JP2001271079A - 燃料ガスの製造方法 - Google Patents

燃料ガスの製造方法

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JP2001271079A
JP2001271079A JP2000085068A JP2000085068A JP2001271079A JP 2001271079 A JP2001271079 A JP 2001271079A JP 2000085068 A JP2000085068 A JP 2000085068A JP 2000085068 A JP2000085068 A JP 2000085068A JP 2001271079 A JP2001271079 A JP 2001271079A
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liquid
gas
reactor
tower
waste
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JP2000085068A
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Yuji Toyama
雄二 外山
Yoshiaki Harada
吉明 原田
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Osaka Gas Co Ltd
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Osaka Gas Co Ltd
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  • Activated Sludge Processes (AREA)
  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】固形および液状の有機廃棄物を燃料ガス、電
力、熱エネルギーなどの有用な形態で回収し、再利用す
るための新たな技術を提供することを主な目的とする。 【解決手段】固形および液状の有機廃棄物からスラリー
状の液状有機廃液を調製し、これを第1の触媒非充填反
応器において可溶化処理し、次いで第2の触媒充填反応
器においてメタン化処理する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種の有機廃棄物
(厨芥類、紙・プラスチック類などの固形有機物廃棄
物、生活廃水、産業廃水など)を活性汚泥処理し、発生
する余剰汚泥或いは余剰汚泥と固形有機物廃棄物粉砕体
との混合物を可溶化処理した後、湿式メタン化処理する
ことにより、燃料ガスを製造する方法に関する。
【0002】本発明において、「液状有機廃液」とは、
厨芥類、紙・プラスチック類などの固形有機物、生活廃
水、産業廃水などを粉砕、混合などの予備処理に供する
ことにより得られる「水に液状および/または固形状の
有機物が溶解および/または分散して存在している液状
混合物」を意味する。
【0003】
【従来技術とその問題点】従来固形有機物の廃棄物(好
気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥
類;厨芥、紙、プラスチック、木片、竹片、草片、藁、
繊維、野菜片、ゴム、皮、食品加工廃棄物、畜産廃棄
物、森林間伐材/倒木、枝打ちなどの廃棄物、農林廃棄
物、水産物廃棄物など)と液状有機性廃棄物(生活廃水、
食品加工工場などからの廃水、畜舎/養鶏場などからの
廃水、生物学的処理が困難な成分を含む産業廃水などの
廃水;アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類など
を含む廃水)などは、それぞれの特性に応じた個別の技
術により処理されている。
【0004】わが国では、一般廃棄物だけでその発生量
は、約5000万トン/年にも達しており、その約75%は多
くの焼却処理場で焼却処分されている。しかしながら、
これらの焼却場において、電力回収により、廃棄物を有
効利用しているのは、僅か約150カ所に過ぎない。特に
近年各種廃棄物の焼却に際しては、ダイオキシンの発生
が大きな問題となっており、新規焼却施設の建設のみな
らず、既存設備の一部では操業の継続すらも困難な状況
となりつつある。
【0005】より具体的には、例えば、汚泥類は、脱水
後焼却したり、或いは埋め立て処理されている。有機物
含有廃水は、一般に活性汚泥処理された後、生成する汚
泥は、上記の様に焼却或いは埋め立て処理されている。
また、有機物を含む含水性の廃棄物は、そのまま乾燥後
焼却されている。
【0006】また、近年生活水準の向上に伴って、家庭
から発生する厨芥類、紙類、プラスチック類(本明細書
においては、これらを「家庭廃棄物」と総称することが
ある。また、厨芥類以外の家庭廃棄物を「紙・プラスチ
ック類」ということがある)などの廃棄量も著しく増加
している。現在これらの家庭廃棄物は、資源としての再
利用を念頭に置いて、一般に分別回収されている。しか
しながら、この様にして回収された各分別物がそれぞれ
適切に処理あるいは再利用されているとはいい難い。
【0007】例えば、厨芥類は、いわゆる生ゴミとして
回収され、埋め立てないし焼却処分されている。しかる
に、厨芥類は、水分含有量が極めて高いという特徴を有
しているので、その処理は種々の問題を生じている。例
えば、家庭、集合住宅、ビルなどでの保管に際して環境
汚染問題を引きおこす;搬出が煩雑である;埋め立て地
での腐敗により悪臭発生源となる;蝿などの衛生害虫の
発生源となる;焼却のために大量のエネルギーを必要と
する;或いは焼却炉の燃焼温度を低下させて、ダイオキ
シン発生の誘因となることがあるなどの多くの問題点が
ある。生ゴミをコンポスト化する試みもなされている
が、季節的な質的変動(例えば、夏期における含水量の
極めて高いスイカ皮の集中的な廃棄など)、堆肥として
