JP3098729B2 - 多層プリント配線板の製造方法 - Google Patents

多層プリント配線板の製造方法

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JP3098729B2
JP3098729B2 JP22640597A JP22640597A JP3098729B2 JP 3098729 B2 JP3098729 B2 JP 3098729B2 JP 22640597 A JP22640597 A JP 22640597A JP 22640597 A JP22640597 A JP 22640597A JP 3098729 B2 JP3098729 B2 JP 3098729B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多層プリント配線
板の製造方法に関し、特に、粗化層や導体回路の局部電
池反応による溶解を確実に防止して、層間絶縁層と導体
回路の剥離、断線等を抑止し得る多層プリント配線板の
製造方法について提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、多層配線基板の高密度化という要
請から、いわゆるビルドアップ多層配線基板が注目され
ている。このビルドアップ多層配線基板は、例えば特公
平4−55555 号公報に開示されているような方法により
製造される。即ち、コア基板上に、感光性の無電解めっ
き用接着剤からなる層間樹脂絶縁剤を塗布し、これを乾
燥したのち露光,現像することにより、バイアホール用
開口を有する層間樹脂絶縁層を形成し、次いで、この層
間樹脂絶縁層の表面を酸化剤等による処理にて粗化した
のち、その粗化面に感光性の樹脂層を露光,現像処理し
てなるめっきレジストを設け、その後、めっきレジスト
非形成部分に無電解めっきを施してバイアホールを含む
導体回路パターンを形成し、このような工程を複数回繰
り返すことにより、多層化したアディティブ法によるビ
ルドアップ配線基板が得られる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような方法で製造
される多層プリント配線板において、基板上に形成され
た内層側の導体回路は、その導体回路上の層間樹脂絶縁
層との密着を確保するために、その表面に粗化処理が施
される。例えば、特開平6−283860号公報には、銅導体
パターンにCu−Ni−Pからなる針状合金めっきを施すこ
とにより、その導体表面を粗化処理する方法が開示され
ている。
【0004】しかしながら、このCu−Ni−Pからなる針
状合金めっきを銅導体パターンに施す粗化処理では、後
工程で層間樹脂絶縁層にバイアホール用開口を設ける
と、その開口から、Cu−Ni−Pの針状合金めっき層が露
出することになる。そのため、プリント配線板を製造す
るにあたり、層間樹脂絶縁層を酸や酸化剤で粗化処理し
たり、ソフトエッチング液にて配線板を処理する際に、
このような酸、酸化剤あるいはソフトエッチング液に導
体回路が接触し、Cu−Ni−Pの針状合金めっき層や導体
回路が溶解するという問題があった。
【0005】このような問題を克服できる技術として、
発明者らは、先に特開平9−130050号公報において、Cu
−Ni−Pからなる針状合金層の表面をスズ置換めっきし
て、粗化層をスズ層で被覆する方法を提案した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなスズ層による被覆をおこなっても、まれにCu−Ni−
P針状合金層や導体回路が溶解するという現象が見られ
た。この現象は、特に、導体回路が電解めっき膜および
無電解めっき膜で構成されるセミアディティブ法では、
大きなボイドとなって配線板の接続信頼性を悪化させる
原因となった。
【0007】本発明の主たる目的は、Cu−Ni−P針状合
金層や導体回路の局部電池反応による溶解を確実に防止
して、断線等の不良を抑止し得る多層プリント配線板の
製造方法を提案することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け鋭意研究した。その結果、Cu−Ni−P針状合
金層や導体回路が溶解する原因が、Cu−Ni−Pからな
る針状合金の結晶性が低いこと、Cu−Ni−Pからなる
針状合金表面に酸化膜などの銅とスズの置換反応を妨害
する因子が存在していること、にあると推定した。即
ち、Cu−Ni−Pからなる針状合金は、その結晶性が低い
ために溶解しやすく、酸、酸化剤およびソフトエッチン
グ液に触れて局部電池反応を起こして溶解してしまい、
また、Cu−Ni−Pからなる針状合金は、その表面に酸化
膜などの銅とスズの置換反応を妨害する因子が存在して
いるため、スズ置換が不充分となり、酸、酸化剤および
ソフトエッチング液と接触して局部電池反応を起こして
溶解してしまう、と考えた。このような推定に基づき、
発明者らは、導体回路表面に結晶合金からなる粗化層を
形成し、この粗化層を、加熱処理することで結晶性を向
上させて溶解しにくくさせること、ならびに、結晶合金
からなる粗化層表面の酸化膜などを酸処理にて除去する
ことで、その粗化層表面に金属被覆層をより完全に形成
させて、導体回路が溶解するような局部電池反応を抑制
することにより、前述の問題を解決できることを知見
し、本発明に想到するに至ったのである。
【0009】すなわち、本発明の要旨構成は、以下のと
おりである。 (1) 多層プリント配線板を製造するに当たり、基板上に
設けられた導体回路の表面に粗化層を形成し、加熱処理
を施した後、層間絶縁層を形成することを特徴とする多
層プリント配線板の製造方法である。 (2) 基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
した後、層間絶縁層を形成し、この層間絶縁層にバイア
ホールのための開口部を設けて、該層間絶縁層上に導体
回路を形成することにより、基板上の導体回路と層間絶
縁層上の導体回路とを、前記開口部から露出する粗化層
を介して電気的に接続する多層プリント配線板の製造方
法において、前記粗化層は、加熱処理が施されることを
特徴とする多層プリント配線板の製造方法である。
【0010】上記 (1)または(2) に記載の製造方法にお
いて、基板上に設けられた導体回路の表面には、銅、ニ
