JP4540378B2 - 高圧水素の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液状有機物を出発原料として、水素を含有する燃料ガスを製造し、さらに不純物を除去して高圧かつ高純度の水素を製造する方法に関する。
本発明において、「液状有機物」とは、広く「水に液状および/または固形状の有機物が溶解し、あるいは分散して存在している液状混合物」を意味する。この様な液状有機物としては、特に限定されるものではないが、工業原料及び燃料として提供されている各種有機物のほか、生活排水、産業排水、汚泥などの液状ないし含水有機性廃棄物、厨芥類、廃木材、紙、プラスチック類などの固形有機物と有機性廃液とを適宜混合粉砕することにより得られる混合物、或いはこれらを生物学的、物理的、化学的に処理したものなどが挙げられる。
従来、固形有機性廃棄物(好気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥類;厨芥、紙、プラスチック、木片、竹片、草片、藁、繊維、野菜片、ゴム、皮、食品加工廃棄物、畜産廃棄物、森林間伐材/倒木、枝打ちなどの廃棄物、農林廃棄物、水産物廃棄物など)と液状有機性廃棄物(生活廃水、食品加工工場などからの廃水、畜舎/養鶏場などからの廃水、生物学的処理が困難な成分を含む産業廃水などの廃水;アルコール類、カルボン酸類、アルデヒド類などを含む廃水など)とは、それぞれの特性に応じた個別の技術により処理されている。
しかしながら、現今の大きな技術的課題である「限りある資源の有効利用」という視点からは、これらの廃棄物を資源として再利用することが必要である。
本発明者らは、以前、この様な技術の現状にかんがみて、鋭意研究を進めた結果、固形および液状の有機性廃棄物から調整した液状有機物を高いガス化効率で水熱反応させることにより、燃料ガス、電力、熱エネルギーなどの有用な形態で回収し、再利用する技術を開発している(特許文献1および特許文献2)。
また、非特許文献1には、600℃の超臨界条件で燃料ガスを製造する方法が報告されている。
この技術は極めて有用であるが、製造される燃料ガスには、メタン及び/又は一酸化炭素を高い濃度で含んでいる。そのため、水素ガスを高濃度で含む燃料ガスを必要とする用途、例えば、定置型燃料電池、燃料電池自動車、水素化反応、アンモニア製造などの用途では、その燃料ガスをそのまま用いることができず、さらなるガスの精製が必要であった。
また、水素は、通常、輸送等を考慮して高圧水素タンク等に貯蔵されるが、水素が低圧状態で製造された場合、再度コンプレッサーなどで高圧水素にする必要があり不経済である。そのため、水素の製造において、水熱反応部に由来する高い圧力を保持することで、高圧の水素を得ることができれば非常に有利である。
特開2002-105466号公報 特開2002-105467号公報 Xu, X., Matsumura, Y., Stenberg, J., Antal, M., Ind. Eng. Chem. Res., 35, 2522
本発明は、液状有機物から水熱反応により得られる水素を含む高圧燃料ガスから、高圧下で水素を選択的に取り出しうる新たな技術を提供することを主な目的とする。
本発明者は、上記の様な技術の現状に鑑みて、液状有機物を処理する技術について研究を進めた結果、上記の課題を達成し得ることを見出した。
すなわち、本発明は、液状有機物を原料として、高圧水素を製造する下記の方法を提供する
項1.(1)液状有機物を、亜臨界水中又は超臨界水中で触媒を用いて水熱反応させて水素を含む燃料ガスを製造する第1工程、並びに(2)第1工程で得られた燃料ガスから、該水熱反応に由来する高圧下で不純物を除去する第2工程を備えたことを特徴とする高圧水素の製造方法。
項2.第1工程が、液状有機物を、亜臨界水中又は超臨界水中で、触媒、及び硫黄又は硫黄化合物を用いて、液状有機物を水熱反応させて水素を含む燃料ガスを製造する工程である項1に記載の高圧水素の製造方法。
項3.第2工程が、第1工程で得られた燃料ガスから、吸収液を用いて不純物を除去するか、或いは、一酸化炭素から二酸化素へのシフト反応を促進させる触媒及び吸収液を用いて不純物を除去する項1又は2に記載の高圧水素の製造方法。
