JP2001200222A - 粘着テープ - Google Patents

粘着テープ

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JP2001200222A
JP2001200222A JP2000341710A JP2000341710A JP2001200222A JP 2001200222 A JP2001200222 A JP 2001200222A JP 2000341710 A JP2000341710 A JP 2000341710A JP 2000341710 A JP2000341710 A JP 2000341710A JP 2001200222 A JP2001200222 A JP 2001200222A
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liquid crystal
sensitive adhesive
adhesive tape
tape according
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JP2000341710A
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English (en)
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Takazo Yamaguchi
登造 山口
Motonobu Furuta
元信 古田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた耐熱性、防湿性を保持した、より安価な
粘着テープを提供する。 【解決手段】〔1〕支持基材と粘着剤を含む粘着テープ
において、該支持基材が溶融時に光学的異方性を示す液
晶ポリマーからなるフィルムである粘着テープ。 〔2〕溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーからな
るフィルムの常用耐熱温度が140℃以上である〔1〕
記載の粘着テープ。ここで、常用耐熱温度とは、MD方
向の引張破断強度が半分になる時間が40000時間で
ある温度を示す。 〔3〕溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーからな
るフィルムの水蒸気透過度が、1.0g/m2・24h
r以下である〔1〕または〔2〕記載の粘着テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶ポリマーを支持
基材とする粘着テープに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、耐熱性および防湿性を有する粘着
テープが望まれており、その支持基材として、例えばポ
リエチレンテレフタレート(PET)フィルムやナイロ
ンフィルム等を用いることが提案されている(特開平9
−239301号公報)。しかしながら、これらは高温
焼き付け塗装時の非塗装部保護のために用いる120℃
〜180℃に耐えるマスキングテープ、発動機やエンジ
ンルーム内の機構部品の保護テープ、金属表面を高温下
での水蒸気から遮断する高温防湿テープ、更には、IC
など電子部品をリフロー炉などでハンダ処理する際に、
短時間ハンダが溶融する温度に耐え得る耐熱粘着テープ
等として使用した場合、耐熱性、防湿性等の点で満足し
得るものではない。またポリイミドフィルムを支持基材
とした粘着テープが知られているが、耐熱性は良好であ
るが、イミド基を有することから吸湿性が比較的高く、
また、非常に高価であるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
現状に鑑み、優れた耐熱性、防湿性を保持した、より安
価な粘着テープを見出すべく、その支持基材について鋭
意検討を重ねた結果、支持基材として、溶融時に光学的
異方性を示す液晶ポリマーからなるという特定のフィル
ムを使用した粘着テープが優れた耐熱性、防湿性を示す
ことを見出し、本発明を完成した。
【0004】本発明の目的は、優れた耐熱性、防湿性を
保持した、より安価な粘着テープを提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持基材と粘
着剤を含む粘着テープにおいて、該支持基材が溶融時に
光学的異方性を示す液晶ポリマーからなるフィルムであ
ることを特徴とする粘着テープを提供するものである。
【0006】なお、本発明において、粘着テープとは、
支持基材と粘着剤を含むものを示し、粘着シートなどの
ようにその形状等により名称が異なったものも含むもの
である。
【0007】
【発明の実施の形態】次に、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明で用いる溶融時に光学的異方性を示す液晶
ポリマーとしては、例えば全芳香族系もしくは半芳香族
系の、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステ
ルアミドなどや、それらを含有する樹脂組成物などが挙
げられる。好ましくは液晶ポリエステルやそれを含有す
る樹脂組成物であり、さらに好ましくは全芳香族系液晶
ポリエステルやそれを含有する樹脂組成物である。
【0008】ここでいう液晶ポリエステルは、サーモト
ロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
その代表例としたは、例えば、(1)芳香族ジカルボン
酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを
反応させて得られるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキ
シカルボン酸の組み合わせを反応させて得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとを反応さ
せて得られるもの、(4)ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反
応させて得られるもの、などが挙げられ、通常、400
℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。な
お、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び
芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエス
テル誘導体が使用されることもある。さらに、これらの
芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロ
キシカルボン酸は、芳香族部分がハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基等で置換されたものが使用されること
もある。
【0009】該液晶ポリエステルの繰返し構造単位とし
ては、下記の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構
造単位、芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0010】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
構造単位:
【0011】これらの各構造単位における芳香環は、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されてい
てもよい。
【0012】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位:
【0013】これらの各構造単位における芳香環は、ハ
ロゲン原子、アルキル基、アリール基等で置換されてい
てもよい。
【0014】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する
繰返し構造単位: これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0015】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは、 なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くはこのような繰り返し構造単位を少なくとも全体の3
0モル%以上含むものである。具体的には繰り返し構造
単位の組み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのも
のが好ましい。また、防湿性の観点からは(IV)以外
の、全芳香族ポリエステルタイプがさらに好ましい。
【0016】(I)
【0017】(II)
【0018】(III)
【0019】(IV)
【0020】(V)
【0021】(VI)
【0022】上記(I)〜(VI)における組合せの液晶
