JP4006560B2 - 燃料ガスの製造方法 - Google Patents

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    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/20Waste processing or separation

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状有機物を処理することにより、メタンを主成分とする燃料ガスを製造する方法に関する。本発明において、「液状有機物」とは、水に液状および/または固形状の有機物が溶解しあるいは分散して存在している液状物を意味する。
【0002】
【従来技術とその問題点】
従来固形有機物廃棄物(好気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥類;厨芥、紙、プラスチック、木片、竹片、草片、藁、繊維、野菜片、ゴム、皮、食品加工廃棄物、畜産廃棄物、森林間伐材/倒木、枝打ち材などの林業廃棄物、農林廃棄物、水産物廃棄物など)と液状有機性廃棄物(生活廃水、食品加工工場などからの廃水、畜舎/養鶏場などからの廃水、生物学的処理が困難な成分を含む産業廃水などの廃水;アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類などの有機化合物を含む廃水)などは、それぞれの特性に応じた別個の技術により処理されている。
【0003】
わが国では、一般廃棄物だけでその発生量は、約5000万トン/年にも達しており、その約75%は多くの焼却処理場で焼却処分されている。しかしながら、これらの焼却場において、電力回収により、廃棄物を有効利用しているのは、僅か約150カ所に過ぎない。特に近年各種廃棄物の焼却に際しては、ダイオキシンの発生顔翁問題となっており、新規焼却施設の建設のみならず、既存設備の一部では操業の継続すらも困難な状況となりつつある。
【0004】
より具体的には、例えば、汚泥類は、脱水後焼却したり、或いは埋め立て処理されている。有機物含有廃水は、一般に活性汚泥処理された後、生成する汚泥は、上記の様に焼却或いは埋め立て処理されている。有機物を含む含水性の廃棄物は、そのまま乾燥後焼却されている。
【0005】
しかしながら、近年固形有機廃棄物および液状有機性廃棄物の発生量が増大し、同時に廃棄物に対する規制が強化されつつある現状では、上記の様な従来技術により各種の廃棄物を焼却処理する方法では、次第に対処し難くなっている。
【0006】
また、現今の大きな技術的課題である「限りある資源の有効利用」という視点からは、これらの廃棄物を資源として再利用することも必要である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、固形および液状の有機廃棄物を高いガス化効率で処理することにより、燃料ガス、電力、熱エネルギーなどの有用な形態で回収し、再利用するための新たな技術を提供することを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の様な技術の現状に鑑みて、固形および液状の有機廃棄物を処理する技術について研究を進めた結果、これらの廃棄物を液状有機物の形態で特定の条件下に湿式可溶化処理および湿式接触処理する場合には、上記の課題をほぼ達成し得ることを見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、下記の液状有機物を原料として燃料ガスを製造する方法を提供する;
I.(1)内部圧力を調整できる投入装置を介して、液状有機物を加圧加熱状態にある第一の反応器に投入した後、液状有機物を100℃以上の温度且つ液状有機物の少なくとも一部が液相を維持する圧力に保ちつつ、理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を含有するガスを供給する工程、
(2)上記(1)の工程で形成された気液混合相を気液分離する工程、
(3)第二の反応器内において、上記(2)の工程で得られた分離液相を100℃以上の温度且つその少なくとも一部が液相を維持する圧力に保ちつつ、金属および金属化合物の少なくとも1種を活性成分として担持する触媒の存在下に、接触分解させてメタンガスを主成分とするガスを生成させる工程
を備えたことを特徴とする燃料ガスの製造方法。
2.液状有機物が、有機化合物含有液、固形有機物粉砕体と水とからなるスラリー、および固形有機物粉砕体と水と有機化合物含有液とからなるスラリーの少なくとも1種である上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
3.上記(1)において、投入装置の入口側バルブを開きかつ出口側バルブを閉じた常圧状態で投入装置内に固形有機物を導入し、次いで入口側バルブを閉じて、装置内圧を第一反応器内圧力と同等以上となるまで高めた後、出口側バルブを開いて、加圧液体により流動化された固形物を加圧下に第一の反応器に投入する上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
4.上記(1)において、第一の反応器において生成する液体成分を加圧液体として投入装置に循環供給する上記項1または3に記載の燃料ガスの製造方法。
5.上記(1)における液状有機物の第一の反応器への投入操作後に、投入装置の出口側バルブを閉じかつ入口側のバルブを開いた状態で、投入装置内に残存する高圧のガスを装置外に排出する上記項1、3または4に記載の燃料ガスの製造方法。