項4.第2工程が、さらに吸着剤を用いて不純物を除去する項3に記載の高圧水素の製造方法。
以下、本発明を詳述する。
本発明の高圧水素の製造方法は、(1)液状有機物を、亜臨界水中又は超臨界水中で水熱反応させて水素を含む燃料ガスを製造する第1工程、並びに(2)第1工程で得られた燃料ガスから、該水熱反応に由来する高圧下で不純物を除去して、水素を選択的に取り出すことを特徴とする。この製造方法より、高圧水素を簡便に製造することができる。

本発明が処理対象とする液状有機物は、水などの液体中に液状および固形状の有機物の少なくとも1種が溶解乃至分散した状態の液状物を全て包含する。
固形状の有機物としては、特に限定されず、都市ゴミなどの一般廃棄物;好気性処理汚泥、嫌気性処理汚泥、下水汚泥などの汚泥類;草木、竹、草、藁、繊維類、野菜くず、ゴム、皮、農業/林業/畜産業/養鶏業/水産業などの生物関連の廃棄物および生産物などの固形有機物(トウモロコシの軸、おから、コーヒー豆粕、麦わら、稲わら、間伐材、倒木など;ジャイアントケルプ、ユーカリなどを含む広義のバイオマス);鉱産物(石炭、泥炭その他)、各種の炭化水素類などが例示される。これらの固形状有機物は、2種以上の混合状態で処理しても良い。
液状の有機物源としては、メタノールなどの工業原料及び燃料として提供されている各種有機物のほか、厨芥、紙、プラスチックなどを含む生活廃水、有機化合物(アルコール類、エーテル類、カルボン酸類、アルデヒド類など)を含む廃水、し尿、メッキ廃水、食品工場廃水、製紙工場廃水、製薬工場廃水、写真廃水、印刷廃水、農薬関連廃水、染色廃水、半導体製造工場廃水、石炭の液化或いはガス化に伴い発生する廃水、都市ゴミの熱分解に伴い発生する廃水などの有機物を含有する廃水などが例示される。これらの廃水は、2種以上を混合して処理することもできる。
上記の固形状および液状の有機物源は、Mg、Al、Si、P、Ca、Ti、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Cdなどの金属成分の1種または2種以上を含んでいてもよい。本発明方法は、被処理物がこの様な金属成分を含んでいても、実施可能である。
本発明が処理対象とする液状有機物は、上記の固形状および液状の有機物源の少なくとも1種に、必要に応じて、水などの液体を加え、攪拌することにより、形成することができる。この際、固形状有機物源は、スラリーを形成させるために、予め適当な大きさに粉砕しておくことが好ましい。
以下図面を参照しつつ、本願発明について詳細に説明する。
図1は、本願発明方法の1実施例の概要を示すフローシートである。
本発明においては、廃棄物、バイオマスなどの固形有機物は、金属、ガラスなどの無機成分を出来るだけ除去するために、常法に従って、前処理装置(図示せず)で分別処理され、次いで破砕機等において破砕された後、水および/または液状の有機物源と混合されて、液状有機物を形成する。
第1工程
第1工程では、液状有機物を、亜臨界水中又は超臨界水中で水熱反応させて水素を含む燃料ガスを製造する。
図1に示す通り、本発明においては、上記の様にして形成された液状有機物を処理する。すなわち、液状有機物は、液昇圧ポンプ1を経て、熱交換器2で加熱され、必要ならば、さらに加熱器3により200℃以上の温度まで加熱された後、触媒を充填した水熱反応器4に供給される。熱交換器2の熱源としては、任意の加熱手段を使用することができる。例えば、図1に示す様に、水熱反応器4出口の気液混合相を熱源として使用することができる。
水熱反応装置における反応は、触媒の存在下に、超臨界乃至亜臨界条件下に行う。ここで、超臨界条件とは、例えば、水については臨界温度374℃以上、及び臨界圧力22.1MPa以上(すなわち臨界点以上)の状態を意味し、亜臨界条件とは、超臨界条件より低く温度200℃程度以上、圧力5MPa程度以上を意味する。
水熱反応における温度および圧力は、触媒の種類、処理される液状有機物の組成などに応じて適宜決定されるが、通常、温度は300〜500 ℃程度(好ましくは420〜480 ℃程度)、圧力は20〜50 MPa程度(好ましくは32〜38 MPa程度)であればよい。特に、温度が500 ℃を越えることなく、本発明の目的が達成される。また、WHSV(=液状有機物量[kg/h]÷触媒重量[kg])は0.5〜120 h-1程度(好ましくは1〜60 h-1程度)、液線速度(挿入液量/反応塔断面積;反応器入口基準)は、0.001〜5 cm/sec(好ましくは0.01〜1 cm/sec程度)の範囲内であればよい。