ポリエステルは、例えば特公昭47−47870号公
報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−389
1号公報、特公昭56−18016号公報、特開平2−
51523号公報などに記載の方法に準拠して製造し得
る。これらの中で好ましい組合せとしては(I)、(I
I)または(IV)、さらに好ましくは(I)または(I
I)が挙げられる。
【0023】本発明において、高い耐熱性が要求される
分野には、下記の繰り返し単位(a’)が30〜80モ
ル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、繰り返
し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単位
(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステル
が好ましく使用される。
【0024】 (式中、Arは2価の芳香族基を示す。) 繰り返し単位(d’)における2価の芳香族基は、上述
の芳香族ジオールにおける2価の芳香族基が好ましく、
特に高い耐熱性が要求される用途には全芳香族のジオー
ルが好ましい。
【0025】本発明の粘着テープにおいて、環境問題等
の見地から使用後の焼却などの廃棄の容易さが求められ
る分野には、ここまで挙げたそれぞれに要求される分野
の好ましい組み合わせの中で特に炭素、水素、酸素のみ
の元素からなる組み合わせによる液晶ポリエステルが特
に好ましく使用される。また 成形加工性、得られるフ
ィルムの性能の点から、本発明においては(A)液晶ポ
リエステルを連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応
性を有する官能基を有する共重合体を分散相とする液晶
ポリエステル樹脂組成物を用いることがさらに好まし
い。
【0026】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物に用い
られる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有す
る官能基を有する共重合体である。このような液晶ポリ
エステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエ
ステルと反応性を有すれば何でもよく、具体的には、オ
キサゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。
好ましくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官
能基の一部として存在していてもよく、そのような例と
しては例えばグリシジル基が挙げられる。
【0027】共重合体(B)において、このような官能
基を共重合体中に導入する方法としては特に限定される
ものではなく、周知の方法で行うことができる。例えば
共重合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重
合により導入することも可能であるし、共重合体に該官
能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能で
ある。
【0028】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体、中でもグリシジル基を含有する単量体
が好ましく使用される。グリシジル基を含有する単量体
としては、例えば下記一般式 (式中、Rは、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2
〜13の炭化水素基を表し、Xは、−C(O)O−、−C
2−O−または を表す。)で示される不飽和カルボン酸グリシジルエス
テル、不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0029】ここで、不飽和カルボン酸グリシジルエス
テルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステ
ル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p
−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げる
ことができる。
【0030】不飽和グリシジルエーテルとしては、例え
ばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテ
ル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メタクリル
グリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテ
ル等が例示される。
【0031】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0032】好ましくは、上記の液晶ポリエステルと反
応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、結晶の
融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また共重合
体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のものが好
ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25の
ものが特に好ましい。ここでいうムーニー粘度は、JI
S K6300に準じて100℃ラージローターを用い
て測定した値をいう。これらの範囲外であると、組成物
の熱安定性や柔軟性が低下する場合があり好ましくな
い。
【0033】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成
物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の
熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0034】
【0035】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
をゴム中に導入する方法としては、特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えばゴム
の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により
導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を有する
単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0036】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0037】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その一種を単独で使用してもよく、または二種
以上を併用してもよい。
【0038】本発明における共重合体ゴムにおいて、
(メタ)アクリル酸エステル単位が好ましくは40重量
%を超え97重量%未満、さらに好ましくは45〜70
重量%、エチレン単位が好ましくは3重量%以上50重
量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不飽和
カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位が好ましくは0.1〜30重
量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上
記の範囲外であると、得られるフィルムまたはシート等
の成形体の熱安定性や機械的性質が不十分となる場合が
あり、好ましくない。
【0039】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特公昭6
1−127709号公報などに記載された方法であり、
フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力5
00kg/cm2以上、温度40〜300℃の条件によ
り製造することができる。
【0040】共重合体(B)に使用できるゴムとして他
には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
るアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエ
ン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができ
る。
