JP2001199802A - 固形農薬組成物 - Google Patents
固形農薬組成物Info
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Abstract
このため特定の温度を超えた温度では崩壊分散せず、特
定の温度以下の温度で崩壊分散し、これにより作物に対
して薬害が懸念されるような高温では崩壊分散せず、低
温で速やかに崩壊分散させることが可能な固形農薬組成
物を提供する。 【課題手段】 農薬活性成分に感温吸排水性樹脂を配合
するか、または農薬活性成分を含む固形製剤を感温吸排
水性樹脂で被覆した固形農薬組成物。
Description
を含む固形農薬組成物に関し、さらに詳しくは崩壊分散
する温度を任意に設定することができる固形農薬組成物
に関する。
乳剤、水和剤、フロアブル剤、顆粒水和剤等の剤形があ
る。これらの農薬製剤のうち、粒剤および顆粒水和剤
は、使用時に粉立ちがなく使用者への安全性が高いこ
と、人体または環境に悪影響を及ぼす有機溶剤を含まな
いことから広く一般に使用されている。また固形製剤は
製剤中に含まれる水分が少なく、加水分解を受けやすい
農薬活性成分に対して適した製剤であり、製剤の剤形と
して広く用いられている。
まま直接に土壌、水面または作物に散布する場合、比較
的速やかに薬剤が短時間に崩壊分散して効果を発揮する
が、これら薬剤を日中に散布すると温度が高いために有
用作物に対して薬害等の懸念があり、早朝または夕刻に
おける低温時の散布が好ましい。しかるに近年、農業従
事者の高齢化や農村の過疎化により農業労働力の脆弱化
が進んでおり、所定の低温時に農薬を散布するためには
時間が限られ、また異なる日に繰り返し散布することに
なり、農業従事者にとって過重となっている。
出せず、一旦放出すると速やかに農薬活性成分を放出す
る製剤が知られている(特開平6−9303号、同6−
4304号、同6−72805号、同6−80514
号)。しかし、これらの製剤は散布後1か月程度経過し
た後に農薬を放出させるものであり、一定の温度、特に
低温で崩壊分散して農薬を放出させる農薬組成物につい
ては知られていない。
分散温度を任意に設定することができ、このため特定の
温度を超えた温度では崩壊分散せず、特定の温度以下の
温度で崩壊分散し、これにより作物に対して薬害が懸念
されるような高温では崩壊分散せず、低温で速やかに崩
壊分散させることが可能な固形農薬組成物を提供するこ
とである。
た結果、農薬活性成分を含む固形製剤において、農業活
性成分を感温性の吸排水性樹脂と配合するか、または感
温性の吸排水性樹脂で被覆することにより、特定の温度
で崩壊分散する固形農薬組成物、特に固形農薬組成物が
特定の温度以下で崩壊分散することを見出し本発明を完
成した。
ある。 (1) 農薬活性成分と感温吸排水性樹脂とを含む固形
農薬組成物。 (2) 農薬活性成分を含む固形製剤が感温吸排水性樹
脂で被覆された固形農薬組成物。 (3) 感温吸排水性樹脂がポリN−イソプロピルアク
リルアミド系共重合体架橋物である上記(1)または
(2)記載の固形農薬組成物。 (4) 上記(1)ないし(3)のいずれかに記載の固
形農薬組成物がさらに感温吸排水性樹脂で被覆された固
形農薬組成物。 (5) 感温吸排水性樹脂が2種以上の感温吸排水性樹
脂である上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の固
形農薬組成物。 (6) さらに補助剤を含む上記(1)ないし(5)の
いずれかに記載の固形農薬組成物。 (7) 上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の固
形農薬組成物がさらに疎水性物質で被覆された固形農薬
組成物。 (8) 固形農薬組成物全体に占める農薬活性成分の含
有量が0.01〜80重量%、感温吸排水性樹脂の含有
量が0.1〜50重量%である上記(1)ないし(7)
のいずれかに記載の固形農薬組成物。 (9) 粒剤または微粒剤である上記(1)ないし
(8)のいずれかに記載の固形農薬組成物。 (10) 顆粒水和剤である上記(1)ないし(8)の
いずれかに記載の固形農薬組成物。 (11) 水田用である上記(1)ないし(10)のい
ずれかに記載の固形農薬組成物。
「アクリ」および/または「メタクリ」を意味する。
菌剤、殺虫剤および植物成長調節剤等の農薬活性成分で
あり、粒剤、微粒剤、粉剤、錠剤および顆粒水和剤等の
固形の製剤に製剤可能な農薬活性成分であれば公知の農
薬活性成分が制限なく使用することができる。農薬活性
成分は1種または2種以上を併用してもよい。
れば次の通りである。2−クロロ−4,6−ビス−(エ
チルアミノ)−s−トリアジン(CAT)、2,4,6
−トリクロルフェニル−4’−ニトロフェニルエーテル
(CNP)、N−{[(4,6−ジメトキシピリミジン
−2−イル)アミノカルボニル]}−1−メチル−4−
(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)(アジ
ムスルフロン)、2−クロロ−4−エチルアミノ−6イ
ソプロピルアミノ−s−トリアジン(アトラジン)、1
−(2−クロロイミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−
イルスルホニル)−3−(4,6−ジメトキシピリミジ
ン−2−イル)尿素(イマゾスルフロン)、S−ベンジ
ル=1,2−ジメチルプロピル(エチル)チオカルバマ
ート(エスプロカルブ)、5−tert−ブチル−3−
(2,4−ジクロロ−5−イソプロポキシフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾリン−2−オン(オキサジア
ゾン)、3−[1−(3,5−ジクロルフェニル)−1
−メチルエチル]−2,3−ジヒドロ−6−メチル−5
−フェニル−4H−1,3−オキサジン−4−オン(オ
キサジクロメホン)、S−(2−クロロベンジル)N,
N−ジエチルチオカーバメート(オルソベンカーブ)、
1−(ジエチルカルバモイル)−3−(2,4,6−ト
リメチルフェニルスルフォニル)−1,2,4−トリア
ゾール(カフェンストロール)、2,4−ジクロロフェ
ニル−3’−メトキシ−4’−ニトロフェニルエーテル
(クロメトキシニル)、(RS)−2−(2,4−ジク
ロロ−m−トリルオキシ)プロピオンアニリド(クロメ
プロップ)、S,S’−ジメチル=2−ジフルオロメチ
ル−4−イソブチル−6−トリフルオロメチルピリジン
−3,5−ジカルボチオアート(ジチオピル)、
ルオロ−4−シアノフェノキシ)フェノキシ]プロピオ