の市場性の不安定などの問題点があり、広く普及するに
は至っていない。
【0008】厨芥類の処理方法としては、欧米で行われ
ている様に、ディスポーザーにより破砕して、家庭排水
とともに下水道に排出し、下水として処理する方法も存
在する。しかしながら、我が国では、既存排水処理設備
に対する負荷の増大、水質保全などの観点から、この様
な処理方法は、むしろ制約されている。
【0009】紙およびプラスチック類の分別回収は、急
速に進行しつつあるが、その資源としての再利用技術が
十分に確立され、円滑に処理されているとはいい難いの
で、各地において“在庫過剰”ともいうべき重大な事態
が発生しており、保管スペースの確保が困難となりつつ
ある。
【0010】結論として、固形有機廃棄物および液状有
機性廃棄物の発生量が増大する一方で、廃棄物に対する
規制が強化されつつある現状では、上記の様な従来技術
により各種の廃棄物を個別的に処理する方法では、次第
に対処が困難となってきている。
【0011】また、現今の大きな技術的課題である「限
りある資源の有効利用」という視点からは、これらの廃
棄物を「回収資源」としてより一層有効に再利用する技
術を確立することも必要である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、固
形および液状の有機廃棄物を燃料ガス、電力、熱エネル
ギーなどの有用な形態で回収し、再利用するための新た
な技術を提供することを主な目的とする。
【0013】本発明は、さらに、ディスポーザーを使用
する厨芥類の処理システムにおける制約を軽減ないし解
消し、他の有機廃棄物とともに処理して、再生資源とし
て有効利用することをも目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の様な
技術の現状に鑑みて、固形および液状の有機廃棄物を処
理する技術について研究を進めた結果、これらの廃棄物
を予備処理して液状有機廃液の形態とし、これを特定の
条件下に湿式加熱処理および湿式メタン化処理する場合
には、上記の課題をほぼ達成し得ることを見出した。
【0015】すなわち、本発明は、下記の有機廃棄物を
原料として燃料ガスを製造する方法を提供する; 1.有機廃棄物から燃料ガスを製造する方法において、
(1)厨芥類および/または紙・プラスチック類を粉砕し、
生活廃水および/または産業廃水と混合して液状有機廃
液を形成させた後、下水道配管または廃水処理設備に連
絡された専用配水管に排出する工程、(2) 下水処理場に
おける処理に先立って上記混合物を固形物と液状成分と
に分離する工程、(3) 上記工程(2)で分離された液状成
分を活性汚泥処理する工程、(4) 上記工程(2)で分離さ
れた固形物と活性汚泥処理で発生する余剰汚泥とを混合
するか、或いはこれらと固形有機廃棄物粉砕体とを混合
する工程、(5) 第一の反応器内において、上記工程(4)
で得られた液状有機混合物を100℃以上の温度且つ液状
有機混合物の少なくとも一部が液相を維持する圧力に保
ちつつ、理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を含有するガ
スの存在下に加熱/加圧処理に供する工程、(6) 上記工
程(5)で形成された気液混合相を気液分離する工程、(7)
第二の反応器内において、上記工程(5)で得られた分離
液相を100℃以上の温度且つその少なくとも一部が液相
を維持する圧力に保ちつつ、金属および金属化合物の少
なくとも1種を活性成分として担持する触媒の存在下
に、接触分解させてメタンガスを主成分とするガスを含
有する気液混合相を生成させる工程、(8) 第二の反応器
内において、上記工程(7)で得られた気液混合相をアル
カリ液により脱炭酸処理する工程、(9) 上記工程(8)で
得られた脱炭酸処理後の気液混合相を気液分離して、メ
タンガスを主成分とするガスを回収する工程、および(1
0)上記工程(9)において生成したアルカリ含有分離水の
少なくとも一部を再生して、上記工程(8)におけるアル
カリ液として循環使用する工程を備えたことを特徴とす
る燃料ガスの製造方法。 2.上記工程(5)の反応器内温度が374℃以上であり、圧
力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度(送入液
量/反応塔断面積)が0.01〜1.0cm/secであり、且つ上記
工程(6)で得られた分離液相の一部を上記工程(5)に混合
循環するとともに、分離液相の残部を上記工程(7)に供
給する上記項1に記載の燃料ガスの製造方法。 3.上記工程(5)の反応器内温度が374℃以上であり、圧
力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度(送入液
量/反応塔断面積)が0.1〜1.0cm/secであり、且つ上記工
程(7)における触媒活性成分が、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、I
r、Os、Fe、Ni、Co、MnおよびCeならびにその水不溶性
乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少なくとも
1種であり、その担体が、チタニア、ジルコニア、チタ
ニア-ジルコニア、アルミナ、シリカおよびアルミナ-シ
リカからなる群から選ばれた少なくとも1種である上記
項1に記載の燃料ガスの製造方法。 4.上記工程(5)において、液状有機混合物中の溶存酸
素および/または供給ガス中の酸素により、液状有機混
合物中に存在する硫黄化合物を酸化させる上記項1に記
載の燃料ガスの製造方法。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明が処理対象とする有機廃棄
物は、固形および液状の有機廃棄物であり、具体的に
は、厨芥類、紙類、プラスチック類、植物起源の廃棄物
などの固形有機廃棄物および生活廃水、産業廃水などの
液状有機廃棄物である。
【0017】本発明においては、固形有機廃棄物である
