JP2001200271A - 燃料ガスの製造方法 - Google Patents
燃料ガスの製造方法Info
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Abstract
より、燃料ガス、電力、熱エネルギーなどの有用な形態
で回収するための新たな技術を提供する。 【解決手段】(1)第一の反応器内において、液状有機
物を湿式処理に供する工程、(2)形成された気液混合
相を気液分離する工程、(3)第二の反応器内におい
て、上記(2)の工程で得られた分離液相を接触分解さ
せてメタンガス含有気液混合相を生成させる工程、
(4)第二の反応器内において、上記(3)の工程で得
られた気液混合相を脱炭酸処理する工程、(5)上記
(4)の工程で得られた気液混合相からメタンガスを回
収する工程、および(6)工程(5)において生成した
アルカリ含有分離水の一部を再生して、工程(4)に循
環使用する工程を備えたことを特徴とする燃料ガスの製
造方法。
Description
することにより、燃料ガスを製造する方法に関する。本
発明において、「液状有機物」とは、水に液状および/
または固形状の有機物が溶解しあるいは分散して存在し
ている液状物を意味する。
気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥
類;厨芥、紙、プラスチック、木片、竹片、草片、藁、
繊維、野菜片、ゴム、皮、食品加工廃棄物、畜産廃棄
物、森林間伐材/倒木、枝打ちなどの廃棄物、農林廃棄
物、水産物廃棄物など)と液状有機性廃棄物(生活廃水、
食品加工工場などからの廃水、畜舎/養鶏場などからの
廃水、生物学的処理が困難な成分を含む産業廃水などの
廃水;アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類など
を含む廃水)などは、それぞれの特性に応じた別個の技
術により処理されている。
は、約5000万トン/年にも達しており、その約75%は多
くの焼却処理場で焼却処分されている。しかしながら、
これらの焼却場において、電力回収により、廃棄物を有
効利用しているのは、僅か約150カ所に過ぎない。特に
近年各種廃棄物の焼却に際しては、ダイオキシンの発生
が大きな問題となっており、新規焼却施設の建設のみな
らず、既存設備の一部では操業の継続すらも困難な状況
となりつつある。
後焼却したり、或いは埋め立て処理されている。有機物
含有廃水は、一般に活性汚泥処理された後、生成する汚
泥は、上記の様に焼却或いは埋め立て処理されている。
また、有機物を含む含水性の廃棄物は、そのまま乾燥後
焼却されている。
液状有機性廃棄物の発生量が増大し、同時に廃棄物に対
する規制が強化されつつある現状では、上記の様な従来
技術により各種の廃棄物を焼却処理する方法では、次第
に対処し難くなっている。
りある資源の有効利用」という視点からは、これらの廃
棄物を資源として再利用することも必要である。
形および液状の有機廃棄物を高いガス化効率で処理する
ことにより、燃料ガス、電力、熱エネルギーなどの有用
な形態で回収し、再利用するための新たな技術を提供す
ることを主な目的とする。
技術の現状に鑑みて、固形および液状の有機廃棄物を処
理する技術について研究を進めた結果、これらの廃棄物
を液状有機物の形態で特定の条件下に湿式加熱処理およ
び湿式メタン化処理する場合には、上記の課題をほぼ達
成し得ることを見出した。
原料として燃料ガスを製造する方法を提供する; 1.(1)第一の反応器内において、液状有機物を100
℃以上の温度且つ原料の少なくとも一部が液相を維持す
る圧力に保ちつつ、理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を
含有するガスの存在下に加熱/加圧処理に供する工程、
(2)上記(1)の工程で形成された気液混合相を気液
分離する工程、(3)第二の反応器内において、上記
(2)の工程で得られた分離液相を100℃以上の温度且
つその少なくとも一部が液相を維持する圧力に保ちつ
つ、金属および金属化合物の少なくとも1種を活性成分
として担持する触媒の存在下に、接触分解させてメタン
ガスを主成分とするガスを含有する気液混合相を生成さ
せる工程、(4)第二の反応器内において、上記(3)
の工程で得られた気液混合相をアルカリ液により脱炭酸
処理する工程、(5)上記(4)の工程で得られた脱炭
酸処理後の気液混合相を気液分離して、メタンガスを主
成分とするガスを回収する工程、および(6)工程
(5)において生成したアルカリ含有分離水の少なくと
