JP2001201165A - 天井埋込形空気調和機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 上下方向に風向調整することが可能な丸形の
化粧パネルに環状の吹出口を設けた天井埋込形空気調和
機を提供する。 【解決手段】 環状の吹出口８への導風路１５を外周方
向に傾斜させ、前記吹出口８の開口部の外周側１６が内
周側１７より高い位置になるように形成し、前記吹出口
８の開口部に外周側が内周側より下がるように傾斜した
環状の風向変更板９を設け、同風向変更板９を上下方向
に平行移動するように駆動することにより、上下方向に
風向を変更する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、天井埋込形空気調
和機に係わり、より詳細には、吹出口の形状が環状の天
井埋込形空気調和機の風向変更板の構成に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の天井面に設置した丸形の化粧パネ
ルに環状の吹出口を設けた天井埋込形空気調和機（以
下、丸形の天井埋込形空気調和機と呼ぶ）は、例えば特
開平１１−２０１４９４号公報にて示されるように、環
状の吹出口に、円周に対し直角方向に放射状に配設され
た複数の風向変更板を設け、同風向変更板を円周方向に
傾動させて、風向を調整する構成であった。また、従来
の天井面に設置した方形の化粧パネルの周囲４辺に吹出
口を設けた天井埋込形空気調和機（以下、方形の天井埋
込形空気調和機と呼ぶ）は、例えば特開平１０−２９２
９４５号公報にて示されるように、４辺の各吹出口に傾
動する風向変更板を設け風向を上下に調整する構成であ
った。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成の丸形の天井埋込形空気調和機においては、円周に対
し直角方向に放射状に整流して送風し、その送風を上下
方向に風向調整することができないという問題点があっ
た。また、丸形の天井埋込形空気調和機において、吹出
口の長手方向に延伸した風向変更板を適用した場合、風
向変更板を環状の吹出口の形に対応して長手方向に曲が
った形にする必要があるため、従来の方形の天井埋込形
空気調和機のように傾動することができなくなり、上下
方向の風向調整ができないという問題点があった。本発
明においては、上記の問題点に鑑み、上下方向に風向調
整することが可能な丸形の化粧パネルに環状の吹出口を
設けた天井埋込形空気調和機を提供することを目的とす
る。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するため、天井面に埋め込まれた円筒状の本体ケーシ
ングの下面に、中央に円形の吸込口を設け同吸込口の周
囲に環状の吹出口を設けた円形の化粧パネルが取り付け
られ、前記本体ケーシング内に形成された前記吸込口と
前記吹出口とを結ぶ空気通路に、前記吸込口に対向して
上下方向の駆動軸を有したモータとファンからなる送風
機と同送風機を囲うように配置された円形の熱交換器と
を設けてなる天井埋込形空気調和機において、前記環状
の吹出口への導風路を外周方向に傾斜させ、前記吹出口
の開口部の外周側が内周側より高い位置になるように形
成し、前記吹出口の開口部に外周側が内周側より下がる
ように傾斜した環状の風向変更板を設け、同風向変更板
を上下方向に平行移動するように駆動することにより、
上下方向に風向を変更した構成となっている。

【０００５】また、前記風向変更板を駆動する駆動装置
を、前記環状の風向変更板の一部を円周に対し直角方向
に切り欠いた切欠き部と、同切欠き部を連結するように
設けた摺動軸と、同摺動軸を上下方向にガイドするガイ
ド溝を備え前記吹出口に円周に対し直角方向に設けたガ
イドリブと、前記摺動軸に揺動自在に設けた揺動リンク
と、同揺動リンクの揺動端を略上下方向に駆動する駆動
源とから構成している。

【０００６】また、前記駆動源を、駆動モータと、同駆
動モータの駆動軸に揺動自在に設け、その揺動端を前記
揺動リンクの揺動端とスライド可能に連結した揺動レバ
ーとから構成している。