ッケルおよびリンの針状合金からなる粗化層を形成する
ことが好ましい。また、前記加熱処理は、 100〜150 ℃
で30分〜3時間の処理であることが好ましい。
【0011】(3) 多層プリント配線板を製造するに当た
り、基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
した後、該粗化層表面を酸処理し、次いで該粗化層表面
にイオン化傾向が銅より大きくかつチタン以下である金
属を1種以上含む金属もしくは貴金属からなる金属被覆
層を形成し、さらに層間絶縁層を形成することを特徴と
する多層プリント配線板の製造方法である。 (4) 基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
した後、層間絶縁層を形成し、この層間絶縁層にバイア
ホールのための開口部を設けて、該層間絶縁層上に導体
回路を形成することにより、基板上の導体回路と層間絶
縁層上の導体回路とを、前記開口部から露出する粗化層
を介して電気的に接続する多層プリント配線板の製造方
法において、前記粗化層は、その表面を酸処理した後、
イオン化傾向が銅より大きくかつチタン以下である金属
を1種以上含む金属もしくは貴金属からなる金属被覆層
で被覆されることを特徴とする多層プリント配線板の製
造方法である。
【0012】上記 (3)または(4) に記載の製造方法にお
いて、基板上に設けられた導体回路の表面には、銅、ニ
ッケルおよびリンの針状合金からなる粗化層を形成し、
酸処理後にスズ膜を形成することが好ましい。また、前
記酸処理は、硫酸、硝酸、ホウフッ酸およびカルボン酸
のなかから選ばれるいずれか少なくとも1種の水溶液を
用いることが好ましい。
【0013】(5) 多層プリント配線板を製造するに当た
り、基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
し、加熱処理を施した後、該粗化層表面を酸処理し、次
いで該粗化層表面にイオン化傾向が銅より大きくかつチ
タン以下である金属を1種以上含む金属もしくは貴金属
からなる金属被覆層を形成し、さらに層間絶縁層を形成
することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法で
ある。 (6) 基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
した後、層間絶縁層を形成し、この層間絶縁層にバイア
ホールのための開口部を設けて、該層間絶縁層上に導体
回路を形成することにより、基板上の導体回路と層間絶
縁層上の導体回路とを、前記開口部から露出する粗化層
を介して電気的に接続する多層プリント配線板の製造方
法において、前記粗化層は、加熱処理が施されて、その
表面を酸処理した後、イオン化傾向が銅より大きくかつ
チタン以下である金属を1種以上含む金属もしくは貴金
属からなる金属被覆層で被覆されることを特徴とする多
層プリント配線板の製造方法である。
【0014】上記 (5)または(6) に記載の製造方法にお
いて、基板上に設けられた導体回路の表面には、銅、ニ
ッケルおよびリンの針状合金からなる粗化層を形成し、
酸処理後にスズ膜を形成することが好ましい。また、前
記酸処理は、硫酸、硝酸、ホウフッ酸およびカルボン酸
のなかから選ばれるいずれか少なくとも1種の水溶液を
用いることが好ましい。さらに、前記加熱処理は、 100
〜150 ℃で30分〜3時間の処理であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】上記 (1)および(2) に記載の本発
明にかかる製造方法によれば、銅、ニッケルおよびリン
からなる針状合金層などの結晶性の粗化層を、加熱処理
することによってその結晶性を向上させ、酸、酸化剤、
ソフトエッチング液に対する粗化層の耐性を向上させる
ことができる。これにより、粗化層が溶解しにくくな
り、局部電池反応を抑制することができる。
【0016】上記 (3)および(4) に記載の本発明にかか
る製造方法によれば、粗化層表面を酸処理した後、スズ
などの金属被覆層を形成するので、粗化層表面を完全に
被覆でき、局部電池反応の進行を妨害して、粗化層それ
自体や導体回路の溶解を抑制することができる。
【0017】上記 (5)および(6) に記載の本発明にかか
る製造方法によれば、粗化層を加熱処理した後に酸処理
するので、加熱処理によって粗化層の表面に生じた酸化
膜を有利に除去でき、スズなどの金属被覆層が形成しや
すくなる。その結果、この方法によれば、粗化層の結晶
性向上と粗化層の完全な被覆を共に達成できるので、粗
化層や導体回路の局部電池反応による溶解を抑制する点
で特に有利である。
【0018】このような本発明の方法において、基板上
に設けられた導体回路の表面に形成される粗化層として
は、銅、ニッケルおよびリンの針状合金からなる層が最
適である。この理由は、かかる針状合金は層間樹脂絶縁
層との密着性に優れるからである。ここで、針状合金を
形成できるCu−Ni−P合金の組成を三成分系の三角図
(図1参照)に示す。この三角図から明らかなように針
状合金を形成できる組成は、(Cu, Ni,P)=(100,
0,0 )、(90, 10,0 )、(90, 0, 10 )で囲まれる
範囲内のものがよい。
【0019】この針状合金は、結晶性の合金であるた
め、加熱処理(いわゆるアニール)することにより、そ
の結晶性を向上させることができる。その加熱処理は、
100〜150 ℃で30分〜3時間の熱処理であることが好ま
しい。この理由は、加熱処理温度が低すぎるとアニール
の効果が低く、一方、加熱処理温度が高すぎると銅−ニ
ッケル−リンの合金の酸化が進行するからである。
【0020】銅−ニッケル−リンなどの針状合金からな
る粗化層は、空気中に放置したり、前述のような加熱処
理によって、その表面に酸化膜が生じる。本発明では、
このような酸化膜を酸処理により除去することができ
る。これにより、銅−ニッケル−リン針状合金からなる
粗化層の表面に、スズなどの金属被覆層を置換めっきな
どで容易に形成できるようになる。
【0021】したがって本発明では、針状合金からなる
粗化層に対して加熱処理および/または酸処理を施す
と、針状合金の結晶性向上および/または針状合金の確
実な表面被覆が実現でき、局部電池反応を阻害せしめ、