も一部を再生して、工程(4)におけるアルカリ液とし
て循環使用する工程を備えたことを特徴とする燃料ガス
の製造方法。 2.液状有機物が、有機化合物含有液、固形有機物破砕
体と水とからなるスラリー、および固形有機物破砕体と
水と有機化合物含有液とからなるスラリーの少なくとも
1種である上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。 3.工程(1)および/または工程(3)の反応器内温
度が374℃以上であり、圧力が22MPa・G以上であり、反
応器内の液線速度(送入液量/反応塔断面積)が、0.01〜
0.1cm/secである上記項1に記載の燃料ガスの製造方
法。 4.工程(1)で生成したスラッジおよび/または金属
成分を第一の反応器からおよび/または第一の反応器を
出て工程(3)に送給される分離液相から除去する上記
項1に記載の燃料ガスの製造方法。 5.工程(2)で得られた分離液相の一部を工程(1)
の液状有機物に循環混合するとともに、分離液相の残部
を工程(3)に送給する操作を行い、かつこの両操作に
おいて、工程(1)に循環される液相量が工程(3)に
送球される液相量の5〜20倍である上記項1に記載の燃
料ガスの製造方法。 6.工程(2)および/または工程(5)で得られた気
液分離後の気相からエネルギーを熱および/または動力
として回収する上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。 7.工程(3)における触媒活性成分が、Ru、Pd、Rh、
Pt、Au、Ir、Os、Fe、Ni、Co、MnおよびCeならびにその
水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少
なくとも1種であり、その担体が、チタニア、ジルコニ
ア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカおよびア
ルミナ-シリカからなる群から選ばれた少なくとも1種
であり、触媒活性成分の担持量が、担体重量の0.01〜10
%の範囲内にある上記項1に記載の燃料ガスの製造方
法。 8.工程(1)において、液状有機物中の溶存酸素およ
び/または供給ガス中の酸素により、液状有機物中に存
在する硫黄化合物を酸化させる上記項1に記載の燃料ガ
スの製造方法。 9.工程(5)で分離された液相の少なくとも一部を工
程(1)における液状有機物と熱交換した後、固形有機
物破砕体含有スラリー形成水として循環利用する上記項
2に記載の燃料ガスの製造方法。
物は、水などの液体中に液状および固形状の有機物の少
なくとも1種が溶解乃至分散して状態の液状物を全て包
含する。
されず、都市ゴミなどの一般廃棄物に加えて、好気性処
理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥類;草
木、竹、草、藁、繊維類、野菜くず、ゴム、皮、農業/
林業/畜産業/養鶏業/水産業などの生物関連の廃棄物お
よび生産物などの固形有機物(トウモロコシの軸、おか
ら、コーヒー豆粕、麦わら、稲わら、間伐材、倒木な
ど;ジャイアントケルプ、ユーカリなどを含む広義のバ
イオマス);鉱産物(石炭、泥炭その他)、各種の炭化水
素類などが例示される。これらの固形状有機物は、2種
以上の混合状態で処理しても良い。
スチックなどを含む生活廃水、有機化合物(アルコール
類、カルボン酸類、アルデヒド類など)を含む廃水、し
尿、メッキ廃水、食品工場廃水、製紙工場廃水、製薬工
場廃水、写真廃水、印刷廃水、農薬関連廃水、染色廃
水、半導体製造工場廃水、石炭の液化或いはガス化に伴
い発生する廃水、都市ゴミの熱分解に伴い発生する廃水
などの有機物を含有する廃水などが例示される。
常Mg、Al、Si、P、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Z
n、Cdなどの金属成分の1種または2種以上を含んでい
る。本発明方法は、被処理物がこの様な金属成分を含ん
でいても、実施可能である。本発明が処理対象とする液
状有機物は、上記の固形状および液状の有機物源の少な
くとも1種に、必要に応じて、水などの液体を加え、攪
拌することにより、形成することができる。この際、固
形状有機物源は、予め適当な大きさに粉砕しておくこと
ができる。
は、メタン化反応触媒層に供給されるに先立って、第一
の反応器(可溶化塔)内で高温・高圧条件下に加熱/加圧
処理されるので、原料中の硫黄化合物は酸素含有ガスに
より酸化され、触媒に対して悪影響を及ぼさない硫酸と
なる。その結果、第二の反応器(メタン化反応塔)におけ
