JP2001203448A - 多層プリント配線板およびその製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板およびその製造方法

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JP2001203448A JP2000310178A JP2000310178A JP2001203448A JP 2001203448 A JP2001203448 A JP 2001203448A JP 2000310178 A JP2000310178 A JP 2000310178A JP 2000310178 A JP2000310178 A JP 2000310178A JP 2001203448 A JP2001203448 A JP 2001203448A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電気的特性の低下を招かず、ヒートサイクル
時の銅パターンの剥離を防止した、信頼性に優れた多層
プリント配線板とその製造方法を提案すること。 【解決手段】 基材1上に銅パターン4,5と樹脂絶縁
層2とが交互に積層され、樹脂絶縁層内には銅パターン
間の電気的接続をなすビアホール7が形成されてなるビ
ルドアップ多層プリント配線板において、銅パターンは
その表面上に凹凸層11が形成されるとともに、その凹
凸層上には銅の硫化物からなる金属層20が被覆形成さ
れてなることを特徴とする。その多層プリント配線板
は、内層銅パターン4の凹凸層11表面に銅の硫化物か
らなる金属層20を被覆形成し、その内層銅パターンを
覆って無電解めっき用接着剤による層間絶縁層2を形成
し、金属層を部分的に露出させた後、層間絶縁層の表面
を粗化液で粗化し触媒核を付与した後、無電解銅めっき
によって、外層銅パターンやビアホールを形成すること
によって製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板とその製造方法に関し、特に導体回路の電気的特性を
劣化させることがなく、ヒートサイクル時における導体
回路の剥離を防止した、信頼性に優れた多層プリント配
線板とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、外層銅パターンと内層銅パターン
との間に層間絶縁層が介在されてなるビルドアップ多層
プリント配線板は、例えば、以下に示すような〜の
プロセスを経て製造されている。即ち、 .基材上への内層(下層)銅パターンの形成、 .無電解めっき用接着剤の塗布による層間樹脂絶縁層
の形成、 .層間絶縁層へのビアホール形成用開口部の形成、 .酸、酸化剤処理等による層間樹脂絶縁層の粗化、 .スルーホール形成用貫通孔の形成およびデスミア処
理(孔の中の樹脂の切削屑を化学処理で除去するこ
と)、 .触媒核付与、 .めっきレジストの形成、 .硫酸等による活性化処理、 .無電解銅めっきによる外層(上層)銅パターンの形
成、 という一連のプロセスである。
【0003】一方で、この種の多層プリント配線板の製
造プロセスでは、内層(下層)銅パターンと層間樹脂絶
縁層との密着性の向上を目的として、例えば、上記の
工程前に、銅−ニッケル−リン合金めっき処理等を実施
することによって、内層銅パターンの表面に微細な凹凸
層が形成される。
【0004】ところが、上記のような製造プロセスで
は、ビアホール形成用開口やスルーホール形成用貫通孔
を設けると、内層(下層)銅パターンの表層の一部は層
間絶縁層の外部に露出した状態となる。そのため、後の
工程において、その露出した内層銅パターンの表層部
は、リン酸やクロム酸等の無電解めっき用接着剤層の粗
化液や過硫酸ソーダ等のソフトエッチング液に直接に晒
されることになる。そして、このような場合、ビアホー
ル周囲の内層銅パターンが変色したり、その内層銅パタ
ーンの表層部が溶解したり(いわゆるハロー現象)など
の不具合が生じる。その結果、得られる多層プリント配
線板の外観を損ねるという問題があった。
【0005】しかも、上記表層部(凹凸層)の溶解が顕
著になって内層(下層)銅パターン自体を溶解させるよ
うになると、外観の悪化に止まらず、層間樹脂絶縁層と
内層銅パターンとの密着性やめっき付き周り性なども悪
化する。その結果、多層プリント配線板の信頼性が損な
われるという問題があった。
【0006】なお、発明者らは、このような従来技術が
抱える上記問題を解消するために、先に、特開平第09
−130050号として改善方法を提案した。このよう
な改善提案による多層プリント配線板は、表面に微細な
凹凸層を有する内層銅パターンと、外層銅パターンとの
間に層間絶縁層を設けてなるビルドアップ多層プリント
配線板であって、イオン化傾向が銅よりも大きくかつチ
タン以下である金属を1種以上含む金属層、もしくは貴
金属層が、前記内層銅パターンの凹凸層表面に被覆形成
されてなることを特徴とするものであり、金属層として
は、特にスズ層が好適である旨が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記先
行提案技術における金属層は、内層銅パターン上の凹凸
層を被覆保護しているが、高周波数領域における適切な
インピーダンス整合を得られない等の電気的特性の低下
を招いたり、特にスズ層自体は多孔質層であるために、
ビアホール形成用の開口を設けた後に、酸または酸化剤
からなる粗化液を用いて層間樹脂絶縁層の粗化を行う際
に、その粗化液がスズの多孔質層を通過して内層銅パタ
ーンに達して、銅パターンを腐食させ、このような銅パ
ターンの腐食により、最終的には、ビアホールを形成す
る導体層がヒートサイクル時に樹脂絶縁層から剥離する
という問題が残っていた。
【0008】本発明は、このような先行提案技術が抱え
る上記問題を解消するためになされたものであり、その
主たる目的は、電気的特性の低下を招かず、ヒートサイ
クル時の導体層の剥離を防止した、信頼性に優れた多層
プリント配線板とその製造方法を提案することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記の目的
の実現に向けて鋭意研究を行った結果、以下のような内
容を要旨構成とする本発明に想到した。すなわち、 (1)本発明の多層プリント配線板は、銅貼積層板また
は樹脂基板上に銅パターンと、樹脂絶縁層とが交互に積
層され、樹脂絶縁層内には銅パターン間の電気的接続を
なすビアホールが設けられてなるビルドアップ多層プリ
ント配線板において、前記銅パターンの表面には凹凸層
が形成されるとともに、その凹凸層上には銅の硫化物か
らなる金属層が被覆形成されてなることを特徴とする。
【0010】(2) 基板上に銅パターンと、樹脂絶縁
層とが交互に積層され、樹脂絶縁層内には銅パターン間
の電気的接続をなすビアホールが設けられてなるビルド
アップ多層プリント配線板において、前記銅パターンの
表面には凹凸層が形成されるとともに、その凹凸層上に
は銅の硫化物からなる金属層が被覆形成され、前記ビア
ホールは、前記樹脂絶縁層から金属層に達する開口内に
おいて部分的に露出している金属層と凹凸層とを介して
形成されてなることを特徴とする。
【0011】上記(1)および(2)に記載の多層プリ
ント配線板において、銅パターン表面上の凹凸層は、エ
ッチング処理によって形成された粗化層や、銅−ニッケ
ル合金または銅−ニッケル−リン合金からなる針状結晶
合金層であることが望ましい。また、上記銅の硫化物か
らなる金属層の厚さは、凹凸層の厚さよりも薄いことが
望ましく、さらに銅の硫化物からなる金属層の厚さは、
0.001〜1.0μmであり、凹凸層は銅−ニッケル
合金または銅−ニッケル−リン合金からなる針状結晶合
金層であって、その厚さは、0.5〜5.0μmである
ことがより好ましい。
【0012】また、本発明にかかる多層プリント配線板
の製造方法は、 (1) 基材に設けられた内層銅パターンの表面に凹凸
層を形成する工程と、前記凹凸層の表面に銅の硫化物か
らなる金属層を被覆形成する工程と、前記銅パターンを
覆って無電解めっき用接着剤による層間樹脂絶縁層を形
成する工程と、前記金属層を部分的に露出させる工程
と、前記層間樹脂絶縁層の表面を粗化液で粗化する工程
と、前記層間樹脂絶縁層の表面に触媒核を付与し、無電
解銅めっきによって、外層銅パターンを形成する工程、
とを少なくとも含むことを特徴とする。
【0013】(2) 基材に設けられた内層銅パターン
の表面に凹凸層を形成する工程と、前記凹凸層の表面に
銅の硫化物からなる金属層を被覆形成する工程と、前記
内層銅パターンを覆って無電解めっき用接着剤による層
間樹脂絶縁層を形成する工程と、前記層間樹脂絶縁層の
表面から前記金属層に達する開口部を設ける工程と、前
記層間樹脂絶縁層の開口部内壁を含んだ表面を粗化液に
よって粗化する工程と、前記層間樹脂絶縁層の表面に触
媒核を付与し、無電解銅めっき処理を施して、外層銅パ
ターンおよび前記内層銅パターンと外層銅パターンとを
接続するビアホールを形成する工程、とを少なくとも含
むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法であ
る。
【0014】(3) 基材に設けられた内層銅パターン
の表面に、針状の銅−ニッケル−リン合金層を無電解銅
−ニッケル−リン合金めっきによって形成する工程と、
少なくとも硫化ナトリウムと酸化剤とを含む水溶液に前
記基板を浸漬して、前記銅−ニッケル−リン合金層の表
面に銅の硫化物からなる金属層を被覆形成する工程と、
無電解めっき用接着剤からなる層間樹脂絶縁層を形成す
る工程と、前記層間樹脂絶縁層の所定位置にビアホール
形成用開口部を形成して、前記金属層を部分的に露出さ
せる工程と、前記層間樹脂絶縁層の表面を粗化液で粗化
する工程と、前記層間樹脂絶縁層の表面に触媒核を付与
し、無電解銅めっきによって、外層銅パターンおよびビ
アホールを形成する工程、とを少なくとも含むことを特
徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
【0015】(4) 基材に設けられた内層銅パターン
の表面に凹凸層を形成する工程と、前記凹凸層の表面に
銅の硫化物からなる金属層を被覆形成する工程と、前記
内層銅パターンを覆って樹脂フィルムを加熱プレスする
ことによって層間樹脂絶縁層を形成する工程と、前記層
間樹脂絶縁層の所定位置にレーザ照射によってビアホー
ル形成用開口部を形成して、前記金属層を部分的に露出
させる工程と、前記層間樹脂絶縁層の開口部内壁を含ん
だ全表面に無電解銅めっきを施して、外層銅パターンお
よびビアホールを形成する工程、とを少なくとも含むこ
とを特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
【0016】(5) 基材に設けられた内層銅パターン
の表面にエッチング処理を施して凹凸層を形成する工程
と、前記基材を少なくとも硫化ナトリウムと酸化剤とを
含む水溶液に浸漬して、前記凹凸層の表面に銅の硫化物
からなる金属層を被覆形成する工程と、前記内層銅パタ
ーンを覆って樹脂フィルムを加熱プレスすることによっ
て層間樹脂絶縁層を形成する工程と、前記層間樹脂絶縁
層の所定位置にレーザ照射によってビアホール形成用開
口部を形成して、前記金属層を部分的に露出させる工程
と、前記層間絶縁層の開口部内壁を含んだ全表面に無電
解銅めっきを施して、外層銅パターンおよびビアホール
を形成する工程、とを少なくとも含むことを特徴とする
多層プリント配線板の製造方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明にかかる多層プリント配線
板の特徴は、銅パターンの表面に微細な凹凸層が形成さ
れるとともに、その凹凸層上に銅の硫化物からなる金属
層が被覆形成され、銅パターンや凹凸層が金属層によっ
て保護されている点にある。これにより、銅パターンが
酸性の処理液に直接に晒されることがないから、腐食さ
れることはなく、ヒートサイクルなどに供しても銅パタ
