JP2001203325A - 半導体集積回路装置とデジタル集積回路の設計方法 - Google Patents

半導体集積回路装置とデジタル集積回路の設計方法

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JP2001203325A
JP2001203325A JP2000009914A JP2000009914A JP2001203325A JP 2001203325 A JP2001203325 A JP 2001203325A JP 2000009914 A JP2000009914 A JP 2000009914A JP 2000009914 A JP2000009914 A JP 2000009914A JP 2001203325 A JP2001203325 A JP 2001203325A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速化と低消費電力化及び回路の高速動作化
と低消費電力に加えて直流試験を容易にした半導体集積
回路装置と、回路の高速動作化と低消費電力に加えて直
流試験を容易にしたデジタル集積回路を効率的に設計す
るデジタル集積回路の設計方法を提供する。 【解決手段】 クロック信号により信号の取り込みと保
持を行なうフリップフロップ回路の間に設けられた論理
ゲート回路とからなる信号伝達経路を持つ半導体集積回
路装置において、例えば上記信号伝達経路での信号遅延
が、上記クロック信号の周期との関係において信号遅延
に余裕があるものを第1のしきい値電圧のMOSFET
で構成し、上記信号遅延に余裕がないもを上記第1のし
きい値電圧より低い第2のしきい値電圧のMOSFET
で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、半導体集積回路
装置とデジタル集積回路の設計方法に関し、主として情
報処理装置に使用されるゲートアレイ等で構成された大
規模集積回路装置における高速動作化と低消費電力化に
有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】デジタル集積回路での消費電力を低減さ
せるための技術としては、デジタル集積回路を機能毎に
ブロック分割し、使用しないブロックのクロック信号の
供給を停止させるもの、あるいは回路の一部の電源電圧
を下げるるものがある。一方、半導体集積回路装置間で
の信号伝送遅延は物理的な大きさが制約されているため
に短くできないという問題を解決するために、半導体集
積回路装置の出力タイミングをクロック信号に対して位
相を進めたアーリィクロック信号を用い、半導体集積回
路装置の入力タイミングをクロック信号に対して遅延さ
せたディレイクロック信号を用いるようにし、上記半導
体集積回路装置間での実質的なクロック周期を長くして
そこでの許容信号伝送遅延を大きくできるようにして動
作の高速化を実現するクロック分配方式が、特開昭63
−228206号公報によって開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】デジタル信号処理回路
では、一般的に、タイミング信号としてのクロック信号
に同期して動作シーケンスの制御が行われる。つまり、
クロック信号により入力信号の取り込みを行う信号保持
回路としてのフリップフロップ回路の間に論理処理を行
なう論理ゲート段が設けられる。フリップフロップ回路
は、取り込んだ信号をクロック信号の1周期の間保持し
ているため、その保持時間内に上記論理ゲート段での所
定の論理動作が行われて次段のフリップフロップ回路の
入力に伝えられる必要がある。回路設計においては、上
記フリップフロップ回路と上記論理ゲート段での信号伝
達回路での遅延時間は使用するクロック周期に対して短
くなるようにしなければならない。上記論理設計におい
て、素子定数のバラツキを考慮した一定の時間マージン
を設けて論理回路の設計を行う必要があり、高速化を妨
げる大きな要因になっている。
【0004】一方、Pチャンネル型MOSFETとNチ
ャンネル型MOSFETとで構成されたCMOS回路が
動作を行なわないときには、Pチャンネル型MOSFE
T又はNチャンネル型MOSFETのいずれか一方がオ
フ状態になるので理論的には直流電流が流れない。しか
しながら、素子の微細化に伴い、上記オフ状態のMOS
FETのドレイン−ソース経路に流れるサブスレッショ
ルドリーク電流又はテーリング電流と呼ばれるリーク電
流が増大する傾向にあり、上記回路の高速化のためにM
OSFETのしきい値電圧を低くすると、上記リーク電
流も増大してしまう。
【0005】このようなリーク電流の増大は、単に半導
体集積回路装置で消費される消費電流を大きくすること
の他に、直流試験を不能にしてしまうという問題を有す
る。上記デジタル集積回路での消費電力を低減させるた
めの技術は、素子の微細化によるリーク電流の増加には
無力である。つまり、半導体集積回路装置に電源電圧を
供給して、その電源電流を測定することにより、MOS
FETのゲートや層間絶縁膜での絶縁不良を間接的に判
定しようとする場合に、上記リーク電流の電流値が大き
くなると、必然的にプロセスバラツキ等によってその分
布幅も広がるので、上記回路の部分的な絶縁不良による
リーク電流の判定を不能にしてしまう。そこで、本願発
明者等においては、素子の微細化に適合し、回路の高速
動作化と低消費電力に加えて、上記直流試験を容易にし
た半導体集積回路装置と、それを形成するためのデジタ
ル集積回路の設計方法を開発するに至った。
【0006】この発明の目的は、高速かつ低消費電力な
半導体集積回路装置を提供することにある。この発明の
他の目的は、回路の高速動作化と低消費電力に加えて直
流試験を容易にした半導体集積回路装置を提供すること
にある。この発明のさらに他の目的は、回路の高速動作
化と低消費電力に加えて直流試験を容易にしたデジタル
集積回路を効率的に設計するデジタル集積回路の設計方
法を提供することにある。発明の前記ならびにそのほか
の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面
から明らかになるであろう。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、タイミング信号とされるク
ロック信号により信号の取り込みと保持を行なう信号保
持回路としてのフリップフロップ回路の間に設けられた
論理ゲート回路とからなる複数からなる信号伝達経路を
持つ半導体集積回路装置において、第1のしきい値電圧
のMOSFETにより構成されてなる第1信号伝達経路
と、上記第1のしきい値電圧よりも小さな第2のしきい
値電圧のMOSFETで構成されたフリップフロップ回
路又は論理ゲート回路を含んでなる第1の信号伝達経路
とを設ける。
【0008】本願において開示される発明のうち他の代
表的なものの概要を簡単に説明すれば、下記の通りであ
る。すなわち、タイミング信号とれるクロック信号によ
り信号の取り込みと保持を行なう信号保持回路としての
フリップフロップ回路の間に設けられた論理ゲート回路
とからなる信号伝達経路を持つデジタル集積回路の設計
方法であって、第1の工程では上記フリップフロップ回
路及び論理ゲート回路のMOSFETを第2のしきい値
電圧に設定し、第2の工程では上記第2のしきい値電圧
のMOSFETを用いたときの信号伝達経路の中で最も
大きな第1の信号遅延値を算出し、第3の工程では上記
MOSFETを上記第2のしきい値電圧よりも高い第1
のしきい値電圧に置き換え、第4の工程では上記第1の
しきい値電圧のMOSFETのもとで、各信号伝達経路
での信号遅延が、上記第1の信号遅延値より超えたもの
を抽出し、第5の工程では上記抽出された信号伝達経路
の各々において、その遅延時間が上記第1の遅延時間値
よりも小さくなるまで、かかる信号伝達経路を構成する
フリップフロップ回路及び論理ゲート回路を構成する各
論理回路のMOSFETを上記第2のしきい値電圧に変
更する。
【0009】
【発明の実施の形態】図1には、この発明に係るデジタ
ル集積回路の設計方法の一実施例の概念図が示されてい
る。この実施例のデジタル集積回路は、特に制限されな
いが、高、中及び低の3種類のしきい値電圧を持つMO
SFETによって構成される。デジタル集積回路は、P
チャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFE
Tにより構成されたCMOS回路で構成される。
【0010】ステップ(1)では、所望のデジタル信号
処理を行なう信号処理回路の回路設計が行なわれ、全て
の信号処理回路を構成するMOSFETを低しきい値電
圧にした場合について、フリップフロップ回路651と
フリップフロップ回路658のような2つのフリップフ
ロップ回路と、その間に設けられた論理ゲート回路又は
論理回路652〜658とで構成される信号伝達経路
(信号伝搬経路又はパスともいう)に対して、高速計算
器を用いた回路動作シュミレーションによってその信号
伝達時間の算出が行なわれる。上記信号処理回路を構成
する全ての前記のような信号伝達経路を抽出し、それぞ
れに対して上記信号伝達時間の算出が行なわれ、その中
で最も長い信号伝達時間の抽出がなされる。この信号伝
達時間が、上記信号処理回路での信号伝達経路の上限遅
延時間とされる。
【0011】ステップ(2)では、上記信号処理回路を
構成するMOSFETを高しきい値電圧に設定した場合
について、上記同様なフリップフロップ回路651とフ
リップフロップ回路658のような2つのフリップフロ
ップ回路と、その間に設けられた論理ゲート回路652
〜658とで構成される信号伝達経路に対して、その信
号伝達時間の算出が行なわれて、上記上限遅延時間と大
小比較が行なわれる。前記上記信号処理回路を構成する
全ての前記のような信号伝達経路を抽出し、それぞれに
対して上記信号伝達時間の算出と上記上限遅延時間と大
小比較が行なわれる。
【0012】ステップ(3)では、上記上限遅延時間を
超えた信号伝達時間を持つ信号伝達経路が抽出され、個
々のフリップフロップ回路651、論理ゲート回路65
3〜657及びフリップフロップ回路658に対して、
逐一にMOSFETのしきい値電圧を中しきい値電圧に
設定し、そこでの信号伝達時間の算出が行なわれて、上
限遅延時間との大小比較が行なわれる。例えば、信号伝
達経路に沿って、フリップフロップ回路651から順に
中しきい値電圧のMOSFETに置き換え、その都度上
記信号伝達時間を算出し、上記大小比較によって上限遅
延時間よりも短くなる時点で、当該信号伝達経路での上
記遅延時間の算出と大小比較処理を終わり、次の信号伝
達経路の上記のような検証に移行する。
【0013】上記信号伝達経路での信号伝達時間が上記
上限遅延時間より小さくなる組み合わせは、特定の1つ
の論理ゲート回路を中しきい値電圧にした場合、あるい
は複数の論理ゲート回路を中しきい値電圧にした場合
等、複数通りの組み合わせが予測される。したがって、
その全ての組み合わせを抽出し、その中でリーク電流が
最も小さくなるものを抽出して、次の信号伝達経路の上
記のような検証に移行するようにしてもよい。
【0014】例えば、フリップフロップ回路651のM
OSFETのしきい値電圧、論理ゲート回路654、論
理ゲート回路657の組み合わせがリーク電流が最も小
さくて、しかもその信号伝達時間が上記上限遅延時間内
に入るなら、これらのセル651、656、657を構
成するMOSFETが中しきい値電圧とされ、残りは上
記高しきい値電圧のようにされる。ステップ(3)にお
いて、同図のように全てのセル651〜658を中しき
い値電圧としても、上記上限遅延時間を超えるものは次
のステップ(4)での処理がなされる。
【0015】ステップ(4)では、上記上限遅延時間を
超えた信号伝達時間を持つ信号伝達経路が抽出され、上
記ステップ(3)にて中しきい値電圧のMOSFETで
構成された個々のフリップフロップ回路651、論理ゲ
ート回路653〜657及びフリップフロップ回路65
8に対して、個々にしきい値電圧を低しきい値電圧に設
定し、そこでの信号伝達時間の算出が行なわれて、上限
遅延時間との大小比較が行なわれる。この場合も、前記
同様に信号伝達経路に沿って、フリップフロップ回路6
51から順に中しきい値電圧のMOSFETに置き換
え、その都度上記信号伝達時間を算出し、上記大小比較
によって上限遅延時間よりも短くなる時点で、当該信号
伝達経路での上記遅延時間の算出と大小比較処理を終わ
り、次の信号伝達経路に対する上記のような検証に移行
する。
【0016】あるいは、前記同様に上記信号伝達経路で
の信号伝達時間が上記上限遅延時間より小さくなる組み
合わせは、上記中しきい値電圧の場合と同様に特定の1
つの論理ゲート回路を低しきい値電圧にした場合、ある
いは複数の論理ゲート回路を低しきい値電圧にした場合
等、複数通りの組み合わせが予測される。したがって、
その全ての組み合わせを抽出し、その中でリーク電流が
最も小さくなるものを抽出して、次の信号伝達経路の検
証に移行するようにしてもよい。このような全ての組み
合わせを抽出した場合には、同図のようにフリップフロ
ップ回路651と論理ゲート回路654を低しきい値電
圧とし、他は前記中しきい値電圧とするよう信号伝達経
路でみると飛び飛びの論理回路を構成するMOSFET
の組み合わせが選ばれる。
【0017】上記ステップ(4)においては、少なくと
も1つの信号伝達経路に対して、それを構成する全ての
論理回路を構成するMOSFETを低しきい値電圧にす
るものが抽出される。つまり、ステップ(1)のように
全ての論理回路を構成するMOSFETを低しきい値電
圧とし、上記下限遅延時間を決める要因となった信号伝
達経路が検出される。
【0018】図2には、この発明に係るデジタル集積回
路の設計方法の一実施例の特性図が示されている。同図
の特性図は、横軸が個々の信号伝達経路でのディレイ値
(信号伝達時間)であり、縦軸には信号伝達経路(パ
ス)数が示されている。
