JP2015013426A - ボールペンチップ及びこのボールペンチップを利用したボールペン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボールペンチップ10におけるホルダー部11の先端部分に、当該ホルダー部11の最大外径部14から先端に向って、カシメ部13近傍まで外径が漸減する縮径部15を設け、且つ、縮径部15の側面を凹曲面としたので、カシメ部13近傍では、外径が充分に小さなものになり、ペン先の描線部分を見易くすることができる。しかも、側面が凹曲面となった縮径部15によって、ホルダー部11の最大外径部14からカシメ部13近傍まで連続的な曲面が形成されるので、洗練された印象の外観を形成することができ、ボールペンチップ10の意匠を優れたものにすることができ、ひいては、ボールペン1の意匠をも優れたものにすることができる。
【選択図】 図6
Description
ボールペンは、先端部分に配置されたボールペンチップと、この先端に回転可能に埋め込まれた筆記ボールとを有している。ボールペンチップ先端の筆記ボールが筆記される面で回転することにより、筆記ボールの裏側のインクがペン先表面に送られて、線を描くものとなっている。
そして、このホルダー部の先端には、当該先端における開口の周囲部分を内方に向かって折り曲げることで形成されたカシメ部が設けられている。このカシメ部によって、ホルダー部の先端内部に回転可能に設けられた筆記ボールがホルダー部から抜け出ないように保持されている。
このようなボールペンチップを備えたボールペンでは、ペン先が円錐状のテーパー部の陰となるので、ペン先の描線部分が見えにくい場合がある。
そこで、円錐状に形成されたテーパー部の代わりに、ホルダー部の最大外径部分の端部に軸方向と直行する端面を形成し、且つ、この端面から先端へ向かって突出する細長い円筒状のパイプ部を設け、このパイプ部の先端に筆記ボールを回転可能に収納し、これにより、ペン先の描線部分を見易くしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(特徴点)
本発明の第1発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、本第1発明は、後端から先端まで連通するインク誘導孔が内部に形成された筒状のホルダー部(11)と、このホルダー部(11)の先端内部に回転可能に設けられた筆記ボール(12)と、前記ホルダー部(11)の先端開口の周囲部分を内方に向かって折り曲げることで形成され、前記筆記ボール(12)を前記ホルダー部(11)から抜け出ないように保持するカシメ部(13)とを備えたボールペンチップ(10)であって、前記ホルダー部(11)の先端部分には、当該ホルダー部(11)の最大外径部分(14)から先端に向って前記カシメ部(13)近傍まで外径が漸減する縮径部(15)が設けられ、この縮径部15は、側面が凹曲面となっていることを特徴とする。
(特徴点)
本発明の第2発明は、ボールペン(1)に係る発明であって、前述の第1発明のボールペンチップ(10)を備えていることを特徴とする。
以上のように構成されている本発明は、次のような効果を奏するものである。
すなわち、本発明では、ボールペンチップにおけるホルダー部の先端部分に、当該ホルダー部の最大外径部分から先端に向って、そのカシメ部近傍まで外径が漸減する縮径部を設け、且つ、縮径部の側面を凹曲面としたので、カシメ部近傍では、外径が充分に小さなものになり、ペン先の筆記ボール、及び、これによる描線部分を見易くすることができる。このことは、特に外径0.55mm以下の微小の筆記ボールを使用する場合に、その微少さを使用者に認識させやすくする点で有効である。しかも、側面が凹曲面となった縮径部によって、ホルダー部の最大外径部分からカシメ部近傍まで連続的な曲面が形成されるので、洗練された印象の外観を形成するので、意匠を優れたものにすることができ、これにより、前記目的を達成することができる。また、縮径部の側面を凹曲面とすることにより、円筒状のパイプ部を設けたボールペンチップと比べて、先端部分の縮径部に応力集中が発生しにくいため、ボールペンチップの剛性や耐久性を向上することもできる。
本第1実施形態に係るボールペン1は、図1〜図3に示すように、保護のためにペン先を覆うキャップ2と、図示しないボールペンリフィルを収納する内部に軸筒3とを備えたものとなっている。また、図示しないボールペンリフィルの先端部分には、本発明に基づくボールペンチップ10が設けられている(図5及び図6参照)。
また、キャップ2には、キャップ2でペン先が覆われたボールペン1が衣服のポケットに挿入された際に、ポケットの布地に掛止させるクリップ部2Aが設けられている。
クリップ部2Aの先端近傍におけるキャップ2の側面と対向する部分には、ポケットの布地に当接させる当接突起2Dが設けられている。
一方、図1及び図2に戻って、軸筒3の後端3Bについては、図1及び図2の如く、後端3Bの部分にキャップ2が取り外し可能に嵌合されるようになっている。また、軸筒3における後端3B側の端部開口には、略円柱状の尾栓3Cが嵌め込まれている。
ここで、先軸部3Dは、先端面が開口されたものとなっている。換言すると、先軸部3Dの先端面には、図3及び図4に示すように、開口部3Fが形成されている。
軸筒3の内部に収納された図示しないボールペンリフィルは、図3及び図4の如く、先端のペン先部1Aが先軸部3Dの開口部3Fを通じて外部に露出して視認できるようになっている。このペン先部1Aは、以下に説明するボールペンチップ10の先端部分に形成されたものとなっている。
図5及び図6において、ボールペンチップ10は、後端から先端まで連通する図示しないインク誘導孔が内部に形成された筒状のホルダー部11と、図5及び図6に示すように、このホルダー部11の先端内部に回転可能に設けられた筆記ボール12と、筆記ボール12をホルダー部11から抜け出ないように保持するカシメ部13とを備えたものである。