【0041】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1)〜(3) CH2=CH−C(O)−OR1 (1) CH2=CH−C(O)−OR2OR3 (2) CH2=CR4H−C(O)−O(R5(C(O)O)nR6 (3) (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。R2は炭素原子数1〜12の
アルキレン基を、R3は炭素原子数1〜12のアルキル
基を示す。R4は水素原子またはメチル基、R5は、炭素
原子数3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜
20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整
数を示す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも
1種の単量体を主成分とするものである。
【0042】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0043】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの一種ま
たは二種以上を該アクリルゴムの主成分として用いるこ
とができる。
【0044】このようなアクリルゴムの構成成分とし
て、必要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表され
る化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合
可能な不飽和単量体を用いることができる。このような
不飽和単量体の例としては、スチレン、α−メチルスチ
レン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタク
リロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビ
ニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリ
レート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイ
ン酸などが挙げられる。
【0045】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種の単量体40.0〜99.9重量%、不飽
和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和
グリシジルエーテル0.1〜30.0重量%、上記の一
般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少な
くとも一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0.0
〜30.0重量%である。該アクリルゴムの構成成分比
が上記の範囲内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、
成形加工性が良好であり好ましい。
【0046】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764などに記載され
ているような周知の重合法を用いることができ、ラジカ
ル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合ある
いはバルク重合で製造することができる。
【0047】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとしては、例えば(a)ビ
ニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、該
ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴ
ム等が挙げられる。
【0048】ここでビニル芳香族炭化水素化合物として
は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベン
ゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレン
が好ましい。共役ジエン化合物としては、例えば、ブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0049】かかるビニル芳香族炭化水素化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体またはその水添物は、周
知の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−
23798号公報、特開昭59−133203号公報等
に記載されている。
【0050】共重合体(B)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。
【0051】共重合体(B)として用いるゴムは、必要
に応じて加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができ
る。上記の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多
官能性有機酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化
合物などを用いることで達成されるが、これらに限定さ
れるものではない。
【0052】一方、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては、(a)エチレン単
位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
テル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜2
0重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位
が0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重
合体を挙げることができる。
【0053】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α,β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0054】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0055】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100g/10分、さらに好ましくは
2〜50g/10分である。メルトインデックスはこの
範囲外であってもよいが、メルトインデックスが100
g/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点
で好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)
の液晶ポリエステルとの相溶性が劣り好ましくない。
【0056】また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。曲げ剛性率がこの範囲外であると組成
物の成形加工性や機械的性質が不十分となる場合があ
る。
【0057】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても製造しえる。
【0058】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物は、前記のような(A)液晶ポリエステルを連続相と
し、前記のような(B)液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体を分散相とする樹脂組成物
であることが好ましい。液晶ポリエステルが連続相でな
い場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィ
ルムのガスバリア性、耐熱性などが著しく低下する場合
がある。
【0059】このような官能基を有する共重合体と液晶
ポリエステルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は
不明ではあるが、該組成物の成分(A)と成分(B)と
の間で反応が生起し、成分(A)が連続相を形成すると
ともに成分(B)が微細分散し、そのために該組成物の
成形性が向上するものと考えられる。
【0060】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物の一実
施態様は、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9
重量%、好ましくは65.0〜99.9重量%、さらに
好ましくは70〜98重量%、および(B)液晶ポリエ
ステルと反応性を有する官能基を有する共重合体44.