厨芥類、紙類、プラスチック類をそれぞれ単独で粉砕し
も良く、あるいは複数種の固形有機廃棄物を混合状態で
粉砕しても良い。単独粉砕物は、その1種または2種以
上を後述する液状有機廃棄物と混合しても良く、あるい
はその1種または2種以上を混合粉砕物とともに液状有
機廃棄物と混合しても良い。従って、分別回収された固
形有機廃棄物および混合回収された固形有機廃棄物のい
ずれをも処理対象とすることができる。粉砕物の大きさ
は、固形有機粉砕物の種類、後述する各種の処理方法に
おける条件などにより異なるが、通常5mm以下であり、1
mm以下であることがより好ましい。
【0018】本発明においては、上記の様にして形成さ
れた固形有機廃棄物粉砕物を液状有機廃棄物の少なくと
も1種と混合して、液状有機廃液を形成させる。液状有
機廃棄物としては、生活廃水および/または産業廃水の
少なくとも1種を使用する。
【0019】液状有機廃棄物としては、生活廃水(し
尿、家庭下水など);有機化合物(アルコール類、カルボ
ン酸類、アルデヒド類など)を含む廃水、メッキ廃水、
食品工場廃水、製紙工場廃水、製薬工場廃水、写真廃
水、印刷廃水、農薬関連廃水、染色廃水、半導体製造工
場廃水、石炭の液化或いはガス化に伴い発生する廃水、
都市ゴミの熱分解に伴い発生する廃水などの産業廃水が
例示される。
【0020】上記の固形有機廃棄物および液状有機廃棄
物は、通常Mg、Al、Si、P、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、N
i、Cu、Zn、Cdなどの金属成分の1種または2種以上を
含んでいる。本発明方法は、被処理物がこの様な金属成
分を含んでいても、実施可能である。
【0021】本発明において、液状有機廃液は、固形有
機廃棄物粉砕物および液状有機廃棄物に、必要ならばさ
らに水などの液体を加え、攪拌することにより、形成す
ることができる。液状有機廃液中の固形分濃度は、粉砕
物の種類および粒径、液状有機廃棄物の種類および組成
などにより異なり、それ自体が液体としての流動性を示
す程度であれば特に限定されないが、通常水に分散して
いる有機物としての濃度(炭素換算)が、30〜50重量%程
度であり、より好ましくは20〜40重量%程度である。
【0022】本発明においては、湿式加熱処理および湿
式メタン化処理に順次供される原料となる液状有機廃液
は、メタン化反応触媒層に供給されるに先立って、第一
の湿式加熱反応器(可溶化塔)内で高温・高圧条件下に加
熱/加圧処理されるので、原料中の硫黄化合物は酸素含
有ガスにより酸化され、触媒に対して悪影響を及ぼさな
い硫酸となる。その結果、第二の反応器(メタン化反応
塔)における可溶化原料のメタン化反応に際しては、硫
黄化合物による触媒被毒という問題は生じなくなる。従
って、本発明によるメタン化反応手法においては、通常
のメタン化反応設備に付設される脱硫装置、改質器、純
水製造装置、ボイラーなどは不要となり、かつメタン化
反応塔の小型化も可能となる。
【0023】以下図面を参照しつつ、本願発明について
詳細に説明する。
【0024】図1は、本願発明方法の概要を示すフロー
シートである。
【0025】固形有機廃棄物が家庭、飲食店などで発生
する厨芥類1である場合には、ディスポーザー3によ
り、所定の寸法に粉砕する。
【0026】固形有機廃棄物2が紙・プラスチック、植
物性廃棄物などである場合には、粉砕機4により、やは
り所定の寸法に粉砕する。
【0027】固形有機廃棄物に、金属、ガラスなどの無
機成分が混入している場合(例えば混合回収を行った場
合など)には、無機成分を出来るだけ分離除去するため
に、粉砕前にその分離処理(図示せず)を行っておくこと
が好ましい。
【0028】なお、以下においては、説明を簡略化する
ために、厨芥類をもって固形有機廃棄物を代表させ、特
に必要でない限り、紙・プラスチック類などのその他の
固形有機物については言及しないものとする。
【0029】ディスポーザー3で粉砕された厨芥類粉砕
物と生活廃水5および/または産業廃水7との混合物か
らなる液状有機廃液は、下水道配管あるいは廃水処理設
備に直接連結された専用配管21を経て、廃水処理設備
(通常初沈槽23、SS分離槽11、活性汚泥処理槽13
および終沈槽25を主たる構成要素とする)に送られ
る。より具体的には、初沈槽23において、液状有機廃
液から粗大な固形物、砂などを沈降分離した後、SS分離
機11において廃液中のSSを回収する。次いで、SS除去
後の廃液を活性汚泥処理槽13に送り、常法に従って、
活性汚泥処理する。廃液からは、予めSSが分離されてい
るので、活性汚泥処理槽13の容量は、従来のものに比
して、小型化することができる。次いで、液状成分を終
沈槽25に送り、沈降分離を行う。
【0030】上記の処理過程で形成されたSS27、SS1
5、活性汚泥槽13からの余剰汚泥29および終沈槽2
5からのSS31は、汚泥濃縮槽19に集められ、濃縮さ
れる。得られた汚泥濃縮物は、ライン40を経て前処理
装置50で分別処理に供された後、ライン60を経て破
砕機70に送られる。次いで、破砕物は、ライン80を
経て、他の廃棄物(例えば、森林間伐材、倒木などを1mm
以下程度に粉砕した粉砕物など)90とともに、貯留タ
ンク101に送られ、液状有機混合物(以下「被処理
液」ということある)として貯蔵される。
【0031】図1に示す通り、本発明においては、上記
の様にして形成された被処理液を処理する。すなわち、
貯留タンク101で被処理液は、ライン102、ポンプ
103およびライン104を経て、ライン107で後述
する様に理論酸素量の0.5倍量以下(より好ましくは0.3
倍量以下)の酸素を含有するガスと混合され、必要に応
じて熱交換器108により100℃以上の温度に加熱され
た後、ライン109を経て第1の反応器(以下「可溶化
塔」という)110に供給される。可溶化のために必要
とされるガスは、圧縮機105により所定のガスを圧縮
昇圧した後、ライン106からライン107に送られ、