【0019】特性1000は、前記図1のステップ
(1)に対応し、2つのフリップフロップ回路及びその
間に設けられた複数の論理ゲート回路をそれぞれ構成す
る全MOSFETに対して、MOSFETを低しきい値
電圧にした場合の遅延時間の分布が示されている。つま
り、信号処理回路を構成するパス(信号伝達経路)の中
で、最も長い信号伝達時間(ディレイ値)が上限遅延時
間として求められる。
【0020】特性1001は、前記図1のステップ
(2)に対応し、信号処理回路を構成する上記全てのM
OSFETを高しきい値電圧にした場合の遅延時間の分
布が示されている。このようにMOSFETのしきい値
電圧を高くすると、各論理ゲート回路での遅延時間が増
加して、1004で示した面積に相当する数の信号伝達
経路において、その信号遅延時間が上記特性1000で
求められた上限遅延時間を超えるものが存在する。逆の
見方をすると、MOSFETを高しきい値電圧として
も、上記上限遅延時間の範囲に入る信号伝達経路が存在
することを意味しており、しかも数は上記1004で示
したパスの数よりもはるかに多いことが判る。
【0021】この実施例では、低消費電力化としつつ高
速動作化を図るために、従来のように信号処理回路を同
じしきい値電圧のMOSFETで構成するのではなく、
その信号伝達経路毎であって、しかも論理ゲート回路毎
にそれを構成するMOSFETのしきい値電圧を最適と
する組み合わせを簡単に見つ出すために、上記少ない数
の1004の中の信号伝達経路に対して、フリップフロ
ップ回路や論理ゲート回路毎に、それを構成するMOS
FETのしきい値電圧を中しきい値とする。
【0022】このような中しきい値電圧の論理ゲート回
路を組み合わせることで、特性1002のようなディレ
イ分布を得ることができる。つまり、1005の面積で
示したような信号伝達経路において、全ての論理ゲート
回路を中しきい値電圧としても未だ上記上限遅延時間を
超えてしまうようなものが残る。逆の見方をすると、上
記のように1004に存在する論理ゲート回路を高しき
い値電圧から中しきい値電圧に変更することにより、1
004に存在する多くの数のパスは上記上限遅延時間内
に入ることが判る。
【0023】上記の中しきい値電圧への変更によって、
いっそう少ない数の1005の中の信号伝達経路に対し
て、フリップフロップ回路や論理ゲート回路毎に、それ
を構成するMOSFETのしきい値電圧を低しきい値と
する。これにより、特性1003で示したような分布の
遅延時間を持つパスの組み合わせにより、上記全ての論
理ゲート回路を低しきい値電圧とした場合と同じ周波数
のクロック信号で動作する信号処理回路を得ることがで
きる。
【0024】結果的に各フリップフロップ間に設けられ
る複数の論理ゲート回路とそれぞれの論理回ゲート路を
構成するMOSFETのしきい値電圧の値との関係は、
以下の表1のような1から7つの種類のパスが存在する
と見なされる。
【0025】
【0026】すなわち、表1に示したように、第1種類
のパスは、低しきい値電圧のMOSFETのみを利用し
て、そのパス内の複数の論理ゲート回路が構成される。
第2種類のパスは、中しきい値電圧のMOSFETのみ
を利用して、そのパス内の複数の論理ゲート回路が構成
される。第3種類のパスは、高しきい値電圧のMOSF
ETのみを利用して、そのパス内の複数の論理ゲート回
路が構成される。第4種類のパスは、低しきい値電圧の
MOSFETで構成された論理ゲート回路と中しきい値
電圧のMOSFETで構成された論理ゲート回路とがそ
のパス内のに混在する構成とされる。第5種類のパス
は、中しきい値電圧のMOSFETで構成された論理ゲ
ート回路と高しきい値電圧のMOSFETで構成された
論理ゲート回路とがそのパス内に混在する構成とされ
る。第6種類のパスは、低しきい値電圧のMOSFET
で構成された論理ゲート回路と高しきい値電圧のMOS
FETで構成された論理ゲート回路とがそのパス内に混
在する構成とされる。第7種類のパスは、低しきい値電
圧のMOSFETで構成された論理ゲート回路と中しき
い値電圧のMOSFETで構成された論理ゲート回路と
高しきい値電圧のMOSFETで構成された論理ゲート
回路とがそのパス内に混在する構成とされる。
【0027】上記においては、低、中、高の3種類しき
い値電圧の場合について記載したが、低、高の2種類し
きい値電圧の場合には、たとえば、第1種類のパスと、
第3種類のパスと、第6種類との3種類のパスがあると
見なされる。
【0028】各MOSFETのしきい値電圧の制御は、
MOSFETのチャネル領域を構成する半導体領域への
不純物の導入、或いは、上記MOSFETのチャネル領
域を構成する半導体領域への電圧(基板電圧)の印可な
どの方法が有ることは当業者にとって容易に理解される
であろう。また、各MOSFETのしきい値電圧の制御
は、図4で説明される制御方法であっても良い。上記各
MOSFETのしきい値電圧(単位:V(ボルト))
は、たとえば、以下の表2ようにされる。
【0029】
【0030】本願発明では、ディレイ値を考慮して、デ
ィレイ値の大きなパス中のMOSFETはしきい値を小
さく、ディレイ値の速いパス中のMOSFETはしきい
値を大きく設定することで、チップのディレイ値性能は
向上させながら、スタンバイ電流を最小限に抑えるよう
にするものである。
【0031】前記の低しきい値電圧のMOSFETは、
基板電圧を例えば、Pチャンネル型MOSFETが形成
されるN型ウェル領域NWELはVddに、Nチャンネ
ル型MOSFETが形成されるP型ウェル領域PWEL
は回路の接地電位Vssに設定される。このような基板
電圧の設定によって低しきい値電圧とされて、パスディ
レイ値がこのパスが実現できるもっとも小さいディレイ
値となる。しかし、このディレイ値がチップ全体の中に
複数存在するパスのディレイ値の中で最も大きくない場
合には、最も大きいディレイ値まで大きくしてもチップ
のディレイ値性能に影響はない。
【0032】そこで、前記のようにMOSFETのしき
い値を高しきい値電圧、低しきい値電圧とすることでス
タンバイ電流を大幅に削減させることができる。なぜな
ら、高しきい値をVthH ,低しきい値をVthL 、サブス
レッショルド電圧をSとすると、高しきい値のMOSF
ETのリーク電流Ioff’は、 Ioff’=Ioff×10 -( VthH-VthL)/S ・・・・(1) となり、Ioffは低しきい値VthL のMOSFETの
リーク電流である。
【0033】例えば、VthH −VthL =80mV,S=
80mVとすると高しきい値のMOSFETのリーク電
流は低しきい値MOSFETのリーク電流の1/10と
なる。例えば、全体の90%のMOSFETが高しきい
値に置き換われば、リーク電流は、全て低しきい値の時
に比べて、0.9×0.1+0.1=0.19倍とな
る。
【0034】前記実施例のように高しきい値電圧と低し
きい値電圧に加えて中しきい値電圧を組み合わされるこ
とにより、上記リーク電流をいっそう小さくすることが
できる。回路設計においては、論理ゲート回路中のMO
SFETのしきい値を小さくした場合の各論理ゲート回
路のディレイ値の短縮分を計算するものであってもよ
い。前記図1において、論理ゲート回路中のMOSFE
Tのしきい値を中しきい値電圧から低しきい値電圧に小
さくした時のディレイ値短縮分が、論理ゲート回路65
1で50psec、論理ゲート回路652で10pse
c、論理ゲート回路653で10psec、論理ゲート
回路654で20psec、論理ゲート回路655で2
0psec、論理ゲート回路656で20psec,論
理ゲート回路657で10psec、論理ゲート回路6
58のセットアップ時間で10psecとする。
【0035】上記パスでのディレイ値が上限遅延時間よ
りも例えば70psec大きければ、論理ゲート回路中
のMOSFETのしきい値を小さくした場合のディレイ
値短縮分が最も大きな論理ゲート回路から上記70ps
ec分ディレイ値が小さくなるまでしきい値を小さくし
ていく。つまり、初めに論理ゲート回路651の論理ゲ
ート回路のMOSFETのしきい値が小さく切り替わ
り、次に論理ゲート回路657が切り替わる。この結
果、該当パスのディレイ値は上記上記70psec分デ
ィレイ値を小さくすることができる。
【0036】上記のように論理ゲート回路での遅延時間
の解析から、出力ファンアウト数の多いフリップフロッ
プ回路及び論理ゲート回路は、ファンアウト数に対応し
て負荷容量が大きくなって信号遅延が大きくなる。ま
た、フリップフロップ回路と論理ゲート回路との段数が
多いものは、個々のフリップフロップ回路及び論理ゲー
ト回路に割り当てられる遅延時間が短くなる。また、フ
ァンアウトが1つでも、その信号線が長いものは、そこ
での信号遅延が大きくなる。
【0037】したがって、コンピュータシュミレーショ
ンにより逐一に論理ゲート回路毎の遅延時間を算出する
ものの他、ファンアウト数、論理段数の組み合わせか
ら、前記のような伝達経路での遅延時間が長くなるもの
と、そうでは無いものの2種類、あるいは遅延時間が短
いもの、中程度のもの、長くなるものの3種類に分けて
それぞれの信号伝達経路を構成する論理ゲート回路のM
OSFETを高しきい値電圧、中しきい値電圧及び低し
きい値電圧の3分類MOSFETに分けてデジタル集積
回路の回路設計を行なうようにするものであってもよ
い。この場合には、簡単な回路検証プログラムによって
デジタル集積回路の回路設計を行なうようにすることが
できる。
【0038】図3には、基板バイアスによりMOSFE
Tのしきい値を変化させる場合のしきい値の変化量の決
定方法が示されている。簡単のため、Nチャンネル型M
OSFETとPチャンネル型MOSFETとそれぞれ2
種類のしきい値で考える。通常チップの中で最も小さい
しきい値はチップの目標性能から決定される。例えば動
作周波数の目標をある周波数に設定すると、目標ディレ
イ値=1/動作周波数となる。
【0039】チップ中の全てのMOSFETを最も小さ
いしきい値に設定した時、MOSFETの電流は大きく
なるため、チップ中のどのパスも高しきい値MOSFE
Tを使用する場合に比べてディレイ値は小さくなる。こ
の時、ディレイ値の最も大きなパスがチップの限界周波
数を決めるパス(クリティカルパス)であり、そのディ
レイ値がチップのディレイ値となる。この最大ディレイ
値が目標ディレイ値以内である必要から、それを実現す
るためのMOSFETの低い側のしきい値は決定され
る。
【0040】図3において703は高しきい値MOSF
ETの使用率、701は低しきい値MOSFETによる
スタンバイ電流、700は高しきい値MOSFETによ
るスタンバイ電流、702は高しきい値MOSFETに
よるスタンバイ電流と低しきい値MOSFETによるス
タンバイ電流の合計でこれがチップのスタンバイ電流と
なる。高しきい値と低しきい値とのしきい値の差分をΔ
Vthとすると、低しきい値を目標ディレイから設定した
値に固定した場合に、ΔVthを大きくすると高しきい値
MOSFETの電流は小さくなり、ディレイ値は大きく
なる。この場合、低しきい値MOSFETを高しきい値
MOSFETに置き換えるとパスのディレイ値は急激に
大きくなり、ステップ(1)で見積もった最大ディレイ
値に直ぐに達してしまうため、多くのMOSFETを置
きかえることは困難になる。
【0041】つまり、ΔVthを大きくすると、高しきい
値のMOSFET数は703に示すように減少し、逆に
低しきい値のMOSFET数は増加する。よって、高し
きい値MOSFETのリーク電流は700のように減少
し、低しきい値MOSFETのリーク電流は701のよ
うに増加する。スタンバイ電流は高しきい値のMOSF
ETと、低しきい値のMOSFETのリーク電流の合計
なので、702に示すようにΔVth=0.1V近辺で最
も小さくなる。以上から、大きなしきい値は小さなしき
い値より例えば0.1V大きく設計することが望まし
い。
【0042】上記の実施例では簡単のため、しきい値の
種類をNチャンネル型MOSFETとPチャンネル型M
OSFETとで各2種類としたが、これは2種類に限定
されるものでなく、前記図1の実施例のように高しきい
値電圧、中しきい値電圧及び低しきい値電圧の3種類、
あるいはそれ以上にしてもよい。上記のように高しきい
値電圧、中しきい値電圧及び低しきい値電圧の3種類と
した場合には、高しきい値電圧と中しきい値電圧との差
分ΔVthが上記のにように約0.1V程度となり、中し
きい値電圧と低しきい値電圧との差分ΔVthも上記のよ
うに約0.1Vにすることが望ましいので、上記のよう
に3種類のしきい値電圧を用いるものでは、MOSFE
Tのしきい値電圧の変化幅は、約0.2V程度必要にな
る。
【0043】図4には、この発明に係る半導体集積回路
装置のしきい値電圧の設定方法を説明するための特性図
が示されている。MOSFETのしきい値電圧は、良く
知られているように基板バイアス電圧によって変化す
る。しかしながら、素子の微細化によって、基板電圧を
大きくすると耐圧破壊が生じる。この実施例では、基板
バイアス電圧の上限が約1.5V程度で微細化された素
子を用いた場合、前記ΔVthは0.1V程度しか得られ
ない。つまり、特性L1で示したように高しきい値電圧
と低しきい値電圧との2種類のMOSFETを用いて構
成する場合には、上記の基板バイアス電圧の変更によっ
て、上記0.1V程度のΔVthを実現することができ
る。すなわち、図4中のAで示されるMOSFETが複
数形成され、その内の所定のMOSFETに基板バイア
ス電圧1.5Vが印加され、Bで示される部分で、その
MOSFETが動作させられる。
【0044】しかしながら、高しきい値電圧、中しきい
値電圧及び低しきい値電圧の3種類のしきい値電圧を切
り換えるようにした場合、それぞれの間で0.1V程度
のしきい値電圧の差分ΔVthを得るために全体で0.2
Vの範囲でしきい値電圧を変化させることが必要とされ
る。そこで、MOSFETのチャンネル領域に不純物イ
オン注入によって特性L2に示したようにΔVthが0.