銅−ニッケル−リンの針状合金や導体回路の溶解を抑制
できるのである。
【0022】本発明において、上記金属被覆層は、イオ
ン化傾向が銅より大きくかつチタン以下である金属を1
種以上含む金属もしくは貴金属の層である。ここで、イ
オン化傾向が銅より大きくかつチタン以下である金属と
しては、チタン、アルミニウム、亜鉛、鉄、インジウ
ム、タリウム、コバルト、ニッケル、スズ、鉛、ビスマ
スから選ばれるいずれか少なくとも1種を用いることが
できる。また、貴金属としては、金、銀、白金、パラジ
ウムを用いることができる。特に、無電解置換めっきに
より粗化層に追従した薄い層を形成できる点で、スズを
用いることが有利である。なお、この金属被覆層は、そ
の厚さを 0.1〜2μmとすることが望ましい。
【0023】本発明において、前記酸処理は、硫酸、硝
酸、ホウフッ酸、カルボン酸から選ばれるいずれか少な
くとも1種の酸水溶液に浸漬するか、あるいはその酸水
溶液をスプレーすることにより行われる。この酸水溶液
の濃度は、硫酸では1〜20重量%、ホウフッ酸では0.05
〜1.0mol%程度である。
【0024】本発明の方法では、導体回路と粗化層の間
に被覆層を形成してもよい。この被覆層は、ニッケル、
コバルト、もしくは銅−ニッケル−リン合金から選ばれ
るいずれか少なくとも1種からなることが望ましく、特
に、銅−ニッケル−リン合金が最適である。この理由
は、被覆層は、局部電池反応を防止するという観点から
上記粗化層と同種の金属であることが望ましいからであ
る。即ち、粗化層として銅−ニッケル−リンの針状合金
が最適であることから、被覆層としては、銅−ニッケル
−リン合金が最適なのである。
【0025】導体回路と粗化層の間に被覆層を形成する
場合、前記粗化層の厚みは1〜5μmとし、前記被覆層
の厚みは1〜10μmとすることが望ましい。この理由
は、被覆層が薄すぎると、導体回路表面に被覆されない
部分が生じて、局部電池反応による導体回路溶解のおそ
れがあるからであり、逆に、被覆層が厚すぎると、導体
回路間あるいは層間の絶縁を維持しにくくなるからであ
る。一方、粗化層が薄すぎると、層間樹脂絶縁層との密
着性に乏しくなり、逆に、粗化層が厚すぎると、層間あ
るいは導体間の絶縁を維持しにくくなるからである。
【0026】本発明において、導体回路表面に、粗化層
として銅−ニッケル−リンの針状合金層を形成する場
合、ならびにスズの置換めっきにより粗化層表面を被覆
する場合のめっき方法について説明する。本発明では、
導体回路が設けられた基板を、錯化剤、銅化合物、ニッ
ケル化合物、次亜リン酸塩を含むめっき水溶液中に浸漬
し、銅−ニッケル−リン針状合金からなる粗化層を形成
することが好ましい。
【0027】上記めっき水溶液は、銅イオン濃度、ニッ
ケルイオン濃度、次亜リン酸イオン濃度、錯化剤濃度
を、それぞれ 2.2×10-2〜4.1 ×10-2 mol/l、 2.2×
10-3〜4.1 ×10-3 mol/l、0.20〜0.25 mol/l、0.01
〜0.2mol/lとなるように調整しておくことが望まし
い。なお、錯化剤としては、クエン酸などのヒドロキシ
カルボン酸が好適である。より具体的な無電解めっき液
組成としては、硫酸銅1〜40g/l、硫酸ニッケル 0.1
〜6.0 g/l、クエン酸10〜20g/l、次亜リン酸塩10
〜100 g/l、ホウ酸10〜40g/l、界面活性剤0.01〜
10g/lからなる液組成のめっき浴を用いることが望ま
しい。
【0028】また、スズにより粗化層表面の置換被覆を
行う場合は、ホウフッ化スズ−チオ尿素、塩化スズ−チ
オ尿素液を使用する。これにより、Cu−Snの置換反応で
0.1〜2μm程度のSn金属被覆層が形成される。一方、
貴金属により粗化層表面を被覆する場合は、スパッタや
蒸着などの方法が採用できる。
【0029】本発明では、導体回路を被覆する層間樹脂
絶縁層として無電解めっき用接着剤を用いることが望ま
しい。この無電解めっき用接着剤としては、硬化処理さ
れた酸あるいは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、硬
化処理によって酸あるいは酸化剤に難溶性となる未硬化
の耐熱性樹脂中に分散されてなるものが最適である。こ
の理由は、かかる接着剤を用いて形成した層間樹脂絶縁
層は、酸、酸化剤で処理することにより、耐熱性樹脂粒
子が溶解除去されて、表面に蛸つぼ状のアンカーからな
る粗化面が形成できるからである。
【0030】この無電解めっき用接着剤において、特に
硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、平均粒
径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、平均粒
径が2μm〜10μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が
2μm以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が
2〜10μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なく
とも1種を付着させてなる疑似粒子、平均粒径が 0.1
〜0.8 μmの耐熱性樹脂粉末と平均粒径 0.8μmを超え
平均粒径2μm未満の耐熱性樹脂粉末の混合物、から選
ばれるいずれか少なくとも1種を用いることが望まし
い。これらは、より複雑なアンカーを形成できるからで
ある。
【0031】耐熱性樹脂としては、エポキシ樹脂、ポリ
イミド樹脂、エポキシ樹脂と熱可塑性樹脂との複合体を
用いることができる。複合させる熱可塑性樹脂として
は、ポエリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレ
ンエーテル(PPE)、ポリフェニレンスルフィド(P
PES)などが挙げられる。また、酸や酸化剤に溶解す
る耐熱性樹脂粒子としては、エポキシ樹脂(特にアミン
系硬化剤で硬化させたエポキシ樹脂がよい)粒子、アミ
ノ樹脂粒子がある。
【0032】次に、本発明にかかるプリント配線板を製
造する一方法について説明する。 (1) まず、コア基板の表面に内層銅パターンを形成した
配線基板を作製する。このコア基板への銅パターンの形
成は、銅張積層板をエッチングして行うか、あるいは、
