JP2004023047A - 半導体装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】電源電圧が低電圧化の回路においても、回路自体の待機電流を増やすことなく、セットアップマージンとホールドマージンを拡大することができ、この結果、回路設計上の余裕度を増すことができるとともに、選別不良率を低減することが可能となる半導体装置を提供する。
【解決手段】LSIの内部ロジック回路を構成する1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路においては、それぞれ、NMOSFETQn1の基板は基板バイアス電圧Vrefnに、PMOSFETQp1の基板は基板バイアス電圧Vrefpに接続される。この基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpは、それぞれ、待機時:Vrefn=−1V、Vrefp=+Vcc+1V、動作時:Vrefn=0V、Vrefp=+Vcc、のように設定することにより、待機時の各論理回路のリーク電流を削減することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】LSIの内部ロジック回路を構成する1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路においては、それぞれ、NMOSFETQn1の基板は基板バイアス電圧Vrefnに、PMOSFETQp1の基板は基板バイアス電圧Vrefpに接続される。この基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpは、それぞれ、待機時:Vrefn=−1V、Vrefp=+Vcc+1V、動作時:Vrefn=0V、Vrefp=+Vcc、のように設定することにより、待機時の各論理回路のリーク電流を削減することができる。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特に回路スピードの温度依存性を最小とするような回路設計に好適な半導体装置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者が検討したところによれば、回路スピードの温度依存性を考慮した半導体装置に関しては、以下のような技術が考えられる。
【0003】
一般に、半導体装置の回路では、高温ほどインバータスピードが低下する。これは、高温では、散乱機構によりキャリアの移動度や速度が低下するためと言われている。ただし、入力数の多いほど、インバータの遅延時間(tpd)の温度特性は弱くなるという傾向がある。回路設計にあたってはこの現象を考慮したマージン設計、および製品出荷にあたってはこの現象を考慮した試験をそれぞれ行う必要がある。
【0004】
たとえば、1入力論理回路(インバータ)を介して伝わるクロック信号が、種々の論理回路を介して伝わるデータ信号よりも高温での遅延が大きいため、高温では、ホールド不良(クロック信号が入る前に次のデータを読み込んでしまう不良、データ突抜け不良)が発生しやすくなる。言うまでもなく、逆に、低温では、セットアップ不良(クロック信号が来たときにデータを取り込めない不良、データ遅れ不良)が発生しやすくなる。従って、回路設計時には、高温でのホールドマージンと低温でのセットアップマージンを同時に満足するように、マージン設計が必要である。また、製品出荷時は、高温選別でのホールドマージン試験と低温選別でのセットアップマージン試験の双方を行わなければならない。
【0005】
なお、このような回路スピードの温度依存性を考慮した半導体装置に関する技術としては、たとえば特開平11−17522号、特開平10−51296号の各公報に記載される技術などが挙げられる。特開平11−17522号公報には、低しきい値電圧MOSFETと正規しきい値電圧MOSFETとを混合した多入力論理ブロックに関する技術が開示されている。特開平10−51296号公報には、(標準)しきい値電圧のMOSFETと高しきい値電圧のMOSFETとを混合した2入力論理回路に関する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような、回路スピードの温度依存性を考慮した半導体装置について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0007】
たとえば、本発明者は、デバイスのしきい値電圧を下げずに回路の低電圧化の検討を行ったところ、低電圧デバイスでは、逆に高温ほど論理回路スピードが速くなる傾向があること、特に入力数の多い論理回路ほどその傾向が強い場合があることを発見した。このようなデバイスを利用すると、設計上、新たな課題が発生する。
【0008】
従来のように、入力数に関わらずに論理回路スピードが正の温度特性を持つ場合は、高温でのホールドマージン試験は、回路スピード低下に対するマージンも同時に判定していることになる。しかし、負の特性を持つ論理回路が混在している場合、回路スピードが低温でワーストになる場合もあるため、低温選別試験項目を増やす必要があり、ロジック製品にとっては大幅なコストアップとなる。また、設計段階でも、各温度でのマージン確保が必要となる。
【0009】
具体的に、低電圧デバイス開発の検討の一環として、遅延時間の温度特性の電源電圧(Vcc)依存性をシミュレーションで調査したところ、新たな現象を発見した。すなわち、図17((a):1入力論理回路(インバータ)、(b):4入力NAND型論理回路)に示すように、▲1▼論理しきい値電圧Vtを固定し、Vccを下げた場合、論理回路遅延時間の温度依存性は、傾き正の関数から傾き負の関数に移る、▲2▼入力数が多いほど、遅延時間の温度依存性の相関は、負の傾きとなる、という結果となった。
【0010】
この原因を調査するため、低電圧化(Vcc=1.2V)での各タイプの論理回路について、遅延時間の温度特性の論理しきい値電圧(Vt)依存性をシミュレーションしたところ、図18((a):1入力論理回路(インバータ)、(b):4入力NAND型論理回路)に示すように、Vtが低い場合は高電源電圧の場合と同様、遅延時間の温度依存性は正の傾きを持つ関数であるが、Vtが高くなるにつれて、傾きが負の関数にシフトすることが判明した。
【0011】
すなわち、▲1▼論理しきい値電圧VtとVccの差が近くなると、論理回路の遅延時間の温度に対する相関は、正の傾きから負の傾きに移る、▲2▼入力数が多くなると、基板効果がかかった状態でMOSFETが動作するようになり、論理しきい値電圧Vtがさらに上昇してVccに近くなるため、この現象は顕著となる、▲3▼この現象は、回路電源電圧の低下に対し、顕著となり、実際には、電源電圧Vccを1.2Vに下げた世代から顕著となる現象であり、それに対応した設計手法を確立する必要がある、ということが明らかとなった。
【0012】
そこで、論理しきい値電圧VtとVccの差が近くなると、論理回路の遅延時間の温度に対する相関が負の傾きに移る理由を解析した。まず、Vcc=1.8Vの場合のNMOSFET、PMOSFETのI−V特性をシミュレーションした結果、高温状態ほど散乱機構により電流が減少しているのが確認できた。一方、Vcc=1.2Vの場合をシミュレーションした結果、このように電源電圧を下げた場合、論理しきい値電圧Vtが高温ほど低下するため、低いバイアス条件では高温ほど電流が低下する効果が顕著に現れることが確認できた。これは、高温で散乱機構により電流が減少する効果と相反する効果である。
【0013】
なお、論理しきい値電圧Vtが高温で減少する原因は公知である。たとえば、昭和61年3月25日、マグロウヒルブック株式会社発行の「半導体デバイスの基礎」の図4.7では、高温ほど半導体のフェルミレベルEfは真性半導体順位のEiに近づく、すなわち真性半導体に近い特性となることが述べられている。これは、built−in potential Φb≡|Ef−Ei|/qが高温ほど減少することを意味している。一般に論理しきい値電圧Vtは式(1)で近似されるため、高温ほどΦbが下がり、それによりVtが下がることが知られている。
【0014】
【数1】
【0015】
このように、電源電圧を下げて電源電圧と論理しきい値電圧Vtが近くなると、動作条件で論理しきい値電圧Vtが高温で低下し、低電圧状態でかえって電流が増えるため、論理回路遅延時間の温度特性の傾きが負の方向にシフトすることが、本発明者によって明らかになった。本発明者は、最初、このメカニズムを積極的に活用し、論理回路の温度依存性を最小に制御するデバイス設計手法を考案し、回路シミュレーションを実施した。しかし、回路スピードを達成するためには、デバイスのしきい値電圧を下げなければならないため、全論理回路の温度特性は正にせざるを得なかった。
【0016】
従って、本発明者は、リーク電流を削減する機構を別に加えることを前提とし、入力数に関わらずに各論理回路の正の傾きのtpdの温度変化率が揃うように論理回路内のMOSFETのしきい値電圧を低く作り分けることにより、セットアップマージンとホールドマージンを拡大する手法を発明するに至った。なお、前述した特開平11−17522号、特開平10−51296号の各公報には、リーク電流を削減する機構は備えられていない。
【0017】
そこで、本発明の目的は、電源電圧が低電圧化の回路においても、回路自体の待機電流を増やすことなく、セットアップマージンとホールドマージンを拡大することができ、この結果、回路設計上の余裕度を増すことができるとともに、選別不良率を低減することが可能となる半導体装置を提供することにある。
【0018】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0020】
本発明による半導体装置は、多入力論理回路(n入力NAND型論理回路、n入力NOR型論理回路)と、1入力論理回路(インバータ)と、待機時のリーク電流を削減する機構とを有し、以下のような特徴を有するものである。
【0021】
(1)前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記多入力論理回路中のソースを電圧源に接続した第1MOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2MOSFETのしきい値電圧に等しく、前記多入力論理回路中の前記第1MOSFET以外の第3MOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2MOSFETのしきい値電圧より低くなるように設定する機能を含むものである。
【0022】