6.上記(1)において、第一の反応器に液状混合物を投入する装置が、下方円錐状の装置本体、固形物導入側バルブ、形成された液状混合物出口側バルブ、固形物を流動化して液状化するための液体供給経路、および加圧液体供給機構を備えてなり、導入された固形物を螺旋状の液体旋回流に混入させて液状化物を形成させ、これを加圧下に第一の反応器に供給する上記項1、3、4または5に記載の燃料ガスの製造方法。
7.第一の反応器において発生する加圧液体成分を液状混合物投入装置に循環供給する機構を備えた上記項1、3、4、5または6に記載の燃料ガスの製造方法。
8.工程(1)の反応器内温度が374℃以上であり、圧力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度(送入液量/反応塔断面積)が、0.01〜0.1cm/secである上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
9.工程(1)における酸素含有ガスの量が、理論酸素量の0.1〜0.3倍量である上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
10.工程(1)で生成したスラッジおよび/または金属成分を第一の反応器から除去する上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
11.工程(2)で得られた分離液相の一部を工程(1)の液状有機物に循環混合するとともに、分離液相の残部を工程(3)に送給する上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
12.工程(1)に循環される液相量が、工程(3)に送給される液相量の5倍以上である上記項11に記載の燃料ガスの製造方法。
13.工程(1)に循環される液相量が、工程(3)に送給される液相量の10〜20倍である上記項12に記載の燃料ガスの製造方法。
14.工程(2)の気液分離後のガスから動力を回収する上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
15.工程(3)に送給する分離液相を予め凝集沈殿処理することにより、金属成分を除去する上記項11に記載の燃料ガスの製造方法。
16.工程(3)における触媒活性成分が、Ru、Pd、Rh、Pt、Ir、Ni、Co、MnおよびCeならびにその水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、その担体が、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカおよびアルミナ-シリカからなる群から選ばれた少なくとも1種である上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
17.触媒活性成分の担持量が、担体重量の0.01〜10%の範囲内にある上記項16に記載の燃料ガスの製造方法。
18.触媒活性成分の担持量が、担体重量の0.1〜3%の範囲内にある上記項17に記載の燃料ガスの製造方法。
19.工程(3)の反応器内温度が374℃以上であり、圧力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度(送入液量/反応塔断面積)が、0.1〜1.0cm/secである上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
20.工程(1)において、液状有機物中の溶存酸素および/または供給ガス中の酸素により、液状有機物内に存在する硫黄化合物を酸化させる上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
21.工程(3)における生成物を気液分離し、得られた分離水を工程(1)における液状有機物と熱交換させた後、液状有機物の形成水として循環利用する上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
22.上記項1の工程(3)で得られたメタンおよび二酸化炭素を主成分とするガスからエネルギーを熱および/または動力として回収した後、脱炭酸し、熱量調整を行う上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。
23.脱炭酸をPSAおよび/または分離膜および/またはアルカリ液を用いて行う上記項22に記載の燃料ガスの製造方法。
24.アルカリ液を用いて行う脱炭酸のための吸収塔内圧力が大気圧を超える高圧であり、かつアルカリ液の再生塔内圧力が大気圧以下である上記項23に記載の燃料ガスの製造方法。
25.吸収塔からの送液ポンプから動力回収を行う上記項24に記載の燃料ガスの製造方法。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明が処理対象とする固形有機物は、特に限定されず、都市ゴミなどの一般廃棄物に加えて、好気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥類;草木、竹、草、藁、繊維類、野菜くず、ゴム、皮、農業/林業/畜産業/養鶏業/水産業などの生物関連の生産物および廃棄物などの固形有機物(トーモロコシの軸、おから、コーヒー豆粕、麦わら、稲わら、間伐材、倒木、枝打ち材、落ち葉など;ユーカリ、ジャイアントケルプなどを含む広義のバイオマス);鉱産物(石炭、泥炭その他)、各種の固形炭化水素類などが例示される。これらの固形状有機物は、2種以上の混合状態で処理しても良い。