ガラスエポキシ基板やポリイミド基板、セラミック基
板、金属基板などの基板に無電解めっき用接着剤層を形
成し、この接着剤層表面を粗化して粗化面とし、ここに
無電解めっきを施して行う方法がある。さらに必要に応
じて、導体回路表面に粗化層を形成する。粗化層の形成
方法としては、酸化(黒化)−還元処理、銅表面を粒界
に沿ってエッチングして粗化面を形成する方法などがあ
る。なお、コア基板には、スルーホールが形成され、こ
のスルーホールを介して表面と裏面の配線層を電気的に
接続することができる。また、スルーホールおよびコア
基板の導体回路間には樹脂が充填されて、平滑性を確保
してもよい。さらに、コア基板の導体回路表面、スルー
ホールのランド表面には、前述のように、銅−ニッケル
−リン針状合金からなる粗化層を形成した後、加熱処理
および/または酸処理を施したり、スズなどによる置換
めっきを行って金属被覆層を形成したりすることができ
る。
【0033】(2) 次に、前記(1) で作製した配線基板の
上に、層間樹脂絶縁層を形成する。特に本発明では、層
間樹脂絶縁材として前述した無電解めっき用接着剤を用
いることが望ましい。
【0034】(3) 形成した無電解めっき用接着剤層を乾
燥した後、必要に応じてバイアホール形成用開口を設け
る。感光性樹脂の場合は、露光,現像してから熱硬化す
ることにより、また、熱硬化性樹脂の場合は、熱硬化し
たのちレーザー加工することにより、前記接着剤層にバ
イアホール形成用の開口部を設ける。
【0035】(4) 次に、硬化した前記接着剤層の表面に
存在するエポキシ樹脂粒子を酸あるいは酸化剤によって
溶解除去し、接着剤層表面を粗化処理する。ここで、上
記酸としては、リン酸、塩酸、硫酸、あるいは蟻酸や酢
酸などの有機酸があるが、特に有機酸を用いることが望
ましい。粗化処理した場合に、バイアホールから露出す
る金属導体層を腐食させにくいからである。一方、上記
酸化剤としては、クロム酸、過マンガン酸塩(過マンガ
ン酸カリウムなど)を用いることが望ましい。
【0036】(5) 次に、接着剤層表面を粗化した配線基
板に触媒核を付与する。触媒核の付与には、貴金属イオ
ンや貴金属コロイドなどを用いることが望ましく、一般
的には、塩化パラジウムやパラジウムコロイドを使用す
る。なお、触媒核を固定するために加熱処理を行うこと
が望ましい。このような触媒核としてはパラジウムがよ
い。
【0037】(6) 次に、無電解めっき用接着剤層の表面
に無電解めっきを施し、粗化面全面に無電解めっき膜を
形成する。無電解めっき膜の厚みは 0.5〜5μmであ
る。なお、無電解めっき膜は、50〜150 ℃で30分〜4時
間の加熱処理を施すことが望ましい。酸や酸化剤に対す
る耐性を向上させるためである。
【0038】(7) 次に、無電解めっき膜上にめっきレジ
ストを形成する。めっきレジスト組成物としては、特に
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂やフェノールノボ
ラック型エポキシ樹脂のアクリレートとイミダゾール硬
化剤からなる組成物を用いることが望ましく、他に市販
品を使用することもできる。
【0039】(8) 次に、めっきレジスト非形成部に厚み
5〜20μmの電解めっきを施し、導体回路、ならびにバ
イアホールを形成する。電解めっきを施す前に、予め、
表面の酸化膜を除去すべく、有機酸、塩酸、硫酸などの
酸で表面処理してもよい。このような表面処理はめっき
レジスト形成前でも、後でもよい。ここで、上記電解め
っきとしては、銅めっきを用いることが望ましい。な
お、電解めっき膜は、50〜150 ℃で30分〜7時間の加熱
処理を施すことが望ましい。酸や酸化剤に対する耐性を
向上させるためである。
【0040】(9) そして、めっきレジストを除去した
後、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫酸ナトリウム、過
硫酸アンモニウムなどのエッチング液で無電解めっき膜
を溶解除去して、独立した導体回路とする。無電解めっ
き膜をエッチング除去する前に、予め、有機酸、塩酸、
硫酸などの酸でめっき膜表面の酸化膜を除去しておくと
よい。酸化膜の存在により、エッチングレートが変わっ
てしまい、エッチング残りが発生するからである。
【0041】(10)次に、前記(9) で形成した導体回路の
表面に、前述のように、銅−ニッケル−リン針状合金か
らなる粗化層を形成した後、加熱処理および/または酸
処理を施したり、スズなどによる置換めっきを行って金
属被覆層を形成したりする。 (11)そして、この基板上に層間樹脂絶縁層として、無電
解めっき用接着剤層を形成する。 (12)さらに、前記 (3)〜(9) の工程を繰り返してさらに
上層の導体回路を設け、片面3層の6層両面多層プリン
ト配線板を得る。
【0042】以上の説明は、セミアティティブ法と呼ば
れる方法により形成した例であり、本発明は、無電解め
っき用接着剤層を粗化した後、触媒核を付与し、めっき
レジストを設け、無電解めっきを行い導体回路を形成す
る、いわゆるフルアディティブ法にも適用することが可
能である。
【0043】(13)次に、前記(12)で得られた多層配線基
板に、ソルダーレジスト組成物を塗布し、次いでその塗
膜を乾燥した後、この塗膜に、開口部を描画したフォト
マスクフィルムを載置して露光、現像処理することによ
り、導体回路のうちパッド部分を露出させた開口部を有
するソルダーレジストを形成する。ここで、前記開口部
の開口径は、パッドの径よりも大きくすることができ、
パッドを完全に露出させてもよい。また、逆に前記開口
部の開口径は、パッドの径よりも小さくすることがで
き、パッドの周縁をソルダーレジストで被覆することが
できる。この場合、パッドをソルダーレジストで抑える
ことができ、パッドの剥離を防止できる。
【0044】(14)次に、前記開口部から露出した前記パ
ッド部上に「ニッケル−金」の金属層を形成する。 (15)そして、前記開口部から露出した前記パッド部上に
はんだ体を供給し、はんだ体を有するプリント配線板が
得られる。以下、実施例をもとづいて説明する。
【0045】
【実施例】
(実施例1) A.無電解めっき用接着剤A(上層用)の調製 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製:分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )3.15重量部、消
