JP5019774B2 - 水素を利用する有機物含有廃水の処理方法 - Google Patents

水素を利用する有機物含有廃水の処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素を利用して有機物含有廃水を燃料ガスに変換する方法に関する。
従来、固形有機性廃棄物(好気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥類;厨芥、紙、プラスチック、木片、竹片、草片、藁、繊維、野菜片、ゴム、皮、食品加工廃棄物、畜産廃棄物、森林間伐材/倒木、枝打ちなどの廃棄物、農林廃棄物、水産物廃棄物など)と液状有機性廃棄物(生活廃水、食品加工工場などからの廃水、畜舎/養鶏場などからの廃水、生物学的処理が困難な成分を含む産業廃水などの廃水;アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類などを含む廃水など)とは、それぞれの特性に応じた個別の技術により処理されている。
しかしながら、現今の大きな技術的課題である「限りある資源の有効利用」という視点からは、これらの廃棄物を資源として再利用することが必要である。
本発明者らは、以前、この様な技術の現状にかんがみて、鋭意研究を進めた結果、固形および液状の有機性廃棄物から調整した液状有機物を高いガス化効率で水熱反応させることにより、燃料ガス、電力、熱エネルギーなどの有用な形態で回収し、再利用する技術を開発している(特許文献1および特許文献2)。
また、非特許文献1には、600℃の超臨界条件で燃料ガスを製造する方法が報告されている。
この技術では、液状有機物の濃度、種類などによっては、ガス化分解されにくい炭素成分(チャーなど)が、反応装置壁、配管壁、触媒表面などに析出/付着することにより、水熱反応を阻害したり、触媒活性を低下させたり、或いは燃料ガスの収率を低下させる場合があることが判明した。
そこで、有機物含有廃水に還元性ガス(水素)を添加することにより、高温高圧条件化で触媒と接触させることにより、廃水中の有機物を分解して燃料ガスを製造しつつ、廃水を浄化する技術が注目されている(特許文献3等)。
この技術は極めて有用であるが、水素の圧力を上げるためのコンプレッサーが高コストであるという課題があった。また、触媒を再生するために適宜酸素源を注入して酸化分解反応を起こさせる必要があるが、この酸化分解反応において、注入する酸素源が空気の場合、酸化分解が十分に起こらず触媒の再生が不十分となる場合があり、また、注入する酸素源が純酸素の場合、酸化分解は十分起こるものの高コストであるという課題があった。
特開2002-105466号公報 特開2002-105467号公報 特開2004-352756号公報 Xu, X., Matsumura, Y., Stenberg, J., Antal, M., Ind. Eng. Chem. Res., 35, 2522
本発明は、有機物を含有する廃水を水素を添加しながら高温高圧条件化で触媒と接触させることにより廃水を浄化すると共に有機物を燃料ガスとして回収する技術において、コンプレッサーを用いることなく、安定的に高圧の水素を供給することができる方法を提供することを目的とする。
また、上記の廃水処理方法において、触媒を再生する工程を効率的かつ効果的にすることのできる、酸素源を含むガスも安価かつ安定的に供給することができる方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の様な課題を解決するために鋭意研究を進めた結果、次のような知見を得た。まず、水の電解により生成する高圧水素を利用することで、コンプレッサーを使うことなく廃水処理を行うことが可能となった。また、水の電解で水素を生成させる工程で生成する酸素を、触媒再生工程で使用することで、低コストかつ高効率に触媒再生を行うことが可能となった。かかる知見に基づき、さらに検討を加えた結果本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の廃水処理方法を提供する
項1. 有機物を含有する廃水と水素とを、少なくとも半分以上の廃水が液相を維持することができる条件で触媒と接触させることにより、前記廃水中の有機物をメタン、水素及び二酸化炭素を主成分とするガスに変換する廃水処理方法であって、水の電気分解によって発生する高圧水素を使用する廃水処理工程を有することを特徴とする廃水処理方法。