【０００７】また、前記駆動モータを、ステッピングモ
ータとした構成となっている。

【０００８】また、前記揺動レバーの揺動端を、前記風
向変更板の重量を相殺する作動力の補助バネにより引上
げ方向に補助した構成となっている。

【０００９】また、前記駆動源を、ソレノイドとし、同
ソレノイドの作動軸に前記揺動リンクの揺動端を連結し
た構成となっている。

【００１０】また、前記駆動装置を、前記環状の風向変
更板を円周方向に略３等分した位置に３つ設けた構成と
なっている。

【００１１】また、前記風向変更板を、下方に膨らんだ
曲面状に形成した構成となっている。

【００１２】更に、前記風向変更板と前記摺動軸とを一
体に形成した構成となっている。

【００１３】

【発明の実施の形態】図１乃至図６にて示す本発明の実
施例により、本発明の実施の形態について説明する。先
ず、図１の断面図と図２の下方から見た平面図にて示
す、本発明の天井埋込形空気調和機の全体構成について
説明する。１は天井面２に埋め込まれた円筒状の本体ケ
ーシング、３は同本体ケーシング１の下方を覆い前記天
井面２に接するように設けられた化粧パネル、４は同化
粧パネル３の中央に設けベルマウス５を備えた円形の吸
込口６を開閉自在に覆い背面にフィルタ７を備えた吸込
グリル、８は前記吸込口６の周囲に環状に形成され風向
変更板９を備えた吹出口、１０は前記本体ケーシング１
内に形成された前記吸込口６と前記吹出口８とを結ぶ空
気通路に、前記吸込口６に対向して設けられた上下方向
の駆動軸を有したモータ１１とファン１２からなる送風
機、１３は同送風機１０を囲うように設けられた円形の
熱交換器、１４は同熱交換器１３の下方に設けられた露
受皿である。

【００１４】次に、図１の断面図、図２の下方から見た
平面図、図３と図４の要部断面図および図５の風向変更
板の斜視図にて示す、本発明の第一の実施例について説
明する。１５は前記吹出口８に前記熱交換器１３を通過
した空調空気を導く外周方向に傾斜した導風路であり、
前記吹出口８の開口部の外周側１６が内周側１７より高
い位置になるように形成されている。また、前記吹出口
８の開口部には、前記風向変更板９が、外周側が内周側
より下がるように傾斜されるとともに、下方に膨らんだ
曲面状に形成され、前記環状の吹出口８の形状に沿った
環状にＡＢＳ（アクリルニトリルブタジエンスチレン）
等の合成樹脂により形成されて設けられている。

【００１５】１８は前記環状の風向変更板９の円周方向
に略３等分した位置の３箇所を円周に対し直角方向に切
り欠いた切欠き部、１９は同切欠き部１８を連結するよ
うに設け前記風向変更板９と一体に形成された摺動軸、
２０は同摺動軸１９を上下方向にガイドするガイド溝２
１を形成し前記導風路１５に円周に対し直角方向に設け
たガイドリブ、２２は前記摺動軸１９に揺動自在に設
け、その揺動端に連動ピン２３を備えた揺動リンク、２
４と２５とは同揺動リンク２２の揺動端を略上下方向に
駆動する駆動源であるところの駆動モータと揺動レバー
とである。上記のようにして前記風向変更板９の駆動装
置が構成されている。

【００１６】前記駆動モータ２４にはステッピングモー
タが用いられ、前記駆動モータ２４の駆動軸２６と前記
揺動レバー２５とはＤカット２７とＤカット孔２８とに
より空転しないように嵌合されている。前記揺動レバー
２５の先端近傍には小判孔２９が形成され、前記揺動リ
ンク２２の連動ピン２３とスライド可能に嵌合してい
る。

【００１７】３０は素線の直径を細くし、コイル径を大
きくし、巻数を多くすることによりバネ定数を小さくし
て伸びによる荷重の変化を小さくした引張りコイルバネ
からなる補助バネであり、前記風向変更板９の重量を相
殺する程度の作動力を伸びたとき、すなわち前記風向変
更板９が下がったときに発生させる。

【００１８】同補助バネ３０は、一端を前記揺動レバー
２５の先端近傍に形成したバネフック掛け３１に引っ掛
け、他端を前記本体ケーシング１に形成したバネフック
掛け３２に引っ掛け、前記駆動モータ２４の作動を補助
している。

【００１９】上記構成において、次にその作用と効果に
ついて図１乃至図５のいずれかを用いて説明する。図１
と図２とに示すように、前記送風機１０により吸込口６
から前記フィルタ７を通過し浮遊塵等を除去され吸引さ
れた室内空気は、前記ベルマウス５により前記送風ファ
ン１２の中央へ収束されて吸引され円周方向に送り出さ
れ、前記熱交換器１３を通過することにより熱交換され
て冷房時には冷たく、暖房時には暖かく空調された空気
となり、その空調空気は前記導風路１５を通って前記吹
出口８より室内に吹き出され、室内を空調する。

【００２０】前記吹出口８が環状に形成されていること
により、従来の方形の化粧パネルの周囲４辺に吹出口を
設けたタイプの天井埋込形空気調和機のように四隅方向
に送風の死角を生じることがなく、空調空気を室内全域
に向かって均一に送風することができる。

【００２１】図３に示すように、前記駆動モータ２４の
駆動軸２６が図の半時計方向に回転すると、同駆動軸２
６にＤカット２７により空転しないように固定された揺
動レバー２５も同一方向に回転する。すると前記揺動レ
バー２５の小判孔２９にスライド可能に嵌合された連動
ピン２３が上方に引き上げられ、同連動ピン２３を設け
た揺動リンク２２と摺動軸１９とを介して前記風向変更
板９が上方に引き上げられる。