【0011】
液状の有機物源としては、厨芥、紙、プラスチックなどを含む生活廃水、有機化合物(アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類など)を含む廃水、し尿、メッキ廃水、食品工場廃水、製紙工場廃水、製薬工場廃水、写真廃水、印刷廃水、農薬関連廃水、染色廃水、半導体製造工場廃水、石炭の液化或いはガス化に伴い発生する廃水、都市ゴミの熱分解に伴い発生する廃水などの有機物を含有する廃水などが例示される。
【0012】
上記の固形状および液状の有機物源は、通常Mg、Al、Si、P、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cdなどの金属成分の1種または2種以上を含んでいる。本発明方法は、被処理物がこの様な金属成分を含んでいても、実施可能である。
【0013】
なお、本発明が処理対象とする液状有機物は、上記の固形状および液状の有機物源の少なくとも1種に、必要に応じ、水などの液体を加え、攪拌することにより、形成させることができる。この際、固形状有機物源は、予め適当な大きさに粉砕しておくことができる。この様な液状有機物の具体例として、有機化合物含有液ないし廃水、固形有機物粉砕体と水とからなるスラリー、および固形有機物粉砕体と水と有機化合物含有液とからなるスラリーなどが挙げられる。
【0014】
以下図面を参照しつつ、本願発明について詳細に説明する。
【0015】
図1は、本願発明方法の一態様の概要を示すフローシートである。
【0016】
廃棄物、バイオマスなどの固形有機物40は、金属、ガラスなどの無機機成分を出来るだけ除去するために、前処理装置(分別処理装置)50に送られた後、ライン60を経て、粗粉砕機70に送られ、粗粉砕される。粗粉砕物は、次いで、ライン80を経て、廃棄物投入装置(図示の例では、ロックホッパー100)に送られ、液状の有機物源90と合わせて、第一の反応器(図示のフローシートでは、「可溶化塔10」)に送られる。貯留タンク1に溜められていた液状の有機物源90は、ライン2、ポンプ3、ライン4、熱交換器8、ライン9およびライン101を経て、ロックホッパー100に供給される。
【0017】
図2は、固形状の有機物と液状の有機物とにより形成された液状有機物を投入するための装置100(以下単に「投入装置」ということがある)および可溶化塔10の概要を示すフロー図である。可溶化塔内部は、外部に比して、温度および圧力が通常かなり高いので、可溶化塔に固形状の有機物と流体(水あるいは液状の有機物)との混合物(以下単に「混合物」ということある)を直接導入することは、できない。従って、本発明においては、投入装置の入口側バルブV-1を開き、かつ出口側バルブV-2を閉じた常圧状態で、粗粉砕された固形状の有機物を投入装置に供給した後、バルブV-1を閉じて、投入装置内部の圧力を十分に高める。次いで、投入装置に加圧した流体(水、液状の有機物あるいは水で希釈した液状の有機物など)をライン101から導入し、内部の固形状の有機物を流動化させた後、バルブV-2を開いて、流動化物を可溶化塔10に導入する。粗粉砕後に投入装置に供給される固形有機物の寸法は、固形有機物の種類などにより異なり、特に限定されるものではないが、10mm以下程度とすることが好ましい。投入装置内部の昇圧は、圧力調整用のバルブV-3を設けた管路を介して、可溶化塔で発生する高温/高圧のガス(水蒸気を主成分とする)を投入装置に導入することにより行うことも、できる。また、投入装置には、セーフティーバルブ(図示せず)を設けて、必要に応じて、高圧ガス(水を主成分とする)を装置外に放出することができる。
【0018】
固形有機物の流動化は、例えば、図3に示す様に、投入装置100の内部に螺旋状旋回流を形成させて、固形有機物に衝撃を与えることにより、行うことができる。図示の態様において、螺旋状旋回流は、例えば、上方を円筒形とし、下方を円錐形とした投入装置の円錐形部分に水平方向に流体(水、液状有機物あるいは水で希釈した液状有機物など)を供給することにより、発生させることができる。この場合には、水平方向の流体流は、円錐形部分の水平断面において、接線方向から中心点に向けて25〜35度程度傾いた方向に供給することが好ましい。この際、投入装置の円筒形部分に下降流体流を併せて供給することにより、破砕物の堆積とそれに伴うスラリーの流動阻害を生じることなく、スラリーを可溶化塔10に円滑に供給することができる。なお、本発明による投入装置100における固形物と流体との接触/混合は、固形有機物に衝撃を与えることにより流動化が可能である限り、特に限定されるものではない。
【0019】
図1に示す通り、本発明においては、固形状の有機物と液状の有機物とを併せて処理することができる。すなわち、上記の様にして投入装置内で得られた液状有機物は、必要に応じて熱交換器8により100℃以上の温度に加熱された後、必要に応じ後述のメタン化反応塔17からの循環液相とともに、可溶化塔10に供給される。
【0020】
熱交換器8の熱源としては、後述の触媒充填反応器(メタン化反応塔)17からの高温の処理液を循環させて使用しても良く、或いは他の加熱手段を使用しても良い。被処理成分の濃度が低く、冬季などにおいて可溶化反応時に所定の反応温度を維持できない場合或いは所定の温度までの昇温を必要とする場合などには、さらに加熱器(図示せず)により加熱したり、或いは蒸気発生器(図示せず)から可溶化塔に蒸気を供給することもできる。また、スタートアップに際して可溶化塔内温度を所定温度とするためにも、可溶化塔内に直接蒸気を送入して昇温したり、或いは熱交換器と可溶化塔との間に加熱器(図示せず)を設けて昇温することもできる。