ーンと樹脂絶縁層の剥離やクラックの発生を抑止するこ
とが可能となる。
【0018】ここで、「硫化物」とは、酸化数が1また
は2の化合物およびポリ硫化物を意味しており、「銅の
硫化物」としては、例えば、CuS、CuS、CuS
、Cu、Cu等が挙げられる。これらの
銅の硫化物からなる金属層自体は膜厚が薄いため、従来
技術のように銅パターンの電気的特性を劣化させること
がない。さらに、ビアホールを形成する際、開口内に露
出する銅の硫化物からなる金属層は、容易に除去できる
ので、銅パターンとビアホール底部との電気的接触をよ
り良好なものとすることができる。
【0019】このような作用効果は、凹凸層として、例
えば、銅−ニッケル合金膜、銅−ニッケル−リン合金
膜、銅−コバルト合金膜、あるいは銅−コバルト−リン
合金膜等の銅を含んだ粗化層を有する内層銅パターンを
形成した多層プリント配線板において特に顕著である。
【0020】本発明における銅の硫化物からなる金属層
は、例えば、硫化ナトリウムと過硫酸塩(過硫酸ナトリ
ウム、加硫酸カリウム等)とを含んだ水溶液、硫化ナト
リウムと過酸化物(過酸水素水、過酸化カリウム等)と
を含んだ水溶液、あるいは硫化ナトリウムとチオ尿素と
を含んだ水溶液のように、硫化ナトリウムに適切な酸化
剤を含有する水溶液に銅パターンを有する基板を浸漬さ
せ、適切な条件のもとで、銅パターン表面にCuSま
たはCuS等の銅の硫化物を析出させることによって形
成される。なお、硫化ナトリウムの濃度は、0.01〜
3.0mol/lの範囲であることがよい。0.01m
ol/l未満では、均一に硫化銅を形成することができ
ず、3.0mol/lを超えると、基板へのダメージが
あるために使用することができない。より望ましくは、
0.1〜1mol/lの範囲である。また、酸化剤(過
硫酸塩、過酸化物、チオ尿素などの水溶液)の濃度は、
0.01〜2.0mol/lの範囲であることがよい。
0.01mol/l未満では、硫化銅への反応性が弱い
ため、均一に硫化銅を形成することができず、2.0m
ol/lを超えても、硫化銅への酸化には、ほとんど変
わりはなく、液濃度過剰となるためである。より望まし
くは、0.05〜1mol/lの範囲である。
【0021】本発明における銅の硫化物からなる金属層
が形成される銅パターン表層の微細な凹凸層は、例え
ば、エッチング処理、めっき処理、あるいは酸化還元処
理等のいずれかの方法で形成される粗化層であることが
好ましい。特に、エッチング処理による粗化層形成が好
ましく、そのエッチング処理液としては、例えば、第二
銅錯体と有機酸の混合水溶液、硫酸−過酸化水素水溶
液、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カ
リウム等の過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄の水溶液、塩化
第二銅の水溶液、塩酸、硝酸、熱希硫酸等が挙げられ
る。
【0022】上記エッチング処理液として、第二銅錯体
と有機酸の混合水溶液を用いる場合には、スプレーやバ
ブリングなどの酸素共存条件下で、銅パターンを溶解さ
せることができる。その反応は、次のように進行するも
のと推定される。 Cu+Cu(II)A →2Cu(I)An/2 2Cu(I)An/2 +n/4O +nAH (エ
アレーション)→2Cu(II)A +n/2HO 式中、Aは錯化剤(キレート剤として作用)、nは配位
数を示す。
【0023】この式に示されるように、発生した第一銅
錯体は、酸の作用で溶解し、酸素と結合して第二銅錯体
となって、再び銅の酸化に寄与する。本発明で用いられ
る第二銅錯体は、アゾール類の第二銅錯体がよい。この
有機酸−第二銅錯体からなるエッチング液は、アゾール
類の第二銅錯体および有機酸(必要に応じてハロゲンイ
オン)を、水に溶解して調製することができる。このよ
うなエッチング液は、たとえば、イミダゾール銅(II)
錯体 10重量部、グリコール酸 7重量部、塩化カリ
ウム 5重量部を混合した水溶液から形成される。
【0024】上記めっき処理によって形成される粗化層
(凹凸層)としては、針状結晶合金層であることが好ま
しく、針状結晶合金のうちでも、銅−ニッケル合金層、
銅−ニッケル−リン合金層、銅−コバルト合金層、銅−
コバルト−リン合金層であることがより好ましい。
【0025】これらの合金層は、針状結晶であるため層
間絶縁剤層との密着性に優れ、また電気導電性にも優れ
るためビアホール上に形成されていても絶縁されること
がなく、それ故にビアホール形成のために除去する必要
もないからである。これにより、製造工程が簡略化さ
れ、不良の発生を大幅に低減できる。また、これらの合
金層は、硬度が高く、ヒートサイクル性にも優れる。
【0026】なお、前記合金層を構成する銅、ニッケル
およびリンの含有量は、それぞれ、90〜96wt%、1
〜5wt%、0.5〜2.0wt%程度であることが望まし
い。この理由は、上記範囲内において、析出被膜の結晶
が針状構造になり、アンカー効果に優れるからである。
【0027】本発明では、銅の硫化物からなる金属層
は、その厚さが凹凸層の厚さよりも薄いことが望まし
い。この理由は、前記銅の硫化物からなる金属層の厚さ
が、凹凸層の厚さより厚くなると、凹凸層が銅の硫化物
からなる金属層の下に深く埋没してしまう。この場合、
針状結晶の尖った形状が維持されなくなり(鋭角な形状
をしていた結晶の先端部が鈍角化し)、所望の密着性を
確保できなくなるからである。
【0028】具体的には、.下層銅パターン表層の凹
凸層は、厚さが0.5〜5.0μm、好ましくは1.0
〜3.0μmの銅−ニッケル−リン合金層とする。な
お、ここでいう凹凸層(銅−ニッケル−リン合金層)の
厚さとは、内層銅パターンの表面から針状結晶の頂部ま
での距離をいう。ここで、上記凹凸層の厚みを上記範囲
に限定した理由は、その厚みが5.0μmよりも厚くな
ると、めっき時間の長期化に起因して製造コストや材料
コストが嵩むおそれがあるばかりでなく、皮膜自体が脆
くなって層間絶縁剤層との剥離が生じやすくなる。一
方、 0.5μmよりも薄くなると、アンカー効果が不
充分となって層間絶縁剤層との剥離が生じやすくなるか
らである。
【0029】.銅の硫化物からなる金属層は、その厚
さが0.001〜1.0μm、好ましくは0.05〜
0.1μm、より好ましくは0.005〜0.05μm
の範囲とする。ここで、上記銅の硫化物からなる金属層
の厚みを上記範囲に限定した理由は、層厚が1.0μm
よりも厚くなると、上記のように層間樹脂絶縁材との所
望の密着性を確保できなくなることに加えて、製造コス
トや材料コストが嵩むという欠点がある。一方、層厚が
0.001μmよりも薄くなると、銅−ニッケル−リン
合金層などの粗化層を完全に被覆することができなくな
り、当該合金部分がクロム酸等に直接に晒されて溶解し
てしまうために、電極反応の防止ができないからであ
る。
【0030】本発明では、多層プリント配線板を構成す
る層間絶縁層は、無電解めっき用接着剤からなることが
望ましく、特にこの無電解めっき用接着剤は、酸あるい
は酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂(耐熱性樹脂マトリック
ス)中に予め硬化処理された酸あるいは酸化剤に可溶性
の耐熱性樹脂粒子を含有してなるものが望ましい。
【0031】上記耐熱性樹脂粒子としては、.平均粒
径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、.平均粒径が2
μm以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させて平均粒径を前記
粉末の3倍以上の大きさとした凝集粒子、.平均粒径
が10μm以下の耐熱性粉末樹脂粉末と、平均粒径が前
記粉末の1/5以下でかつ2μm以下の耐熱性樹脂粉末
との混合物、.平均粒径が2〜10μmの耐熱性樹脂
粉末の表面に、平均粒径が2μm以下の耐熱性樹脂粉末
または無機粉末のいずれか少なくとも1種を付着させて
なる疑似粒子、から選ばれることが望ましい。
【0032】上記耐熱性樹脂マトリックスとしては、感
光性樹脂を有利に用いることができる。ビアホール形成
用の開口部が、露光、現像によって容易に形成できるか
らである。また、エポキシ樹脂やポリイミド樹脂、エポ
キシアクリレート樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいはこ
れらにポリエーテルスルフォンなどの熱可塑性樹脂を混
合した複合体などを用いることもできる。上記耐熱性樹
脂粒子としては、エポキシ樹脂、アミノ樹脂(メラミン
樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂)などがよい。
【0033】なお、エポキシ樹脂は、そのオリゴマーの
種類、硬化剤の種類、架橋密度を変えることにより、任
意に酸や酸化剤に対する溶解度を変えることができる。
例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂オリゴマーを
アミン系硬化剤で硬化処理したものは、酸化剤に溶解し
やすい。ノボラックエポキシ樹脂オリゴマーをイミダゾ
ール系硬化剤で硬化させたものは、酸化剤に溶解しにく
い。
【0034】上記耐熱性樹脂粒子を溶解除去するための
酸としては、リン酸や塩酸、硫酸、有機酸(蟻酸や酢酸
など)などがあるが、特に有機酸が望ましい。残留イオ
ンが少なくマイグレーションが発生しにくい。また、内
層導体回路を腐食させにくいからである。また、酸化剤
としては、クロム酸や過マンガン酸塩(過マンガン酸カ
リウムなど)などが望ましい。特に、アミノ樹脂粒子を
溶解除去する場合には、酸と酸化剤で交互に粗化処理す
ることが望ましい。
【0035】また、本発明の製造方法においては、層間
樹脂絶縁層の形成に無電解めっき用接着剤を用いる代わ
りに、樹脂フィルムを用いることもでき、この場合に
は、フォトリソグラフ法やレーザ加工によってビアホー
ルを設ける。上記樹脂フィルムとしては、酸または酸化
剤に可溶性の粒子(以下、「可溶性粒子」という)が酸
または酸化剤に難溶性の樹脂(以下、「難溶性樹脂」と
いう)中に分散したものがある。なお、本発明で使用す
る「難溶性」 「可溶性」という語は、同一の酸または
酸化剤からなる溶液に同一時間浸潰した場合に、相対的
に溶解速度の早いものを便宜上「可溶性」と呼び、相対
的に溶解速度の遅いものを便宜上「難溶性」と呼ぶ。
【0036】上記可溶性粒子としては、例えば、酸また
は酸化剤に可溶性の樹脂粒子(以下、「可溶性樹脂粒
子」という)、酸または酸化剤に可溶性の無機粒子(以
下、「可溶性無機粒子」という)、酸または酸化剤に可
溶性の金属粒子(以下、「可溶性金属粒子」という)等
が挙げられる。これらの可溶性粒子は、単独で用いても
良いし、2種以上併用してもよい。
【0037】上記可溶性粒子の形状は特に限定されず、
球状、破砕状等が挙げられる。また、上記可溶性粒子の
形状は、一様な形状であることが望ましい。均一な粗さ
の凹凸を有する粗化面を形成することができるからであ
る。上記可溶性粒子の平均粒径としては、 0.1〜1
0μmが望ましい。この粒径の範囲であれば、 2種類以
上の異なる粒径のものを含有してもよい。すなわち、平
均粒径が0.1〜0.5μmの可溶性粒子と平均粒径が
1〜3μmの可溶性粒子とを含有する等である。これに
より、より複雑な粗化面を形成することができ、導体回
路との密着性にも優れる。なお、本発明において、可容
性粒子の粒径とは、可溶性粒子の一番長い部分の長さで
ある。
【0038】上記可溶性樹脂粒子としては、熱硬化性樹
脂、熱可塑性樹脂等からなるものが挙げられ、酸あるい
は酸化剤からなる溶液に浸漬した場合に、上記難溶性樹
脂よりも溶解速度が速いものであれば特に限定されな
い。上記可溶性樹脂粒子の具体例としては、例えば、エ
ポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、ポリフ
ェニレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、フッ素樹脂等から
なるものが挙げられ、これらの樹脂の1種からなるもの
であってもよいし、2種以上の樹脂の混合物からなるも
のであってもよい。
【0039】また、上記可溶性樹脂粒子としては,ゴム
からなる樹脂粒子を用いることもできる。上記ゴムとし
ては、例えば、ポリブタジェンゴム,エポキシ変性、ウ
レタン変性、 (メタ)アクリロニトリル変性等の各種
変性ポリブタジェンゴム、カルポキシル基を含有した
(メタ)アクリロニトリル・ブタジェンゴム等が挙げら
れる。これらのゴムを使用することにより,可溶性樹脂
粒子が酸あるいは酸化剤に溶解しやすくなる。つまり、
酸を用いて可溶性樹脂粒子を溶解する際には、強酸以外
の酸でも溶解することができ、酸化剤を用いて可溶性樹
脂粒子を溶解する際には、比較的酸化力の弱い過マンガ
ン酸でも溶解することができる。また、クロム酸を用い
た場合でも、低濃度で溶解することができる。そのた
め、酸や酸化剤が樹脂表面に残留することがなく、後述
するように、粗化面形成後、塩化バラジウム等の触媒を
付与する際に、触媒が付与されなたかったり、触媒が酸
化されたりすることがない。
【0040】上記可溶性無機粒子としては、例えば、ア
ルミニウム化合物、カルシウム化合物、カリウム化合
物、マグネシウム化合物およびケイ素化合物からなる群
より選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げら
れる。上記アルミニウム化合物としては、例えば、アル
ミナ、水酸化アルミニウム等が挙げられ、上記カルシウ
ム化合物としては、例えば、炭酸カルシウム、水酸化カ
ルシウム等が挙げられ、上記カリウム化合物としては、
炭酸カリウム等が挙げられ、上記マグネシウム化合物と
しては、マグネシア、ドロマイト、塩基性炭酸マグネシ
ウム等が挙げられ,上記ケイ素化合物としては、シリ
カ、ゼオライト等が挙げられる。これらは単独で用いて
も良いし、 2種以上併用してもよい。
【0041】上記可溶性金属粒子としては、例えば、
銅、ニッケル、鉄、亜鉛、鉛、金、銀、アルミニウム、
マグネシウム、カルシウムおよびケイ素からなる群より
選択される少なくとも一種からなる粒子等が挙げられ
る。また、これらの可溶性金属粒子は、絶縁性を確保す
るために、表層が樹脂等により被覆されていてもよい。
上記可溶性粒子を、 2種以上混合して用いる場合、混
合する2種の可溶性粒子の組み合わせとしては、樹脂粒
子と無機粒子との組み合わせが望ましい。両者とも導電
性が低いため、樹脂フィルムの絶縁性を確保することが
できるとともに、難溶性樹脂との間で熱膨張の調整が図
りやすく、樹脂フィルムからなる層間樹脂絶縁層にクラ
ックが発生せず、層間樹脂絶縁層と導体回路との間で剥
離が発生しないからである。
【0042】上記難溶性樹脂としては、層間樹脂絶縁層
に酸または酸化剤を用いて粗化面を形成する際に、粗化
面の形状を保持できるものであれば特に限定されず、例
えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、これらの複合体等
が挙げられる。また、これらの樹脂に感光性を付与した
感光性樹脂であってもよい。感光性樹脂を用いることに
より、層間樹脂絶縁層に露光、現像処理を用いてビアホ
ール用開口を形成することできる。これらの中では、熱
硬化性樹脂を含有しているものが望ましい。それによ
り、めっき液あるいは種々の加熱処理によっても粗化面
の形状を保持することができるからである。
【0043】上記難溶性樹脂の具体例としては、例え
ば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、フェノキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、ポリオレフィン
樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独
で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに
は、1分子中に、 2個以上のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂がより望ましい。前述の粗化面を形成すること
ができるばかりでなく、耐熱性等にも優れているため、
ヒートサイクル条件下においても、金属層に応力の集中
が発生せず、金属層の剥離などが起きにくいからであ
る。
【0044】上記エポキシ樹脂としては、例えば、クレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型
エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェ
ノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノールF型エポキシ
樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジェ
ン型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基
を有する芳香族アルデヒドとの縮合物のエポキシ化物、
トリグリシジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ樹脂
等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種
以上を併用してもよい。それにより、耐熱性等に優れる
ものとなる。
【0045】本発明で用いる樹脂フィルムにおいて、上
記可溶性粒子は、上記難溶性樹脂中にほぼ均一に分散さ
れていることが望ましい。均一な粗さの凹凸を有する粗
化面を形成することができ、樹脂フィルムにビアホール
やスルーホールを形成しても、その上に形成する導体回
路の金属層の密着性を確保することができるからであ
る。また、粗化面を形成する表層部だけに可溶性粒子を
含有する樹脂フィルムを用いてもよい。それによって、
樹脂フィルムの表層部以外は酸または酸化剤に晒される
ことがないため、層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の
絶縁性が確実に保たれる。
【0046】上記樹脂フィルムにおいて、難溶性樹脂中
に分散している可溶性粒子の配合量は、樹脂フィルムに
対して、3〜40重量%が望ましい。可溶性粒子の配合
量が3重量%未満では、所望の凹凸を有する粗化面を形
成することができない場合があり、40重量%を超える
と、酸または酸化剤を用いて可溶性粒子を溶解した際
に、樹脂フィルムの深部まで溶解してしまい、樹脂フィ
ルムからなる層間樹脂絶縁層を介した導体回路間の絶縁
性を維持できず、短絡の原因となる場合がある。上記樹
脂フィルムは、上記可溶性粒子、上記難溶性樹脂以外
に、硬化剤、その他の成分等を含有していることが望ま
しい。
【0047】上記硬化剤としては、例えば、イミダゾー
ル系硬化剤、アミン系硬化剤,グアニジン系硬化剤、こ
れらの硬化剤のエポキシアダクトやこれらの硬化剤をマ
イクロカプセル化したもの、トリフェニルホスフィン、
テトラフェニルホスフォニウム・テトラフェニルボレー
ト等の有機ホスフィン系化合物等が挙げられる。上記硬
化剤の含有量は、樹脂フィルムに対して0.05〜10
重量%であることが望ましい。0.05重量%未満で
は、樹脂フィルムの硬化が不十分であるため、酸や酸化
剤が樹脂フィルムに侵入する度合いが大きくなり、樹脂
フィルムの絶縁性が損なわれることがある。一方、10
重量%を超えると、過剰な硬化剤成分が樹脂の組成を変
性させることがあり、信頼性の低下を招いたりしてしま
うことがある。
【0048】上記その他の成分としては、例えば、粗化
面の形成に影響しない無機化合物あるいは樹脂等のフィ
ラーが挙げられる。上記無機化合物としては、例えば、
シリカ、アルミナ、ドロマイト等が挙げられ、上記樹脂
としては、例えば、ポリイミド樹脂、ポリアクリル樹
脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリフェニレン樹脂、メラ
ニン樹脂、オレフィン系樹脂等が挙げられる。これらの
フィラーを含有させることによって、熱膨脹係数の整合
や耐熱性、耐薬品性の向上などを図り、プリント配線板
の性能を向上させることができる。
【0049】また、上記樹脂フィルムは、溶剤を含有し
ていてもよい。上記溶剤としては、例えば、アセトン、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテートやトル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。こ
れらは単独で用いてもよいし、 2種類以上併用してもよ
い。
【0050】次に、本発明にかかるプリント配線板の製
造方法の一例について説明する。 (1) まず、基材上に内層銅パターンを形成する。基
材への銅パターンの形成は、銅張積層板をエッチングし
て行うか、あるいはガラスエポキシ基板やポリイミド基
板、セラミック基板、金属基板などの基板に無電解めっ
き用接着剤層を形成し、この接着剤層表面を粗化して粗
化面とし、ここに無電解めっきを施して行う方法があ
る。
【0051】(2) 次に、基材に設けられた内層銅パ
ターンの上面に微細な凹凸層を形成する。この凹凸層と
しては、無電解銅−ニッケルめっき、無電解銅−ニッケ
ル−リンめっき、無電解銅−コバルトめっき、無電解銅
−コバルト−リンめっき等によって得られる合金の針状
結晶層(針状結晶合金めっき層)や、イミダゾール等の
アゾール類の第二銅錯体および有機酸(必要に応じてハ
ロゲンイオンを含有してもよい)からなるエッチング液
を用いて得られる粗化層、銅の酸化処理によって得られ
る黒化層、銅の酸化処理および還元処理によって得られ
る黒化還元層、サンドブラスト、ショットブラスト、バ
フ研磨、ラッピング等の物理的手法によって得られる物
理的凹凸層などがある。
【0052】なかでも、イミダゾール等のアゾール類の
第二銅錯体と有機酸とからなるエッチング液を用いて得
られる粗化層や、無電解銅−ニッケルめっき、無電解銅
−ニッケル−リンめっき、無電解銅−コバルトめっき、
無電解銅−コバルト−リンめっき等によって得られる合
金の針状結晶層(針状結晶合金めっき層)が望ましい。
【0053】特に、めっきによって形成される合金の粗
化層は、針状結晶層であるために樹脂絶縁層との密着性
に優れ、しかも、電気導電性があるためにビアホール形
成時に除去する必要がないからである。さらに、この合
金層は、無電解めっきにて容易に形成できるため、基板
へのダメージを低減できるからである。
【0054】上記合金の針状結晶層を形成するための無
電解めっきの組成は、例えば無電解銅−ニッケル−リン
めっきでは、硫酸銅:1〜40g/l、硫酸ニッケル:
0.1〜6.0g/l、クエン酸:10〜20g/
l、次亜リン酸塩:10〜100g/l、ほう酸:10
〜40g/l、界面活性剤:0.01〜10g/lとす
ることが望ましい。特に針状結晶層を形成するために
は、界面活性剤の存在が必要であり、かつ上記範囲を満
たさなければならない。上記範囲を逸脱すると、析出す
る凹凸層を構成するめっき被膜が緻密にならず、ヒート
サイクル特性が著しく低下してしまうからである。ま
た、上記無電解めっきの条件は、めっき浴の温度を60
〜80℃、pHを 8.5〜10程度の強塩基、浴比を
0.01〜1.0dm2/lとし、析出速度を1〜3μ
m/10分、めっき時間を5〜20分とすることが望ま
しい。
【0055】(3) 上記(2)で粗化層を形成した
後、その粗化層上に、銅の硫化物からなる金属層を形成
する。このような銅の硫化物からなる金属層は、CVD
あるいはPVDなどの方法により形成され、被膜の均一
化に有利に適用することができる。
【0056】このような銅の硫化物からなる金属層を形
成するための処理液は、硫化ナトリウムと、酸化剤とし