(2)具体的な例として、前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記n入力NAND型論理回路中の低電圧源に最も近い第1NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2NMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NOR型論理回路中の高電圧源に最も近い第1PMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2PMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NAND型論理回路中の前記第1NMOSFET以外の第3NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2NMOSFETのしきい値電圧より低いか、または前記n入力NOR型論理回路中の前記第1PMOSFET以外の第3PMOSFETのしきい値電圧の絶対値を前記1入力論理回路の前記第2PMOSFETのしきい値電圧の絶対値より低くなるように設定する機能を含むものである。
【0023】
(3)具体的な他の例として、前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記n入力NAND型論理回路中の低電圧源に最も近い第1NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2NMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NOR型論理回路中の高電圧源に最も近い第1PMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2PMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NAND型論理回路中の出力部にドレインが接続した第3NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2NMOSFETのしきい値電圧より低いか、または前記n入力NOR型論理回路中の出力部にドレインが接続した第3PMOSFETのしきい値電圧の絶対値を前記1入力論理回路の前記第2PMOSFETのしきい値電圧の絶対値より低くなるように設定する機能を含むものである。
【0024】
よって、本発明による半導体装置によれば、電源電圧がたとえば1.2V以下などのような低電圧化の回路においても、回路自体の待機電流を増やすことなく、セットアップマージンとホールドマージンを拡大することができるようになる。この結果、回路スピードの温度依存性が最小になるような回路設計につながり、回路設計上の余裕度を増すことができるとともに、選別不良率を低減することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
図1により、本発明の一実施の形態の半導体装置の概略構成の一例を説明する。図1は本実施の形態の半導体装置の概略構成図を示す。
【0027】
本実施の形態の半導体装置(LSI)は、特に限定されるものではないが、たとえば内部ロジック回路1と、降圧回路2と、電圧発生回路3と、入出力回路4などから構成され、これらの各回路を構成する回路素子は公知の半導体集積回路の製造技術によって単結晶シリコンなどのような1個の半導体基板上において形成される。
【0028】
このLSIには、周辺部に電源用の外部端子が設けられ、これらの外部端子を通じて外部から高電圧源である電源電圧VCC、低電圧源である接地電圧(0V)がそれぞれ供給される。これに限定されるものではないが、たとえば一例として、外部からの電源電圧VCCとして3.3Vが供給され、この外部電源電圧VCCにより入出力回路4を動作させるとともに、この3.3Vが降圧回路2により1.2Vに降圧され、この1.2Vの内部電源電圧Vccにより内部ロジック回路1を動作させるような構成となっている。
【0029】
また、このLSIの周辺部には、前記電源用の外部端子の他に、データや各種制御信号用の外部端子が設けられ、これらの外部端子を通じてデータや各種制御信号が入力または出力可能となっている。特に、制御信号として、LSIをスタンバイ状態に移行させるスタンバイ信号が外部端子を通じて入力され、このスタンバイ信号により電圧発生回路3が制御され、基板バイアス電圧Vrefp,vrefnが発生されるようになっている。この基板バイアス電圧Vrefp,vrefnを発生する電圧発生回路3は、待機時のリーク電流を削減する機構として機能する。
【0030】
内部ロジック回路1には、たとえばCPU11、複数のロジック回路12,13などが設けられている。これらの各回路は、たとえば一例として、1入力論理回路(インバータ)や多入力論理回路などから構成され、この多入力論理回路には2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路、・・・、n入力NAND型論理回路、n入力NOR型論理回路などが含まれる。
【0031】
この内部ロジック回路1を構成する各回路は、内部電源電圧Vccにより動作し、また各回路を構成するトランジスタのうち、各PMOSFETには電圧発生回路3により発生された基板バイアス電圧Vrefpが、各NMOSFETには電圧発生回路3により発生された基板バイアス電圧Vrefnがそれぞれ印加され、各MOSFETのしきい値電圧Vthp,Vthnが制御されて動作するようになっている。
【0032】
次に、図2〜図4により、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路)の回路構成の一例を説明する。それぞれ、図2は1入力論理回路(インバータ)、図3は2入力NAND型論理回路、図4は2入力NOR型論理回路の回路図を示す。
【0033】
1入力論理回路(インバータ)は、図2に示すように、PMOSFETQp1と、NMOSFETQn1からなり、PMOSFETQp1のソースが電源電圧Vccに、NMOSFETQn1のソースが接地電圧にそれぞれ接続されている。PMOSFETQp1とNMOSFETQn1との共通に接続されたゲートには、入力信号INが入力され、また共通に接続されたドレインから出力信号OUTが出力される。
【0034】
2入力NAND型論理回路は、図3に示すように、並列接続されたPMOSFETQp1と、直列接続されたNMOSFETQn1,Qn2からなり、PMOSFETQp1のソースが共通に電源電圧Vccに、NMOSFETQn1のソースが接地電圧にそれぞれ接続されている。NMOSFETQn1のドレインには、NMOSFETQn2のソースが接続されている。一方のPMOSFETQp1とNMOSFETQn1の共通に接続されたゲートに入力信号IN1が、他方のPMOSFETQp1とNMOSFETQn2の共通に接続されたゲートに入力信号IN2がそれぞれ入力され、またPMOSFETQp1とNMOSFETQn2の共通に接続されたドレインから出力信号OUTが出力される。
【0035】
2入力NOR型論理回路は、図4に示すように、直列接続されたPMOSFETQp1,Qp2と、並列接続されたNMOSFETQn1からなり、PMOSFETQp1のソースが電源電圧Vccに、NMOSFETQn1のソースが共通に接地電圧にそれぞれ接続されている。PMOSFETQp1のドレインには、PMOSFETQp2のソースが接続されている。PMOSFETQp1と一方のNMOSFETQn1の共通に接続されたゲートに入力信号IN1が、PMOSFETQp2と他方のNMOSFETQn1の共通に接続されたゲートに入力信号IN2がそれぞれ入力され、またPMOSFETQp2とNMOSFETQn1の共通に接続されたドレインから出力信号OUTが出力される。
【0036】
以上のように構成される1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路においては、それぞれ、NMOSFETQn1,Qn2の基板(P型ウェル)は基板バイアス電圧Vrefnに、PMOSFETQp1,Qp2の基板(N型ウェル)は基板バイアス電圧Vrefpに接続される。基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpは、それぞれ、
待機時:Vrefn=−1V、Vrefp=+Vcc+1V
動作時:Vrefn=0V、Vrefp=+Vcc
のように設定することにより、待機時の各論理回路のリーク電流を削減することができる。
【0037】
たとえば一例として、図2に示すように、NMOSFETQn1の基板、PMOSFETQp1の基板にはそれぞれ、前記図1に示した電圧発生回路3から発生された基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpが印加され、内部電源電圧Vccが1.2Vの場合には、スタンバイ時のNMOSFETQn1の基板バイアス電圧Vrefnは−1Vに、PMOSFETQp1の基板バイアス電圧Vrefpは+2.2Vにそれぞれ設定される。なお、動作状態からスタンバイ状態への移行は、たとえば図1に示すように外部からスタンバイ信号が入力されたときや、内部のCPU11の制御によって発生されたスタンバイ信号などによって可能となる。
【0038】
以上のように設定される基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpに関係して、1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路において、NMOSFETQn1のしきい値電圧Vthn1、PMOSFETQp1のしきい値電圧Vthp1は、回路スピードを達成するために決められる。
【0039】
また、2入力NAND型論理回路のNMOSFETQn2のしきい値電圧Vthn2は、2入力NAND型論理回路のtpd(遅延時間)の温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように設定する。前記に述べた理由で、
Vthn1>Vthn2
となる。
【0040】
さらに、2入力NOR型論理回路のPMOSFETQp2のしきい値電圧Vthp2は、2入力NOR型論理回路のtpdの温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように設定する。前記に述べた理由で、
|Vthp1|>|Vthp2|
となる。
【0041】
次に、図5〜図7により、前述した1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路のレイアウト構成の一例を説明する。それぞれ、図5は1入力論理回路(インバータ)、図6は2入力NAND型論理回路、図7は2入力NOR型論理回路のレイアウト図を示す。
【0042】