1Vを持つMOSFET(B’で示される)を形成し、
そのMOSFETの一部のMOSFETに最大で1.5
Vの基板バイアス電圧を印加することにより更に0.1
VのΔVthを得るようにして、全体で0.2Vの範囲で
のしきい値電圧の変更を可能にするものである。すなわ
ち、A,B’,Cで示される部分の特性を有するMOS
FETが利用されることとなる。
【0045】上記のしきい値電圧の差分ΔVthを0.3
Vまで拡大するなら、MOSFETのチャンネル領域に
不純物イオン注入によって特性L3に示したようにΔV
thが0.2Vを持つMOSFETを更に形成し、それに
最大で1.5Vの基板バイアス電圧を印加することによ
り更に0.1VのΔVthを得るようにして、全体で0.
3Vの範囲でのしきい値電圧の変更も可能になるもので
ある。
【0046】以上のようにしきい値を変える手段は所望
の基板バイアスを印加する方法のみに限定するものでな
い。基板バイアスを印加する構造に加えて、プロセスに
よってあらかじめ大きなしきい値と小さなしきい値を作
り込んでおき、更に基板バイアスの印加によりしきい値
を変化させることにより、素子の耐圧を確保しつつより
大きいしきい値とより小さいしきい値を容易に作ること
ができる。
【0047】図5には、この発明を説明するための遅延
時間とパス数の分布図が示されている。1つのしきい値
電圧を用いた場合のパス数の遅延時間との分布は、前記
図1のステップ(2)のように全論理ゲート回路のMO
SFETを高しきい値電圧に設定した場合に対応してい
る。このとき、例えばパスでの最も遅延時間が約2.5
nsecとなって、動作周波数は約400MHzに制約
される。
【0048】上記と同じ信号処理回路に対して、例えば
図1のステップ(1)により求められた上限遅延時間が
約2.2nsecであるなら、それを超えるパスに対し
てしきい値電圧を中しきい値電圧又は低しきい値電圧の
MOSFETを用いた論理ゲート回路を組み合わせる本
願発明を技術を用いて、上記上限遅延時間を超える各パ
スでの遅延時間を上記上限遅延時間を満たすようにしき
い値電圧を変更するという簡単な手段によって、動作周
波数を450MHzまで向上させることができる。つま
り、信号処理回路の回路そのものは何ら変更しないまま
で、動作速度を12.5%もの大幅な改善を行なうよう
にすることができる。
【0049】図6には、この発明に係る半導体集積回路
装置のスタンバイ電流の削減効果を説明するための分布
図が示されている。同図において、各論理ゲート回路を
構成するMOSFETのしきい値の設計は図3で示した
通り、高しきい値電圧と低しきい値電圧の差電圧ΔVth
=0.1Vにしている。複数のチップのリーク電流を測
定し、その度数分布を縦軸を%で示している。しきい値
切替えをしたチップのリーク電流の度数分布は、切替え
前のチップのリーク電流の度数分布に比べてリーク電流
が小さい方に移動しているのが明白に示されている。
【0050】複数チップの測定結果の平均リーク電流
は、しきい値電圧の切替えをしたチップで550μA、
切替え前のチップで3800μAであり、切替えにより
約1/7となっている。このことは、単に消費電流が低
減することに止まらず、微細化された半導体集積回路装
置での直流試験を可能にするものである。上記のように
リーク電流が小さくなることによって、回路の一部に絶
縁不良等による直流電流が発生した場合には、上記度数
分布を外れたものとして識別することが可能になるもの
である。つまり、上記しきい値切替えをしたチップのリ
ーク電流の度数分布を外れたリーク電流を流すものは、
回路の一部に絶縁不良による直流電流が流れていること
に他ならない。
【0051】図7には、この発明に係る半導体集積回路
装置の一実施例の概略レイアウト図が示されている。同
図は、前記論理ゲート回路を構成するMOSFETのし
きい(閾)値を、MOSFET毎に制御する場合に向け
られている。各論理ゲート回路は、Pチャンネル型MO
SFETの形成される領域と、Nチャンネル型MOSF
ETの形成される領域とを含むセルによって構成され
る。
【0052】Pチャンネル型MOSFET(以下単にP
MOSという)101は、N型ウェル領域(以下、単に
NWELという)103中に有り、かかるNWEL10
3はP型領域117により周囲を囲まれている。NWE
L103は、セル列に沿って横方向に延長されるウェル
(以下、WELという)給電配線118、119のうち
WEL給電線118から接続部109を通して給電され
ている。
【0053】上記セル列の方向とは直交するよう縦方向
に延長されるチップの基板給電配線113,114,1
15,116は、それぞれVsb1,Vsb2,Vdb
1,Vdb2のような2種類ずつの基板バイアス電圧を
伝えるようにされる。WEL給電配線118は、上記チ
ップの基板給電配線113,114,115及び116
のうちVdb2を供給する基板供給線116と接続部1
21で接続されているため、NWEL103には基板電
圧Vdb2が給電される。
【0054】上記PMOS101に右横に隣接して設け
られるPMOS102はNWEL104中に有り、かか
るNWEL104もP型領域117により周囲を囲まれ
ている。NWEL104は、WEL給電配線118と1
19のうちWEL給電線119から接続部110を通し
て給電されている。WEL給電配線119は、上記のよ
うなチップの基板給電配線113、114、115及び
116のうち基板電圧Vdb1を供給する基板給電線1
15と接続部120で接続されているため、NWEL1
40には基板電圧Vdb1が給電される。上記P型領域
117には例えば回路の接地電位Vssを印加すれば、
上記NWEL103と104とを電気的に分離する事が
でき、NWEL103と104に異なる基板電圧Vdb
1とVdb2を印加した状態でもNWEL103と10
4の間に直流電流は流れない。
【0055】上記PMOS101の下側に設けられるN
MOS108は、PWEL106中に有り、かかるPW
EL106はN型領域126により周囲を囲まれてい
る。上記PWEL106は、WEL給電配線122、1
23のうちWEL給電線123から接続部112を通し
て給電されている。WEL給電配線123は、上記チッ
プの基板給電配線113、114、115及び116の
うち基板電圧Vsb2を供給する基板給電線114と接
続部125で接続されているため、PWEL106には
基板電圧Vsb2が給電される。
【0056】上記NMOS108の右横に隣接するNM
OS107は、PWEL105中に有り、かかるPWE
L105もN型領域126により周囲を囲まれている。
PWEL105はWEL給電配線122と123のうち
WEL給電線122から接続部111を通して給電され
ている。WEL給電配線122はチップの基板給電配線
113、114、115及び116のうち基板電圧Vs
b1を供給する基板給電配線113と接続部124で接
続されているため、PWEL105には基板電圧Vsb
1が給電される。
【0057】上記N型領域126には例えば電源電圧V
ddを印加すればPWEL106と105とを電気的に
分離する事ができ、PWEL106と105に異なる基
板電圧Vsb1とVsb2を印加した状態でもPWEL
106と105の間に直流電流は流れない。以上の構造
により各MOSFETは接続部をマスタースライス方式
により打ち分けることで2通りのWEL電位を選択する
ことができる。このような2通りのWEL電位の切り換
えにより、同じ半導体基板上に形成されるMOSFET
を高しきい値電圧のものと、低しきい値電圧のものとに
使い分けてセルを構成することができる。
【0058】図4で示されるA及びB’に示される特性
のNMOSFET(Nチャンネル型MOSFET)及び
PMOSFET(Pチャンネル型MOSFET)を、図
7に適用した場合、3種類のしきい値電圧を有するのN
MOSFET及びPMOSFETを簡単に形成すること
ができる。例えば、A及びB’に示される特性のNMO
SFET及びPMOSFETが、対応するのN及びPウ
ェル領域に適当に形成される。Aで示される特性のNM
OSFET及びB’に示される特性のNMOSFETの
1部が形成されたそれぞれのP型ウェル領域にはVsb
1からVssが供給され、Aで示される特性のPMOS
FET及びB’に示される特性のPMOSFETの1部
が形成されたそれぞれのN型ウェル領域にはVdb1か
らVddが供給される。一方、残りのB’に示される特
性のNMOSFETが形成されたそれぞれのP型ウェル
領域にはVsb2からVss−△Vsbが供給され、残
りのB’に示される特性のPMOSFETが形成された
それぞれのN型ウェル領域にはVdb2からVdd+△
Vdbが供給される。
【0059】その結果、3種類のしきい値電圧を有する
のNMOSFET及びPMOSFETは、図7に示され
るレイアウトによって達成することができる。なお、上
記の3種類のしきい値電圧を有するのNMOSFET及
びPMOSFETの形成方法は、後述される図9,10
及び11に示されるレイアウトにも適用できることは、
容易に理解されるであろう。
【0060】図8には、上記図7の拡大したレイアウト
と断面構造が示されている。(a)のレイアウトにおけ
るA−A' は(b)の断面構造の始点と終点を示してい
る。113、114、115、116及び118、12
3は前記WEL給電配線及び基板給電配線を示し、15
2、155、103、126はそれぞれN型半導体、1
06、154、153及び117はP型半導体、12
1、150、109、125及び112は、基板給電配
線間および基板を接続しているスルーホール部である。
【0061】この実施例では3重ウェル構造が採用され
る。つまり、N型半導体基板126に深い深さのP型ウ
ェル領域117が形成され、このP型ウェル領域117
の中に、Pチャンネル型MOSFETを形成するための
N型ウェル領域152と103が形成される。N型ウェ
ル領域155上には、上記基板給電線113、114、
115及び116の配線チャンネル用領域とされる。上
記N型基板上126には、Nチャンネル型MOSFET
を形成するためのP型ウェル領域106と153が形成
される。P型ウェル領域154上には、上記基板給電線
113、114、115及び116の配線チャンネル用
領域とされる。
【0062】上記基板給電線113、114、115に
対して層間絶縁膜を挟んで直交するようにWEL給電線
118や123が延長されており、上記層間絶縁膜を選
択的に除去するで接続部121と125の位置を変更す
ることにより、上記それぞれ2種類の基板電圧Vdb
1,Vdb2とVsb1,Vsb2のうちのいずれかを
選択することができる。
【0063】図9には、この発明に係る半導体集積回路
装置の他の一実施例の概略レイアウト図が示されてい
る。同図は、前記論理ゲート回路を構成するMOSFE
Tのしきい(閾)値を、複数個(例えばセル単位)に制
御する場合に向けられている。
【0064】PMOS201は、NWEL203中に有
り、かかるNWEL203はP型領域217により周囲
を囲まれている。NWEL203はWEL給電配線21
8と219のうちWEL給電線218から接続部209
を通して給電されている。チップの基板給電配線21
3、214、215及び216のはそれぞれVsb1,
Vsb2,Vdb1, Vdb2の基板電圧が供給される
ものであり、WEL給電配線208はチップの基板給電
配線213、214、215及び216のうち基板電圧
Vdb2を供給する基板給電線216と接続部221で
接続されている。したがって、NWEL203には基板
電圧Vdb2が給電される。
【0065】PMOS202はNWEL204中に有
り、NWEL204もP型領域217により周囲を囲ま
れている。NWEL204はWEL給電配線218と2
19のうちWEL給電線219から接続部210を通し
て給電されている。WEL給電配線219はチップの基
板給電配線213、214、215及び216のうち基
板電圧Vdb1を供給する基板給電線215と接続部2
20で接続されているため、NWEL204には基板電
圧Vdb1が給電される。上記P型領域217には例え
ば回路の接地電位Vssを印加すればNWEL203と
204を電気的に分離する事ができ、NWEL203と
204に異なる基板電圧Vdb2とVdb1を印加した
状態でもNWEL203と204の間に直流電流は流れ
ない。
【0066】NMOS208はPWEL206中に有
り、PWEL206はN型領域226により周囲を囲ま
れている。PWEL206はWEL給電配線222と2
23のうちWEL給電線223から接続部212を通し
て給電されている。WEL給電配線223はチップの基
板給電配線213、214、215及び216のうち、
基板電圧Vsb2を供給する基板給電線214と接続部
225で接続されているため、PWEL206には基板
電圧Vsb2が給電される。
【0067】同様にNMOS207はPWEL205中