【００２２】前記風向変更板９が上方に引き上げられる
ことにより、前記吹出口８の下方に吹き出しの邪魔をす
るものがなくなるため、前記導風路１５を通ってきた空
調空気は前記吹出口８から図３の矢印Ｓ１のように下向
きに吹き出される。

【００２３】図４に示すように、前記駆動モータ２４の
駆動軸２６が図の時計方向に回転すると、同駆動軸２６
に固定された揺動レバー２５も同一方向に回転する。す
ると前記揺動レバー２５の小判孔２９にスライド可能に
嵌合された連動ピン２３が下方に下がり、同連動ピン２
３を設けた揺動リンク２２と摺動軸１９とを介して連動
する前記風向変更板９が自重により下方に下がる。

【００２４】前記風向変更板９が下方に下がることによ
り、前記風向変更板９が前記吹出口８の下方を塞ぐた
め、前記導風路１５を通ってきた空調空気は図４の矢印
Ｓ２のように前記風向変更板９の傾斜に沿って上向きに
吹き出される。

【００２５】前記風向変更板９は下方に膨らんだ曲面状
に形成されていることにより、吹き出される空調空気が
曲面に沿ってスムーズに流れることができるため、送風
抵抗を生じ難くなり、送風効率を向上することができ
る。

【００２６】前記摺動軸１９はガイドリブ２０に形成さ
れたガイド溝２１にガイドされているため、前記風向変
更板９は上下方向のみに平行移動する。前記風向変更板
９は上下方向のみに平行移動することにより、捩れる必
要がないため、環状に一繋がりとすることができる。ま
た、前記ガイドリブ２０は、前記環状の吹出口８により
内外に分断された前記化粧パネル３を繋ぎ一体化する役
目も果たしている。

【００２７】図２と図５とに示すように、前記摺動軸１
９と前記ガイドリブ２０とは、前記環状の風向変更板９
を略３等分した位置に３箇所設け、各箇所毎に前記駆動
モータ２４等からなる駆動装置を設けることにより、環
状に一繋がりとなった前記風向変更板９は傾いたり、引
っ掛かったりすることなく、スムーズ上下に昇降するこ
とができる。

【００２８】前記駆動モータ２４はステッピングモータ
であることにより、ステップ数によりオープンループで
位置制御ができるため、上下の停止位置をセンサ等を必
要とせず決定することができる。したがって、安価な構
成とすることができるとともに、３箇所の同期を取るの
も容易となり、更に上下の途中の任意位置での停止も可
能となる。なお、前記駆動モータ２４を通常の直流モー
タ等にした場合は、上下位置を検知する装置（例えばマ
イクロスイッチ等）を用いることにより、作動可能とす
ることができる。（図示省略）

【００２９】前記揺動レバー２５の揺動端を、前記風向
変更板９の重量を相殺する程度の作動力の前記補助バネ
３０により引上げ方向に補助することにより、前記駆動
モータ２４の負荷を小さくすることができるため、前記
駆動モータ２４の定格負荷を下げることができ、安価に
することができる。

【００３０】前記風向変更板９と前記摺動軸１９とをＡ
ＢＳ（アクリルニトリルブタジエンスチレン）等の合成
樹脂により射出成形にて一体に形成することにより、部
品点数の少ない安価な構成とすることができる。なお、
一体化された前記摺動軸１９を前記ガイド溝２１へ通す
ことは、例えば、前記ガイド溝２１の上方あるいは下方
を開放した形状とすることにより可能とすることができ
る。（図示省略）

【００３１】次に、図６の要部断面図にて示す本発明の
第二の実施例について説明する。上記第一の実施例と
は、前記風向変更板９を上下方向に駆動する駆動源の構
成が異なる。３３は前記揺動リンク２２の揺動端を上下
方向に駆動する駆動源であるところのソレノイド、３４
は同ソレノイド３３の上下にスライド動作する可動鉄心
であり、同可動鉄心３４は前記揺動リンク２２と連動ピ
ン３５にて連結している。

【００３２】前記ソレノイド３３に通電すると、図６に
示すように前記可動鉄心３４を上方に吸引し、前記風向
変更板９が上方に移動する。前記ソレノイド３３への通
電を止めると、前記可動鉄心３４を上方に吸引する力は
なくなり、前記風向変更板９は自重により下方へ下が
る。（図示省略）

【００３３】本第二の実施例によると、前記風向変更板
９を上下方向に駆動する駆動源を構成する部品が前記ソ
レノイド３３のみで済むため、安価な構成とすることが
できる。