ての過硫酸塩(過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム
等)、過酸化物(M:過酸化水素水等)あるいは
チオ尿素とを含む水溶液を使用し、めっき処理条件は、
25〜50℃程度の温度において、約2〜10分とする
ことが望ましい。上記めっき条件のもとで、処理液に基
板を浸漬させて、粗化層上に銅の硫化物からなる金属層
(CuS)を形成する。
【0057】このようなめっき処理によれば、銅パター
ン上の凹凸層表面に厚さ0.005〜0.05μmのC
uSの薄膜層が形成される。このような反応は、金属の
表層における改質であるので、従来のSn層のような隙
間が形成されることはなく、後述するような無電解めっ
き用接着剤や樹脂フィルムを用いて形成される層間樹脂
絶縁層へのビアホール形成工程での銅パターンの腐食を
有効に防止する。
【0058】(4) 次に、上記(3)の処理が施され
た内層銅パターン上に、無電解めっき用接着剤を塗布、
硬化させて、あるいはエポキシ系やオレフェン系の樹脂
フィルムを加熱プレスすることによって、層間樹脂絶縁
層を形成する。ここで、無電解めっき用接着剤は、酸あ
るいは酸化剤に難溶性の耐熱性樹脂(耐熱性樹脂マトリ
ックス)中に予め硬化処理された酸あるいは酸化剤に可
溶性の耐熱性樹脂粒子を含有してなるものが望ましく、
これを塗布したりあるいはフィルム化したものを積層す
ることにより層間樹脂絶縁層とする。
【0059】(5) 上記(4)で形成した層間樹脂絶
縁層の一部を除去することにより、銅の硫化物からなる
金属層の一部を露出させて、ビアホール形成用開口を形
成する。このようなビアホール形成用の開口の形成は、
層間絶縁層を無電解めっき用接着剤の耐熱性樹脂マトリ
ックスとして感光性樹脂を使用した場合には、フォトリ
ソグラフィー法による露光、現像により行われ、無電解
めっき用接着剤の耐熱性樹脂マトリックスとして熱硬化
性樹脂および/または熱可塑性樹脂を使用した場合や、
エポキシ系あるいはオレフェン系樹脂フィルムを使用し
て層間樹脂絶縁層を形成した場合には、レーザ照射によ
って行う。なお、レーザ照射による開口形成の場合、開
口の内壁面に残留する樹脂を取り除くために、酸素プラ
ズマ放電処理、コロナ放電処理等のデスミア処理を行う
ことが、接続信頼性確保の点で望ましい。
【0060】(6) 上記(5)において、層間樹脂絶
縁層を無電解めっき用接着剤を用いて形成した場合に
は、その表面を粗化液で粗化する。なお、エポキシ系あ
るいはオレフェン系樹脂フィルムを使用して層間樹脂絶
縁層を形成した場合には、このような粗化は不要であ
る。この粗化処理は、層間樹脂絶縁層を構成する接着剤
中の耐熱性樹脂粒子を溶解除去して蛸壺状のアンカーを
形成することにより行う。粗化処理に用いられる粗化液
は、酸や酸化剤が好ましく、特に上記耐熱性樹脂粒子と
してアミノ樹脂粒子を使用する場合には、その粗化処理
は、リン酸などの酸と過マンガン酸塩などの酸化剤で交
互に処理して行うことが望ましい。即ち、酸化剤が樹脂
マトリックスをわずかに溶解させてアミノ樹脂粒子を表
出させ、このアミノ樹脂粒子を酸が加水分解、溶解除去
して、アンカーを形成する。
【0061】なお、スルーホールを形成する場合は、上
記粗化処理を終了した後、ドリル加工やパンチング加工
などによって所定部分にスルーホール用貫通孔が設け
る。この場合も、上記の金属層の一部が露出される。
【0062】(7) このようにして形成された層間樹
脂絶縁層の粗化面や、ビアホール形成用開口およびスル
ーホール用貫通孔の内壁面に、必要に応じて触媒核を付
与し、次いで、めっきレジストを塗布したりあるいはフ
ィルム状のめっきレジストを積層した後、露光、現像す
ることにより、めっきレジストパターンを設ける。そし
て、無電解めっきによって、上層の銅パターンやビアホ
ールを形成して、ビルドアップ多層プリント配線板を製
造する。
【0063】
【実施例】(実施例1)この実施例においては、銅パタ
ーン(導体回路パターン)を4つ有するいわゆる4層の
多層プリント配線板を製造した。即ち、多層プリント配
線板を構成する基板1の両面には、表層に微細な凹凸層
すなわち粗化層11を有する内層銅パターン4が形成さ
れており、この内層銅パターン4が形成された基材1の
両面には層間絶縁層2が形成され、さらに、これらの層
間樹脂絶縁層2の上面には、永久レジスト3(めっきレ
ジスト)と外層銅パターン5とが形成され、この外層銅
パターン5は、ビアホール7やスルーホール9によって
内層銅パターン4と電気的に接続された構造である。
【0064】特に、この実施例1においては、多層プリ
ント配線板は、内層銅パターン4の表面に形成した微細
な凹凸層11を保護するために、さらにその凹凸層上に
銅の硫化物からなる金属層20が形成されていることが
特徴である。
【0065】(1) まず、ガラスエポキシ製の板材か
らなる基板1の両面に、銅箔8がラミネートされている
銅張積層板を出発材料とし、その銅箔8を常法に従って
パターン状にエッチングすることにより、基板1の両面
に内層銅パターン4を形成した。
【0066】(2) 次に、両面に内層銅パターン4を
形成した基板1を、酸性脱脂、ソフトエッチングし、塩
化パラジウムと有機酸からなる触媒溶液で処理して、パ
ラジウム触媒を付与し、活性化を行った後、下記組成の
無電解めっき浴にてめっきを施し、内層銅パターン4の
表面(ビアホールのパッドとなる表面を含む)にCu−
Ni−P合金からなる厚さ3.5μmの凹凸層11(粗
化層)を形成した。
【0067】〔無電解めっき浴(Cu−Ni−P)〕 硫酸銅 : 8.0g/l 硫酸ニッケル : 0.6g/l クエン酸 : 15.0g/l 次亜リン酸ナトリウム : 29.0g/l ホウ酸 : 31.0g/l 界面活性剤 : 0.1g/l pH : 9.0
【0068】特に、実施例1では、Cu−Ni−P合金
からなる凹凸層11を形成するためのめっき浴は、荏原
ユージライト株式会社製、商品名「インタープレートプ
ロセス」を使用した。その処理条件は、70℃、10分
とした。なお、本実施例では、上記凹凸層11のめっき
浴として、Cu−Niめっき浴を用いることもできる。
【0069】(3) そして、水洗(および必要に応じ
て乾燥)の後、さらにその基板1を、下記組成からなる
硫化ナトリウムと過硫酸ナトリウムとを含む水溶液から
なる処理液に、45℃で3分間浸漬して、Cu−Ni−
P合金の凹凸層11の表面に厚さ0.05μmの銅の硫
化物(CuS)からなる金属層20を形成した(図1参
照)。
【0070】〔(置換)めっき浴〕 硫化ナトリウム: 0.1mol/l 過硫酸ナトリウム: 0.05mol/l
【0071】(4) 一方、DMDG(ジメチルグリコ
ールジメチルエーテル)に溶解したクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂(日本化薬製、分子量2500)の2
5%アクリル化物を70重量部、ポリエーテルスルフォ
ン(PES)30重量部、イミダゾール硬化剤(四国化
成製、商品名;2E4MZ−CN)4重量部、感光性モ
ノマーであるカプロラクトン変成トリス(アクロキシエ
チル)イソシアヌレート(東亜合成製、商品名;アロニ
ックスM325)10重量部、光開始剤としてのベンゾ
フェノン(関東化学製)5重量部、光増感剤としてのミ
ヒラーケトン(関東化学製)0.5重量部、さらにこの
混合物に対してメラミン樹脂粒子の平均粒径 5.5μ
mを35重量部、平均粒径 0.5μmのものを5重量
部を混合した後、さらにNMPを添加しながら混合し、
ホモディスパー攪拌機で粘度 2000cpsに調整
し、続いて3本ロールで混練して感光性接着剤溶液を得
た。
【0072】(5) 前記(1)〜(3)の工程を終え
た後、水洗し、乾燥した基板1の両面に、上記感光性接
着剤溶液を、ロールコーターを用いて塗布し、水平状態
で20分間放置してから、60℃で 0.5時間の乾燥
を行い、厚さ40μmの接着剤層4を形成した。
【0073】(6) 前記(5)の処理を施して得た配
線板に、100μmφの黒円が印刷されたフォトマスク
フィルムを密着させ、超高圧水銀灯 500mJ/cm
で露光した。これをDMDG溶液でスプレー現像す
ることにより、配線板上に 100μmφのビアホール
となる開口を形成した。更に、前記配線板を超高圧水銀
灯により約6000mJ/cmで露光し、100℃で
1時間、その後150℃で12時間の加熱処理すること
によって、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度に
優れた開口(ビアホール形成用開口6)を有する厚さ5
0μmの樹脂層間絶縁層2を形成した(図2参照)。な
お、ビアホール形成用開口6は、銅の硫化物からなる金
属層20を部分的に露出させるように形成した。
【0074】(7) 前記(6)の処理を施した配線板
を、pH=13に調整した過マンガン酸カリウム(KM
nO)60g/lに70℃で2分間浸漬し、次いでリ
ン酸に30分間浸漬して樹脂層間絶縁層の表面を粗化し
て粗化面2rを形成し、その後、中和溶液(アトテック
製)に浸漬したのち水洗した。そして、ドリル加工やパ
ンチング加工を行うことよって、基板1の所定部分にス
ルーホール9用貫通孔を穿孔した(図3参照)。なお、
必要に応じてデスミア処理を行った。
【0075】(8) 前記(7)の処理を施した配線板
にパラジウム触媒(アトテック製)を付与することによ
り、層間絶縁層4の表面や、ビアホール形成用開口6よ
びスルーホール9用貫通孔の内壁面に触媒核を付与し
た。
【0076】(9) 一方、DMDGに溶解させたクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製、商品
名;EOCN−103S)のエポキシ基25%をアクリ
ル化した感光性付与のオリゴマー(分子量4000)、
PES(分子量17000 )、イミダゾール硬化剤
(四国化成製、商品名;2PMHZ−PW)、感光性モ
ノマーであるアクリル化イソシアネート(東亜合成製、
商品名;アロニックスM215)、光開始剤としてのベ
ンゾフェノン(関東化学製)、光増感剤としてのミヒラ
ーケトン(関東化学製)を、下記組成でNMPを用いて
混合した後、ホモディスパー攪拌機で粘度3000cp
sに調整し、続いて3本ロールで混練して、液状レジス
トを得た。上記樹脂組成物の各成分比(wt%)は、感
光性エポキシ/PES/M215/BP/MK/イミダ
ゾール=70/330/10/5/0.5/5である。
【0077】(10) 前記(8)の処理を終えた配線
板の樹脂絶縁層2上に、上記液状レジストをロールコー
ターを用いて塗布し、80℃で 0.5時間乾燥して厚
さ約30μmのレジスト層を形成した。次いで、L/S
=50/50の導体回路パターンが描画されたマスクフ
ィルムを密着させ、超高圧水銀灯1000mJ/cm
で露光し、DMDGでスプレー現像処理することによ
り、配線板上に導体回路パターン部の抜けためっき用レ
ジストを形成した。さらに超高圧水銀灯により、300
0mJ/cmで露光し、100℃で1時間、その後
150℃で3時間の加熱処理を行い、層間樹脂絶縁層2
の表面に永久レジスト3を形成した(図4参照)。
【0078】(11) 前記(10)の処理を施した配
線板に、予めめっき前処理(具体的には硫酸処理等およ
び触媒核の活性化)を施し、その後、下記組成の無電解
銅めっき浴による無電解めっきによって、レジスト非形
成部分に厚さ15μmほどの無電解銅めっき12を析出
させて、外層銅パターン5、ビアホール7およびスルー
ホール9を形成して、多層プリント配線板を製造した
(図5参照)。
【0079】〔無電解めっき浴(Cu-Ni-P)〕 硫酸銅 :8.0g/l 硫酸ニッケル :0.6g/l クエン酸 : 15.0g/l 次亜リン酸ナトリウム : 29.0g/l ホウ酸 : 31.0g/l 界面活性剤 : 0.1g/l pH : 9.0
【0080】以上説明したように、硫化ナトリウムと過
硫酸ナトリウムとを含んだ水溶液をめっき浴として、C