【0021】
可溶化塔10での反応(可溶化反応)における温度は、固形状の有機物の可溶化を良好に進行させるために、通常100℃程度以上、より好ましくは150〜370℃程度である。可溶化反応時の温度が高い程、有機物などの低分子化による可溶化率が高まり、また可溶化塔内での被処理物(固形有機物スラリー+循環液相)の滞留時間も短縮されるが、反面において設備費が増大するので、可溶化反応温度は、被処理物中の汚濁物質濃度、要求される処理の程度、運転費、建設費などを総合的に考慮して、定めれば良い。反応時の圧力は、所定温度において被処理物の少なくとも一部が液相を保持し得る圧力以上であれば良い。
【0022】
本発明においては、可溶化反応を超臨界条件下に行うことも可能である。この場合には、可溶化塔内の温度を374℃以上、圧力を22MPa・G以上、液線速度(送入液量/反応塔断面積)を0.01〜0.1cm/sec程度とすることが好ましい。超臨界条件下に可溶化反応を行う場合には、固形有機物の可溶化をより一層促進することができる。
【0023】
被処理物(液状有機物)に添加されるガス量は、有機物の低分子化による可溶化に必要な最低の量でよい。酸素含有ガスを使用する場合には、以下に定義する理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を含有するガスを使用する。酸素量が多すぎる場合には、最終的に燃料成分となるべき液状有機物中の有機物などが、二酸化炭素、水などにまで過度に分解されてしまうことがあり、燃料ガスの収率が低下する。ガス中の酸素含有量は、理論酸素量の0.1〜0.3倍量程度がより好ましい。
【0024】
なお、例えば、バイオマス系の有機物を起源とする液状有機物の中には、酸素の不存在下においても、有機成分の可溶化が良好に進行するものがある。従って、本発明において、「理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を含有する」反応状況は、酸素を供給しない場合をも、包含する。
【0025】
酸素源として空気を使用する実施態様を挙げたが、酸素源としては、特に限定されず、その他に酸素富化空気、酸素、過酸化水素、炭化水素などの1種または2種以上を含有する酸素含有廃ガスなどが例示される。
【0026】
本発明において、理論酸素量とは、「被処理物中の有機性物質、無機性物質、窒素化合物など(被処理成分)をCO2、H2OおよびN2などにまで完全分解することを想定した場合に、その様な完全分解を行うために必要とされる酸素量」を意味する。理論酸素量は、処理対象とする液状有機物中の被処理成分を分析し、それらの分解に必要な理論酸素量を算出することにより、容易に決定しうる。実用的には、経験と若干の実験とに基づいて、いくつかのパラメーターを用いて、高い精度で理論酸素量を近似的に算出できる関係式を見出すことができる。この様な関係式は、例えば、特公昭58-27999号公報に開示されている。
【0027】
可溶化塔10内では、有機物が可溶化し、液状化して、相対的に無機物の濃度が増大するので、これをスラッジとして可溶化塔外に排出する。すなわち、図2に示す様に、可溶化塔10と同圧まで昇圧されたスラッジ排出装置(以下単に「排出装置」ということがある)との間のバルブV-4を開き、スラッジを可溶化塔から排出装置に沈降させる。スラッジが十分に沈降した時点で、バルブV-4を閉じ、自然降温よび降圧させた後、バルブV-5を開き、スラッジ液を系外に排出する。また、可溶化処理を超臨界条件下で行う場合には、金属の溶解度が大幅に減少するので、この段階でスラッジ除去を効率よく行うことが出来、後続のメタン化反応で使用する触媒寿命を延長することができる。
【0028】
スラッジ液は、公知の固液分離処理に供し、分離液は貯留タンク1に循環し、処理することができる。可溶化塔内で生成したスラッジは、この様なロックホッパー方式により、半連続的に抜き出し、排出することが出来る。また、可溶化液中の金属成分は、凝集沈殿などの公知の手法により、除去できる。可溶化液中の金属成分の除去および可溶化塔で生成したスラッジおよび/または金属成分の除去により、後続のメタン化反応器における触媒へのスラッジおよび/または金属成分の付着を抑制し、長期にわたり高い触媒活性を維持することができる。
【0029】
可溶化塔17で形成された気液混合相は、ライン11からの気相とライン14からの液相とに分離される。O2,CO2、水蒸気などからなる気相は系外に取り出され、膨張タービン12により動力を回収された後、ライン13から系外に排出される。可溶化成分を含む高温/高圧の液相は、ライン14、熱交換器15およびライン16を経て、メタン化反応塔17に送られる。
【0030】
上記の気液分離により得られた液相の一部を可溶化塔10内の液状有機物に循環混合することができる。これにより、可溶化塔10内での固形有機物の沈降防止、酸素含有ガスとの混合による可溶化の促進、金属成分の酸化、硫黄酸化物の酸化促進などの効果が達成される。液相の循環量は、メタン化反応塔への送給量の5倍以上であることが好ましく、10〜20倍であることがより好ましい。
【0031】
メタン化反応に際しても、可溶化成分濃度が低く、冬季などにおいて反応時に所定の反応温度を維持できない場合には、加熱器(図示せず)により加熱を行ったり或いは蒸気発生器(図示せず)からメタン反応塔に蒸気を供給することもできる。また、スタートアップに際してメタン化反応塔17の内部を所定温度とするために、可溶化塔10からの高温の液相を循環して昇温を行ったり、メタン化反応塔に蒸気を直接送入して昇温を行ったり、或いは加熱器(図示せず)により昇温を行うこともできる。