ここで被処理液と混合され、被処理液に随伴して可溶化
塔110に供給される。
【0032】熱交換器108の熱源としては、後述の触
媒を充填した第2の反応器(以下「メタン化反応塔」と
いう)からの高温の処理済み液を循環させて使用しても
良く、或いは他の加熱手段を使用しても良い。液中の被
処理成分の濃度が低く、冬季などにおいて可溶化反応時
に所定の反応温度を維持できない場合或いは所定の温度
までの昇温を必要とする場合などには、さらに加熱器
(図示せず)により加熱したり、或いは蒸気発生器(図
示せず)から可溶化塔に蒸気を供給することもできる。
また、スタートアップに際して可溶化塔内温度を所定温
度とするためにも、可溶化塔内に直接蒸気を送入して昇
温したり、或いは熱交換器108と可溶化塔110との
間に加熱器(図示せず)を設けて昇温することもでき
る。
【0033】可溶化塔110での反応(可溶化反応)に
おける温度は、固形有機物の可溶化を良好に進行させる
ために、通常100℃程度以上、より好ましくは150℃以上
である。可溶化反応時の温度が高い程、有機物などの低
分子化による可溶化率が高まり、また可溶化塔内での被
処理液(液状有機廃液)の滞留時間も短縮されるが、反面
において設備費が増大するので、可溶化反応温度は、被
処理液中の汚濁物質濃度、運転費、建設費などを総合的
に考慮して、定めれば良い。反応時の圧力は、所定温度
において被処理液の少なくとも一部が液相を保持し得る
圧力以上であれば良い。
【0034】本発明においては、可溶化反応を超臨界条
件下に行うことも可能である。この場合には、可溶化塔
110内の温度を374℃以上、圧力を22MPa・G以上、液
線速度(送入液量/反応塔断面積)を0.01〜1.0cm/sec程度
とすることが好ましい。超臨界条件下に可溶化反応を行
う場合には、固形有機物の可溶化をより一層促進するこ
とができる。
【0035】被処理液に添加されるガス量は、有機物の
低分子化による可溶化に必要な最低の量で良い。酸素含
有ガスを使用する場合には、以下に定義する理論酸素量
の0.5倍量以下(より好ましくは0.3倍量以下)の酸素を含
有するガスを使用する。酸素量が多すぎる場合には、最
終的に燃料成分となるべき液状有機物中の有機物などが
二酸化炭素、水などにまで過度に分解されてしまうこと
があり、燃料ガスの収率が低下する。ガス中の酸素含有
量は、理論酸素量の0.1〜0.3倍量程度がより好ましい。
【0036】なお、例えば、バイオマス系の有機物を起
源とする液状有機物の中には、酸素の不存在下において
も、有機成分の可溶化が良好に進行するものがある。従
って、本発明において、「理論酸素量の0.5倍量以下の
酸素を含有する」反応状況は、酸素を供給しない場合を
も、包含する。
【0037】酸素源としては、特に限定されず、空気、
酸素富化空気、高純度酸素、高濃度酸素、過酸化水素、
酸素含有廃ガスなどが例示される。これらの酸素源ガス
は、必要に応じて2種以上を併用することができる。
【0038】本発明において、理論酸素量とは、「被処
理物中の有機性物質、無機性物質、窒素化合物など(被
処理成分)をCO2、H2OおよびN2などにまで完全分解する
ことを想定した場合に、その様な完全分解を行うために
必要とされる酸素量」を意味する。理論酸素量は、対象
とする被処理液中の被処理成分を分析し、それらの分解
に必要な理論酸素量を算出することにより、容易に決定
しうる。実用的には、経験と若干の実験とに基づいて、
いくつかのパラメーターを用いて、高い精度で理論酸素
量を近似的に算出できる関係式を見出すことができる。
この様な関係式は、例えば、特公昭58-27999号公報に開
示されている。
【0039】可溶化塔110内では、有機物が可溶化
し、液状化して、相対的に無機物の濃度が増大するの
で、これをスラッジとしてライン135から可溶化塔1
10外に排出する。また、後述するアルカリ塩もこの際
に同時に排出することができる。すなわち、可溶化塔1
10と同圧まで昇圧されたスラッジ排出装置(ライン1
35に接続されているが、図示しない;以下単に「排出
装置」ということがある)との間のバルブを開き、スラ
ッジを可溶化塔110から排出装置に沈降させる。スラ
ッジが十分に沈降した時点で、上記のバルブを閉じ、排
出装置を自然降温よび降圧させた後、排出装置出口側に
設けたバルブを開き、スラッジ液(不燃成分)135を系
外に排出する。また、可溶化処理を超臨界条件下で行う
場合には、金属の溶解度が大幅に減少するので、この段
階でスラッジ除去を効率よく行うことが出来、後続のメ
タン化反応で使用する触媒寿命を延長することができ
る。
【0040】スラッジ液は、公知の固液分離処理に供
し、分離液は貯留タンク101に循環し、処理すること
ができる。可溶化塔110内で生成したスラッジは、こ
の様なロックホッパ方式により、半連続的に抜き出し、
排出することが出来る。また、可溶化液中の金属成分
は、凝集沈殿などの公知の手法により、除去できる。可
溶化液中の金属成分の除去および可溶化塔110で生成
したスラッジおよび/または金属成分の除去により、後
続のメタン化反応塔における触媒へのスラッジおよび/
または金属成分の付着を抑制し、長期にわたり高い触媒
活性を維持することができる。
【0041】可溶化塔110で形成された気液混合相
は、ライン111からの気相とライン114からの液相
とに分離される。O2、CO2、N2、水蒸気などからなる気
相は、系外に取り出され、必要に応じて膨張タービン1
12により動力を回収された後、ライン113から系外
に排出される。可溶化成分を含む高温/高圧の液相は、
ライン114を経て、メタン化反応塔115に送られ
る。
【0042】上記の気液分離により得られた液相の一部
を可溶化塔内110の液状有機物に循環混合することが
できる。これにより、可溶化塔内での固形有機物の沈降
防止、酸素含有ガスとの混合による可溶化の促進、金属
成分の酸化、硫黄酸化物の酸化促進などの効果が達成さ
れる。液相の循環量は、メタン化反応塔115への送給
量の5倍以上であることが好ましく、10〜20倍程度であ