に有り、PWEL205もN型領域226により周囲を
囲まれている。PWEL205はWEL給電配線222
と223のうちWEL給電線222から接続部211を
通して給電されている。WEL給電配線222はチップ
の基板給電配線213、214、215及び216のう
ち、基板電圧Vsb1を供給する基板給電線213と接
続部224で接続されているため、PWEL206には
基板電圧Vsb1が給電される。N型領域218には例
えば電源電圧Vddを印加すればPWEL206と20
5を電気的に分離する事ができ、PWEL206と20
5に異なる基板電圧Vsb2とVsb1を印加した状態
でもPWEL206と205の間に直流電流は流れな
い。
【0068】以上の構造により、例えばセル毎の各MO
SFET群は接続部を打ち分けることでWEL電位を選
択することができ、各MOSFET群のしきい値を、上
記基板電圧に対応して高しきい値と低しきい値との2種
類に制御することが可能である。このようにセル毎にし
きい値電圧を制御することは、前記図1の実施例に適合
するものとなる。そして、図7の実施例のようにMOS
FETが形成されるウェル毎に分離するための半導体領
域117、126が不要になるので、高集積化が可能と
なる。
【0069】図10には、この発明に係る半導体集積回
路装置の他の一実施例の概略レイアウト図が示されてい
る。同図は、図9の実施例と同様に前記論理ゲート回路
を構成するMOSFETのしきい(閾)値を、複数個
(例えばセル単位)に制御する場合に向けられ、WEL
給電線を実質的に1本で構成するよう工夫されている。
【0070】同図には、複数からなるMOSFET群に
1本の配線で基板電圧を供給する場合のレイアウトが示
されている。PMOS301はNWEL303中に有
り、かかるNWEL303はP型領域317により周囲
を囲まれている。NWEL303は第1層目のメタル配
線層M1により形成されたWEL給電配線318から接
続部309を通して給電されている。チップの第2層目
のメタル配線層M2の基板給電配線313、314、3
15及び316は、はそれぞれがVsb1,Vsb2,
Vdb1, Vdb2の基板電圧を供給する。第1層目の
メタル配線層M1のWEL給電配線308はチップの第
2層目のメタル配線層M2により構成された基板給電配
線313、314、315及び316のうち基板電圧V
db2を供給する基板供給線316と接続部321で接
続されているため、NWEL303には基板電圧Vdb
2が給電される。
【0071】PMOS302はNWEL304中に有
り、かかるNWEL304もP型領域317により周囲
を囲まれている。NWEL304は第3層目のメタル配
線層M3で形成されたWEL給電配線319から接続部
310を通して給電されている。こい第3層目のメタル
配線層M3により構成されたWEL給電配線319はチ
ップの第2層目のメタル配線層M2で構成された基板給
電配線313、314、315及び316のうち基板電
圧Vdb1を供給する基板給電線315と接続部320
で接続されているため、NWEL304には基板電圧V
db1が給電される。P型領域317には例えば回路の
接地電位Vssを印加すればNWEL303と304を
電気的に分離する事ができ、NWEL303と304に
異なる基板電圧Vdb2とVdb1を印加した状態でも
NWEL303と304の間に直流電流は流れない。
【0072】同様に、NMOS308はPWEL306
中に有り、かかるPWEL306はN型領域326によ
り周囲を囲まれている。PWEL306は第1層目のメ
タル配線層M1で形成されたWEL給電配線323から
接続部312を通して給電されている。上記第1層目の
メタル配線層M1により形成されたWEL給電配線32
3はチップの第2層目のメタル配線層M2で形成された
基板給電配線313、314、315及び316のうち
基板電圧Vsb2を供給する基板給電線314と接続部
325で接続されているため、PWEL306には基板
電圧Vsb2が給電される。
【0073】同様にNMOS307はPWEL305中
に有り、かかるPWEL305もN型領域326により
周囲を囲まれている。PWEL305は第3層目のメタ
ル配線層M3で形成されたWEL給電配線322から接
続部311を通して給電されている。第3層目のメタル
配線層M3で形成されたWEL給電配線322はチップ
の第2層目のメタル配線層M2で形成された基板給電配
線313、314、315及び316のうち基板電圧V
sb1を供給する基板給電線313と接続部324で接
続されているため、PWEL305には基板電圧Vsb
1が給電される。N型領域318には例えば電源電圧V
ddを印加すればPWEL306と305を電気的に分
離する事ができ、PWEL306と305に異なる基板
電圧Vsb2とVsb1を印加した状態でもPWEL3
06と305の間に直流電流は流れない。以上の構造に
より各MOSFET群は接続部を打ち分けることでWE
L電位を2種類に選択することができ、各MOSFET
群のしきい値を独立に高しきい値と低しきい値とに制御
することが可能である。
【0074】図11には、この発明に係る半導体集積回
路装置の他の一実施例の概略レイアウト図が示されてい
る。同図は、図10の実施例と同様に前記論理ゲート回
路を構成するMOSFETのしきい(閾)値を、複数個
(例えばセル単位)に制御するWEL給電線を実質的に
1本で構成し、かつ、MOSFET群の領域を大きくす
るよう工夫されている。
【0075】同図においては、縦方向に隣接するPWE
Lどうしを電気的に分離していたN領域326をなく
し、縦方向に隣接するPWELの電位を同一電位とした
ものである。同様に、縦方向に隣接するNWELどうし
を電気的に分離していたP領域217をなくし、縦方向
に隣接するNWELの電位を同一電位としてもよい。こ
れにより独立した基板電位を印加するWEL領域の面積
を増やすことができる。
【0076】つまり、隣接するセル列において、Pチャ
ンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFETの
配置をその境界でミラー反転させることにより、ウェル
領域を共通化するものである。例えば、Pチャンネル型
MOSFET402が上段に設けられ、Nチャンネル型
MOSFET407が下段に設けられてセル列が構成さ
れる。このセル列き下側に設けられるセル列は、上段に
Nチャンネル型MOSFETが配置され、下側にPチャ
ンネル型MOSFETが配置される。これにより、上記
Nチャンネル型MOSFET407は、その下側のセル
列のNチャンネル型MOSFETが形成されるPWEL
405が共通にされる。
【0077】上記更に下段のセル列では、上側にPチャ
ンネル型MOSFETが形成され、下段にNチャンネル
型MOSFETが形成されることによって、Pチャンネ
ル型MOSFETが形成されるNWELが共通化され
る。このように、同一基板電圧のMOSFETを一個所
に集めて実装することで本実施例が可能となり同一基板
電位を印加するWEL間の分離領域が不要となり、レイ
アウト面積を小さくできる。いままで述べた例では基板
電圧給電はPMOS, NMOSそれぞれ2種類用意した
が、それ以上用意しておき、同様に接続TH(スルーホ
ール)の打ち分けで各WELの電位を制御してもよい。
【0078】図12には、この発明に係る半導体集積回
路装置に設けられる基本論理ゲート回路の一実施例のレ
イアウト図が示されている。501、507は、前記図
10のWEL給電配線318、323に相当するもので
ある。MOSFET502はPMOSであり、MOSF
ET506はNMOSである。配線503は、電源電圧
Vddを供給する電源配線であり、配線504と505
は、セル内の第2層目のメタル配線M2である。前記図
7の実施例のように基WEL給電線がセル列の各MOS
FETに複数ある場合は、上記配線501と507がそ
れぞれ複数本になる。
【0079】この実施例では、Pチャンネル型MOSF
ET及びNチャンネル型MOSFET共に、左側にチャ
ンネル幅が大きくされた2つのMOSFETと、右側に
チャンネル幅が小さくされた4個のMOSFETとによ
って1つのセルが構成される。これら全部で6個ずつの
Pチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSF
ETとを組み合わせて、必要な論理ゲート回路が構成さ
れる。
【0080】図13に、この発明に係る半導体集積回路
装置の一実施例の回路図が示されている。同図には、2
つの論理ゲート回路505と551が代表として例示的
に示されている。論理ゲート回路505は、入力端子I
N1とIN2を持つ2入力のナンド(NAND)ゲート
回路であり、論理ゲート回路551も、入力端子IN3
とIN4を持つ2入力のナンド(NAND)ゲート回路
である。論理ゲート回路505のPチャンネル型MOS
FETのバックゲート(NWEL)には、基板電圧Vd
b1が供給され、Nチャンネル型MOSFETのバック
ゲート(PWEL)には基板電圧Vsb1が供給され
る。論理ゲート回路551のPチャンネル型MOSFE
Tのバックゲート(NWEL)には、基板電圧Vdb2
が供給され、Nチャンネル型MOSFETのバックゲー
ト(PWEL)には基板電圧Vsb2が供給される。基
板電源供給配線は図7、図9〜図11に示したレイアウ
トで配線される。基板電源供給配線と各MOSFETの
接続はこの例に限らず、図7の実施例ではMOSFET
毎に任意に接続できる。
【0081】図13のような論理ゲート回路に対して、
ゲート酸化膜の信頼性を確保するためのスタンバイ時の
リークテスト(Iddqテスト)時には全てのMOSF
ETのしきい値電圧を高くしてリーク電流を小さくする
方がテストの信頼性が上がる。このため、テスト時には
例えば全てのMOSFETに十分な基板バイアスを印加
すると効果的である。
【0082】一方、動作時においてはディレイ値の大き
なパス上のMOSFETのしきい値はできるだけ小さく
して電流を多くすることでディレイ値の短縮を図るた
め、例えば論理ゲート回路550のディレイ値の短縮を
図るためにPMOSの基板電圧Vdb1は電源電圧Vd
dに、NMOSの基板電圧Vsb1は回路の接地電位V
ssとすれば、それぞれのしきい値は小さくなりディレ
イ値が短縮される。また、論理ゲート回路551は、パ
ス上でのディレイ値に余裕があるためにリーク電流を低
減させるためにPMOSの基板電圧Vdb2は電源電圧
Vdd+ΔVdbにし、NMOSの基板電圧Vsb2は
回路の接地電位Vss−ΔVsbのようにしきい値電圧
を高くするようなバックバイアスが供給される。
【0083】したがって、上記リークテストのときに
は、上記基板電圧Vdb1を上記基板電圧Vdb2と同
じくVdd+ΔVdbとし、基板電圧Vsb1を上記基
板電圧Vsb2と同じくVss−ΔVsbに切り換える
ようにする。これにより、スタンバイ時のリーク電流が
一層小さくなって、上記リークテストによって一部の回
路素子での絶縁破壊の判定をより正確に行なうようにす
ることができる。この電圧切り換え機能は、上記のよう
にリークテストの他に、半導体集積回路装置がスタンバ
イ状態のときのリーク電流の低減にも活用することがで
きる。
【0084】上記基板電圧Vdb1,Vdb2,Vsb
1およびVsb2を供給する電位配線(たとえば、図7
の115,116,113,114)への対応する電位
の供給が上記半導体集積回路装置に設けられる外部端子
からそれぞれ行うことができる場合は、以下のようにさ
れる。
【0085】すなわち、半導体装置の通常動作モード
時、各電位配線115(Vdb1),116(Vdb
2),113(Vsb1)および114(Vsb2)に
は、それに結合される各MOSFETのしきい値電圧
が、低しきい値電圧又は高しきい値電圧或いは低しきい
値電圧、中しきい値電圧或いは高しきい値電圧の中の所
望のしきい値電圧に設定するような所望の基板電位が印
可される。
【0086】一方、リークテスト時、電位配線115
(Vdb1),116(Vdb2)に、Vdd+△Vd
bの電位が印可され、各電位配線113(Vsb1)お
よび114(Vsb2)にはVss−△Vsbに電位が
それぞれ供給される。
【0087】各電位配線115(Vdb1),116
(Vdb2),113(Vsb1)および114(Vs
b2)への上記各種電圧の供給は、上記に限定されるも
のではなく、上記半導体集積回路装置が形成される半導
体基板内に電位供給回路を設け、それを利用して行って
も良い。この場合、上記電位供給回路には、通常動作モ
ード・リークテストモードの切り替え制御信号が供給さ
れる。
【0088】上電位供給回路は、通常動作モード制御信
号を受けているとき、各電位配線115(Vdb1),
116(Vdb2),113(Vsb1)および114
(Vsb2)に、それに結合される各MOSFETのし
きい値電圧を低しきい値電圧又は高しきい値電圧或いは
低しきい値電圧、中しきい値電圧或いは高しきい値電圧