0〜0.1重量%、好ましくは35.0〜0.1重量
%、さらに好ましくは30〜2重量%を含有する樹脂組
成物である。成分(A)が56.0重量%未満であると
該組成物から得られるフィルムの水蒸気バリア性、耐熱
性が低下する場合がある。また、成分(A)が99.9
重量%を超えると該組成物の成形加工性が低下する場合
があり、また価格的にも高価なものとなる。
【0061】このような液晶ポリエステル樹脂組成物を
製造する方法としては周知の方法を用いることができ
る。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発
させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業
的見地からみると溶融状態で上記組成の各成分を混練す
る方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている
一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置
を用いることができる。特に二軸の高混練機が好まし
い。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温
度は、200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは230〜350℃である。
【0062】混練に際しては、各成分は、予めタンブラ
ーもしくはヘンシェルミキサーのような装置で各成分を
均一に混合してもよいし、必要な場合には混合を省き、
混練装置にそれぞれ別個に定量供給する方法も用いるこ
とができる。
【0063】本発明に使用する液晶ポリマーに、必要に
応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、
光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機
系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑
剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤など
の各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程
において添加することができる。
【0064】本発明は、支持基材として、上記のような
液晶ポリマーを使用するものであるが、液晶ポリマー
は、同時に二軸延伸可能なインフレーション成膜による
ものが好ましい。すなわち、液晶ポリマーは、環状スリ
ットのダイを備えた溶融混練押出機に供給され、シリン
ダー設定温度好ましくは200〜360℃、さらに好ま
しくは230〜350℃で溶融混練される。次に、押出
機の環状スリットから上方または下方へ溶融樹脂が押出
され、筒状フィルムとなる(この方向(長手方向)がM
D方向であり、フィルム面内でそれに直行する方向がT
D方向である)。環状スリット間隔は、通常0.1〜5
mm、好ましくは0.5〜2mm、環状スリットの直径
は、通常20〜1000mm、好ましくは50〜300
mmである。
【0065】インフレーション成形(成膜)において、
好ましいブロー比は、通常1.5〜10、好ましいMD
延伸倍率は、1.5〜40である。インフレーション成
膜時の設定条件が上記の範囲外であると、厚さが均一で
しわの無い高強度のフィルムを得るのが困難となる場合
がある。
【0066】膨張させたフィルムは、その円周を空冷あ
るいは水冷させた後、ニップロールを通過させて引き取
る。
【0067】インフレーション成膜に際しては、組成物
の性質に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで
表面平滑な状態に膨張するような条件を選択することが
できる。フィルム厚みは、通常5〜500μm、好まし
くは10〜200μmである。インフレーション成膜以
外の方法であると、フィルムが二軸延伸されず必要最小
限の強度が得られなかったり、別の方法で逐次二軸延伸
しても製法にコストがかかりすぎることがある。
【0068】本発明における支持基材である溶融時に光
学的異方性を示す液晶ポリマーからなるフィルムは、M
D方向の引張り弾性率が大きく、寸法安定性に優れたも
のが得られる。該引張弾性率は、好ましくは1500k
gf/mm以上であり、さらに好ましくは1800kg
f/mm以上である。また該フィルムの常用耐熱温度
は、好ましくは140℃以上であり、さらに好ましくは
160℃以上である。ここで、常用耐熱温度とは、MD
方向の引張破断強度が半分になる時間が40000時間
である温度を示す。また該フィルムの吸水率は、好まし
くは0.2%以下であり、さらに好ましくは0.1%以
下である。 吸水率は大きいと、粘着テープとして使用
する際に、高温および長時間の乾燥を必要とするため好
ましくない。該フィルムの水蒸気透過度は、好ましくは
1.0g/m2・24hr以下であり、さらに好ましく
