JP2001200447A - 産業資材用基布およびその製造方法 - Google Patents

産業資材用基布およびその製造方法

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JP2001200447A JP2000334187A JP2000334187A JP2001200447A JP 2001200447 A JP2001200447 A JP 2001200447A JP 2000334187 A JP2000334187 A JP 2000334187A JP 2000334187 A JP2000334187 A JP 2000334187A JP 2001200447 A JP2001200447 A JP 2001200447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タテ糸とヨコ糸とにより構成される産業資材
用基布において、特殊な糸の使用を不可欠とすることな
く、その基布の特性の等方性を管理しまたは向上させる
ことを容易にする。 【解決手段】 産業資材用基布を、タテ糸とヨコ糸との
カバーファクターであって、{タテ糸密度(本/イン
チ)×√(タテ糸繊度(デニール))}+{ヨコ糸密度
(本/インチ)×√(ヨコ糸繊度(デニール))}なる
式で定義されるものが2000以上であり、かつ、それ
らタテ糸とヨコ糸との密度係数比であって、{ヨコ糸密
度(本/cm)×√(ヨコ糸繊度(デニール))}÷
{タテ糸密度(本/cm)×√(タテ糸繊度(デニー
ル))}なる式で定義されるものが0.92を超えない
ものとする。この産業資材用基布によれば、タテ―ヨコ
伸度差およびタテ―ヨコ剛軟度差を共に十分に小さくす
ることが容易となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両エアバッグ用
基布等の産業資材用基布およびその製造方法に関し、特
に、機械的強度等の特性の等方性に優れた産業資材用基
布およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】産業資材用の基布は、車両等のシートベ
ルト、車両の事故衝突時に乗員を保護するためのエアバ
ッグ、帆布、建築用土木ネット、ホームエレベータにお
いてその膨張収縮機構をリフトに転用したエアバッグ、
鞄地などに使用され、その使用用途は近年著しく広がっ
てきている。
【0003】産業資材用基布(織物)の一般的要求特性
としては、耐熱性、寸法安定性などが挙げられる。ま
た、特に車両のエアバッグ用基布においては、さらに、
軽くて柔軟であるという特性も要求され、そのため、糸
繊度が小さい(細い)フィラメント糸を用いて産業資材
用基布を製造することが提案されてきた。
【0004】一方、基布の引張強力(「引張強さ」とも
いう)や引裂強力(「引裂強さ」ともいう)といった機
械的特性や、基布の柔軟性のような物理的特性において
は、基布のタテ方向とヨコ方向とでほぼ同等の特性を有
すること、すなわち、等方性が重要である。この等方性
は、例えば、車両の事故衝突時に乗員を保護するための
装置であるシートベルトやエアバッグにおいて重要であ
る。特にエアバッグにおいては、収縮状態から膨張させ
られて展開させられる際に、エアバッグ用基布上におい
て偏った方向に展開力が集中するのを防ぐことが、エア
バッグの品質を保証するために好ましく、そのような展
開力偏在を防止するために、基布の特性が等方性を有す
ることが重要なのである。また、製品または部品を製造
するために使用される基布がブランクとしての基布から
裁断されて縫製される場合には、もちろん、ブランクと
しての基布の特性が等方性を有することが、製造の品質
を確保するために好ましい。
【0005】以上説明した事情を背景として、産業資材
用基布に関して種々の技術が既に提案されている。
【0006】エアバッグ用基布に関する技術を開示する
文献として特開平3−137245号公報が存在する。
この公報は、基布のタテ方向とヨコ方向とに同一の糸を
用いるとともに打ち込み糸数(「糸密度」ともいう)も
タテ方向とヨコ方向とで同等にすることによって、基布
の組織をタテ方向とヨコ方向とで本質的に対称とする技
術を開示している。この公報には、その技術を採用して
製造された基布においては機械的特性がタテ方向とヨコ
方向とでほぼ同等であると記載されている。
【0007】また、特開平4−2835号公報には、エ
アバッグ用基布の製織技術の一例であって、タテ糸およ
びヨコ糸の原糸に同一の糸を用い、かつ、打ち込み本数
(打ち込み糸数)をタテ糸とヨコ糸とで同等にするとい
う製織条件を採用するものが単に開示されている。しか
し、この製織技術は、エアバッグ用基布に等方性を付与
