JP4073293B2 - 接着テープ又はシート類 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着テープ又はシート類に関し、より詳細には、耐熱性および再剥離性に優れる接着テープ又はシート類に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、接着テープ又はシート類は、永久接着の用途が主であったが、昨今は仮留めや再剥離などの短中期の接着を目的とした用途が注目されている。このような短中期の接着を目的とした接着テープ又はシート類としては、さらに、耐熱性が要求される場合は、材料設計が非常に難しくなる。単に接着性を下げるだけであれば容易であるが、投錨性が良好でないと、剥離時に被着体に粘着剤が残ってしまう場合があった。
【0003】
超耐熱性が要求される用途では、熱的に安定なシリコーン系接着テープ又はシート類が使用されることが多く、他の追随を許さない状況である。シリコーン系接着テープ又はシート類は、単に熱によって劣化が生じないということだけでなく、200℃を超える非常に高温な領域であっても、比較的安定した粘着特性を維持できるという優位な点を有しているためである。但し、ハードディスクドライブを始めとする電子関連用途では、シリコーン系化合物は汚染などの問題から使用し難い場合がある。
【0004】
また、要求機能に再剥離性を含む接着テープ又はシート類では、基材(テープ基材又はシート基材)に対して優れた投錨性を有していることは不可欠な条件である。特に、高温を経る仮留めの用途では、高温により被着体への接着性が増大し、粘着剤が被着体に残る可能性が高くなる。その対策として、基材にコロナ放電、プラズマ放電、酸処理、火炎処理等の物理又は化学処理やプライマー処理などにより、表面改質によって、基材に対する粘着剤の投錨性を高める方法などがある。一方、粘着剤に基材との相互作用を発現するような試薬を添加する方法も効果的であり、この相互作用は、共有結合等の結合エネルギーの高いものほどよいと考えられる。
【0005】
なお、耐熱性に関しては、接着テープ又はシート類の粘着剤層を形成する粘着剤については、シリコーン系粘着剤ほどの耐熱性はないものの、汚染の心配がないため、アクリル系粘着剤が有効であり、さらに老化防止剤を添加することである程度の耐熱性向上を図ることができるが、耐熱性及び再剥離性は十分でない。そこで、例えば、架橋剤として金属キレート系架橋剤とイソシアネート系架橋剤とが併用された粘着剤が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この粘着剤を用いた接着テープ又はシート類であっても、耐熱性及び再剥離性は十分でなく、より一層耐熱性及び再剥離性が優れているものが求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−240830号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明の目的は、被着体に対するシリコーン系化合物による汚染がなく、耐熱性及び再剥離性が優れている接着テープ又はシート類を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、基材の少なくとも片面に、特定のアクリル系コポリマーを粘着主成分とし、且つ特定の架橋剤が組み合わせられているアクリル系粘着剤組成物からなる粘着剤層を形成させた接着シートを用いると、耐熱接着維持と、基材への投錨性とを同時に優れたレベルで発現でき、耐熱用途での仮留めを良好に行うことができることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
【0010】
すなわち、本発明は、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし且つ分子内に官能基を含有しているアクリル系コポリマーと、アルミニウム系架橋剤と、エポキシ系架橋剤とからなる粘着剤層が、基材の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする接着テープ又はシート類である。
【0011】
前記アクリル系コポリマーの官能基は、共重合性単量体成分としての官能基含有共重合性モノマーの官能基に由来していることが好ましく、前記官能基含有共重合性モノマーの割合は、単量体成分全量に対して0.1〜10重量%であることが好適である。また、アルミニウム系架橋剤の割合は、アクリル系コポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部であることが好ましく、一方、エポキシ系架橋剤の割合は、アクリル系コポリマー100重量部に対して0.01〜1重量部であることが好ましい。
【0012】
基材は、プラスチック製フィルム、繊維質材料による基材又は紙類であってもよく、また、UL−746B規格における連続使用温度が100℃以上の耐熱性フィルムであることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