項2. さらに、有機物を含有する廃水を有機物を高濃度に含まない水に切り替え、かつ、水素を酸素源を含むガスに切り替えて、反応系内に付着した汚れを酸化分解して除去する洗浄・触媒再生工程を有し、前記水の電気分解によって発生する酸素を酸素源を含むガスとして使用することを特徴とする項1に記載の廃水処理方法。
項3. 廃水処理工程から洗浄・触媒再生工程に切り替える際、及び/又は、洗浄・触媒再生工程から廃水処理工程に切り替える際に、一旦不活性ガスを供給して系内の水素又は酸素を不活性ガスで置換することを特徴とする項2に記載の廃水処理方法。
本発明において、「有機物」とは、工業原料及び燃料として提供されている各種有機物のほか、生活廃水、産業廃水、汚泥などの液状ないし含水有機性廃棄物、厨芥類、廃木材、紙、プラスチック類などの固形有機物と有機性廃液とを適宜混合粉砕することにより得られる混合物、或いはこれらを生物学的、物理的、化学的に処理したものなどが挙げられる。
以下、本発明の1実施態様である図1を適宜参照しながら、本発明を詳述する。
本発明の廃水処理方法は、有機物を含有する廃水と水素とを、少なくとも半分以上の廃水が液相を維持することができる条件で触媒と接触させることにより、前記廃水中の有機物をメタン、水素及び二酸化炭素を主成分とするガスに変換する廃水処理方法であって、水の電気分解によって発生する高圧水素を使用する廃水処理工程を含むことを特徴とする。
さらに、有機物を含有する廃水を有機物を高濃度に含まない水に切り替え、かつ、水素を酸素源を含むガスに切り替えて、反応系(触媒、配管、熱交換器、反応器等)内に付着した汚れを酸化分解して除去する洗浄・触媒再生工程を有し、前記水の電気分解によって発生する酸素を酸素源を含むガスとして使用することを特徴とする。
この処理方法により、水の電気分解により生成する高圧水素を利用することで、コンプレッサーを使うことなく廃水処理を行うことが可能になるとともに、水の電気分解で水素を生成させる工程で生成する酸素を触媒再生工程で使用することで、低コストかつ高効率に触媒再生を行うことが可能となる。
本発明が処理対象とする廃水は、有機物を含有するものであれば特に限定はない。
有機物としては、液状および固形状の有機物が挙げられる。
固形状の有機物としては、特に限定されず、都市ゴミなどの一般廃棄物;好気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥類;草木、竹、草、藁、繊維類、野菜くず、ゴム、皮、農業/林業/畜産業/養鶏業/水産業などの生物関連の廃棄物および生産物などの固形有機物(トウモロコシの軸、おから、コーヒー豆粕、麦わら、稲わら、間伐材、倒木など;ジャイアントケルプ、ユーカリなどを含む広義のバイオマス);鉱産物(石炭、泥炭その他)、各種の炭化水素類などが例示される。これらの固形状有機物は、2種以上の混合状態で処理しても良い。
液状の有機物源としては、メタノールなどの工業原料及び燃料として提供されている各種有機物のほか、厨芥、紙、プラスチックなどを含む生活廃水、有機化合物(アルコール類、エーテル類、カルボン酸類、アルデヒド類など)を含む廃水、し尿、メッキ廃水、食品工場廃水、製紙工場廃水、製薬工場廃水、写真廃水、印刷廃水、農薬関連廃水、染色廃水、半導体製造工場廃水、石炭の液化或いはガス化に伴い発生する廃水、都市ゴミの熱分解に伴い発生する廃水などの有機物を含有する廃水などが例示される。これらの廃水は、2種以上を混合して処理することもできる。
廃水中における全有機物濃度(TOC)は、通常1000〜150000 mg/L程度、好ましくは5000〜20000 mg/L程度であればよい。
本発明が処理対象とする有機物を含有する廃水は、上記の固形状および液状の有機物源の少なくとも1種に、水などの液体を加え、攪拌することにより、形成することができる。この際、固形状有機物源は、スラリーを形成させるために、予め適当な大きさに粉砕しておくことが好ましい。廃棄物、バイオマスなどの固形有機物は、金属、ガラスなどの無機成分を出来るだけ除去するために、常法に従って、前処理装置(図示せず)で分別処理され、次いで破砕機等において破砕された後、水および/または液状の有機物源と混合されて、被処理用廃水を調製する。
図1に示す通り、貯留タンク1に収容された廃水は、昇圧ポンプ3により加圧され、水の電気分解装置6により製造された高圧水素とライン7で混合される。