る可溶化原料のメタン化反応に際しては、硫黄化合物に
よる触媒被毒という問題は生じなくなる。従って、本発
明によるメタン化反応手法においては、通常のメタン化
反応設備に付設される脱硫装置、改質器、純水製造装
置、ボイラーなどは不要となり、かつメタン化反応塔の
小型化も可能となる。
詳細に説明する。
シートである。
は、金属、ガラスなどの無機機成分を出来るだけ除去す
るために、前処理装置50で分別処理に供された後、ラ
イン60を経て粗破砕機70に送られる。次いで、粗破
砕物は、ライン80を経て、水および/または液状の有
機物源90とともに、貯留タンク1に送られ、液状有機
物乃至固形有機物含有スラリーとして貯蔵される。
の様にして形成された液状有機物を処理する。すなわ
ち、貯留タンク1で得られた液状有機物は、ライン2、
ポンプ3およびライン4を経て、ライン7で後述する様
に理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を含有するガスと混
合され、必要に応じて熱交換器8により100℃以上の温
度に加熱された後、ライン9を経て可溶化塔10に供給
される。可溶化のために必要とされるガスは、圧縮機5
により所定のガスを圧縮昇圧した後、ライン6からライ
ン7に送られ、ここで液状有機物と混合され、液状有機
物に随伴して可溶化塔10に供給される。
反応器(メタン化反応塔)からの高温の処理液を循環さ
せて使用しても良く、或いは他の加熱手段を使用しても
良い。被処理成分の濃度が低く、冬季などにおいて可溶
化反応時に所定の反応温度を維持できない場合或いは所
定の温度までの昇温を必要とする場合などには、さらに
加熱器(図示せず)により加熱したり、或いは蒸気発生
器(図示せず)から可溶化塔に蒸気を供給することもで
きる。また、スタートアップに際して可溶化塔内温度を
所定温度とするためにも、可溶化塔内に直接蒸気を送入
して昇温したり、或いは熱交換器と可溶化塔との間に加
熱器(図示せず)を設けて昇温することもできる。
ける温度は、固形有機物の可溶化を良好に進行させるた
めに、通常100℃程度以上、より好ましくは150〜370℃
程度である。可溶化反応時の温度が高い程、有機物など
の低分子化による可溶化率が高まり、また可溶化塔内で
の被処理物(液状有機物)の滞留時間も短縮されるが、反
面において設備費が増大するので、可溶化反応温度は、
被処理物中の汚濁物質濃度、運転費、建設費などを総合
的に考慮して、定めれば良い。反応時の圧力は、所定温
度において被処理物の少なくとも一部が液相を保持し得
る圧力以上であれば良い。
件下に行うことも可能である。この場合には、可溶化塔
10内の温度を374℃以上、圧力を22MPa・G以上、液線
速度(送入液量/反応塔断面積)を0.01〜0.1cm/sec程度と
することが好ましい。超臨界条件下に可溶化反応を行う
場合には、固形有機物の可溶化をより一層促進すること
ができる。
は、有機物の低分子化による可溶化に必要な最低の量で
良い。酸素含有ガスを使用する場合には、以下に定義す
る理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を含有するガスを使
用する。酸素量が多すぎる場合には、最終的に燃料成分
となるべき液状有機物中の有機物などが二酸化炭素、水
などにまで過度に分解されてしまうことがあり、燃料ガ
スの収率が低下する。ガス中の酸素含有量は、理論酸素
量の0.1〜0.3倍量程度がより好ましい。
源とする液状有機物の中には、酸素の不存在下において
も、有機成分の可溶化が良好に進行するものがある。従
って、本発明において、「理論酸素量の0.5倍量以下の
酸素を含有する」反応状況は、酸素を供給しない場合を
も、包含する。
げたが、酸素源としては、特に限定されず、その他に酸
素富化空気、高純度酸素、高濃度酸素、過酸化水素、酸
素含有廃ガスなどが例示される。
理物中の有機性物質、無機性物質、窒素化合物など(被
処理成分)をCO2、H2OおよびN2などにまで完全分解する
ことを想定した場合に、その様な完全分解を行うために
必要とされる酸素量」を意味する。理論酸素量は、処理
対象とする液状有機物中の被処理成分を分析し、それら
の分解に必要な理論酸素量を算出することにより、容易
に決定しうる。実用的には、経験と若干の実験とに基づ
いて、いくつかのパラメーターを用いて、高い精度で理
論酸素量を近似的に算出できる関係式を見出すことがで
きる。この様な関係式は、例えば、特公昭58-27999号公
報に開示されている。
液状化して、相対的に無機物の濃度が増大するので、こ
れをスラッジとしてライン35から可溶化塔10外に排