[接着テープ又はシート類]
接着テープ又はシート類としては、基材の片面又は両面に、粘着剤層が形成されたものを用いることができ、前記粘着剤層は、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステル]を単量体主成分とし且つ分子内に官能基を含有しているアクリル系コポリマーと、アルミニウム系架橋剤と、エポキシ系架橋剤とからなっている。
【0014】
前記アクリル系コポリマーは分子内に官能基を有しており、該官能基を利用してアルミニウム系架橋剤およびエポキシ系架橋剤により架橋され、粘着剤層を形成することができる。そのため、粘着剤層は優れた耐熱性を発現させることができ、例えば、接着テープ又はシート類の使用温度領域(例えば、0℃以上で、300℃以下程度の温度など)において、粘着剤層の温度による変化や劣化が抑制又は防止されている。
【0015】
しかも、粘着剤層は優れた再剥離性を発現させることができ、例えば、加熱工程を経た後、接着テープ又はシート類を被着体から剥離させても、被着体には粘着剤層における粘着剤成分による残渣が残存していない(すなわち、糊残りが生じていない)。
【0016】
従って、接着テープ又はシート類を被着体に貼着した後、加熱工程(IRリフロー工程)などで加熱(IR加熱など)されても、粘着剤層には軟化や硬化が生じず、被着体と良好に接着しており、しかも、常温における優れた粘着性及び再剥離性を保持することができる。
【0017】
[粘着剤層]
粘着剤層を構成する粘着剤(感圧性接着剤)は、(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルを単量体主成分とし且つ分子内に官能基を含有しているアクリル系コポリマーをベースポリマーとし、架橋剤としてアルミニウム系架橋剤及びエポキシ系架橋剤を含有しているアクリル系粘着剤組成物であり、必要に応じて添加剤等が配合されている。粘着剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0018】
(アクリル系コポリマー)
アクリル系コポリマーとしては、例えば、(1)単量体主成分としての(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルを、該(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルに対して共重合性を有している単量体成分(共重合性単量体成分)としての官能基を有する共重合性モノマー(官能基含有共重合性モノマー)および、必要に応じて他の共重合性モノマーと共重合する方法、(2)(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルを単量体主成分とするとともに、必要に応じて他の共重合性モノマーを共重合性単量体成分とするアクリル系ポリマーに周知の化学反応により官能基を付与する方法などにより調製することができる。本発明では、アクリル系コポリマーは、前記(1)の方法により好適に調製される。
【0019】
アクリル系コポリマーにおいて、単量体主成分として用いられている(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルの割合は、例えば、単量体成分(モノマー成分)全量に対して50重量%以上(50〜99.9重量%)の範囲から選択することができる。(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルの割合(単量体成分全量に対する割合)としては、好ましくは80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上(95〜99重量%)であり、特に97〜99重量%であることが最適である。
【0020】
また、アクリル系コポリマーにおいて、官能基としては、例えば、カルボキシル基、窒素原子含有基(アミド基、アミノ基、シアノ基、イミド基など)、ヒドロキシル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基などが挙げられる。アルミニウム系架橋剤やエポキシ系架橋剤との反応性の点から、官能基としては、カルボキシル基、アミド基、アミノ基、シアノ基などの極性基(特に、カルボキシル基)が好ましい。官能基は単独であってもよく、複数が組み合わせられていてもよい。
【0021】