水の電気分解装置6は、高圧の水素供給が可能な装置を用いる。高圧の水素供給が可能な水の電気分解装置であれば特に限定はない。
例えば、圧力容器内に設置され、高分子電解質膜を用いて水を電解し、陽極に酸素、陰極に水素を発生させる水電解槽と、水電解槽の陰極にて発生した水素と水を分離する水素気液分離器と、水電解槽の陽極にて発生した酸素と水を分離する酸素気液分離器と、純水タンクから水電解槽へ水を送る給水ポンプを有する給水ラインとを備えてなる固体高分子型水電解装置であり、給水ラインに圧力容器内圧力を調整する調圧弁が設けられている高圧容器収納型水電解水素発生装置が例示される。具体的には、特開2005−248246号公報に記載の高圧容器に収納された水電解水素発生装置が挙げられる。
或いは、他に特開2005−324584号公報、特開2001−130901号公報等に記載の高圧水素が供給可能な水の電気分解装置を採用することができる。
水の電気分解装置6で製造された高圧水素の圧力は、通常、2〜30 MPa程度であればよい。なお、図1では、供給水5が水の電気分解装置6に供給されて高圧の水素と酸素が製造されるが、電極、水電解槽、水素気液分離器、酸素気液分離器等は図示していない。高圧水素はライン7から廃水に混合される。
水素が混合された廃水は、熱交換器9で140〜160℃程度に加熱され、触媒を充填した反応装置10に供給される。熱交換器2の熱源としては、任意の加熱手段を使用することができる。例えば、図1に示す様に、反応装置10からの気液混合相を熱源として使用することができる。
反応装置10における反応は、少なくとも半分以上の廃水が液相を維持することができる条件で触媒と接触させることにより行う。ここで、「少なくとも半分以上の廃水が液相を維持することができる条件」とは、蒸発する水蒸気量が廃水量の半分以下となる条件と同義であり、具体的には、反応温度における装置内圧力、当該温度における水の蒸気圧、混合する水素の量の関係により決定される水蒸気の重量が廃水の重量の半分を上らない条件を意味する。
水が蒸発すると廃水中に溶解している成分の濃度が高まり、溶解度を超えた成分が析出することにより、閉塞や触媒の被毒といった問題を生じるため、水の蒸発量は少ない方が好ましく、蒸発する水の割合が50重量%を越えないことが好ましい。
反応装置10に充填される触媒としては、担体に触媒活性成分が担持された触媒が好適に用いられる。触媒活性成分としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Cu、Zn、Ni、Co、MnおよびCe、ならびにその水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられ、担体としては、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカ、アルミナ-シリカおよび活性炭からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物が挙げられる。好ましい金属活性成分としては、Ru、 Pt及びNiが挙げられ、特にRuが好適である。また、好ましい担体としては、チタニア及び活性炭が挙げられ、特にチタニアが好適である。
担体に対する触媒活性成分の担持量は、通常0.01〜10重量%程度であり、より好ましくは0.1〜3重量%程度である。
担体上に触媒活性成分である金属を担持する方法は、公知の方法が採用され、例えば、含浸、アルカリ処理、還元などを組み合わせて実施できる。
触媒の形状は、特に限定されず、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、ハニカム状などが例示される。
反応温度、圧力及び時間は、触媒の種類、処理される有機物の組成、反応装置の大きさなどに応じて適宜決定されるが、通常、温度は150〜370 ℃程度(好ましくは200〜300 ℃程度)、圧力は1〜22 MPa程度(好ましくは1〜10 MPa程度)であればよい。なお、反応時間は、0.5〜120 分程度であればよい。
また、WHSV(=液状有機物量[kg/h]÷触媒重量[kg])は0.5〜120 h-1程度(好ましくは1〜60 h-1程度)、液線速度(挿入液量/反応塔断面積;反応器入口基準)は、0.05〜10 cm/secの範囲内であればよい。