本発明では触媒を使用するため、水熱反応が促進され液状有機物中の有機成分の分解率が向上する。従って、一定の水熱反応条件下では、水熱反応装置を小型化することおよび/または反応時間を短縮することができる。或いは、同一容積の水熱反応装置を使用する場合には、反応時間を短縮することおよび/または穏和な反応条件を採用することができる。
一般に、触媒を用いた穏和な反応条件(温度300〜500℃程度)では、熱力学的にメタンが生成しやすい領域であり、水熱反応装置を製作するのに機械的な制約条件は緩和されるものの、水素を主成分とする燃料ガスを製造するのには不利であった。
水熱反応器4に充填される触媒としては、担体に触媒活性成分が担持された触媒が好適に用いられる。触媒活性成分としては、Ru、Pd、Rh、Pt、Au、Ir、Os、Fe、Cu、Zn、Ni、Co、MnおよびCeならびにその水不溶性乃至水難溶性化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種が挙げられ、担体としては、チタニア、ジルコニア、チタニア-ジルコニア、アルミナ、シリカ、アルミナ-シリカおよび活性炭からなる群から選ばれた少なくとも1種の金属酸化物が挙げられる。好ましい金属活性成分としては、Ru、 Pt及びNiが挙げられ、特にRuが好適である。また、好ましい担体としては、チタニア及び活性炭が挙げられ、特にチタニアが好適である。
担体に対する触媒活性成分の担持量は、通常0.01〜10重量%程度であり、より好ましくは0.1〜3重量%程度である。
担体上に触媒活性成分である金属を担持する方法は、公知の方法が採用され、例えば、含浸、アルカリ処理、還元などを組み合わせて実施できる。
触媒の形状は、特に限定されず、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状、ハニカム状などが例示される。
或いは、本発明では、触媒と硫黄又は硫黄化合物の存在下(或いは、硫黄又は硫黄化合物を含有する触媒の存在下)で水熱反応を行うことにより、メタン及び一酸化炭素の生成を極力抑えた、水素を主成分とする燃料ガスを製造することも可能である。即ち、触媒、及び硫黄又は硫黄化合物を、図1の水熱反応器4に充填して水熱反応を行うことができる。
硫黄化合物としては、広く硫黄原子を含む化合物であれば特に限定はないが、無機硫黄化合物が好ましく例示される。例えば、硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩、二硫酸塩、二亜硫酸塩、ジチオン酸塩、亜ジチオン酸塩、トリチオン酸塩、ペルオキソ一硫酸塩、テトラチオン酸塩、ペルオキソ二硫酸塩、ポリチオン酸塩、硫化物塩などの無機硫黄化合物が挙げられる。これらの塩は、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムなどの塩であればよい。アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が例示され、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウム等が例示される。
これらの硫黄化合物のうち、好ましくは、アルカリ金属の硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩又は硫化物塩、或いはアルカリ土類金属の硫酸塩、亜硫酸塩、チオ硫酸塩又は硫化物塩、或いは硫黄などが挙げられる。より好ましくは、アルカリ金属の硫酸塩又はアルカリ土類金属の硫酸塩であり、特に硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムが好ましい。
硫黄は、各種同素体が存在するがいずれの同素体を用いてもよい。
触媒と硫黄又は硫黄化合物を用いる形態としては、触媒と硫黄又は硫黄化合物の両者が、水熱反応器内に存在する状態で、水熱反応を行うものであれば特に限定はない。