具体的には、(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルにおいて、アルキル基部位としては、炭素数が4〜12のアルキル基であれば特に制限されず、例えば、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、イソオクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基、ウンデシル基、ドデシル基(ラウリル基)などが挙げられる。具体的には、(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ネオペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ラウリルなどが挙げられる。好ましい(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルには、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソノニルが含まれる。(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0022】
また、官能基含有共重合性モノマーとしては、例えば、カルボキシル基含有共重合性モノマー、窒素原子含有共重合性モノマー、ヒドロキシル基含有共重合性モノマー、エポキシ基含有共重合性モノマー、メルカプト基含有共重合性モノマー、イソシアネート基含有共重合性モノマーなどが挙げられる。より具体的には、官能基含有共重合性モノマーには、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有共重合性モノマー、(メタ)アクリロイルモルホリン、(メタ)アクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有共重合性モノマー、(メタ)アクリロニトリル等のシアノ基含有共重合性モノマー、シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基含有共重合性モノマーなどの窒素原子含有共重合性モノマー;(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基含有共重合性モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジルなどのエポキシ基含有共重合性モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有共重合性モノマーなどが含まれ、連鎖移動剤末端のメルカプト基などを官能基として導入することも可能である。これらの官能基含有共重合性モノマーの中でも、アルミニウム系架橋剤やエポキシ系架橋剤との反応性および汎用性の点でカルボキシル基含有共重合性モノマーが好ましく、特にアクリル酸、メタクリル酸が最適である。
【0023】
官能基含有共重合性モノマーが用いられている場合、該官能基含有共重合性モノマーの割合は、例えば、単量体成分全量に対して0.1〜10重量%、好ましくは1〜5重量%程度の範囲から選択することができる。
【0024】
さらにまた、(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステルや官能基含有共重合性モノマー以外に、必要に応じて、他の共重合性モノマーを単量体成分として含んでいてもよい。このような共重合性モノマーには、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピルなどのアルキル基の炭素数が1〜3の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;(メタ)アクリル酸ステアリルなどのアルキル基の炭素数が13〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレンなどのスチレン系モノマー;エチレン、プロピレンなどのα−オレフィン系モノマーなどが含まれる。
【0025】
また、多官能(メタ)アクリレート[例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートなど]が用いられていてもよい。
【0026】
このようなアクリル系コポリマーを調製する際には、上記モノマー成分の混合物を通常の重合方法、例えば乳化重合法や溶液重合を用い、一般的な一括重合、連続滴下重合、分割滴下重合などの重合方法を採用することができる。重合に際しては、慣用乃至公知の重合開始剤や連鎖移動剤などが用いられていてもよい。また、乳化重合に際しては、慣用乃至公知の乳化剤が用いられていてもよい。なお、重合温度は、例えば30〜80℃の範囲である。
【0027】
(アルミニウム系架橋剤)
アルミニウム系架橋剤としては、公知乃至慣用のアルミニウム系架橋剤を用いることができ、例えば、アルミニウムキレート架橋剤やアルミニウムアルコラート架橋剤などが挙げられる。アルミニウム系架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0028】