出する。また、後述するアルカリ塩もこの際に同時に排
出することができる。すなわち、可溶化塔10と同圧ま
で昇圧されたスラッジ排出装置(ライン35に接続され
ているが、図示しない;以下単に「排出装置」というこ
とがある)との間のバルブを開き、スラッジを可溶化塔
10から排出装置に沈降させる。スラッジが十分に沈降
した時点で、上記のバルブを閉じ、排出装置を自然降温
よび降圧させた後、排出装置出口側に設けたバルブを開
き、スラッジ液を系外に排出する。また、可溶化処理を
超臨界条件下で行う場合には、金属の溶解度が大幅に減
少するので、この段階でスラッジ除去を効率よく行うこ
とが出来、後続のメタン化反応で使用する触媒寿命を延
長することができる。
し、分離液は貯留タンク1に循環し、処理することがで
きる。可溶化塔10内で生成したスラッジは、この様な
ロックホッパ方式により、半連続的に抜き出し、排出す
ることが出来る。また、可溶化液中の金属成分は、凝集
沈殿などの公知の手法により、除去できる。可溶化液中
の金属成分の除去および可溶化塔10で生成したスラッ
ジおよび/または金属成分の除去により、後続のメタン
化反応塔における触媒へのスラッジおよび/または金属
成分の付着を抑制し、長期にわたり高い触媒活性を維持
することができる。
ライン11からの気相とライン14からの液相とに分離
される。O2、CO2、水蒸気などからなる気相は、系外
に取り出され、膨張タービン12により動力を回収され
た後、ライン13から系外に排出される。可溶化成分を
含む高温/高圧の液相は、ライン14を経て、メタン化
反応塔15に送られる。
を可溶化塔内10の液状有機物に循環混合することがで
きる。これにより、可溶化塔内での固形有機物の沈降防
止、酸素含有ガスとの混合による可溶化の促進、金属成
分の酸化、硫黄酸化物の酸化促進などの効果が達成され
る。液相の循環量は、メタン化反応塔15への送給量の
5倍以上であることが好ましく、10〜20倍であることが
より好ましい。
を維持できない場合には、加熱器(図示せず)により加
熱を行うこともできる。また、スタートアップに際して
メタン化反応塔15の内部を所定温度とするために、可
溶化塔10からの高温の液相を循環して昇温を行った
り、メタン化反応塔15に蒸気を直接送入して昇温を行
ったり、或いは加熱器(図示せず)により昇温を行うこ
ともできる。
持された触媒が充填されており、その下部にはアルカリ
液を供給するための装置16(例えば、スプレー装置)が
配設されている。
Au、Ir、Os、Fe、Ni、Co、MnおよびCeならびにこれら金
属の水不溶性乃至水難溶性の化合物が挙げられる。これ
ら金属およびその化合物は、単独で使用しても良く或い
は2種以上を併用しても良い。これらの触媒活性成分
は、常法に従って、公知の金属酸化物担体に担持した状
態で使用される。金属酸化物担体としては、特に限定さ
れず、公知の触媒担体として使用されているものを使用
することができる。金属酸化物担体としては、ジルコニ
ア、チタニア、アルミナ、シリカ、これら金属酸化物を
含む複合金属酸化物(チタニア−ジルコニア、アルミナ
−シリカ、アルミナ−シリカ−ジルコニアなど)、これ
ら金属酸化物または複合金属酸化物を主成分とする金属
酸化物系担体などが挙げられる。これらの担体中では、
耐久性に優れたジルコニア、チタニアおよびチタニア−
ジルコニアがより好ましい。
状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、ハニカム
状などが例示される。この様な担持触媒を充填使用する
場合のメタン化反応塔15の容積は、固定床の場合に
は、液の空間速度が0.5〜100hr-1程度、より好ましくは
1〜60hr-1程度となる様にするのが良い。固定床で使用
する担持触媒の大きさは、球状、ペレット状、円柱状、
破砕片状、粉末状などの場合には、通常1〜50mm程度、
より好ましくは2〜25mm程度である。また、触媒をハニ
カム状担体に担持して使用する場合のハニカム構造体と
しては、開口部が四角形、六角形、円形などの任意形状
のものが使用される。単位容積当たりの面積、開口率な
ども特に限定されるものではないが、通常単位容積当り
の面積として、200〜800m2/m3、開口率40〜80%程度の
ものを使用する。ハニカム構造体の材質としても、上記
と同様の金属酸化物および金属が例示され、耐久性に優
れたジルコニア、チタニアおよびチタニア−ジルコニア
がより好ましい。
る場合には、反応塔内で担持触媒が流動床を形成し得る
量、即ち通常液相の重量を基準として、0.01〜10%程