するものではなく、この公報においては、その製織技術
を用いて得られた基布のタテ方向特性やヨコ方向特性に
ついて全く説明されていない。
【0008】さらに、特開平8−199448号公報に
は、同一の強力(強さ)を有するタテ糸とヨコ糸とを用
い、かつ、タテ方向とヨコ方向とで共に同じ打ち込み本
数で基布を製織しても、用いる織機、織り方、さらに
は、製織時にタテ糸等に付与される張力の水準等によっ
て、タテ方向とヨコ方向とで基布の機械的特性が異なっ
てしまうことが開示されている。さらに、この公報に
は、最近は織機の進歩からウォータージェットルームや
エアジェットルーム等を用いて高速でかつ高密度に基布
を製織する場合が多いが、この場合には基布製造工程に
おいてタテ糸とヨコ糸との強度に差が出易いということ
も開示されている。
【0009】さらに、この公報には、特に単糸繊度が
4.0デニール以下のような細単糸フィラメントを用い
た場合にのみタテ方向とヨコ方向とで基布の等方性を確
保するための工夫が開示されている。そして、この公報
にも、前記特開平4−2835号公報におけると同様
に、タテ糸およびヨコ糸の原糸に同一の糸を用い、か
つ、打ち込み本数もタテ方向とヨコ方向とで同等にする
という製織条件が開示されている。しかし、この公報に
より開示される技術は、単糸繊度が4.0デニール以下
であるという特殊な糸を使用するという前提にのみ固執
した技術にとどまっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上の説明から明らか
なように、従来より、基布の特性に等方性を持たせたい
という要望を満たすために数多くの研究が重ねられてき
ている。そして、いずれの研究においても、基布の等方
性を確保するためにタテ糸とヨコ糸との打ち込み本数を
同等にするという製織条件が採用されている。この事実
は、製品として安定した基布の等方性を確保する上で、
タテ糸とヨコ糸との打ち込み本数を同じにするという思
想は至極普通であると考えられてきたことを示してい
る。このように、従来においては、基布の等方性を確保
するためにタテ糸とヨコ糸との打ち込み本数に差を与え
るという思想は自明なものではなかったのである。
【0011】本発明者は、基布の特性に良好な等方性を
与える技術に関して研究を行い、その結果、基布の製織
条件を一般的に定義し得る新規なファクターとして、基
布のタテ糸とヨコ糸との密度係数比であって、{ヨコ糸
密度(本/cm)×√(ヨコ糸繊度(デニール))}÷
{タテ糸密度(本/cm)×√(タテ糸繊度(デニー
ル))}なる式で定義されるものを案出した。そして、
この密度係数比に着目して種々の基布の等方性を調査し
た結果、本発明者は、その密度係数比と、基布の特性の
等方性のレベルとの間に比較的強い相関が存在するとい
う知見を得た。本発明者は、さらに、その密度係数比の
目標範囲(目標範囲の幅が0である場合を含む)を適正
に設定すれば、良好な等方性を有する基布を容易に製造
し得るという知見も得た。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】それら
の知見に基づき、本発明は、特殊な糸の使用を不可欠と
することなく、基布の特性の等方性を管理しまたは向上
させることを容易にすることを課題としてなされたもの
であり、本発明によって下記各態様が得られる。各態様
は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、
必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。
これは、本明細書に記載の技術的特徴のいくつかおよび
それらの組合せのいくつかの理解を容易にするためであ
り、本明細書に記載の技術的特徴やそれらの組合せが以
下の態様に限定されると解釈されるべきではない。
【0013】(1) タテ糸とヨコ糸とにより構成さ
れ、それらタテ糸とヨコ糸とのカバーファクターであっ
て、 {タテ糸密度(本/インチ)×√(タテ糸繊度(デニー
ル))}+{ヨコ糸密度(本/インチ)×√(ヨコ糸繊
度(デニール))} なる式で定義されるものが2000以上であり、かつ、
それらタテ糸とヨコ糸との密度係数比であって、 {ヨコ糸密度(本/cm)×√(ヨコ糸繊度(デニー
ル))}÷{タテ糸密度(本/cm)×√(タテ糸繊度
(デニール))} なる式で定義されるものが0.92を超えない値である
ことを特徴とする産業資材用基布[請求項1]。この産
業資材用基布(以下、単に「基布」という)によれば、
実施例において後述するように、タテ―ヨコ伸度差およ
びタテ―ヨコ剛軟度差(ヨコ―タテ剛軟度差ともいう)
が共に十分に小さいか否かという評価基準を容易にクリ