アルミニウムキレート架橋剤としては、例えば、アルミニウム又はアルミニウム含有化合物[例えば、アルミニウム(モノ又はジ)アルコラートなど]と、アルミニウム(原子)とキレート環を形成するキレート化剤とで構成されたアルミニウムキレート化合物を用いることができる。前記キレート化剤としては、例えば、β−ジカルボニル化合物[例えば、アセチルアセトン、2,4−ヘキサンジオン、2,4−ヘプタンジオン、3,5−ヘプタンジオン、2,4−オクタンジオン、3,5−オクタンジオン、2,4−ノナンジオン、3,5−ノナンジオン、5−メチル−2,4−ヘキサンジオン等のβ−ジケトン類;アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチル、アセト酢酸イソブチル、アセト酢酸s−ブチル、アセト酢酸t−ブチル、アセト酢酸2−エチルヘキシル、アセト酢酸ドデシル等のβ−ケトエステル類(アセト酢酸C1-20アルキルエステルなど);マロン酸ジエチル等のβ−ジエステル類など]や、β位にヒドロキシル基やアミノ基を有するカルボニル化合物(例えば、ダイアセトンアルコール、ダイアセトンアミン、サリチルアルデヒド、サリチル酸メチル、N−メチルサリチルアミド等)などが挙げられる。キレート化剤は単独で用いられていてもよく、複数を組み合わせて用いられていてもよい。
【0029】
より具体的には、アルミニウムキレート架橋剤としては、例えば、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(プロピオニルアセトネート)等のアルミニウムトリス(アシルアセトネート);アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(t−ブチルアセトアセテート)等のアルミニウムトリス(アセト酢酸アルキルエステル);アルミニウムモノ(アセチルアセトネート)ビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノ(アセチルアセトネート)ビス(イソブチルアセトアセテート)、アルミニウムモノ(アセチルアセトネート)ビス(2−エチルヘキシルアセトアセテート)、アルミニウムモノ(アセチルアセトネート)ビス(ドデシルアセトアセテート)等のアルミニウム[(モノ又はビス)(アセチルアセトネート)][(ビス又はモノ)(アセト酢酸アルキルエステル)];(アセチルアセトネート)アルミニウムジイソプロピレート、ビス(アセチルアセトネート)アルミニウムモノイソプロピレート等の[(モノ又はビス)(アシルアセトネート)]アルミニウム[(ジ又はモノ)アルコラート];(エチルアセトアセテート)アルミニウムジイソプロピレート、ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムモノイソプロピレート等の[(モノ又はビス)(アセト酢酸アルキルエステル)]アルミニウム[(ジ又はモノ)アルコラート]などが挙げられる。
【0030】
また、アルミニウムアルコラート架橋剤としては、例えば、アルミニウムトリエチレート、アルミニウムトリイソプロピレート、アルミニウムトリs−ブチレート、アルミニウムトリ2−エチルヘキシレート、モノs−ブトキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウムトリアルコラートなどを用いることができる。
【0031】
アルミニウム系架橋剤としては、アルミニウムキレート架橋剤が好ましく、なかでも、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)が好適である。
【0032】
(エポキシ系架橋剤)
エポキシ系架橋剤としては、公知乃至慣用のエポキシ系架橋剤を用いることができる。エポキシ系架橋剤としては、分子内にエポキシ基を2つ以上有する多官能エポキシ系化合物であれば特に制限されない。エポキシ系架橋剤としては、ポリグリシジルアミン系化合物、ポリグリシジルエーテル系化合物、ポリグリシジルエステル系化合物などのいずれの形態を有していてもよく、例えば、グリシドールと、(モノ又はポリ)アミン系化合物、ポリオール系化合物やポリカルボン酸系化合物等との反応により得られるポリグリシジル系化合物を用いることができる。
【0033】
より具体的には、エポキシ系架橋剤としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、ジグリシジルアニリン、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジル−トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、レゾルシンジグリシジルエーテル、ビスフェノール−S−ジグリシジルエーテルの他、分子内にエポキシ基を2つ以上有するエポキシ系樹脂などが挙げられる。エポキシ系架橋剤は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0034】
エポキシ系架橋剤としては、1,3−ビス(N,N−グリシジルアミノメチル)シクロヘキサンを好適に用いることができる。