反応装置10の反応器形式は、特に限定されるものではないが、固定床のものが例示される。反応装置10の容積は、固定床の場合には、液の空間速度(入口基準)が0.5〜100 hr-1程度、より好ましくは1〜60 hr-1程度となる様にするのが良い。固定床で使用する担持触媒の大きさは、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状などの場合には、通常1〜50 mm程度、より好ましくは2〜25 mm程度である。
反応装置10で形成された気液混合相は、反応器外に取り出され、熱交換器9を経て、冷却器13において一次冷却される。さらに、必要に応じ減圧弁を経て気液分離器14に送られ、気相(燃料ガス)と液相(排出水)とに分離される。得られた気相は、保圧弁(図示せず)を経て系外に取り出され、液相は、液位調整弁(図示せず)を経て系外に取り出される。
上記の有機物を含有する廃水の処理条件では、長期間の使用により、一般に、触媒、配管、熱交換器、反応器等の反応系内に汚れ(例えば、未反応有機物、重合体等の炭素状物等)が付着して、配管の閉塞や触媒失活を生じる場合がある。
そのため、一定期間の廃水処理をした後は、定期的に、反応系内に付着した汚れを酸化分解して除去する洗浄・触媒再生工程を必要とする。この洗浄・触媒再生工程は、通常、供給される有機物を含有する廃水を有機物を高濃度に含まない水に切り替え、かつ、供給される水素を酸素源を含むガスに切り替えて、反応系内の汚れを酸化分解(触媒湿式酸化)する。この場合、前記水の電気分解装置6によって発生する高圧の酸素(2〜30 MPa程度)を、酸素源を含むガスとして使用することができる。これにより、水の電気分解装置6から発生する高圧水素と酸素を、いずれも有効利用することができる。
具体的には、図1より、貯留タンク1からの廃水の供給をストップして、貯留タンク17から有機物を高濃度に含まない水を供給し、かつ、水の電気分解装置6で製造された高圧水素の供給をストップして、装置6で製造された酸素に切り替える。
なお、有機物を高濃度に含まない水とは、触媒湿式酸化に供することができ反応系内の汚れの酸化除去が好適に行える程度の有機物含有量であればよく、例えば、水中の全有機物濃度(TOC)が2000mg/L以下の水であればよい。なお、有機物を高濃度に含まない水として、気液分離器14で分離された処理水やイオン交換水を用いてもよい。
また、高圧水素から酸素に直接切り替える場合には危険を伴うため、一旦高圧水素から不活性ガス(窒素)に系内を置換した後、酸素で置換することが好ましい。具体的には、ライン2から供給する液を貯留タンク1より供給される廃水から、タンク18より供給される有機物を高濃度に含まない水に切り替え、ライン7より供給するガスを不活性ガス(窒素)に切り替え(図示せず)、系内がイオン交換水と不活性ガス(窒素)に入れ替わった後で、ライン7より供給するガスを酸素に切り替える。
系内を有機物を高濃度に含まない水と酸素で置換した場合、系内の圧力は1〜22 MPa程度にすればよく、また反応装置10の温度は150〜370 ℃程度にすればよい。これにより、系内に析出していた汚れが分解されて二酸化炭素になり系外へ排出される。
系内の洗浄・触媒再生工程を経た後、次に、再びライン7から供給するガスを不活性ガス(窒素)に切り替え(図示せず)、系内のガスを不活性ガス(窒素)で置換した後、ライン2から供給する液を貯留タンク1より供給される廃水に切り替え、ライン7より供給するガスを水素に切り替える。
上記の工程を経ることにより、系内が洗浄され触媒が活性化されて、続く廃水処理工程において有機物の高い分解率が達成される。本発明の廃水の処理方法では、廃水の処理及び酸化分解を繰り返すことにより、安定的に連続した廃水の処理が可能となる。
本発明の廃水の処理方法では、上記のように、水の電気分解装置で製造される高圧水素をそのまま廃水処理に用いることができるため、昇圧のためのコンプレッサーが不要となりコストの低減を図ることができる。しかも、水の電気分解装置で製造される高圧水素と酸素をそれぞれ、廃水の処理及び酸化分解処理で使用できるため有効活用できるというメリットがある。
本発明の廃水の処理方法では、上記のように、水の電気分解装置で製造される高圧水素をそのまま廃水処理に用いることができるため、昇圧のためのコンプレッサーが不要となりコストの低減を図ることができる。しかも、水の電気分解装置で製造される高圧水素と酸素とをそれぞれ、廃水の処理及び酸化分解処理で使用できるため有意義である。
次に本発明を、実施例によって更に詳述するが、これに限定されるものではない。