アし得る。したがって、この基布によれば、良好な等方
性を容易に確保し得る。タテ糸およびヨコ糸をそれぞれ
構成するフィラメント糸の糸質(材質)は特に限定され
るものではなく、例えば、ナイロン6、ナイロン66、
ポリエチレンテレフタレート、ポリヘキサメチレンアジ
バミド、ポリカプロラクタムのようなポリマー等を用い
ることができる。また、例えば、車両エアバッグ用基布
に使用する糸質としては、ナイロン系のものが一般に耐
熱性および防融性などの耐外部ストレス能力が高いた
め、特に好ましい。本項に係る基布は、必要に応じ、そ
の基布が発揮すべき特性を損なわない範囲で、後処理と
して、公知の方法によって、精錬、熱セット(例えば、
製織直後の基布の特性を安定化させるための熱処理)、
さらには、基布の片面または両面にカレンダー加工を施
してもよい。特にこの基布を車両エアバッグに用いる場
合には、熱セットやカレンダー加工により、基布をあま
り固くならない程度に収縮させ、それにより、通気性を
より抑えることが好ましい。通気性を抑えるためにシリ
コーン樹脂層を基布の片面または両面にコーティングす
ることも可能である。カレンダー加工が施された基布の
表面は平滑になるため、その後に合成樹脂製の薄層を基
布にコーティングすることは比較的容易である。さら
に、本項に係る基布は、それの一部にリップストップ
(例えば、通気性が局所的に高い領域を基布に形成する
ためのもの)として特別の糸を混入させる態様で実施す
ることが可能である。この態様においては、その特別の
糸を除く本来の糸が本項における製織条件を満たしてい
れば、本項に係る基布が奏すべき効果を奏し得る。前述
のように、本項に係る基布によれば、良好な等方性を確
保し得るため、基布のタテ―ヨコ剛軟度差を少なくする
ことができる。その結果、基布のタテ・ヨコ方向の折り
畳み性に優れ、折り畳んでコンパクトに収納し得る基布
が得られる。この点で、この基布は特に車両エアバッグ
用に好適である。前述のように、必要に応じて、基布に
シリコーン樹脂などでコーティングすることも可能であ
る。本項に係る基布を製織する方式は特に限定されるも
のではなく、例えば、レピア、ウォータージェットルー
ム、エアジェットルーム等を用いた製織方式が使用可能
である。このとき、撚糸や糊付けなどの処理は不可欠で
はないが必要に応じて施してもよい。さらにまた、織組
織が平織であれば、基布を緻密に製織でき、低通気度の
基布を設計し易い。この点でこの基布は特にエアバッグ
用として有用である。本項において「タテ糸繊度」は、
1本のタテ糸の繊度を意味し、同様に、「ヨコ糸繊度」
は、1本のヨコ糸の繊度を意味する。この定義は、下記
の各項においても適用される。 (2) 前記密度係数比が0.8以上であることを特徴
とする(1)項に記載の産業資材用基布[請求項2]。
この基布によれば、実施例において後述するように、タ
テ―ヨコ伸度差およびタテ―ヨコ剛軟度差が共に十分に
小さいか否かという評価基準を容易にクリアし得る。し
たがって、この基布によれば、良好な等方性を容易に確
保し得る。 (3) 前記ヨコ糸繊度が前記タテ糸繊度より大きいこ
とを特徴とする(1)または(2)項に記載の産業資材
用基布[請求項3]。この基布によれば、実施例におい
て後述するように、タテ―ヨコ伸度差およびタテ―ヨコ
剛軟度差が共に十分に小さいか否かという評価基準を容
易にクリアしつつ、ヨコ糸繊度がタテ糸繊度より大きく
される。ヨコ糸繊度がタテ糸繊度より大きくなれば、ヨ
コ糸繊度がタテ糸繊度と同じ場合より、ヨコ糸の同じ織
り込み回数(同じ数のヨコ糸)により基布が織られる長
さが長くなる。したがって、この基布によれば、ヨコ糸
の織り込み回数の割に、すなわち、同じ製織時間の割に
長い基布を製造可能となる。その結果、同じ長さの基布
を安価に製造可能となるのである。 (4) 前記ヨコ糸繊度が前記タテ糸繊度の2倍を超え
ないことを特徴とする(3)項に記載の産業資材用基布
[請求項4]。この基布によれば、前記(3)項に係る
基布に属する基布でありながら、ヨコ糸がタテ糸に対し
て太すぎるために基布の折り畳み易さが不足してしまう
事態を容易に回避し得る。 (5) 前記タテ糸とヨコ糸とのそれぞれの単糸強度が
共に8.3g/d以上であることを特徴とする(1)な
いし(4)項のいずれかに記載の産業資材用基布[請求
項5]。この基布によれば、単糸強度が8.3g/d以
上であることが、前記(1)項におけるカバーファクタ
ーの値および密度係数比の値と共同することにより、タ
テ方向とヨコ方向とのそれぞれにおいて必要な引張強力
を容易に確保し得る。さらに、単糸強度が8.3g/d
以上であることは、製織時のタテ糸にかかる高張力に耐
え、タテ糸クリンプを低減させるためにも好ましい。さ
らにまた、単糸強度が8.3g/d以上であることは、