【0032】
メタン化反応塔17には、担体に担持された触媒が充填されている。
【0033】
触媒活性成分としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Ir、Ni、Co、MnおよびCeならびにこれら金属の水不溶性乃至水難溶性の化合物が挙げられる。これら金属およびその化合物は、単独で使用しても良く或いは2種以上を併用しても良い。これらの触媒活性成分は、常法に従って、公知の金属酸化物担体に担持した状態で使用される。金属酸化物担体としては、特に限定されず、公知の触媒担体として使用されているものを使用することができる。金属酸化物担体としては、ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ、これら金属酸化物を含む複合金属酸化物(チタニア−ジルコニア、アルミナ−シリカ、アルミナ−シリカ−ジルコニアなど)、これら金属酸化物または複合金属酸化物を主成分とする金属酸化物系担体などが挙げられる。これらの担体中では、耐久性に優れたジルコニア、チタニアおよびチタニア−ジルコニアがより好ましい。
【0034】
担持触媒の形状も、特に限定されず、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、ハニカム状などが例示される。この様な担持触媒を充填使用する場合のメタン化反応塔17の容積は、固定床の場合には、液の空間速度が0.5〜100hr-1程度、より好ましくは1〜60hr-1程度となる様にするのが良い。固定床で使用する担持触媒の大きさは、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状などの場合には、通常3〜50mm程度、より好ましくは5〜25mm程度である。また、触媒をハニカム状担体に担持して使用する場合のハニカム構造体としては、開口部が四角形、六角形、円形などの任意の形状のものが使用される。単位容積当たりの面積、開口率なども特に限定されるものではないが、通常単位容積当りの面積として、200〜800m2/m3 、開口率40〜80%程度のものを使用する。ハニカム構造体の材質としても、上記と同様の金属酸化物および金属が例示され、耐久性に優れたジルコニア、チタニアおよびチタニア−ジルコニアがより好ましい。
【0035】
メタン化反応塔17内で流動床を形成させる場合には、反応器内で担持触媒が流動床を形成し得る量、即ち通常液相の重量を基準として、0.01〜10%程度、より好ましくは0.1〜3%程度を液相にスラリー状に懸濁させ、使用する。流動床を採用する場合には、担持触媒を液相中にスラリー状に懸濁させた状態でメタン化反応塔に供給し、反応終了後にメタン反応塔外に排出された液相から触媒を沈降、遠心分離などの適当な方法により分離回収し、再使用する。従って、液相からの触媒の分離回収の容易さを考慮すれば、流動床において使用する担持触媒の粒径は、0.15〜0.5mm程度とすることがより好ましい。触媒活性金属の担持量は、特に限定されるものではないが、通常担体重量の0.01〜25%程度、より好ましくは0.1〜3%程度の範囲内にある。
【0036】
メタン化反応塔17における反応温度は、100℃以上である。また、可溶化塔10において、被処理物中に含まれていたスラッジおよび/または金属成分が効率的に除去されているので、メタン化反応塔に充填された触媒の活性が阻害されることも、大幅に抑制される。
【0037】
本発明においては、メタン化反応を超臨界条件下に行うことも可能である。この場合には、メタン化反応塔内の温度を374℃以上、圧力を22MPa・G以上、液線速度(送入液量/反応塔断面積)を0.1〜1.0cm/sec程度とすることが好ましい。超臨界条件下にメタン化反応を行う場合には、より効率的にメタン化を行うことができる。
【0038】
メタン化反応終了後の気液混合相は、ライン18を経て熱交換器15おいて熱回収に供された後、ライン19を経て気液分離装置20に送られ、メタンを主成分とする高圧のガスと液相とに分離される。得られた液相は、必要ならば、ライン36を経て、液状有機物の加熱源として熱交換器8で熱回収された後、ライン37およびライン39を経て、固形有機物破砕体の希釈水として利用することができる。
【0039】
一方、高圧のガスは、必要に応じて、ライン21を経て、膨張タービン(あるいは往復動式動力回収機)22などにより動力回収された後、ライン23を経てPSA、分離膜透過、アルカリ液洗浄塔24などの手段により脱炭酸に供され、ライン33から燃料として回収することができる。さらに、脱炭酸後のガスを熱調整機34に送り、LPGなどを添加して増熱を行い、ライン35からSNGを得ることができる。これらの動力回収、脱炭酸および増熱は、公知の手法により行うことができる。
【0040】
さらに、必要に応じてあるいは定期的に、本発明方法で使用する配管類および機器類の内表面を酸水溶液(硝酸、アスコルビン酸など)および/またはアルカリ水溶液で洗浄したり、空気洗浄したりすることもできる。
【0041】
【発明の効果】
本発明方法によれば、固形状の有機物(廃棄物および/またはバイオマス)および/または液状の有機物を同時に、高いエネルギー変換効率で有用な燃料ガス(SNG)に変換させることができるので、SNGの製造コストが著しく低減される。
【0042】
また、本発明方法によれば、大量に発生する各種の廃棄物を資源として再利用することにより、SNG製造ソースの多様化に寄与するとともに、化石燃料の使用量を削減することができるので、地球環境の保全に大きく貢献することができる。