【0035】
本発明におけるアクリル系粘着剤組成物は、前述のように、前記アクリル系コポリマーをベースポリマーとし、架橋剤としてアルミニウム系架橋剤及びエポキシ系架橋剤を含有している。アルミニウム系架橋剤の割合としては、アクリル系コポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部(好ましくは1〜8重量部、さらに好ましくは2〜6重量部)である。アルミニウム系架橋剤の割合がアクリル系コポリマー100重量部に対して0.1重量部未満であると、高温での接着力が低下し、一方、10重量部を超えると、考えられる温度領域(例えば、一般的に使用される温度領域)での接着力が低下する。
【0036】
エポキシ系架橋剤の割合としては、アクリル系コポリマー100重量部に対して0.01〜1重量部(好ましくは0.03〜0.5重量部、さらに好ましくは0.05〜0.3重量部)である。エポキシ系架橋剤の割合がアクリル系コポリマー100重量部に対して0.1重量部未満であると、基材(支持体)への投錨性が低下し、一方、1重量部を超えると、考えられる温度領域(例えば、一般的に使用される温度領域)での接着力が低下し、また、粘着剤自体の可とう性が低下する(脆化しやすくなる)。
【0037】
なお、アルミニウム系架橋剤およびエポキシ系架橋剤の各使用量としては、アルミニウム系架橋剤の使用量の方が、エポキシ系架橋剤の使用量よりも多い方が好ましい。例えば、アルミニウム系架橋剤とエポキシ系架橋剤との割合としては、前者/後者(重量比)=0.1/1〜1000/1の範囲から選択することができるが、好ましくは1.5/1〜250/1、さらに好ましくは5/1〜120/1の範囲であることが望ましい。
【0038】
アクリル系粘着剤組成物には、さらに、任意成分として、粘着付与剤、可塑剤、軟化剤、充填剤、着色剤(顔料、染料など)、老化防止剤、酸化防止剤などの従来公知の各種添加剤が添加されていてもよい。前記粘着付与樹脂としては、脂肪族石油樹脂、芳香族石油樹脂、芳香族石油樹脂を水添した脂環族石油樹脂(脂環族飽和炭化水素樹脂)などの石油系樹脂、ロジン系樹脂(ロジン、水添ロジンエステルなど)、テルペン系樹脂(テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂など)、スチレン系樹脂、クマロンインデン樹脂などが挙げられる。
【0039】
粘着剤層の厚さは、特に制限されず、例えば、10〜200μm程度の範囲から選択することができ、好ましくは20〜100μm程度である。
【0040】
[基材]
接着テープ又はシート類において、基材としては、特に制限されないが、例えば、プラスチック製フィルム、繊維質材料による基材、紙類が挙げられる。基材は単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0041】
プラスチック製フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなどのポリエステルや、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、ポリアミドイミド等のプラスチックからなるプラスチックフィルムを好適に用いることができる。プラスチックフィルムは、単層又は積層のいずれの構成を有していてもよい。
【0042】
また、繊維質材料による基材としては、例えば、各種繊維質材料による不織布や布などが挙げられる。前記繊維質材料としては、例えば、ポリエステル繊維、アラミド繊維、レーヨン繊維、アセテート繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、フッ素繊維、ステンレス繊維、石綿、ガラスクロス、ガラス繊維、マニラ麻、パルプなどの合成又は天然繊維による不織布や織布などが挙げられる。繊維質材料は単独で又は2種以上組み合わせられていてもよい。
【0043】
さらにまた、紙類には、例えば、クラフト紙、クレープ紙、和紙、クレーコート紙、上質紙、グラシン紙、クルパック紙などが含まれる。
【0044】
基材としては、粘着剤層の投錨性を高めるために、その表面が表面処理により改質されたもの(特に、表面改質処理されたプラスチック製フィルム)を好適に用いることができる。前記表面処理としては、1種の又は2種以上組み合わせられた表面処理であってもよい。また、物理的な表面処理、化学的な表面処理などいずれの形態の表面処理であってもよい。具体的には、表面処理としては、粘着剤や基材の種類等に応じて適宜選択でき、例えば、酸処理、コロナ放電処理、プラズマ放電処理、プライマー処理、火炎処理などの公知乃至慣用の表面処理が挙げられる。
【0045】
基材の厚さとしては、特に制限されず用途に応じて適宜選択できるが、一般には、例えば、12〜200μm(好ましくは16〜75μm)程度である。
【0046】