この基布を特に車両エアバッグ用基布として用いて所望
の機械的特性を実現することが必要である場合に好都合
である。本項において「単糸強度」は、1本のタテ糸ま
たは1本のヨコ糸が引き伸ばされて破断したときの荷重
を意味する。この定義は、下記の各項においても適用さ
れる。 (6) 当該産業資材用基布の剛軟度をそれのタテ方向
とヨコ方向とに関してそれぞれ45°カンチレバー法で
測定したタテ値とヨコ値とが共に100mm以下である
ことを特徴とする(1)ないし(5)項のいずれかに記
載の産業資材用基布[請求項6]。この基布によれば、
剛軟度が基布のタテ方向においてもヨコ方向においても
100mm以下であるため、柔軟性に優れた基布が得ら
れる。したがって、例えば、この基布を車両エアバッグ
用の基布として用いることは、その車両の乗員に対する
耐衝撃性や収納性において優れたものとなるため、特に
好ましい。 (7) 当該産業資材用基布の剛軟度をそれのタテ方向
とヨコ方向とに関してそれぞれ45°カンチレバー法で
測定したタテ値とヨコ値との差である剛軟度差の絶対値
が10mm以下であることを特徴とする(1)ないし
(6)項のいずれかに記載の産業資材用基布[請求項
7]。この基布によれば、剛軟度差の絶対値が10mm
以下であるため、柔軟性が等方性を有する基布が得られ
る。したがって、例えば、この基布を車両エアバッグ用
の基布として用いることは、その車両の乗員に対する耐
衝撃性や収納性において優れたものとなるため、特に好
ましい。 (8) タテ糸とヨコ糸とが共に同一デニールのマルチ
フィラメント糸により構成され、それらタテ糸とヨコ糸
とのカバーファクターであって、 {タテ糸密度(本/インチ)×√(タテ糸繊度(デニー
ル))}+{ヨコ糸密度(本/インチ)×√(ヨコ糸繊
度(デニール))} なる式で定義されるものが2000以上であり、かつ、
ヨコ糸密度がタテ糸密度の85から90%の範囲である
ことを特徴とする産業資材用基布[請求項8]。この基
布においては、カバーファクターが2000以上とされ
ているため、基布の密度が高い(目が細かい)。したが
って、この基布によれば、産業資材用基布として必要な
強度特性および低通気性を容易に確保し得る。さらに、
この基布においては、タテ糸密度に比べてヨコ糸密度が
低い。したがって、この基布の製織時におけるタテ糸張
力を、タテ糸とヨコ糸との各打ち込み数を同レベルにす
る場合よりも高く設定し、それによって基布の組織拘束
力を高めれば、基布に何ら展開力が与えられていない自
由状態であってもタテ糸クリンプが減少し、それによ
り、後述の定荷重時伸度差も減少する。 (9) 前記タテ糸とヨコ糸とのそれぞれの単糸強度が
共に9.2g/d以上であり、かつ、当該産業資材用基
布の剛軟度をそれのタテ方向とヨコ方向とに関してそれ
ぞれ45°カンチレバー法で測定したタテ値とヨコ値と
が共に100mm以下であり、かつ、それらタテ値とヨ
コ値との差である剛軟度差の絶対値が10mm以下であ
ることを特徴とする(8)項に記載の産業資材用基布
[請求項9]。この基布によれば、単糸強度が9.2g
/d以上であることが、前記(8)項におけるカバーフ
ァクターの値と共同することにより、タテ方向とヨコ方
向とのそれぞれにおいて必要な引張強力を容易に確保し
得る。さらに、単糸強度が9.2g/d以上であること
は、製織時のタテ糸にかかる高張力に耐え、タテ糸クリ
ンプを低減させるためにも好ましい。さらにまた、単糸
強度が9.2g/d以上であることは、この基布を特に
車両エアバッグ用基布として用いて所望の機械的特性を
実現することが必要である場合に好都合である。さら
に、この基布によれば、剛軟度が基布のタテ方向におい
てもヨコ方向においても100mm以下であるため、柔
軟性に優れた基布が得られる。さらにまた、この基布に
よれば、剛軟度差の絶対値が10mm以下であるため、
柔軟性が等方性を有する基布が得られる。したがって、
例えば、この基布を車両エアバッグ用の基布として用い
ることは、その車両の乗員に対する耐衝撃性や収納性に
おいて優れたものとなるため、特に好ましい。 (10) 予め定められた試験条件で当該産業資材用基
布を試験するための試験片を引き伸ばすとともにその過
程においてその試験片に作用する引張力が490N/c
mに到達したときのその試験片の伸び率を前記産業資材
用基布の定荷重時伸度として、その産業資材用基布のタ
テ方向とヨコ方向とに関してそれぞれ測定したタテ値と
ヨコ値との差である定荷重時伸度差の絶対値が5%以下
であることを特徴とする(1)ないし(9)項のいずれ
かに記載の産業資材用基布[請求項10]。この基布に
よれば、基布に490N/cmの引張力が負荷される定
荷重時の伸度差を容易に減少させ得る。例えば、その定
荷重時伸度差の絶対値が5%以下であることは、この基