【0043】
さらに、本発明方法によれば、従来技術による廃棄物処理の最大の問題点であったダイオキシンなどの有害物質の発生を効果的に防止することができるので、大気、土壌などの環境汚染を実質的に解消ないし著しく軽減することができる。
【0044】
さらにまた、本発明方法によれば、従来の焼却処分を主とする廃棄物処理方法に比して、電力、熱エネルギーなどをより効率よくかつ大量に回収することができる。
【0045】
さらに、可溶化塔出口生成物を気液分離した後の気相中には、有害成分の存在は実質的に認められない。
【0046】
また、可溶化塔で形成されるスラッジは、沈降性に優れており、装置からの除去および取扱が容易である。
【0047】
本発明方法によれば、各工程が連続的に実施され、処理フローが極めて簡単なので、処理コスト(設備費、運転費など)が著しく低下するとともに、工程管理が容易となる。
【0048】
【実施例】
以下に実施例および比較例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
実施例1
図2および3に示す投入装置を使用して、固形廃棄物混合物(表1に混合比を示す)と水により液状混合物を形成させた。
【0049】
【表1】
Figure 0004006560
【0050】
すなわち、まず、バルブV-1を開け、バルブV-2およびV-3を閉じた状態で、常圧の投入装置100に固形廃棄物を投入した。次いで、バルブV-1を閉じ、空気により投入装置内を可溶化塔と同圧力(7.0MPa・G)にまで昇圧した後、V-3を開き、固形廃棄物2500重量部に対し、毎秒330重量部の水平流と同量の下降流水とを供給することにより、固形廃棄物を流動化させた。
【0051】
次いで、20秒後にバルブV-2を開いて、スラリー状の固形廃棄物を温度250℃、圧力7.0MPa・Gの可溶化塔10(図1参照)に供給した。
【0052】
次いで、得られた液状混合物を空間速度2hr-1(空塔基準)で可溶化塔10に供給しつつ、圧縮機5から理論酸素量(0.75Nm3/kl)の0.1倍量に相当する酸素を供給した。
【0053】
反応に際しては、液状混合物および空気を熱交換器8の入口側に導入するとともに、熱交換器の出口側(可溶化塔10の入口側)での空気の温度が230℃となる様に、メタン化反応塔からの処理気液混合相を熱交換器に送り、熱交換させて、その温度調節を行なった。可溶化塔10内は、液状混合物中の有機物の湿式酸化分解により、温度250℃、圧力7MPa・Gに保持した。可溶化塔内での液線速度は、0.063cm/secであった。
【0054】
可溶化塔10内で形成されるスラッジおよび/または金属成分は、可溶化塔の下部に設けた第一のバルブを開き、可溶化塔内のスラッジ液をスラッジ排出装置に移送し、第一のバルブを閉じ、冷却した後、スラッジ排出装置の下部に設けた第二のバルブを開いてスラッジ液を排出することにより、行った。
【0055】
液状混合物の可溶化処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分が分解されて、可溶化塔気相側にCO2として移行した。
【0056】
次いで、得られた可溶化液を気液分離した後、固液分離に供した。得られた分離液相の大部分(循環比=5倍)を可溶化塔10に循環するとともに、その残余(1m3/m2/hr)を液空間速度3.0hr-1(空塔基準)でメタン化反応塔17に供給し、触媒の存在下に湿式メタン化に供した。なお、メタン化反応塔17内には、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持させた球形触媒(直径4〜6mm)を充填するとともに、その内部の温度および圧力を可溶化塔10とほぼ同一に保持した。メタン化反応塔内での液線速度は、0.6cm/secであった。
【0057】
メタン化反応塔17内で生成した気液混合物を気液分離した後のガス組成は、CH477.8%、CO221%、H21%以下であった。メタンの収率は、固形廃棄物(ウェットベース)1トン当たり150Nm3であった。
実施例2
実施例1と同様の手法により、本願発明により、ディスポーザーにより破砕した厨芥、破砕機により破砕した紙・プラスチックおよび汚泥の混合物からなる液状有機物(表2に組成を示す)を処理した。
【0058】
【表2】
Figure 0004006560
【0059】
すなわち、液状混合物を空間速度2.0hr-1(空塔基準)で可溶化塔に供給しつつ、圧縮機から理論酸素量(31.5Nm3/kl)の0.1倍量に相当する酸素を供給した。
【0060】
反応に際しては、液状有機物および空気を熱交換器8の入口側に導入するとともに、熱交換器の出口側(可溶化塔10の入口側)での気液混合物の温度が270℃となる様に、メタン化反応塔17からの生成気液混相を熱交換器5に送り、気液混合物と熱交換させて、温度調節を行なった。可溶化塔器10内は、液状有機物の湿式酸化分解により、温度270℃、圧力8.4MP・Gに保持した。可溶化塔10内での液線速度は、0.063cm/secであった。
【0061】
可溶化塔内で形成されるスラッジおよび/または金属成分は、実施例1と同様にして排出した。
【0062】
【表3】
Figure 0004006560
【0063】
可溶化塔10における液状有機物の可溶化処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分が分解されて、可溶化塔気相側にCO2として移行した。
【0064】
