JP2002194308A - 粘着メジャーテープ - Google Patents

粘着メジャーテープ

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JP2002194308A
JP2002194308A JP2000398556A JP2000398556A JP2002194308A JP 2002194308 A JP2002194308 A JP 2002194308A JP 2000398556 A JP2000398556 A JP 2000398556A JP 2000398556 A JP2000398556 A JP 2000398556A JP 2002194308 A JP2002194308 A JP 2002194308A
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Japan
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liquid crystal
tape according
crystal polyester
copolymer
optical anisotropy
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Application number
JP2000398556A
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English (en)
Inventor
Takazo Yamaguchi
登造 山口
Hiroaki Kumada
浩明 熊田
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性、防湿性に優れ、かつ温度、湿度、応力
に対する寸法安定性にも優れた粘着メジャーテープを提
供する。 【解決手段】支持基材が、溶融時に光学的異方性を示す
液晶ポリマーであることを特徴とする粘着メジャーテー
プ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は粘着メジャーテープ
に関し、詳しくは支持基材が液晶ポリマーであることを
特徴とする粘着メジャーテープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、野外や、高温高湿度下の作業環境
においても取外し可能な粘着メジャーテープが要望され
ている。たとえば、建築現場などでの基礎工事の寸法
割、橋げた、鉄骨などの位置あわせに、風などの外的要
因で簡単に移動せず、雨や雪などの条件下で簡単に剥れ
たりしないで、使い終われば剥がして簡単に取外しでき
る粘着メジャーテープが要望されている。また、機械組
み立て作業などでの位置決めなどでは、比較的高温の被
着体に貼り付けても寸法変化しない粘着メジャーテープ
が要望されている。これまでに粘着メジャーテープとし
ては、支持基材が、ポリプロピレン(PP)やポリエス
テル(ポリエチレンテレフタレート:PET)である粘
着メジャーテープが提案されている(特開平8−239
998号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、支持基
材として、PPやPETを用いた粘着メジャーテープ
は、耐熱性、防湿性、寸法安定性等の点で十分ではな
く、これらの点が改良された粘着メジャーテープの出現
が望まれていた。
【0004】本発明の目的は、優れた耐熱性、防湿性、
さらには温度、湿度、応力に対する寸法安定性を有する
粘着メジャーテープを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる現
状に鑑み、耐熱性、防湿性に優れ、更には温度、湿度、
応力に対する寸法安定性に優れる粘着メジャーテープを
見出すべく、その支持基材について鋭意検討を重ねた結
果、支持基材として、溶融時に光学的異方性を示す液晶
ポリマーという特定のポリマー使用することにより、目
的が達成し得ることを見出すと共に、さらに種々の検討
を加え、本発明を完成させた。すなわち本発明は、支持
基材が、溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマーであ
ることを特徴とする実用的に優れた粘着メジャーテープ
を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明で用いる溶融時に光学的異方性を示す液晶
ポリマーとしては、例えば全芳香族系もしくは半芳香族
系の、ポリエステル、ポリエステルイミド、ポリエステ
ルアミドなどや、それらを含有する樹脂組成物などが挙
げられる。好ましくは液晶ポリエステルやそれを含有す
る樹脂組成物であり、さらに好ましくは全芳香族系液晶
ポリエステルやそれを含有する樹脂組成物である。
【0007】ここでいう液晶ポリエステルは、サーモト
ロピック液晶ポリマーと呼ばれるポリエステルである。
その代表例としては、例えば、(1)芳香族ジカルボン
酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン酸とを
反応させて得られるもの、(2)異種の芳香族ヒドロキ
シカルボン酸の組み合わせを反応させて得られるもの、
(3)芳香族ジカルボン酸と芳香族ジオールとを反応さ
せて得られるもの、(4)ポリエチレンテレフタレート
などのポリエステルに芳香族ヒドロキシカルボン酸を反
応させて得られるもの、などが挙げられ、通常、400
℃以下の温度で異方性溶融体を形成するものである。な
お、これらの芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び
芳香族ヒドロキシカルボン酸の代わりに、それらのエス
テル誘導体が使用されることもある。さらに、これらの
芳香族ジカルボン酸、芳香族ジオール及び芳香族ヒドロ
キシカルボン酸は、芳香族部分がハロゲン原子、アルキ
ル基、アリール基等で置換されたものが使用されること
もある。
【0008】該液晶ポリエステルの繰返し構造単位とし
ては、下記の芳香族ジカルボン酸に由来する繰返し構