布を車両のエアバッグ用基布として使用する際に好都合
である。さらに、490N/cmの引張力が負荷された
時の定荷重時伸度差が減少するということは、その基布
に作用する引張力が490N/cmに増加するまでは少
なくとも、基布の伸度の等方性が確保されることを意味
する。したがって、等方性が確保される領域内にその基
布の使用領域が存在する場合には、その使用領域全域に
おいて伸度の等方性が確保される。したがって、例え
ば、この基布を車両のエアバッグ用基布として使用する
場合には、そのエアバッグの袋体の展開形状を安定化さ
せることが可能となる。 (11) 乗員を収容して移動する移動体に搭載され、
常には収縮状態にあるが、その移動体が障害物に衝突す
ると展開させられ、それにより、乗員の移動を拘束する
エアバッグに使用されることを特徴とする(1)ないし
(10)項のいずれかに記載の産業資材用基布[請求項
11]。この基布によれば、車両のエアバッグに使用さ
れる基布であって等方性に優れたものが提供される。本
項において「移動体」は、例えば、自動車等の車両を含
む。 (12) タテ糸とヨコ糸とにより構成される産業資材
用基布を、それらタテ糸とヨコ糸との密度係数比であっ
て、 {ヨコ糸密度(本/cm)×√(ヨコ糸繊度(デニー
ル))}÷{タテ糸密度(本/cm)×√(タテ糸繊度
(デニール))} なる式で定義されるものまたはそれと等価なファクター
が予め定められた数値的条件を満たすように製造するこ
とを特徴とする産業資材用基布の製造方法[請求項1
2]。前述のように、本発明者は、良好な等方性を有す
る基布を得るためには、基布のタテ糸とヨコ糸との密度
係数比であって、{ヨコ糸密度(本/cm)×√(ヨコ
糸繊度(デニール))}÷{タテ糸密度(本/cm)×
√(タテ糸繊度(デニール))}なる式で定義されるも
のに着目することが有効であるという知見を得た。この
知見に基づき、本項に係る方法においては、その密度係
数比またはそれと等価なファクターが予め定められた数
値的条件を満たすように基布が製造される。したがっ
て、この方法によれば、良好な等方性を有する基布を容
易に製造し得る。 (13) 前記産業資材用基布を、前記密度係数比また
はそれと等価なファクターを考慮することに加えて、前
記タテ糸とヨコ糸とのカバーファクターであって、 {タテ糸密度(本/インチ)×√(タテ糸繊度(デニー
ル))}+{ヨコ糸密度(本/インチ)×√(ヨコ糸繊
度(デニール))} なる式で定義されるものまたはそれと等価なファクター
が予め定められた数値的条件を満たすように製造するこ
とを特徴とする(12)項に記載の産業資材用基布の製
造方法。本発明者は、自ら案出した前述の密度係数比
と、従来から知られている前述のカバーファクターとを
組み合わせて使用すれば、良好な等方性を有する基布を
一層容易に製造し得るという知見も得た。この知見に基
づき、本項に係る方法においては、産業資材用基布が、
密度係数比またはそれと等価なファクターを考慮するこ
とに加えて、カバーファクターまたはそれと等価なファ
クターが予め定められた数値的条件を満たすように製造
される。したがって、この方法によれば、良好な等方性
を有する基布を一層容易に製造し得る。
【0014】
【実施例】以下、本発明に係る産業資材用基布のいくつ
かの実施例を比較例と対比しつつ説明する。それら実施
例は、車両のエアバッグ用基布に対して本発明を適用し
た場合に好適なものである。
【0015】図1には、実施例1ないし3に関する実験
データが比較例1ないし5に関する実験データと共に表
形式で示されている。
【0016】それら実施例1ないし3においては、図1
の表から明らかなように、カバーファクターが2000
以上である。ここに、「カバーファクター」は、それを
Kで表せば、次式により定義される。
【0017】K=Nw×√(Dw)+Nf×√(Df) ただし、 Nw:タテ糸密度(本/インチ) Dw:タテ糸繊度(デニール) Nf:ヨコ糸密度(本/インチ) Df:ヨコ糸繊度(デニール)
【0018】さらに、それら実施例1ないし3において
は、タテ糸とヨコ糸とで糸質、繊度およびフィラメント
数がいずれも同一である。糸質はナイロン66(図にお
いて「N66」で表す)であり、繊度は420デニール
であり、フィラメント数は72である。また、それら実
施例1ないし3および比較例1ないし5においては、い
ずれも、タテ糸もヨコ糸もマルチフィラメント糸により
構成されている。
【0019】さらに、それら実施例1ないし3において
は、ヨコ糸密度をタテ糸密度で割り算した値である密度
比が、0.85から0.90の範囲内にあるようにされ
ている。ヨコ糸密度がタテ糸密度の85から90%の範
囲であるようにされているのである。