ることがより好ましい。
【0043】メタン化反応に際しても、所定の反応温度
を維持できない場合には、加熱器(図示せず)により加
熱を行うこともできる。また、スタートアップに際して
メタン化反応塔115の内部を所定温度とするために、
可溶化塔110からの高温の液相を循環して昇温を行っ
たり、メタン化反応塔115に蒸気を直接送入して昇温
を行ったり、或いは加熱器(図示せず)により昇温を行
うこともできる。
【0044】メタン化反応塔115の上部には、担体に
担持された触媒が充填されており、その下部にはアルカ
リ液を供給するための装置116(例えば、スプレー装
置)が配設されている。
【0045】触媒活性成分としては、Ru、Pd、Rh、Pt、
Au、Ir、Os、Fe、Ni、Co、MnおよびCeならびにこれら金
属の水不溶性乃至水難溶性の化合物が挙げられる。これ
ら金属およびその化合物は、単独で使用しても良く或い
は2種以上を併用しても良い。これらの触媒活性成分
は、常法に従って、公知の金属酸化物担体に担持した状
態で使用される。金属酸化物担体としては、特に限定さ
れず、公知の触媒担体として使用されているものを使用
することができる。金属酸化物担体としては、ジルコニ
ア、チタニア、アルミナ、シリカ、これら金属酸化物を
含む複合金属酸化物(チタニア-ジルコニア、アルミナ-
シリカ、アルミナ-シリカ-ジルコニアなど)、これら金
属酸化物または複合金属酸化物を主成分とする金属酸化
物系担体などが挙げられる。これらの担体中では、耐久
性に優れたジルコニア、チタニアおよびチタニア-ジル
コニアがより好ましい。
【0046】担持触媒の形状も、特に限定されず、具体
的には球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、
ハニカム状などが例示される。この様な担持触媒を充填
使用する場合のメタン化反応塔115の容積は、固定床
の場合には、液の空間速度が0.5〜100hr-1程度、より好
ましくは1〜60hr-1程度となる様にするのが良い。固定
床で使用する担持触媒の大きさは、球状、ペレット状、
円柱状、破砕片状、粉末状などの場合には、通常1〜50m
m程度、より好ましくは2〜25mm程度である。また、触媒
をハニカム状担体に担持して使用する場合のハニカム構
造体としては、開口部が四角形、六角形、円形などの任
意形状のものが使用される。単位容積当たりの面積、開
口率なども特に限定されるものではないが、通常単位容
積当りの面積=200〜800m2/m3程度、開口率=40〜80%程
度のものを使用する。ハニカム構造体の材質としても、
上記と同様の金属酸化物および金属が例示され、耐久性
に優れたジルコニア、チタニアおよびチタニア-ジルコ
ニアがより好ましい。
【0047】メタン化反応塔115内で流動床を形成さ
せる場合には、反応塔内で担持触媒が流動床を形成し得
る量、即ち通常液相の重量を基準として、0.01〜10%程
度、より好ましくは0.1〜3%程度を液相にスラリー状に
懸濁させ、使用する。流動床を採用する場合には、担持
触媒を液相中にスラリー状に懸濁させた状態でメタン化
反応塔115に供給し、反応終了後にメタン反応塔外に
排出された液相から触媒を沈降、遠心分離などの適当な
方法により分離回収し、再使用する。従って、液相から
の触媒の分離回収の容易さを考慮すれば、流動床におい
て使用する担持触媒の粒径は、0.15〜0.5mm程度とする
ことがより好ましい。触媒活性金属の担持量は、特に限
定されるものではないが、通常担体重量の0.01〜25%程
度、より好ましくは0.1〜3%程度の範囲内にある。可溶
化塔110において被処理物中に含まれていた硫黄酸化
物ならびにスラッジおよび/または金属成分が効率的に
除去されているので、メタン化反応塔に充填された触媒
の活性阻害は、大幅に抑制される。
【0048】メタン化反応塔115における反応条件
は、100℃以上の温度でかつ被処理液の少なくとも一部
が液相を維持する圧力である。
【0049】本発明においては、メタン化反応を超臨界
条件下に行うことも可能である。この場合には、メタン
化反応塔115内の温度を374℃以上、圧力を22MPa・G
以上、液線速度(送入液量/反応塔断面積)を0.1〜1.0cm/
sec程度とすることが好ましい。超臨界条件下にメタン
化反応を行う場合には、より高い効率でメタン化を行う
ことができる。
【0050】メタン化反応後の気液混合相には、アルカ
リ液を添加する。アルカリ液は、ライン128から送給
され、ポンプ129により昇圧された後、ライン130
を経てアルカリ液供給装置(図1においては、噴射スプ
レー装置)116により、メタン化反応塔115の下部
に存在する気液混合相に添加される。アルカリ液は、こ
の気液混合相に含まれているCO2などの酸性ガスを中和
・吸収した後、気液混合相とともに、ライン117を経
て気液分離装置118に送られる。
【0051】アルカリ液としては、K2CO3、Na2CO3など
の水溶液が使用される。また、後述する再生アルカリ液
を単独で循環使用しても良く、あるいはライン128か
らのアルカリ液とともに併用しても良い。
【0052】気液分離装置118に送られたメタン化反
応終了後の気液混合相は、ライン119からの気相とラ
イン124からの液相とに分離される。
【0053】メタンを主成分とする高圧の気相は、必要
に応じて、膨張タービン(あるいは往復動式動力回収装
置)120などにより動力回収された後、ライン121
から燃料として回収することができる。さらに得られた
メタンを主成分とする燃料ガスを熱量調整機122に送
り、LPGなどを添加して増熱を行い、SNGを得ることがで
きる。得られたSNGは、ライン123から所定の用途に
供される。これらの動力回収および増熱は、公知の手法
により行うことができる。
【0054】気液分離装置118で分離された液相は、
ライン124を経て、アルカリ液再生装置125に送ら
れ、常法に従って、CO2などの酸性ガスを分離された
後、必要ならば、再生アルカリ液として、ライン12