の中の所望のしきい値電圧に設定するような所望の基板
電位を印可する。一方、上記電位供給回路は、リークテ
ストモード制御信号を受けているとき、電位配線115
(Vdb1)及び116(Vdb2)にはVdd+△V
dbの電位を、電位配線113(Vsb1)および11
4(Vsb2)にはVss−△Vsbの電位をそれぞれ
供給する。
【0089】このように、電位供給回路を内蔵化するこ
とにより、上記上記半導体集積回路装置が搭載される電
子回路システムにおいて、各電位の電位発生回路が不要
とできるので、システムコストを低減することができ
る。
【0090】図14には、この発明に係る半導体集積回
路装置の一実施例の構成図が示されている。602はチ
ップ全体を示し、601は繰り返し区画を示す。拡大さ
れた1つの区画601において、縦方向に延長される配
線603と612はチップの第2層目のメタル配線層で
形成された電源配線Vddであり、それと平行に延長さ
れる配線608と617は、同じく第2層目のメタル配
線層で形成された電源配線Vssである。配線604〜
607と613〜616は、それぞれが上記第2層目の
メタル配線層M2で形成され、基板電圧Vdb1、Vd
b2、Vsb1、Vsb2を供給する基板給電線であ
る。
【0091】609、610、611は電源幹線間のセ
ル列を示している。618は第1層目のメタル配線層M
1で形成され、セル列に基板電圧Vdb1を供給するW
EL給電線であり、624は第1層目のメタル配線層M
1で形成され、セル列に基板電圧Vdb2を供給するW
EL給電線であり、チップの基板給電線604、60
5、606、607及び613、614、615、61
6との交点でそれぞれ所望の電圧配線と接続されてい
る。配線619、623及び625は、第1層目のメタ
ル配線層M1で形成され、セル列に電源電圧Vddを供
給する電源線であり、配線620と622は、第1層目
のメタル配線層M1で形成され、セル列に電源電圧Vs
sを供給する電源線である。これらもチップの電源幹線
603、608、612、617との交点でそれぞれ所
望の電圧配線と接続されている。
【0092】本実施例は、セル列毎に基板電圧を制御
し、かつ基板電圧給電配線が各セル列の各WELに対し
て1本の例を示しているが、これは一例であり、図7及
び図9に示されるように基板電圧給電配線は各セル列の
各WELに対して複数本有ってもよい。この場合にはセ
ル列内での接続部の打ち分けでWEL電位を選択するこ
とが可能である。
【0093】先に説明された図7、図9,図10及び図
11に示されるレイアウトにおいては、図14に示され
る配線603,604,612,617、619,62
0,622,623及び625が省略されて記載されて
いることに注意すべきである。実際には、これらの配線
603,604,612,617、619,620,6
22,623及び625が、図14に示されるように設
けられている。
【0094】図7、図9,図10及び図11に示される
レイアウトにおいて、基板バイアスの制御のみによっ
て、3種類のしきい値電圧を有するNMOSFETとP
MOSFETを作る場合には、図14に示される配線6
03と604の間、及び配線612と617の間に、さ
らに、2本の配線が設けられ、各配線にVsd3および
Vdd3等の電位を印可するようにすることができる。
あるいは、配線603(Vdd)、604(Vss)、
612(Vdd)と617(Vss)を、低しきい値電
圧のMOSFETの基板バイアス供給配線とすることも
できるが、電位の揺れや電源ノイズの影響が低しきい値
電圧のMOSFETの動作に発生しないように、半導体
基板内に容量を設けたりする必要がある。この容量は、
配線部分603−608乃至612−617の下部に対
応する半導体基板の領域を利用する事ができる。
【0095】上記説明では、低しきい値電圧のNMOS
FETに結合されるPMOSFETのしきい値電圧は、
低しきい値電圧に設定すると説明されたがそれに限定さ
れなくとも良い。たとえば、図7、図9,図10及び図
11に示されるレイアウトに従えば、PMOSFETの
しきい値電圧を低しきい値電圧とし、NMOSFETの
しきい値電圧を中乃至高しきい値電圧の様に設定するこ
とも可能である。
【0096】図15には、この発明に係る半導体集積回
路装置の基本的なクロック供給経路の一実施例のレイア
ウト図が示されている。同図のクロック供給経路は、半
導体基板上の実際の幾何学的な配置に合わせて描かれて
いる。特に制限されないが、縦と横方向に16個ずつの
ブロックが碁盤目状に配置される。上記回路ブロックに
は、配線設計のみによって必要な論理ゲート回路を形成
することができる下地となる素子領域が作り込まれてな
るゲートアレイによって構成される。
【0097】上記半導体チップLSIの中央部には、ク
ロック入力回路CLINが設けられる。半導体チップL
SIの中央部とは、四角形のチップにおける対角線の交
点付近の領域と見做される。このクロック入力回路CK
INを中心にして、左右に上記半導体チップの横辺の1
/4ずつの長さ、つまり上記横方向に並べられた16個
のブロックのうち、4個分のブロックに対応した長さの
第1配線L1が形成される。
【0098】この第1配線L1の他端では、上下に分岐
する第2配線L2が設けられる。この第2配線L2は、
上記第1配線L1の他端から上記半導体チップの縦辺の
1/4の長さ、つまり、上記縦方向に並べられた16個
のブロックのうち、4個分のブロックに対応した長さに
され、かかる第2配線L2の他端側には第1中継アンプ
AMP1が設けられる。上記のように第1配線L1は、
左右に2本延びてそれぞれから第2配線L2が上下に2
本ずつ延びるので、LSI全体では合計4個の第1中継
アンプAMP1が設けられるが、同図においては半導体
基板を上下左右に4等分したエリア(8×8ブロック)
のうち、右上のエリアに対応した中継アンプAMP1が
代表として描かれている。
【0099】上記第1中継アンプAMP1を中心にし
て、左右に上記半導体チップの横辺の1/8ずつの長
さ、つまり上記横方向に並べられた16個のブロックの
うち、2個分のブロックに対応した長さの第3配線L3
が形成される。この第3配線L3の他端では、上下に分
岐する第4配線L4が設けられる。この第4配線L4
は、上記第3配線L3の他端から上記半導体チップの縦
辺の1/8の長さ、つまり、上記縦方向に並べられた1
6個のブロックのうち、2個分のブロックに対応した長
さにされ、かかる第4配線L4の他端側には第2中継ア
ンプAMP2が設けられる。上記のように第3配線L3
は、左右に2本延びてそれぞれから第4配線L4が上下
に2本ずつ延びるので、上記4等分したエリア(8×8
ブロック)内においては、合計4個の第2中継アンプA
MP2が設けられるが、同図においては上記エリアを上
下左右に4等分したエリア(4×4ブロック)のうち、
右上のエリアに対応した中継アンプAMP2が代表とし
て描かれている。
【0100】上記第2中継アンプAMP2を中心にし
て、左右に上記半導体チップの横辺の1/16ずつの長
さ、つまり上記横方向に並べられた16個のブロックの
うち、1個分のブロックに対応した長さの第5配線L5
が形成される。この第5配線L5の他端では、上下に分
岐する第6配線L6が設けられる。この第6配線L6
は、上記第5配線L5の他端から上記半導体チップの縦
辺の1/16の長さ、つまり、上記縦方向に並べられた
16個のブロックのうち、1個分のブロックに対応した
長さにされ、かかる第6配線L6の他端側には第3中継
アンプAMP3が設けられる。上記のように第5配線L
5は、左右に2本延びてそれぞれから第6配線L6が上
下に2本ずつ延びるので、上記エリアを更に4等分した
エリア(4×4ブロック)内においては、合計4個の第
3中継アンプAMP3が設けられるが、同図においては
上記エリア(4×4ブロック)を上下左右に4等分した
エリア(2×2ブロック)のうち、右上のエリアに対応
した中継アンプAMP3が代表として描かれている。
【0101】そして、上記第3中継アンプAMP2を中
心にして、左右に上記半導体チップの横辺の1/32ず
つの長さ、つまり上記横方向に並べられた16個のブロ
ックのうち、1ブロックの半分に対応した長さの第7配
線L7が形成される。この第7配線L7の他端では、上
下に分岐する第8配線L8が設けられる。この第8配線
L8は、上記第7配線L7の他端から上記半導体チップ
の縦辺の1/32の長さ、つまり、上記縦方向に並べら
れた16個のブロックのうち、1ブロックの半分に対応
した長さにされ、かかる第8配線L8の他端側は、上記
1ブロックの中心とされて、クロックドライバCKDが
設けられる。上記のように第7配線L7は、左右に2本
延びてそれぞれから第8配線L8が上下に2本ずつ延び
るので、結局4個のブロックのそれぞれの中央部に上記
クロックドライバCKDが設けられることになる。
【0102】この構成では、1つのクロック入力回路C
KINに対して、第1及び第2配線L1+L2を介して
4個の第1中継アンプAMP1が設けられる。上記4個
の第1中継アンプAMP1に対して、第3及び第4配線
L3+L4を介して4個ずつ、全体で4×4=16個の
第2中継アンプAMP2が設けられる。上記第2中継ア
ンプAMP2に対して、第5及び第6配線L5+L6を
介して4個ずつ、全体で4×4×4=64個の第3中継
アンプAMP3が設けられる。そして、上記第3中継ア
ンプAMP3に対して、第7及び第8配線L7+L8を
介して4個ずつ、全体で4×4×4×4=256個のク
ロックドライバCKDが設けられる。上記クロックドラ
イバCKDは、上記16×16=256個の各ブロック
に一対一に対応してそれぞれのブロックの中央部分に配
置されることになる。
【0103】このようなクロック供給経路は、上記第1
と第2配線(L1+L2)とでHの文字を形作るもので
あり、同様に第3と第4配線(L3+L4)、第5と第
6配線(L5+L6)及び第7と第8配線(L7+L
8)のそれぞれでもHの文字を形作ってそれらがトリー
状に接続されることから本願出願人等にあっては、Hト
リークロック供給と呼ぶものである。このHトリークロ
ック供給においては、クロック入力回路CKINから各
第8配線の末端のクロックドライバCKDまでのクロッ
ク信号の信号遅延がほぼ均等にされるので、等ディレイ
なクロック給電方式と見做される。
【0104】上記のようなHトリークロック供給構造の
半導体集積回路装置では、フリップフロップ回路に供給
されるクロック信号が相互に正確に一致していると見做
されることから、論理設計ではクロック信号の周波数
を、フリップフロップ回路の間に設けられる論理回路で
の最大信号遅延にほぼ一致するように時間マージンを最
小に設定して高い周波数に設定して高速動作を図るよう
にすることができる。
【0105】本願発明に係る半導体集積回路装置の設定
手順は、前記のように低しきい値電圧のMOSFETで
構成し、前記フリップフロップ回路間に設けられる論理
回路をゲートアレイに作り込まれた素子を用い、上記必
要な論理ゲート回路を構成する配線、及び配置設計をコ
ンピュータを用いた自動設計技術により形成し、前記の
ように上限遅延時間を求めて、上記クロック信号の周波
数を設定する。しきい値電圧を高しきい値電圧に変更
し、上記上限遅延時間を超えるパスの論理ゲート回路の
しきい値電圧を中しきい値電圧又は低しきい値電圧とし
てそこでの信号遅延が上記クロック信号の一周期内に収
まるようにする。
【0106】しかしながら、上限遅延時間が必要とされ
るクロック信号の動作周波数に収まらない場合、言い換
えるならば、多数のパスのうち極一部のパスの遅延時間
が長いことによって、上記クロック信号の一周期に収ま
らない場合には、かかる論理パスに対して、本願発明を
利用して前記末端のクロックドライバCKDを構成する
MOSFETをしきい値電圧の調整を行なうことによっ
て、クロック信号の調整を行なうようにすることができ
る。
【0107】図16には、この発明に係る半導体集積回
路装置におけるクロック供給回路の一実施例のブロック
図が示されている。前記と同様な中継アンプCK1ない
しCK8によりHトリーを構成し、クロッドライバCK
9を構成するMOSFETのしきい値を低しきい値電圧
と、中しきい値電圧及び高しきい値電圧のものを組み合
わせることにより、フリップフロップ回路FFに供給さ
れるクロック信号の位相をずらすようにするものであ
る。
【0108】上記中継アンプCK1ないしCK8は、低
しきい値電圧のMOSFETにより構成し、そこでの信
号遅延を最も小さくかつ均等にするものである。これに
より、中継アンプCK8で出力されるクロック信号は、
互いに同期したものとすることができる。特に制限され
ないが、上記中継アンプCK8から出力されるクロック
信号を受けるクロックドライバCKD1とCKD3は、
低しきい値電圧のMOSFETで構成し、クロックドラ
イバCK2は中しきい値電圧のMOSFETで構成し、