【００３４】なお、上記第二の実施例においては、前記
ソレノイド３３に通電したときに前記可動鉄心３４が上
方に吸引されるタイプのものを用いたが、通電しないと
きには前記可動鉄心３４がバネの働きで上方に引き上げ
られており、通電するとそのバネの力に逆らって前記可
動鉄心３４を下方に吸引されるタイプのソレノイドを用
いても良い。（図示省略）

【００３５】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
上下方向に風向調整することが可能な丸形の化粧パネル
に環状の吹出口を設けた天井埋込形空気調和機となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による天井埋込形空気調和機の全体構成
を示す断面図である。

【図２】本発明による天井埋込形空気調和機の全体構成
を示す下方から見た平面図である。

【図３】本発明による天井埋込形空気調和機の第一の実
施例を示す要部断面図であり、風向変更板を上昇させた
状態を示す。

【図４】本発明による天井埋込形空気調和機の第一の実
施例を示す要部断面図であり、風向変更板を下降させた
状態を示す。

【図５】本発明による天井埋込形空気調和機の風向変更
板を示す斜視図である。

【図６】本発明による天井埋込形空気調和機の第二の実
施例を示す要部断面図であり、風向変更板を上昇させた
状態を示す。

【符号の説明】

１ 本体ケーシング ２ 天井面 ３ 化粧パネル ６ 吸込口 ８ 吹出口 ９ 風向変更板 １０ 送風機 １１ モータ １２ ファン １３ 熱交換器 １５ 導風路 １６ 吹出口の外周側 １７ 吹出口の内周側 １８ 切欠き部 １９ 摺動軸 ２０ ガイドリブ ２１ ガイド溝 ２２ 揺動リンク ２４ 駆動モータ（ステッピングモータ） ２５ 揺動レバー ２６ 駆動軸 ３０ 補助バネ ３３ ソレノイド

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 天井面に埋め込まれた円筒状の本体ケー
   シングの下面に、中央に円形の吸込口を設け同吸込口の
   周囲に環状の吹出口を設けた円形の化粧パネルが取り付
   けられ、前記本体ケーシング内に形成された前記吸込口
   と前記吹出口とを結ぶ空気通路に、前記吸込口に対向し
   て上下方向の駆動軸を有したモータとファンからなる送
   風機と同送風機を囲うように配置された円形の熱交換器
   とを設けてなる天井埋込形空気調和機において、 前記環状の吹出口への導風路を外周方向に傾斜させ、前
   記吹出口の開口部の外周側が内周側より高い位置になる
   ように形成し、前記吹出口の開口部に外周側が内周側よ
   り下がるように傾斜した環状の風向変更板を設け、同風
   向変更板を上下方向に平行移動するように駆動すること
   により、上下方向に風向を変更してなることを特徴とす
   る天井埋込形空気調和機。
2. 【請求項２】 前記風向変更板を駆動する駆動装置を、
   前記環状の風向変更板の一部を円周に対し直角方向に切
   り欠いた切欠き部と、同切欠き部を連結するように設け
   た摺動軸と、同摺動軸を上下方向にガイドするガイド溝
   を備え前記吹出口に円周に対し直角方向に設けたガイド
   リブと、前記摺動軸に揺動自在に設けた揺動リンクと、
   同揺動リンクの揺動端を略上下方向に駆動する駆動源と
   から構成したことを特徴とする請求項１記載の天井埋込
   形空気調和機。
3. 【請求項３】 前記駆動源を、駆動モータと、同駆動モ
   ータの駆動軸に揺動自在に設け、その揺動端を前記揺動
   リンクの揺動端とスライド可能に連結した揺動レバーと
   から構成したことを特徴とする請求項２記載の天井埋込
   形空気調和機。
4. 【請求項４】 前記駆動モータを、ステッピングモータ
   としてなることを特徴とする請求項３記載の天井埋込形
   空気調和機。
5. 【請求項５】 前記揺動レバーの揺動端を、前記風向変
   更板の重量を相殺する作動力の補助バネにより引上げ方
   向に補助してなることを特徴とする請求項３記載の天井
   埋込形空気調和機。
6. 【請求項６】 前記駆動源を、ソレノイドとし、同ソレ
   ノイドの作動軸に前記揺動リンクの揺動端を連結してな
   ることを特徴とする請求項２記載の天井埋込形空気調和
   機。
7. 【請求項７】 前記駆動装置を、前記環状の風向変更板
   を円周方向に略３等分した位置に３つ設けてなることを
   特徴とする請求項２記載の天井埋込形空気調和機。
8. 【請求項８】 前記風向変更板を、下方に膨らんだ曲面
   状に形成してなることを特徴とする請求項１記載の天井
   埋込形空気調和機。
9. 【請求項９】 前記風向変更板と前記摺動軸とを一体に
   形成してなることを特徴とする請求項２記載の天井埋込
   形空気調和機。