は0.8g/m2・24hr以下である。 水蒸気透過度
が大きいと、高湿度下で粘着性が低下することがある。
また該フィルムのはんだ耐熱温度が250℃以上である
ことが好ましく、280℃以上であることがより好まし
い。ここで、はんだ耐熱温度は、加熱したハンダ浴に1
0秒間フィルムを浸漬し、収縮、熱分解による発泡が認
められない上限の温度を示す。
【0069】本発明における支持基材である溶融時に光
学的異方性を示す液晶ポリマーからなるフィルムの表面
自由エネルギーは、35dyne/cm以上であることが好ま
しい。それ未満であると、粘着剤の支持基材への塗布に
ムラが生じたり、粘着テープを塗装板、樹脂、金属、木
材などに長時間粘着させた場合に、粘着剤が被着体の方
に転着したり、貼付跡が残ることがある。得られた液晶
ポリマーフィルムの表面自由エネルギーが35dyne/cm
未満であった場合には、コロナ処理などの表面処理をし
てもよい。
【0070】本発明の粘着テープは、溶融時に光学的異
方性を示す液晶ポリマーからなるフィルムと粘着剤を含
むものであり、前記の液晶ポリマーからなるフィルムに
粘着剤を積層して得られる。また粘着剤側に離型紙を積
層したものであっても良い。
【0071】本発明の粘着テープに使用する粘着剤とし
ては、一般的に知られる、アクリル系、ゴム系、シリコ
ーン系など限定なく用いることができる。塗布の方法と
しては、特に制限はないが、たとえば、アクリル系につ
いてはエマルション型、ソルベント型、ゴム系について
はエマルション型、ソルベント型、ホットメルト型、さ
らにシリコーン系についてはソルベント型が主に用いら
れる。また、かかる粘着剤を液晶ポリマーに塗布する方
法は特に制限はなく、周知の塗布方法で塗布することが
できる。具体的には、たとえばソルベント型の粘着剤を
塗布する場合については、ナイフコーターやリバースコ
ーターを用いて離型紙側に粘着剤を塗布し、乾燥後、離
型紙を調湿してから、液晶ポリマーフィルムに貼りあわ
せるなどの方法が好ましく用いられる。
【0072】本発明で用いられるアクリル系粘着剤とし
て、構成成分として、粘着性を発現させるための主モノ
マー、凝集力を高めるコモノマー、接着力の向上のた
め、および、架橋剤と反応させるための官能基を有する
モノマーの共重合体が挙げられ、架橋剤を用いて架橋さ
せることもできる。
【0073】主モノマーとしては、たとえば、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−オク
チルなど、アルキル基の炭素数が2〜14のアクリル酸
アルキルエステルや、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチルなど、アルキル基の炭素数が4〜1
4のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられ、二種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0074】凝集力を高めるためのコモノマーとして
は、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピルなど、アルキル基の
炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸アルキルエステル、さらには、スチレン、酢酸ビ
ニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミドなどが挙げられ、これらのうち二種以上を組み
合わせてもよい。本発明の支持基材フィルムである液晶
ポリマーは、耐溶剤性にも優れるため、粘着剤に各種添
加剤を自由に加えることができる。
【0075】さらに、接着性向上、架橋剤との反応のた
め、アクリル酸、メタクリル酸、などのモノカルボン酸
や、マレイン酸、グルタミン酸などの多価カルボン酸や
それらの無水物、さらには、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどのヒド
ロキシ基を有するカルボン酸誘導体などが挙げられ、こ
れらのうち二種以上を組み合わせて用いることができ
る。
【0076】架橋剤としては、一般に、エポキシ樹脂、
メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート、フェノ
ール化合物、アミノ化合物、酸無水物、金属酸化物など
が用いられるが、前記官能基を有するモノマーの種類に
適応するよう適宜選択が可能である。
【0077】また、本発明に用いられるシリコーン系粘
着剤は、ポリマー成分と架橋用樹脂の2つの主要成分か
らなり、ポリマーとしては主に、 −SiO(CH32− を繰り返し単位とするポリマーの長連鎖の末端に残存の
シラノール基(SiOH)を持つ高分子量のポリジメチ
ルシロキサン、またはポリジメチルジフェニルシロキサ
ンが主に用いられる。また、架橋用樹脂は、3次元シリ
ケート構造を有しており、末端がトリメチルシロキシ基
となっている。
【0078】ポリマー末端のシラノール基と架橋用樹脂