7、ポンプ129およびライン130を経て、メタン化
反応塔115に循環供給される。アルカリ液再生装置1
25において分離されたCO2を主成分とする混合ガス
は、ライン126から系外に排出される。
【0055】アルカリ液再生装置125で生成する液相
のうち、メタン化反応塔115に循環される以外の残液
は、必要ならば、ライン131を経て、熱交換器108
において熱回収された後、ライン132およびライン1
33を経て、系外に取り出される。また、残液の一部
は、必要に応じて、ライン134から貯留タンク101
に循環することもできる。
【0056】さらに、必要に応じてあるいは定期的に、
本発明方法で使用する配管類、熱交換器、塔槽類などの
内表面を酸水溶液(硝酸水溶液、アスコルビン酸水溶液
など)および/またはアルカリ水溶液(炭酸カリウム水溶
液、炭酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液な
ど)で洗浄したり、あるいは空気洗浄したりすることも
できる。
【0057】
【発明の効果】本発明方法によれば、固形状の有機廃棄
物(厨芥類、紙類、プラスチック類、バイオマスなど)と
液状の有機廃棄物(生活廃水、産業廃水など)とを高いエ
ネルギー変換効率で有用な燃料ガス(SNG)に変換させる
ことができるので、廃棄物処理に際しての諸問題を解消
ないし軽減し得るとともに、SNGの製造コストを著しく
低減し得る。
【0058】また、本発明方法によれば、大量に発生す
る各種の廃棄物を資源として再利用することにより、SN
G製造ソースの多様化に寄与するとともに、化石燃料の
使用量を削減することができるので、CO2削減を含む地
球環境の保全に大きく貢献することができる。
【0059】さらに、本発明方法によれば、従来技術に
よる廃棄物処理の最大の問題点であったダイオキシンな
どの有害物質の発生を効果的に防止することができるの
で、大気、土壌などの環境汚染を実質的に解消乃至著し
く軽減することができる。
【0060】さらにまた、本発明方法によれば、従来の
焼却処分を主とする廃棄物処理方法に比して、電力、熱
エネルギーなどをより効率良くかつ大量に回収すること
ができる。
【0061】さらに、可溶化塔出口生成物を気液分離し
た後の気相中には、有害成分の存在は実質的に認められ
ない。
【0062】また、可溶化塔で形成されるスラッジは、
沈降性に優れており、装置からの除去および取扱が容易
である。
【0063】本発明方法によれば、メタン化反応塔出口
生成物に含まれる酸、塩化物などによる配管類、機器類
などの腐食を著しく軽減することができるとともに、各
工程が連続的に実施され、処理フローが極めて簡単とな
るので、処理コスト(設備費、運転費など)が著しく低
下するとともに、工程管理が容易となる。
【0064】
【実施例】以下に実施例および比較例を示し、本発明の
特徴とするところをより一層明確にする。 参考例 厨芥類の発生量とその組成の把握を目的として、50世
帯の厨芥類を2日分収集し、分析を行った。分析に際し
ては、全厨芥類を四分法により調整し、組成分析用の試
料とディスポーザー処理用の試料とに分けた後、分析を
行った。
【0065】ディスポーザー処理用の試料は、厨芥類1k
gを継続的にディスポーザーに投入粉砕し、これに水道
水を加えて、液量を10リットルとした。次いで液の濃度
から厨芥100g当たりの負荷量を求めた。その結果を表1
に示す。なお、粉砕泥状物の粒径分布は、0.15mm未満=4
7%、0.15〜1mm=40%、1〜5mm=残余であった。
【0066】また、分析の結果から、1日1人当たりの厨
芥発生量は、平均240gであると推定され、これに基づい
て、1日当たりの負荷量を求めた。結果を表2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】上記の結果に基づいて、1日25万人当たり
の負荷量を求めた。結果を表3に示す。なお、ディスポ
ーザー使用による1日25万人当たりの下水道増加量は、
約4%、すなわち、約5000m3(約19リットル/人・日)と推
定される。
【0070】
【表3】
【0071】さらに、上記表1〜3に示す値の平均値を
用いて、既存の終末下水処理場(処理人口25万人:下水
処理量125000m3/日)におけるディスポーザーの不使用時
/使用時における各成分の濃度および負荷の状況につい
て試算した結果を表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】表4に示す結果から、ディスポーザーの使
用により、BODおよびCODMnで約30〜35%、SSで約48%、
全窒素成分で約15%の負荷の増大が予測される。 実施例1 図1に示すフローに従って、初沈槽23および終沈槽2
5から回収したSSと活性汚泥処理槽13からの回収汚泥
との混合物1部(乾燥重量換算)に対し、厨芥類をディス
ポーザーにより破砕した泥状物0.38部(乾燥重量換算)お
よびペットボトル粉砕物(約1mm)0.1部を加え、さらに下
水を加えて、下記表5に示す下水汚泥濃縮物を得た。
【0074】
【表5】
【0075】注:VSS=可燃性懸濁物 すなわち、下水汚泥濃縮物(液状有機混合物)を空間速度
2hr-1(空塔基準)で可溶化塔110に供給しつつ、圧
縮機105から理論酸素量(27.0Nm3/kl)の0.1倍量に
相当する空気を供給した。
【0076】反応に際しては、液状有機混合物および空
気を熱交換器108の入口側に導入するとともに、熱交
換器108の出口側(可溶化塔110の入口側)での液
状有機混合物と空気との混合体(原料気液混合物)の温度
が250℃となる様に、メタン化反応塔115からの処理
済み気液混合相を熱交換器108に送り、原料気液混合
物と熱交換させて、その温度調節を行った。可溶化塔1
10内では、原料気液混合物を温度250℃、圧力7MPa・G
に保持した。可溶化塔110内での液線速度は、0.063c
m/secであった。
【0077】可溶化塔110内で形成されるスラッジお