造単位、芳香族ジオールに由来する繰返し構造単位、
芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する繰返し構造単
位を例示することができるが、これらに限定されるもの
ではない。
【0009】芳香族ジカルボン酸に由来する繰り返し
構造単位: これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0010】芳香族ジオールに由来する繰返し構造単
位: これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0011】芳香族ヒドロキシカルボン酸に由来する
繰返し構造単位: これらの各構造単位における芳香環は、ハロゲン原子、
アルキル基、アリール基等で置換されていてもよい。
【0012】耐熱性、機械的特性、加工性のバランスか
ら特に好ましい液晶ポリエステルは、 なる繰り返し構造単位を含むものであり、さらに好まし
くはこのような繰り返し構造単位を少なくとも全体の3
0モル%以上含むものである。具体的には繰り返し構造
単位の組み合わせが下記(I)〜(VI)のいずれかのも
のが好ましい。また、防湿性の観点からは(I)〜
(V)のいずれかのものが好ましい。
【0013】(I)
【0014】(II)
【0015】(III)
【0016】(IV)
【0017】(V)
【0018】(VI)
【0019】上記(I)〜(VI)における組合せの液晶
ポリエステルは、例えば特公昭47−47870号公
報、特公昭63−3888号公報、特公昭63−389
1号公報、特公昭56−18016号公報、特開平2−
51523号公報などに記載の方法に準拠して製造し得
る。これらの中で好ましい組合せとしては(I)、(I
I)または(IV)、さらに好ましくは(I)または(I
I)が挙げられる。
【0020】本発明において、高い耐熱性が要求される
分野には、下記の繰り返し単位(a’)が30〜80モ
ル%、繰り返し単位(b’)が0〜10モル%、繰り返
し単位(c’)が10〜25モル%、繰り返し単位
(d’)が10〜35モル%からなる液晶ポリエステル
が好ましく使用される。
【0021】 (式中、Arは2価の芳香族基を示す。) 繰り返し単位(d’)における2価の芳香族基は、上述
の芳香族ジオールにおける2価の芳香族基が好ましく、
特に高い耐熱性が要求される用途には全芳香族のジオー
ルが好ましい。
【0022】本発明において、環境問題等の見地から使
用後の焼却などの廃棄の容易さが求められる分野には、
ここまで挙げたそれぞれに要求される分野の好ましい組
み合わせの中で特に炭素、水素、酸素のみの元素からな
る組み合わせによる液晶ポリエステルが特に好ましく使
用される。また 成形加工性、得られるフィルムの性能
の点から、本発明においては(A)液晶ポリエステルを
連続相とし(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有する共重合体を分散相とする液晶ポリエステル
樹脂組成物を用いることがさらに好ましい。
【0023】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物に用い
られる成分(B)は、液晶ポリエステルと反応性を有す
る官能基を有する共重合体である。このような液晶ポリ
エステルと反応性を有する官能基としては、液晶ポリエ
ステルと反応性を有すれば特に限定はなく、例えば、オ
キサゾリル基やエポキシ基、アミノ基等が挙げられる。
好ましくは、エポキシ基である。エポキシ基等は他の官
能基の一部として存在していてもよく、そのような例と
しては例えばグリシジル基が挙げられる。
【0024】共重合体(B)において、このような官能
基を共重合体中に導入する方法としては特に限定される
ものではなく、周知の方法で行うことができる。例えば
共重合体の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重
合により導入することも可能であるし、共重合体に該官
能基を有する単量体をグラフト共重合することも可能で
ある。
【0025】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する単量体としては、グリシジル基を含有する単量
体が好ましく使用される。グリシジル基を含有する単量
体としては、例えば下記一般式 (式中、Rは、エチレン系不飽和結合を有する炭素数2
〜13の炭化水素基を表し、Xは、−C(O)O−、−C
2−O−または を表す。)で示される不飽和カルボン酸グリシジルエス
テル、不飽和グリシジルエーテルが好ましく用いられ
る。
【0026】ここで、不飽和カルボン酸グリシジルエス
テルとしては、例えばグリシジルアクリレート、グリシ
ジルメタクリレート、イタコン酸ジグリシジルエステ
ル、ブテントリカルボン酸トリグリシジルエステル、p
−スチレンカルボン酸グリシジルエステルなどを挙げる
ことができる。また不飽和グリシジルエーテルとして
は、例えばビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジ
ルエーテル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、メ
タクリルグリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジ
ルエーテルなどを挙げることができる。
【0027】上記の液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)は、好ましくは、不飽和
カルボン酸グリシジルエステル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位を0.1〜30重量%含有す
る共重合体である。
【0028】好ましくは、上記の液晶ポリエステルと反
応性を有する官能基を有する共重合体(B)は、結晶の
融解熱量が3J/g未満の共重合体である。また共重合
体(B)としては、ムーニー粘度が3〜70のものが好
ましく、3〜30のものがさらに好ましく、4〜25の