1入力論理回路(インバータ)は、図5に示すように、基板上のN型ウェルNWell上にPMOSFETQp1が、P型ウェルPWell上にNMOSFETQn1がそれぞれ配置されている。PMOSFETQp1およびNMOSFETQn1は、それぞれ、ソース、ドレインを形成するアクティブ領域からコンタクト孔を通じてメタル配線に接続され、またアクティブ領域上のソースとドレインの間にはゲートが設けられ、コンタクト孔を通じてメタル配線に接続されている。特に、N型ウェルNWell上のアクティブ領域、P型ウェルPWell上のアクティブ領域は、それぞれ、コンタクト孔を通じて基板バイアス電圧Vrefp,Vrefn用のメタル配線と接続されている。
【0043】
2入力NAND型論理回路は、図6に示すように、基板上のN型ウェルNWell上に並列接続のPMOSFETQp1が、P型ウェルPWell上に直列接続のNMOSFETQn1,Qn1がそれぞれ配置されている。PMOSFETQp1およびNMOSFETQn1,Qn2は、1入力論理回路(インバータ)と同様に形成されるが、並列接続のPMOSFETQp1のドレインはアクティブ領域において共通に配置されている。
【0044】
2入力NOR型論理回路は、図7に示すように、基板上のN型ウェルNWell上に直列接続されたPMOSFETQp1,Qp2が、P型ウェルPWell上に並列接続されたNMOSFETQn1がそれぞれ形成されている。PMOSFETQp1,Qp2およびNMOSFETQn1は、1入力論理回路(インバータ)と同様に形成されるが、並列接続のNMOSFETQn1のドレインはアクティブ領域において共通に配置されている。
【0045】
次に、図8〜図11により、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の製造方法の一例を説明する。それぞれ、図8〜図11はNMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図を示す。
【0046】
まず、図8(a)に示すように、シリコン(Si)基板P−Subに対し、素子分離のためのSGI(Shallow Groove Isolation)を形成する。次に、図8(b)に示すように、レジストResをマスクに用いて選択的にボロンなどのアクセプタの深いイオン打ち込みを行い、深いP型ウェルP−Wellを形成する。次に、図8(c)に示すように、レジストResをマスクに用いて選択的にリンなどのドナーの深いイオン打ち込みを行い、深いN型ウェルN−Wellを形成する。
【0047】
続いて、両ウェルP−Well,N−Wellの活性化のための熱処理を行った後、図8(d)に示すように、P型ウェルP−Wellの領域に対して選択的にBF2などのアクセプタのイオン打ち込みを行い、NMOFETの表面チャネル濃度を所望のプロファイルになるように設定する。一方、PMOSFETに対しては、図9(e)に示すように、N型ウェルN−Wellの領域に対して選択的にヒ素などのドナーのイオン打ち込みを行い、PMOFETの表面チャネル濃度を所望のプロファイルになるように設定する。
【0048】
次に、図9(f)に示すように、ゲート絶縁膜GI、多結晶Siなどで形成したゲート電極GEを堆積後、P型ウェルP−Well上のゲート電極GEに対して選択的にリンなどのドナーの浅いイオン打ち込みを行い、NMOSFETのゲート電極GEを濃いN型にする。同様に、図9(g)に示すように、N型ウェルN−Well上のゲート電極GEに対して選択的にBF2などのアクセプタの浅いイオン打ち込みを行い、PMOSFETのゲート電極GEを濃いP型にする。
【0049】
続いて、ゲート電極GEを加工後、図9(h)に示すように、P型ウェルP−Well内にヒ素などのドナー、およびボロンなどのアクセプタをそれぞれ浅く、深くイオン打ち込みし、ゲート電極GEに対して自己整合で、NMOSFETの低濃度ドレイン(LDD)N−およびポケット層PHを形成する。同様に、図10(i)に示すように、N型ウェルN−Well内にBF2などのアクセプタ、およびリンなどのドナーをそれぞれ浅く、深くイオン打ち込みし、ゲート電極GEに対して自己整合で、PMOSFETの低濃度ドレイン(LDD)P−およびポケット層NHを形成する。
【0050】
次に、図10(j)に示すように、ゲート電極GEの側壁にスペーサSPを形成後、図10(k)に示すように、P型ウェルP−Well上に選択的にヒ素などのドナーのイオン打ち込みを行い、ゲート電極GEおよびスペーサSPに対して自己整合で、NMOSFETの高濃度ソース/ドレインN+を形成する。同様に、図10(l)に示すように、N型ウェルN−Well上に選択的にBF2などのアクセプタのイオン打ち込みを行い、ゲート電極GEおよびスペーサSPに対して自己整合で、PMOSFETの高濃度ソース/ドレインP+を形成する。
【0051】
続いて、図11(m)に示すように、パッシベーション膜PIを堆積してコンタクト孔を形成後、図11(n)に示すように、タングステン(W)などのプラグ材PLを埋め込み、図11(o)に示すように、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)のメタル配線MWを形成する。これで、ゲートG、ソースS、ドレインDの端子を持つNMOSFETおよびゲートG、ソースS、ドレインDの端子を持つPMOSFETで構成するCMOS回路が完成する。
【0052】
以上のPMOSFETとNMOSFETの製造工程において、NMOSFETのVthを調整するためには、図8(d)で示したチャネルイオン打ち込みドーズ量を最適化すればよい。同様に、PMOSFETのVthを調整するためには、図9(e)で示したチャネルイオン打ち込みドーズ量を最適化すればよい。たとえば、Vthを作り分ける場合は、MOSFET毎に、チャネルイオン打ち込み量を分ければよい。
【0053】
次に、図12により、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路)におけるtpdの温度特性を、本発明と従来技術とを比較して説明する。それぞれ、(a),(b)は従来技術のtpdの温度特性、(c),(d)は本発明のtpdの温度特性を示す。なお、図12においては、前述した2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路を含めた4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路までの多入力論理回路を考慮して示している。
【0054】
図12(a),(b)は、従来技術において、論理回路のNMOSFET(Qn1〜Qn4)、PMOSFET(Qp1〜Qp4)のしきい値電圧を作り分けない場合の、論理回路のtpdの温度変化率を示している。4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路のtpdの温度特性は負の傾きを有し、1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度特性は正の傾きを有する。前記に述べた理由により、このような温度特性を持つ場合、ホールドマージンおよびセットアップマージンの設計が困難となる。
【0055】
一方、図12(c),(d)に示すように、本発明においては、前述したように、しきい値電圧Vthを、
NMOSFET:Vth(Qn1)≧Vth(Qn2)≧Vth(Qn3)≧Vth(Qn4)かつVth(Qn1)>Vth(Qn4)
PMOSFET:|Vth(Qp1)|≧|Vth(Qp2)|≧|Vth(Qp3)|≧|Vth(Qp4)|かつ|Vth(Qp1)|>|Vth(Qp4)|
と作り分けることにより、入力数によらず、論理回路の温度変化率を揃えることが可能となる。すなわち、1入力論理回路(インバータ)、4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路のいずれにおいても、tpdの温度特性は正の傾きを有するように均等化することができる。
【0056】
次に、図13〜図15により、電源スイッチを接続した、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路)の回路構成の一例を説明する。それぞれ、図13は電源スイッチを接続した1入力論理回路(インバータ)、図14は電源スイッチを接続した2入力NAND型論理回路、図15は電源スイッチを接続した2入力NOR型論理回路の回路図を示す。
【0057】
電源スイッチを接続した1入力論理回路(インバータ)は、図13に示すように、PMOSFETQp1と、NMOSFETQn1と、スイッチMOSFETQswからなり、前述した図2の1入力論理回路(インバータ)に対して、NMOSFETQn1のソースと接地電圧との間に、スタンバイ制御信号SWにより制御されるスイッチMOSFETQswが接続されて構成されている。
【0058】
電源スイッチを接続した2入力NAND型論理回路は、図14に示すように、並列接続されたPMOSFETQp1と、直列接続されたNMOSFETQn1,Qn2と、スイッチMOSFETQswからなり、前述した図3の2入力NAND型論理回路に対して、NMOSFETQn1のソースと接地電圧との間に、スタンバイ制御信号SWにより制御されるスイッチMOSFETQswが接続されて構成されている。
【0059】
電源スイッチを接続した2入力NOR型論理回路は、図15に示すように、直列接続されたPMOSFETQp1,Qp2と、並列接続されたNMOSFETQn1と、スイッチMOSFETQswからなり、前述した図4の2入力NOR型論理回路に対して、NMOSFETQn1のソースと接地電圧との間に、スタンバイ制御信号SWにより制御されるスイッチMOSFETQswが接続されて構成されている。
【0060】
以上のように構成される、電源スイッチを接続した、1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路においては、それぞれ、NMOSFETQn1,Qn2の基板(P型ウェル)は接地電圧に、PMOSFETQp1,Qp2の基板(N型ウェル)は電源電圧Vccに、スイッチMOSFETQswの基板(P型ウェル)は基板バイアス電圧Vrefnに接続される。
【0061】
このように、1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路の各論理回路に、直列にスイッチMOSFETQswを接続し、待機時にスタンバイ制御信号SWによりスイッチMOSFETQswをオンにすることで、待機時のリーク電流を削減することができる。このスイッチMOSFETQswの部分は、待機時のリーク電流を削減する回路として機能する。
【0062】
このスイッチMOSFETQswは、論理回路内のNMOSFETQn1,Qn2に対して、ゲート長、ゲート幅、しきい値電圧、ゲート絶縁膜厚などがデバイス的に異なる仕様となっている。たとえば、スイッチMOSFETQswは、論理回路内のNMOSFETQn1,Qn2よりゲート幅がおよそ100倍大きく、待機時はVrefnおよびゲート電位を−1Vに設定してVthを上げることによりリーク電流を下げ、動作時はVrefn=0.5V(順方向)、ゲート電位をVccに設定すれば、スイッチMOSFETQswの電位降下は無視することができる。