ネート(シハロホップブチル)、2−メチルチオ−4−
エチルアミノ−6−(1,2−ジメチルプロピルアミ
ノ)−s−トリアジン(ジメタメトリン)、2−メチル
チオ−4,6−ビス(エチルアミノ)−s−トリアジン
(シメトリン)、S−1−メチル−1−フェニルエチル
=ピペリジン−1−カルボチオアート(ジメピペレー
ト)、1−α,α−ジメチルベンジル)−3−(パラト
リル)尿素(ダイムロン)、2−クロロ−N−(3−メ
トキシ−2−テニル)−2’,6’−ジメチルアセトア
ニリド(テニルクロール)、α−(2−ナフトキシ)プ
ロピオンアニリド(ナプロアニリド)、2,6−ビス
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルオキシ)安
息香酸ナトリウム(ビスピリバックナトリウム)、5−
(2,4−ジクロロフェノキシ)−2−ニトロ安息香酸
メチル(ビフェノックス)、2−[4−(2,4−ジク
ロロベンゾイル)−1,3−ジメチルピラゾール−5−
イルオキシ〕アセトフェノン(ピラゾキシフェン)、エ
チル=5−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル
カルバモイルスルファモイル)−1−メチルピラゾール
−4−カルボキシラート(ピラゾスルフロンエチル)、
4−(2,4−ジクロロベンゾイル)−1,3−ジメチ
ル−5−ピラゾリル−p−トルエンスルホネート(ピラ
ゾレート)、2−クロロ−6−「4,6−ジメトキシピ
リミジ−2−イル)チオ]安息香酸ナトリウム(ピリチ
オバックナトリウム)、O−3−tert−ブチルフェ
ニル=6−メトキシ−2−ピリジル(メチル)チオカル
バマート(ピリブチカルブ)、メチル=2−[(4,6
−ジメトキシピリミジン−2−イル)オキシ]−6−
[(E)−1−(メトキシイミノ)エチル]ベンゾエイ
ト(ピリミノバックチル)、
酸−S−エチル(フェノチオール)、2−クロロ−
2’,6’−ジエチル−N−(ブトキシメチル)アセト
アニリド(ブタクロール)、メチル[[2−クロロ−4
−フルオロ−5−[(5,6,7,8−テトラヒドロ−
3−オキソ−1H,3H−[1,3,4]チアジアゾロ
[3,4−α]ピリダジン−1−イリデン)アミノ]フ
ェニル]チオ]アセタート(フルチアセットメチル)、
2−クロロ−2’,6’−ジエチル−N−(2−プロポ
キシエチル)アセトアニリド(プレチラクロール)、2
−メチルチオ−4,6−ビス(イソプロピルアミノ)−
s−トリアジン(プロメトリン)、(RS)−2−ブロ
モ−N−(α,α−ジメチルベンジル)−3,3−ジメ
チルブチルアミド(ブロモブチド)、メチル=α−
(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イルカルバモイ
ルスルファモイル)−O−トルアート(ベンスルフロン
メチル)、2−[4−[2,4−ジクロロ−m−トルオ
イル]−1,3−ジメチルピラゾール−5−イルオキ
シ]−4’−メチルアセトフェノン(ベンゾフェナッ
プ)、S−(4−クロルベンジル)N,N−ジエチルチ
オカーバメート(ベンチオカーブ)、N−(1−エチル
プロピル)−3,4−ジメチル−2,6−ジニトロアニ
リン(ペンディメタリン)、3−(4−クロロ−5−シ
クロペンチルオキシ−2−フルオロフェニル)−5−イ
ソプロピリデン−1,3−オキサゾリジン−2,4−ジ
オン(ペントキサゾン)、2−ベンゾチアゾール−2−
イルオキシ−N−メチルアセトアニリド(メフェナセッ
ト)、S−エチルヘキサヒドロ−1H−アゼピン−1−
カーボチオエート(モリネート)、3−(3,4−ジク
ロロフェニル)−1−メトキシ−1−メチル尿素(リニ
ュロン)など。
通りである。O,O−ジイソプロピル−S−ベンジルチ
オフォスフェート(IBP)、ジイソプロピル−1,3
−ジチオラン−2−イリデン−マロネート(イソプロチ
オラン)、3−(3,5−ジクロロフェニル)−N−イ
ソプロピル−2,4−ジオキソイミダゾリジン−1−カ
ルボキサミド(イプロジオン)、5−エチル−5,8−
ジヒドロ−8−オキソ[1,3]ジオキソロ[4,5−
g]キノリン−7−カルボン酸(オキソリニック酸)、
カスガマイシン(カスガマイシン)、6−(3,5−ジ
クロロ−4−メチルフェニル)−3(2H)−ピリダジ
ノン(ジクロメジン)、ジンクエチレンビスジチオカー
バメート(ジネブ)、3,5−ジメチルテトラヒドロ−
2H−1,3,5−チアジアジン−2−チオン(ダゾメ
ット)、3,4,5,6−テトラクロロ−N−(2,3
−ジクロロフェニル)フタルアミド酸(テクロフタラ
ム)、5−メチル−1,2,4−トリアゾロ[3,4−
b]ベンゾチアゾール(トリシクロラゾール)、(E)
−4−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−N−(1−
イミダゾール−1−イル−2−プロポキシエチリデン)
−o−トルイジン(トリフルミゾール)、バリダマイシ
ン(バリダマイシン)、1,2,5,6−テトラヒドロ
ピロロ[3,2,1−ij]キノリン−4−オン(ピロ
キロン)、(Z)−2’−メチルアセトフェノン=4,
6−ジメチルピリミジン−2−イルヒドラゾン−4,
5,6,7−テトラクロロフタリド(フェリムゾン)、
α,α,α−トリフルオロ−3’−イソプロポキシ−O
−トルアニリド(フルトラニル)、3−アリルオキシ−
1,2−ベンゾイソチアゾール−1,1−ジオキシド
(プロベナゾール)、1−(4−クロロベンジル)−1
−シクロペンチル−3−フェニル尿素(ペンシクロ
ン)、亜鉛イオン配位マンガニーズエチレンビスジチオ
カーバメート(マンゼブ)、マンガニーズエチレンビス
ジチオカーバメート(マンネブ)、メチル=N−(2−
メトキシアセチル)−N−(2,6−キシリル)−DL
−アラニナート(メタラキシル)、N−(4−メチル−
6−プロパ−1−イニルピリミジン−2−イル)アラニ
ン(メパニピリム)、3’−イソプロポキシ−2−メチ
ルベンズアニリド(メプロニル)、水酸化第二銅(水酸
化第二銅)など。
通りである。2−sec―ブチルフェニル−N−メチル
カーバメート(BPMC)、エチルパラニトロフェニル
チオノベンゼンホスホネート(EPN)、O,O−ジメ
チル−O−(3−メチル−4−ニトロフェニル)チオホ
スフェート(MEP)、1−ナフチル−N−メチルカー
バメート(NAC)、O,S−ジメチル−N−アセチル
ホスホロアミドチオエート(アセフェート)、1−(6
−クロロ−3−ピリジルメチル)−N−ニトロイミダゾ
リジン−2−イリデンアミン(イミダクロプリド)、2
−(4−エトキシフェニル)−2−メチルプロピル=3