【0020】さらに、それら実施例1ないし3において
は、図示しないが、タテ糸とヨコ糸との各単糸強度が共
に9.2g/dとされている。
【0021】そして、それら実施例1ないし3において
は、以上説明した製織条件に従って基布が製織される。
【0022】図1の表には、それら実施例1ないし3に
おける基布の特性が、比較例1ないし5における基布の
特性と共に示されている。それら比較例1ないし5は、
少なくとも、密度比が0.90を超えている点で、実施
例1ないし3と異なっている。
【0023】各基布の特性には、図1の表に示すよう
に、引張強力と、定荷重時のタテ―ヨコ伸度(以下、単
に「伸度」という)および伸度差と、引裂強力と、ヨコ
―タテ剛軟度および剛軟度差とがある。
【0024】ここで、それらパラメータの測定法を説明
する。
【0025】基布の引張強力および伸度は、その基布の
試験片をJIS L 1096(1999年)に規定さ
れたストリップ法で試験することにより測定された。試
験片として幅寸法が3cmであるストリップを使用し
た。試験機の種類および織物の種類は、定速緊張形およ
び重布類である。伸度については、試験片を定速で引き
伸ばし、その過程において試験片に作用する引張力が4
90N/cmに到達したときのその試験片の伸び率とし
て測定した。それら引張強力および伸度は、各基布ごと
にそれのタテ方向とヨコ方向とに関してそれぞれ測定さ
れた。
【0026】基布の引裂強力は、その基布の試験片をJ
IS L 1096(1999年)に規定されたシング
ルタング法で試験することにより測定された。このシン
グルタング法においては、中央値荷重(メジアンピーク
ロード)が引裂強力として測定された。
【0027】基布の剛軟度は、その基布の試験片をJI
S L 1096(1999年)に規定された45°カ
ンチレバー法で試験することにより測定された。
【0028】引張強力と伸度と引裂強力と剛軟度とはい
ずれも、各基布のタテ方向とヨコ方向とに関して測定さ
れた。さらに、伸度と剛軟度とについてはそれぞれ、各
基布のタテ方向に関する測定値であるタテ値と、ヨコ方
向に関する測定値であるヨコ値との差がそれぞれ、タテ
―ヨコ伸度差とヨコ―タテ剛軟度差として計算された。
【0029】各基布が車両エアバッグ用基布として成立
する要件を満たすためには、例えば、下記の評価基準を
すべて満たすことが必要であるとされる。 (1)引張強力が450N/cm以上であること。 (2)タテ―ヨコ伸度差の絶対値が5%以下であるこ
と。 (3)引裂強力が110N以上であること。 (4)ヨコ―タテ剛軟度差の絶対値が10mm以下であ
ること。
【0030】図1の表においては、それら4つの評価基
準に基づく総合評価が4段階のレベルで表現されてい
る。具体的には、「◎」が「良いレベル」であることを
表し、「○」が「やや良いレベル」であることを表し、
「△」が「やや悪いレベル」であることを表し、「×」
が「悪いレベル」であることを表している。この表から
明らかなように、実施例1ないし3はいずれも、総合評
価が良好であることを示している。
【0031】それら3つの実施例のうち実施例3は、タ
テ―ヨコ伸度差もヨコ―タテ剛軟度差も0に最も近く、
最も良好な等方性を示している。その理由の一つとし
て、例えば、密度比がそれら3つの実施例の中で最小で
あったことが考えられる。
【0032】以上の説明から明らかなように、実施例1
ないし3によれば、タテ―ヨコ伸度差もヨコ―タテ剛軟
度差も良好な等方性を示すとともに、タテ糸とヨコ糸と
の各剛軟度が100mm以下であって、柔軟性に優れた
車両エアバッグ用基布が得られる。この車両エアバッグ
用基布は、方向の如何を問わず、折り畳み易く、コンパ
クトに収納可能である。
【0033】図2には、実施例4ないし7に関する実験
データが比較例6に関する実験データと共に表形式で示
されている。
【0034】それら実施例4ないし7においては、図2
の表から明らかなように、カバーファクターが2000
以上である。このことは比較例6についても同じであ
る。カバーファクターの定義は上記の場合と同じであ
る。
【0035】図2の表には、図1の表にはないファクタ
ーが記載されている。それは、密度係数比である。この
密度係数比は、それをΓで表せば、次式により定義され
る。
【0036】 Γ={nf×√(Df)}÷{nw×√(Dw)} ただし、 nf:ヨコ糸密度(本/cm) Df:ヨコ糸繊度(デニール) nw:タテ糸密度(本/cm) Dw:タテ糸繊度(デニール)
【0037】そして、それら4つの実施例においては、
いずれも、その密度係数比が0.92を超えない値とさ
れている。さらに、それら4つの実施例においては、い
ずれも、その密度係数比が0.8以上である値とされて
いる。これに対して、比較例6においては、密度係数比