【0063】
一般に、ロジック回路では、異なる論理回路の貫通電流が同時に流れる確率は小さいため、このスイッチMOSFETQswを、全論理回路に対して共通に用いてもよい。また、スイッチMOSFETQswでは、動作上、ホットキャリアが問題となるようなバイアスがかからないため、ゲート絶縁膜の信頼度が許容される範囲でゲート絶縁膜を薄膜化すれば、動作時のスイッチMOSFETQswの電圧降下をさらに低減しながら待機時のリーク電流を削減することができるので、より本発明のメリットを活かすことが可能となる。
【0064】
なお、スイッチMOSFETQswは、接地電圧側に接続する場合に限らず、電源電圧Vcc側に接続したり、あるいは接地電圧側と電源電圧Vcc側の両方に接続することも可能である。
【0065】
次に、図16により、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路)の全論理回路におけるtpdの温度変化率が最小になるようにしきい値電圧を作り分けた場合を説明する。それぞれ、(a)は1入力論理回路(インバータ)、(b)は4入力NAND型論理回路、(c)は4入力NOR型論理回路のtpdの温度特性を示し、また(d)は各デバイスのしきい値電圧を示す。なお、図16においては、前述した2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路を含めた4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路までの多入力論理回路を考慮して示している。
【0066】
本実施の形態では、さらに応用し、1入力論理回路(インバータ)の温度変化率が最小になるように1入力論理回路(インバータ)を構成するNMOSFETおよびPMOSFETのしきい値電圧Vthを設定し、n入力NAND型論理回路のtpdの温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように接地電圧からn番目のNMOSFETのしきい値電圧Vthを設定し、n入力NOR型論理回路のtpdの温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように電源電圧Vccからn番目のNMOSFETのしきい値電圧を設定すれば、全ての論理回路の温度変化率を揃えることができる。
【0067】
たとえば、図16(a),(b),(c)に示すように、最大入力数が4の場合は、およそ−50℃からおよそ120℃までの全論理回路の温度変化率をおよそ1%以内にすることができる。これにより、セットアップマージン、ホールドマージンを改善するとともに、常温のみの選別試験を実施すればよいため、選別コストを削減することができる。また、全回路においてスピードの温度依存性がないため、温度依存性を考慮せずにロジック回路の設計を実施できるようになり、設計効率を改善することができる。
【0068】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0069】
たとえば、前記実施の形態においては、多入力論理回路として、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路を例に図示し、4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路までを考慮して説明したが、さらに5入力以上の多入力論理回路についても同様に適用可能である。
【0070】
また、本発明は、特にロジック回路を搭載するLSIの分野に適用でき、特にSOGに好適であり、さらにLSI全般に広く応用することができる。
【0071】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0072】
(1)電源電圧がたとえば1.2V以下などのような低電圧化の回路においても、回路自体の待機電流を増やすことなく、セットアップマージンとホールドマージンを拡大することが可能となる。
【0073】
(2)前記(1)により、回路スピードの温度依存性が最小になるように回路を設計することができるので、回路スピードのセットアップマージンとホールドマージンの拡大によって設計自由度を増すことが可能となる。
【0074】
(3)前記(1)により、回路スピードの温度依存性が最小になるように回路を設計することができるので、回路スピードのセットアップマージンとホールドマージンの拡大によって選別不良率を低減することが可能となる。
【0075】
(4)前記(1)〜(3)により、電源電圧が低電圧化の半導体装置において、待機電流値を増やすことなく、回路のホールドマージン、セットアップマージンを拡大することができるので、回路設計上の余裕度を増すことができるとともに、選別試験歩留まりを改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の半導体装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態の半導体装置において、1入力論理回路(インバータ)を示す回路図である。
【図3】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NAND型論理回路を示す回路図である。
【図4】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NOR型論理回路を示す回路図である。
【図5】本発明の一実施の形態の半導体装置において、1入力論理回路(インバータ)を示すレイアウト図である。
【図6】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NAND型論理回路を示すレイアウト図である。
【図7】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NOR型論理回路を示すレイアウト図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図9】(e)〜(h)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、図8に続く、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図10】(i)〜(l)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、図9に続く、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図11】(m)〜(o)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、図10に続く、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図12】(a)〜(d)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、本発明と従来技術とを比較してtpdの温度特性を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態の半導体装置において、電源スイッチを接続した1入力論理回路(インバータ)を示す回路図である。
【図14】本発明の一実施の形態の半導体装置において、電源スイッチを接続した2入力NAND型論理回路を示す回路図である。
【図15】本発明の一実施の形態の半導体装置において、電源スイッチを接続した2入力NOR型論理回路を示す回路図である。
【図16】(a)〜(d)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路の全論理回路におけるtpdの温度変化率が最小になるようにしきい値電圧を作り分けた場合を示す説明図である。
【図17】(a),(b)は本発明において、種々の論理回路の遅延時間の温度特性の電源電圧依存性をシミュレーションした結果を示す説明図である。
【図18】(a),(b)は本発明において、種々の論理回路の遅延時間の温度特性の論理しきい値電圧依存性をシミュレーションした結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 内部ロジック回路
2 降圧回路
3 電圧発生回路
4 入出力回路
11 CPU
12,13 ロジック回路
Qp1,Qp2 PMOSFET
Qn1,Qn2 NMOSFET
Qsw スイッチMOSFET
VCC 外部電源電圧
Vcc 内部電源電圧
Vrefp,Vrefn 基板バイアス電圧
IN,IN1,IN2 入力信号
OUT 出力信号
SW スタンバイ制御信号
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に関し、特に回路スピードの温度依存性を最小とするような回路設計に好適な半導体装置に適用して有効な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
本発明者が検討したところによれば、回路スピードの温度依存性を考慮した半導体装置に関しては、以下のような技術が考えられる。
【0003】
一般に、半導体装置の回路では、高温ほどインバータスピードが低下する。これは、高温では、散乱機構によりキャリアの移動度や速度が低下するためと言われている。ただし、入力数の多いほど、インバータの遅延時間(tpd)の温度特性は弱くなるという傾向がある。回路設計にあたってはこの現象を考慮したマージン設計、および製品出荷にあたってはこの現象を考慮した試験をそれぞれ行う必要がある。
【0004】
たとえば、1入力論理回路(インバータ)を介して伝わるクロック信号が、種々の論理回路を介して伝わるデータ信号よりも高温での遅延が大きいため、高温では、ホールド不良(クロック信号が入る前に次のデータを読み込んでしまう不良、データ突抜け不良)が発生しやすくなる。言うまでもなく、逆に、低温では、セットアップ不良(クロック信号が来たときにデータを取り込めない不良、データ遅れ不良)が発生しやすくなる。従って、回路設計時には、高温でのホールドマージンと低温でのセットアップマージンを同時に満足するように、マージン設計が必要である。また、製品出荷時は、高温選別でのホールドマージン試験と低温選別でのセットアップマージン試験の双方を行わなければならない。
【0005】