クロックドライバCKD4は、高しきい値電圧のMOS
FETで構成される。
【0109】上記各クロックドライバCKD1ないしC
DK4で形成された各クロック信号は、それぞれの周期
は同一であるが、クロックドライバCKD1とCDK3
で形成されるクロック信号に対して、クロックドライバ
CK2で形成されるクロック信号はΔt1だけ遅れたも
のとされる。かかるクロックドライバCK2で形成され
るクロック信号に対してクロックドライバCKD4で形
成されたクロック信号はΔt2だけ遅れたものとされ
る。したがって、クロックドライバCKD1とCKD3
で形成されるクロック信号に対して、クロックドライバ
CKD4で形成されるクロック信号はΔt1+Δt2だ
け遅れたものとされる。
【0110】したがって、クロックドライバCKD1又
はCDK3からのクロック信号を受けるフリップフロッ
プ回路FF1又はFF3と、クロックドライバCKD2
で形成されるクロック信号を受けるフリップフロップ回
路FF2の間での信号パスの遅延時間は、上記クロック
信号の周波数の1周期Tに対してT+Δt1だけ長くな
り、Δt1分だけ遅延時間を長くすることができる。
【0111】同様に、クロックドライバCKD1又はC
DK3からのクロック信号を受けるフリップフロップ回
路FF1又はFF3と、クロックドライバCKD4で形
成されるクロック信号を受けるフリップフロップ回路F
F4の間での信号パスの遅延時間は、上記クロック信号
の周波数の1周期Tに対してT+Δt1+Δt2だけ長
くなり、Δt1+Δt2分だけ遅延時間を長くすること
ができる。
【0112】この場合に注意することは、上記クロック
ドライバCKD2で形成されたクロック信号を受けるフ
リップフロップ回路FF2と、上記クロックドライバC
KD1又はCDK3からのクロック信号を受けるフリッ
プフロップ回路FF1又はFF3との間での信号パスの
遅延時間は、T−Δt1だけ短くなる。それ故、上記フ
リップフロップ回路FF2とFF1又FF3の間に設け
られる信号パスは、上記クロック信号の一周期Tに対し
てΔt1以上の余裕時間を持つ信号パスを割り当てる必
要がある。
【0113】同様に、上記クロックドライバCKD4で
形成されたクロック信号を受けるフリップフロップ回路
FF4と、上記クロックドライバCKD1又はCDK3
からのクロック信号を受けるフリップフロップ回路FF
1又はFF3との間での信号パスの遅延時間は、T−Δ
t1−Δt2だけ短くなる。それ故、侍医フリップフロ
ップ回路FF4とFF1又FF3の間に設けられる信号
パスは、上記クロック信号の一周期Tに対してΔt1+
Δt2以上の余裕時間を持つ信号パスを割り当てる必要
がある。また、クロックドライバCKD2とCKD4で
形成されたクロック信号を組み合わせるものであっても
よい。
【0114】上記のようなクロックドライバCKD1な
いしCKD4に対しも、MOSFETのしきい値電圧
を、前記のような信号パスでの遅延時間ではなく、クロ
ック信号の観点からクロック信号相互の遅延時間を調整
することにより、前記信号パスの全てを低しきい値電圧
にした場合の上限遅延時間よりも長い極く一部の信号パ
スを上記クロック信号間の時間調整を利用して救済する
ことができる。
【0115】図17には、この発明に係る半導体集積回
路装置の一実施例の下地セルレイアウト図が示されてい
る。(a)は、前記図7の実施例に対応した下地セルが
示されている。(b)は、前記図9の実施例に対応した
下地セルが示されている。(a)のように個々のMOS
FETに対してウェルを設けて、それぞれのしきい値電
圧を変化させるものに比べて、(b)のように複数個の
MOSFETを共通のウェルに形成する構成とすること
により、集積度を高くすることができる。
【0116】この発明では、論理ゲート回路の単位での
しきい値電圧の変更によって、そこでの遅延時間を調整
するものであるので、上記のように複数のMOSFET
を論理ゲート回路を構成する基本セルに対応して設ける
ようにすると個々の論理ゲート回路毎のしきい値電圧の
設定に有益である。
【0117】図18には、この発明に係る半導体集積回
路装置の他の一実施例の下地セルレイアウト図が示され
ている。(a)は、前記図10の実施例に対応した下地
セルが示されている。(b)は、前記図11の実施例に
対応した下地セルが示されている。(a)のようにWE
L給電線の実質的な1本化によって、WEL給電線が配
置される部分を縮小することができる。(b)のように
上下のセル列を隣接するもの同士で、Nチャンネル型M
OSFETとPチャンネル型MOSFETとを共通にす
ることにより、セル列間でのウェル領域の共通化によっ
て、いっそう集積度を高くすることができることが判
る。
【0118】上記の実施例から得られる作用効果は、下
記の通りである。すなわち、 (1) クロック信号により信号の取り込みと保持を行
なうフリップフロップ回路の間に設けられた論理ゲート
回路とからなる信号伝達経路を持つ半導体集積回路装置
において、例えば上記信号伝達経路での信号遅延が、上
記クロック信号の周期との関係において信号遅延に余裕
があるものを第1のしきい値電圧のMOSFETで構成
し、上記信号遅延に余裕がないもを上記第1のしきい値
電圧より低い第2のしきい値電圧のMOSFETで構成
することにより、リーク電流の低減と動作の高速化を図
ることができるという効果が得られる。
【0119】(2) 上記に加えて、上記第2のしきい
値電圧より更に小さな第3のしきい値電圧を持つものを
更に加え、第2のしきい値電圧のMOSFETを用いて
上記2つのフリップフロップ回路と論理ゲート回路とが
構成された信号伝達経路の中で、上記信号遅延に余裕が
ないものを上記第3のMOSFETを用いたものを含ま
せることにより、上記信号遅延に余裕を持たせることに
より、リーク電流の低減と動作の高速化をより一層改善
することができるという効果が得られる。
【0120】(3) 上記に加えて、ゲートアレイに適
用し、上記MOSFETのしきい値電圧の設定をチャン
ネル領域の選択的な不純物濃度の導入と、そこに与えら
れる基板電圧との組み合わとすることにより、MOSF
ETの耐圧保護を行いつつ、リーク電流の低減と動作の
高速化をより一層改善することができるという効果が得
られる。
【0121】(4) 上記に加えて、 上記MOSFE
Tの基板電圧の設定を、複数の基板電圧をそれぞれ伝え
る複数の電圧配線と、上記複数の電圧配線の中の1つの
電圧配線と上記チャンネル領域を構成するウェル領域と
の接続により行なわせるようにすることにより任意のM
OSFETに対して必要なしきい値電圧の設定を行なう
ようにすることができるという効果が得られる。
【0122】(5) 上記に加えて、上記複数の電圧配
線を上記ウェル領域との接続部が層間絶縁膜を介してオ
ーバーラップする2つの電圧配線で第1方向に直線的に
延長し、上記第1方向とは直交する第2方向に延びる配
線とすることにより、それぞれの交点での選択的な接続
により任意の電圧切り換えが可能になるという効果が得
られる。
【0123】(6) 上記に加えて、上記フリップフロ
ップ回路及び論理ゲート回路を第1導電型と第2導電型
のMOSFETとし、ゲートアレイを構成する隣接する
セル列の上記第1導電型のMOSFETを共通のウェル
領域に形成し、上記第1方向に直線的に延びる電圧配線
を2つのセル列に共通に用いることにより、高集積化を
実現することができるという効果が得られる。
【0124】(7) MOSFETで構成された半導体
集積回路装置であって、クロック信号により信号の取り
込みと保持を行なう複数のフリップフロップ回路と、上
記フリップフロップ回路の間に設けられた論理ゲート回
路とを備え、上記フリップフロップ回路及び論理ゲート
回路の各々に対して、信号伝達経路での論理ゲート回路
での段数が少ないか又は負荷が軽いものは第1のしきい
値電圧のMOSFETで構成し、上記論理ゲート回路で
の段数での段数が多いか又は負荷が重いものは上記第1
のしきい値電圧より低い第2のしきい値電圧のMOSF
ETで構成することにより、リーク電流の低減と動作の
高速化を図ることができるという効果が得られる。
【0125】(8) 上記に加えて、上記第2のしきい
値電圧より更に小さな第3のしきい値電圧を持つものを
更に設け、第2のしきい値電圧のMOSFETを用いて
上記2つのフリップフロップ回路と論理ゲート回路とが
構成された信号伝達経路の中で、特に論理ゲート回路の
段数及び負荷が重いものを上記第3のMOSFETを用
いたものを含ませることにより、リーク電流の低減と動
作の高速化を一層図ることができるという効果が得られ
る。
【0126】(9) 上記に加えて、ゲートアレイに適
用し、上記MOSFETのしきい値電圧の設定をチャン
ネル領域の選択的な不純物濃度の導入と、そこに与えら
れる基板電圧との組み合わせにより行なうようにするこ
とにより、素子の耐圧保護を行いつつ、リーク電流の低
減と動作の高速化を一層図ることができるという効果が
得られる。
【0127】(10) 上記に加えて、半導体基板の中
心部に設けられたクロック入力回路から上記クロック信
号を出力するクロックドライバに至るまでの伝達配線経
路及び中継アンプの段数を均等に設け、上記クロックド
ライバにより上記クロック信号を形成することにより、
フリップフロップ回路に供給されるクロック信号が周期
が一定となって、クロック信号の周期に対するマージン
を最小に設定でき、クロック周波数をいっそう高くする
ことができるという効果が得られる。
【0128】(11) 上記に加えて、上記信号伝達回
路は、上記第1の遅延時間値に対して遅延時間に余裕を
持つ第1の信号伝達回路と、上記第1の遅延時間値に対
して遅延時間に余裕が無い第2の信号伝送回路とが縦列
形態に組み合わされて1組の信号伝送回路を構成し、上
記第1の信号伝達回路と第2の信号伝達回路のフリップ
フロップ回路にクロック信号を供給するクロックドライ
バは、上記第1ないし第3のしきい値電圧を持つMOS
FETのいずれかが組み合わせされて、クロック周期が
上記第1の伝達回路に対しては相対的に短く、上記第2
の信号伝達経路に対しては相対的に長くすることによ
り、動作の一層の高速化を図ることができるという効果
が得られる。
【0129】(12) クロック信号により信号の取り
込みと保持を行なうフリップフロップ回路の間に設けら
れた論理ゲート回路とからなる信号伝達経路を持つデジ
タル集積回路の設計方法であって、第1の工程では上記
フリップフロップ回路及び論理ゲート回路のMOSFE
Tを第2のしきい値電圧に設定し、第2の工程では上記
第2のしきい値電圧のMOSFETを用いたときの信号
伝達経路の中で最も大きな第1の信号遅延値を算出し、
第3の工程では上記MOSFETを上記第2のしきい値
電圧よりも高い第1のしきい値電圧に置き換え、第4の
工程では上記第1のしきい値電圧のMOSFETのもと
で、各信号伝達経路での信号遅延が、上記第1の信号遅
延値より超えたものを抽出し、第5の工程では上記抽出
された信号伝達経路の各々において、その遅延時間が上
記第1の遅延時間値よりも小さくなるまで、かかる信号
伝達経路を構成するフリップフロップ回路及び論理ゲー
ト回路を構成する各論理回路のMOSFETを上記第2
のしきい値電圧に変更することにより、リーク電流の低
減と動作の高速化を図ったデジタル集積回路の設計を効
率よく行なうことができるという効果が得られる。
【0130】(13) 上記に加えて、上記第5の工程
での上記第2のしきい値電圧に変更される論理回路は、
そのファンアウト数を多いものを優先的に選ぶことによ
り、リーク電流を効果的に低減させることができるとい
う効果が得られる。
【0131】(14) 上記に加えて、上記第5の工程
において信号伝達経路を構成する論理回路を全て上記第
2のしきい値電圧に変更しても遅延時間が上記第1の遅
延時間値よりも大きいとき、その遅延時間が上記第1の
遅延時間値よりも小さくなるまで、上記フリップフロッ
プ回路及び論理ゲート回路を構成する各論理回路のMO
SFETを上記第2のしきい値電圧よりも更に小さな第
3のしきい値電圧に変更する第6の工程を更に設けるこ
とにより、一層のリーク電流の低減と動作の高速化を図
った半導体集積回路装置の設計を効率よく行なうことが
できるという効果が得られる。
【0132】以上本発明者よりなされた発明を実施例に
基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種
々変更可能であることはいうまでもない。例えば、デジ
タル集積化回路は、前記のようなゲートアレイの他に、
ランダム・ロジック回路で構成されたものであってもよ
い。このようなランダム・ロジック回路では、個々のM
OSFETのレイアウトも設計されるから、同じしきい
値電圧にされるものを纏めてレイアウトし、それに対応
した基板電圧を共通に供給することができる。
【0133】ゲートアレイで構成する場合、クロック給
電が行われる最小ブロックは、図15のように縦横の比