が0.92を超えた値とされている。
【0038】さらに、それら実施例4ないし7において
は、タテ糸とヨコ糸とで糸質もフィラメント数も同一で
ある。糸質はナイロン66(図において「N66」で表
す)であり、フィラメント数は72である。また、それ
ら実施例4ないし7および比較例6においては、いずれ
も、タテ糸もヨコ糸もマルチフィラメント糸により構成
されている。
【0039】しかし、実施例4ないし6においては、糸
繊度がタテ方向とヨコ方向とで互いに異なるのに対し
て、実施例7においては、同一とされ、315デニール
である。実施例4ないし6においては、タテ糸繊度が3
15デニール、ヨコ糸繊度は420デニールとされてい
る。このように、それら実施例4ないし6においては、
ヨコ糸繊度がタテ糸繊度より大きい値とされているので
ある。ただし、ヨコ糸繊度は、タテ糸繊度の2倍を超え
ない値とされている。
【0040】さらに、それら実施例4ないし6において
は、図示しないが、タテ糸の単糸強度は9.2g/dで
あるのに対して、ヨコ糸の単糸強度は8.3g/dとさ
れている。それら実施例4ないし6においては、ヨコ糸
繊度がタテ糸繊度より大きくされており、これを見込ん
でヨコ糸の単糸強度がタテ糸の単糸強度より低くされて
いるのである。これに対して、実施例7においては、タ
テ糸繊度とヨコ糸繊度とが同一であるため、タテ糸とヨ
コ糸との各単糸強度が共に9.2g/dとされている。
【0041】さらに、それら4つの実施例のうち実施例
7を除くものにおいては、ヨコ糸密度をタテ糸密度で割
り算した値である密度比が、前述の実施例1ないし3に
おけるとは異なり、0.85より小さい値とされてい
る。
【0042】そして、それら実施例4ないし7において
は、以上説明した製織条件に従って基布が製織される。
【0043】図2には、それら実施例4ないし7におけ
る基布の特性が、比較例6における基布の特性と共に表
形式で示されている。比較例6は、少なくとも、密度係
数比が0.92を超えている点で、実施例4ないし7と
異なっている。
【0044】各基布の特性には、図2の表に示すよう
に、引張強力と、定荷重時のタテ―ヨコ伸度および伸度
差と、引裂強力と、ヨコ―タテ剛軟度および剛軟度差と
がある。それらパラメータの測定法は、図1の表に示す
パラメータを測定する際に採用した方法と同じである。
さらに、各実施例における各基布が車両エアバッグ用基
布として適格であるために満たすべき4つの評価基準
も、それら4つの評価基準に基づく総合評価の表現方式
も、図1の表に示す場合と同じである。
【0045】図2の表に示すように、実施例4ないし7
はいずれも、総合評価が良好であることを示している。
それら4つの実施例のうち実施例4,5および7は、タ
テ―ヨコ伸度差もヨコ―タテ剛軟度差も0に十分に近
く、十分良好な等方性を示した。その理由の一つとし
て、例えば、密度係数比がそれら4つの実施例の中で最
小ではなかったことが考えられる。
【0046】以上の説明から明らかなように、実施例4
ないし7によれば、実施例1ないし3におけると同様
に、タテ―ヨコ伸度差もヨコ―タテ剛軟度差も良好な等
方性を示すとともに、タテ糸とヨコ糸との各剛軟度が1
00mm以下であって、柔軟性に優れた車両エアバッグ
用基布が得られる。この車両エアバッグ用基布も、方向
の如何を問わず、折り畳み易く、コンパクトに収納可能
である。
【0047】それら実施例4ないし7においては、密度
係数比という今までにないファクターを採用して考慮す
ることにより、基布が製造される。図2の表から明らか
なように、例えば、密度係数比が0.8から0.92の
範囲にあるように基布を設計・製造すれば、基布の等方
性が良好に確保される。同図の表からは、この密度係数
比は、タテ糸繊度とヨコ糸繊度とが同一であるか否かに
かかわらず、基布の等方性を正確に反映するファクター
であることも分かる。したがって、この密度係数比は、
タテ糸繊度とヨコ糸繊度とが同一であるか否かにかかわ
らず、基布を設計・製造する際に、完成された基布の等
方性を精度よく予測し得るファクターと言えるのであ
る。
【0048】以上、本発明のいくつかの実施例を説明し
たが、これらは例示であり、前記[課題を解決するため
の手段および発明の効果]の欄に記載の態様を始めとし
て、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した
他の形態で本発明を実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1ないし3における産業資材用
基布の特性を比較例1ないし5の特性と対比して表形式
で示す図である。
【図2】本発明の実施例4ないし7における産業資材用
基布の特性を比較例6の特性と対比して表形式で示す図