度、より好ましくは0.1〜3%程度を液相にスラリー状に
懸濁させ、使用する。流動床を採用する場合には、担持
触媒を液相中にスラリー状に懸濁させた状態でメタン化
反応塔に供給し、反応終了後にメタン反応塔外に排出さ
れた液相から触媒を沈降、遠心分離などの適当な方法に
より分離回収し、再使用する。従って、液相からの触媒
の分離回収の容易さを考慮すれば、流動床において使用
する担持触媒の粒径は、0.15〜0.5mm程度とすることが
より好ましい。触媒活性金属の担持量は、特に限定され
るものではないが、通常担体重量の0.01〜25%程度、よ
り好ましくは0.1〜3%程度の範囲内にある。
100℃以上である。また、可溶化塔10において、被処
理物中に含まれていた硫黄酸化物ならびにスラッジおよ
び/または金属成分が効率的に除去されているので、メ
タン化反応塔に充填された触媒の活性阻害も、大幅に抑
制される。
条件下に行うことも可能である。この場合には、メタン
化反応塔15内の温度を374℃以上、圧力を22MPa・G以
上、液線速度(送入液量/反応塔断面積)を0.1〜1.0cm/se
c程度とすることが好ましい。超臨界条件下にメタン化
反応を行う場合には、より効率的にメタン化を行うこと
ができる。
リ液を添加する。アルカリ液は、ライン28から送給さ
れ、ポンプ29により昇圧された後、アルカリ液供給装
置(図1においては、噴射スプレー装置)16により、メ
タン化反応塔15の下部に存在する気液混合相に添加さ
れる。アルカリ液は、この気液混合相に含まれているCO
2などの酸性ガスを中和・吸収した後、気液混合相とと
もに、ライン17を経て気液分離装置18に送られる。
の水溶液が使用される。また、後述する再生アルカリ液
を単独で循環使用しても良く、あるいはライン28から
のアルカリ液とともに併用しても良い。
終了後の気液混合相は、ライン19からの気相とライン
24からの液相とに分離される。
に応じて、膨張タービン(あるいは往復動式動力回収装
置)20などにより動力回収された後、ライン21から
燃料として回収することができる。さらに得られたメタ
ンを主成分とする燃料ガスを熱量調整機22に送り、LP
Gなどを添加して増熱を行い、SNGを得ることができる。
得られたSNGは、ライン23から所定の用途に供され
る。これらの動力回収および増熱は、公知の手法により
行うことができる。
イン24を経て、アルカリ液再生装置25に送られ、常
法に従って、CO2などの酸性ガスを分離された後、必要
ならば、再生アルカリ液として、ライン27、ポンプ2
9およびライン30を経て、メタン化反応塔15に循環
供給される。アルカリ液再生装置25において分離され
たCO2を主成分とする混合ガスは、ライン26から系外
に排出される。
うち、メタン化反応塔15に循環される以外の残液は、
必要ならば、ライン31を経て、熱交換器8において熱
回収された後、ライン32およびライン33を経て、系
外に取り出される。また、残液の一部は、必要に応じ
て、ライン34から貯留タンク1に循環することもでき
る。
本発明方法で使用する配管類および機器類の内表面を酸
水溶液(硝酸水溶液、アスコルビン酸水溶液など)および
/またはアルカリ水溶液(炭酸カリウム水溶液、炭酸ナ
トリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液など)で洗浄
したり、あるいは空気洗浄したりすることもできる。
(廃棄物およびバイオマス)および/または液状の有機物
を高いエネルギー変換効率で有用な燃料ガス(SNG)に変
換させることができるので、SNGの製造コストが著しく
低減される。
る各種の廃棄物を資源として再利用することにより、SN
G製造ソースの多様化に寄与するとともに、化石燃料の
使用量を削減することができるので、CO2削減を含む地
球環境の保全に大きく貢献することができる。
よる廃棄物処理の最大の問題点であったダイオキシンな
どの有害物質の発生を効果的に防止することができるの
で、大気、土壌などの環境汚染を実質的に解消乃至著し
く軽減することができる。
焼却処分を主とする廃棄物処理方法に比して、電力、熱
エネルギーなどをより効率良くかつ大量に回収すること
ができる。
た後の気相中には、有害成分の存在は実質的に認められ
ない。
沈降性に優れており、装置からの除去および取扱が容易
である。
生成物に含まれる酸、塩化物などによる腐食を著しく軽
減することができるとともに、各工程が連続的に実施さ
れ、処理フローが極めて簡単となるので、処理コスト
(設備費、運転費など)が著しく低下するとともに、工
程管理が容易となる。