泡剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMP 3.6
重量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径 1.0μmを 7.2重量部、平均粒径 0.5μmのものを3.
09重量部を混合した後、さらにNMP30重量部を添加
し、ビーズミルで攪拌混合した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2
重量部、NMP 1.5重量部を攪拌混合した。これらを混
合して無電解めっき用接着剤を調製した。
【0046】B.無電解めっき用接着剤B(下層用)の
調製 .クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を80wt%の濃度で
DMDGに溶解させた樹脂液を35重量部、感光性モノマ
ー(東亜合成製、アロニックスM315 )4重量部、消泡
剤(サンノプコ製、S−65)0.5 重量部、NMP3.6 重
量部を攪拌混合した。 .ポリエーテルスルフォン(PES)12重量部、エポ
キシ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒
径 0.5μmのものを 14.49重量部、を混合した後、さら
にNMP30重量部を添加し、ビーズミルで攪拌混合し
た。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2重
量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I−
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S)0.2
重量部、NMP1.5 重量部を攪拌混合した。これらを混
合して、2層構造の層間樹脂絶縁層を構成する下層側の
絶縁剤層として用いられる無電解めっき用接着剤を調製
した。
【0047】C.樹脂充填剤の調製 .ビスフェノールF型エポキシモノマー(油化シェル
製、分子量310, YL983U)100重量部、表面にシランカッ
プリング剤がコーティングされた平均粒径 1.6μmのSi
2 球状粒子(アドマテック製、CRS 1101−CE、ここ
で、最大粒子の大きさは後述する内層銅パターンの厚み
(15μm)以下とする) 170重量部、レベリング剤(サ
ンノプコ製、ペレノールS4)1.5 重量部を3本ロール
にて混練して、その混合物の粘度を23±1℃で45,000〜
49,000cps に調整した。 .イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)6.5
重量部。これらを混合して樹脂充填剤10を調製した。
【0048】D.プリント配線板の製造方法 (1) 厚さ1mmのガラスエポキシ樹脂またはBT(ビスマ
レイミドトリアジン)樹脂からなる基板1の両面に18μ
mの銅箔8がラミネートされている銅張積層板を出発材
料とした(図2参照)。まず、この銅張積層板をドリル
削孔し、無電解めっき処理を施してスルーホール9を形
成し、さらに、銅箔8を常法に従いパターン状にエッチ
ングすることにより、基板1の両面に内層銅パターン4
を形成した。
【0049】(2) 内層銅パターン4およびスルーホール
9を形成した基板を水洗いし、乾燥した後、酸化浴(黒
化浴)として、NaOH(10g/l)、NaClO2(40g/
l)、Na3PO4(6g/l)、還元浴として、NaOH(10g
/l)、NaBH4 (6g/l)を用いた酸化−還元処理に
より、内層銅パターン4およびスルーホール9の全表面
に粗化層11を設けた(図3参照)。
【0050】(3) 樹脂充填剤10を、基板の片面にロール
コータを用いて塗布することにより、導体回路4間ある
いはスルーホール9内に充填し、70℃,20分間で乾燥さ
せ、他方の面についても同様にして樹脂充填剤10を導体
回路4間あるいはスルーホール9内に充填し、70℃,20
分間で加熱乾燥させた(図4参照)。
【0051】(4) 前記(3) の処理を終えた基板の片面
を、#600 のベルト研磨紙(三共理化学製)を用いたベ
ルトサンダー研磨により、内層銅パターン4の表面やス
ルーホール9のランド表面に樹脂充填剤10が残らないよ
うに研磨し、次いで、前記ベルトサンダー研磨による傷
を取り除くためのバフ研磨を行った。このような一連の
研磨を基板の他方の面についても同様に行った。次い
で、 100℃で1時間、 120℃で3時間、 150℃で1時
間、 180℃で7時間の加熱処理を行って樹脂充填剤10を
硬化した(図5参照)。
【0052】このようにして、スルーホール9等に充填
された樹脂充填剤10の表層部および内層導体回路4上面
の粗化層11を除去して基板両面を平滑化し、樹脂充填剤
10と内層導体回路4の側面とが粗化層11を介して強固に
密着し、またスルーホール9の内壁面と樹脂充填剤10と
が粗化層11を介して強固に密着した配線基板を得た。即
ち、この工程により、樹脂充填剤10の表面と内層銅パタ
ーン4の表面が同一平面となる。ここで、充填した硬化
樹脂のTg点は155.6 ℃、線熱膨張係数は44.5×10-6
℃であった。
【0053】(5) 前記(4) の処理で露出した内層導体回
路4およびスルーホール9のランドの表面に、厚さ5μ
mのCu−Ni−P合金からなる被覆層、厚さ2μmのCu−
Ni−P針状合金からなる粗化層および粗化層表面を被覆
する厚さ 0.3μmのSn金属被覆層を設けた(図6参
照、但し、Sn層については図示しない)。その形成方法
は以下のようである。即ち、基板を酸性脱脂してソフト
エッチングし、次いで、塩化パラジウムと有機酸からな
る触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与し、この触媒を活
性化した後、硫酸銅8g/l、硫酸ニッケル 0.6g/
l、クエン酸15g/l、次亜リン酸ナトリウム29g/
l、ホウ酸31g/l、界面活性剤 0.1g/l、pH=9
からなる無電解めっき浴に基板を浸漬し、Cu−Ni−Pの
針状合金からなる粗化層を析出させた。さらに、その基
板を、 100℃で30分、120℃で30分、 150℃で2時間の
