り部(29)内
周面をドリル80で切削して浚うことにより、内方突出部
(22)の先端側の面及び内方突出部(22)から先端にか
けての絞り部(29)内周面を仕上げることができる。ま
た、例えば、内方突出部(22)の先端側の面及び内方突
出部(22)から先端にかけての絞り部(29)内周面をリ
ーマーで切削して浚うことにより、内方突出部(22)の
先端側の面及び内方突出部(22)から先端にかけての絞
り部(29)内周面を仕上げることもできる。
【0041】そして、本発明に係るボールペンチップ
(10)の製造方法は、上述したように、パイプ(20)の
一方側に絞り部(29)を設ける絞り工程と、絞り部(2
9)の所定位置に複数の内方突出部(22)を設ける押圧
工程と、内方突出部(22)の先端側の面及び内方突出部
(22)から先端にかけての絞り部(29)内周面を切削に
より浚うボール収納部(23)の仕上げ工程と、ボール収
納部(23)にボール(30)を収納した後にパイプ(20)
の絞り部(29)側の端部にカシメ部(21)を設けるカシ
メ工程とを含むものであり、この製造方法により、ボー
ル収納部(23)の内径の寸法精度を向上させるととも
に、ボール受け座(24)の表面を均一かつ滑らかにする
ことができるのである。そして、この製造方法により、
インクの流出量を安定させることができ、また、ボール
収納部(23)の内部におけるボール(30)の位置を安定
させることができ、また、ボール(30)とボール受け座
(24)との間の摩擦を低減させることができるので、書
き味を向上させたボールペンチップを提供することがで
きるのである。
【0042】(請求項4)更に、本発明のうち請求項4
に記載した発明は、金属製のパイプ(20)と、ボール
(30)とを備え、前記パイプ(20)は、その一方側の端
部に設けられ、かつ、ボール(30)の直径よりも内径を
小さく形成されているカシメ部(21)と、このカシメ部
(21)から所定距離の位置に設けられ、かつ、パイプ
(20)の内方へ向けて突出している複数の内方突出部
(22)と、カシメ部(21)と各内方突出部(22)との間
に設けられ、かつ、ボールを収納可能に形成されている
ボール収納部(23)とを有し、前記ボール(30)は、ボ
ール収納部(23)に収納され、カシメ部(21)と各内方
突出部(22)とに支持されることにより、その一部をカ
シメ部(21)からパイプ(20)の外部に突出させつつ、
回転自在に保持されているボールペンチップ(10)の製
造方法であって、パイプ(20)の一方側に絞り部(29)
を設ける絞り工程と、絞り部(29)の内周面を切削する
ことにより、絞り部(29)の内周面を浚う切削工程と、
内周面を浚った後に、絞り部(29)の所定位置に押圧加
工を施すことにより、絞り部(29)の所定位置に複数の
内方突出部(22)を設ける押圧工程と、内方突出部(2
2)の先端側の面を切削により浚うボール収納部(23)
の仕上げ工程と、ボール収納部(23)にボール(30)を
収納した後に、パイプ(20)の絞り部(29)側の端部に
カシメ部(21)を設けるカシメ工程とを含むことを特徴
とする。
【0043】すなわち、本発明に係るボールペンチップ
(10)の製造方法は、「切削工程」を含むとともに、
「押圧工程」と「カシメ工程」との間に「仕上げ工程」
を含むものである。ここで、「絞り工程」、「押圧工
程」及び「カシメ工程」については、請求項2に記載し
た発明と同様である。
【0044】また、本発明では、「仕上げ工程」とは、
内方突出部(22)の先端側の面を切削により浚って仕上
げる工程をいう。また、「先端」とは、パイプ(20)の
絞り部(29)側の端部を意味する。具体的には、この仕
上げ工程は、内方突出部(22)の先端側の面、すなわ
ち、ボール受け座(24)の表面を切削により浚って仕上
げる工程である。
【0045】例えば、内方突出部(22)の先端側の面を
ドリル80で切削して浚うことにより、内方突出部(22)
の先端側の面を仕上げることができる。また、例えば、
内方突出部(22)の先端側の面をリーマーで切削して浚
うことにより、内方突出部(22)の先端側の面を仕上げ
ることもできる。なお、この仕上げ工程において、内方
突出部(22)の先端側の面を切削により浚って仕上げる
と同時に、内方突出部(22)から先端にかけての絞り部
(29)内周面を切削により浚って仕上げてもよい。
【0046】そして、本発明に係るボールペンチップ
(10)の製造方法は、上述したように、パイプ(20)の
一方側に絞り部(29)を設ける絞り工程と、絞り部(2
9)の内周面を切削して浚う切削工程と、絞り部(29)
の所定位置に複数の内方突出部(22)を設ける押圧工程