例えば、第1の形態としては、上述した担体(硫黄化合物を含まない)に活性成分が担持された触媒を、一旦硫黄又は硫黄化合物で処理して得られる触媒を用いて水熱反応を行う。具体的には、担体に活性成分が担持された触媒を水熱反応器4内に充填した後、硫黄又は硫黄化合物を含有する水性媒体を水熱反応器4内に通液して初期運転し、硫黄又は硫黄化合物を触媒と接触させる。硫黄又は硫黄化合物を含有する水性媒体は、該水性媒体中の硫黄濃度が、1〜30mg/L程度になるように硫黄又は硫黄化合物の含有量を調製すればよく、また、該水性媒体には水以外に他の有機物(アルコール類、処理対象物の液状有機物等)を含んでいてもよい。初期運転は、上述した水熱反応条件が採用され、通常20〜60時間程度であればよい。
また、第2の形態としては、予め硫黄又は硫黄化合物を含有する担体に活性成分が担持された触媒を用いることができる。この触媒は、担体の製造過程において担体に硫黄又は硫黄化合物を添加又は混入させることにより製造することができる。このような、担体に硫黄又は硫黄化合物を含有する触媒は、例えば、担体主成分の粉体に硫黄又は硫黄化合物を混合し、成形、乾燥、焼成することにより製造することができる。触媒中の硫黄又は硫黄化合物の含有量は、特に限定はないが、通常、担体に対する硫黄又は硫黄化合物の含有量は、通常0.01〜5 重量%程度であり、好ましくは0.1〜1 重量%程度である。
上記のようにして製造される硫黄又は硫黄化合物を含む触媒は、そのまま液状有機物の水熱反応に用いられる。
このように触媒と硫黄又は硫黄化合物を用いた本発明の水熱反応によれば、メタン及び一酸化炭素の含有量が極力少ない水素リッチな燃料ガスを製造することができる。一般に、硫黄成分は、触媒被毒により触媒活性を低下させる可能性を有するが、本発明ではこの硫黄又は硫黄化合物を積極的に触媒に添加することにより、上記組成の燃料ガスを製造し得るという驚くべき効果を発揮するものである。
水熱反応器4の反応器形式は、特に限定されるものではないが、固定床のものが例示される。水熱反応器4の容積は、固定床の場合には、液の空間速度(入口基準)が0.5〜100hr-1程度、より好ましくは1〜60hr-1程度となる様にするのが良い。固定床で使用する担持触媒の大きさは、球状、ペレット状、円柱状、破砕片状、粉末状などの場合には、通常1〜20mm程度、より好ましくは5〜15mm程度である。
水熱反応器4で形成された気液混合相は、反応器外に取り出され、熱交換器2を経て、冷却器5において一次冷却される。さらに、必要に応じ減圧弁を経て気液分離器6に送られ、気相(燃料ガス)と液相(排出水)とに分離される。得られた気相は、保圧弁(図示せず)を経て系外に取り出され、液相は、液位調整弁(図示せず)を経て系外に取り出される。
触媒を用いた水熱反応により製造される燃料ガスは、反応温度にもよるが、通常、水素を10〜40 vol%程度、メタンを20〜65 vol%程度、二酸化炭素を20〜30 vol%程度、及び一酸化炭素を0〜30 vol%程度含有している。また、触媒、及び硫黄又は硫黄化合物を用いて製造される燃料ガスは、水素を70〜76vol%程度、メタンを1.5vol%程度以下(特に1.2vol%以下)、二酸化炭素を22〜28vol%程度、及び一酸化炭素を1.5vol%程度以下含有し、比較的高い水素含有率となる。
なお、水熱反応において発生したエネルギーは、気液混合相、気相および液相の任意の段階において、公知の手法により、熱、電力などの形態で回収することができる。
第2工程
第2工程では、第1工程で得られた燃料ガスから、吸収液(高圧水)を用いて一酸化炭素、炭酸ガス、メタン等を含む不純物を除去する。或いは、一酸化炭素から二酸化素へのシフト反応を促進させる触媒及び吸収液(高圧水)を用いて一酸化炭素、炭酸ガス、メタン等を含む不純物を除去する。
第1工程で得られた高圧燃料ガスを気液分離器6で気液分離した後、気相側のガスを吸収塔7において吸収液と接触させ、ガス中の一酸化炭素、炭酸ガス及びメタンを含む不純物を吸収液側に移行させる。ここで吸収液としては水が使用可能である。なお、吸収液として水を用い、かつ水熱反応時に有機物が完全にガス化して反応後の流体が水とガスと考えられる場合には、気液分離器6は省略してもよい。