なお、このような回路スピードの温度依存性を考慮した半導体装置に関する技術としては、たとえば特開平11−17522号、特開平10−51296号の各公報に記載される技術などが挙げられる。特開平11−17522号公報には、低しきい値電圧MOSFETと正規しきい値電圧MOSFETとを混合した多入力論理ブロックに関する技術が開示されている。特開平10−51296号公報には、(標準)しきい値電圧のMOSFETと高しきい値電圧のMOSFETとを混合した2入力論理回路に関する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記のような、回路スピードの温度依存性を考慮した半導体装置について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
【0007】
たとえば、本発明者は、デバイスのしきい値電圧を下げずに回路の低電圧化の検討を行ったところ、低電圧デバイスでは、逆に高温ほど論理回路スピードが速くなる傾向があること、特に入力数の多い論理回路ほどその傾向が強い場合があることを発見した。このようなデバイスを利用すると、設計上、新たな課題が発生する。
【0008】
従来のように、入力数に関わらずに論理回路スピードが正の温度特性を持つ場合は、高温でのホールドマージン試験は、回路スピード低下に対するマージンも同時に判定していることになる。しかし、負の特性を持つ論理回路が混在している場合、回路スピードが低温でワーストになる場合もあるため、低温選別試験項目を増やす必要があり、ロジック製品にとっては大幅なコストアップとなる。また、設計段階でも、各温度でのマージン確保が必要となる。
【0009】
具体的に、低電圧デバイス開発の検討の一環として、遅延時間の温度特性の電源電圧(Vcc)依存性をシミュレーションで調査したところ、新たな現象を発見した。すなわち、図17((a):1入力論理回路(インバータ)、(b):4入力NAND型論理回路)に示すように、▲1▼論理しきい値電圧Vtを固定し、Vccを下げた場合、論理回路遅延時間の温度依存性は、傾き正の関数から傾き負の関数に移る、▲2▼入力数が多いほど、遅延時間の温度依存性の相関は、負の傾きとなる、という結果となった。
【0010】
この原因を調査するため、低電圧化(Vcc=1.2V)での各タイプの論理回路について、遅延時間の温度特性の論理しきい値電圧(Vt)依存性をシミュレーションしたところ、図18((a):1入力論理回路(インバータ)、(b):4入力NAND型論理回路)に示すように、Vtが低い場合は高電源電圧の場合と同様、遅延時間の温度依存性は正の傾きを持つ関数であるが、Vtが高くなるにつれて、傾きが負の関数にシフトすることが判明した。
【0011】
すなわち、▲1▼論理しきい値電圧VtとVccの差が近くなると、論理回路の遅延時間の温度に対する相関は、正の傾きから負の傾きに移る、▲2▼入力数が多くなると、基板効果がかかった状態でMOSFETが動作するようになり、論理しきい値電圧Vtがさらに上昇してVccに近くなるため、この現象は顕著となる、▲3▼この現象は、回路電源電圧の低下に対し、顕著となり、実際には、電源電圧Vccを1.2Vに下げた世代から顕著となる現象であり、それに対応した設計手法を確立する必要がある、ということが明らかとなった。
【0012】
そこで、論理しきい値電圧VtとVccの差が近くなると、論理回路の遅延時間の温度に対する相関が負の傾きに移る理由を解析した。まず、Vcc=1.8Vの場合のNMOSFET、PMOSFETのI−V特性をシミュレーションした結果、高温状態ほど散乱機構により電流が減少しているのが確認できた。一方、Vcc=1.2Vの場合をシミュレーションした結果、このように電源電圧を下げた場合、論理しきい値電圧Vtが高温ほど低下するため、低いバイアス条件では高温ほど電流が低下する効果が顕著に現れることが確認できた。これは、高温で散乱機構により電流が減少する効果と相反する効果である。
【0013】
なお、論理しきい値電圧Vtが高温で減少する原因は公知である。たとえば、昭和61年3月25日、マグロウヒルブック株式会社発行の「半導体デバイスの基礎」の図4.7では、高温ほど半導体のフェルミレベルEfは真性半導体順位のEiに近づく、すなわち真性半導体に近い特性となることが述べられている。これは、built−in potential Φb≡|Ef−Ei|/qが高温ほど減少することを意味している。一般に論理しきい値電圧Vtは式(1)で近似されるため、高温ほどΦbが下がり、それによりVtが下がることが知られている。
【0014】
【数1】
【0015】
このように、電源電圧を下げて電源電圧と論理しきい値電圧Vtが近くなると、動作条件で論理しきい値電圧Vtが高温で低下し、低電圧状態でかえって電流が増えるため、論理回路遅延時間の温度特性の傾きが負の方向にシフトすることが、本発明者によって明らかになった。本発明者は、最初、このメカニズムを積極的に活用し、論理回路の温度依存性を最小に制御するデバイス設計手法を考案し、回路シミュレーションを実施した。しかし、回路スピードを達成するためには、デバイスのしきい値電圧を下げなければならないため、全論理回路の温度特性は正にせざるを得なかった。
【0016】
従って、本発明者は、リーク電流を削減する機構を別に加えることを前提とし、入力数に関わらずに各論理回路の正の傾きのtpdの温度変化率が揃うように論理回路内のMOSFETのしきい値電圧を低く作り分けることにより、セットアップマージンとホールドマージンを拡大する手法を発明するに至った。なお、前述した特開平11−17522号、特開平10−51296号の各公報には、リーク電流を削減する機構は備えられていない。
【0017】
そこで、本発明の目的は、電源電圧が低電圧化の回路においても、回路自体の待機電流を増やすことなく、セットアップマージンとホールドマージンを拡大することができ、この結果、回路設計上の余裕度を増すことができるとともに、選別不良率を低減することが可能となる半導体装置を提供することにある。
【0018】
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0020】
本発明による半導体装置は、多入力論理回路(n入力NAND型論理回路、n入力NOR型論理回路)と、1入力論理回路(インバータ)と、待機時のリーク電流を削減する機構とを有し、以下のような特徴を有するものである。
【0021】
(1)前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記多入力論理回路中のソースを電圧源に接続した第1MOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2MOSFETのしきい値電圧に等しく、前記多入力論理回路中の前記第1MOSFET以外の第3MOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2MOSFETのしきい値電圧より低くなるように設定する機能を含むものである。
【0022】
(2)具体的な例として、前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記n入力NAND型論理回路中の低電圧源に最も近い第1NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2NMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NOR型論理回路中の高電圧源に最も近い第1PMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2PMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NAND型論理回路中の前記第1NMOSFET以外の第3NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2NMOSFETのしきい値電圧より低いか、または前記n入力NOR型論理回路中の前記第1PMOSFET以外の第3PMOSFETのしきい値電圧の絶対値を前記1入力論理回路の前記第2PMOSFETのしきい値電圧の絶対値より低くなるように設定する機能を含むものである。
【0023】
(3)具体的な他の例として、前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記n入力NAND型論理回路中の低電圧源に最も近い第1NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2NMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NOR型論理回路中の高電圧源に最も近い第1PMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2PMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NAND型論理回路中の出力部にドレインが接続した第3NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2NMOSFETのしきい値電圧より低いか、または前記n入力NOR型論理回路中の出力部にドレインが接続した第3PMOSFETのしきい値電圧の絶対値を前記1入力論理回路の前記第2PMOSFETのしきい値電圧の絶対値より低くなるように設定する機能を含むものである。
【0024】
よって、本発明による半導体装置によれば、電源電圧がたとえば1.2V以下などのような低電圧化の回路においても、回路自体の待機電流を増やすことなく、セットアップマージンとホールドマージンを拡大することができるようになる。この結果、回路スピードの温度依存性が最小になるような回路設計につながり、回路設計上の余裕度を増すことができるとともに、選別不良率を低減することが可能となる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一機能を有する部材には同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0026】
図1により、本発明の一実施の形態の半導体装置の概略構成の一例を説明する。図1は本実施の形態の半導体装置の概略構成図を示す。
【0027】
本実施の形態の半導体装置(LSI)は、特に限定されるものではないが、たとえば内部ロジック回路1と、降圧回路2と、電圧発生回路3と、入出力回路4などから構成され、これらの各回路を構成する回路素子は公知の半導体集積回路の製造技術によって単結晶シリコンなどのような1個の半導体基板上において形成される。
【0028】
このLSIには、周辺部に電源用の外部端子が設けられ、これらの外部端子を通じて外部から高電圧源である電源電圧VCC、低電圧源である接地電圧(0V)がそれぞれ供給される。これに限定されるものではないが、たとえば一例として、外部からの電源電圧VCCとして3.3Vが供給され、この外部電源電圧VCCにより入出力回路4を動作させるとともに、この3.3Vが降圧回路2により1.2Vに降圧され、この1.2Vの内部電源電圧Vccにより内部ロジック回路1を動作させるような構成となっている。