特徴とするところをより一層明確にする。 実施例1 図1に示すフローに従って、本願発明により、ディスポ
ーザーにより破砕した厨芥と汚泥との混合物からなる液
状有機物(表1に組成を示す)を処理した。
-1(空塔基準)で可溶化塔10に供給しつつ、圧縮機5
から理論酸素量(16.1Nm3/kl)の0.1倍量に相当する空
気を供給した。
熱交換器8の入口側に導入するとともに、熱交換器8の
出口側(可溶化塔10の入口側)での液状有機物と空気
との混合体(原料気液混合物)の温度が250℃となる様
に、メタン化反応塔15からの処理気液混合相を熱交換
器8に送り、原料気液混合物と熱交換させて、その温度
調節を行った。可溶化塔10内では、液状有機物を温度
250℃、圧力7MPa・Gに保持した。可溶化塔10内での液
線速度は、0.063cm/secであった。
び/または金属成分は、可溶化塔の下部に設けた第一の
バルブ(図示せず)を開き、可溶化塔内のスラッジ液を
スラッジ排出装置(図示せず)に移送し、第一のバルブ
を閉じ、冷却した後、スラッジ排出装置の下部に設けた
第二のバルブ(図示せず)を開いてスラッジ液を排出す
ることにより、行った。
す。
機物中炭素の約10%相当分が分解されて、可溶化塔気相
側にCO2として移行した。
塔基準)でメタン化反応塔15に供給し、触媒の存在下
に湿式メタン化に供した。なお、メタン化反応塔内に
は、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持
させた球形触媒(直径1〜2mm)を充填するとともに、
その内部の温度および圧力を可溶化塔とほぼ同一に保持
した。メタン化反応塔内での液線速度は、0.57cm/secで
あった。
CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)比=
9(l/Nm3)で注下することにより、温度を100〜200℃程度
まで低下させるとともに、メタン化反応塔15内で生成
したCO2を吸収した。
液分離した後の液相の組成などを表3に示す。
%、H2約1%、CO2約2%、その他1%以下であった。
と、反応の過程で、アルカリ液による洗浄を行うことに
より、CO2などの酸性ガスを高度に除去されるので、酸
および塩化物による機器類の腐食および割れなどが抑制
されることが明らかである。従って、別工程でアルカリ
液によるCO2などの酸性ガスの吸収、または分離膜によ
る脱CO2を行う必要がある従来技術に比して、設備費お
よび運転経費を大幅に低下できる。 実施例2 図1に示すフローに従って、本願発明方法により、ディ
スポーザーで破砕した厨芥、破砕機により破砕した紙・
プラスチックおよび汚泥の混合物からなる液状有機物
(表4に組成を示す)を処理した。
(空塔基準)で可溶化塔10に供給しつつ、圧縮機5か
ら理論酸素量(31.5Nm3/kl)の0.1倍量に相当する酸素
を供給した。
熱交換器8の入口側に導入するとともに、熱交換器の出
口側(可溶化塔10の入口側)での液状有機物と空気と
の混合物(原料気液混合物)の温度が270℃となる様に、
メタン化反応塔15からの処理気液混合相を熱交換器8
に送り、原料気液混合物と熱交換させて、その温度調節
を行なった。可溶化塔器10内は、原料気液混合物の湿
式酸化分解により、温度270℃、圧力8.4MP・Gに保持し
た。可溶化塔10内での液線速度は、0.063cm/secであ
った。
または金属成分は、実施例1と同様にして排出した。得
られた可溶化液の組成などを表5に示す。
溶化処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分が
分解されて、可溶化塔気相側にCO2として移行した。
塔基準)でメタン化反応塔15に供給し、湿式メタン化
処理に供した。なお、メタン化反応塔15内上部には、
チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持させ
た球形触媒(直径4〜6mm)を充填するとともに、その
内部の温度および圧力を380℃および23MPaに高めた。メ
タン化反応塔15内での液線速度は、0.57cm/secであっ
た。
CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)比=
9(l/Nm3)で注下することにより、温度を300℃以下に低
下させるとともに、メタン化反応塔15内で生成したCO
2を吸収した。メタン化反応塔15で生成した気液混合
物を気液分離した後の液相の組成などを表6に示す。
%、CO2約2%、H2約2%、その他のガス1%以下であっ
た。 実施例3 木質系バイオマス(C:48〜50%、H:5.7〜6.2%、O:44〜4