−フェノキシベンジル=エーテル(エトフェンプロック
ス)、1,3−ビス(カルバモイルチオ)−2−(N,
N−ジメチルアミノ)プロパン塩酸塩(カルタップ)、
2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチル−7−ベンゾ
[b]フラニル=N−ジブチルアミノチオ−N−メチル
カルバマート(カルボスルファン)、O,O−ジメチル
−O−3,5,6−トリクロロ−2−ピリジルホスホロ
チオエート(クロルピリホスメチル)、(RS)−α−
シアノ−3−フェノキシベンジル=(RS)−2,2−
ジクロロ−1−(4−エトキシフェニル)シクロプロパ
ンカルボキシラート(シクロプロトリン)、O,O−ジ
メチル−S−(N−メチルカルバモイルメチル)ジチオ
ホスフェート(ジメトエート)、(2−イソプロピル−
4−メチルピリミジル−6)−ジエチルチオホスフェー
ト(ダイアジノン)、5−ジメチルアミノ−1,2,3
−トリチアンシュウ酸塩(チオシクラム)、
4−クロロ−3−エチル−1−メチルピラゾール−5−
カルボキサミド(テブフェンピラド)、O,O−ジエチ
ル−O−(3−オキソ−2−フェニル−2H−ピリダジ
ン−6−イル)ホスホロチオエート(ピリダフェンチオ
ン)、2−tert−ブチルイミノ−3−イソプロピル
−5−フェニル−1,3,5,6−テトラヒドロ−2H
−1,3,5−チアジアジン−4−オン(ブプロフェジ
ン)、ブチル=2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベ
ンゾフラン−7−イル=N,N’−ジメチル−N,N’
−チオジカルバマート(フラチオカルブ)、(RS)−
α−シアノ−3−フェノキシベンジル=N−(2−クロ
ロ−α,α,α−トリフルオロ−p−トリル)−D−バ
リナート(ブルバリネート)、1−[4−(2−クロロ
−α,α,α−トリフルオロ−p−トリルオキシ)−2
−フルオロフェニル]−3−(2,6−ジフルオロベン
ゾイル)尿素(フルフェノクスロン)、O,O−ジプロ
ピル−O−4−メチルチオフェニルホスフェート(プロ
パホス)、trans−5−(4−クロロフェニル)−
N−シクロヘキシル−4−メチル−2−オキソチアゾリ
ン−3−カルボキサミド(ヘキシチアゾクス)、S,
S’−2−ジメチルアミノトリメチレン=ジ(ベンゼン
チオスルホナート)(ベンスルタップ)、エチル=N−
[2,3−ジヒドロ−2,2−ジメチルベンゾフラン−
7−イルオキシカルボニル(メチル)アミノチオ]−N
−イソプロピル−β−アラニナート(ベンフラカル
ブ)、ジメチルジカルベトキシエチルジチオホスフェー
ト(マラソン)など。
れば次の通りである。4’−クロロ−2’−(α−ヒド
ロキシベンジル)イソニコチンアニリド(イナベンフィ
ド)、(E)−(S)−1−(4−クロロフェニル)−
4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,4−トリアゾ
ール−1−イル)ペンタ−1−エン−3−オール(ウニ
コナゾール)、(2RS,3RS)−1−(4−クロロ
フェニル)−4,4−ジメチル−2−(1H−1,2,
4−トリアゾール−1−イル)ペンタン−3−オール
(パクロブトラゾール)、カルシウム=3−オキシド−
5−オキソ−4−プロピオニルシクロヘキサ−3−エン
カルボキシラート(プロヘキサジオンカルシウム塩)な
ど。
度条件により水分の吸収および排出に関する特性が変化
する樹脂であり、特定の温度(以下、感温点という)以
下の温度では水分を吸収する特性を示し、特定の温度を
超えた温度では吸収していた水分を排出する特性を示す
吸排水性の樹脂である。ここで「感温」とは温度条件に
より樹脂の吸排水性に関する特性が変化することを意味
する。また「感温点」とは樹脂の吸排水性に関する特性
が変化する温度を意味する。このような、温度条件によ
り吸排水性が変化する特性は可逆的に変化するものが好
ましいが、非可逆のものを使用することもできる。本発
明で使用する感温吸排水性樹脂は、感温点が20〜40
℃の中にある樹脂が好ましい。
脂は、感温点以下の温度条件に置かれた場合には外部か
ら水分を吸収して膨潤する。一方感温点を超えた条件に
置かれた場合には外部に水分を排出する。上記のような
感温吸排水性樹脂は、物理的または化学的に三次元に架
橋された網目構造を有する有機高分子化合物であり、感
温点以下の温度では網目構造内に水を吸着して含水ゲル
を生成し、感温点を超える温度では吸着していた水を脱
離すると考えられている。感温点は後述の方法で任意の
温度に容易に設定することができる。また感温点は広い
温度範囲の中から任意の温度に設定することができる。
り、その製法については特開昭61−55180号、特
開平5−179148号、同7−224119号、同8
−89108号、同8−100010号および同9−3
02339号などに開示されている。本発明では、これ
らの公報に記載されている感温吸排水性樹脂を使用する
ことができる。またこれらの公報に記載されている樹脂
以外にも、前記のような温度条件により水分の吸収およ
び排出に関する特性が変化する樹脂であれば、制限なく
使用することができる。
樹脂としては、ポリN−イソプロピルアクリルアミド系
共重合体架橋物、ポリN,N−ジエチルアクリルアミド
系共重合体架橋物、ポリN−メチル−N−エチルアクリ
ルアミド系共重合体架橋物等のポリアクリルアミド系共
重合体架橋物などがあげられる。これらの中ではポリN
−イソプロピルアクリルアミド系共重合体架橋物が好ま
しい。
架橋物は、N−アルキル置換アクリルアミドモノマー、
架橋性モノマーおよび必要により共重合される他のモノ
マーを共重合することにより得ることができる。また別
の方法として、N−アルキル置換アクリルアミドモノマ
ーおよび必要により共重合される他のモノマーを重合し
た後、得られた重合体を架橋剤により架橋する方法また
はγ線等の放射線を照射して架橋する方法などにより得
ることができる。
ド系共重合体架橋物の感温点はモノマーの種類および配
合比率、または架橋の程度などを選択することにより任
意の温度に設定することができる。例えば、N−アルキ
ル置換アクリルアミドモノマー、架橋性モノマー、他の
モノマーの種類または配合比率を変えるなどの方法によ
り任意の感温点を有する感温吸排水性樹脂を得ることが
できる。
マーとしては、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミ
ド、N−n−プロピルアクリルアミド、N,N−ジエチ
ルアクリルアミド、アクリロイルピペリジン、アクリロ