加熱処理を施し、10重量%硫酸水溶液、および0.2mol/
lのホウフッ酸水溶液で処理した後、ホウフッ化スズ0.
1mol/l、チオ尿素1.0mol/l、温度50℃、pH=1.2
の条件でCu−Sn置換反応させ、粗化層11の表面に厚さ
0.3μmのSn金属被覆層を設けた(Sn層については図示
しない)。
【0054】(6) 前記(5) の基板の両面に、Bの無電解
めっき用接着剤(粘度 1.5Pa・s) をロールコータで塗
布し、水平状態で20分間放置してから、60℃で30分の乾
燥(プリベーク)を行い、絶縁剤層2aを形成した。さら
にこの絶縁剤層2aの上にAの無電解めっき用接着剤(粘
度7Pa・s) をロールコータを用いて塗布し、水平状態
で20分間放置してから、60℃で30分の乾燥を行い、接着
剤層2bを形成した(図7参照)。
【0055】(7) 前記(6) で絶縁剤層2aおよび接着剤層
2bを形成した基板の両面に、85μmφの黒円が印刷され
たフォトマスクフィルムを密着させ、超高圧水銀灯によ
り 500mJ/cm2 で露光した。これをDMDG溶液でスプ
レー現像することにより、接着剤層に85μmφのバイア
ホール用開口を形成した。さらに、当該基板を超高圧水
銀灯により3000mJ/cm2 で露光し、100 ℃で1時間、そ
の後 150℃で5時間の加熱処理(ポストベーク)をする
ことにより、フォトマスクフィルムに相当する寸法精度
に優れた開口(バイアホール形成用開口6)を有する厚
さ35μmの2層構造の層間樹脂絶縁層(接着剤層)2を
形成した。なお、バイアホールとなる開口には、図示し
ないスズめっき層を部分的に露出させた。
【0056】(8) 前記(7) の処理を施した基板を、 800
g/lのクロム酸に70℃で15分間浸漬して、層間樹脂絶
縁層2の表面の樹脂粒子を溶解除去することにより、当
該層間樹脂絶縁層2の表面を粗面(粗化深さ3μm)と
し、その後、中和溶液(シプレイ社製)に浸漬してから
水洗いした(図9参照)。さらに、粗面化処理した該基
板の表面に、パラジウム触媒(アトテック製)を付与す
ることにより、層間樹脂絶縁層2の表面およびバイアホ
ール用開口6の内壁面に触媒核を付けた。
【0057】(9) 以下の組成の無電解銅めっき浴中に基
板を浸漬して、粗面全体に厚さ0.6 μmの無電解銅めっ
き膜12を形成した(図10参照)。さらに、この無電解め
っき膜12を、50℃で1時間、 100℃で30分、 120℃で30
分、 150℃で2時間の加熱処理に施した。 〔無電解めっき液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕70℃の液温度で30分
【0058】(10)前記(9) で形成した無電解銅めっき膜
12上に市販の感光性ドライフィルムを張り付け、マスク
を載置して、100 mJ/cm2 で露光し、0.8 %炭酸ナトリ
ウムで現像処理し、厚さ15μmのめっきレジスト3を設
けた(図11参照)。
【0059】(11)ついで、10%硫酸水溶液で無電解めっ
き膜表面を処理した後、レジスト非形成部分に以下の条
件で電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜
13を形成した(図12参照)。さらに、この電解めっき膜
13を、50℃で30分、80℃で30分、 100℃で30分、 120℃
で30分、150 ℃で5時間の加熱処理に施した。 〔電解めっき液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製、カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm2 時間 30 分 温度 室温
【0060】(12)めっきレジスト3を5%KOHで剥離
除去した後、10%硫酸水溶液で表面処理し、さらにその
めっきレジスト3下の無電解めっき膜12を硫酸と過酸化
水素の混合液でエッチング処理して溶解除去し、無電解
銅めっき膜12と電解銅めっき膜13からなる厚さ18μmの
導体回路(バイアホールを含む)5を形成した。さら
に、70℃で800g/l のクロム酸に3分間浸漬して、導体
回路間(導体回路非形成部分に位置する)の無電解めっ
き用接着剤層の表面を1μmエッチング処理し、その表
面に残存するパラジウム触媒を除去した(図13参照)。
【0061】(13)導体回路5を形成した基板に、前記
(5) と同様の処理を行い、導体回路5の表面に厚さ3μ
mのCu−Ni−Pの非針状合金からなる被覆層、厚さ5μ
mのCu−Ni−Pの針状合金からなる粗化層および粗化層
表面を被覆する厚さ 0.3μmのSn金属被覆層を設けた
(図14参照)。
【0062】(14)前記(6) 〜(13)の工程を繰り返すこと
により、さらに上層の導体回路を形成した。但し、Sn置
換は行わなかった(図15〜20参照)。
【0063】(15)一方、DMDGに溶解させた60重量%
のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)
のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴ
マー(分子量4000)を 46.67g、メチルエチルケトンに
溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾー
ル硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)1.6 g、感光性モノ
マーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、R604
)3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学
製、DPE6A ) 1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、
S−65)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光
開始剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g、
光増感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を0.2