【0029】
また、このLSIの周辺部には、前記電源用の外部端子の他に、データや各種制御信号用の外部端子が設けられ、これらの外部端子を通じてデータや各種制御信号が入力または出力可能となっている。特に、制御信号として、LSIをスタンバイ状態に移行させるスタンバイ信号が外部端子を通じて入力され、このスタンバイ信号により電圧発生回路3が制御され、基板バイアス電圧Vrefp,vrefnが発生されるようになっている。この基板バイアス電圧Vrefp,vrefnを発生する電圧発生回路3は、待機時のリーク電流を削減する機構として機能する。
【0030】
内部ロジック回路1には、たとえばCPU11、複数のロジック回路12,13などが設けられている。これらの各回路は、たとえば一例として、1入力論理回路(インバータ)や多入力論理回路などから構成され、この多入力論理回路には2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路、・・・、n入力NAND型論理回路、n入力NOR型論理回路などが含まれる。
【0031】
この内部ロジック回路1を構成する各回路は、内部電源電圧Vccにより動作し、また各回路を構成するトランジスタのうち、各PMOSFETには電圧発生回路3により発生された基板バイアス電圧Vrefpが、各NMOSFETには電圧発生回路3により発生された基板バイアス電圧Vrefnがそれぞれ印加され、各MOSFETのしきい値電圧Vthp,Vthnが制御されて動作するようになっている。
【0032】
次に、図2〜図4により、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路)の回路構成の一例を説明する。それぞれ、図2は1入力論理回路(インバータ)、図3は2入力NAND型論理回路、図4は2入力NOR型論理回路の回路図を示す。
【0033】
1入力論理回路(インバータ)は、図2に示すように、PMOSFETQp1と、NMOSFETQn1からなり、PMOSFETQp1のソースが電源電圧Vccに、NMOSFETQn1のソースが接地電圧にそれぞれ接続されている。PMOSFETQp1とNMOSFETQn1との共通に接続されたゲートには、入力信号INが入力され、また共通に接続されたドレインから出力信号OUTが出力される。
【0034】
2入力NAND型論理回路は、図3に示すように、並列接続されたPMOSFETQp1と、直列接続されたNMOSFETQn1,Qn2からなり、PMOSFETQp1のソースが共通に電源電圧Vccに、NMOSFETQn1のソースが接地電圧にそれぞれ接続されている。NMOSFETQn1のドレインには、NMOSFETQn2のソースが接続されている。一方のPMOSFETQp1とNMOSFETQn1の共通に接続されたゲートに入力信号IN1が、他方のPMOSFETQp1とNMOSFETQn2の共通に接続されたゲートに入力信号IN2がそれぞれ入力され、またPMOSFETQp1とNMOSFETQn2の共通に接続されたドレインから出力信号OUTが出力される。
【0035】
2入力NOR型論理回路は、図4に示すように、直列接続されたPMOSFETQp1,Qp2と、並列接続されたNMOSFETQn1からなり、PMOSFETQp1のソースが電源電圧Vccに、NMOSFETQn1のソースが共通に接地電圧にそれぞれ接続されている。PMOSFETQp1のドレインには、PMOSFETQp2のソースが接続されている。PMOSFETQp1と一方のNMOSFETQn1の共通に接続されたゲートに入力信号IN1が、PMOSFETQp2と他方のNMOSFETQn1の共通に接続されたゲートに入力信号IN2がそれぞれ入力され、またPMOSFETQp2とNMOSFETQn1の共通に接続されたドレインから出力信号OUTが出力される。
【0036】
以上のように構成される1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路においては、それぞれ、NMOSFETQn1,Qn2の基板(P型ウェル)は基板バイアス電圧Vrefnに、PMOSFETQp1,Qp2の基板(N型ウェル)は基板バイアス電圧Vrefpに接続される。基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpは、それぞれ、
待機時:Vrefn=−1V、Vrefp=+Vcc+1V
動作時:Vrefn=0V、Vrefp=+Vcc
のように設定することにより、待機時の各論理回路のリーク電流を削減することができる。
【0037】
たとえば一例として、図2に示すように、NMOSFETQn1の基板、PMOSFETQp1の基板にはそれぞれ、前記図1に示した電圧発生回路3から発生された基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpが印加され、内部電源電圧Vccが1.2Vの場合には、スタンバイ時のNMOSFETQn1の基板バイアス電圧Vrefnは−1Vに、PMOSFETQp1の基板バイアス電圧Vrefpは+2.2Vにそれぞれ設定される。なお、動作状態からスタンバイ状態への移行は、たとえば図1に示すように外部からスタンバイ信号が入力されたときや、内部のCPU11の制御によって発生されたスタンバイ信号などによって可能となる。
【0038】
以上のように設定される基板バイアス電圧Vrefn,Vrefpに関係して、1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路において、NMOSFETQn1のしきい値電圧Vthn1、PMOSFETQp1のしきい値電圧Vthp1は、回路スピードを達成するために決められる。
【0039】
また、2入力NAND型論理回路のNMOSFETQn2のしきい値電圧Vthn2は、2入力NAND型論理回路のtpd(遅延時間)の温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように設定する。前記に述べた理由で、
Vthn1>Vthn2
となる。
【0040】
さらに、2入力NOR型論理回路のPMOSFETQp2のしきい値電圧Vthp2は、2入力NOR型論理回路のtpdの温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように設定する。前記に述べた理由で、
|Vthp1|>|Vthp2|
となる。
【0041】
次に、図5〜図7により、前述した1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路のレイアウト構成の一例を説明する。それぞれ、図5は1入力論理回路(インバータ)、図6は2入力NAND型論理回路、図7は2入力NOR型論理回路のレイアウト図を示す。
【0042】
1入力論理回路(インバータ)は、図5に示すように、基板上のN型ウェルNWell上にPMOSFETQp1が、P型ウェルPWell上にNMOSFETQn1がそれぞれ配置されている。PMOSFETQp1およびNMOSFETQn1は、それぞれ、ソース、ドレインを形成するアクティブ領域からコンタクト孔を通じてメタル配線に接続され、またアクティブ領域上のソースとドレインの間にはゲートが設けられ、コンタクト孔を通じてメタル配線に接続されている。特に、N型ウェルNWell上のアクティブ領域、P型ウェルPWell上のアクティブ領域は、それぞれ、コンタクト孔を通じて基板バイアス電圧Vrefp,Vrefn用のメタル配線と接続されている。
【0043】
2入力NAND型論理回路は、図6に示すように、基板上のN型ウェルNWell上に並列接続のPMOSFETQp1が、P型ウェルPWell上に直列接続のNMOSFETQn1,Qn1がそれぞれ配置されている。PMOSFETQp1およびNMOSFETQn1,Qn2は、1入力論理回路(インバータ)と同様に形成されるが、並列接続のPMOSFETQp1のドレインはアクティブ領域において共通に配置されている。
【0044】
2入力NOR型論理回路は、図7に示すように、基板上のN型ウェルNWell上に直列接続されたPMOSFETQp1,Qp2が、P型ウェルPWell上に並列接続されたNMOSFETQn1がそれぞれ形成されている。PMOSFETQp1,Qp2およびNMOSFETQn1は、1入力論理回路(インバータ)と同様に形成されるが、並列接続のNMOSFETQn1のドレインはアクティブ領域において共通に配置されている。
【0045】
次に、図8〜図11により、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の製造方法の一例を説明する。それぞれ、図8〜図11はNMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図を示す。
【0046】
まず、図8(a)に示すように、シリコン(Si)基板P−Subに対し、素子分離のためのSGI(Shallow Groove Isolation)を形成する。次に、図8(b)に示すように、レジストResをマスクに用いて選択的にボロンなどのアクセプタの深いイオン打ち込みを行い、深いP型ウェルP−Wellを形成する。次に、図8(c)に示すように、レジストResをマスクに用いて選択的にリンなどのドナーの深いイオン打ち込みを行い、深いN型ウェルN−Wellを形成する。
【0047】
続いて、両ウェルP−Well,N−Wellの活性化のための熱処理を行った後、図8(d)に示すように、P型ウェルP−Wellの領域に対して選択的にBF2などのアクセプタのイオン打ち込みを行い、NMOFETの表面チャネル濃度を所望のプロファイルになるように設定する。一方、PMOSFETに対しては、図9(e)に示すように、N型ウェルN−Wellの領域に対して選択的にヒ素などのドナーのイオン打ち込みを行い、PMOFETの表面チャネル濃度を所望のプロファイルになるように設定する。
【0048】
次に、図9(f)に示すように、ゲート絶縁膜GI、多結晶Siなどで形成したゲート電極GEを堆積後、P型ウェルP−Well上のゲート電極GEに対して選択的にリンなどのドナーの浅いイオン打ち込みを行い、NMOSFETのゲート電極GEを濃いN型にする。同様に、図9(g)に示すように、N型ウェルN−Well上のゲート電極GEに対して選択的にBF2などのアクセプタの浅いイオン打ち込みを行い、PMOSFETのゲート電極GEを濃いP型にする。
【0049】