ものが特に好ましい。などを挙げることができる。ここ
でいうムーニー粘度は、JIS K6300に準じて1
00℃ラージローターを用いて測定した値をいう。これ
らの範囲外であると、組成物の熱安定性や柔軟性が低下
する場合があり好ましくない。
【0029】また、上記の液晶ポリエステルと反応性を
有する官能基を有する共重合体(B)は、熱可塑性樹脂
であってもゴムであってもよいし、熱可塑性樹脂とゴム
の混合物であってもよい。該液晶ポリエステル樹脂組成
物を用いて得られるフィルムまたはシート等の成形体の
熱安定性や柔軟性が優れるゴムがより好ましい。
【0030】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
をゴム中に導入する方法としては、特に限定されるもの
ではなく、周知の方法で行うことができる。例えばゴム
の合成段階で、該官能基を有する単量体を共重合により
導入することも可能であるし、ゴムに該官能基を有する
単量体をグラフト共重合することも可能である。
【0031】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキシ基を
有するゴムとしては、(メタ)アクリル酸エステル−エ
チレン−(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび
/または不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムを挙
げることができる。
【0032】ここで(メタ)アクリル酸エステルとは、
アクリル酸またはメタクリル酸とアルコールから得られ
るエステルである。アルコールとしては、炭素原子数1
〜8のアルコールが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルの具体例としては、メチルアクリレート、メチルメ
タクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、tert−ブチルアクリレート、ter
t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどを挙げ
ることができる。なお、(メタ)アクリル酸エステルと
しては、その一種を単独で使用してもよく、または二種
以上を併用してもよい。
【0033】本発明における共重合体ゴムにおいて、
(メタ)アクリル酸エステル単位が好ましくは40重量
%を超え97重量%未満、さらに好ましくは45〜70
重量%、エチレン単位が好ましくは3重量%以上50重
量%未満、さらに好ましくは10〜49重量%、不飽和
カルボン酸グリシジルエーテル単位および/または不飽
和グリシジルエーテル単位が好ましくは0.1〜30重
量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%である。上
記の範囲外であると、得られるフィルムまたはシート等
の成形体の熱安定性や機械的性質が不十分となる傾向が
あり、好ましくない。
【0034】該共重合体ゴムは、通常の方法、例えばフ
リーラジカル開始剤による塊状重合、乳化重合、溶液重
合などによって製造することができる。なお、代表的な
重合方法は、特公昭46−45085号公報、特開昭6
1−127709号公報などに記載された方法であり、
フリーラジカルを生成する重合開始剤の存在下、圧力5
00kg/cm2以上、温度40〜300℃の条件によ
り製造することができる。
【0035】共重合体(B)に使用できるゴムとして他
には、液晶ポリエステルと反応性を有する官能基を有す
るアクリルゴムや、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエ
ン化合物ブロック共重合体ゴムも例示することができ
る。
【0036】ここでいうアクリルゴムとして好ましく
は、一般式(1)〜(3) CH2=CH−C(O)−OR1 (1) CH2=CH−C(O)−OR2OR3 (2) CH2=CR4H−C(O)−O(R5(C(O)O)nR6 (3) (式中、R1は炭素原子数1〜18のアルキル基または
シアノアルキル基を示す。R2は炭素原子数1〜12の
アルキレン基を、R3は炭素原子数1〜12のアルキル
基を示す。R4は水素原子またはメチル基、R5は、炭素
原子数3〜30のアルキレン基、R6は炭素原子数1〜
20のアルキル基またはその誘導体、nは1〜20の整
数を示す。)で表される化合物から選ばれる少なくとも
1種の単量体を主成分とするものである。
【0037】上記一般式(1)で表されるアクリル酸ア
ルキルエステルの具体例としては、例えばメチルアクリ
レート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、
ブチルアクリレート、ペンチルアクリレート、ヘキシル
アクリレート、オクチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ノニルアクリレート、デシルアクリ
レート、ドデシルアクリレート、シアノエチルアクリレ
ートなどを挙げることができる。
【0038】また、上記一般式(2)で表されるアクリ
ル酸アルコキシアルキルエステルとしては、例えばメト
キシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、ブトキシエチルアクリレート、エトキシプロピルア
クリレートなどを挙げることができる。これらの一種ま
たは二種以上を該アクリルゴムの主成分として用いるこ
とができる。
【0039】このようなアクリルゴムの構成成分とし
て、必要に応じて上記の一般式(1)〜(3)で表され
る化合物から選ばれる少なくとも一種の単量体と共重合
可能な不飽和単量体を用いることができる。このような
不飽和単量体の例としては、スチレン、α―メチルスチ
レン、アクリロニトリル、ハロゲン化スチレン、メタク
リロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ビ
ニルナフタレン、N−メチロールアクリルアミド、酢酸
ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ベンジルアクリ
レート、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイ
ン酸などが挙げられる。
【0040】液晶ポリエステルと反応性を有する官能基
を有するアクリルゴムの好ましい構成成分比は、上記の
一般式(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少
なくとも一種の単量体40〜99.9重量%、不飽和カ
ルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリ
シジルエーテル0.1〜30重量%、上記の一般式
(1)〜(3)で表される化合物から選ばれる少なくと
も一種の単量体と共重合可能な不飽和単量体0〜30重
量%である。該アクリルゴムの構成成分比が上記の範囲
内であると、組成物の耐熱性や耐衝撃性、成形加工性が
良好であり好ましい。
【0041】該アクリルゴムの製法は特に限定するもの
ではなく、例えば特開昭59−113010号公報、特
開昭62−64809号公報、特開平3−160008
号公報、あるいはWO95/04764などに記載され
ているような周知の重合法を用いることができ、ラジカ
ル開始剤の存在下で乳化重合、懸濁重合、溶液重合ある
いはバルク重合で製造することができる。
【0042】前記液晶ポリエステルと反応性を有する官
能基を有するビニル芳香族炭化水素化合物−共役ジエン
化合物ブロック共重合体ゴムとしては、例えば(a)ビ
ニル芳香族炭化水素化合物を主体とするシーケンスと
(b)共役ジエン化合物を主体とするシーケンスからな
るブロック共重合体をエポキシ化して得られるゴム、該
ブロック共重合体の水添物をエポキシ化して得られるゴ
ム等が挙げられる。
【0043】ここでビニル芳香族炭化水素化合物として
は、例えば、スチレン、ビニルトルエン、ジビニルベン
ゼン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ビニ
ルナフタレンなどを挙げることができ、中でもスチレン
が好ましい。共役ジエン化合物としては、例えば、ブタ
ジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、3−ブチ
ル−1,3−オクタジエンなどを挙げることができ、ブ
タジエンまたはイソプレンが好ましい。
【0044】かかるビニル芳香族炭化水素化合物−共役
ジエン化合物ブロック共重合体またはその水添物は、周
知の方法で製造することができ、例えば、特公昭40−
23798号公報、特開昭59−133203号公報等
に記載されている。
【0045】共重合体(B)として用いるゴムとして好
ましくは、(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−
(不飽和カルボン酸グリシジルエステルおよび/または
不飽和グリシジルエーテル)共重合体ゴムが用いられ
る。共重合体(B)として用いるゴムは、必要に応じて
加硫を行い、加硫ゴムとして用いることができる。上記
の(メタ)アクリル酸エステル−エチレン−(不飽和カ
ルボン酸グリシジルエステルおよび/または不飽和グリ
シジルエーテル)共重合体ゴムの加硫は、多官能性有機
酸、多官能性アミン化合物、イミダゾール化合物などを
用いることで達成されるが、これらに限定されるもので
はない。
【0046】一方、液晶ポリエステルと反応性を有する
官能基を有する共重合体(B)の具体例としてのエポキ
シ基を有する熱可塑性樹脂としては、(a)エチレン単
位が50〜99重量%、(b)不飽和カルボン酸グリシ
ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
テル単位が0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜2
0重量%、(c)エチレン系不飽和エステル化合物単位
が0〜50重量%からなるエポキシ基含有エチレン共重
合体を挙げることができる。
【0047】エチレン系不飽和エステル化合物(c)と
しては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル等のカルボン酸ビニルエステル、α、β−不飽和カル
ボン酸アルキルエステル等が挙げられる。特に酢酸ビニ
ル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチルが好ましい。
【0048】該エポキシ基含有エチレン共重合体の具体
例としては、たとえばエチレン単位とグリシジルメタク
リレート単位からなる共重合体、エチレン単位とグリシ
ジルメタクリレート単位およびアクリル酸メチル単位か
らなる共重合体、エチレン単位とグリシジルメタクリレ
ート単位およびアクリル酸エチル単位からなる共重合
体、エチレン単位とグリシジルメタクリレート単位およ
び酢酸ビニル単位からなる共重合体等が挙げられる。
【0049】該エポキシ基含有エチレン共重合体のメル
トインデックス(以下、MFRということがある。JI
S K6760、190℃、2.16kg荷重)は、好
ましくは0.5〜100g/10分、さらに好ましくは
2〜50g/10分である。メルトインデックスはこの
範囲外であってもよいが、メルトインデックスが100
g/10分を越えると組成物にした時の機械的物性の点
で好ましくなく、0.5g/10分未満では成分(A)
の液晶ポリエステルとの相溶性が劣る傾向にあり、好ま
しくない。また、該エポキシ基含有エチレン共重合体
は、曲げ剛性率が10〜1300kg/cm2の範囲の
ものが好ましく、20〜1100kg/cm2のものが
さらに好ましい。 曲げ剛性率がこの範囲外であると組
成物の成形加工性や機械的性質が不十分となる傾向にあ
る。
【0050】該エポキシ基含有エチレン共重合体は、通
常不飽和エポキシ化合物とエチレンをラジカル発生剤の
存在下、500〜4000気圧、100〜300℃で適
当な溶媒や連鎖移動剤の存在下または不存在下に共重合
させる高圧ラジカル重合法により製造される。また、ポ
リエチレンに不飽和エポキシ化合物およびラジカル発生