がほぼ1対1である必要はなく、縦横の長さが異なる長
方形であってもよい。ただし、ブロック内のクロック信
号のスキューを最小にするには、なるべく正方形に近い
形が有利となる。ゲートアレイは、全ての回路がゲート
アレイで構成される必要はなく、メモリ回路等特有の機
能を持つ回路については、予め設計された回路ブロック
が適宜にゲートアレイの一部に組み込まれるようにされ
るものであってもよい。この発明は、MOSFETで構
成された半導体集積回路装置とデジタル集積回路の設計
方法に広く利用することができる。
【0134】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記の通りである。すなわち、クロック信号により信号の
取り込みと保持を行なうフリップフロップ回路の間に設
けられた論理ゲート回路とからなる信号伝達経路を持つ
半導体集積回路装置において、上記信号伝達経路での信
号遅延が、例えば上記クロック信号の周期との関係にお
いて信号遅延に余裕があるものを第1のしきい値電圧の
MOSFETで構成し、上記信号遅延に余裕がないもを
上記第1のしきい値電圧より低い第2のしきい値電圧の
MOSFETで構成することにより、リーク電流の低減
と動作の高速化を図ることができる。
【0135】クロック信号により信号の取り込みと保持
を行なうフリップフロップ回路の間に設けられた論理ゲ
ート回路とからなる信号伝達経路を持つデジタル集積回
路の設計方法であって、第1の工程では上記フリップフ
ロップ回路及び論理ゲート回路のMOSFETを第2の
しきい値電圧に設定し、第2の工程では上記第2のしき
い値電圧のMOSFETを用いたときの信号伝達経路の
中で最も大きな第1の信号遅延値を算出し、第3の工程
では上記MOSFETを上記第2のしきい値電圧よりも
高い第1のしきい値電圧に置き換え、第4の工程では上
記第1のしきい値電圧のMOSFETのもとで、各信号
伝達経路での信号遅延が、上記第1の信号遅延値より超
えたものを抽出し、第5の工程では上記抽出された信号
伝達経路の各々において、その遅延時間が上記第1の遅
延時間値よりも小さくなるまで、かかる信号伝達経路を
構成するフリップフロップ回路及び論理ゲート回路を構
成する各論理回路のMOSFETを上記第2のしきい値
電圧に変更することにより、リーク電流の低減と動作の
高速化を図ったデジタル集積回路の設計を効率よく行な
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係るデジタル集積回路の設計方法の
一実施例を説明するための概念図である。
【図2】この発明に係るデジタル集積回路の設計方法の
一実施例を説明するための特性図である。
【図3】この発明に係る基板バイアスによりMOSFE
Tのしきい値を変化させる場合のしきい値の変化量の決
定方法を説明するための特性図である。
【図4】この発明に係る半導体集積回路装置のしきい値
電圧の設定方法を説明するための特性図である。
【図5】この発明を説明するための遅延時間とパス数の
分布図である。
【図6】この発明に係る半導体集積回路装置のスタンバ
イ電流の削減効果を説明するための分布図である。
【図7】この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例
を示す概略レイアウト図である。
【図8】図7の拡大したレイアウトと断面構造である。
【図9】この発明に係る半導体集積回路装置の他の一実
施例を示す概略レイアウト図である。
【図10】この発明に係る半導体集積回路装置の他の一
実施例を示す概略レイアウト図である。
【図11】この発明に係る半導体集積回路装置の他の一
実施例を示す概略レイアウト図である。
【図12】この発明に係る半導体集積回路装置に設けら
れるセルの一実施例を示すレイアウト図である。
【図13】この発明に係る半導体集積回路装置の一実施
例を示す回路図である。
【図14】この発明に係る半導体集積回路装置の一実施
例を示す構成図である。
【図15】この発明に係る半導体集積回路装置の基本的
なクロック供給経路の一実施例を示すレイアウト図であ
る。
【図16】この発明に係る半導体集積回路装置における
クロック供給回路の一実施例を示すブロック図である。
【図17】この発明に係る半導体集積回路装置の一実施
例を示す下地セルレイアウト図である。
【図18】この発明に係る半導体集積回路装置の他の一
実施例を示す下地セルレイアウト図である。
【符号の説明】
651,658…フリップフロップ回路、652〜65
7…論理ゲート回路、101,102…PMOS、10
3,104…NWEL、105,106…PWEL、1
07,108…NMOS、117…P型領域、118、
119…WEL給電線、109〜112…接続部、11
3〜116…基板給電線、122,123…WEL給電
線、201,202…PMOS、203,204…NW
EL、205,206…PWEL、207,208…N
MOS、217…P型領域、218、219…WEL給
電線、209〜212…接続部、213〜216…基板
給電線、222,223…WEL給電線、301,30
2…PMOS、303,304…NWEL、305,3
06…PWEL、307,308…NMOS、317…
P型領域、318…WEL給電線、309〜312…接
続部、313〜316…基板給電線、322…WEL給
電線、401,402…PMOS、403,344…N
WEL、405,406…PWEL、407,408…
NMOS、417…P型領域、418…WEL給電線、
409〜412…接続部、413〜416…基板給電
線、422…WEL給電線、501,507…WEL給
電線、502…PMOS、506…NMOS、503…
電源配線Vdd、508…電源配線Vss、504,5
05…配線、CKIN…クロック入力回路、AMP1…
第1中継アンプ、AMP2…第2中継アンプ、AMP3
…第3中継アンプ、CKD…クロックドライバ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G06F 1/10 Fターム(参考) 5B079 BA20 BB10 BC03 CC02 DD08 DD13 DD20 5F038 CA02 CA04 CA05 CA07 CD02 CD04 CD06 CD08 CD09 CD15 DF01 DF08 DT02 DT10 EZ08 EZ20 5F048 AA01 AB02 AC03 BB15 BD10 BE09 5F064 AA03 BB02 CC12 EE23 EE47 EE52 EE54 FF08 FF12

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 MOSFETで構成された半導体集積回
    路装置であって、 クロック信号により信号の取り込みと保持を行なう複数
    のフリップフロップ回路と、上記フリップフロップ回路
    の間に設けられた論理ゲート回路とからなる複数の信号
    伝達経路を備え、 上記複数の信号伝達経路は、 第1のしきい値電圧のMOSFETで構成された第1の
    信号伝達経路と、 上記第1のしきい値電圧より低い第2のしきい値電圧の
    MOSFETで構成されてなる上記フリップフロップ回
    路又は論理ゲート回路を含む第2の信号伝達経路からな
    ることを特徴とする半導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 上記信号伝達経路は、上記第2のしきい値電圧より更に
    小さな第3のしきい値電圧を持つ上記フリップフロップ
    回路又は論理ゲート回路を有する第3の信号伝達経路を
    更に有することを特徴とする半導体集積回路装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 上記半導体集積回路装置はゲートアレイを構成するもの
    であり、 上記MOSFETのしきい値電圧の設定は、チャンネル
    領域の選択的な不純物濃度の導入と、そこに与えられる
    基板電圧との組み合わせにより行なわせるものであるこ
    とを特徴とする半導体集積回路装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 上記MOSFETの基板電圧の設定は、複数の基板電圧
    をそれぞれ伝える複数の電圧配線と、上記複数の電圧配
    線の中の1つの電圧配線と上記チャンネル領域を構成す
    るウェル領域との接続により行なわせるものであること
    を特徴とする半導体集積回路装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 上記複数の電圧配線は、上記ウェル領域との接続部が層
    間絶縁膜を介してオーバーラップする2つの電圧配線が
    第1方向に設けられ、 上記第1方向とは直交する第2方向に延びる配線により
    それぞれの電圧が供給されるものであることを特徴とす
    る半導体集積回路装置。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 上記フリップフロップ回路及び論理ゲート回路は、第1
    導電型と第2導電型のMOSFETからなり、 ゲートアレイを構成する隣接するセル列の上記第1導電
    型のMOSFETが共通のウェル領域に形成され、上記
    第1方向に設けられる電圧配線が2つのセル列に共通に
    用いられるものであることを特徴とする半導体集積回路
    装置。
  7. 【請求項7】 MOSFETで構成された半導体集積回
    路装置であって、 クロック信号により信号の取り込みと保持を行なう複数
    のフリップフロップ回路と、 上記フリップフロップ回路の間に設けられた論理ゲート
    回路とを備え、 上記フリップフロップ回路及び論理ゲート回路の各々
    は、 2つのフリップフロップ回路とその間に設けられる論理
    ゲート回路で構成された第1の信号伝達経路は、第1の
    しきい値電圧のMOSFETで構成され、上記第1の信
    号伝達経路に比べて一定の範囲で論理ゲート回路の段数
    が多いか又は負荷が重い第2の信号伝達経路に設けられ
    るフリップフロップ回路又は論理ゲート回路を構成する
    MOSFETのしきい値電圧は、上記第1のしきい値電
    圧より低い第2のしきい値電圧に設定されてなるものを
    含むことを特徴とする半導体集積回路装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 上記MOSFETは、上記第2のしきい値電圧より更に
    小さな第3のしきい値電圧を持つものを更に有し、 上記第2の信号伝達経路の中で、更に一定の範囲で論理
    ゲート回路の段数又は負荷が重いものは、上記第3のM
    OSFETで構成されたフリップフロップ回路又は論理
    ゲート回路を含ませてなることを特徴とする半導体集積
    回路装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8において、 上記半導体集積回路装置はゲートアレイを構成するもの
    であり、 上記MOSFETのしきい値電圧の設定は、チャンネル
    領域の選択的な不純物濃度の導入と、そこに与えられる
    基板電圧との組み合わせにより行なわせるものであるこ
    とを特徴とする半導体集積回路装置。
  10. 【請求項10】 請求項7ないし9のいずれかにおい
    て、 クロック入力回路から上記クロック信号を出力するクロ
    ックドライバに至るまでの伝達配線経路及び中継アンプ
    の段数が均等にされてなり、 上記クロックドライバにより上記クロック信号が形成さ
    れるものであることを特徴とする半導体集積回路装置。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 上記信号伝達回路は、上記第1の遅延時間値に対して遅
    延時間に余裕を持つ第1の信号伝達回路と、上記第1の
    遅延時間値に対して遅延時間に余裕が無い第2の信号伝
    送回路とが縦列形態に組み合わされて1組の信号伝送回
    路を構成し、 上記第1の信号伝達回路と第2の信号伝達回路のフリッ
    プフロップ回路にクロック信号を供給するクロックドラ
    イバは、上記第1ないし第3のしきい値電圧を持つMO
    SFETのいずれかが組み合わせされて、クロック周期
    が上記第1の伝達回路に対しては相対的に短く、上記第
    2の信号伝達経路に対しては相対的に長くなるようにさ
    れてなることを特徴とする半導体集積回路装置。
  12. 【請求項12】 複数の信号伝搬経路を有し、 上記複数の信号伝搬経路のおのおのは、 タイミング信号により制御され、上記タイミング信号に
    応答して信号の取り込みと保持とを行う一対の保持回路