と、内方突出部(22)の先端側の面を切削により浚うボ
ール収納部(23)の仕上げ工程と、ボール収納部(23)
にボール(30)を収納した後にパイプ(20)の絞り部
(29)側の端部にカシメ部(21)を設けるカシメ工程と
を含むものであり、この製造方法により、ボール収納部
(23)の内径の寸法精度をより一層向上させるととも
に、ボール受け座(24)の表面をより一層均一かつ滑ら
かにすることができるのである。そして、この製造方法
により、インクの流出量をより一層安定させることがで
き、また、ボール収納部(23)の内部におけるボール
(30)の位置をより一層安定させることができ、また、
ボール(30)とボール受け座(24)との間の摩擦をより
一層低減させることができるので、書き味をより一層向
上させたボールペンチップを提供することができるので
ある。
【0047】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)以下、本発
明に係るボールペンチップ及びその製造方法の第1の実
施の形態を、図示例と共に説明する。図1は、第1の実
施の形態に係るボールペンチップ10の側面断面図、図2
は、第1の実施の形態に係るボールペンチップ10の側面
図、図3ないし図8は、第1の実施の形態に係るボール
ペンチップ10の製造工程を示す側面断面図である。
【0048】(ボールペンチップ10)図1及び図2に示
すように、第1の実施の形態に係るボールペンチップ10
は、パイプ20と、ボール30とを備えている。 (パイプ20)前記パイプ20は、ボール30を保持するため
のものである。
【0049】このパイプ20は、ステンレスなどの金属に
よって形成されている。また、このパイプ20は、円筒状
の基部28と、この基部28の一方側に連設した、基部28よ
りも内径及び外径が小さい円筒状の絞り部29とを有して
いる。また、前記基部28は、その内部に、円孔状のイン
ク誘導孔27を有している。また、前記絞り部29は、その
反基部28側の端部に、円錐状のカシメ部21を有し、ま
た、カシメ部21から所定距離の位置には、その内方へ向
けて突出する複数の内方突出部22を有し、また、カシメ
部21と各内方突出部22との間には、円筒状のボール収納
部23を有している。
【0050】また、前記絞り部29は、そのカシメ部21近
辺の外周に、円錐状のテーパー部25を有している。 (カシメ部21)前記カシメ部21は、ボール収納部23に収
納したボール30を支持するためのものである。
【0051】このカシメ部21は、絞り部29の反基部28側
の端部に設けられている。すなわち、このカシメ部21
は、パイプ20の一方側の端部に設けられている。また、
このカシメ部21は、円錐状に形成され、その内径を、ボ
ール30の直径よりも小さく形成されている。 (内方突出部22)前記内方突出部22は、ボール収納部23
に収納したボール30を支持するためのものである。
【0052】この内方突出部22は、絞り部29の所定位置
であって、カシメ部21から所定距離の位置に複数設けら
れている。すなわち、この内方突出部22は、パイプ20の
所定位置であって、カシメ部21から所定距離の位置に複
数設けられている。また、これら複数の内方突出部22
は、パイプ20の中心からみて放射状に設けられている。
【0053】また、各内方突出部22は、パイプ20の内方
へ向けて突出し、これにより、内方突出部22を設けた部
分のパイプ20の内径が、ボール30の直径よりも小さくな
るようにしている。また、各内方突出部22は、そのボー
ル収納部23側の面に、ボール30と接するボール受け座24
を有している。
【0054】(ボール収納部23)前記ボール収納部23
は、ボール30を収納するためのものである。このボール
収納部23は、カシメ部21と各内方突出部22との間に設け
られている。また、このボール収納部23は、円筒状に形
成され、その内径を、ボール30の直径よりもわずかに大
きく形成されている。
【0055】(テーパー部25)前記テーパー部25は、筆
記の際にパイプ20が筆記面に接触しないようにするため
のものである。このテーパー部25は、絞り部29のカシメ
部21近辺の外周に、カシメ部21と連続するようにして設
けられ、カシメ部21側から反カシメ部21側へ向けて外径
を次第に大きくする円錐状に形成されている。
【0056】(インク誘導孔27)前記インク誘導孔27
は、ボール収納部23に収納したボール30にインクを供給
するためのものである。このインク誘導孔27は、円孔状
に形成され、パイプ20の反カシメ部21側の端部からボー
ル収納部23まで貫通している。