g加えて、粘度を25℃で 2.0Pa・sに調整したソルダー
レジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計
(東京計器、 DVL-B型)で 60rpmの場合はローターNo.
4、6rpm の場合はローターNo.3によった。
【0064】(16)前記(14)で得られた多層配線基板に、
上記ソルダーレジスト組成物を20μmの厚さで塗布し
た。次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処理を
行った後、円パターンが描画されたフォトマスクフィル
ムを密着させて載置し、1000mJ/cm2 の紫外線で露光
し、DMTG現像処理した。そしてさらに、80℃で1時間、
100℃で1時間、 120℃で1時間、 150℃で3時間の条
件で加熱処理し、パッド部分が開口した(開口径 200μ
m)ソルダーレジスト層(厚み20μm)14を形成した。
【0065】(17)次に、ソルダーレジスト層14を形成し
た基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸ナトリウ
ム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lからなるpH
=5の無電解ニッケルめっき液に20分間浸漬して、開口
部に厚さ5μmのニッケルめっき層15を形成した。さら
に、その基板を、シアン化金カリウム2g/l、塩化ア
ンモニウム75g/l、クエン酸ナトリウム50g/l、次
亜リン酸ナトリウム10g/lからなる無電解金めっき液
に93℃の条件で23秒間浸漬して、ニッケルめっき層15上
に厚さ0.03μmの金めっき層16を形成した。
【0066】(18)そして、ソルダーレジスト層14の開口
部に、はんだペーストを印刷して 200℃でリフローする
ことによりはんだバンプ(はんだ体)17を形成し、はん
だバンプ17を有する多層プリント配線板を製造した(図
21参照)。
【0067】(実施例2)実施例1と同様であるが、実
施例1の(5)、(13)においてスズで置換する代わり
にチタン、アルミニウム、亜鉛、鉄、インジウム、タリ
ウム、コバルト、ニッケル、鉛、ビスマス、金、銀層を
形成した。
【0068】チタン、アルミニウム、亜鉛、鉄、インジ
ウム、タリウム、ビスマス、金、銀層は、スパッタリン
グにより形成し、その厚さは 0.5μmとした。コバル
ト、ニッケル、鉛はめっきにて形成し、その厚さを 0.5
μmとした。
【0069】(比較例1)実施例の工程(5),(13)の処理
において、酸処理を行わなかったこと以外は、実施例と
同様にしてはんだバンプを有する多層プリント配線板を
製造した。
【0070】(比較例2)実施例1と同様であるが、実
施例1の(5),(13)の処理において、加熱処理を行わなか
った。
【0071】実施例、比較例で製造した多層プリント配
線板につき、導体回路の表面部分の断面を光学顕微鏡お
よび走査型電子顕微鏡により観察し、導体回路の溶解に
有無について確認した。実施例1、2の多層プリント配
線板については、導体回路、Cu−Ni−Pの非針状合金か
らなる被覆層およびCu−Ni−Pの針状合金からなる粗化
層の大きな溶解については殆ど観察されなかった。これ
に対して、比較例1、2の多層プリント配線板について
は、一部導体回路の溶解が観察された。
【0072】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、導
体回路の局部電池反応による溶解を確実に防止でき、内
層導体回路とバイアホールの接続信頼性を向上した接続
信頼性に優れる多層プリント配線板を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】Cu−Ni−P合金の組成を示す三角図であ
る。
【図2】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図3】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図4】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図5】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図6】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図7】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図8】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図9】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図10】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図11】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図12】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図13】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図14】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図15】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図16】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図17】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図18】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図19】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図20】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【図21】本発明にかかる多層プリント配線板の各製造工