    と、上記一対の保持回路の間に電気的に結合された複数
    の論理回路を有し、 上記複数の信号伝搬経路は、第1信号伝搬経路を含み、 上記第1信号伝搬経路の上記複数の論理回路は、 第1しきい値電圧を有する第1導電型の第1MOSFE
    Tと第2しきい値電圧を有する第2導電型の第2MOS
    FETを含む第1論理回路と、 第3しきい値電圧を有する第1導電型の第3MOSFE
    Tと第4しきい値電圧を有する第2導電型の第4MOS
    FETを含む第2論理回路とを具備し、 上記第1信号伝搬経路に信号が伝送される動作状態にお
    いて、上記第3しきい値電圧は、上記第3MOSFET
    のチャネル領域を構成する半導体領域に所定の第1電圧
    を印可することによって、上記第1しきい値電圧とは異
    なる電圧とされる事を特徴とする半導体集積回路装置。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 上記第1信号伝搬経路に信号が伝送される動作状態にお
    いて、 上記第4しきい値電圧は、上記第4MOSFETのチャ
    ネル領域を構成する半導体領域に所定の第2電圧を印可
    することによって、上記第2しきい値電圧とは異なる電
    圧とされる事を特徴とする半導体集積回路装置。
  14. 【請求項14】 請求項13において、 上記複数の信号伝搬経路は、さらに、第2信号伝搬経路
    を含み、 上記第2信号伝搬経路の上記複数の論理回路のそれぞれ
    は、 上記第1しきい値電圧を有する上記第1導電型の第5M
    OSFETと、 上記第2しきい値電圧を有する上記第2導電型の第6M
    OSFETとを有する事を特徴とする半導体集積回路装
    置。
  15. 【請求項15】 請求項14において、 上記複数の信号伝搬経路は、さらに、第3信号伝搬経路
    を含み、 上記第3信号伝搬経路の上記複数の論理回路のそれぞれ
    は、 上記第3信号伝搬経路に信号が伝送される動作状態にお
    いて、 上記第3しきい値電圧を有する上記第1導電型の第7M
    OSFETと、 上記第4しきい値電圧を有する上記第2導電型の第8M
    OSFETとを有する事を特徴とする半導体集積回路装
    置。
  16. 【請求項16】 複数の信号伝搬経路を有し、 上記複数の信号伝搬経路のおのおのは、 タイミング信号により制御され、上記タイミング信号に
    応答して信号の取り込みと保持とを行う一対の保持回路
    と、上記一対の保持回路の間に電気的に結合された複数
    の論理回路を有し、 上記複数の信号伝搬経路は、第1信号伝搬経路を含み、 上記第1信号伝搬経路の上記複数の論理回路は、第1し
    きい値電圧を有する第1導電型の第1MOSFETと第
    2しきい値電圧を有する第2導電型の第2MOSFET
    を含む第1論理回路と、 上記第1しきい値電圧より小さい第3しきい値電圧を有
    する上記第1導電型の第3MOSFETと上記第2しき
    い値電圧より小さい第4しきい値電圧を有する上記第2
    導電型の第4MOSFETを含む第2論理回路と、 上記第3しきい値電圧より小さい第5しきい値電圧を有
    する上記第1導電型の第5MOSFETと上記第4しき
    い値電圧より小さい第6しきい値電圧を有する上記第2
    導電型の第7MOSFETを含む第3論理回路とを有す
    る事を特徴とする半導体集積回路装置。
  17. 【請求項17】 請求項16において、 上記複数の信号伝搬経路は、第2信号伝搬経路を含み、 上記第2信号伝搬経路の上記複数の論理回路の各々は、
    上記第1論理回路を含むことを特徴とする半導体集積回
    路装置。
  18. 【請求項18】 請求項17において、 上記複数の信号伝搬経路は、第3信号伝搬経路を含み、 上記第2信号伝搬経路の上記複数の論理回路の各々は、
    上記第2論理回路を含むことを特徴とする半導体集積回
    路装置。
  19. 【請求項19】 請求項18において、 上記複数の信号伝搬経路は、第4信号伝搬経路を含み、 上記第2信号伝搬経路の上記複数の論理回路の各々は、
    上記第3論理回路を含むことを特徴とする半導体集積回
    路装置。
  20. 【請求項20】 請求項19において、 上記複数の信号伝搬経路は、第5信号伝搬経路を含み、 上記第2信号伝搬経路の上記複数の論理回路は、上記第
    1論理回路と上記第2論理回路を含むことを特徴とする
    半導体集積回路装置。
  21. 【請求項21】 請求項20において、 上記複数の信号伝搬経路は、第6信号伝搬経路を含み、 上記第2信号伝搬経路の上記複数の論理回路は、上記第
    2論理回路と上記第3論理回路とを含むことを特徴とす
    る半導体集積回路装置。
  22. 【請求項22】 請求項21において、 上記複数の信号伝搬経路は、第7信号伝搬経路を含み、 上記第2信号伝搬経路の上記複数の論理回路は、上記第
    1論理回路と上記第3論理回路とを含むことを特徴とす
    る半導体集積回路装置。
  23. 【請求項23】 請求項16において、 上記第1乃至第6MOSFETの各々のチャネル領域を
    構成する半導体領域は、所定の電圧が印可される事を特
    徴とする半導体集積回路装置。
  24. 【請求項24】 請求項16において、 上記第1乃至第6MOSFETの各しきい値電圧の設定
    は、対応するMOSFETのチャネル領域を構成する半
    導体領域への選択的な不純物の導入と、そこに与えられ
    る電圧との組み合わせにより行われる事を特徴とする半
    導体集積回路装置。
  25. 【請求項25】 主面を有する半導体基板と、 上記主面に形成され、第1導電型の第1MOSFETが
    形成された第2導電型の第1半導体領域と、 上記半導体基板の第1方向において上記第1半導体領域
    に隣接するように上記主面に配置され、かつ、上記第2
    導電型のMOSFETが形成された上記第1導電型の第
    2半導体領域と、 上記第1方向と直行する第2方向において上記第1半導
    体領域に隣接するように上記主面に形成され、かつ、上
    記第1導電型の第3MOSFETが形成された上記第2
    導電型の第3半導体領域と、 上記第2方向において上記第2半導体領域に隣接するよ
    うに上記主面に形成され、かつ、上記第2導電型の第4
    MOSFETが形成された上記第2導電型の第4半導体
    領域と、 上記第1方向に、上記第1及び第2半導体領域に沿って
    設けられ、第1配線と、第2配線と、第3配線と、第4
    配線とを有する第1配線群と、 上記第2方向に、上記第1及び第3半導体領域に沿って
    設けられ、第5配線と第6配線とを有する第2配線群
    と、 上記第2方向に、上記第2及び第4半導体領域に沿って
    設けられ、第7配線と第8配線とを有する第3配線群と
    を有し、 上記第1配線は、上記第5配線を介して、上記第1半導
    体領域に電気的に接続され、 上記第2配線は、上記第6配線を介して、上記第3半導
    体領域に電気的に接続され、 上記第3配線は、上記第7配線を介して、上記第2半導
    体領域に電気的に接続され、 上記第4配線は、上記第8配線を介して、上記第4半導
    体領域に電気的に接続される事を特徴とする半導体集積
    回路装置。
  26. 【請求項26】 請求項25において、 上記第1配線群は、さらに、第1電源電圧を供給する第
    9配線と、第2電源電位を供給する第10配線とを含
    み、 上記第1乃至第4配線は、上記第9及び第10配線の間
    に配置される事を特徴とする半導体集積回路装置。
  27. 【請求項27】 主面を有する半導体基板と、 上記主面に形成され、第1導電型の複数の第1MOSF
    ETが形成された第2導電型の第1半導体領域と、 上記半導体基板の第1方向において上記第1半導体領域
    に隣接するように上記主面に配置され、かつ、上記第2
    導電型の複数のMOSFETが形成された上記第1導電
    型の第2半導体領域と、 上記第1方向と直行する第2方向において上記第1半導
    体領域に隣接するように上記主面に形成され、かつ、上
    記第1導電型の複数の第3MOSFETが形成された上
    記第2導電型の第3半導体領域と、 上記第2方向において上記第2半導体領域に隣接するよ
    うに上記主面に形成され、かつ、上記第2導電型の複数
    の第4MOSFETが形成された上記第2導電型の第4
    半導体領域と、 上記第1方向に、上記第1及び第2半導体領域に沿って
    設けられ、第1配線と、第2配線と、第3配線と、第4
    配線とを有する第1配線群と、 上記第2方向に、上記第1及び第3半導体領域に沿って
    設けられ、第5配線と第6配線とを有する第2配線群
    と、 上記第2方向に、上記第2及び第4半導体領域に沿って
    設けられ、第7配線と第8配線とを有する第3配線群と
    を有し、 上記第1配線は、上記第5配線を介して、上記第1半導
    体領域に電気的に接続され、 上記第2配線は、上記第6配線を介して、上記第3半導
    体領域に電気的に接続され、 上記第3配線は、上記第7配線を介して、上記第2半導
    体領域に電気的に接続され、 上記第4配線は、上記第8配線を介して、上記第4半導
    体領域に電気的に接続される事を特徴とする半導体集積
    回路装置。
  28. 【請求項28】 請求項27において、 上記第1配線群は、さらに、第1電源電圧を供給する第
    9配線と、第2電源電位を供給する第10配線とを含
    み、 上記第1乃至第4配線は、上記第9及び第10配線の間
    に配置される事を特徴とする半導体集積回路装置。
  29. 【請求項29】 請求項28において、 上記第5及び第6配線は、第1層目配線で形成され、 上記第1配線群は、第2層目配線で形成され、 上記第7及び第8配線は、第3層目配線で形成され、 上記第5及び第6配線は、上記第5及び第6配線と、上
    記第1層配線群上で、オーバーラップする事を特徴とす
    る半導体集積回路装置。
  30. 【請求項30】 請求項28において、 各半導体領域に形成される各MOSFETは、上記第1
    方向において、複数行に配置され、 上記複数行のMOSFETの間の領域に、上記第2及び
    第3配線群の対応する配線群が配置される事を特徴とす
    る半導体集積回路装置。
  31. 【請求項31】 MOSFETで構成され、クロック信
    号により信号の取り込みと保持が行なわれる複数のフリ
    ップフロップ回路と、上記フリップフロップ回路の間に
    設けられた論理ゲート回路とを備えたデジタル集積回路
    の設計方法であって、 上記フリップフロップ回路及び論理ゲート回路のMOS
    FETを第2のしきい値電圧に設定する第1の工程と、 上記第2のしきい値電圧のMOSFETを用いたときの
    2つのフリップフロップ回路とその間に設けられた論理
    段からなる信号伝達経路の中で最も大きな第1の信号遅
    延値を算出する第2の工程と、 上記MOSFETを上記第2のしきい値電圧よりも高い
    第1のしきい値電圧に置き換える第3の工程と、 上記第1のしきい値電圧のMOSFETのもとで、各信
    号伝達経路での信号遅延が、上記第1の信号遅延値より
    超えたものを抽出する第4の工程と、 上記抽出された信号伝達経路の各々において、その遅延
    時間が上記第1の遅延時間値よりも小さくなるまで、か
    かる信号伝達経路を構成するフリップフロップ回路及び
    論理ゲート回路を構成する各論理回路のMOSFETを
    上記第2のしきい値電圧に変更する第5の工程と、 を含むことを特徴とするデジタル集積回路の設計方法。
  32. 【請求項32】 請求項31において、 上記第5の工程での上記第2のしきい値電圧に変更され
    る論理回路は、そのファンアウト数が多いものが選ばれ
    ることを特徴とするデジタル集積回路の設計方法。
  33. 【請求項33】 請求項31又は32において、 上記第5の工程において信号伝達経路を構成する論理回
    路を全て上記第2のしきい値電圧に変更しても遅延時間
    が上記第1の遅延時間値よりも大きいとき、その遅延時
    間が上記第1の遅延時間値よりも小さくなるまで、上記
    フリップフロップ回路及び論理ゲート回路を構成する各
    論理回路のMOSFETを上記第2のしきい値電圧より
    も更に小さな第3のしきい値電圧に変更する第6の工程
    が更に設けられてなることを特徴とするデジタル集積回
    路の設計方法。
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