【0057】(ボール30)前記ボール30は、筆記面にイ
ンクを塗布するためのものである。このボール30は、超
硬合金、ステンレス、焼入鋼又はセラミックなどによっ
て形成されている。また、このボール30は、ボール収納
部23に収納され、カシメ部21と各内方突出部23とに支持
されることにより、その一部をカシメ部21からパイプ20
の外部に突出させつつ、回転自在にパイプ20の一方側に
保持されている。
【0058】また、ボール30とカシメ部21との間には、
クリアランス26と呼ばれる微小な間隙が設けられ、この
クリアランス26が、筆記時におけるインクの通路となっ
ている。そして、ボール30の回転に伴って、ボール30の
表面に付着したインクが筆記面に転写されることによ
り、筆記面に描線が描かれるのである。
【0059】(ボールペンチップ10の製造方法)次に、
第1の実施の形態に係るボールペンチップ10の製造方法
について説明する。第1の実施の形態に係るボールペン
チップ10の製造方法は、絞り工程、切削工程、押圧工
程、及びカシメ工程を含むものである。
【0060】ここで、パイプ20の一方側を先端、他方側
を後端として説明する。図3は、加工前のパイプ20の先
端側を示す。 (絞り工程)前記絞り工程は、パイプ20の先端側に絞り
部29を設ける工程である。具体的には、図4に示すよう
に、パイプ20の先端側にローラー50で絞り加工を施すこ
とにより、パイプ20の先端側に絞り部29を設ける。
【0061】(切削工程)前記切削工程は、絞り部29の
内周面を切削により浚う工程である。具体的には、図5
に示すように、絞り部29の内周面をドリル70で切削する
ことにより、絞り部29の内周面を浚う。 (押圧工程)前記押圧工程は、絞り部29の所定位置に押
圧加工を施すことにより、絞り部29の所定位置に複数の
内方突出部22を設ける工程である。
【0062】具体的には、図6に示すように、絞り部29
の所定位置であって、パイプ20の先端から所定距離の位
置に、パイプ20の内方へ向けて突出する複数の内方突出
部22を設ける。これら複数の内方突出部22は、パイプ20
の中心からみて放射状に設ける。また、各内方突出部22
は、絞り部29の所定位置の外周面に押圧加工を施すこと
によって形成する。
【0063】そして、各内方突出部22より先端側の絞り
部29内部を、ボール収納部23とし、また、各内方突出部
22より後端側のパイプ20内部を、インク誘導孔27とし、
また、各内方突出部22の先端側の面を、ボール受け座24
とする。次に、図7に示すように、パイプ30の先端近辺
の外周を円錐状に切削して、パイプ30の先端近辺の外周
にテーパー部35を設ける。
【0064】(カシメ工程)前記カシメ工程は、ボール
収納部23にボール30を収納した後に、パイプ20の絞り部
29側の端部にカシメ部21を設ける工程である。具体的に
は、図8に示すように、ボール収納部23にボール30を収
納し、その後に、図1に示すように、パイプ20の絞り部
29側の端部にカシメ加工を施してカシメ部21を設ける。
【0065】このようにして、図1及び図2に示す、第
1の実施の形態に係るボールペンチップ10が製造される
のである。そして、このように、あらかじめパイプ20の
一方側に絞り加工を施して絞り部29を設け、更に、この
絞り部29の内周面を切削により浚い、そして、内周面を
浚った後の絞り部29に内方突出部22を設けることによ
り、内方突出部22の内周面の微細なしわの発生を防止す
ることができ、これにより、ボール受け座24の表面を滑
らかにすることができるので、書き味を向上させること
ができるのである。
【0066】また、内周面を浚った後の絞り部29内部を
ボール収納部23とすることにより、ボール収納部23の内
径寸法の精度を向上させることができ、これにより、イ
ンクの流出量を安定させることができるのである。 (第2の実施の形態)以下、本発明に係るボールペンチ
ップ及びその製造方法の第2の実施の形態を、図示例と
共に説明する。
【0067】図9は、第2の実施の形態に係るボールペ
ンチップ10の側面断面図、図10及び図11は、第2の
実施の形態に係るボールペンチップ10の製造工程を示す
側面断面図である。 (ボールペンチップ10)図9に示すように、第2の実施
の形態に係るボールペンチップ10は、ボール受け座24の
表面、及びボール収納部23の内周面に、仕上げ加工を施
したものである。
【0068】また、第2の実施の形態に係るボールペン
チップ10は、ボール受け座24の表面、及びボール収納部
23の内周面に仕上げ加工を施した点以外については、第
1の実施の形態に係るボールペンチップ10と同様であ