u−Ni−P層9の表面に銅の硫化物(CuSまたはC
S)からなる金属層20を形成する本実施例によれ
ば、Cu−Ni−P合金層からなる凹凸層11を、耐酸
性を有する銅の硫化物からなる金属層20によって保護
することができる。
【0081】これにより、酸性の処理液に弱いCu−N
i−P合金層11がクロム酸やソフトエッチ液等に直接
的に晒されなくなり、表層における銅の溶解または腐蝕
が確実に防止できる。しかも、銅の硫化物からなる金属
層20自体は、酸性の処理液に直接に晒されても変色す
ることがないので、多層プリント配線板の外観の悪化を
確実に防止でき、さらに、内層銅パターン4と層間樹脂
絶縁層2との間に所望の密着性が確保されるので、信頼
性の向上を図ることもできる。
【0082】(実施例2)内層銅パターンの表面にCu
−Ni−P合金の凹凸層11を形成した基板を、硫化ナ
トリウム0.1mol/lと過酸化水素水0.1mol
/lとを含む水溶液からなる処理液に、30℃で2分
間、浸漬して、Cu−Ni−P合金の凹凸層11の表面
に、厚さ0.1μmの銅の硫化物(CuS)からなる金
属層20を形成した以外は、実施例1と同様にして多層
プリント配線板を製造した。
【0083】(実施例3)内層銅パターンの表面にCu
−Ni−P合金の凹凸層11を形成した基板を、硫化ナ
トリウム0.1mol/lとチオ尿素0.2mol/l
とを含む水溶液からなる処理液に30℃で2分間、浸漬
して、Cu−Ni−P合金の凹凸層11の表面に、厚さ
0.1μmの銅の硫化物(CuS)からなる金属層20
を形成した以外は、実施例1と同様にして多層プリント
配線板を製造した。
【0084】(実施例4) (1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT
(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両
面に、18μmの銅箔8がラミネートされている銅張積
層板を出発材料とした(図6参照)。まず、この銅張積
層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パター
ン状にエッチングすることにより、基板1の両面に内層
銅パターン4とスルーホール9を形成した。
【0085】(2) 内層銅パターン4およびスルーホ
ール9を形成した基板1を水洗いし、乾燥した後、酸化
浴(黒化浴)として、NaOH(10g/l)、NaC
lO(40g/l)、NaPO(6g/l)、還
元浴として、NaOH(10g/l)、NaBH(6
g/l)を用いた酸化−還元処理により、内層銅パター
ン4およびスルーホール9の表面に粗化層4a,9aを
設けた(図7参照)。
【0086】(3) 以下のような組成からなる樹脂充
填剤調製用の原料組成物を混合混練して樹脂充填剤10
を得た。 〔樹脂組成物〕ビスフェノールF型エポキシモノマー
(油化シェル製、分子量310 、YL983U)100重量部、
表面にシランカップリング剤がコーティングされた平均
粒径1.6μmのSiO球状粒子{アドマテック製、
CRS 1101−CE)、ここで、最大粒子の大きさ
は後述する内層銅パターンの厚み(15μm)以下とす
る}170重量部、レベリング剤(サンノプコ製、ペレ
ノールS4)1.5重量部を攪拌混合することにより、
その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜49,
000cpsに調整して得た。 〔硬化剤組成物〕イミダゾール硬化剤(四国化成製、
2E4MZ-CN)6.5 重量部。
【0087】(4) 前記(3)で得た樹脂充填剤10
を、調製後24時間以内に内層銅パターン4間の窪みあ
るいはスル−ホ−ル9内に塗布、充填した。塗布方法と
しては、スキ−ジを用いた印刷法を採用した。1回目の
印刷塗布は、主にスルホ−ル9内を充填して、乾燥炉内
の温度100℃で、20分間乾燥させた。また、2回目
の印刷塗布は、主に内層銅パターン4の形成で生じた窪
みを充填して、内層銅パターン4間の窪みおよびスル−
ホ−ル9内を充填させたあと、前述の乾燥条件で乾燥さ
せた(図8参照)。
【0088】(5) 前記(4)の処理を終えた基板1
の片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を
用いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の
表面やスルーホール9のランド表面に樹脂充填剤10が
残らないように研磨し、次いで、前記ベルトサンダー研
磨による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このよ
うな一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行っ
た。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加
熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化させた。
【0089】このようにして、スルーホール9のランド
表面および内層銅パターン4の上面の粗化層4aを除去
して基板両面を平滑化し、樹脂充填剤10と内層銅パタ
ーン4の側面とが粗化層4aを介して強固に密着し、ま
たスルーホール9の内壁面と樹脂充填剤10とが粗化層
9aを介して強固に密着した配線基板を得た。すなわ
ち、このような工程により、樹脂充填剤10の表面と内
層銅パターン4の表面が同一平面となる(図9参照)。
【0090】(6) 上記基板1を水洗、酸性脱脂した
後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板
1の両面にスプレイで吹きつけて、内層銅パターン4の
表面とスルーホール9のランド表面とをエッチングする
ことにより、新たな粗化面11を形成した。上記エッチ
ング液としては、第二銅錯体と有機酸とを含有するエッ
チング液、たとえばイミダゾール銅(II)錯体10重
量部、グリコール酸7重量部、塩化カリウム5重量部か
らなるエッチング液(メック社製、メックエッチボン
ド)を使用した。
【0091】(7) 次いで、前記(6)にて粗化層1
1が形成された基板1を、硫化ナトリウム0.1mol
/lと過酸化物としての過硫酸ナトリウム0.3mol
/lとを含む水溶液からなる処理液に30℃で2分間、
浸漬して、粗化層11の表面に、厚さ0.1μmの銅の
硫化物(CuS)からなる金属層20を形成した(図1
0参照)。
【0092】(8) 以下のような組成からなる層間樹
脂絶縁剤調製用の原料組成物を攪拌混合し、粘度1.5
Pa・sに調整して層間樹脂絶縁剤(下層用)を得た。 〔樹脂組成物〕クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化物
を80wt%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を3
5重量部、感光性モノマー(東亜合成製、アロニックス
M315 )4重量部、消泡剤(サンノプコ製、S−65)
0.5重量部、NMP 3.6重量部を攪拌混合して得
た。 〔樹脂組成物〕ポリエーテルスルフォン(PES)1
2重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポ
ール)の平均粒径 0.5μmのものを14.49重量
部、を混合した後、さらにNMP 30重量部を添加
し、ビーズミルで攪拌混合して得た。 〔硬化剤組成物〕イミダゾール硬化剤(四国化成製、
2E4MZ-CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー製、イル
ガキュア I−907 )2重量部、光増感剤(日本化薬
製、DETX-S)0.2重量部、NMP 1.5重量部を攪
拌混合して得た。
【0093】次いで、以下のような組成からなる無電解
めっき用接着剤調製用の原料組成物を攪拌混合し、粘度
7Pa・sに調整して無電解めっき用接着剤溶液(上層
用)を得た。 〔樹脂組成物〕クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
(日本化薬製、分子量2500)の25%アクリル化物
を80wt%の濃度でDMDGに溶解させた樹脂液を3
5重量部、感光性モノマー(東亜合成製、アロニックス
M315 )3.15重量部、消泡剤(サンノプコ製、S−
65)0.5重量部、NMP 3.6重量部を攪拌混合し
て得た。 〔樹脂組成物〕ポリエーテルスルフォン(PES)1
2重量部、エポキシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポ
ール)の平均粒径 1.0μmのものを 7.2重量部、
平均粒径0.5μmのものを3.09重量部、を混合し
た後、さらにNMP 30重量部を添加し、ビーズミル
で攪拌混合して得た。 〔硬化剤組成物〕イミダゾール硬化剤(四国化成製、
2E4MZ-CN)2重量部、光開始剤(チバガイギー製、イル
ガキュア I−907 )2重量部、光増感剤(日本化薬
製、DETX-S)0.2重量部、NMP 1.5重量部を攪
拌混合して得た。
【0094】(9) 前記(7)の処理によって得られ
た基板の両面に、前記(8)で得られた粘度 1.5P
a・sの層間樹脂絶縁剤(下層用)を調製後24時間以
内にロールコータで塗布し、水平状態で20分間放置し
てから、60℃で30分の乾燥(プリベーク)を行い、
次いで、前記(8)で得られた粘度7Pa・sの感光性
の接着剤溶液(上層用)を調製後24時間以内に塗布
し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分
の乾燥(プリベーク)を行い、厚さ35μmの接着剤層
2aおよび2bを形成した(図11参照)。
【0095】(10) 前記(9)で接着剤層2aおよ
び2bを形成した基板1の両面に、85μmφの黒円が
印刷されたフォトマスクフィルムを密着させ、超高圧水
銀灯により 500mJ/cmで露光した。これをD
MTG溶液でスプレー現像し、さらに、当該基板を超高
圧水銀灯により3000mJ/cmで露光し、100
℃で1時間、120℃で1時間、その後 150℃で3
時間の加熱処理(ポストベーク)をすることにより、フ
ォトマスクフィルムに相当する寸法精度に優れた直径8
5μmの開口径(ビアホール形成用開口6)を有する厚
さ35μmの層間樹脂絶縁層2(2層構造)を形成し
た。なお、ビアホール7となる開口6には、金属層20
を部分的に露出させた(図12参照)。
【0096】(11) 次いで、開口6が形成された基
板1を、クロム酸に19分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2
の表面に存在するエポキシ樹脂粒子を溶解除去すること
により、当該層間樹脂絶縁層2の表面を粗面化し、その
後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いし
た。さらに、粗面化処理(粗化深さ6μm)した基板1
の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与する
ことにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびビアホール
用開口6の内壁面に触媒核を付けた(図13参照)。
【0097】(12) 以下に示す組成の無電解銅めっ
き水溶液中に基板を浸漬して、粗化面11全体に厚さ
0.6〜1.2μmの無電解銅めっき膜12を形成した
(図14参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 EDTA :0.08mol/l 硫酸銅 :0.03mol/l HCHO :0.05mol/l NaOH :0.05mol/l α、α’−ビピリジル :80mg/l PEG :0.10g/l 〔無電解めっき条件〕65℃の液温度で20分
【0098】(13) 前記(12)で形成した無電解