6%、N:0.08〜0.13%)を粉砕して、粒径約100μmとした
後、水に分散させて、固形分濃度約20%の液状有機物を
形成させた。
塔基準)、液線速度0.10cm/secで可溶化塔10(250℃、
圧力4.9MPa)に供給した。この様な液状有機物の可溶化
処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分が分解
されて、CO2を形成した。
-1(空塔基準)でメタン化反応塔15に供給し、湿式メ
タン化処理に供した。なお、メタン化反応塔内上部に
は、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持
させた球形触媒(直径4〜6mm)を充填するとともに、
その内部の温度および圧力を300℃および8.8MPaに高め
た。メタン化反応塔15内での液線速度は、0.57cm/sec
であった。
CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)比=
9(l/Nm3)で注下することにより、温度を250℃以下に低
下させるとともに、メタン化反応塔15内で生成したCO
2を吸収した。
7%、CO2約3%であり、H2は0.5%以下であった。
ベース)のCH4が得られた。 実施例4 一般廃棄物から金属、ガラスなどを分別除去した予備処
理物(発熱量1800kcal/kg)を約1mmに破砕した後、水に分
散させて、固形分濃度約30%の液状有機物を形成させ
た。
準)、液線速度0.063cm/secで可溶化塔10(250℃、圧
力26MPa)に供給しつつ、圧縮機5から理論酸素量の0.1
倍量に相当する酸素を供給した。この様な液状有機物の
可溶化処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分
が分解されて、CO2を形成した。
(空塔基準)でメタン化反応塔15に供給し、湿式メタ
ン化処理に供した。なお、メタン化反応塔内上部には、
チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持させ
た球形触媒(直径5〜6mm)を充填するとともに、その
内部の温度および圧力を380℃および25MPaに高めた。メ
タン化反応塔15内での液線速度は、0.57cm/secであっ
た。
CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)比=
9(l/Nm3)で注下することにより、温度を250℃以下に低
下させるとともに、メタン化反応塔15内で生成したCO
2を吸収した。
6%、CO2約2%、H21%以下であり、その他のガスは1%
以下であった。廃棄物予備処理物からは、98.7Nm3/ton
(ウェットベース)のCH4が得られた。 実施例5 一般廃棄物から金属、ガラスなどを分別除去した予備処
理物とバイオマスと汚泥(水分率60%)とをそれぞれ約1m
mに粉砕し、各粉砕物を等量で混合した処理物(発熱量25
00kcal/kg)を水に分散させて、固形分濃度約30%の液状
有機物を形成させた。
準)、液線速度0.063cm/secで可溶化塔10(380℃、圧
力25MPa)に供給しつつ、理論酸素量の0.1倍量に相当す
る過酸化水素水を供給した。この様な液状有機物の可溶
化処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分が分
解されて、CO2を形成した。
-1(空塔基準)でメタン化反応塔15に供給し、湿式メ
タン化処理に供した。なお、メタン化反応塔内上部に
は、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持
させた球形触媒(直径5〜6mm)を充填するとともに、
その内部の温度および圧力を可溶化塔内部とほぼ同様に
保持した。メタン化反応塔15内での液線速度は、0.57
cm/secであった。
CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)比=
9(l/Nm3)で注下することにより、温度を300℃以下に低
下させるとともに、メタン化反応塔15内で生成したCO
2を吸収した。
6%、CO2約2%、H21%以下であり、その他のガスは1%
以下であった。
(ウェットベース)のCH4が得られた。 実施例6〜18 触媒中の触媒活性成分を変更する以外は実施例5と同様
の手法により、実施例5と同様の液状有機物を処理し
た。生成ガスの組成を表7に示す。
した場合にも、優れた効果が達成されることが明らかで