る。 (ボールペンチップ10の製造方法)次に、第2の実施の
形態に係るボールペンチップ10の製造方法について説明
する。
【0069】第2の実施の形態に係るボールペンチップ
10の製造方法は、「切削工程」を省略するとともに、
「押圧工程」と「カシメ工程」との間に「仕上げ工程」
を含むものである。具体的には、第2の実施の形態に係
るボールペンチップ10の製造方法は、パイプ20の一方側
に絞り部を設ける「絞り工程」と、絞り部29の所定位置
に押圧加工を施すことにより、絞り部29の所定位置に複
数の内方突出部22を設ける「押圧工程」と、内方突出部
22の先端側の面及び内方突出部22から先端にかけての絞
り部29内周面を切削により浚うボール収納部23の「仕上
げ工程」と、ボール収納部23にボール30を収納した後
に、パイプ20の絞り部29側の端部にカシメ部21を設ける
「カシメ工程」とを含むものである。
【0070】ここで、「絞り工程」、「押圧工程」及び
「カシメ工程」については、第1の実施の形態と同様で
ある。したがって、ここでは「仕上げ工程」について説
明する。 (仕上げ工程)前記仕上げ工程は、内方突出部22の先端
側の面及び内方突出部22から先端にかけての絞り部29内
周面、すなわち、ボール受け座24の表面及びボール収納
部23の内周面を切削により浚って仕上げる工程である。
【0071】具体的には、図10に示すように、ボール
受け座24の表面及びボール収納部23の内周面をドリル80
で切削して浚うことにより、ボール受け座24の表面及び
ボール収納部23の内周面を仕上げる。そして、このよう
に、ボール受け座24の表面及びボール収納部23の内周面
を切削により仕上げ、その後に、図11に示すように、
ボール収納部23にボール30を収納し、その後に、パイプ
20の絞り部29側の端部にカシメ部21を設けることによ
り、ボール収納部23の内径寸法の精度を向上させること
ができ、これにより、インクの流出量を安定させること
ができるのである。
【0072】また、ボール受け座24の表面を切削により
仕上げることにより、ボール受け座24の表面を均一かつ
滑らかにすることができ、これにより、ボール収納部23
の内部におけるボール30の位置を安定させるとともに、
ボール30とボール受け座24との間の摩擦を低減させるこ
とができるので、書き味を向上させることができるので
ある。
【0073】(第3の実施の形態)以下、本発明に係る
ボールペンチップ及びその製造方法の第3の実施の形態
を、説明する。第3の実施の形態に係るボールペンチッ
プ10の製造方法は、「切削工程」を含むとともに、「押
圧工程」と「カシメ工程」との間に「仕上げ工程」を含
むものである。
【0074】具体的には、第3の実施の形態に係るボー
ルペンチップ10の製造方法は、パイプ20の一方側に絞り
部を設ける「絞り工程」と、絞り部29の内周面を切削す
ることにより、絞り部29の内周面を浚う「切削工程」
と、内周面を浚った後に、絞り部29の所定位置に押圧加
工を施すことにより、絞り部29の所定位置に複数の内方
突出部22を設ける「押圧工程」と、内方突出部22の先端
側の面を切削により浚うボール収納部23の「仕上げ工
程」と、ボール収納部23にボール30を収納した後に、パ
イプ20の絞り部29側の端部にカシメ部21を設ける「カシ
メ工程」とを含むものである。
【0075】ここで、「絞り工程」、「押圧工程」及び
「カシメ工程」については、第1の実施の形態と同様で
ある。また、本実施の形態では、「仕上げ工程」は、内
方突出部22の先端側の面、すなわち、ボール受け座24の
表面を切削により浚って仕上げる工程である。具体的に
は、ボール受け座24の表面をドリル80で切削して浚うこ
とにより、ボール受け座24の表面を仕上げる。
【0076】なお、この仕上げ工程において、内方突出
部22の先端側の面を切削により浚って仕上げると同時
に、内方突出部22から先端にかけての絞り部29内周面を
切削により浚って仕上げてもよい。そして、本実施の形
態に係るボールペンチップ10の製造方法によれば、ボー
ル収納部23の内径の寸法精度をより一層向上させるとと
もに、ボール受け座24の表面をより一層均一かつ滑らか
にすることができ、これにより、インクの流出量をより
一層安定させることができ、また、ボール収納部23の内
部におけるボール30の位置をより一層安定させることが
でき、また、ボール30とボール受け座24との間の摩擦を
より一層低減させることができるので、書き味をより一
層向上させることができるのである。
【0077】なお、上記実施の形態では、絞り部29は、
パイプ20の先端側にローラー50で絞り加工を施すことに