剤を混合し、押出機の中で溶融グラフト共重合させる方
法によっても製造し得る。
【0051】本発明における液晶ポリエステル樹脂組成
物は、前記のような(A)液晶ポリエステルを連続相と
し、前記のような(B)液晶ポリエステルと反応性を有
する官能基を有する共重合体を分散相とする樹脂組成物
であることが好ましい。液晶ポリエステルが連続相でな
い場合には、液晶ポリエステル樹脂組成物からなるフィ
ルムのガスバリア性、耐熱性などが低下する傾向にあ
る。このような官能基を有する共重合体と液晶ポリエス
テルとの樹脂組成物においては、機構の詳細は不明では
あるが、該組成物の成分(A)と成分(B)との間で反
応が生起し、成分(A)が連続相を形成するとともに成
分(B)が微細分散し、そのために該組成物の成形性が
向上するものと考えられる。
【0052】上記の液晶ポリエステル樹脂組成物の一実
施態様は、(A)液晶ポリエステル56〜99.9重量
%、好ましくは65〜99.9重量%、さらに好ましく
は70〜98重量%、および(B)液晶ポリエステルと
反応性を有する官能基を有する共重合体44〜0.1重
量%、好ましくは35〜0.1重量%、さらに好ましく
は30〜2重量%を含有する樹脂組成物である。成分
(A)が56重量%未満であると該組成物から得られる
フィルムの水蒸気バリア性、耐熱性が低下する傾向があ
る。また、成分(A)が99.9重量%を超えると該組
成物の成形加工性が低下する傾向があり、また価格的に
も高価なものとなる。
【0053】このような液晶ポリエステル樹脂組成物を
製造する方法としては公知の方法を用いることができ
る。たとえば、溶液状態で各成分を混合し、溶剤を蒸発
させるか、溶剤中に沈殿させる方法が挙げられる。工業
的見地からみると溶融状態で上記組成の各成分を混練す
る方法が好ましい。溶融混練には一般に使用されている
一軸または二軸の押出機、各種のニーダー等の混練装置
を用いることができる。特に二軸の高混練機が好まし
い。溶融混練に際しては、混練装置のシリンダー設定温
度は、200〜360℃の範囲が好ましく、さらに好ま
しくは230〜350℃である。 混練に際しては、各
成分は、予めタンブラーもしくはヘンシェルミキサーの
ような装置で各成分を均一に混合してもよいし、必要な
場合には混合を省き、混練装置にそれぞれ別個に定量供
給する方法も用いることができる。
【0054】本発明に使用する液晶ポリマーに、必要に
応じて、さらに、有機充填剤、酸化防止剤、熱安定剤、
光安定剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、無機または有機
系着色剤、防錆剤、架橋剤、発泡剤、蛍光剤、表面平滑
剤、表面光沢改良剤、フッ素樹脂などの離型改良剤など
の各種の添加剤を製造工程中あるいはその後の加工工程
において添加することができる。
【0055】本発明は、支持基材として、上記のような
液晶ポリマーを使用するものであるが、液晶ポリマー
は、同時に二軸延伸可能なインフレーション成膜による
ものが好ましい。すなわち、液晶ポリマーは、環状スリ
ットのダイを備えた溶融混練押出機に供給され、シリン
ダー設定温度好ましくは200〜360℃、さらに好ま
しくは230〜350℃で溶融混練される。次に、押出
機の環状スリットから上方または下方へ溶融樹脂が押出
され、筒状フィルムとなる(この方向(長手方向)がM
D方向であり、フィルム面内でそれに直行する方向がT
D方向である)。環状スリット間隔は、通常0.1〜5
mm程度、好ましくは0.5〜2mm程度、環状スリッ
トの直径は、通常20〜1000mm程度、好ましくは
50〜300mm程度である。
【0056】インフレーション成形(成膜)において、
好ましいブロー比は、通常1.5〜10程度、好ましい
MD延伸倍率は、1.5〜40程度である。インフレー
ション成膜時の設定条件が上記の範囲外であると、厚さ
が均一でしわの無い高強度のフィルムを得るのが困難と
なる傾向にある。膨張させたフィルムは、その円周を空
冷あるいは水冷させた後、ニップロールを通過させて引
き取る。 インフレーション成膜に際しては、組成物の
性質に応じて、筒状の溶融体フィルムが均一な厚みで表
面平滑な状態に膨張するような条件を選択することがで
きる。インフレーション成膜以外の方法であると、フィ
ルムが二軸延伸されず必要最小限の強度が得られなかっ
たり、別の方法で逐次二軸延伸しても製法にコストがか
かりすぎることがある。
【0057】本発明における支持基材である溶融時に光
学的異方性を示す液晶ポリマーからなるフィルムは、M
D方向の引張り弾性率が大きく、寸法安定性に優れたも
のが得られる。該引張弾性率は、好ましくは1500k
gf/mm以上であり、さらに好ましくは1800kg
f/mm以上である。また該フィルムの常用耐熱温度
は、好ましくは140℃以上であり、さらに好ましくは
160℃以上である。ここで、常用耐熱温度とは、MD
方向の引張破断強度が半分になる時間が40000時間
である温度を示す。また該フィルムの吸水率は、好まし
くは0.2%以下であり、さらに好ましくは0.1%以
下である。吸水率が大きいと、粘着加工、離型加工の際
の基材乾燥が、高温および長時間になるころがあるため
好ましくない。また、該フィルムを高温下で使用する際
に、基材に含まれていた水分の急激な蒸発により、発泡
などを生じ、離型性、粘着性を損なうことがあり好まし
くない。該フィルムの水蒸気透過度は、好ましくは3.
0g/m2・24hr以下であり、さらに好ましくは
1.0g/m2・24hr以下である。 水蒸気透過度が
大きいと、高湿度下でフィルムを通して水分が粘着剤側
に浸透し、粘着性が低下することがある。
【0058】本発明における支持基材である溶融時に光
学的異方性を示す液晶ポリマーからなるフィルムの表面
自由エネルギーは、35dyne/cm以上であることが好ま
しい。それ未満であると、粘着剤の支持基材への塗布に
ムラが生じたり、メジャー機能付き粘着テープを塗装
板、樹脂、金属、木材などに長時間粘着させた場合に、
粘着剤が被着体の方に転着したり、貼付跡が残ることが
ある。また、それ未満であると、表面への目盛り印刷が
部分的に剥がれたり、消えたりすることがあり好ましく