である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タテ糸とヨコ糸とにより構成され、それ
    らタテ糸とヨコ糸とのカバーファクターであって、 {タテ糸密度(本/インチ)×√(タテ糸繊度(デニー
    ル))}+{ヨコ糸密度(本/インチ)×√(ヨコ糸繊
    度(デニール))} なる式で定義されるものが2000以上であり、かつ、
    それらタテ糸とヨコ糸との密度係数比であって、 {ヨコ糸密度(本/cm)×√(ヨコ糸繊度(デニー
    ル))}÷{タテ糸密度(本/cm)×√(タテ糸繊度
    (デニール))} なる式で定義されるものが0.92を超えない値である
    ことを特徴とする産業資材用基布。
  2. 【請求項2】 前記密度係数比が0.8以上であること
    を特徴とする請求項1に記載の産業資材用基布。
  3. 【請求項3】 前記ヨコ糸繊度が前記タテ糸繊度より大
    きいことを特徴とする請求項1または2に記載の産業資
    材用基布。
  4. 【請求項4】 前記ヨコ糸繊度が前記タテ糸繊度の2倍
    を超えないことを特徴とする請求項3に記載の産業資材
    用基布。
  5. 【請求項5】 前記タテ糸とヨコ糸とのそれぞれの単糸
    強度が共に8.3g/d以上であることを特徴とする請
    求項1ないし4のいずれかに記載の産業資材用基布。
  6. 【請求項6】 当該産業資材用基布の剛軟度をそれのタ
    テ方向とヨコ方向とに関してそれぞれ45°カンチレバ
    ー法で測定したタテ値とヨコ値とが共に100mm以下
    であることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに
    記載の産業資材用基布。
  7. 【請求項7】 当該産業資材用基布の剛軟度をそれのタ
    テ方向とヨコ方向とに関してそれぞれ45°カンチレバ
    ー法で測定したタテ値とヨコ値との差である剛軟度差の
    絶対値が10mm以下であることを特徴とする請求項1
    ないし6のいずれかに記載の産業資材用基布。
  8. 【請求項8】 タテ糸とヨコ糸とが共に同一デニールの
    マルチフィラメント糸により構成され、それらタテ糸と
    ヨコ糸とのカバーファクターであって、 {タテ糸密度(本/インチ)×√(タテ糸繊度(デニー
    ル))}+{ヨコ糸密度(本/インチ)×√(ヨコ糸繊
    度(デニール))} なる式で定義されるものが2000以上であり、かつ、
    ヨコ糸密度がタテ糸密度の85から90%の範囲である
    ことを特徴とする産業資材用基布。
  9. 【請求項9】 前記タテ糸とヨコ糸とのそれぞれの単糸
    強度が共に9.2g/d以上であり、かつ、当該産業資
    材用基布の剛軟度をそれのタテ方向とヨコ方向とに関し
    てそれぞれ45°カンチレバー法で測定したタテ値とヨ
    コ値とが共に100mm以下であり、かつ、それらタテ
    値とヨコ値との差である剛軟度差の絶対値が10mm以
    下であることを特徴とする請求項8に記載の産業資材用
    基布。
  10. 【請求項10】 予め定められた試験条件で当該産業資
    材用基布を試験するための試験片を引き伸ばすとともに
    その過程においてその試験片に作用する引張力が490
    N/cmに到達したときのその試験片の伸び率を前記産
    業資材用基布の定荷重時伸度として、その産業資材用基
    布のタテ方向とヨコ方向とに関してそれぞれ測定したタ
    テ値とヨコ値との差である定荷重時伸度差の絶対値が5
    %以下であることを特徴とする請求項1ないし9のいず
    れかに記載の産業資材用基布。
  11. 【請求項11】 乗員を収容して移動する移動体に搭載
    され、常には収縮状態にあるが、その移動体が障害物に
    衝突すると展開させられ、それにより、乗員の移動を拘
    束するエアバッグに使用されることを特徴とする請求項
    1ないし10のいずれかに記載の産業資材用基布。
  12. 【請求項12】 タテ糸とヨコ糸とにより構成される産
    業資材用基布を、それらタテ糸とヨコ糸との密度係数比
    であって、 {ヨコ糸密度(本/cm)×√(ヨコ糸繊度(デニー
    ル))}÷{タテ糸密度(本/cm)×√(タテ糸繊度
    (デニール))} なる式で定義されるものまたはそれと等価なファクター
    が予め定められた数値的条件を満たすように製造するこ
    とを特徴とする産業資材用基布の製造方法。
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