よって設けるとしたが、図12に示すように、例えば、
パイプ20の先端側にダイス60で絞り加工を施すことによ
って設けてもよい。また、上記実施の形態では、絞り部
29の内周面は、ドリル70で切削することにより浚うとし
たが、図示しないが、例えば、リーマーで切削すること
により浚ってもよい。
【0078】また、上記実施の形態では、ボール受け座
24の表面及びボール収納部23の内周面は、ドリル80で切
削して浚うことにより仕上げるとしたが、図示しない
が、例えば、リーマーで切削して浚うことにより仕上げ
てもよい。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載し
た発明によれば、ボール収納部の内径の寸法精度を向上
させることができるとともに、内方突出部の内周面の微
細なしわの発生を防止することができるので、インクの
流出量が安定し、書き味も良いボールペンチップを提供
することができるのである。
【0080】また、請求項2に記載した発明によれば、
ボール収納部の内径の寸法精度を向上させることができ
るとともに、内方突出部の内周面の微細なしわの発生を
防止することができるので、インクの流出量を安定させ
るとともに、書き味を向上させるボールペンチップの製
造方法を提供することができるのである。また、請求項
3に記載した発明によれば、ボール収納部の内径の寸法
精度を向上させることができるとともに、ボール受け座
の表面を均一かつ滑らかにすることができるので、イン
クの流出量を安定させるとともに、書き味を向上させる
ボールペンチップの製造方法を提供することができるの
である。
【0081】更に、請求項4に記載した発明によれば、
ボール収納部の内径の寸法精度をより一層向上させるこ
とができるとともに、ボール受け座の表面をより一層均
一かつ滑らかにすることができるので、インクの流出量
をより一層安定させるとともに、書き味をより一層向上
させるボールペンチップの製造方法を提供することがで
きるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係るボールペンチップの側
面断面図。
【図2】第1の実施の形態に係るボールペンチップの側
面図。
【図3】第1の実施の形態に係るボールペンチップの製
造工程を示す側面断面図。
【図4】第1の実施の形態に係るボールペンチップの製
造工程を示す側面断面図。
【図5】第1の実施の形態に係るボールペンチップの製
造工程を示す側面断面図。
【図6】第1の実施の形態に係るボールペンチップの製
造工程を示す側面断面図。
【図7】第1の実施の形態に係るボールペンチップの製
造工程を示す側面断面図。
【図8】第1の実施の形態に係るボールペンチップの製
造工程を示す側面断面図。
【図9】第2の実施の形態に係るボールペンチップの側
面断面図。
【図10】第2の実施の形態に係るボールペンチップの
製造工程を示す側面断面図。
【図11】第2の実施の形態に係るボールペンチップの
製造工程を示す側面断面図。
【図12】他の実施の形態に係るボールペンチップの製
造工程を示す側面断面図。
【図13】従来のボールペンチップの側面断面図。
【符号の説明】
10 ボールペンチップ 20 パイプ 21 カシメ部 22 内方突出部 23 ボール収納部 24 ボール受け座 25 テーパー部 26 クリアランス 27 インク誘導孔 28 基部 29 絞り部 30 ボール 50 ローラー 60 ダイス 70 ドリル 80 ドリル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C350 GA03 HA10 NC10 NE01 NE05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製のパイプと、ボールとを備え、 前記パイプは、その一方側の端部に設けられ、かつ、ボ
    ールの直径よりも内径を小さく形成されているカシメ部
    と、このカシメ部から所定距離の位置に設けられ、か
    つ、パイプの内方へ向けて突出している複数の内方突出
    部と、カシメ部と各内方突出部との間に設けられ、か
    つ、ボールを収納可能に形成されているボール収納部と
    を有し、 前記ボールは、ボール収納部に収納され、カシメ部と各
    内方突出部とに支持されることにより、その一部をカシ
    メ部からパイプの外部に突出させつつ、回転自在に保持
    されているボールペンチップであって、 あらかじめ、カシメ部から内方突出部に至るパイプの外
    周面に絞り加工を施して絞り部を設け、この絞り部の内
    周面を切削により浚ったことを特徴とするボールペンチ