成分末端のトリメチルシロキシ基を適宜反応させ、部分
架橋したポリシロキサンを得ることができる。部分架橋
することで、長連鎖部分と架橋部分および末端部とがミ
クロに相分離し不連続相となり粘着性を発現すると考え
られる。
【0079】シリコーン系粘着剤の粘着力を向上するた
めに、シロキサン架橋密度を高くすることもでき、触媒
として有機過酸化物、アミノシラン、有機酸金属塩など
を用いることができる。
【0080】本発明に用いられるゴム系粘着剤として
は、天然ゴム系、スチレン/ブタジエンラテックス系、
熱可塑性ゴム系、ブチルゴムなどが用いられる。
【0081】耐熱性という観点からは、アクリル系粘着
剤、シリコーン系粘着剤が好ましく用いられる。ゴム系
粘着剤は、耐熱性、耐老化性が十分でない場合がある。
また、防湿性という観点からは、シリコーン系粘着剤が
特に好ましく用いられる。
【0082】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、これらは単なる例示であり、本発明はこれら
に限定されることはない。 (1)成分(A)の液晶ポリエステル (i)p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モ
ル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフ
タル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセ
トキシジフェニル5.45kg(20.2モル)を、櫛
型撹拌翼をもつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹
拌しながら昇温し330℃で1時間重合させた。この間
に副生する酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しなが
ら、強力な撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷
却し、200℃で得られたポリマーを系外へ取出した。
この得られたポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマ
ーミルで粉砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを
更にロータリーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃
で3時間処理することによって、流動開始温度が324
℃の粒子状の下記繰り返し構造単位からなる全芳香族ポ
リエステルを得た。ここで流動開始温度とは、島津製作
所製島津フローテスターCFT−500型を用いて、4
℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を、荷重100
kgf/cm2のもとで、内径1mm、長さ10mmの
ノズルから押し出したときに、溶融粘度が48000ポ
イズを示す温度(℃)をいう。以下、該液晶ポリエステ
ルをA−1と略記する。このポリマーは、加圧下で34
0℃以上で光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−
1の繰り返し構造単位は、次の通りである。
【0083】
【0084】(ii)p−ヒドロキシ安息香酸16.6k
g(12.1モル)と6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸
8.4kg(4.5モル)および無水酢酸18.6kg
(18.2モル)を櫛型撹拌翼付きの重合槽に仕込み、
窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し、320℃で1
時間、そしてさらに2.0torrの減圧下に320℃
で1時間重合させた。この間に、副生する酢酸を系外へ
留出し続けた。その後、系を除々に冷却し、180℃で
得られたポリマーを系外へ取出した。この得られたポリ
マーを前記の(A−1)と同様に粉砕したあと、ロータ
リーキルン中で窒素ガス雰囲気下に240℃で5時間処
理することによって、流動開始温度が270℃の粒子状
の下記繰り返し単位からなる全芳香族ポリエステルを得
た。以下該液晶ポリエステルをA−2と略記する。この
ポリマーは加圧下で280℃以上で光学異方性を示し
た。液晶ポリエステルA−2の繰り返し構造単位の比率
は次の通りである。
【0085】
【0086】(2)成分(B)のゴム (i)特開昭61−127709号公報の実施例5に記
載の方法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリ
シジルメタクリレート=59.0/38.7/2.3
(重量比)、ムーニー粘度=15のゴムを得た。以下該
ゴムをB−1と略称することがある。ここでムーニー粘
度は、JIS K6300に準じて100℃、ラージロ
ーターを用いて測定した値である。また、融解熱は0.