銅めっき膜12上に市販の感光性ドライフィルムを張り
付け、マスクを載置して、100mJ/cmで露光、
0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmの
めっきレジスト3を設けた(図15参照)。
【0099】(14) ついで、レジスト非形成部分に
以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解
銅めっき膜13を形成した(図16参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 :2.24mol/l 硫酸銅 :0.26mol/l 添加剤(アトテックジャパン製、カパラシドHL):1
9.5ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 :1A/dm 時間 :65分 温度 :22±2℃
【0100】(15) めっきレジスト3を5%KOH
で剥離除去した後、そのめっきレジスト下の無電解めっ
き膜12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング処理
して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅めっき
膜13からなる厚さ18μmの外層銅パターン5(ビア
ホール7を含む)を形成した(図17参照)。
【0101】(16) 前記(6)〜(15)の工程を
繰り返すことにより、さらに外層の銅パターン5(導体
回路)を形成し、さらに、前記(6)の工程と同様のエ
ッチング処理によって、その導体回路5の表面に粗化層
11を設けた(図18〜図24参照)。
【0102】(17) 一方、DMDGに溶解させた6
0重量%のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本
化薬製)のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付
与のオリゴマー(分子量4000)を46.67g、メ
チルエチルケトンに溶解させた80重量%のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂(油化シェル製、エピコート10
01)15.0g、イミダゾール硬化剤(四国化成製、
2E4MZ−CN)1.6g、感光性モノマーである多
価アクリルモノマー(日本化薬製、R604)3g、同
じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製、DPE6
A)1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S−6
5)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光
開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g、
光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を
0.2g加えて、粘度を25℃で 2.0pa・sに調
整したソルダーレジスト組成物を得た。なお、粘度測定
は、B型粘度計(東京計器、DVL−B型)で60rp
mの場合はローターNo.4、6rpmの場合はロータ
ーNo.3によった。
【0103】(18) 前記(16)で得られた多層プ
リント配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物
を20μmの厚さで塗布した。次いで、70℃で20分
間、70℃で30分間の乾燥処理を行った後、円パター
ン(マスクパターン)が描画された厚さ5mmのフォト
マスクフィルムを密着させて載置し、1000mJ/c
の紫外線で露光し、DMTG現像処理した。そして
さらに、80℃で1時間、 100℃で1時間、120
℃で1時間、150℃で3時間の条件で加熱処理し、は
んだパッド部分(ビアホール7とそのランド部分を含
む)を開口した(開口径 200μm)ソルダーレジス
ト層14(厚み20μm)を形成した。
【0104】(19) ソルダーレジスト層14を形成
した基板を、塩化ニッケル2.3×10−1mol/
l、次亜リン酸ナトリウム2.8×10−1mol/
l、クエン酸ナトリウム1.6×10−1mol/l、
からなるpH=4.5の無電解ニッケルめっき液に、2
0分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき
層15を形成した。さらに、その基板を、以下に示す組
成の無電解金めっき液に80℃の条件で7.5分間浸漬
して、ニッケルめっき層15上に厚さ0.03μmの金
めっき層16を形成した。 〔無電解金めっき水溶液〕 シアン化金カリウム :7.6×10−3mol/l 塩化アンモニウム :1.9×10−1mol/l クエン酸ナトリウム :1.2×10−1mol/l 次亜リン酸ナトリウム :1.7 ×10−1mol/l
【0105】(20) そして、ソルダーレジスト層1
4の開口部にはんだペーストを印刷し、200℃でリフ
ローすることによって、はんだバンプ17(はんだ体)
を形成し、はんだバンプ17を有するビルドアップ多層
プリント配線板を製造した(図25参照)。
【0106】(実施例5)内層および外層銅パターンの
表層にエッチング処理により形成した粗化面を、硫化ナ
トリウム0.1mol/lと過酸化水素水0.1mol
/lとを含む水溶液からなる処理液に、30℃で2分
間、浸漬して、それらの粗化面上に、厚さ0.1μmの
銅の硫化物(CuS)からなる金属層を形成した以外
は、実施例4と同様にビルドアップ多層プリント配線板
を製造した。
【0107】(実施例6) (1) 厚さ0.8mmのガラスエポキシ樹脂またはB
T(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の
両面に、18μmの銅箔8がラミネートされている銅張
積層板を出発材料とした(図6参照)まず、この銅張積
層板をドリル削孔し、無電解めっき処理を施し、パター
ン状にエッチングすることにより、基板の両面に内層銅
パターン4とスルーホール9を形成した。
【0108】(2) 内層銅パターン4およびスルーホ
ール9を形成した基板1を水洗いし、乾燥した後、Na
OH(10g/l)、NaClO(40g/l)、N
PO(6g/l)を含む水溶液を黒化浴(酸化
浴)とする黒化処理、およびNaOH(10g/l)、
NaBH(6g/l)を含んだ水溶液を還元浴とする
還元処理を行い、内層銅パターン4およびスルーホール
9の表面に粗化層4aおよび9aをそれぞれ設けた(図
7参照)。
【0109】(3) 次に、ビスフェノールF型エポキ
シモノマー(油化シェル社製、分子量:310、YL9
83U)100重量部、表面にシランカップリング剤が
コーティングされた平均粒径が1.6μmで、最大粒子
の直径が15μm以下のSiO 2 球状粒子(アドテック
社製、CRS 1101−CE)170重量部およびレ
ベリング剤(サンノプコ社製 ペレノールS4)1.5
重量部を容器にとり、攪拌混合することにより、その粘
度が23±1℃で45〜49Pa・sの樹脂充填剤を調
製した。なお、硬化剤として、イミダゾール硬化剤(四
国化成社製、2E4MZ−CN)6.5重量部を用い
た。
【0110】このように調製された樹脂充填剤を、下記
の方法により調製後24時間以内に、内層銅パターン4
間の窪みおよびスルーホール9内に充填して、樹脂充填
剤層10を形成した。すなわち、まず、スキージを用い
てスルーホール9内に樹脂充填剤を押し込んだ後、10
0℃、20分の条件で乾燥させた。次に、内層銅パター
ン3間の窪みに樹脂充填剤を充填して層を形成し、10
0℃、20分の条件で乾燥させた(図8参照)。
【0111】(4) 前記(3)の処理を終えた基板の
片面を、#600のベルト研磨紙(三共理化学製)を用
いたベルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の表
面やスルーホール8のランド表面に樹脂充填剤10が残
らないように研磨し、次いで、上記ベルトサンダー研磨
による傷を取り除くためのバフ研磨を行った。このよう
な一連の研磨を基板の他方の面についても同様に行っ
た。次いで、100℃で1時間、150℃で1時間の加
熱処理を行って樹脂充填剤10を硬化した。
【0112】このようにして、内層銅パターン4の表面
やスルーホール9内に充填された樹脂充填材の表層部の
表面を平坦化し、内層銅パターン4の側面と樹脂充填剤
10とが粗化面4aを介して強固に密着し、またスルー
ホール9の内壁面と樹脂充填剤10とが粗化面9aを介
して強固に密着した絶縁性基板を得た(図9参照)。す
なわち、この工程により、内層銅パターン4の表面と樹
脂充填剤10の表面とが同一のレベルとなる。
【0113】(5) 上記基板1を水洗、酸性脱脂した
後、ソフトエッチングし、次いで、エッチング液を基板
の両面にスプレイで吹きつけて、内層銅パターン4の表
面と、スルーホール9のランド表面とをエッチングする
ことにより、内層銅パターン4の表面とスルーホール9
のランド表面に粗化層11を形成した。エッチング液と
しては、イミダゾール銅(II)錯体10重量部、グリ
コール酸7重量部、塩化カリウム5重量部からなるエッ
チング液(メック社製、メックエッチボンド)を使用し
た。
【0114】(6) 次いで、前記(5)にて粗化層1
1が形成された基板1を、硫化ナトリウム0.3mol
/lと過硫酸ナトリウム0.1mol/lとを含む水溶
液からなる処理液に35℃で3分間、浸漬して、粗化層
の表面に、厚さ0.1μmの銅の硫化物(CuS)から
なる金属層20を形成した(図10参照)。
【0115】(7) 前記(6)において金属層20が
形成された基板1に対して、以下のようにして作製した
樹脂フィルムを、基板1より少し大きめのサイズに裁断
し、その樹脂フィルムを基板1上に載置して、圧力4k
gf/cm2 、温度80℃、圧着時間10秒の条件で仮
圧着して裁断した後、さらに、真空ラミネーター装置内
で真空度0.5Torr、圧力4kgf/cm2 、温度
80℃、圧着時間60秒の条件で本圧着し、その後、1
70℃で30分間熱硬化させることによって層間樹脂絶
縁層2を形成した(図26参照)。
【0116】〔層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムの作製〕
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量46
9、油化シェルエポキシ社製エピコート1001)30
重量部、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(エポキ
シ当量215、大日本インキ化学工業社製 エピクロン
N−673)40重量部、トリアジン構造含有フェノー
ルノボラック樹脂(フェノール性水酸基当量120、大
日本インキ化学工業社製 フェノライトKA−705
2)30重量部をエチルジグリコールアセテート20重
量部、ソルベントナフサ20重量部に攪拌しながら加熱
溶解させ、そこへ末端エポキシ化ポリブタジエンゴム
(ナガセ化成工業社製 デナレックスR−45EPT)
15重量部と2−フェニル−4、5−ビス(ヒドロキシ
メチル)イミダゾール粉砕品1.5重量部、微粉砕シリ
カ2重量部、シリコン系消泡剤0.5重量部を添加しエ
ポキシ樹脂組成物を調製した。得られたエポキシ樹脂組
成物を厚さ38μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ
が50μmとなるようにロールコーターを用いて塗布し
た後、80〜120℃で10分間乾燥させることによ
り、層間樹脂絶縁層用樹脂フィルムを作製した。
【0117】(8) 次に、層間樹脂絶縁層2上に、厚
さ1.2mmの貫通孔が形成されたマスクを介して、波
長10.4μmのCO2 ガスレーザにて、ビーム径4.