イルピロリジンなどがあげられる。N−アルキル置換ア
クリルアミドモノマーは一種単独で使用することもでき
るし、二種以上を組み合せて使用することもできる。
チレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート等のジビニルモノマーなどがあげられ
る。架橋性モノマーは一種単独で使用することもできる
し、二種以上を組み合せて使用することもできる。
としては、(メタ)アクリル酸またはその塩、(メタ)
アクリルアミド、ブチルアクリルアミド、ダイアセトン
アクリルアミド等のビニルモノマーなどがあげられる。
他のモノマーは一種単独で使用することもできるし、二
種以上を組み合せて使用することもできる。
用されるポリアクリルアミド系共重合体架橋物は、具体
的には次のような方法で製造することができる。すなわ
ち、前記N−アルキル置換アクリルアミドモノマーを主
成分とし、前記架橋性モノマーおよび他のモノマーを含
む原料モノマーに、t−ブチルヒドロペルオキシド、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩
等のアゾ系重合開始剤、またはこれらの水溶性重合開始
剤とロンガリット、亜硫酸水素ナトリウム等の還元性物
質を組み合せ、任意の割合で共重合することにより感温
点の異なる感温吸排水性樹脂を得ることができる。
感温吸排水性樹脂は、N−イソプロピルアクリルアミ
ド:ダイアセトンアクリルアミド:アクリル酸:N,N
−メチレンビスアクリルアミドを重量比で100:2
5:5:1の割合で蒸留水に溶解、分散し、窒素ガス気
流下にロンガリット、t−ブチルヒドロペルオキシドの
重合開始剤を加え、断熱下に重合を行うことにより得る
ことができる。また30℃に感温点を有する感温吸排水
性樹脂は、N−ジエチルアクリルアミド:ダイアセトン
アクリルアミド:アクリル酸:N,N−メチレンビスア
クリルアミドを重量比で18:3:1:1の割合で蒸留
水に溶解、分散し、窒素ガス気流下にロンガリット、t
−ブチルヒドロペルオキシドの重合開始剤を加え、断熱
下に重合を行うことにより得ることができる。これらの
場合、N−アルキル置換アクリルアミドおよびアクリル
酸の種類または配合比率を変えるなどの方法により任意
の感温点を有する感温吸排水性樹脂を得ることができ
る。
は、市販品を使用することもできる。市販品としてはポ
リN−イソプロピルアクリルアミド系共重合体架橋物で
あるサーモゲル((株)興人製、登録商標、感温点20
℃、25℃、30℃、35℃または40℃)などがあげ
られる。感温吸排水性樹脂は一種単独で使用することも
できるし、二種以上を組み合せて使用することもでき
る。
成分と前記感温吸排水性樹脂とを含むものであり、農薬
活性成分に感温吸排水性樹脂が配合されたもの(農薬活
性成分と感温吸排水性樹脂とが混合されたもの)であっ
てもよいし、農薬活性成分を含む固形製剤が感温吸排水
性樹脂で被覆されたものであってもよい。具体的には、
次のものなどがあげられる。
混合した固形農薬組成物。 2)農薬活性成分を含む固形製剤が感温吸排水性樹脂で
被覆された固形農薬組成物。 3)上記1)の固形農薬組成物がさらに感温吸排水性樹
脂で被覆された固形農薬組成物。この場合、感温点の異
なる感温吸排水性樹脂で被覆するのが好ましい。 4)上記2)の固形農薬組成物がさらに感温吸排水性樹
脂で被覆された固形農薬組成物。この場合、感温点の異
なる感温吸排水性樹脂で被覆するのが好ましい。 5)上記1)〜4)のいずれかの固形農薬組成物がさら
に疎水性物質で被覆された固形農薬組成物。 6)感温点の異なる感温吸排水性樹脂を用いて調製した
固形農薬組成物を2種以上混合した固形農薬組成物。 7)上記1)〜6)のいずれかの固形農薬組成物に、さ
らに農薬活性成分および補助剤を加えて製剤化した固形
農薬組成物。 8)補助剤を含む上記1)〜6)のいずれかの固形農薬
組成物。
性物質で被覆することにより一定期間溶出が抑制され、
一定期間経過後の低温時に農薬活性成分を放出させるこ
とが可能な遅効性の固形農薬組成物が得られる。上記疎
水性物質としては、一般に、農薬を被覆して農薬活性成
分の溶出を制御するのに用いられる水の透過性が少ない
ものであれば、常温で固体のものでも、液体のものでも
使用できる。疎水性物質の具体的なものとしては、ポリ
ウレタン樹脂、硬化植物油、硬化動物油、パラフィンワ
ックス、ポリオレフィンワックス等の疎水性樹脂;ステ
アリン酸カルシウム、フェニルキシリールエタン、アル
キルナフタレン、脂肪酸エステル類等の疎水性有機化合
物などがあげられる。
用する補助剤としては、農薬の製剤で一般的に使用され
ている固体または液体の担体、界面活性剤、結合剤、安
定剤および色素などがあげられる。これらの補助剤を必
要に応じて使用し、固形農薬組成物とする。農薬活性成
分と感温吸排水性樹脂とだけから本発明の固形農薬組成
物を得ることはできるが、散布や施用などのことを考慮
すると、通常補助剤を使用するのが好ましい。
れば特に制限されず、粒剤、微粒剤、錠剤、粉剤、水和
剤および顆粒水和剤等のいずれの剤形であってもよい。
いずれの剤形においても、感温吸排水性樹脂を配合また
は感温吸排水性樹脂で被覆することが可能である。
脂を配合した固形農薬組成物である場合、感温点を超え
た高温では固形農薬組成物が崩壊せず、感温点以下の低
温で固形農薬組成物が崩壊して農薬活性成分が水中また
は土壌に溶出する。また本発明の固形農薬組成物が感温
吸排水性樹脂で被覆した固形農薬組成物である場合、感
温点を超えた高温の場合には被覆膜が崩壊しないため農
業活性成分が放出されず、感温点以下の低温で水分を吸
水して崩壊することで農薬活性成分が放出される。
水性樹脂を配合した場合には、25℃を超えた水温では
水に崩壊せず、25℃以下の温度で崩壊分散する。感温
吸排水性樹脂を使用しない従来の固形製剤の場合、粒剤
を土壌に散布すると温度に関係なく、高温の場合でも低
温の場合でも土壌中の水分によって粒剤は崩壊するが、
例えば25℃の感温点を有する感温吸排水性樹脂を用い
た本発明の固形農薬組成物の場合には、25℃を超えた
温度では崩壊せず、25℃以下の温度で崩壊する。
剤、微粒剤、錠剤、粉剤、水和剤および顆粒水和剤等い
ずれの剤形も製剤可能であるが、本発明の固形農薬組成
物は散布時が高温の場合には崩壊せず、低温で良好に崩
壊分散するので、希釈せず農耕地、水田などに直接散布
する粒剤、微粒剤、錠剤等の製剤が好ましい。感温吸排
水性樹脂で被覆する場合には、粒剤、微粒剤、錠剤、粉
剤、水和剤および顆粒水和剤等いずれの剤形も製剤可能
である。粉剤、あるいは水等で希釈して散布する水和