気相側ガスの水素以外の大部分は二酸化炭素であり、水に対する二酸化炭素の溶解度は水素に比して高い。第2工程では、さらに高圧で操作されることから、二酸化炭素の水に対する溶解度は圧力の上昇に応じて高まるので、高圧ガスからの効率的な二酸化炭素除去が可能となる。
吸収液として用いられる水は、安全でかつ安価な材料であるため有用である。しかし、吸収液としては必ずしも水に限定されるものではなく、常法に従った塩基性物質(例、アミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム)などを含有する水溶液による、二酸化炭素の化学吸収法を用いることも可能である。
吸収塔7には、充填材が充填されていることが好ましく、ラシヒリング等の気−液接触を促進させる充填材であれば特に限定はない。
さらに、吸収塔7内には、一酸化炭素を二酸化炭素にシフト反応させる触媒を充填することも可能である。これにより、高圧ガス中の一酸化炭素を二酸化炭素へ転換させて、得られる二酸化炭素を効率的に吸収液にて吸収・除去することができる。即ち、吸着塔7内では、吸収液として多量の水が供給されることから、一酸化炭素の水性ガスシフト反応の熱力学的平衡は二酸化炭素側に移動するため、一酸化炭素の二酸化炭素への転換が促進され、しかも、一酸化炭素は水に溶けやすい二酸化炭素の形態に転換されることにより効率的に除去されるのである。
これら水性ガスシフト用触媒としては酸化鉄、酸化クロム、酸化銅、酸化亜鉛などが例示される。触媒の使用量は、反応条件に応じて適宜選択することができる。触媒の形態は特に限定なく、公知の形態を採用することができる。
吸収塔7内における吸収液(例、水)と高圧燃料ガスの気液比は、通常、燃料ガス1 m3に対して水の水量は、10〜100 kg程度、好ましくは15〜45 kg程度であればよい。この範囲であれば、高圧ガス中から効率的に二酸化炭素を吸収除去することができる。
吸収塔7内の圧力は、第1工程の水熱反応時に由来する高圧力で保持されており、例えば、10〜50 MPa程度、好ましくは30〜40 MPa程度である。また、吸収塔7内の温度は、高圧燃料ガスに吸収液のみを接触させる場合、通常、10〜100 ℃程度、好ましくは10〜40 ℃程度であり、また、高圧燃料ガスに水性ガスシフト用触媒の存在下吸収液を接触させる場合、触媒の活性温度とするために、通常、100〜300 ℃程度、好ましくは120〜200 ℃程度とすればよい。
二酸化炭素などの不純物成分を溶解した吸収液は、減圧弁10において圧力を下げた後、脱気器9へ送られ溶解していたガス成分をオフガスとして放出させる。溶解したガスを放出後の吸収液は再度吸収塔7へリサイクルすることが可能である。
上記の方法により、概ね90 vol%以上、特に95 vol%以上の水素濃度を持つ高圧燃料ガスが製造可能であるが、さらなる純度が要求される場合には、得られた高圧燃料ガスを吸着塔8へ送る。吸着塔8には、例えばゼオライト、炭素分子篩のような吸着剤が充填され、水素以外の炭酸ガス及びメタン等の不純物成分を吸着除去することができる。吸着塔8の吸着剤の形態は特に限定はなく、公知のものが採用される。
一般に、吸着剤の単位重量あたりの吸着量は、操作圧力の上昇に伴い増えるため、高圧ガスを用いる本発明ではより効率的な不純物の吸着除去が可能となる。吸着塔8内の圧力は、10〜50 MPa程度、好ましくは30〜40 MPa程度であり、温度は10〜40 ℃程度であればよい。
なお、吸着のみを用いた高圧燃料ガスの精製方法も原理的に可能であるが、上記吸収液による吸収法と組み合わせることにより、二酸化炭素を含む大部分の不純物が除去されるので吸着剤の負担が軽減され、吸着剤の寿命を伸ばすことができるという利点を有している。
吸着塔8を経た燃料ガスは、水素濃度が99.9 vol%以上、さらに99.99 vol%以上、特に99.999 vol%以上の高純度の水素であり、その水素ガス圧力は、10〜50 MPa程度、好ましくは30〜40 MPa程度となる。
以上より、本発明の方法によれば、高圧かつ高純度の水素を製造することができるため、ボンベ等の圧力を利用した貯蔵方法を採用することにより、輸送に適した形態での燃料ガスの回収が可能である。また、燃料電池自動車等の高密度(濃度)で水素の貯蔵が必要なシステムへの供給も容易になる。