基材としては、優れた耐熱性を有しているフィルムを好適に用いることができる。このような耐熱性フィルムの連続使用温度としては、例えば、100℃以上(例えば、100〜350℃)であってもよく、好ましくは120℃以上(例えば、120〜300℃)、さらに好ましくは150℃以上(例えば、150〜280℃)である。なお、耐熱性フィルムの連続使用温度は、UL−746B規格に準じて測定することができる。
【0047】
本発明の接着テープ又はシート類は、基材の少なくとも一方の面(片面又は両面)に、アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸C4-12アルキルエステル]を単量体主成分とし且つ分子内に官能基を含有しているアクリル系コポリマーと、アルミニウム系架橋剤と、エポキシ系架橋剤とを含有する粘着剤(感圧性接着剤)を含む粘着剤組成物を塗工し、加熱等により架橋処理して粘着剤層を形成することにより製造できる。なお、必要に応じて、紫外線などの電磁波照射させることも可能である。また、必要に応じて、剥離ライナーを粘着剤層上に被覆してもよい。
【0048】
本発明の接着テープ又はシート類は、基材の両面に粘着剤層を有する両面接着テープ又はシート、または基材の片面に粘着剤層を有する片面接着テープ又はシートのいずれであってもよいが、両面接着テープ又はシート類を好適に用いることができる。なお、両面接着テープ又はシート類である場合、基材の両側に積層されている各粘着剤層における粘着剤(接着剤)は、それぞれ異なる接着剤であってもよく、同一の接着剤であってもよい。
【0049】
本発明の接着テープ又はシート類は、優れた耐熱性とともに、良好な再剥離性を有している。接着テープ又はシート類の粘着剤層と、被着体との接着力(被着体:ポリイミド系樹脂、温度:23℃、引張速度:300mm/分、引張角度:180°)としては、例えば、2.0N/20mm未満(例えば、0.1〜2.0N/20mm)、さらに好ましくは0.3〜1.5N/20mmであることが望ましい。なお、接着テープ又はシート類の接着力は、被着体としてのポリイミド系樹脂面に、2kgローラーで1往復させて圧着し、温度:23℃、相対湿度:50%の条件で、引張試験機を用いて、引張速度:300mm/分、引張角度:180°で引張り、その際の引き剥がし強度を測定して得られる。
【0050】
なお、接着テープ又はシート類の接着力は、アクリル系コポリマーの種類、アルミニウム系架橋剤やエポキシ系架橋剤の種類及びその配合割合などを適宜選択して調整することができる。
【0051】
本発明の接着テープ又はシート類は、耐熱性及び再剥離性が優れているだけでなく、さらに、シリコーン系化合物が用いられていないので、被着体にシリコーン系化合物による汚染を生じさせない。そのため、種々の用途で好適に使用することができるが、特に電子関連用途で好適に使用することができる。例えば、FPC(フレキシブルプリント配線板)をキャリアボードに接着により固定するための接着テープ又はシート類として好適である。
【0052】
このようなFPC等を用いた電子部品の実装工程では、ハンダを溶融させるための赤外線による加熱(IR加熱)工程等の加熱工程を経る必要があり、しかも、FPCをキャリアボードから剥離させる時の温度としては、例えば、室温(23℃程度)から、IR加熱工程(IRリフロー工程)直後である200℃程度の温度まで、まちまちである。しかしながら、本発明の接着テープ又はシート類は、このような加熱工程(IR加熱工程など)を経ても、粘着剤層の粘着特性の変化が少なく、変形や劣化がほとんど又は全く生じない。さらに、基材として耐熱性フィルムを用いることにより、加熱工程(IR加熱工程など)を経ても、基材の変形や劣化も抑制又は防止することができる。そのため、粘着剤層による粘着性(接着性)は、加熱時でも良好であり、FPCをキャリアボードにしっかり保持することができ、加熱後、FPCには位置ずれが生じていない。そのため、電子部品をFPCに高い位置精度で実装することができる。しかも、加熱後、前記粘着剤層による剥離性も良好であり、FPCには脱離や糊残り等が生じない。
【0053】
しかも、両面接着テープ又はシート類とすることにより、電子部品をFPCに実装後、接着テープ又はシート類自体もキャリアボードから破損させることなく容易に剥離することができ、使用後の接着テープ又はシート類の剥離除去も良好に行うことが可能となる。
【0054】
なお、FPCに実装する電子部品としては特に制限されず、例えば、IC、コンデンサ、コネクタ、抵抗、LED(発光ダイオード;Light Emitting Diode)などが挙げられる。
【0055】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例を記載して、より具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下において、部とあるのは重量部を意味する。
【0056】
(実施例1)