次いで、可溶化処理液を空間速度10hr-1(空塔基準)でメタン化反応塔17に供給し、湿式メタン化処理に供した。なお、メタン化反応塔17内には、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持させた球形触媒(直径4〜6mm)を充填するとともに、その内部の温度および圧力を380℃および23MPaに高めた。メタン化反応塔17内での液線速度は、0.57cm/secであった。
【0065】
メタン化反応塔17で生成した気液混合物を気液分離した後の液相の組成などを表4に示す。
【0066】
【表4】
Figure 0004006560
【0067】
また、得られた気相の組成は、CH476.5%、CO222.1%、H21.3%であった。
実施例3
木質系バイオマス(C:48〜50%、H:5.7〜6.2%、O:44〜46%、N:0.08〜0.13%)を粉砕して、粒径約100μmとした後、水に分散させて、固形分濃度約20%の液状有機物を形成させた後、実施例1の手法に準じて、可溶化処理およびガス化処理を行った。
【0068】
すなわち、この液状有機物を空間速度2.0hr-1(空塔基準)、液線速度0.10cm/secで可溶化塔10(250℃、圧力4.9MPa)に供給した。この様な液状有機物の可溶化処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分が分解されて、CO2を形成した。
【0069】
次いで、可溶化処理液を空間速度5hr-1(空塔基準)でメタン化反応塔17に供給し、湿式メタン化処理に供した。なお、メタン化反応塔内には、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持させた球形触媒(直径4〜6mm)を充填するとともに、その内部の温度および圧力を300℃および8.8MPaに高めた。メタン化反応塔17内での液線速度は、0.57cm/secであった。
【0070】
最終的な気液分離後のガス組成は、CH4およびCO2がそれぞれ約50%であり、H2は0.5%以下であった。
【0071】
バイオマスからは、230Nm3/ton(ウェットベース)のCH4が得られ、1.5×105kcal/ton(ウェットベース)の熱量が回収された。
実施例4
一般廃棄物から金属、ガラスなどを分別除去した予備処理物(発熱量1800kcal/kg)を約1mmに破砕した後、水に分散させて、固形分濃度約30%の液状有機物を形成させた後、実施例1の手法に準じて、可溶化処理およびガス化処理を行った。
【0072】
すなわち、この液状有機物を空間速度10hr-1(空塔基準)、液線速度0.063cm/secで可溶化塔10(250℃、圧力26MPa)に供給しつつ、圧縮機5から理論酸素量の0.1倍量に相当する酸素を供給した。この様な液状有機物の可溶化処理により、当初の有機物中炭素の約10%相当分が分解されて、CO2を形成した。
【0073】
次いで、可溶化処理液を空間速度25hr-1(空塔基準)でメタン化反応塔17に供給し、湿式メタン化処理に供した。なお、メタン化反応塔内には、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持させた球形触媒(直径5〜6mm)を充填するとともに、その内部の温度および圧力を380℃および25MPaに高めた。メタン化反応塔17内での液線速度は、0.57cm/secであった。
【0074】
最終的な気液分離後のガス組成は、CH4およびCO2がそれぞれ約50%であり、H2は0.5%以下であった。
【0075】
廃棄物予備処理物からは、98.7Nm3/ton(ウェットベース)のCH4が得られ、2.5×104kcal/ton(ウェットベース)の熱量が回収された。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示すフローシートである。
【図2】本発明において使用する空塔反応器への固体廃棄物の供給機構およびスラッジ排出機構の概要を示すフローシートである。
【図3】本発明において液状有機物を形成させる機構の概要を示す縦断面図である。

Claims (25)

  1. (1)内部圧力を調整できる投入装置を介して、液状有機物を加圧加熱状態にある第一の反応器に投入した後、液状有機物を100℃以上の温度且つ液状有機物の少なくとも一部が液相を維持する圧力に保ちつつ、理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を含有するガスを供給する工程、
    (2)上記(1)の工程で形成された気液混合相を気液分離する工程、
    (3)第二の反応器内において、上記(2)の工程で得られた分離液相を100℃以上の温度且つその少なくとも一部が液相を維持する圧力に保ちつつ、金属および金属化合物の少なくとも1種を活性成分として担持する触媒の存在下に、接触分解させてメタンガスを主成分とするガスを生成させる工程
    を備えたことを特徴とする燃料ガスの製造方法。
  2. 液状有機物が、有機化合物含有液、固形有機物粉砕体と水とからなるスラリー、および固形有機物粉砕体と水と有機化合物含有液とからなるスラリーの少なくとも1種である請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  3. 上記(1)において、投入装置の入口側バルブを開きかつ出口側バルブを閉じた常圧状態で投入装置内に固形有機物を導入し、次いで入口側バルブを閉じて、装置内圧を第一反応器内圧力と同等以上となるまで高めた後、出口側バルブを開いて、加圧液体により流動化された固形物を加圧下に第一の反応器に投入する請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  4. 上記(1)において、第一の反応器において生成する液体成分を加圧液体として投入装置に循環供給する請求項1または3に記載の燃料ガスの製造方法。