01J/gの感度を有するShimazdu社製DSC
−50を用いて、10mgのサンプルにつき、走査温度
10℃/min.で測定した。融点は検出できず、融解
熱は測定できなかった。
【0087】粘着剤 アクリル酸n―ブチル97重量部、アクリル酸3重量
部、重合開始剤としてラウロイルパーオキシド0.3重
量部を酢酸エチルに溶解させ、窒素雰囲気中、酢酸エチ
ルの還流温度で14時間反応させアクリル系共重合体を
得た。得られたアクリル系共重合体をふくむ40%酢酸
エチル溶液に、エポキシ系架橋剤0.1重量部を混合し
た粘着剤溶液を得た。以下、これをT−1と呼ぶことが
ある。
【0088】(4)フィルムの水蒸気透過率の測定法 JIS Z0208(カップ法)に準拠して温度35
℃、相対湿度90%の条件で測定した。単位はg/m2
・24hr・1atmである。なお水蒸気透過率は膜厚
み換算していない。
【0089】(5a)フィルムの引張試験 JIS C2318に準拠して行った。 (5b)フィルムの耐熱性の測定法 フィルムを50℃、100℃、150℃、200℃、2
50℃に保った循環オーブン中に入れ、0時間から25
00時間まで500時間毎に取り出して一日恒温恒湿室
(23℃、55%RH)に放置後、MD方向の引張強度
を測定し、強度の時間依存性曲線を得た。そこから、各
温度で0時間での強度に対して半分の強度になる時間を
求め、つぎに、得られた時間(半減時間)を温度に対し
てプロットし、曲線を得て、半減時間40000時間の
場合の温度を常用耐熱温度とした。
【0090】(6)支持基材フィルムの表面自由エネル
ギーの評価 JIS K6768に準じ、標準液を塗布して判定し
た。
【0091】(7)粘着テープの評価法 塗装鉄板に得られた粘着テープを張りつけ、120℃で
20分、循環オーブンに入れ、室温に冷却した後、テー
プを剥がし、粘着剤の塗装鉄板への残留、剥がし跡がな
ければ○、観察されれば×とした。
【0092】実施例1 A−2を85重量%、およびB−1を15重量%の配合
比で、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用
いて、シリンダー設定温度305℃、スクリュー回転数
250rpmで溶融混練を行ってA−2を連続相、B−
1を分散相とする組成物を得た。この組成物ペレット
は、加圧下で280℃以上で光学的異方性を示した。こ
の組成物をS−1と呼ぶことがある。S−1を、円筒ダ
イを備えた60mmφの単軸押出機を用いてシリンダー
設定温度350℃、スクリュー回転数60rpmで溶融
押出して、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ
設定温度348℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出
し、得られた筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入
し、膨張させ、次に冷却させたのちニップロールに通し
てフィルムを得た。ブロー比4、ドローダウン比10で
あり、フィルムの実測平均厚みは26μmであった。該
フィルムの水蒸気透過度は0.2(g/m2・24h・
1atm)であり、良好であった。また、MD方向の引
張弾性率は3000kgf/mmであり、破断伸びは2
%以下であった。常用耐熱温度は147℃であった。ま
た、該フィルムの表面自由エネルギーは40dyne/cmで
あった。このフィルムをF−1と呼ぶことがある。F−
1にT−1を塗布して60℃の防爆型循環オーブン中で
2時間乾燥し、粘着テープTP−1を得た。塗装鉄板に
TP−1を張りつけ、120℃で20分、循環オーブン
に入れ、室温に冷却した後、テープを剥がしたところ、
粘着剤の塗装鉄板への残留は○、剥がし跡も○であっ
た。
【0093】実施例2 A−1 80重量部、およびB−1 20重量部の配合
比で、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用
い、シリンダー設定温度350℃、スクリュー回転数2
50rpmで溶融混練を行ってA−1を連続相、B−1
を分散相とする組成物を得た。この組成物ペレットは、
加圧下で340℃以上で光学的異方性を示した。得られ
た組成物をD−2と呼ぶことがある。D−2を、円筒ダ
イを備えた60mmφの単軸押出機を用いてシリンダー
設定温度350℃、スクリュー回転数60rpmで溶融
押出して、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ
設定温度348℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出
し、得られた筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入
し、膨張させ、次に冷却させたのちニップロールに通し
てフィルムを得た。ブロー比4.0、ドローダウン比2
0であり、フィルムの実測平均厚みは25μmであっ
た。該フィルムの水蒸気透過度は0.4(g/m2・2
4h・1atm)であり、良好であった。また、MD方
向の引張弾性率は2000kgf/mmであり、破断伸
びは2%以下であった。常用耐熱温度は170℃であっ
た。また、該フィルムの表面自由エネルギーは40dyne
/cmであった。このフィルムをF−2と呼ぶことがあ
る。F−2にT−1を塗布して乾燥し、上記と同様、粘
着テープTP−2を得た。塗装鉄板にTP−2を張りつ
け、120℃で20分、循環オーブンに入れ、室温に冷
却した後、テープを剥がしたところ、粘着剤の塗装鉄板
への残留は○、剥がし跡も○であった。また、テープ外
観も良好であった。
【0094】比較例1 市販の25μm厚みPETフィルム(東洋紡エスペッ
ト)の水蒸気透過度を測定したところ8.4(g/m2
・24h・1atm)であり、良好であった。該フィル
ムの表面自由エネルギーは34dyne/cmであった。この
フィルムをF−3と呼ぶことがある。F−3にT−1を
塗布して乾燥し、上記と同様、粘着テープTP−3を得
た。塗装鉄板にTP−3を張りつけ、120℃で20
分、循環オーブンに入れ、室温に冷却した後、テープを
剥がしたところ、粘着剤の塗装鉄板への残留が認めら
れ、剥がし跡も認められた。
【0095】
【発明の効果】本発明の粘着テープは、水蒸気ガスバリ
ア性、耐熱性に優れ安価であることから、塗装用マスク
テープ、防湿テープ、防錆テープ、絶縁テープなどに好
適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08L 67/03 (C08L 67/03 101:02) 101:02) B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 9:00 9:00