よび/または金属成分は、可溶化塔の下部に設けた第一
のバルブ(図示せず)を開き、可溶化塔内のスラッジ液
をスラッジ排出装置(図示せず)に移送し、第一のバル
ブを閉じ、冷却した後、スラッジ排出装置の下部に設け
た第二のバルブ(図示せず)を開いてスラッジ液を排出
することにより、行った。
【0078】得られた可溶化液の組成などを表6に示
す。
【0079】
【表6】
【0080】原料気液混合物の可溶化処理により、当初
の有機物中炭素の約10%相当分が分解されて、可溶化塔
気相側にCO2として移行した。気相からは、ダイオキシ
ンの存在は検知されなかった。
【0081】次いで、可溶化液を空間速度3.0hr-1(空
塔基準)でメタン化反応塔115に供給し、触媒の存在
下に湿式メタン化に供した。なお、メタン化反応塔内に
は、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持
させた球形触媒(直径1〜2mm)を充填するとともに、
その内部の温度および圧力を可溶化塔とほぼ同一に保持
した。メタン化反応塔内での液線速度は、0.57cm/secで
あった。
【0082】また、メタン化反応塔15内下部には、K2
CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)比=
9(l/Nm3)で注下することにより、温度を100〜200℃程度
まで低下させるとともに、メタン化反応塔115内で生
成したCO2を吸収した。
【0083】メタン化反応塔115で生成した気液混合
物を気液分離した後の液相の組成などを表7に示す。
【0084】
【表7】
【0085】一方、得られた気相の組成は、CH4約95
%、H2約1%、CO2約2%、その他2%以下であった。
【0086】本実施例で得られた気相の組成を考慮する
と、反応の過程で、アルカリ液による洗浄を行うことに
より、CO2などの酸性ガスが高度に除去されるので、酸
および塩化物による機器類および配管類の腐食および割
れなどが抑制されることが明らかである。従って、別工
程でアルカリ液によるCO2などの酸性ガスの吸収、また
は分離膜による脱CO2を行う必要がある従来技術に比し
て、設備費および運転経費を大幅に低下できる。 実施例2 図1に示すフローに従って、本発明方法により、ディス
ポーザーで破砕した厨芥類、この破砕物に由来するSSお
よび汚泥の混合物からなる液状有機物100重量部(乾燥重
量換算)に対し、破砕機により破砕した紙類(SS)5重量部
(乾燥重量換算)を加え、液状有機混合物とした。
【0087】すなわち、上記で得られた液状有機混合物
を空間速度2.0hr-1(空塔基準)で可溶化塔110に供
給しつつ、圧縮機105から理論酸素量(129.9Nm3/k
l)の0.1倍量に相当する酸素を供給した。
【0088】反応に際しては、液状有機混合物および空
気を熱交換器108の入口側に導入するとともに、熱交
換器の出口側(可溶化塔110の入口側)での液状有機
混合物と空気との混合物(原料気液混合物)の温度が270
℃となる様に、メタン化反応塔115からの処理済み気
液混合相を熱交換器108に送り、原料気液混合物と熱
交換させて、その温度調節を行なった。可溶化塔器11
0内は、原料気液混合物の湿式酸化分解により、温度27
0℃、圧力8.4MP・Gに保持した。可溶化塔110内での
液線速度は、0.063cm/secであった。
【0089】可溶化塔110内で形成されるスラッジお
よび/または金属成分は、実施例1と同様にして排出し
た。
【0090】得られた可溶化液の組成などを表8に示
す。
【0091】
【表8】
【0092】可溶化塔110における原料気液混合物の
可溶化処理により、当初の有機物中炭素の約5%相当分
が分解されて、可溶化塔気相側にCO2として移行した。
また、気相からは、ダイオキシンの存在は検知されなか
った。
【0093】次いで、可溶化液を空間速度1.0hr-1(空
塔基準)でメタン化反応塔115に供給し、湿式メタン
化処理に供した。なお、メタン化反応塔115内上部に
は、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持
させた球形触媒(直径4〜6mm)を充填するとともに、
その内部の温度および圧力を380℃および23Mpa・Gに高
めた。メタン化反応塔115内での液線速度は、0.57cm
/secであった。
【0094】また、メタン化反応塔115内下部には、
K2CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)
比=9(l/Nm3)で注下することにより、温度を300℃以下に
低下させるとともに、メタン化反応塔115内で生成し
たCO2を吸収した。
【0095】メタン化反応塔115で生成した気液混合
物を気液分離した後の液相の組成などを表9に示す。
【0096】
【表9】
【0097】また、得られた気相の組成は、CH4約97
%、CO2約2.5%、H20.5%以下であり、CH4の生成量は、
約57(Nm3/kl・液状有機混合物)であった。 実施例3 表10に組成を示す液状有機混合物を本発明方法によ
り、処理した。
【0098】
【表10】
【0099】この液状有機混合物を空間速度10hr-1(空
塔基準)、液線速度0.063cm/secで可溶化塔110(38
0℃、圧力25MPa)に供給しつつ、理論酸素量の0.01倍
に相当する過酸化水素水を供給した。この様な液状有機
混合物の可溶化処理により、当初の有機物中炭素の約2
%相当分が分解されて、CO2を形成した。このCO2含有
気相からは、ダイオキシンの存在は検知されなかった。
【0100】次いで、可溶化処理液を空間速度25hr-1
(空塔基準)でメタン化反応塔115に供給し、湿式メ
タン化処理に供した。なお、メタン化反応塔内上部に
は、チタニア担体に担体重量の2%のルテニウムを担持
させた球形触媒(直径4〜6mm)を充填するとともに、
その内部の温度および圧力を可溶化塔内部とほぼ同様に
保持した。メタン化反応塔115内での液線速度は、0.