本発明の方法によれば、効率的に高圧かつ高純度の水素を製造することができる。そのため、ボンベ等の圧力を利用した貯蔵方法を採用することにより、輸送に適した形態での燃料ガスの回収が可能である。また、燃料電池自動車等の高密度(濃度)で水素の貯蔵が必要なシステムへの供給も容易になる。また、有機性廃棄物を原料とする場合には、効率的に高圧水素に変換することができ、資源の有効利用に資する。
次に本発明を、実施例によって更に詳述するが、これに限定されるものではない。
実施例1
(1)図1に示すフローに従って、本願発明により、アルコール水を原料とし、燃料ガスの製造を行った。アルコール水としては、メタノール10wt%含有水を用いた。
原料を液昇圧ポンプ1によって圧力35MPaまで昇圧し、熱交換器2に加圧導入した。熱交換器2では、反応器4から流出する流体との間で熱交換を行うことによって原料を昇温し、さらに加熱器3で昇温して450℃とした。この原料を反応器4に導入し、ガス化(水熱)反応を行った。
反応器4には、担体重量の0.4重量%の硫酸バリウムを含有するチタニア担体に、担体重量の2 wt%のルテニウムを担持させた球形触媒(直径2〜3mm)が充填されており、温度450℃、圧力35MPa、WHSV(=メタノール水流量(kg/h)÷触媒重量(kg))10h-1、液線速度0.05cm/sの条件下でガス化反応を行った。なお、このガス化反応は吸熱反応であるので、反応温度を維持するために加熱を行った。
反応器で生成した流体を熱交換器2、さらに、冷却器5によって冷却した後、気液分離器6で燃料ガスと排出水に分離した。この時点で得られた燃料ガスの組成は、水素71.6 vol%、メタン1.1 vol%、二酸化炭素26.4 vol%、一酸化炭素0.9 vol%であり、その圧力は35 MPaであった。
(2)このガスを吸収塔7へ送り、別途ポンプ(図示せず)で昇圧させた吸収液としての水と接触させた。このときの水の水量は、燃料ガス1 m3に対して30kgであった。また吸収塔7内には、一酸化炭素を二酸化炭素へ転換するための触媒として、酸化鉄触媒を充填した。このとき吸収塔7出口のガス組成は、水素91.2 vol%、メタン1.4 vol%、一酸化炭素0.6 vol%、二酸化炭素6.8 vol%であり、その圧力は35 MPaであった。
このガスをさらに炭素分子篩とゼオライトを体積比で1対4の比で充填した吸着塔9に送った。吸着塔9の出口より水素純度99.999 vol%の水素ガスが得られ、その圧力は35 MPaであった。
実施例2
実施例1(1)と同様にして得られた燃料ガス(組成:水素71.6 vol%、メタン1.1 vol%、二酸化炭素26.4 vol%、一酸化炭素0.9 vol%)を吸収塔7へ送り、別途ポンプ(図示せず)で昇圧させた吸収液としての水と接触させた。なお、吸収塔7には触媒は入れずにラシヒリングを充填した。このときの水の水量は燃料ガス1m3に対して30kgであった。このとき吸収塔7出口のガス組成は水素90.7 vol%、メタン1.4 vol%、一酸化炭素1.2 vol%、二酸化炭素6.7 vol%であり、その圧力は35 MPaであった。
このガスをさらに炭素分子篩とゼオライトを体積比で1対4の比で充填した吸着塔8に送った。吸着塔の出口より水素純度99.999 vol%の水素ガスが得られ、その圧力は35 MPaであった。
本発明の高圧水素の製造方法の概要を示すフローシートである。
符号の説明
1 液昇圧ポンプ
2 熱交換器
3 加熱器
4 反応器
5 冷却器
6 気液分離器
7 吸収塔
8 吸着塔
9 脱気器
10 減圧弁

Claims (3)

  1. (1)液状有機物を、亜臨界水中又は超臨界水中で触媒、及び硫黄又は硫黄化合物を用いて水熱反応させて水素を含む燃料ガスを製造する第1工程、並びに(2)第1工程で得られた燃料ガスから、該水熱反応に由来する高圧下で、吸収液を用いて不純物を除去する第2工程を備えたことを特徴とする高圧水素の製造方法。
  2. 第2工程が、第1工程で得られた燃料ガスから、一酸化炭素から二酸化素へのシフト反応を促進させる触媒及び吸収液を用いて不純物を除去する請求項1に記載の高圧水素の製造方法。
  3. 第2工程が、さらに吸着剤を用いて不純物を除去する請求項1又は2に記載の高圧水素の製造方法。
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