アクリル酸2−エチルヘキシル97部、アクリル酸3部を210部のトルエン中で、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル0.3部の共存下、かつ窒素置換下に60〜80℃で攪拌しながら溶液重合処理して、粘度約110ポイズ、重合率99.4%、固形分32重量%の溶液を調製し、この溶液100部(固形分)に対し、老化防止剤(商品名「ノルガノックス1010」チバガイギー社製)1部、イソプロピルアルコール20部を添加して、架橋剤非含有感圧接着剤溶液(「架橋剤非含有感圧接着剤(B1)」と称する)を調製した。
さらに、この架橋剤非含有感圧接着剤(B1)中のポリマー固形分100部に対して、アルミニウムトリスアセチルアセトネート(商品名「アルミキレートAW」川研ファインケミカル株式会社製)4部と、多官能エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」三菱瓦斯化学株式会社製)0.1部とを添加し混合して、架橋剤含有感圧接着剤(「架橋剤含有感圧接着剤(A1)」と称する)を調製した。
また、前記架橋剤非含有感圧接着剤(B1)中のポリマー固形分100部に対して、アルミニウムトリスアセチルアセトネート(商品名「アルミキレートAW」川研ファインケミカル株式会社製)1部を添加し混合して、架橋剤含有感圧接着剤(「架橋剤含有感圧接着剤(A2)」と称する)を調製した。
【0057】
架橋剤含有感圧接着剤(A1)を、ポリフェニレンサルファイド製フィルム(商品名「トレリナ3040」東レ株式会社製;厚み15μm)の一方の面に、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布した後、熱風乾燥機中130℃で2分間乾燥し、仮固定のための粘着剤層(仮固定用粘着剤層)を形成し、さらに、この仮固定用粘着剤層の表面にセパレータを貼り合わせた。その後、前記ポリフェニレンサルファイド製フィルム(商品名「トレリナ3040」東レ株式会社製)の他方の面に、架橋剤含有感圧接着剤(A2)を、同様にして、乾燥後の厚さが50μmとなるように塗工及び乾燥処理して、粘着剤層(反対面側粘着剤層)を形成して、両面接着シートを作製した。
【0058】
(実施例2)
実施例1で調製された架橋剤非含有感圧接着剤(B1)中のポリマー固形分100部に対して、アルミニウムトリスアセチルアセトネート(商品名「アルミキレートAW」川研ファインケミカル株式会社製)2部と、多官能エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」三菱瓦斯化学株式会社製)0.4部とを添加し混合して、架橋剤含有感圧接着剤(「架橋剤含有感圧接着剤(A3)」と称する)を調製した。
【0059】
この架橋剤含有感圧接着剤(A3)を、厚さ25μmのポリフェニレンサルファイド製フィルム(商品名「トレリナ3040」東レ株式会社製)の片面に塗布して仮固定用粘着剤層(厚さ15μm)を形成し、他方の面に実施例1と同様の架橋剤含有感圧接着剤(A2)を塗布して反対面側粘着剤層(厚さ50μm)を形成して、両面接着シートを作製した。
【0060】
(比較例1)
実施例1で調製された架橋剤非含有感圧接着剤(B1)中のポリマー固形分100部に対して、エポキシ系架橋剤(商品名「テトラッドC」三菱瓦斯化学株式会社製)1.5部を添加し混合して、架橋剤含有感圧接着剤(「架橋剤含有感圧接着剤(A4)」と称する)を調製した。
【0061】
この架橋剤含有感圧接着剤(A4)を、厚さ25μmのポリフェニレンサルファイド製フィルム(商品名「トレリナ3040」東レ株式会社製)の片面に塗布して仮固定用粘着剤層(厚さ15μm)を形成し、他方の面に実施例1と同様の架橋剤含有感圧接着剤(A2)を塗布して反対面側粘着剤層(厚さ50μm)を形成して、両面接着シートを作製した。
【0062】
(比較例2)
実施例1で調製された架橋剤非含有感圧接着剤(B1)中のポリマー固形分100部に対して、アルミニウムトリスアセチルアセトネート(商品名「アルミキレートAW」川研ファインケミカル株式会社製)5部を添加し混合して、架橋剤含有感圧接着剤(「架橋剤含有感圧接着剤(A5)」と称する)を調製した。
【0063】
また、多官能イソシアネート系化合物(商品名「コロネートL」日本ポリウレタン工業株式会社製)および錫系触媒をトルエンに対して、それぞれ、0.1重量%、0.0025重量%添加し混合して、混合溶液(C1)を調製した。
【0064】
厚さ25μmのポリフェニレンサルファイド製フィルム(商品名「トレリナ3040」東レ株式会社製)上に、マイヤーバー12番を用いて前記混合溶液(C1)を塗布し、120℃で3分間乾燥処理をし、さらに、このフィルム処理面上に、架橋剤含有感圧接着剤(A5)を、乾燥後の厚さが25μmとなるように塗布した後、熱風乾燥機中130℃で2分間乾燥し、仮固定のための粘着剤層(仮固定用粘着剤層)を形成したこと以外は、実施例1と同様にして、両面接着シートを作製した。従って、反対面側粘着剤層(厚さ50μm)は、実施例1と同様の架橋剤含有感圧接着剤(A2)による粘着剤層である。