実施例1
図1に示すフローに従って、化学工場製造工程からの全有機炭素濃度(TOC)15,000mg/lの廃水を用い、水の電気分解で製造される高圧水素(10 MPa)を添加しながら高温高圧条件化で触媒と接触させることにより廃水を浄化すると共に燃料ガスを回収する処理を行った。処理条件は、水素添加量は58.7 Nl/mol-C、反応装置10から排出される処理水の温度が250℃、系内の圧力8.83MPa、触媒反応器における反応時間17分とした。反応装置10内の触媒は、チタニア担体にルテニウムを担持したものを用いた。なお、「Nl/mol-C」は、廃水中の全炭素濃度1モルに対する水素の体積(ノルマルリットル)を意味する。
その結果、処理水中の全炭素濃度は、運転時間155時間までに150 mg/Lとなり、触媒活性の劣化により、徐々に処理性能が低下した。
そこで、155時間後に処理を停止し、ライン2から供給する液を、貯留タンク1より供給される廃水から、貯留タンク18より供給されるイオン交換水に切り替え、ライン7より供給するガスを窒素に切り替え、系内がイオン交換水と窒素ガスに置換した。その後、ライン7より供給するガスを、水の電気分解で製造される酸素(10 MPa)に切り替え、200 Nl/hで供給した。ライン15より回収されるガス中の二酸化炭素濃度を測定したところ、大きく減少して0.1%にまで減少した。
すなわち、廃水をイオン交換水に切り替え、供給ガスを空気に切り替える洗浄操作により、系内に析出していた炭素が分解されて二酸化炭素になり、系外へ排出された。
次に、再びライン7から供給するガスを窒素に切り替え、系内のガスを窒素で置換した後、ライン2から供給する液をタンク1より供給される廃水に切り替え、ライン7より供給するガスを水の電気分解で製造される高圧水素(10 MPa)に切り替えた。
その結果、ライン16より回収される処理水中の全有機炭素濃度は、大きく低下した。すなわち、系内に析出した炭素を二酸化炭素に分解する操作を行った結果、触媒表面に付着していた炭素が除去されて触媒が再活性化され、処理水中の全有機炭素濃度が低下した。しかし、処理を続けるにしたがって触媒の活性が徐々に低下し、処理水中の全有機炭素濃度が再び徐々に上昇した。
次に、述べ運転時間210時間で再度洗浄操作を行ったところ、触媒が再び再活性化され、処理水中の総炭素濃度が低下した。
以上の結果から、水の電気分解装置で製造される高圧水素をそのまま廃水処理に用いることができ、コンプレッサーが不要となりコストの低減を図ることができる。しかも、水の電気分解装置で製造される高圧水素と酸素とをそれぞれ、廃水の処理及び酸化分解処理で使用できる。また、定期的に洗浄・触媒再生工程を導入することにより、長期間連続的に廃水を処理することが可能となることが明らかとなった。
本発明の概要を示すフローシートである。
符号の説明
1 貯留タンク
3 ポンプ
6 水の電気分解装置
9 熱交換器
10 反応装置
13 冷却器
14 気液分離器
15 圧力コントロールバルブ
16 液面コントロールバルブ
18 有機物を高濃度に含まない水の貯留タンク(イオン交換水)

Claims (4)

  1. 有機物を含有する廃水と水素とを、少なくとも半分以上の廃水が液相を維持することができる条件で触媒と接触させることにより、前記廃水中の有機物をメタン、水素及び二酸化炭素を主成分とするガスに変換する廃水処理方法であって、水の電気分解によって発生する高圧水素を使用し、1〜22MPaの圧力下で廃水処理工程を有することを特徴とする廃水処理方法。
  2. さらに、有機物を含有する廃水を有機物を高濃度に含まない水に切り替え、かつ、水素を酸素源を含むガスに切り替えて、反応系内に付着した汚れを酸化分解して除去する洗浄・触媒再生工程を有し、前記水の電気分解によって発生する酸素を酸素源を含むガスとして使用することを特徴とする請求項1に記載の廃水処理方法。
  3. 廃水処理工程から洗浄・触媒再生工程に切り替える際、及び/又は、洗浄・触媒再生工程から廃水処理工程に切り替える際に、一旦不活性ガスを供給して系内の水素又は酸素を不活性ガスで置換することを特徴とする請求項2に記載の廃水処理方法。
  4. 前記水の電気分解を、高圧の水素供給が可能な装置を用いて行う、請求項1〜3のいずれかに記載の廃水処理方法。
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