剤、および顆粒水和剤は感温吸排水性樹脂で被覆するこ
とが好ましい。顆粒水和剤を製造する場合には、比較的
高い感温点を有する感温吸排水性樹脂を使用することが
好ましい。例えば、40℃以下の感温吸排水性樹脂を使
用した場合には、40℃以下の水温で固形農薬組成物が
水分を吸収して崩壊分散を始め、容易に懸濁液となる。
用されている公知の製剤化法により製造することができ
る。すなわち、感温吸排水性樹脂を配合する粒状物の製
造は、農薬活性成分を粉砕または吸油性担体に担持さ
せ、感温吸排水性樹脂ならびに界面活性剤、結合剤また
は固体担体等の補助剤を加え、圧縮造粒または押出造粒
により成形することができる。水を使用して捏和造粒す
る場合は、感温点以上の温度で成形、乾燥を行うのが好
ましい。感温吸水性樹脂は乾燥状態のものを用い結合剤
を配合して成形することができるが、液相で重合して得
る溶液を用いると結合剤なしに成形するとができるので
好ましい。
剤、微粒剤、錠剤、粉剤、水和剤および顆粒水和剤等い
ずれの剤形も製剤可能であるが、水等で希釈して散布す
る水和剤および顆粒水和剤等を製造する時は、予め感温
点以下の温度条件で、水またはアルコール中でN−イソ
プロピルアクリルアミド系モノマー、架橋性モノマー等
を用いて共重合させて得られた感温吸排水性樹脂の溶液
を、農薬活性成分に被覆、または農薬活性成分と補助剤
の混合物に被覆し、乾燥して得られた感温吸排水性樹脂
で被覆された農薬活性成分が含有された組成物を用い、
界面活性剤、凝集剤、増量剤等の補助剤を加えて混合ま
たは粉砕し製造することができる。また、感温吸排水性
樹脂で被覆された農薬活性成分が含有された組成物を用
い、界面活性剤、結合剤、増量剤等の補助剤を加え、圧
縮造粒、流動層造粒または押出造粒により顆粒水和剤を
製造することができる。
樹脂の含有量は0.1〜99.99重量%、好ましくは
1〜99.9重量%、農薬活性成分の含有量は0.01
〜99.9重量%、好ましくは0.1〜99重量%であ
るのが望ましいが、散布、施用を考慮すると補助剤を配
合するのが通常の使用方法であり、この場合の感温吸排
水性樹脂の含有量は0.1〜50重量%、好ましくは1
〜30重量%、農薬活性成分の含有量は0.01〜80
重量%、好ましくは0.1〜50重量%、補助剤の含有
量は配合量0.1〜99重量%、好ましくは1〜95重
量%であるのが望ましい。
する場合には、農薬の剤形、各種成分の性質、配合割合
などによって異なるが、感温吸排水性樹脂の含有量は
0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%とする
のが望ましく、粒剤、微粒剤、錠剤および顆粒水和剤の
場合には0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量
%、粉剤、水和剤の場合には0.5〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%とするのが望ましい。農薬活性成分
の含有量は有効成分の効力、性質などにより異なるが
0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%
とするのが望ましく、粒剤、微粒剤、粉剤とする場合に
は0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量
%、水和剤、顆粒水和剤、錠剤とする場合には5〜80
重量%、好ましくは10〜50重量%とするのが望まし
い。補助剤の含有量は0.1〜99重量%、好ましくは
1〜95重量%とするのが望ましく、粒剤、微粒剤、粉
剤とする場合には0.1〜99重量%、好ましくは1〜
95重量%、水和剤、顆粒水和剤、錠剤とする場合には
0.1〜90重量%、好ましくは1〜80重量%とする
のが望ましい。
は、農薬の剤形、各種成分の性質、配合割合などによっ
て異なるが、感温吸排水性樹脂の含有量は0.1〜50
重量%、好ましくは1〜20重量%とするのが望まし
く、粒剤、微粒剤、錠剤および顆粒水和剤の場合には
0.1〜50重量%、好ましくは1〜20重量%、粉
剤、水和剤の場合には0.5〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%とするのが望ましい。農薬活性成分の含有
量は有効成分の効力、性質などにより異なるが、通常
0.01〜80重量%、好ましくは0.1〜50重量%
とするのが望ましく、粒剤、微粒剤、粉剤とする場合に
は0.01〜30重量%、好ましくは0.1〜20重量
%、水和剤、顆粒水和剤、錠剤とする場合には5〜80
重量%、好ましくは10〜50重量%とするのが望まし
い。補助剤の含有量は0.1〜99重量%、好ましくは
1〜95重量%とするのが望ましく、粒剤、微粒剤、粉
剤とする場合には0.1〜99重量%、好ましくは1〜
95重量%、水和剤、顆粒水和剤、錠剤とする場合には
0.1〜90重量%、好ましくは1〜80重量%とする
のが望ましい。
温点を超えた高温では崩壊せず、感温点以下の低温では
速やかに水分を吸収し短時間で崩壊する効果を有し、少
ない場合には感温点を超えた高温では崩壊しないもの
の、感温点以下の低温で水分を吸収し所定の時間を要し
徐々に崩壊する。このような方法により崩壊時間を任意
に変えることができる。
に感温吸排水性樹脂を加え、不活性な固体または液体の
担体で希釈し、必要に応じて界面活性剤、分散剤または
結合剤等の補助剤を配合して、粒剤、微粒剤、錠剤、粉
剤、水和剤および顆粒水和剤等の固形製剤とすることが
できる。上記固体または液体の担体としては、タルク、
ベントナイト、クレー、カオリン、酸性白土、ろう石、
ゼオライト、珪藻土、炭酸カルシウム、ホワイトカーボ
ン、バーミキュライト、消石灰、珪砂、硫安、尿素、ボ
ウ硝等の固体担体;イソプロピルアルコール、キシレ
ン、N−メチル−2−ピロリドン、シクロヘキサノン、
アルキルナフタレン、脂肪酸エステル、植物油、鉱物
油、動物油、水等の液体担体などがあげられる。
えば、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルサルフェート、アルキル
ベンゼンスルホネート、ナフタレンスルホネートホルマ
リン縮合物、リグニンスルホネート、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテルスルホネート等があげられ
る。結合剤としては、例えばカルボキシメチルセルロー
ス、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、