ある。 実施例19 K2CO353%水溶液に代えてNa2CO330%水溶液をメタン化
反応塔15内下部に注下する以外は実施例5と同様の手
法により、実施例5と同様の液状有機物を処理した。
に変わりなかった。
Claims (9)
- 【請求項1】(1)第一の反応器内において、液状有機
物を100℃以上の温度且つ原料の少なくとも一部が液相
を維持する圧力に保ちつつ、理論酸素量の0.5倍量以下
の酸素を含有するガスの存在下に加熱/加圧処理に供す
る工程、(2)上記(1)の工程で形成された気液混合
相を気液分離する工程、(3)第二の反応器内におい
て、上記(2)の工程で得られた分離液相を100℃以上
の温度且つその少なくとも一部が液相を維持する圧力に
保ちつつ、金属および金属化合物の少なくとも1種を活
性成分として担持する触媒の存在下に、接触分解させて
メタンガスを主成分とするガスを含有する気液混合相を
生成させる工程、(4)第二の反応器内において、上記
(3)の工程で得られた気液混合相をアルカリ液により
脱炭酸処理する工程、(5)上記(4)の工程で得られ
た脱炭酸処理後の気液混合相を気液分離して、メタンガ
スを主成分とするガスを回収する工程、および(6)工
程(5)において生成したアルカリ含有分離水の少なく
とも一部を再生して、工程(4)におけるアルカリ液と
して循環使用する工程を備えたことを特徴とする燃料ガ
スの製造方法。 - 【請求項2】液状有機物が、有機化合物含有液、固形有
機物破砕体と水とからなるスラリー、および固形有機物
破砕体と水と有機化合物含有液とからなるスラリーの少
なくとも1種である請求項1に記載の燃料ガスの製造方
法。 - 【請求項3】工程(1)および/または工程(3)の反
応器内温度が374℃以上であり、圧力が22MPa・G以上で
あり、反応器内の液線速度(送入液量/反応塔断面積)
が、0.01〜0.1cm/secである請求項1に記載の燃料ガス
の製造方法。 - 【請求項4】工程(1)で生成したスラッジおよび/ま
たは金属成分を第一の反応器からおよび/または第一の
反応器を出て工程(3)に送給される分離液相から除去
する請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。 - 【請求項5】工程(2)で得られた分離液相の一部を工
程(1)の液状有機物に循環混合するとともに、分離液
相の残部を工程(3)に送給する操作を行い、かつこの
両操作において、工程(1)に循環される液相量が工程
(3)に送球される液相量の5〜20倍である請求項1に
記載の燃料ガスの製造方法。 - 【請求項6】工程(2)および/または工程(5)で得
られた気液分離後の気相からエネルギーを熱および/ま
たは動力として回収する請求項1に記載の燃料ガスの製
造方法。 - 【請求項7】工程(3)における触媒活性成分が、Ru、
Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Ni、Co、MnおよびCeなら
びにその水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選
ばれた少なくとも1種であり、その担体が、チタニア、
ジルコニア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカ
およびアルミナ-シリカからなる群から選ばれた少なく
とも1種であり、触媒活性成分の担持量が、担体重量の
0.01〜10%の範囲内にある請求項1に記載の燃料ガスの
製造方法。 - 【請求項8】工程(1)において、液状有機物中の溶存
酸素および/または供給ガス中の酸素により、液状有機
物中に存在する硫黄化合物を酸化させる請求項1に記載
の燃料ガスの製造方法。 - 【請求項9】工程(5)で分離された液相の少なくとも
一部を工程(1)における液状有機物と熱交換した後、
固形有機物破砕体含有スラリー形成水として循環利用す
る請求項2に記載の燃料ガスの製造方法。
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JP2008133333A (ja) * | 2006-11-28 | 2008-06-12 | Ngk Insulators Ltd | 含水系バイオマスのガス化方法 |
KR101135042B1 (ko) * | 2011-08-31 | 2012-04-13 | 한국에너지기술연구원 | 음폐수의 초임계수가스화에 의한 가연성 합성가스 생산 방법 |
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