続いて、ゲート電極GEを加工後、図9(h)に示すように、P型ウェルP−Well内にヒ素などのドナー、およびボロンなどのアクセプタをそれぞれ浅く、深くイオン打ち込みし、ゲート電極GEに対して自己整合で、NMOSFETの低濃度ドレイン(LDD)N−およびポケット層PHを形成する。同様に、図10(i)に示すように、N型ウェルN−Well内にBF2などのアクセプタ、およびリンなどのドナーをそれぞれ浅く、深くイオン打ち込みし、ゲート電極GEに対して自己整合で、PMOSFETの低濃度ドレイン(LDD)P−およびポケット層NHを形成する。
【0050】
次に、図10(j)に示すように、ゲート電極GEの側壁にスペーサSPを形成後、図10(k)に示すように、P型ウェルP−Well上に選択的にヒ素などのドナーのイオン打ち込みを行い、ゲート電極GEおよびスペーサSPに対して自己整合で、NMOSFETの高濃度ソース/ドレインN+を形成する。同様に、図10(l)に示すように、N型ウェルN−Well上に選択的にBF2などのアクセプタのイオン打ち込みを行い、ゲート電極GEおよびスペーサSPに対して自己整合で、PMOSFETの高濃度ソース/ドレインP+を形成する。
【0051】
続いて、図11(m)に示すように、パッシベーション膜PIを堆積してコンタクト孔を形成後、図11(n)に示すように、タングステン(W)などのプラグ材PLを埋め込み、図11(o)に示すように、銅(Cu)またはアルミニウム(Al)のメタル配線MWを形成する。これで、ゲートG、ソースS、ドレインDの端子を持つNMOSFETおよびゲートG、ソースS、ドレインDの端子を持つPMOSFETで構成するCMOS回路が完成する。
【0052】
以上のPMOSFETとNMOSFETの製造工程において、NMOSFETのVthを調整するためには、図8(d)で示したチャネルイオン打ち込みドーズ量を最適化すればよい。同様に、PMOSFETのVthを調整するためには、図9(e)で示したチャネルイオン打ち込みドーズ量を最適化すればよい。たとえば、Vthを作り分ける場合は、MOSFET毎に、チャネルイオン打ち込み量を分ければよい。
【0053】
次に、図12により、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路)におけるtpdの温度特性を、本発明と従来技術とを比較して説明する。それぞれ、(a),(b)は従来技術のtpdの温度特性、(c),(d)は本発明のtpdの温度特性を示す。なお、図12においては、前述した2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路を含めた4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路までの多入力論理回路を考慮して示している。
【0054】
図12(a),(b)は、従来技術において、論理回路のNMOSFET(Qn1〜Qn4)、PMOSFET(Qp1〜Qp4)のしきい値電圧を作り分けない場合の、論理回路のtpdの温度変化率を示している。4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路のtpdの温度特性は負の傾きを有し、1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度特性は正の傾きを有する。前記に述べた理由により、このような温度特性を持つ場合、ホールドマージンおよびセットアップマージンの設計が困難となる。
【0055】
一方、図12(c),(d)に示すように、本発明においては、前述したように、しきい値電圧Vthを、
NMOSFET:Vth(Qn1)≧Vth(Qn2)≧Vth(Qn3)≧Vth(Qn4)かつVth(Qn1)>Vth(Qn4)
PMOSFET:|Vth(Qp1)|≧|Vth(Qp2)|≧|Vth(Qp3)|≧|Vth(Qp4)|かつ|Vth(Qp1)|>|Vth(Qp4)|
と作り分けることにより、入力数によらず、論理回路の温度変化率を揃えることが可能となる。すなわち、1入力論理回路(インバータ)、4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路のいずれにおいても、tpdの温度特性は正の傾きを有するように均等化することができる。
【0056】
次に、図13〜図15により、電源スイッチを接続した、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路)の回路構成の一例を説明する。それぞれ、図13は電源スイッチを接続した1入力論理回路(インバータ)、図14は電源スイッチを接続した2入力NAND型論理回路、図15は電源スイッチを接続した2入力NOR型論理回路の回路図を示す。
【0057】
電源スイッチを接続した1入力論理回路(インバータ)は、図13に示すように、PMOSFETQp1と、NMOSFETQn1と、スイッチMOSFETQswからなり、前述した図2の1入力論理回路(インバータ)に対して、NMOSFETQn1のソースと接地電圧との間に、スタンバイ制御信号SWにより制御されるスイッチMOSFETQswが接続されて構成されている。
【0058】
電源スイッチを接続した2入力NAND型論理回路は、図14に示すように、並列接続されたPMOSFETQp1と、直列接続されたNMOSFETQn1,Qn2と、スイッチMOSFETQswからなり、前述した図3の2入力NAND型論理回路に対して、NMOSFETQn1のソースと接地電圧との間に、スタンバイ制御信号SWにより制御されるスイッチMOSFETQswが接続されて構成されている。
【0059】
電源スイッチを接続した2入力NOR型論理回路は、図15に示すように、直列接続されたPMOSFETQp1,Qp2と、並列接続されたNMOSFETQn1と、スイッチMOSFETQswからなり、前述した図4の2入力NOR型論理回路に対して、NMOSFETQn1のソースと接地電圧との間に、スタンバイ制御信号SWにより制御されるスイッチMOSFETQswが接続されて構成されている。
【0060】
以上のように構成される、電源スイッチを接続した、1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路においては、それぞれ、NMOSFETQn1,Qn2の基板(P型ウェル)は接地電圧に、PMOSFETQp1,Qp2の基板(N型ウェル)は電源電圧Vccに、スイッチMOSFETQswの基板(P型ウェル)は基板バイアス電圧Vrefnに接続される。
【0061】
このように、1入力論理回路(インバータ)、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路の各論理回路に、直列にスイッチMOSFETQswを接続し、待機時にスタンバイ制御信号SWによりスイッチMOSFETQswをオンにすることで、待機時のリーク電流を削減することができる。このスイッチMOSFETQswの部分は、待機時のリーク電流を削減する回路として機能する。
【0062】
このスイッチMOSFETQswは、論理回路内のNMOSFETQn1,Qn2に対して、ゲート長、ゲート幅、しきい値電圧、ゲート絶縁膜厚などがデバイス的に異なる仕様となっている。たとえば、スイッチMOSFETQswは、論理回路内のNMOSFETQn1,Qn2よりゲート幅がおよそ100倍大きく、待機時はVrefnおよびゲート電位を−1Vに設定してVthを上げることによりリーク電流を下げ、動作時はVrefn=0.5V(順方向)、ゲート電位をVccに設定すれば、スイッチMOSFETQswの電位降下は無視することができる。
【0063】
一般に、ロジック回路では、異なる論理回路の貫通電流が同時に流れる確率は小さいため、このスイッチMOSFETQswを、全論理回路に対して共通に用いてもよい。また、スイッチMOSFETQswでは、動作上、ホットキャリアが問題となるようなバイアスがかからないため、ゲート絶縁膜の信頼度が許容される範囲でゲート絶縁膜を薄膜化すれば、動作時のスイッチMOSFETQswの電圧降下をさらに低減しながら待機時のリーク電流を削減することができるので、より本発明のメリットを活かすことが可能となる。
【0064】
なお、スイッチMOSFETQswは、接地電圧側に接続する場合に限らず、電源電圧Vcc側に接続したり、あるいは接地電圧側と電源電圧Vcc側の両方に接続することも可能である。
【0065】
次に、図16により、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路(4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路)の全論理回路におけるtpdの温度変化率が最小になるようにしきい値電圧を作り分けた場合を説明する。それぞれ、(a)は1入力論理回路(インバータ)、(b)は4入力NAND型論理回路、(c)は4入力NOR型論理回路のtpdの温度特性を示し、また(d)は各デバイスのしきい値電圧を示す。なお、図16においては、前述した2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路を含めた4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路までの多入力論理回路を考慮して示している。
【0066】
本実施の形態では、さらに応用し、1入力論理回路(インバータ)の温度変化率が最小になるように1入力論理回路(インバータ)を構成するNMOSFETおよびPMOSFETのしきい値電圧Vthを設定し、n入力NAND型論理回路のtpdの温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように接地電圧からn番目のNMOSFETのしきい値電圧Vthを設定し、n入力NOR型論理回路のtpdの温度変化率が1入力論理回路(インバータ)のtpdの温度変化率と等しくなるように電源電圧Vccからn番目のNMOSFETのしきい値電圧を設定すれば、全ての論理回路の温度変化率を揃えることができる。
【0067】
たとえば、図16(a),(b),(c)に示すように、最大入力数が4の場合は、およそ−50℃からおよそ120℃までの全論理回路の温度変化率をおよそ1%以内にすることができる。これにより、セットアップマージン、ホールドマージンを改善するとともに、常温のみの選別試験を実施すればよいため、選別コストを削減することができる。また、全回路においてスピードの温度依存性がないため、温度依存性を考慮せずにロジック回路の設計を実施できるようになり、設計効率を改善することができる。
【0068】
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0069】
たとえば、前記実施の形態においては、多入力論理回路として、2入力NAND型論理回路、2入力NOR型論理回路を例に図示し、4入力NAND型論理回路、4入力NOR型論理回路までを考慮して説明したが、さらに5入力以上の多入力論理回路についても同様に適用可能である。
【0070】