ポリプロピレングリコール、アラビアゴム、デキストリ
ン等があげられる。
させず、一定期間後に内部の農薬活性成分を外部に溶出
させる被覆農薬粒剤が知られている。これらの被覆農薬
粒剤の内部に感温吸排水性樹脂を配合することにより、
一定期間後の固形製剤崩壊時の低温時に固形農薬組成物
を崩壊分散させることが可能である。被覆型農薬粒剤に
水を吸収して体積が増加する性質を有するベントナイ
ト、澱粉、高吸収性高分子等を含んだ被覆型農薬粒剤は
ベントナイト、澱粉、高吸収性高分子等を感温吸排水性
樹脂に代えるか、またはベントナイト、澱粉、高吸収性
高分子等の量を少なくし、感温吸排水性樹脂を加える。
以下の温度では水分を吸収し、感温点を超えた温度では
吸収していた水分を排出する。このような感温吸排水性
樹脂を配合または被覆した本発明の固形農薬組成物は、
感温点以下の温度において感温吸排水性樹脂が吸水して
膨潤することにより体積が増加し、これにより速やかに
固形農薬組成物が崩壊分散するものと推測される。
例にて以下詳細に説明するが、本発明はこれらの例のみ
に限定されるものではない。なお、部は特に断らない限
り重量部である。
排水性樹脂の製造) N−イソプロピルアクリルアミド:ダイアセトンアクリ
ルアミド:アクリル酸:N,N−メチレンビスアクリル
アミドを重量比で100:25:5:1の割合で蒸留水
に溶解、分散し、窒素ガス気流下にN,N−メチレンビ
スアクリルアミドの重量に対してロンガリットを3.5
倍重量、t−ブチルヒドロペルオキシドを3倍重量の割
合で加え、断熱下に5℃で8時間重合を行った。これに
より、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイアセトン
アクリルアミド、アクリル酸、および架橋性モノマーで
あるN,N−メチレンビスアクリルアミドが共重合した
共重合体架橋物であって、25℃に感温点を有する感温
吸排水性樹脂を得た。
排水性樹脂の製造) N−ジエチルアクリルアミド:ダイアセトンアクリルア
ミド:アクリル酸:N,N−メチレンビスアクリルアミ
ドを重量比で18:3:1:1の割合で蒸留水に溶解、
分散し、窒素ガス気流下にN,N−メチレンビスアクリ
ルアミドの重量に対してロンガリットを0.01倍重
量、t−ブチルヒドロペルオキシドを0.1倍重量の割
合で加え、断熱下に15℃で8時間重合を行った。これ
により、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイアセト
ンアクリルアミド、アクリル酸、および架橋性モノマー
であるN,N−メチレンビスアクリルアミドが共重合し
た共重合体架橋物であって、30℃に感温点を有する感
温吸排水性樹脂を得た。
排水性樹脂の製造) N−イソプロピルアクリルアミド:ダイアセトンアクリ
ルアミド:アクリル酸:N,N−メチレンビスアクリル
アミドを重量比で18:3:1:1の割合で蒸留水に溶
解、分散し、窒素ガス気流下にN,N−メチレンビスア
クリルアミドの重量に対してロンガリットを0.01倍
重量、t−ブチルヒドロペルオキシドを0.1倍重量の
割合で加え、断熱下に15℃で8時間重合を行った。こ
れにより、N−イソプロピルアクリルアミド、ダイアセ
トンアクリルアミド、アクリル酸、および架橋性モノマ
ーであるN,N−メチレンビスアクリルアミドが共重合
した共重合体架橋物であって、30℃に感温点を有する
感温吸排水性樹脂を得た。
((株)興人製、登録商標、感温点30℃)5部、ポリ
ビニルアルコール5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム0.5部、炭酸カルシウム89.2部を混合粉
砕し、均一な粉体とした。得られた粉体を60℃の温水
(60℃)で加温したジャケット付きリボンニーダーに
加え、粉体の重量に対して温水(60℃)18部相当を
加え、混合捏和した。この捏和物を直ちにバスケット型
造粒機で粒径0.8mmに造粒し、80℃に調整した温
風乾燥機で1時間乾燥した。得られた粒状物を篩を用い
て0.5〜1.0mmの粒度に調整し、ピリミノバック
メチル0.3部を含有する農薬粒剤組成物を得た。
1.2部、サーモゲル300((株)興人製、登録商
標、感温点30℃)5.5部、ポリビニルアルコール
5.5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
5部、ホワイトカーボン1部、炭酸カルシウム75.4
7部を混合粉砕し、均一な粉体とした。得られた粉体を
60℃の温水で加温したジャケット付きリボンニーダー
に加え、粉体の重量に対して温水(60℃)20部相当
を加え、混合捏和した。この捏和物を直ちにバスケット
型造粒機で粒径0.8mmに造粒し、80℃に調整した
温風乾燥機で1時間乾燥した。得られた粒状物を篩を用
いて0.5〜1.0mmの粒度に調整した。次にこの粒
状固形農薬組成物90部に、アクリルポリオール7.5
部、4,4’−ジフェニルメタンイソシアネート2.5
部を混合した溶液を均一に被覆し、ベンスルフロンメチ
ル0.75部、メフェナセット10部を含有する農薬粒
剤組成物を得た。
ル0.3部、サーモゲル250((株)興人製、登録商
標、感温点25℃)15部、カルボキシメチルセルロー
ス5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5
部、炭酸カルシウム78.69部を混合粉砕し、均一な
粉体とした。得られた粉体を60℃の温水で加温したジ
ャケット付きリボンニーダーに加え、粉体の重量に対し
て温水(60℃)22部相当を加え、混合捏和した。こ
の捏和物を直ちにバスケット型造粒機で粒径0.8mm
に造粒し、80℃に調整した温風乾燥機で1時間乾燥し
た。得られた粒状物を篩を用いて0.5〜1.0mmの
粒度に調整し、ベンスルフロンメチル0.51部、ピリ
ミノバックメチル0.3部を含有する農薬粒剤組成物を
得た。
製、登録商標、感温点25℃)2.5部、カルボキシメ
チルセルロース2部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリ
ウム0.2部、タルク81.1部を混合粉砕し、均一な
粉体とした。得られた粉体を60℃の温水で加温したジ
ャケット付きリボンニーダーに加え、粉体の重量に対し
て温水(60℃)16部相当を加え、混合捏和した。こ
の捏和物を直ちにバスケット型造粒機で粒径1.2mm
に造粒し、80℃に調整した温風乾燥機で1時間乾燥し
た。篩を用いて0.71〜1.4mmの粒度に調整後、
得られた粒状固形農薬組成物85部、ひまし油5部、
0.5mm以下に粉砕したパラフィンワックス(滴点8