ない。得られた液晶ポリマーフィルムの表面自由エネル
ギーが35dyne/cm未満であった場合には、コロナ処理
などの表面処理をしてもよい。
【0059】本発明の粘着メジャーテープは、溶融時に
光学的異方性を示す液晶ポリマーからなるフィルムと粘
着剤を含むものであり、前記の液晶ポリマーからなるフ
ィルムに粘着剤を積層して得られる。
【0060】本発明の粘着メジャーテープに使用される
粘着剤としては、特に限定はなく、一般的に知られる、
アクリル系、ゴム系、シリコーン系などを用いることが
できる。塗布の方法としては、特に制限はないが、たと
えば、アクリル系についてはエマルション型、ソルベン
ト型、ゴム系についてはエマルション型、ソルベント
型、ホットメルト型、さらにシリコーン系についてはソ
ルベント型が主に用いられる。ここで、アクリル系粘着
剤としては、構成成分として、粘着性を発現させるため
の主モノマー、凝集力を高めるコモノマー、接着力の向
上のため、および、架橋剤と反応させるための官能基を
有するモノマーの共重合体が挙げられ、架橋剤を用いて
架橋させることもできる。
【0061】主モノマーとしては、たとえば、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸n−オク
チルなど、アルキル基の炭素数が2〜14のアクリル酸
アルキルエステルや、メタクリル酸イソブチル、メタク
リル酸n−オクチルなど、アルキル基の炭素数が4〜1
4のメタクリル酸アルキルエステルが挙げられ、二種以
上を組み合わせて用いてもよい。
【0062】凝集力を高めるためのコモノマーとして
は、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピルなど、アルキル基の
炭素数が1〜8のアクリル酸アルキルエステル、メタク
リル酸アルキルエステル、さらには、スチレン、酢酸ビ
ニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリ
ルアミドなどが挙げられ、これらのうち二種以上を組み
合わせてもよい。本発明の支持基材としての液晶ポリマ
ーは、耐溶剤性にも優れるため、粘着剤に各種添加剤を
自由に加えることができる。さらに、接着性向上、架橋
剤との反応のため、アクリル酸、メタクリル酸、などの
モノカルボン酸や、マレイン酸、グルタミン酸などの多
価カルボン酸やそれらの無水物、さらには、ヒドロキシ
エチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレ
ートなどのヒドロキシ基を有するカルボン酸誘導体など
が挙げられ、これらのうち二種以上を組み合わせて用い
ることができる。架橋剤としては、一般に、エポキシ樹
脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ポリイソシアネート、フ
ェノール化合物、アミノ化合物、酸無水物、金属酸化物
などが用いられるが、前記官能基を有するモノマーの種
類に適応するよう適宜選択が可能である。
【0063】また、シリコーン系粘着剤は、ポリマー成
分と架橋用樹脂の2つの主要成分からなり、ポリマー成
分としては主に、 −SiO(CH32− を繰り返し単位とするポリマーの長連鎖の末端に残存の
シラノール基(SiOH)を持つ高分子量のポリジメチ
ルシロキサン、またはポリジメチルジフェニルシロキサ
ンが主に用いられる。また、架橋用樹脂は、3次元シリ
ケート構造を有しており、末端がトリメチルシロキシ基
となっている。ポリマー末端のシラノール基と架橋用樹
脂成分末端のトリメチルシロキシ基を適宜反応させ、部
分架橋したポリシロキサンを得ることができる。部分架
橋することで、長連鎖部分と架橋部分および末端部とが
ミクロに相分離し不連続相となり粘着性を発現すると考
えられる。シリコーン系粘着剤の粘着力を向上するため
に、シロキサン架橋密度を高くすることもでき、触媒と
して有機過酸化物、アミノシラン、有機酸金属塩などを
用いることができる。
【0064】またゴム系粘着剤としては、天然ゴム系、
スチレン/ブタジエンラテックス系、熱可塑性ゴム系、
ブチルゴムなどが用いられる。これらの粘着剤のなか
で、耐熱性という観点からは、アクリル系粘着剤、シリ
コーン系粘着剤が好ましく用いられる。ゴム系粘着剤
は、耐熱性、耐老化性が十分でない場合がある。また、
防湿性という観点からは、シリコーン系粘着剤が特に好
ましく用いられる。
【0065】本発明の粘着メジャーテープは、支持基材
としての液晶ポリマーと粘着剤とを積層してなるもので
あるが、両者の間に、ポリエチレン、PP、ナイロンフ
ィルム、ポリエステル(PET、ポリブチレンテレフタ
レート:PBT)等の熱可塑性樹脂フィルムが積層され
ていても、ポリエチレンの割布、レーヨン織布、ガラス
織布、およびポリエステル(PET)、ナイロン、アラ
ミドの不織布などの繊維補強材が積層されていても良
い。なかでも繊維補強材が積層されたものは、引き裂き
強度が向上するので高い引き裂き強度を要求される分野
に好ましく使用される。 また本発明の粘着メジャーテ
ープは、表面保護層を有していても良く、かかる保護層
としては、例えばPET系トップコート剤、透明な上記
熱可塑性樹脂フィルムなどが用いられる。計尺目盛は、
液晶ポリマーからなるフィルムに直接印刷されていても
良いし、表面保護層となるフィルムにバックプリントさ
れたものを用いても良い。また、PET系塗料などを用
い、印刷が、前記表面保護層を兼ねても良い。目盛は長
さを表示したり、位置が確認できるものであれば、特に
限定はなく、メートル法、インチ法、寸尺法など目的に
応じて目盛の単位を変更できる。また本発明における液
晶ポリマーは、寸法安定性に優れるため、例えば1mm以
下の目盛も使用し得る。 また本発明における粘着メジ
ャーテープ形状は、フィルム状でも、テープ状でも良
い。
【0066】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。 (1)成分(A)の液晶ポリエステル p−アセトキシ安息香酸8.3kg(60モル)、テレ
フタル酸2.49kg(15モル)、イソフタル酸0.