0mm、トップハットモード、パルス幅8.0μ秒、マ
スクの貫通孔の径1.0mm、1ショットの条件で層間
樹脂絶縁層2に、直径80μmのビアホール形成用開口
6を形成した(図26参照)。
【0118】(9) ビアホール形成用開口6を形成し
た基板を、60g/lの過マンガン酸を含む80℃の溶
液に10分間浸漬し、層間樹脂絶縁層2の表面に存在す
るエポキシ樹脂粒子を溶解除去することにより、ビアホ
ール形成用開口6の内壁を含む層間樹脂絶縁層2の表面
を粗面化した(図28参照)。
【0119】(10) 次に、上記処理を終えた基板1
を、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから水洗いし
た。さらに、粗面化処理(粗化深さ3μm)した該基板
1の表面に、パラジウム触媒を付与することにより、層
間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホール用開口6の内
壁面に触媒核を付着させた。
【0120】(11) さらに、以下の組成の無電解銅
めっき水溶液中に基板1を浸漬して、粗面全体に厚さ
0.6〜3.0μmの無電解銅めっき膜12を形成した
(図29参照)。 〔無電解めっき水溶液〕 NiSO4 :0.003 mol/l 酒石酸 :0.200 mol/l 硫酸銅 :0.030 mol/l HCHO :0.050 mol/l NaOH :0.100 mol/l α、α′−ビピリジル :40 mg/l ポリエチレングリコール(PEG) :0.10 g/l 〔無電解めっき条件〕 35℃の液温度で40分
【0121】(12) 市販の感光性ドライフィルムを
無電解銅めっき膜12に貼り付け、マスクを載置して、
100mJ/cm2 で露光し、0.8%炭酸ナトリウム
水溶液で現像処理することにより、厚さ30μmのめっ
きレジスト3を設けた(図30参照)。
【0122】(13) ついで、基板を50℃の水で洗
浄して脱脂し、25℃の水で水洗後、さらに硫酸で洗浄
してから、以下の条件で電解銅めっきを施し、厚さ20
μmの電解銅めっき膜13を形成した(図31参照)。 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 :2.24mol/l 硫酸銅 :0.26mol/l 添加剤 :19.5ml/l (アトテックジャパン社製、カパラシドHL) 〔電解めっき条件〕 電流密度 :1A/dm2 時間 :65分 温度 :22±2℃
【0123】(14) めっきレジスト3を5%NaO
Hで剥離除去した後、そのめっきレジスト3下の無電解
めっき膜12を硫酸と過酸化水素の混合液でエッチング
処理して溶解除去し、無電解銅めっき膜12と電解銅め
っき膜13からなる厚さ18μmの外層銅パターン(バ
イアホール7を含む)5を形成した(図32参照)。
【0124】(15) 前記(5)〜(14)の工程を
繰り返すことにより、さらに外層の銅パターン5(導体
回路)を形成し(図33〜図38参照)、さらに(5)
の工程と同じ処理によって、外層銅パターン5上に粗化
層11を形成した多層の配線板を得た(図39参照)。
【0125】(16) 次に、ジエチレングリコールジ
メチルエーテル(DMDG)に60重量%の濃度になる
ように溶解させた、クレゾールノボラック型エポキシ樹
脂(日本化薬社製)のエポキシ基50%をアクリル化し
た感光性付与のオリゴマー(分子量:4000)46.
67重量部、メチルエチルケトンに溶解させた80重量
%のビスフェノールA型エポキシ樹脂(油化シェル社
製、商品名:エピコート1001)15.0重量部、イ
ミダゾール硬化剤(四国化成社製、商品名:2E4MZ
−CN)1.6重量部、感光性モノマーである2官能ア
クリルモノマー(日本化薬社製、商品名:R604)
4.5重量部、同じく多価アクリルモノマー(共栄化学
社製、商品名:DPE6A)1.5重量部、分散系消泡
剤(サンノプコ社製、S−65)0.71重量部を容器
にとり、攪拌、混合して混合組成物を調製し、この混合
組成物に対して光重合開始剤としてベンゾフェノン(関
東化学社製)2.0重量部、光増感剤としてのミヒラー
ケトン(関東化学社製)0.2重量部、を加えることに
より、粘度を25℃で2.0Pa・sに調整したソルダ
ーレジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度
計(東京計器社製、DVL−B型)で60rpmの場合
はローターNo.4、6rpmの場合はローターNo.
3によった。
【0126】(17) 次に、前記(15)で得られた
多層配線基板の両面に、上記ソルダーレジスト組成物を
20μmの厚さで塗布し、70℃で20分間、70℃で
30分間の条件で乾燥処理を行った後、ソルダーレジス
ト開口部のパターンが描画された厚さ5mmのフォトマ
スクをソルダーレジスト層に密着させて1000mJ/
cm2 の紫外線で露光し、DMTG溶液で現像処理し、
200μmの直径の開口を形成した。
【0127】そして、さらに、80℃で1時間、100
℃で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条
件でそれぞれ加熱処理を行ってソルダーレジスト層を硬
化させ、開口を有し、その厚さが20μmのソルダーレ
ジスト層14を形成した。このソルダーレジスト組成物
としては、市販のソルダーレジスト組成物を使用するこ
ともできる。
【0128】(18) さらに、ソルダーレジスト層1
4を形成した基板を、塩化ニッケル(2.3×10-1
ol/l)、次亜リン酸ナトリウム(2.8×10-1
ol/l)、クエン酸ナトリウム(1.6×10-1mo
l/l)を含むpH=4.5の無電解ニッケルめっき液
に20分間浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめ
っき層15を形成した。さらに、その基板をシアン化金
カリウム(7.6×10 -3mol/l)、塩化アンモニ
ウム(1.9×10-1mol/l)、クエン酸ナトリウ
ム(1.2×10-1mol/l)、次亜リン酸ナトリウ
ム(1.7×10 -1mol/l)を含む無電解金めっき
液に80℃の条件で7.5分間浸漬して、ニッケルめっ
き層15上に、厚さ0.03μmの金めっき層16を形
成した。
【0129】(19) この後、基板のICチップを載
置する面のソルダーレジスト層14の開口に、スズ−鉛
を含有するはんだペーストを印刷し、さらに他方の面の
ソルダーレジスト層14の開口にスズ−アンチモンを含
有するはんだペーストを印刷した後、200℃でリフロ
ーすることによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成
し、はんだバンプ17を有する多層配線プリント基板を
製造した(図40参照)
【0130】(実施例7)内層および外層銅パターンの
表層にエッチング処理により形成した粗化面を、硫化ナ
トリウム0.1mol/lと過酸化水素水0.1mol
/lとを含む水溶液からなる処理液に、30℃で2分
間、浸漬して、それらの粗化面上に、厚さ0・1μmの
銅の硫化物(CuS)からなる金属層を形成した以外
は、実施例6と同様にビルドアップ多層プリント配線板
を製造した。
【0131】(実施例8) (1) 前記実施例6の(1)〜(6)の工程と同様の
処理を行ったのち、銅の硫化物からなる金属層20が形
成された基板1の両面に、厚さ40μmの熱硬化型ポリ
オレフィン系樹脂シートを温度を120℃まで昇温しな
がら、圧力10kg/cmで加熱プレスして積層し、
ポリオレフィン系樹脂からなる層間樹脂絶縁層22を設
けた(図26参照)。
【0132】(2) 次いで、波長10.4μmの炭酸
ガスレーザを用いて、パルスエネルギーが1.5mJ、
パルス幅が10−5μs、パルス間隔が0.1ms以
上、ショット数が6の照射条件のもとで、ポリオレフィ
ン系樹脂からなる樹脂絶縁層2に直径60μmのビアホ
ール形成用開口6を設けた。なお、上記樹脂フィルムを
構成するポリオレフィン系樹脂の一つとして、シクロオ
レフィン系樹脂を用いてもよい。
【0133】さらに、CFおよび酸素混合気体のプラ
ズマ処理により、デスミア処理およびポリオレフィン系
樹脂絶縁層表面の改質を行った。この改質により、表面
には、OH基やカルボニル基、COOH基などの親水性
基が確認された。なお、酸素プラズマ処理条件は、電力
800W、真空度0.1Torr、処理時間1分間であ
る。
【0134】(3) さらに、前記実施例6の(11)
〜(14)の工程と同じ処理を行って、ポリオレフィン
系樹脂から形成された層間樹脂絶縁層2内に、ビアホー
ル7を形成するとともに、内層銅パターン4と電気的に
接続する外層銅パターン5とを形成する。
【0135】(4) 前記(1)〜(3)の工程を繰返
して、さらに、その表面に銅の硫化物からなる金属層2
0を有する外層の銅パターン5(導体回路)を形成し
た。
【0136】(5) その後、基板1を水洗、酸性脱脂
した後、ソフトエッチングし、次いでイミダゾール銅
(II)錯体10重量部、グリコール酸7重量部、塩化
カリウム5重量部からなるエッチング液(メック社製、
メックエッチボンド)を、基板1の両面にスプレイで吹
きつけて、外層銅パターン5の表面をエッチングするこ
とにより、外層銅パターン4の表面とビアホール7の内
壁面に粗化層11を形成した。
【0137】(6) さらに、前記実施例6の(16)
〜(19)の工程と同様の処理によって、はんだバンプ
17を有するビルドアップ多層配線プリント基板を製造
した。
【0138】(実施例9)内層および外層銅パターンの
表層にエッチング処理により形成した粗化面を、硫化ナ
トリウム0.2mol/lと過酸化水素水0.1mol
/lとを含む水溶液からなる処理液に、35℃で3分
間、浸漬して、それらの粗化面上に、厚さ0.05μm
の銅の硫化物(CuS)からなる金属層を形成した以外
は、実施例8と同様にビルドアップ多層プリント配線板
を製造した。
【0139】(比較例1)この比較例1は、合金の凹凸
層11の表層にスズめっき層を置換形成したこと以外
は、実施例1と同様にしてビルドアップ多層プリント配
線板を製造した。なお、上記の置換めっき処理は、ホウ
ふっ化スズ−チオ尿素液からなる無電解スズめっき浴に
30℃で5分間浸漬して、Cu−Ni−P合金の粗化層
9の表面に厚さ0.02μmのスズめっき層を置換形成
した。
【0140】(比較例2)この比較例2は、銅の硫化物
を形成させないこと以外は、実施例4と同様にしてビル
ドアップ多層プリント配線板を製造した。
【0141】(比較例3)この比較例3は、銅の硫化物
を形成させないこと以外は、実施例6と同様にしてビル
ドアップ多層プリント配線板を製造した。
【0142】上記実施例1〜9および比較例1〜3によ
って製造された、銅パターン(導体回路)上の凹凸層を
被覆した銅の硫化物からなる金属層を有する多層プリン
ト配線板の電気的特性の劣化の有無、ビアホール部分の
断面観察、凹凸層と層間絶縁剤層との隙間の有無、さら
に−65℃〜125 ℃で1000サイクルのヒートサ
イクル試験後のクラック発生の有無について調査した。
【0143】その結果を表1に示す。この表に示す結果
から明らかなように、本発明にかかる多層プリント配線
板は、表層に微細な凹凸層を有する内層銅パターンが、
銅の硫化物からなる金属層によって被覆保護されている
ので、電気的特性の劣化の有無、断面観察、凹凸層と層
間絶縁剤層との隙間の有無、ヒートサイクル試験後のク
ラック発生の有無のいずれの場合についても問題がな
く、接続信頼性に優れるものであった。
【0144】
【表1】 *1 電気特性の劣化の有無を電気抵抗変化測定により
評価した。劣化がない場合は○、劣化がある場合は×と
した。 *2 断面観察:ビアホール部分の断面を顕微鏡で観察
して評価した。銅の溶解が観察されなければ○、銅の溶
解が観察されれば×とした。 *3 隙間有無:金属層で被覆された凹凸層と層間絶縁
層との隙間の有無を顕微鏡で観察して確認した。隙間が
無ければ○、隙間が有れば×とした。 *4 ヒートサイクル:−65℃〜125 ℃で1000
サイクルのヒートサイクル試験後のクラック発生等の有
無を確認した。クラックや剥離がなければ○、クラック
や剥離が有れば×とした。
【0145】なお、本発明は、上記の各実施例に限定さ
れるものではなく、例えば、以下のような態様に変更す
ることが可能である。上記実施例で例示した4層板以外
の多層プリント配線板、例えば2層板や3層板、5層
板、6層板、7層板、8層板等の多層プリント配線板に
本発明を適用してもよい。この場合、内層銅パターンの
上面に、エッチング処理による凹凸層や無電解めっき処
理によるNi−P−Cu合金等の針状結晶からなる凹凸
層を形成し、さらにその表面に銅の硫化物からなる金属
層を被覆形成したうえで層間樹脂絶縁層を形成して多層
化することができる。
【0146】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、凹
凸層を有する銅パターンの表面に銅の硫化物からなる金
属層を被覆形成したので、銅パターン表層部の溶解等を