0℃)10部を混合し、90℃に調整した温風乾燥機で
20分間放置し、ピロキロン12部を含有する農薬粒剤
組成物を得た。
部、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.1部、ベ
ントナイト15部、クレー76.7部を混合粉砕し、均
一な粉体とした。得られた粉体をリボンニーダーに加
え、粉体の重量に対して水24部相当を加え、混合捏和
した。この捏和物をバスケット型造粒機で粒径1.2m
mに造粒し、80℃に調整した温風乾燥機で1時間乾燥
し、篩を用いて0.71〜1.4mmの粒度に調整し
た。得られた粒状固形農薬組成物95部を流動層造粒に
入れ、風量30L/秒エアー温度20℃の運転条件下、
製造例3で得られた感温点30℃を有するポリN−イソ
プロピルアクリルアミド系共重合体架橋物の20重量%
水溶液25部を25mL/分の流量で噴射し、粒状固形
農薬組成物に被覆した。噴霧が終了した時点でエアー温
度を80℃として30分間乾燥し、イミダクロプリド5
部を含有する農薬粒剤組成物を得た。
4.9部に混合溶解した原液を、粒度0.25〜0.3
6mmのクレー造粒基剤93部に吸着させ、ペンディメ
タリン含有粒状固形農薬組成物をした。この粒組成物9
7部を流動層造粒機に入れ、風量20L/秒、エアー温
度20℃の運転条件下、製造例1で得られた感温点25
℃を有するポリN−イソプロピルアクリルアミド系共重
合体架橋物の20重量%水溶液15部を20mL/分の
流量で噴霧し、粒状固形農薬組成物に被覆した。噴霧が
終了した時点でエアー温度を80℃として30分間乾燥
し、ペンディメタリン2部を含有する農薬粒剤組成物を
得た。
0℃を有するポリN−イソプロピルアクリルアミド系共
重合体架橋物の20重量%水溶液150部、ホワイトカ
ーボン50部を均一に混合し、風量10L/秒、エアー
温度30℃の運転条件に設定した流動層造粒機内に5m
L/分の流量で噴霧した。噴霧終了後、エアー温度を8
0℃として30分乾燥させ、粉状組成物を得た。この粉
状組成物5部、大豆脂肪酸0.5部、ジイソプロピルリ
ン酸エステル0.1部、ホワイトカーボン1部、クレー
93.4部を混合粉砕し、トリシクラゾール1部を含有
する農薬粉剤組成物を得た。
登録商標、感温点35℃)10部、トリポリリン酸ナト
リウム5部、平均分子量20000のポリエチレングリ
コール10部、ブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン
縮合物ナトリウム10部、ポリオキシエチレンスチレン
化フェニルエーテル硫酸アンモニウム3部を均一に混合
粉砕後、粒度分布が0.15〜0.35mmにある粒状
乳糖38部を加えて混合した。この混合物を直径10m
m、厚さ5mmの円柱状となるよう19.6MPa(2
00kgf/cm2)の圧力で打錠し、ピロキロン24
部を含有する農薬錠剤組成物を得た。
チルアクリルアミド系共重合体架橋物の20重量%水溶
液100部、プロヘキサジオンカルシウム50部、ホワ
イトカーボン30部を均一に混合し、風量10L/秒、
エアー温度30℃の運転条件に設定した粒動造粒機内に
5mL/分の流量で噴霧した。噴霧終了後、エアー温度
を80℃として30分乾燥させ、粉状組成物を得た。こ
の粉状組成物20部、ポリオキシエチレンスチレン化フ
ェニルエーテル硫酸アンモニウム5部、ジブチルナフタ
レンスルホン酸ナトリウム10部、ホワイトカーボン2
部、炭酸カルシウム63部を均一に混合粉砕し、プロヘ
キサジオンカルシウム10部を含有する農薬水和剤組成
物を得た。
5℃を有するポリN−イソプロピルアクリルアミド系共
重合体架橋物の20重量%水溶液200部、ホワイトカ
ーボン20部を均一に混合し、風量10L/秒、エアー
温度30℃の運転条件に設定した流動層造粒機内に5m
L/分の流量で噴霧した。噴霧終了後、エアー温度を8
0℃として30分乾燥させ、粉状組成物を得た。この粉
状組成物50部、ブチルナフタレンスルホン酸ホルマリ
ン縮合物ナトリウム5部、ラウリル硫酸ナトリウム5
部、平均分子量20000のポリエチレングリコール1
0部を均一に混合粉砕後、粒度分布が0.15〜0.3
5mmにある結晶性硫酸アンモニウム33部を加え、混
合した。この混合物を14.7MPa(150kgf/
cm2)で板状とした後、粒度分布が05〜1.7mm
になるように解砕し、トリシクラゾール20部を含有す
る農薬顆粒水和剤組成物を得た。
温点25℃を有するポリN−イソプロピルアクリルアミ
ド系共重合体架橋物の20重量%水溶液200部、珪藻
土20部、ホワイトカーボン20部を均一に混合し、風
量10L/秒、エアー温度30℃の運転条件に設定した
流動層造粒機内に5mL/分の流量で噴霧した。噴霧終
了後、エアー温度を80℃として30分乾燥させ、粉状
組成物を得た。この粉状組成物14部、カフエンストロ
ール40部、カルボキシメチルセルロース10部、ポリ
アクリル酸ナトリウム2部、ジブチルナフタレンスルホ
ン酸ナトリウム5部、トリポリリン酸ナトリウム5部、
炭酸カルシウム24部を混合粉砕し、均一な粉体とし
た。得られた粉体を60℃の温水で加温したジャケット
付きリボンニーダーに加え、粉体の重量に対して温水
(60℃)24部相当を加え、混合捏和した。この捏和
物を直ちにバスケット型造粒機で粒径0.5mmに造粒
し、80℃に調整した温風乾燥機で1時間乾燥した。得
られた粒状物を篩を用いて0.25〜0.71mmの粒
度に調整し、ピラゾスルフロンエチル2.8部、カフェ
ンストロール40部を含有する農薬顆粒水和剤組成物を
得た。
2部、ポリビニルアルコール5.5部、ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム0.5部、ホワイトカボン1
部、ベントナイト25部、炭酸カルシウム55.97部
を混合粉砕し、均一な粉体とした。この粉体をリボンニ
ーダーに加え、粉体の重量に対して水24部相当を加え
混合捏和した。この捏和物をバスケット型造粒機で粒径
0.8mmに造粒し、80℃に調整した温風乾燥機で1
時間乾燥した。得られた粒状物を用いて0.5〜1.0
mmの粒度に調整した。次にこの粒状固形農薬組成物9
0部にアクリルポリオール7.5部、4,4’−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート2.5部を混合した溶液お
よび均一に被覆し、ベンズスルフロンメチル0.75
部、メフェナセット10部を含有する農薬粒剤組成物を
得た。
ル0.3部、カルボキシメチルセルロース3部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部、炭酸カルシ