83kg(5モル)および4,4'−ジアセトキシジフ
ェニル5.45kg(20.2モル)を、櫛型撹拌翼を
もつ重合槽に仕込み、窒素ガス雰囲気下で撹拌しながら
昇温し330℃で1時間重合させた。この間に副生する
酢酸ガスを冷却管で液化し回収、除去しながら、強力な
撹拌下で重合させた。その後、系を徐々に冷却し、20
0℃で得られたポリマーを系外へ取出した。この得られ
たポリマーを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉
砕し、2.5mm以下の粒子とした。これを更にロータ
リーキルン中で窒素ガス雰囲気下に280℃で3時間処
理することによって、流動開始温度が324℃の粒子状
の下記繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステル
を得た。ここで流動開始温度とは、島津製作所製島津フ
ローテスターCFT−500型を用いて、4℃/分の昇
温速度で加熱溶融された樹脂を、荷重100kgf/c
2のもとで、内径1mm、長さ10mmのノズルから
押し出したときに、溶融粘度が48000ポイズを示す
温度(℃)をいう。以下、該液晶ポリエステルをA−1
と略記する。このポリマーは、加圧下で340℃以上で
光学異方性を示した。液晶ポリエステルA−1の繰り返
し構造単位は、次の通りである。
【0067】
【0068】(2)成分(B)のゴム 特開昭61−127709号公報の実施例5に記載の方
法に準じて、アクリル酸メチル/エチレン/グリシジル
メタクリレート=59.0/38.7/2.3(重量
比)、ムーニー粘度=15のゴムを得た。以下該ゴムを
B−1と略称することがある。ここでムーニー粘度は、
JIS K6300に準じて100℃、ラージローター
を用いて測定した値である。また、融解熱は0.01J
/gの感度を有するShimazdu社製DSC−50
を用いて、10mgのサンプルにつき、走査温度10℃
/min.で測定した。融点は検出できず、融解熱は測
定できなかった。
【0069】(3)粘着剤 アクリル酸n−ブチル97重量部、アクリル酸3重量
部、重合開始剤としてラウロイルパーオキシド0.3重
量部を酢酸エチルに溶解させ、窒素雰囲気中、酢酸エチ
ルの還流温度で14時間反応させアクリル系共重合体を
得た。得られたアクリル系共重合体をふくむ40%酢酸
エチル溶液に、エポキシ系架橋剤0.1重量部を混合し
た粘着剤溶液を得た。以下、これをT−1と呼ぶことが
ある。
【0070】(4)フィルムの水蒸気透過率の測定法 JIS Z0208(カップ法)に準拠して温度35
℃、相対湿度90%の条件で測定した。単位はg/m2
・24hr・1atmである。なお水蒸気透過率は膜厚
み換算していない。
【0071】(5a)フィルムの引張試験 JIS C2318に準拠して行った。 (5b)フィルムの耐熱性の測定法 フィルムを50℃、100℃、150℃、200℃、2
50℃に保った循環オーブン中に入れ、0時間から25
00時間まで500時間毎に取り出して一日恒温恒湿室
(23℃、55%RH)に放置後、MD方向の引張強度
を測定し、強度の時間依存性曲線を得た。そこから、各
温度で0時間での強度に対して半分の強度になる時間を
求め、つぎに、得られた時間(半減時間)を温度に対し
てプロットし、曲線を得て、半減時間40000時間の
場合の温度を常用耐熱温度とした。
【0072】(6)支持基材フィルムの表面自由エネル
ギーの評価 JIS K6768に準じ、標準液を塗布して判定し
た。
【0073】(7)粘着テープの評価法 (a)耐熱性 塗装鉄板に得られた粘着テープを張りつけ、120℃で
20分、循環オーブンに入れ、室温に冷却した後、テー
プを剥がし、粘着剤の塗装鉄板への残留、剥がし跡がな
ければ○、観察されれば×とした。 (b)耐湿性 塗装鉄板に得られた粘着テープを張りつけ、25℃、相
対湿度90%で180分、恒温恒湿器に入れ、室温に冷
却した後、観察し、テープが剥がれていなければ○、浮
きや部分的に剥がれが認められた場合を×とした。
【0074】実施例1 A−1 80重量部、およびB−1 20重量部の配合
比で、日本製鋼(株)製TEX−30型二軸押出機を用
い、シリンダー設定温度350℃、スクリュー回転数2
50rpmで溶融混練を行ってA−1を連続相、B−1
を分散相とする組成物を得た。この組成物ペレットは、
加圧下で340℃以上で光学的異方性を示した。得られ
た組成物をD−1と呼ぶことがある。D−1を、円筒ダ
イを備えた60mmφ単軸押出機を用いてシリンダー設
定温度350℃、スクリュー回転数60rpmで溶融押
出して、直径50mm、リップ間隔1.0mm、ダイ設
定温度348℃の円筒ダイから上方へ溶融樹脂を押出
し、得られた筒状フィルムの中空部へ乾燥空気を圧入
し、膨張させ、次に冷却させたのちニップロールに通し
てフィルムを得た。ブロー比2.8、ドローダウン比
7.2であり、フィルムの実測平均厚みは50μmであ
った。該フィルムの水蒸気透過度は0.4(g/m2
24h)であり、良好であった。また、MD方向の引張
弾性率は2400kgf/mmであり、破断伸びは2%
以下であった。常用耐熱温度は170℃であった。ま
た、該フィルムの表面自由エネルギーは40dyne/cmで
あった。さらに、MD方向の線膨張係数は、室温から1
00℃の測定範囲で、−20ppm/℃と非常に小さ
く、また、同方向の吸湿寸法変化は相対湿度40%から
80%の測定範囲で、−1ppm/%RHと非常に小さ
かった。このフィルムをF−1と呼ぶことがある。F−
1の片面に1mm単位の目盛りを印刷し、もう一方の面
ポリエチレン製の割布を重ねて、さらにT−1を塗布し
た。60℃の防爆型循環オーブン中で2時間乾燥し、長
手方向に平行に10mm幅でスリットして巻き取り、メ
ジャー機能付き粘着テープTP−1を得た。塗装鉄板に
TP−1を張りつけ、120℃で20分、循環オーブン
に入れ、室温に冷却した後、テープを剥がしたところ、
粘着剤の塗装鉄板への残留は○、剥がし跡も○であっ
た。また、テープ外観も良好であった。さらに、塗装鉄
板にTP−1を張りつけ、25℃、相対湿度90%で1
80分、恒温恒湿機に入れ、室温に冷却した後、観察し
たところ、テープが剥がれや浮きなどなく、結果は○で
あった。また、上記耐熱性、耐湿性試験の後、常態にも
どした(室温、相対湿度50%)TP−1の印刷された
1mm単位の目盛りは、試験前とほとんど変化がなく、
寸法変化していなかった。TP−1の長手方向に12k
gの荷重をかけて、10日間放置して、寸法変化を調べ
たところ、寸法変化は0.1%以下であり、試験後もメ
ジャーとして使用可能であった。さらに、TP−1は、
直径1mmの銅線に浮くことなく巻きつけることができ
る程度の柔軟性を有していた。
【0075】比較例1 市販の50μm厚みPETフィルム(東洋紡エスペッ
ト)の水蒸気透過度を測定したところ4.4(g/m2
・24h)であった。該フィルムの表面自由エネルギー
は34dyne/cmであった。このフィルムをF−2と呼ぶ
ことがある。F−2に実施例1と同様にして粘着テープ
TP−2を得た。塗装鉄板にTP−2を張りつけ、12
0℃で20分、循環オーブンに入れ、室温に冷却した