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持基材と粘着剤を含む粘着テープにおい
    て、該支持基材が溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリ
    マーからなるフィルムであることを特徴とする粘着テー
    プ。
  2. 【請求項2】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    からなるフィルムの常用耐熱温度が、140℃以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
  3. 【請求項3】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    からなるフィルムのはんだ耐熱温度が、250℃以上で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載の粘着テ
    ープ。
  4. 【請求項4】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    からなるフィルムの水蒸気透過度が、1.0g/m2
    24hr以下であることを特徴とする請求項1〜3いず
    れかに記載の粘着テープ。
  5. 【請求項5】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が、全芳香族液晶ポリエステルであることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の粘着テープ。
  6. 【請求項6】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    からなるフィルムの表面自由エネルギーが、35dyne/c
    m以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに
    記載の粘着テープ。
  7. 【請求項7】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    からなるフィルムにおける長手方向が、フィルム成形時
    のMD方向であり、フィルム面内でそれに直交する方向
    が、フィルム成形時のTD方向であることを特徴とする
    請求項1〜6いずれかに記載の粘着テープ。
  8. 【請求項8】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が、(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリ
    エステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分
    散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特
    徴とする請求項1〜7いずれかに記載の粘着テープ。
  9. 【請求項9】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9重量
    %、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官
    能基を有する共重合体44.0〜0.1重量%を溶融混
    錬して得られる組成物であることを特徴とする請求項1
    〜7いずれかに記載の粘着テープ。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基が、エポキシ基、オキサゾリル基またはアミノ基であ
    ることを特徴とする請求項8または9記載の粘着テー
    プ。
  11. 【請求項11】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシ
    ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
    テル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体である
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載の粘
    着テープ。
  12. 【請求項12】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有するゴム
    であることを特徴とする請求項8または9記載の粘着テ
    ープ。
  13. 【請求項13】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有する熱可
    塑性樹脂であることを特徴とする請求項8または9記載
    の粘着テープ。
  14. 【請求項14】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン
    酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする
    請求項8〜13いずれかに記載の粘着テープ。
  15. 【請求項15】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香
    族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるものであ
    ることを特徴とする請求項8〜13いずれかに記載の粘
    着テープ。
  16. 【請求項16】粘着剤がアクリル系粘着剤を主成分とす
    ることを特徴とする請求項1〜15いずれかに記載の粘
    着テープ。
  17. 【請求項17】粘着剤がシリコーン系粘着剤を主成分と
    することを特徴とする請求項1〜15いずれかに記載の
    粘着テープ。
  18. 【請求項18】アクリル系粘着剤が共重合体であること
    を特徴とする請求項16記載の粘着テープ。
  19. 【請求項19】溶融時に光学異方性を示す液晶ポリマー
    からなるフィルムが、インフレーション成膜法により得
    られたフィルムであることを特徴とする請求項1〜18
    いずれかに記載の粘着テープ。
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