確実に防止でき、また銅パターンと樹脂層間絶縁層との
密着性を改善でき、しかも銅パターンの電気的特性の劣
化を防ぐことができる、信頼性に優れた多層プリント配
線板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1にかかる多層プリント配線板
を示し、内層銅パターン上に銅‐ニッケル‐リン層と、
銅の硫化物からなる金属層とを形成した状態を示す概略
的な部分断面図。
【図2】同じく、層間樹脂絶縁層にビアホール形成用開
口を形成した状態を示す部分断面図。
【図3】同じく、粗化処理をした後、スルーホール用貫
通孔を形成した状態を示す部分断面図。
【図4】同じくめっきレジスト形成した状態を示す部分
断面図。
【図5】同じく無電解銅めっきを行った状態を示す部分
断面図。
【図6】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造に
おける一工程を示す図。
【図7】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造に
おける一工程を示す図。
【図8】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造に
おける一工程を示す図。
【図9】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造に
おける一工程を示す図。
【図10】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図11】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図12】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図13】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図14】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図15】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図16】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図17】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図18】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図19】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図20】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図21】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図22】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図23】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図24】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図25】実施例4にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図26】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図27】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図28】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図29】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図30】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図31】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図32】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図33】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図34】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図35】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図36】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図37】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図38】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図39】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【図40】実施例6にかかる多層プリント配線板の製造
における一工程を示す図。
【符号の説明】
1 基板 2 層間樹脂絶縁層 3 永久レジスト(めっきレジスト) 4 内層銅パターン 5 外層銅パターン 6 ビアホール形成用開口 7 ビアホール 8 銅箔 9 スルーホール用貫通孔(スルーホール) 10 樹脂充填剤 11 粗化層 12 無電解めっき膜 13 電解めっき膜 14 ソルダーレジスト層 15 ニッケルめっき層 16 金めっき層 17 はんだ体(はんだバンプ)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E314 AA01 BB06 CC04 DD02 FF05 FF19 GG14 5E343 AA07 AA15 AA16 AA17 BB24 BB53 BB55 BB57 BB67 CC01 CC44 CC45 CC46 CC48 CC50 CC67 CC73 DD33 DD76 EE02 EE36 EE37 EE52 GG01 5E346 AA32 CC04 CC08 CC09 CC32 CC37 CC41 DD03 DD12 DD25 DD32 EE33 EE38 FF03 FF07 FF13 GG15 HH11

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に銅パターンと、樹脂絶縁層とが
    交互に積層され、樹脂絶縁層内には銅パターン間の電気
    的接続をなすビアホールが設けられてなるビルドアップ
    多層プリント配線板において、 前記銅パターンの表面には凹凸層が形成されるととも
    に、その凹凸層上には銅の硫化物からなる金属層が被覆
    形成されてなることを特徴とする多層プリント配線板。
  2. 【請求項2】 基材上に銅パターンと、樹脂絶縁層とが
    交互に積層され、樹脂絶縁層内には銅パターン間の電気
    的接続をなすビアホールが設けられてなるビルドアップ
    多層プリント配線板において、 前記銅パターンの表面には凹凸層が形成されるととも
    に、その凹凸層上には銅の硫化物からなる金属層が被覆
    形成され、 前記ビアホールは、前記樹脂絶縁層から金属層に達する
    開口内において部分的に露出している金属層と凹凸層と
    を介して形成されてなることを特徴とする多層プリント
    配線板。
  3. 【請求項3】前記銅パターン上の凹凸層は、エッチング
    処理によって形成された粗化層であることを特徴とする
    請求項1または2に記載の多層プリント配線板。
  4. 【請求項4】 前記銅パターン上の凹凸層は、針状の銅
    −ニッケル合金または銅−ニッケル−リン合金からなる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の多層プリン
    ト配線板。
  5. 【請求項5】 前記銅の硫化物からなる金属層は、その
    厚さが前記凹凸層の厚さよりも薄いことを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載の多層プリント配線
    板。
  6. 【請求項6】 前記銅の硫化物からなる金属層は、厚さ
    が0.001μm〜1.0μmであり、銅パターン上の
    凹凸層は、厚さが0.5μm〜5.0μmの銅−ニッケ
    ル−リン合金層であることを特徴とする請求項5に記載
    の多層プリント配線板。
  7. 【請求項7】 基材に設けられた内層銅パターンの表面
    に凹凸層を形成する工程と、 前記凹凸層の表面に銅の硫化物からなる金属層を被覆形
    成する工程と、 前記銅パターンを覆って無電解めっき用接着剤による層
    間樹脂絶縁層を形成する工程と、 前記金属層を部分的に露出させる工程と、 前記層間樹脂絶縁層の表面を粗化液で粗化する工程と、 前記層間樹脂絶縁層の表面に触媒核を付与し、無電解銅
    めっきによって、外層銅パターンを形成する工程、 とを少なくとも含むことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。
  8. 【請求項8】 基材に設けられた内層銅パターンの表面
    に凹凸層を形成する工程と、 前記凹凸層の表面に銅の硫化物からなる金属層を被覆形
    成する工程と、 前記内層銅パターンを覆って無電解めっき用接着剤によ
    る層間樹脂絶縁層を形成する工程と、 前記層間樹脂絶縁層の表面から前記金属層に達する開口
    部を設ける工程と、 前記層間樹脂絶縁層の開口部内壁を含んだ表面を粗化液
    によって粗化する工程と、 前記層間樹脂絶縁層の表面に触媒核を付与し、無電解銅
    めっき処理を施して、外層銅パターンおよび前記内層銅
    パターンと外層銅パターンとを接続するビアホールを形
    成する工程、 とを少なくとも含むことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。
  9. 【請求項9】 基材に設けられた内層銅パターンの表面
    に、針状の銅−ニッケル−リン合金層を無電解銅−ニッ
    ケル−リン合金めっきによって形成する工程と、 少なくとも硫化ナトリウムと酸化剤とを含む水溶液に前
    記基板を浸漬して、前記銅−ニッケル−リン合金層の表
    面に銅の硫化物からなる金属層を被覆形成する工程と、 無電解めっき用接着剤からなる層間樹脂絶縁層を形成す
    る工程と、 前記層間樹脂絶縁層の所定位置にビアホール形成用開口
    部を形成して、前記金属層を部分的に露出させる工程
    と、 前記層間樹脂絶縁層の表面を粗化液で粗化する工程と、 前記層間樹脂絶縁層の表面に触媒核を付与し、無電解銅
    めっきによって、外層銅パターンおよびビアホールを形
    成する工程、 とを少なくとも含むことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。
  10. 【請求項10】 基材に設けられた内層銅パターンの表
    面に凹凸層を形成する工程と、 前記凹凸層の表面に銅の硫化物からなる金属層を被覆形
    成する工程と、 前記内層銅パターンを覆って樹脂フィルムを加熱プレス
    することによって層間樹脂絶縁層を形成する工程と、 前記層間樹脂絶縁層の所定位置にレーザ照射によってビ
    アホール形成用開口部を形成して、前記金属層を部分的
    に露出させる工程と、 前記層間樹脂絶縁層の開口部内壁を含んだ全表面に無電
    解銅めっきを施して、外層銅パターンおよびビアホール
    を形成する工程、 とを少なくとも含むことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。
  11. 【請求項11】 基材に設けられた内層銅パターンの表
    面にエッチング処理を施して凹凸層を形成する工程と、 前記基材を少なくとも硫化ナトリウムと酸化剤とを含む
    水溶液に浸漬して、前記凹凸層の表面に銅の硫化物から
    なる金属層を被覆形成する工程と、 前記内層銅パターンを覆って樹脂フィルムを加熱プレス
    することによって層間樹脂絶縁層を形成する工程と、 前記層間樹脂絶縁層の所定位置にレーザ照射によってビ
    アホール形成用開口部を形成して、前記金属層を部分的
    に露出させる工程と、 前記層間絶縁層の開口部内壁を含んだ全表面に無電解銅
    めっきを施して、外層銅パターンおよびビアホールを形
    成する工程、 とを少なくとも含むことを特徴とする多層プリント配線
    板の製造方法。
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