後、テープを剥がしたところ、粘着剤の塗装鉄板への残
留が認められ、剥がし跡も認められた。また、25℃、
相対湿度90%で180分、恒温恒湿器に入れ、室温に
冷却した後、観察したところ、テープの端部が剥がれ、
浮きも目だち、結果は×であった。また、上記耐熱試験
後室温に戻したTP−2目盛りを試験前と比較すると、
3%〜5%伸びていた。また、TP−2の長手方向に1
2kgの過重をかけて、10日間放置して、寸法変化を
調べたところ、寸法は10%を超え、試験後はメジャー
として使えなかった。
【0076】
【発明の効果】本発明の粘着メジャーテープは、水蒸気
ガスバリア性、耐熱性に優れ、さらに、温度、湿度、応
力に対する寸法安定性にも優れるので、野外、高温高湿
下での位置決め、高温機器への貼付けなどに好適に用い
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC11X BG07X BN03X BP03X CD19X CF001 CF181 GJ00 4J004 AA10 AA11 AA13 AA15 AA16 CA06 CC02 CD04 CD06 FA02

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持基材が、溶融時に光学的異方性を示す
    液晶ポリマーであることを特徴とする粘着メジャーテー
    プ。
  2. 【請求項2】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    の常用耐熱温度が、140℃以上であることを特徴とす
    る請求項1記載のテープ。
  3. 【請求項3】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    の長手方向の引張り弾性率が1500kg/mm以上で
    あることを特徴とする請求項1または2に記載のテー
    プ。
  4. 【請求項4】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    の水蒸気透過度が、3.0g/m2・24hr以下であ
    ることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載のテー
    プ。
  5. 【請求項5】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が、全芳香族液晶ポリエステルであることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載のテープ。
  6. 【請求項6】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    の表面自由エネルギーが、35dyne/cm以上であること
    を特徴とする請求項1〜5いずれかに記載のテープ。
  7. 【請求項7】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    における長手方向が、成形時のMD方向であり、面内で
    それに直交する方向が、成形時のTD方向であることを
    特徴とする請求項1〜6いずれかに記載のテープ。
  8. 【請求項8】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が、(A)液晶ポリエステルを連続相とし、(B)液晶ポリ
    エステルと反応性を有する官能基を有する共重合体を分
    散相とする液晶ポリエステル樹脂組成物であることを特
    徴とする請求項1〜7いずれかに記載のテープ。
  9. 【請求項9】溶融時に光学的異方性を示す液晶ポリマー
    が、(A)液晶ポリエステル56.0〜99.9重量
    %、および(B)液晶ポリエステルと反応性を有する官
    能基を有する共重合体44.0〜0.1重量%を溶融混
    錬して得られる組成物であることを特徴とする請求項1
    〜7いずれかに記載のテープ。
  10. 【請求項10】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基が、エポキシ基、オキサゾリル基またはアミノ基であ
    ることを特徴とする請求項8または9記載のテープ。
  11. 【請求項11】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、不飽和カルボン酸グリシ
    ジルエステル単位および/または不飽和グリシジルエー
    テル単位を0.1〜30重量%含有する共重合体である
    ことを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のテ
    ープ。
  12. 【請求項12】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有するゴム
    であることを特徴とする請求項8または9記載のテー
    プ。
  13. 【請求項13】液晶ポリエステルと反応性を有する官能
    基を有する共重合体(B)が、エポキシ基を有する熱可
    塑性樹脂であることを特徴とする請求項8または9記載
    のテープ。
  14. 【請求項14】液晶ポリエステル(A)が、芳香族ジカ
    ルボン酸と芳香族ジオールと芳香族ヒドロキシカルボン
    酸とを反応させて得られるものであることを特徴とする
    請求項8〜13いずれかに記載のテープ。
  15. 【請求項15】液晶ポリエステル(A)が、異種の芳香
    族ヒドロキシカルボン酸を反応させて得られるものであ
    ることを特徴とする請求項8〜13いずれかに記載のテ
    ープ。
  16. 【請求項16】粘着剤がアクリル系粘着剤を主成分とす
    ることを特徴とする請求項1〜15いずれかに記載のテ
    ープ。
  17. 【請求項17】粘着剤がシリコーン系粘着剤を主成分と
    することを特徴とする請求項1〜15いずれかに記載の
    テープ。
  18. 【請求項18】アクリル系粘着剤が共重合体であること
    を特徴とする請求項16記載のテープ。
  19. 【請求項19】溶融時に光学異方性を示す液晶ポリマー
    が、インフレーション成膜法により得られたフィルムで
    あることを特徴とする請求項1〜18いずれかに記載の
    テープ。
  20. 【請求項20】外層から順に、目盛りが印刷され溶融時
    に光学異方性を示す液晶ポリマー、補強材および/また
    は熱可塑性樹脂フィルム、粘着剤で構成されることを特
    徴とする請求項1〜19いずれかに記載のテープ。
  21. 【請求項21】印刷目盛り保護のために、最外層に透明
    なトップコート剤によるコーティング、および/また
    は、熱可塑性樹脂フィルムの貼合による表面保護層を有
    することを特徴とする請求項1〜21記載のテープ。
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