ウム95.69部を混合粉砕し、均一な粉体とした。得
られた粉体をリボンニーダーに加え、粉体の重量に対し
て水18部相当を加え、混合捏和した。この捏和物をバ
スケット型造粒機で粒径0.8mmに造粒し、80℃に
調整した温風乾燥機で1時間乾燥した。得られた粒状物
を篩を用いて0.5〜1.0mmの粒度に調整し、ベン
スルフロンメチル0.51部、ピリミノバックメチル
0.3部を含有する農薬粒剤組成物を得た。
オクチルスルホコハク酸ナトリウム0.1部、ベントナ
イト20部、クレー71.9部を混合粉砕し、均一な粉
体とした。得られた粉体をリボンニーダーに加え、粉体
の重量に対して水24部相当を加え、混合捏和した。こ
の捏和物をバスケット型造粒機で粒径1.2mmに造粒
し、80℃に調整した温風乾燥機で1時間乾燥した。篩
を用いて0.71〜1.4mmの粒度に調整し、イミダ
クロプリド5部を含有する農薬粒剤組成物を得た。
に混合溶解した原液を、粒度0.25〜0.36mmの
クレー造粒基剤93部吸着混合し、ペンディメタリン2
部を含有する農薬微粒剤組成物を得た。
ロピルリン酸エステル0.1部、ホワイトカーボン1
部、クレー97.3部を混合粉砕し、トリシクラゾール
1部を含有する農薬粉剤組成物を得た。
均分子量20000のポリエチレングリコール10部、
ブチルナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウ
ム10部、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエー
テル硫酸アンモニウム3部を均一に混合粉砕後、粒度分
布が0.15〜0.35mmにある粒状乳糖48部を加
え、混合した。この混合物を直径10mm、厚さ5mm
の円柱状となるよう19.6MPa(200kgf/c
m2)の圧力で打錠し、ピロキロン24部を含有する農
薬錠剤組成物を得た。
レンスチレン化フェニルエーテル硫酸アンモニウム5
部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム10部、
ホワイトカーボン2部、炭酸カルシウム73部を均一に
混合粉砕し、プロヘキサジオンカルシウム10部を含有
する農薬水和剤組成物を得た。
40部、カルボキシメチルセルロース5部、ポリアクリ
ル酸ナトリウム2部、ジブチルナフタレンスルホン酸ナ
トリウム10部、トリポリリン酸ナトリウム5部、ホワ
イトカーボン5部、炭酸カルシウム24部を混合粉砕
し、均一な粉体とした。この粉体をリボンニーダーに加
え、粉体の重量に対して水24部相当を加え混合捏和し
た。この捏和物をバスケット型造粒機で粒径0.5mm
に造粒し、80℃に調整した温風乾燥機で1時間乾燥し
た。得られた粒状物を篩を用いて0.25〜0.71m
mの粒度に調整し、ピラゾスルホンエチル2.8部、カ
フェンストロール40部を含有する農薬顆粒水和剤組成
物を得た。
成物を無作為に5粒選び、40℃に設定した恒温水槽に
水1Lを張った直径15cmのシャーレーに静かに投下
した。投下6時間後の粒状固形農薬組成物の崩壊分散の
様子を観察した。次いで恒温水槽の設定温度を20℃に
変更し、変更2時間後の崩壊分散状態を観察した。結果
を表1に示す。
得られた粒状固形農薬組成物、ならびに対照としてウル
フエース粒剤17(市販品)およびコラトップ粒剤5
(市販品)を12g秤り取り、屋外で2m×2mに区取
りした水田に均一に散布した。散布時の水温および観察
時の水温を記録し、散布後の任意の時間で粒状固形農薬
組成物の崩壊分散状態を確認した。結果を表2に示す。
区の面積が4m2(2m×2m)となるよう試験区を作
り、実施例2、3、比較例1、2については、移植10
日後の正午過ぎの田面水の温度が高い時点で、実施例
7、8、9、比較例5、6、7については、移植後2か
月経過後の正午過ぎの田面水の温度が高い時点で固形農
薬組成物を散布し、水稲に対する薬害を調査した。結果
を表3に示す。
実施例の粒状固形農薬組成物は比較例の粒状固形農薬組
成物に比べ、感温点を超えた温度では崩壊分散しにくい
が、感温点以下の温度では短時間に粒状固形農薬組成物
が崩壊分散した。
性樹脂を含有する実施例の粒状固形農薬組成物は比較例
の粒状固形農薬組成物に比べ、日中の水温が高い状態に
散布しても薬害が軽減する傾向が認められた。
固形農薬組成物は感温点を超えた温度では固形農薬組成
物が崩壊せず、感温点以下の温度で固形農薬組成物が崩
壊して農薬活性成分が水中または土壌に溶出する。ま
た、固形農薬組成物を疎水性物質で被覆し、崩壊分散を
長期間抑制した固形農薬組成物中に感温吸排水性樹脂を
配合することにより、一定期間後の感温点以下の温度で
固形農薬組成物を崩壊させることが可能である。したが
って、本発明の固形農薬組成物は一定期間経過後または
散布当日の低温時に農薬を放出させることが可能であ
り、夕方の温度の低下と共に固形農薬組成物を崩壊分散
させ、高温施用による農薬の薬害を回避することができ
る。
Claims (11)
- 【請求項1】 農薬活性成分と感温吸排水性樹脂とを含
む固形農薬組成物。 - 【請求項2】 農薬活性成分を含む固形製剤が感温吸排
水性樹脂で被覆された固形農薬組成物。 - 【請求項3】 感温吸排水性樹脂がポリN−イソプロピ
ルアクリルアミド系共重合体架橋物である請求項1また
は2記載の固形農薬組成物。 - 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の固
形農薬組成物がさらに感温吸排水性樹脂で被覆された固
形農薬組成物。 - 【請求項5】 感温吸排水性樹脂が2種以上の感温吸排
水性樹脂である請求項1ないし4のいずれかに記載の固
形農薬組成物。 - 【請求項6】 さらに補助剤を含む請求項1ないし5の
いずれかに記載の固形農薬組成物。 - 【請求項7】 請求項1ないし6のいずれかに記載の固
形農薬組成物がさらに疎水性物質で被覆された固形農薬
組成物。 - 【請求項8】 固形農薬組成物全体に占める農薬活性成
分の含有量が0.01〜80重量%、感温吸排水性樹脂
の含有量が0.1〜50重量%である請求項1ないし7
のいずれかに記載の固形農薬組成物。 - 【請求項9】 粒剤または微粒剤である請求項1ないし
8のいずれかに記載の固形農薬組成物。 - 【請求項10】 顆粒水和剤である請求項1ないし8の
いずれかに記載の固形農薬組成物。 - 【請求項11】 水田用である請求項1ないし10のい
ずれかに記載の固形農薬組成物。
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