    ップ。
  2. 【請求項2】 金属製のパイプと、ボールとを備え、 前記パイプは、その一方側の端部に設けられ、かつ、ボ
    ールの直径よりも内径を小さく形成されているカシメ部
    と、このカシメ部から所定距離の位置に設けられ、か
    つ、パイプの内方へ向けて突出している複数の内方突出
    部と、カシメ部と各内方突出部との間に設けられ、か
    つ、ボールを収納可能に形成されているボール収納部と
    を有し、 前記ボールは、ボール収納部に収納され、カシメ部と各
    内方突出部とに支持されることにより、その一部をカシ
    メ部からパイプの外部に突出させつつ、回転自在に保持
    されているボールペンチップの製造方法であって、 パイプの一方側に絞り部を設ける絞り工程と、絞り部の
    内周面を切削することにより、絞り部の内周面を浚う切
    削工程と、内周面を浚った後に、絞り部の所定位置に押
    圧加工を施すことにより、絞り部の所定位置に複数の内
    方突出部を設ける押圧工程と、内方突出部より先端側の
    絞り部内部をボール収納部とし、このボール収納部にボ
    ールを収納した後に、パイプの絞り部側の端部にカシメ
    部を設けるカシメ工程とを含むことを特徴とするボール
    ペンチップの製造方法。
  3. 【請求項3】 金属製のパイプと、ボールとを備え、 前記パイプは、その一方側の端部に設けられ、かつ、ボ
    ールの直径よりも内径を小さく形成されているカシメ部
    と、このカシメ部から所定距離の位置に設けられ、か
    つ、パイプの内方へ向けて突出している複数の内方突出
    部と、カシメ部と各内方突出部との間に設けられ、か
    つ、ボールを収納可能に形成されているボール収納部と
    を有し、 前記ボールは、ボール収納部に収納され、カシメ部と各
    内方突出部とに支持されることにより、その一部をカシ
    メ部からパイプの外部に突出させつつ、回転自在に保持
    されているボールペンチップの製造方法であって、 パイプの一方側に絞り部を設ける絞り工程と、絞り部の
    所定位置に押圧加工を施すことにより、絞り部の所定位
    置に複数の内方突出部を設ける押圧工程と、内方突出部
    の先端側の面及び内方突出部から先端にかけての絞り部
    内周面を切削により浚うボール収納部の仕上げ工程と、
    ボール収納部にボールを収納した後に、パイプの絞り部
    側の端部にカシメ部を設けるカシメ工程とを含むことを
    特徴とするボールペンチップの製造方法。
  4. 【請求項4】 金属製のパイプと、ボールとを備え、 前記パイプは、その一方側の端部に設けられ、かつ、ボ
    ールの直径よりも内径を小さく形成されているカシメ部
    と、このカシメ部から所定距離の位置に設けられ、か
    つ、パイプの内方へ向けて突出している複数の内方突出
    部と、カシメ部と各内方突出部との間に設けられ、か
    つ、ボールを収納可能に形成されているボール収納部と
    を有し、 前記ボールは、ボール収納部に収納され、カシメ部と各
    内方突出部とに支持されることにより、その一部をカシ
    メ部からパイプの外部に突出させつつ、回転自在に保持
    されているボールペンチップの製造方法であって、 パイプの一方側に絞り部を設ける絞り工程と、絞り部の
    内周面を切削することにより、絞り部の内周面を浚う切
    削工程と、内周面を浚った後に、絞り部の所定位置に押
    圧加工を施すことにより、絞り部の所定位置に複数の内
    方突出部を設ける押圧工程と、内方突出部の先端側の面
    を切削により浚うボール収納部の仕上げ工程と、ボール
    収納部にボールを収納した後に、パイプの絞り部側の端
    部にカシメ部を設けるカシメ工程とを含むことを特徴と
    するボールペンチップの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007033152A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Olympus Corp プローブの加工装置
JP2007033150A (ja) * 2005-07-25 2007-02-08 Olympus Corp プローブの製造方法
KR101565996B1 (ko) 2009-09-09 2015-11-05 동아연필 주식회사 니들형 볼펜팁용 축관도구

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