ホルダー部11の先端側、換言すると、図6中の右方には、先細りとなった縮径部15が設けられている。
ホルダー部11の後端側の部分、換言すると、図6中の右方の部分は、図示しないボールペンリフィルのインク貯蔵管が固定される固定部16となっている。
また、縮径部15の側面は、ホルダー部11の中心軸側に凹んだ凹曲面となっている。換言すると、図6において、縮径部15の側面の輪郭は、最大外径部14から先端に向って延びる連続した曲線であって、最大外径部14近傍では、急な勾配であったのが、先端近傍に至るにつれて次第に緩やかな勾配となっている。
この固定部16の後側の部分は、前側の部分より僅か外径が大きい係止部16A となっている。固定部16には、図示しないインク貯蔵管が嵌め込まれ、嵌め込まれたインク貯蔵管は、係止部16A に係止され、容易に固定部16から外れないようになっている。
カシメ部13は、筆記ボール12がホルダー部11から抜け出ないように、ホルダー部11の先端開口の周囲部分を内方に向かって折り曲げることで形成されたものとなっている。
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、ボールペンチップ10におけるホルダー部11の先端部分に、当該ホルダー部11の最大外径部14から先端に向って、カシメ部13近傍まで外径が漸減する縮径部15を設け、且つ、縮径部15の側面を凹曲面としたので、カシメ部13近傍では、外径が充分に小さなものになり、ペン先の筆記ボール12、及び、これによる描線部分を見易くすることができる。このことは、特にボール径0.55mm以下の微小な筆記ボール12を使用する場合に、その微小さを使用者に認識させやすくする点で有効である。しかも、側面が凹曲面となった縮径部15によって、ホルダー部11の最大外径部14からカシメ部13近傍まで連続的な曲面が形成されるので、洗練された印象の外観を形成することができ、ボールペンチップ10の意匠を優れたものにすることができ、ひいては、ボールペン1の意匠をも優れたものにすることができる。また、縮径部15の側面を凹曲面とすることにより、円筒状のパイプ部を設けたボールペンチップと比べて、縮径部15に応力集中が発生しにくいため、ボールペンチップ10の剛性や耐久性を向上することもできる。
[実施例]
本実施例に係るボールペンチップ10は、前記実施形態に基づいたものであり、図7に示すように、ホルダー部11の最大外径部14から先端に向ってカシメ部13近傍まで外径が漸減する縮径部15を有し、且つ、この縮径部15の側面が凹曲面となったものである。
[比較例]
本比較例に係るボールペンチップ30は、本発明に基づく縮径部を備えておらず、図8に示すように、ホルダー部31の最大外径部34から先端のカシメ部33に向かって、外周面が円錐面となった第1テーパー部35と、外周面が円柱面となったパイプ部36と、外周面が円錐面となった第2テーパー部37とが順番に設けられたものである。
前述の実施例及び比較例の各3個のサンプルに対して、ボールペンチップ10, 30の先端部分に軸方向と直行する押圧力、すなわち、曲げ加重を加え、さらに、当該曲げ加重を増やしていき、曲がり又は破断が開始される曲げ加重を求める実験を行った。
曲げ加重をボールペンチップ10, 30の先端部分に加えるにあたり、最大外径部14, 43の所定位置、具体的には、位置αから軸に沿って距離4.5mmだけ離れた位置をバイスβで掴んで固定した。曲げ加重を加える位置は、ボールペンチップ10, 30の先端部分における肉厚が互いに同じとなる位置とした。具体的には上述のとおり、図7及び図8において、先端から2mm離れた位置αに曲げ加重を加えた。
実施例のボールペンチップ10は、位置αへの曲げ加重を増やしていくと、ある時点で、位置αの近傍部分に曲がりが生じた。この時の曲げ加重は、サンプル3個の平均値で205Nとなった。
一方、比較例のボールペンチップ30は、位置αへの曲げ加重を増やしていくと、ある時点で、第1テーパー部35とパイプ部36との境界部分に破断が生じた。この時の曲げ加重は、サンプル3個の平均値で70Nとなった。
以上のような実験結果から、本発明に基づく実施例によれば、曲げ加重に対する剛性や耐久力を向上できるという効果があることが判った。
例えば、ボールペンとしては、ペン先をキャップ2で保護する覆うキャップ式のボールペンに限らず、軸筒の後端部又は側面に設けられたノック体を軸方向に移動させることで、ペン先が軸筒の内部に収納され、これにより、ペン先を保護するノック式でもよく、あるいは、二つに分割された軸筒の一方を他方に対して回転操作することで、ペン先が軸筒の内部に収納され、これにより、ペン先を保護する回転式のボールペン等の出没式でもよい。
2 キャップ 2A クリップ部
2B 湾曲部 2C ストレート部
2D 当接突起 3 軸筒
3A 先端 3B 後端
3C 尾栓 3D 先軸部
3E グリップ部 3F 開口部
10 ボールペンチップ 11 ホルダー部
12 筆記ボール 13 カシメ部
14 最大外径部 15 縮径部
16 固定部 16A 係止部
17 段付部
Claims (2)
- 後端から先端まで連通するインク誘導孔が内部に形成された筒状のホルダー部と、
このホルダー部の先端内部に回転可能に設けられた筆記ボールと、
前記ホルダー部の先端開口の周囲部分を内方に向かって折り曲げることで形成され、前記筆記ボールを前記ホルダー部から抜け出ないように保持するカシメ部と、
を備えたボールペンチップであって、
前記ホルダー部の先端部分には、当該ホルダー部の最大外径部分から先端に向って前記カシメ部の近傍まで外径が漸減する縮径部が設けられ、
この縮径部は、側面が凹曲面となっていることを特徴とするボールペンチップ。 - 請求項1記載のボールペンチップを備えていることを特徴とするボールペン。
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