また、本発明は、特にロジック回路を搭載するLSIの分野に適用でき、特にSOGに好適であり、さらにLSI全般に広く応用することができる。
【0071】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
【0072】
(1)電源電圧がたとえば1.2V以下などのような低電圧化の回路においても、回路自体の待機電流を増やすことなく、セットアップマージンとホールドマージンを拡大することが可能となる。
【0073】
(2)前記(1)により、回路スピードの温度依存性が最小になるように回路を設計することができるので、回路スピードのセットアップマージンとホールドマージンの拡大によって設計自由度を増すことが可能となる。
【0074】
(3)前記(1)により、回路スピードの温度依存性が最小になるように回路を設計することができるので、回路スピードのセットアップマージンとホールドマージンの拡大によって選別不良率を低減することが可能となる。
【0075】
(4)前記(1)〜(3)により、電源電圧が低電圧化の半導体装置において、待機電流値を増やすことなく、回路のホールドマージン、セットアップマージンを拡大することができるので、回路設計上の余裕度を増すことができるとともに、選別試験歩留まりを改善することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の半導体装置を示す概略構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態の半導体装置において、1入力論理回路(インバータ)を示す回路図である。
【図3】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NAND型論理回路を示す回路図である。
【図4】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NOR型論理回路を示す回路図である。
【図5】本発明の一実施の形態の半導体装置において、1入力論理回路(インバータ)を示すレイアウト図である。
【図6】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NAND型論理回路を示すレイアウト図である。
【図7】本発明の一実施の形態の半導体装置において、2入力NOR型論理回路を示すレイアウト図である。
【図8】(a)〜(d)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図9】(e)〜(h)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、図8に続く、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図10】(i)〜(l)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、図9に続く、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図11】(m)〜(o)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、図10に続く、NMOSFETおよびPMOSFETで構成するCMOS回路の各製造工程における断面図である。
【図12】(a)〜(d)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、本発明と従来技術とを比較してtpdの温度特性を示す説明図である。
【図13】本発明の一実施の形態の半導体装置において、電源スイッチを接続した1入力論理回路(インバータ)を示す回路図である。
【図14】本発明の一実施の形態の半導体装置において、電源スイッチを接続した2入力NAND型論理回路を示す回路図である。
【図15】本発明の一実施の形態の半導体装置において、電源スイッチを接続した2入力NOR型論理回路を示す回路図である。
【図16】(a)〜(d)は本発明の一実施の形態の半導体装置において、1入力論理回路(インバータ)、多入力論理回路の全論理回路におけるtpdの温度変化率が最小になるようにしきい値電圧を作り分けた場合を示す説明図である。
【図17】(a),(b)は本発明において、種々の論理回路の遅延時間の温度特性の電源電圧依存性をシミュレーションした結果を示す説明図である。
【図18】(a),(b)は本発明において、種々の論理回路の遅延時間の温度特性の論理しきい値電圧依存性をシミュレーションした結果を示す説明図である。
【符号の説明】
1 内部ロジック回路
2 降圧回路
3 電圧発生回路
4 入出力回路
11 CPU
12,13 ロジック回路
Qp1,Qp2 PMOSFET
Qn1,Qn2 NMOSFET
Qsw スイッチMOSFET
VCC 外部電源電圧
Vcc 内部電源電圧
Vrefp,Vrefn 基板バイアス電圧
IN,IN1,IN2 入力信号
OUT 出力信号
SW スタンバイ制御信号
Claims (8)
- 多入力論理回路と、1入力論理回路と、待機時のリーク電流を削減する機構とを有し、
前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記多入力論理回路中のソースを電圧源に接続した第1MOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2MOSFETのしきい値電圧に等しく、前記多入力論理回路中の前記第1MOSFET以外の第3MOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2MOSFETのしきい値電圧より低くなるように設定する機能を含むことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記多入力論理回路として、n入力NAND型論理回路とn入力NOR型論理回路とを有し、
前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記n入力NAND型論理回路中の低電圧源に最も近い第1NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2NMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NOR型論理回路中の高電圧源に最も近い第1PMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2PMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NAND型論理回路中の前記第1NMOSFET以外の第3NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2NMOSFETのしきい値電圧より低いか、または前記n入力NOR型論理回路中の前記第1PMOSFET以外の第3PMOSFETのしきい値電圧の絶対値を前記1入力論理回路の前記第2PMOSFETのしきい値電圧の絶対値より低くなるように設定する機能を含むことを特徴とする半導体装置。 - 請求項1記載の半導体装置において、
前記多入力論理回路として、n入力NAND型論理回路とn入力NOR型論理回路とを有し、
前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記n入力NAND型論理回路中の低電圧源に最も近い第1NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2NMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NOR型論理回路中の高電圧源に最も近い第1PMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の第2PMOSFETのしきい値電圧に等しく、前記n入力NAND型論理回路中の出力部にドレインが接続した第3NMOSFETのしきい値電圧を前記1入力論理回路の前記第2NMOSFETのしきい値電圧より低いか、または前記n入力NOR型論理回路中の出力部にドレインが接続した第3PMOSFETのしきい値電圧の絶対値を前記1入力論理回路の前記第2PMOSFETのしきい値電圧の絶対値より低くなるように設定する機能を含むことを特徴とする半導体装置。 - 請求項2または3記載の半導体装置において、
前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記n入力NAND型論理回路中の前記低電圧源からn番目に近い第4NMOSFETのしきい値電圧を、前記n入力NAND型論理回路の遅延時間の温度変化率が前記1入力論理回路の遅延時間の温度変化率と等しくなるように設定するか、または前記n入力NOR型論理回路中の前記高電圧源からn番目に近い第4PMOSFETのしきい値電圧を、前記n入力NOR型論理回路の遅延時間の温度変化率が前記1入力論理回路の遅延時間の温度変化率と等しくなるように設定する機能を含むことを特徴とする半導体装置。 - 請求項2、3または4記載の半導体装置において、
前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記多入力論理回路および前記1入力論理回路を構成する第5NMOSFETの基板を待機時に前記低電圧源より低く設定するか、または前記多入力論理回路および前記1入力論理回路を構成する第5PMOSFETの基板を待機時に前記高電圧源より高く設定する機能を含むことを特徴とする半導体装置。 - 請求項2、3、4または5記載の半導体装置において、
前記多入力論理回路および前記1入力論理回路に直列に接続され、待機時のリーク電流を削減する回路を有し、
前記待機時のリーク電流を削減する回路は、待機時は前記多入力論理回路および前記1入力論理回路のリーク電流を削減できるようにしきい値電圧を高く、動作時は前記多入力論理回路および前記1入力論理回路を構成する第4MOSFETよりもコンダクタンスが1桁以上になるように制御された第5MOSFETを含むことを特徴とする半導体装置。 - 請求項6記載の半導体装置において、
前記第5MOSFETは、前記多入力論理回路および前記1入力論理回路を構成する前記第4MOSFETと、ゲート長またはゲート幅またはしきい値電圧またはゲート絶縁膜厚が異なるものであることを特徴とする半導体装置。 - 請求項1、2、3、4、5、6または7記載の半導体装置において、
前記待機時のリーク電流を削減する機構は、前記1入力論理回路の遅延時間の温度特性が最小になるように前記1入力論理回路を構成するNMOSFETおよびPMOSFETのしきい値電圧を設定する機能を含むことを特徴とする半導体装置。
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