57cm/secであった。
【0101】また、メタン化反応塔115内下部には、
K2CO3の53%水溶液を液/ガス(アルカリ液量/生成ガス)
比=9(l/Nm3)で注下することにより、温度を300℃以下に
まで低下させるとともに、メタン化反応塔115内で生
成したCO2を吸収した。
【0102】最終的な気液分離後のガス組成は、CH4約9
7%、CO2約2.5%であり、H2は0.5%以下であった。
【0103】CH4の生成量は、59Nm3/ton(液状有機物ベ
ース)であった。 実施例4〜17 触媒中の触媒活性成分を変更する以外は実施例2と同様
の手法により、実施例2と同様の液状有機混合物を処理
した。生成ガスの組成を表11に示す。
【0104】
【表11】
【0105】本発明方法によれば、触媒活性成分を変更
した場合にも、優れた効果が達成されることが明らかで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の概要を示すフローシートである。
【符号の説明】
1…厨芥類 2…紙、プラスチック、植物性破棄物などの固形有機廃
棄物 3…ディスポーザー 4…破砕機 5…生活廃水 7…産業廃水 11…SS分離器 13…活性汚泥槽 15…SS 19…汚泥濃縮機 21…下水道 23…初沈槽 25…終沈槽 27…SS 29…余剰汚泥 31…SS 50…前処理装置 70…破砕機 90…固形有機物廃棄物 101…貯留タンク 103…ポンプ 108…熱交換器 110…可溶化塔 112…膨張タービン 115…メタン化反応塔 116…アルカリ液供給装置 118…気液分離器 120…膨張タービン 122…熱量調整器 125…アルカリ液再生装置 129…ポンプ 135…スラッジ液(不燃成分)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01J 23/46 301 B01J 23/46 311M 311 23/52 M 23/52 C02F 1/74 101 23/63 3/12 N 23/745 11/10 Z 23/75 C10L 3/00 ZABA 23/755 B01J 23/56 301M B09B 3/00 23/74 301M ZAB 311M C02F 1/74 101 321M 3/12 B09B 3/00 D 11/10 ZABZ C10L 3/10 C10L 3/00 B Fターム(参考) 4D004 AA03 AA07 AA12 AC05 BA03 CA04 CA13 CA19 CA22 CA35 CA36 CA39 CA41 CB05 CB31 CB44 CC01 CC02 CC07 CC09 DA03 DA06 DA07 4D028 AB00 BA00 BD16 BE08 4D050 AA12 AB07 AB11 AB18 AB40 BB01 BB09 BC01 BC02 BC06 BD02 BD06 BD08 CA13 CA16 CA17 4D059 AA05 AA07 BC01 BE00 BE31 BK11 BK12 CA01 CC03 4G069 AA03 BA01A BA02A BA04A BA04B BA05A BA05B BB06A BC33A BC33B BC43A BC43B BC62A BC62B BC66A BC66B BC67A BC67B BC68A BC68B BC70A BC70B BC71A BC71B BC72A BC72B BC73A BC73B BC74A BC74B BC75A CB35 DA06 EA02Y EB18Y

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機廃棄物から燃料ガスを製造する方法に
    おいて、(1)厨芥類および/または紙・プラスチック類を
    粉砕し、生活廃水および/または産業廃水と混合して液
    状有機廃液を形成させた後、下水道配管または廃水処理
    設備に連絡された専用配水管に排出する工程、(2)下水
    処理場における処理に先立って上記液状有機廃液を固形
    物と液状成分とに分離する工程、(3)上記工程(2)で分離
    された液状成分を活性汚泥処理する工程、(4)上記工程
    (2)で分離された固形物と活性汚泥処理で発生する余剰
    汚泥とを混合するか、或いはこれらと固形有機廃棄物粉
    砕体とを混合する工程、(5)第一の反応器内において、
    上記工程(4)で得られた液状有機混合物を100℃以上の温
    度且つ液状有機混合物の少なくとも一部が液相を維持す
    る圧力に保ちつつ、理論酸素量の0.5倍量以下の酸素を
    含有するガスの存在下に加熱/加圧処理に供する工程、
    (6)上記工程(5)で形成された気液混合相を気液分離する
    工程、(7)第二の反応器内において、上記工程(5)で得ら
    れた分離液相を100℃以上の温度且つその少なくとも一
    部が液相を維持する圧力に保ちつつ、金属および金属化
    合物の少なくとも1種を活性成分として担持する触媒の
    存在下に、接触分解させてメタンガスを主成分とするガ
    スを含有する気液混合相を生成させる工程、(8)第二の
    反応器内において、上記工程(7)で得られた気液混合相
    をアルカリ液により脱炭酸処理する工程、(9)上記工程
    (8)で得られた脱炭酸処理後の気液混合相を気液分離し
    て、メタンガスを主成分とするガスを回収する工程、お
    よび(10)上記工程(9)において生成したアルカリ含有分
    離水の少なくとも一部を再生して、上記工程(8)におけ
    るアルカリ液として循環使用する工程を備えたことを特
    徴とする燃料ガスの製造方法。
  2. 【請求項2】上記工程(5)の反応器内温度が374℃以上で
    あり、圧力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度
    (送入液量/反応塔断面積)が0.01〜1.0cm/secであり、且
    つ上記工程(6)で得られた分離液相の一部を上記工程(5)
    に混合循環するとともに、分離液相の残部を上記工程
    (7)に供給する請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  3. 【請求項3】上記工程(5)の反応器内温度が374℃以上で
    あり、圧力が22MPa・G以上であり、反応器内の液線速度
    (送入液量/反応塔断面積)が0.1〜1.0cm/secであり、且
    つ上記工程(7)における触媒活性成分が、Ru、Pd、Rh、P
    t、Au、Ir、Os、Fe、Ni、Co、MnおよびCeならびにその
    水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少
    なくとも1種であり、その担体が、チタニア、ジルコニ
    ア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカおよびア
    ルミナ-シリカからなる群から選ばれた少なくとも1種
    である請求項1に記載の燃料ガスの製造方法。
  4. 【請求項4】上記工程(5)において、液状有機混合物中
    の溶存酸素および/または供給ガス中の酸素により、液
    状有機混合物中に存在する硫黄化合物を酸化させる請求
    項1に記載の燃料ガスの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004122073A (ja) * 2002-10-07 2004-04-22 Chugoku Electric Power Co Inc:The 廃棄物のリサイクル処理方法及びそのリサイクル処理施設
JP2011212592A (ja) * 2010-03-31 2011-10-27 Hitachi Zosen Corp 廃棄物由来バイオマス原料の調製方法
JP2012214634A (ja) * 2011-03-31 2012-11-08 Osaka Gas Co Ltd 水熱ガス化反応器
JP2016514046A (ja) * 2013-03-09 2016-05-19 ヴェオリア・ウォーター・ソリューションズ・アンド・テクノロジーズ・サポートVeolia Water Solutions & Technologies Support 汚泥を処理するためのエネルギー効率のよいシステムおよびプロセス

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