【0065】
(評価)
以上の実施例1〜2、及び比較例1〜2で作製した各接着シートに関して、180°ピール引き剥がし接着力、投錨性、再剥離性について、下記の方法により測定・評価した。これらの結果を表1に示す。
【0066】
[180°ピール引き剥がし接着力の測定方法]
厚さが25μmのポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製「カプトン100H」、FPCの基材として汎用されている)を、市販の両面接着シートを介して0.5mm厚のアルミニウム板に貼り付けて、被着体片とした。
実施例1〜2及び比較例1〜2により得られた各接着シートを、幅20mm、長さ100mmのサイズに切断して、接着力測定用接着テープとした。この接着力測定用接着テープの仮固定用粘着剤層側のセパレータを剥がし(反対面側粘着剤層のセパレータは貼付された状態である)、該仮固定用粘着剤層側の面を、前記被着体片のポリイミドフィルム面に貼り合わせ、2kgローラーで1往復させて圧着した後、反対面側粘着剤層のセパレータを剥がし、該反対面側粘着剤層の面にタック消失のためのタルク粉を定着させ、試験片を作製した。該試験片を、23℃で且つ相対湿度50%の条件で30分間エージングしたものと、又は温度200℃の条件で30分間エージングしたものとについて、引っ張り試験機により300mm/分の速度で180°ピール引き剥がし強度(N/20mm)を測定した。
【0067】
[投錨性の確認方法]
実施例1〜2及び比較例1〜2により得られた各接着シートの反対面側粘着剤層のセパレータを剥がして、ガラス板等の硬い材料板に貼付させ、その後、仮固定用粘着剤層のセパレータを剥がし、該仮固定用粘着剤層の面を手の指で強く擦った際に、粘着剤の脱落がないかどうかを目視で観察して確認し、仮固定用粘着剤層の投錨性を評価した。
【0068】
[再剥離性の評価方法]
実施例1〜2及び比較例1〜2により得られた各接着シートを用いて、前記180°ピール引き剥がし接着力の測定方法と同様にして、仮固定用粘着剤層側の面に、前記被着体片のポリイミドフィルム面に貼り合わせ、2kgローラーで1往復させて圧着して、試験片を作製した。該試験片を、280℃で40秒間加熱した後、23℃にて30分間放冷し、引っ張り試験機により1000mm/分の速度で、角度180°で引張り、粘着剤の残渣が被着体に残ることなく引き剥がせるがどうかを目視で観察して確認し、仮固定用粘着剤層の再剥離性を評価した。
【0069】
【表1】
Figure 0004073293
【0070】
表1より、実施例1〜2の各接着シートは、初期の基材への粘着剤層の投錨性と、高温加熱後の再剥離性を優れたレベルで維持していることが確認できた。特に、実施例1に係る粘着シートは、加熱時の粘着維持が比較的良好であり、実施例2に係る粘着シートは、加熱時の粘着力の低下が少し大きいが、投錨性が極めて優れている。
【0071】
一方、比較例1では、粘着剤の凝集性が得られないことによると思われるが、投錨破壊が発生し、また、加熱時の粘着力の低下が著しい。また、比較例2では、加熱時の粘着力の低下が小さいものの、加熱により粘着剤層は大きなダメージを受けており、加熱後の再剥離時に被着体に粘着剤残渣が残りやすくなっている。
【0072】
【発明の効果】
本発明の粘着テープ又はシート類によれば、被着体に対するシリコーン系化合物による汚染がなく、耐熱性及び再剥離性が優れている。

Claims (7)

  1. アルキル基の炭素数が4〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを単量体主成分とし且つ分子内に官能基を含有しているアクリル系コポリマーと、アルミニウム系架橋剤と、エポキシ系架橋剤とからなる粘着剤層が、基材の少なくとも片面に形成されていることを特徴とする接着テープ又はシート類。
  2. アクリル系コポリマーの官能基が、共重合性単量体成分としての官能基含有共重合性モノマーの官能基に由来している請求項1記載の接着テープ又はシート類。
  3. 官能基含有共重合性モノマーの割合が、単量体成分全量に対して0.1〜10重量%である請求項2記載の接着テープ又はシート類。
  4. アルミニウム系架橋剤の割合が、アクリル系コポリマー100重量部に対して0.1〜10重量部である請求項1〜3の何れかの項に記載の接着テープ又はシート類。
  5. エポキシ系架橋剤の割合が、アクリル系コポリマー100重量部に対して0.01〜1重量部である請求項1〜4の何れかの項に記載の接着テープ又はシート類。
  6. 基材が、プラスチック製フィルム、繊維質材料による基材又は紙類である請求項1〜5の何れかの項に記載の接着テープ又はシート類。
  7. 基材が、UL−746B規格における連続使用温度が100℃以上の耐熱性フィルムである請求項1〜6の何れかの項に記載の接着テープ又はシート類。
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