  5. 上記(1)における液状有機物の第一の反応器への投入操作後に、投入装置の出口側バルブを閉じかつ入口側のバルブを開いた状態で、投入装置内に残存する高圧のガスを装置外に排出する請求項1、3または4に記載の燃料ガスの製造方法。
  6. 上記(1)において、第一の反応器に液状混合物を投入する装置が、下方円錐状の装置本体、固形物導入側バルブ、形成された液状混合物出口側バルブ、固形物を流動化して液状化するための液体供給経路、および加圧液体供給機構を備えてなり、導入された固形物を螺旋状の液体旋回流に混入させて液状化物を形成させ、これを加圧下に第一の反応器に供給する請求項1、3、4または5に記載の燃料ガスの製造方法。
  7. 第一の反応器において発生する加圧液体成分を液状混合物投入装置に循環供給する機構を備えた請求項1、3、4、5または6に記載の燃料ガスの製造方法。
  8. 工程(1)の反応器内温度が374℃以上であり、圧力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度(送入液量/反応塔断面積)が、0.01〜0.1cm/secである請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  9. 工程(1)における酸素含有ガスの量が、理論酸素量の0.1〜0.3倍量である請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  10. 工程(1)で生成したスラッジおよび/または金属成分を第一の反応器から除去する請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  11. 工程(2)で得られた分離液相の一部を工程(1)の液状有機物に循環混合するとともに、分離液相の残部を工程(3)に送給する請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  12. 工程(1)に循環される液相量が、工程(3)に送給される液相量の5倍以上である請求項11に記載の燃料ガスの製造方法。
  13. 工程(1)に循環される液相量が、工程(3)に送給される液相量の10〜20倍である請求項12に記載の燃料ガスの製造方法。
  14. 工程(2)の気液分離後のガスから動力を回収する請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  15. 工程(3)に送給する分離液相を予め凝集沈殿処理するすることにより、金属成分を除去する請求項11に記載の燃料ガスの製造方法。
  16. 工程(3)における触媒活性成分が、Ru、Pd、Rh、Pt、Ir、Ni、Co、MnおよびCeならびにその水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種であり、その担体が、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカおよびアルミナ-シリカからなる群から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  17. 触媒活性成分の担持量が、担体重量の0.01〜10%の範囲内にある請求項16に記載の燃料ガスの製造方法。
  18. 触媒活性成分の担持量が、担体重量の0.1〜3%の範囲内にある請求項17に記載の燃料ガスの製造方法。
  19. 工程(3)の反応器内温度が374℃以上であり、圧力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度(送入液量/反応塔断面積)が、0.1〜1.0cm/secである請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  20. 工程(1)において、液状有機物中の溶存酸素および/または供給ガス中の酸素により、液状有機物内に存在する硫黄化合物を酸化させる請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  21. 工程(3)における生成物を気液分離し、得られた分離水を工程(1)における液状有機物と熱交換させた後、液状有機物の形成水として循環利用する請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  22. 請求項1の工程(3)で得られたメタンおよび二酸化炭素を主成分とするガスからエネルギーを熱および/または動力として回収した後、脱炭酸し、熱量調整を行う請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  23. 脱炭酸をPSAおよび/または分離膜および/またはアルカリ液を用いて行う請求項22に記載の燃料ガスの製造方法。
  24. アルカリ液を用いて行う脱炭酸のための吸収塔内圧力が大気圧を超える高圧であり、かつアルカリ液の再生塔内圧力が大気圧以下である請求項23に記載の燃料ガスの製造方法。
  25. 吸収塔からの送液ポンプから動力回収を行う請求項24に記載の燃料ガスの製造方法。
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