程を示す図である。
【符号の説明】 1 基板 2 層間樹脂絶縁層(無電解めっき用接着剤層) 2a 絶縁剤層(下層の無電解めっき用接着剤層) 2b 接着剤層(上層の無電解めっき用接着剤層) 3 めっきレジスト 4 内層導体回路(内層銅パターン) 5 外層導体回路(外層銅パターン) 6 バイアホール用開口 7 バイアホール 8 銅箔 9 スルーホール 10 樹脂充填剤 11 粗化層 110 被覆層 12 無電解めっき膜(無電解銅めっき膜) 13 電解めっき膜(電解銅めっき膜) 14 ソルダーレジスト層 15 ニッケルめっき層 16 金めっき層 17 はんだバンプ(はんだ体)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多層プリント配線板を製造するに当た
    り、基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
    し、加熱処理を施した後、層間絶縁層を形成することを
    特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  2. 【請求項2】 基板上に設けられた導体回路の表面に粗
    化層を形成した後、層間絶縁層を形成し、この層間絶縁
    層にバイアホールのための開口部を設けて、該層間絶縁
    層上に導体回路を形成することにより、基板上の導体回
    路と層間絶縁層上の導体回路とを、前記開口部から露出
    する粗化層を介して電気的に接続する多層プリント配線
    板の製造方法において、 前記粗化層は、加熱処理が施されることを特徴とする多
    層プリント配線板の製造方法。
  3. 【請求項3】 基板上に設けられた導体回路の表面に、
    銅、ニッケルおよびリンの針状合金からなる粗化層を形
    成することを特徴とする請求項1または2に記載の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理は、 100〜150 ℃で30分〜
    3時間の処理であることを特徴とする請求項1〜3のい
    ずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 多層プリント配線板を製造するに当た
    り、基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
    した後、該粗化層表面を酸処理し、次いで該粗化層表面
    にイオン化傾向が銅より大きくかつチタン以下である金
    属を1種以上含む金属もしくは貴金属からなる金属被覆
    層を形成し、さらに層間絶縁層を形成することを特徴と
    する多層プリント配線板の製造方法。
  6. 【請求項6】 基板上に設けられた導体回路の表面に粗
    化層を形成した後、層間絶縁層を形成し、この層間絶縁
    層にバイアホールのための開口部を設けて、該層間絶縁
    層上に導体回路を形成することにより、基板上の導体回
    路と層間絶縁層上の導体回路とを、前記開口部から露出
    する粗化層を介して電気的に接続する多層プリント配線
    板の製造方法において、 前記粗化層は、その表面を酸処理した後、イオン化傾向
    が銅より大きくかつチタン以下である金属を1種以上含
    む金属もしくは貴金属からなる金属被覆層で被覆される
    ことを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板上に設けられた導体回路の表面に、
    銅、ニッケルおよびリンの針状合金からなる粗化層を形
    成し、酸処理後にスズ膜を形成することを特徴とする請
    求項5または6に記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記酸処理は、硫酸、硝酸、ホウフッ酸
    およびカルボン酸のなかから選ばれるいずれか少なくと
    も1種の水溶液を用いることを特徴とする請求項5〜7
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 多層プリント配線板を製造するに当た
    り、基板上に設けられた導体回路の表面に粗化層を形成
    し、加熱処理を施した後、該粗化層表面を酸処理し、次
    いで該粗化層表面にイオン化傾向が銅より大きくかつチ
    タン以下である金属を1種以上含む金属もしくは貴金属
    からなる金属被覆層を形成し、さらに層間絶縁層を形成
    することを特徴とする多層プリント配線板の製造方法。
  10. 【請求項10】 基板上に設けられた導体回路の表面に粗
    化層を形成した後、層間絶縁層を形成し、この層間絶縁
    層にバイアホールのための開口部を設けて、該層間絶縁
    層上に導体回路を形成することにより、基板上の導体回
    路と層間絶縁層上の導体回路とを、前記開口部から露出
    する粗化層を介して電気的に接続する多層プリント配線
    板の製造方法において、 前記粗化層は、加熱処理が施されて、その表面を酸処理
    した後、イオン化傾向が銅より大きくかつチタン以下で
    ある金属を1種以上含む金属もしくは貴金属からなる金
    属被覆層で被覆されることを特徴とする多層プリント配
    線板の製造方法。
  11. 【請求項11】 基板上に設けられた導体回路の表面に、
    銅、ニッケルおよびリンの針状合金からなる粗化層を形
    成し、酸処理後にスズ膜を形成することを特徴とする請
    求項9または10に記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記酸処理は、硫酸、硝酸、ホウフッ酸
    およびカルボン酸のなかから選ばれるいずれか少なくと
    も1種の水溶液を用いることを特徴とする請求項9〜11
    のいずれか1項に記載の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記加熱処理は、 100〜150 ℃で30分〜
    3時間の処理であることを特徴とする請求項9〜12のい
    ずれか1項に記載の多層プリント配線板の製造方法。
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